JP2740458B2 - 閉式液体循環システムにおける脱気方法及び装置 - Google Patents

閉式液体循環システムにおける脱気方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バルブにより所定量の
液体を循環システムから取り出して密閉されたタンクに
入れ、ポンプにより前記タンクの圧力を下げて液体を脱
気し、この液体を前記タンクから吸い出して再び前記循
環システムに加え、分離された空気を排気ユニットを介
して外部に放出する閉式液体循環システムにおける脱気
方法、及びこの方法を実施する脱気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記タイプの方法は欧州特許出願3−
0,187,683号、特にその図5及びそれについて
の記載から知られている。この公知の方法では、レベル
計が第1信号を出すまで液体がタンクに入れられ、レベ
ル計が第1信号を出すとバルブが閉じられかつ作動して
いないポンプが駆動する。このポンプの駆動によりタン
ク内は低圧になり、その結果バルブの上流に位置する供
給対象から分岐しかつ減圧弁を含む配管を介して水がポ
ンプに吸入される。水がタンク内に流れると、タンク内
の低圧により脱気される。ポンプの作用でレベル計が第
2信号を出すまでタンク内の液体レベルは下がり、レベ
ル計が第2信号を出すとポンプは停止しかつバルブが開
かれる。タンク内に流入する水はタンク内に存在する分
離された空気をフロート弁及び逆止弁を介して外部に放
出する。バルブを介して十分な水がタンク内に流入され
ると直ちにレベル計は再び第1信号を出し、それにより
次の空気分離段階が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の方
法は、ポンプが回転しかつ弁が閉じられる空気分離段階
と、ポンプが停止しかつ弁が開かれる空気放出段階とを
包含している。言い換えれば、その方法は種々のバルブ
を制御しかつポンプを駆動及び停止しなければならない
非連続的な方法である。本発明ではこれを問題とし、空
気分離段階ができるだけ長く続くようレベル計を設計す
ることにより、そのような望ましくない結果を少なくせ
んとするものである。
【0004】本発明の目的は、上記のようなタイプの方
法を改良し、一連の制御操作により調整される2つの別
々の工程を必要とせず、連続的な操作により脱気を行え
るようにすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段、作用及び発明の効果】本
発明によれば上記目的は、バルブによるタンクへの供給
は開始及び停止を交互に行い、その間ポンプを連続的に
動作させ続けることにより達成される。この方法によ
り、バルブが閉位置にあるときはタンク内の圧力は減じ
られ、その結果タンク内の液体は脱気される。続いてバ
ルブが開かれると、脱気された水はタンクから液体循環
システムに移され、次に脱気されるべき液体がタンクに
入る。タンク内で所定量の空気が分離され、排気ユニッ
トを開位置に切換える空気塊が形成されると、空気はタ
ンクの外部に放出される。このように極めて簡単な方法
で、少なくともバルブの制御及びポンプの駆動に関する
限り、バルブの開閉制御以外を必要としない連続的に動
作するシステムが得られる。バルブの開閉制御は周期的
に例えば15秒毎に実行されるので、制御工学の観点か
ら非常に簡単な方法で、例えばカムディスク形式で連続
動作を制御することにより実現可能である。
【0006】本発明の他の特徴によれば、好ましくは、
バルブは開位置にあるとき絞り作用を有する。この特徴
により、バルブにより吸入される液体の「霧化」や「泡
立ち」が生じる。この「霧化」や「泡立ち」は脱気の観
点から特に有効であり、これは特にバルブの閉状態の間
に蓄積される減圧により生じる。このように、バルブの
閉状態の間だけでなくバルブが開いた後も減圧によりタ
ンク内で脱気が行われ、ポンプの連続回転により絞り弁
の開時間及び閉時間の両方で液体から空気が分離され、
脱気手順が連続的に実施される。
【0007】また、本発明は前述の脱気方法を実施する
装置に関する。このため、本発明によれば、液体循環シ
ステムに接続され、周期的に開閉される絞り弁を含む供
給管路と、前記供給管路に連通するよう接続された液体
タンクと、前記液体タンクを前記液体循環システムに接
続する、ポンプを含む吐出管路とを備え、前記液体タン
クは、その排気部に、所定のレベルまで液面が下がると
開くフロート制御式の空気リリーフ弁及びこの空気リリ
ーフ弁の開位置でタンク内部から外部へ向かう一方向の
みの空気の流れを許す逆止弁又は前記一方向のみ空気を
流すように制御可能な別のバルブを有するものとする
これにより、非常に効果的なしかも連続動作する脱気装
置が最小の部品及び制御手段で実現可能になる。さら
に、構成要素が少ないことにより、装置が比較的安価に
なるだけでなく、装置の簡単さのため比較的故障も起こ
りにくいものとなる。
【0008】
【実施例】図面に示した好適な実施例を参照しながら、
本発明による脱気装置をさらに明瞭に説明する。図1は
本発明による脱気装置の正面図を概略的に示したもので
あり、図2は図1の脱気装置の動作を一連のタイムチャ
ートで示したものである。
【0009】図1に示されている脱気装置は、排気ユニ
ット2を有する密閉されたタンク1を備え、例えば米国
特許出願4,027,691号により知られた排気部に
逆止弁を備えたフロート制御方式の脱気装置である。排
気ユニット2は、逆止弁の代わりに、空気をタンク内部
から外部に向かう一方向のみ通すよう制御される例えば
パワー制御方式の電磁弁のようなバルブを用いることも
可能である。
【0010】タンク1は供給管3と接続され、供給管3
は絞り弁4を備え、絞り弁4は制御ユニット5により開
位置と閉位置とを交互に設定可能である。また、タンク
1は吐出管6と接続され、吐出管6はポンプ7例えば高
圧ポンプを備えている。供給管3及び吐出管6は破線で
示されている、液体循環システム(図示しない)の配管
8と接続されている。
【0011】上記脱気装置が液体循環システムに接続さ
れたときの動作は次の通りである。脱気装置はポンプ7
のスイッチをオンとすることにより駆動される。これは
図2の最上段のタイムチャートに示され、その下のタイ
ムチャートはそのとき絞り弁4が閉位置にあることを示
している。また、前提として、タンク1内の圧力及び液
面レベルは3段目のタイムチャートに示すようであり
気ユニット2のフロート弁及び逆止弁もまた下側2段
のタイムチャートに示すように閉位置にあるようなもの
とする。
【0012】ポンプ7の連続的な吸引によりタンク1か
ら水が常時引き抜られようとし、その結果タンク1の液
面レベル及び圧力は、3段目のタイムチャートに示すよ
うに低下する。一般に知られているように、圧力が低下
すると液体から空気が分離され、その空気はタンク1内
の上部に集まる。この圧力低下は水を引き抜くことすな
わちタンク1内の液面レベルが下がることにより起こ
り、4段目のタイムチャートで示すように、所定のレベ
ルまで液面が下がるとフロート制御弁が開かれる。タン
ク1内の圧力は、3段目のタイムチャートで示すよう
に、そのときはまだ大気圧より高いため、フロート制御
弁が開くことにより逆止弁も開き、圧力が大気圧になっ
て逆止弁が閉じるまで空気が放出され、そのため空気が
タンク1内に流入することはありえない。逆止弁が閉じ
た後、タンク1内の低下する液面レベルゆえにフロート
制御弁が開いた状態に保たれる間、圧力及び液面レベル
は、絞り弁4が開くまでポンプ7の連続動作により低下
し続ける。
【0013】絞り弁4が開くと直ちにポンプ7のポンプ
作用により生じたタンク1内の低圧とポンプ7の間断の
ない連続動作により、液体が絞り弁4を介して強制的に
吸引される。この強制的な吸引により液体はいわば「霧
状」または「泡状」の形に微細に分割され、その結果液
体中に溶解した空気は普通に流れる液体から分離するよ
りもはるかに容易に分離できるようになる。このように
分離された空気は再びタンク1内の上部に集まる。ま
た、タンク1内の圧力及び液面レベルは図2の3段目の
タイムチャートに示すように上昇する。このとき、フロ
ート制御弁は4段目のタイムチャートに示すように開位
のままである。次いでタンク1内の圧力が大気圧より
高くなると直ちに、最下段のタイムチャートに示すよう
に逆止弁は再び開き、タンク1内の液面レベルがフロー
ト制御弁が閉じる位置に上昇するまで、集められた空気
が放出される。そのとき、大気圧より高い圧力の空気の
供給がストップするので、逆止弁は再び閉じる。絞り弁
4を介してタンク1に吸入される液体とポンプ7の作用
によりタンク1から吐出される液体とが平衡状態になる
までタンク1内の圧力は上昇し、その間絞り弁4を介し
ての吸入が続くことにより液体は微細に分割され空気の
分離が容易になっている。
【0014】この分離段階に続いて、制御ユニット5に
より再び絞り弁4が閉じられた後、再度圧力低下が発生
し、これが継続される。このようにして、液体からの空
気の分離は連続的に行われることになる。
【0015】絞り弁4の開閉は周期的に行うことができ
る。この点に関し、実験によれば、絞り弁4の開閉を1
5秒間ずつ交互に行うならば、優れた脱気結果が得られ
た。もちろん、10秒や30秒というように他の値を選
択することもできる。また、開時間と閉時間とは常に同
じである必要はなく、これらはすべて脱気装置に用いら
れる構成要素の特性により決定される。
【0016】本発明の脱気装置によれば、非常に効果的
な方法で液体から空気を抜くことができる。この場合、
装置を動作させたままにしておくことはほとんど必要な
いことは説明するまでもない。よって、装置は停止させ
ておくことができる。液体循環システムの通常の機能で
は、液体を非飽和状態に保つためには、ときどき例えば
24時間に一度装置を動作させれば十分である。もちろ
ん、種々の要因に応じて他のオン/オフ期間を選択する
ことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による脱気装置の正面図を概略的に示し
たものである。
【図2】図1の脱気装置の動作を一連のタイムチャート
で示したものである。
【符号の説明】
1 タンク 2 排気ユニット 3 供給管 4 絞り弁 5 制御ユニット 6 吐出管 7 ポンプ 8 配管

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バルブにより所定量の液体を循環システ
    ムから取り出して密閉されたタンクに入れ、ポンプによ
    り前記タンクの圧力を下げて液体を脱気し、この液体を
    前記タンクから吸い出して再び前記循環システムに加
    え、分離された空気を排気ユニットを介して外部に放出
    する閉式液体循環システムにおける脱気方法において、 前記バルブによる前記タンクへの供給は開始及び停止を
    交互に行い、その間前記ポンプを連続的に動作させ続け
    ることを特徴とする閉式液体循環システムにおける脱気
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の閉式液体循環システムに
    おける脱気方法において、前記バルブは、開位置にある
    とき絞り作用を有することを特徴とする閉式液体循環シ
    ステムにおける脱気方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の閉式液体循環シ
    ステムにおける脱気方法において、前記バルブは、15
    秒間閉じられた後、15秒間開かれることを特徴とする
    閉式液体循環システムにおける脱気方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の方法
    を実施するための閉式液体循環システムにおける脱気装
    置において、 液体循環システムに接続され、周期的に開閉される絞り
    弁を含む供給管路と、 前記供給管路に連通するよう接続された液体タンクと、前記液体タンクを前記液体循環システムに接続する、
    ンプを含む吐出管路とを備え 前記液体タンクは、その排気部に、所定のレベルまで液
    面が下がると開くフロート制御式の空気リリーフ弁及び
    この空気リリーフ弁の開位置でタンク内部から外部へ向
    かう一方向のみの空気の流れを許す逆止弁又は前記一方
    向のみ空気を流すように制御可能な別のバルブを有する
    ことを特徴とする閉式液体循環システムにおける脱気装
    置。
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NL9301908 1993-11-04

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EP (1) EP0652406B1 (ja)
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KR (1) KR0185196B1 (ja)
AT (1) ATE177189T1 (ja)
CA (1) CA2134284C (ja)
DE (1) DE69416781T2 (ja)
DK (1) DK0652406T3 (ja)
ES (1) ES2128507T3 (ja)
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