JP2740351B2 - 防災システムのデータチェック方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、異常事態を検知して報知する防災システム
のデータチェック方式に関するものである。

［従来の技術］ 防災システムとしては火災を検知する報知する自動火
災報知システムがある。この種の自動火災報知システム
においては、火災を検知する複数の感知器と、火災の発
生を報知する地区ベル等の報知器と、火災時に発生する
煙の広がりを防止する防煙装置等の防火装置とを備え、
例えばビル等の各フロア等に設置された感知器、報知
器、防火装置をそのフロアに設置された中継器により監
視制御すると共に、各フロアの中継器を受信機により集
中監視するものがある。

この自動火災報知システムにおいては、感知器による
火災検知出力を中継器を介して受信機が受信すると、火
災を報知するために中継器を介して報知器を鳴動させる
と共に、煙等から人を守るために防火装置を作動させ
る。なお、以下この制御を連動制御と呼ぶ。

ところが、この種の自動火災報知システムで、受信機
が故障したり、受信機と中継器との間の信号線が火災に
より断線したりすると、報知器や防火装置を連動制御で
きなくなる。

そこで、この点を改善するために、受信機による連動
制御の不能時に受信機の代わりに中継器が上記連動制御
を行えるようにした自動火災報知システムが提供されて
いる。ここで、中継器で連動制御を可能とする方法とし
ては、感知器の感度データ、防火装置の機能データ、及
び受信機による連動制御の不能時に感知器の出力に応じ
て報知器及び防火装置を連動制御するデータ（以下、こ
れらデータを連動テーブルと呼ぶ）を中継器に記憶させ
ることが考えられる。なお、上記連動テーブルは、スイ
ッチ、EPROM、あるいはダイオードマトリックスによっ
て記憶すればよい。

しかしながら、この方法であると、連動テーブルに変
更があったとき、その変更に対応する中継器の連動テー
ブルをすべて変更しなければならず、例えば中継器の台
数が多い場合等においては大変に不便であった。

また、中継器で連動制御を可能とする別の方法として
は、中継器に受信機によってデータの変更が行える連動
テーブルを記憶させることが考えられる。なお、この場
合には連動テーブルを、RAM、電源バックアップのRAM、
不揮発性メモリに記憶させればよい。このようにすれ
ば、受信機から中継器に連動テーブルを転送でき、連動
テーブルの変更に際しては受信機の連動テーブルだけを
変更すれば、中継器にその変更した連動テーブルを転送
して中継器の連動テーブルを変更でき、中継器において
連動テーブルを個別に変更する必要がなくなる。

この方式を用いて連動テーブルの変更を行う具体例を
以下に示す。この場合、受信機における連動テーブルの
記憶はEPROMを用いて行うようにしておき、感知器の感
度や防火装置の連動制御の変更がある場合、EPROMの内
容の変更あるいは交換を行い、その後受信機から中継器
に連動テーブルを転送する。ここで、10点以内の連動テ
ーブルの変更は、EPROMの内容の変更あるいは交換を行
うことなく、不揮発性メモリを使用することにより緊急
の連動テーブルの変更に対応させてある。

［発明が解決しようとする課題］ ところが、上述の方法を採用した場合でも次の問題が
ある。つまり、受信機で連動テーブルの変更を行った際
に、中継器に変更した連動テーブルを転送することを忘
れた場合に、受信機及び中継きのいずれでもそのミスを
発見すことができないという問題があった。

本発明は上述の点に鑑みて為されたものであり、その
目的とするところは、連動テーブルの変更した時に中継
器に変更した連動テーブルを転送し忘れても、自動的に
連動テーブルを転送することができる防災システムのデ
ータチェック方式を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本発明は感知器の感度デ
ータ、防災装置の機能データ、及び受信機による連動制
御の不能時に感知器の出力に応じて報知器及び防火装置
を連動制御するデータからなる連動テーブルとテーブル
バージョンを受信機から中継器に転送して記憶させ、受
信機が一定期間毎に中継器に対して送りテーブルのチェ
ックを行わせるテーブルチェックコマンドに内蔵させて
テーブルバージョンを送り、この際のテーブルバージョ
ンが記憶するテーブルバージョンと一致するか否かの判
断を中継器に行わせ、不一致時に中継器から連動テーブ
ルの再送要求を行わせるようにしてある。

［作用］ 本発明は、上述のように一定期間毎に行われるテーブ
ルチェック時にテーブルバージョンの確認を中継器で行
わせ、不一致時に連動テーブルを再送させるようにする
ことにより、連動テーブルの変更を行った場合に中継器
への連動テーブルの転送を忘れた場合にも自動的に中継
器の連動テーブルを修復することができるようにしたも
のである。

［実施例］ 第１図乃至第７図に本発明の一実施例を示す。本実施
例も自動火災報知システムに本発明を適用したもので、
第３図に示すように、火災を検知する複数の感知器Ｓ
と、火災の発生を報知する地区ベル等の報知器Ｃと、火
災時に発生する煙の広がりを防止する防煙装置等の防火
装置Ｄとを備え、例えばビル等の各フロア等に設置され
た感知器Ｓ、報知器Ｃ及び防火装置Ｄはそのフロアに設
置された中継器Ｂに接続してあり、各フロアに設置され
た中継器Ｂは信号線を介してを受信機Ａに接続され、こ
の受信機Ａにより集中監視されるようになっている。な
お、感知器Ｓが接続された感知器回線の終端には終端器
Ｅを接続してある。そして、この自動火災報知システム
においては、感知器Ｓの感度データ、防火装置Ｄの機能
データ、及び報知器Ｃ及び防火装置Ｄを連動制御するデ
ータからなる連動テーブルを中継器Ｂが記憶しており、
これら中継器Ｂに対応して各フロアに設定された感知器
Ｓ、報知器Ｃ及び防火装置Ｄの監視制御を行ういわゆる
分散処理方式を採用してあり、上記中継器Ｂの記憶する
連動テーブルは受信機Ａにより書き換え自在となってい
る。

上記分散処理方式の自動火災報知システムにおいて受
信機Ａから中継器Ｂへの連動テーブルの転送は、第１図
に示すプロトコルに従って行う。つまり、連動テーブル
のスタートシーケンスをまず実行し、次に連動テーブル
の実際の転送を行う転送シーケンスを行い、最後に連動
テーブルのエンドシーケンスを実行することで行う。

上記連動テーブルの転送のためのスタートシーケンス
時には、第５図（ａ）に示すデータフォーマットでデー
タを送信する。つまり、スタートシーケンス時に伝送さ
れるデータは、同期信号（SYN）、中継器アドレスデー
タ（ADDRESS）、ファンクションデータとしてのIPL（ス
タート）、伝送誤り検出のためのCRC1,CRC2（本実施例
では巡回冗長検査方式を採用している）からなる。即
ち、第４図（ａ）に示すように、IPL（スタート）によ
り中継器Ｂに連動テーブルを転送可能な状態とし、中継
器Ｂでは転送を受け入れ可能状態となった際に終了を示
すデータを受信機Ａに返送する。ここで、上記中継器Ｂ
からの返送データのデータフォーマットは、第７図
（ｃ）に示すように、ファンクションデータをENDとし
たデータを返送する。

第４図（ｂ）に示す連動テーブルの転送時には、第５
図（ｃ）のデータフォーマットでIPL0をまず送信し、こ
れに中継器Ｂが第７図（ｂ）に示すデータフォーマット
のACKで応答した際に、第５図（ｄ）に示すデータフォ
ーマットでIPL（データ）を転送し、転送が完了する
と、中継器Ｂから上記ENDを返送する。ここで、上記１
シーケンスで行われるのは、１個分のテーブルであり、
複数のテーブルを転送する場合には上記シーケンスを繰
り返すことにより行う。そして、中継器Ｂでは転送され
た連動データをメモリに記憶する。なお、ファンクショ
ンデータとしてIPL（データ）を送る場合のデータフォ
ーマットは、第５図（ｄ）に示すようになっており、IP
L（データ）に続く４データ後に連動テーブルのデータ
を送る構成となっている。

上述のようにして連動テーブルの転送が完了すると、
連動テーブルの転送を終了する第４図（ｃ）に示すエン
ドシーケンスを実行し、中継器Ｂの連動テーブルの転送
可能状態を解除する。この連動テーブルの転送後のエン
ドシーケンスの終了後には、第１図（ｂ）に示すように
中継器Ｂは連動データに誤りがないかをCRCデータに基
づいて検査する。

なお、自動火災報知システムでは中継器Ｂの連動テー
ブルが壊れた場合に対処できるように、受信機Ａが一定
期間毎に中継器Ｂにテーブルチェックコマンドを送信
し、このコマンドを受信した中継器ＢではCRCデータを
チェックすることにより連動テーブルの検査を行うよう
にしてある。そして、連動テーブルが壊れている場合に
は受信機Ａに対して連動テーブルを再送する要求を行
い、連動テーブルの修復を行うようにしてある。

上述の連動テーブルの転送以外に受信機Ａと中継器Ｂ
との間では次のプロトコルに従って通信を行う。つまり
は、特定の中継器Ｂの応答確認ための第６図（ａ）に示
すKPOLLシーケンス、受信機Ａから特定の中継器Ｂを制
御するための第６図（ｂ）に示すWRITEシーケンス、受
信機Ａが特定の中継器Ｂのデータ（アナログ感知器Ｓの
アナログ情報）を読み込むための第６図（ｃ）に示すRE
ADシーケンス、受信機Ａから特定中継器Ｂのデータ（一
般情報）を読み込むための第６図（ｄ），（ｅ）に示す
GPOLLシーケンス（但し、同図（ｄ）は中継器Ｂにデー
タがある場合、同図（ｅ）は中継器Ｂにデータが無い場
合を示す）などがある。なお、夫々の通信で用いられる
信号のデータフォーマットは第７図に示すようになって
いる。また、一般情報とは、火災情報、防火装置Ｄの作
動監視情報、中継器Ｂの内部情報を示す。さらに、KPOL
Lシーケンス、WRITEシーケンスにおいて中継器Ｂから受
信機Ａに返送されるKOPLL及びWRITEは受信機ＡからKPOL
L及びWRITEをエコーバックされるものである。

上述の説明は従来の自動火災報知システムも備える機
能の説明であったが、次に本実施例の特徴とする機能に
ついて説明する。本実施例では、上述した受信機Ａから
中継器Ｂへの連動テーブルの転送後に、WRITEシーケン
スを用いて第１図（ａ）に示すようにテーブルバージョ
ンを送信し、第１図（ｂ）に示すように上記テーブルバ
ージョンを中継器Ｂに記憶させる。そして、上述した中
継器Ｂの連動テーブルが壊れた場合に対処するためのテ
ーブルチェック時に、テーブルチェックコマンドと共に
テーブルバージョンを送る。このテーブルチェックコマ
ンドを受信した中継器Ｂでは、上述した誤りチェックの
前に、記憶してあるテーブルバージョンとテーブルチェ
ック時に送られてくるテーブルバージョンとの比較を行
うことにより自己の記憶する連動テーブルが正しいもの
であるか否かの判断を行う。従って、従来のように中継
器Ｂに変更した連動テーブルの転送を行うことを忘れた
場合にもテーブルチェック時にそれを発見することがで
き、この際に連動テーブルの再送要求を行うことにより
連動テーブルを修復することができる。

〔発明の効果〕

本発明は上述のように、感知器の感度データ、防災装
置の機能データ、及び受信機による連動制御の不能時に
感知器の出力に応じて報知器及び防火装置を連動制御す
るデータからなる連動テーブルとテーブルバージョンを
受信機から中継器に転送して記憶させ、受信機が一定期
間毎に中継器に対して送りテーブルのチェックを行わせ
るテーブルチェックコマンドに内蔵させてテーブルバー
ジョンを送り、この際のテーブルバージョンが記憶する
テーブルバージョンと一致するか否かの判断を中継器に
行わせ、不一致時に中継器から連動テーブルの再送要求
を行わせるようにしてあるので、連動テーブルの変更を
行った場合に中継器への連動テーブルの転送を忘れた場
合にも自動的に中継器の連動テーブルを修復することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ），（ｂ）は本発明の一実施例の連動テーブ
ルの転送時の受信機の処理を示すフローチャート及び連
動テーブル受信時の中継器の処理を示すフローチャー
ト、第２図はテーブルチェック時の中継器の処理を示す
フローチャート、第３図は自動火災報知システムのシス
テム構成図、第４図は連動テーブルの転送のためのプロ
トコルの説明図、第５図は同上の通信時に送信される信
号のデータフォーマットを示す説明図、第６図は同上の
他の通信のためのプロトコルの説明図、第７図は同上に
おいて使用される信号のデータフォーマットである。Ａ
は受信機、Ｂは中継器、Ｓは感知器、Ｃは報知器、Ｄは
防火装置である。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】異常を検知する複数の感知器と、異常を報
   知する報知器と、異常発生時に作動する防災装置と、こ
   れら感知器、報知器及び防災装置を監視制御する中継器
   と、中継器を集中監視する受信機とからなり、感知器の
   感度データ、防災装置の機能データ、及び受信機による
   連動制御の不能時に感知器の出力に応じて報知器及び防
   火装置を連動制御するデータからなる連動テーブルとテ
   ーブルバージョンを受信機から中継器に転送して記憶さ
   せ、受信機が一定期間毎に中継器に対して送りテーブル
   のチェックを行わせるテーブルチェックコマンドに内蔵
   させてテーブルバージョンを送り、この際のテーブルバ
   ージョンが記憶するテーブルバージョンと一致するか否
   かの判断を中継器に行わせ、不一致時に中継器から連動
   テーブルの再送要求を行わせるようにして成ることを特
   徴とする防災システムのデータチェック方式。