JP2737610B2 - 排煙脱硫排水の処理方法 - Google Patents
排煙脱硫排水の処理方法Info
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Description
に係り、特に、ペルオキソ硫酸とCOD成分とを含む排
煙脱硫排水を効率的に処理して高水質処理水を得る方法
に関する。
した際に発生した排ガスの脱硫装置から排出する排ガ
ス、いわゆる排煙脱硫排水はフッ素、重金属類、COD
成分を含有するため、これらを除去する必要がある。
としては、まず、重金属類、フッ素を処理するためにカ
ルシウム塩を添加してアルカリ性に調整し、沈殿分離し
た後、pH調整してCOD成分を吸着除去する方法が採
用されている(特公昭55−43732号、同55−1
2312号等)。
灰、塩化カルシウムなどのカルシウム塩と苛性ソーダ、
炭酸ソーダなどのアルカリ薬品を添加して凝集沈殿、濾
過などの処理法で重金属類、フッ素の有害物質の大部分
を除去した後、COD成分を除去するために、pH調整
し、好ましくはpH7〜3の中性或いは弱酸性領域にお
いて弱塩基性又は中塩基性アニオン交換樹脂の吸着樹脂
に接触させてCOD成分(チオン酸類)を選択的に吸着
分離していた。
いて石炭・石油燃料の効率化、排煙脱硫方式の改良など
によって排煙脱硫排水の水質が変化してきた。そして、
この排煙脱硫排水の水質の変化に伴い、従来の処理法で
は有害物質が十分除去できず、COD吸着樹脂の性能が
急激に低下ないし劣化するなどの問題が発生するように
なり、著しい場合には、COD吸着樹脂の全交換容量は
約50%にまで低下するようになった。
低下ないし劣化の原因を究明するべく種々検討を行なっ
た結果、吸収塔内で空気曝気によるスート混合型酸化方
式を採用したことによって、従来技術では除去し得ない
酸化性有害物質として、ペルオキソ硫酸が生成し、この
ペルオキソ硫酸がCOD吸着樹脂を酸化劣化させること
を見出した。
あって、排煙脱硫排水のCOD成分の吸着処理に先立
ち、予め酸化性有害物質であるペルオキソ硫酸を効率的
に除去することにより、COD成分を効率的に吸着除去
して高水質処理水を得るための方法を提供することを目
的とする。
処理方法は、ペルオキソ硫酸とCOD成分とを含む排煙
脱硫排水にpH調整剤を添加してpH5以下に調整した
水を活性炭と接触させ、次いでCOD吸着樹脂と接触さ
せることを特徴とする。
水に含まれるペルオキソ硫酸は、ペルオキシ硫酸、過硫
酸又はペルオクソ硫酸とも呼称され、具体的にはペルオ
キソ二硫酸(peroxodisulfuricacid):H2 S2 O8 、
ペルオキソ一硫酸(peroxosulfuricacid):H2 SO5
等が例示される。
する。
一実施例方法を示す系統図である。
濾過器、3はpH調整槽、4は活性炭吸着塔、5はCO
D吸着塔、6は処理水槽であり、11〜16の各符号は
配管である。
硫排水に、カルシウム塩、例えば消石灰を添加してフッ
素を処理するとともにpHを調整して重金属イオンを水
酸化物として凝集沈殿分離槽1にて沈殿分離する。この
処理にあたり、必要に応じて重金属の残存量を少なくす
るために、捕集剤を追加添加しても良い。この場合、捕
集剤としては、ジチオカルバミン酸系等の高分子重金属
キレート剤が例示できる。
濾過器2に送給して濾過することにより、排煙脱硫排水
中に含有される重金属類及びフッ素を分離除去した後、
濾過水を配管13よりpH調整槽3に送給し、塩酸等の
酸を添加してpH5以下、好ましくはpH3.0〜5.
0に調整する。
に送給して、含有される酸化性有害物質のペルオキソ硫
酸を除去する。
末、粒状のいずれでも良く、また、活性炭による処理は
反応槽における処理でも良いが、好ましくは粒径0.1
〜1mmの粒状活性炭を充填した塔に通水接触させる。
この活性炭吸着塔の通水条件はSV=5〜20hr-1程
度が好ましい。
5よりCOD吸着塔5に送給し、COD成分を吸着除去
する。COD吸着塔5はCOD吸着樹脂として、弱塩基
性又は中塩基性アニオン交換樹脂を充填してなるもので
ある。なお、このCOD吸着樹脂による吸着処理も、反
応槽による処理でも良いが、好ましくはCOD吸着樹脂
を充填した塔に通水接触させるのが望ましい。
害物質であるペルオキソ硫酸が除去されているため、C
OD吸着樹脂は経時劣化を引き起こすことなく、COD
成分を効率的に吸着除去することができる。なお、この
COD吸着塔5の通水条件は、SV=5〜20hr-1程
度とするのが好ましい。
処理水槽6に送給され、配管17より系外へ排出され
る。
の流出水には通常若干量のフッ素が残留しているので、
COD吸着塔の流出水は、必要に応じてpH調整剤を添
加してpH3〜7程度に調整した後、フッ素吸着樹脂と
接触させてフッ素をより高度に除去するのが好ましい。
ば、セリウム、ハフニウム、チタン、ジルコニウム、
鉄、アルミニウム、ランタニド等のフッ素イオンと錯化
合物を形成する金属イオンを吸着した樹脂、活性炭、活
性アルミナ、含水酸化チタン、ゼオライト、マグネシア
系吸着剤などが挙げられる。また、このようなフッ素吸
着樹脂による処理はフッ素吸着樹脂を充填した塔に、S
V0.5〜30hr-1程度で通水することにより行なう
のが好ましい。
D吸着樹脂を劣化させる酸化性有害物質であるペルオキ
ソ硫酸を活性炭により予め分解除去した後、COD吸着
樹脂によりCOD成分を効率的に除去することができ
る。
ソ二硫酸は、pH5以下の酸性条件における活性炭の触
媒作用で下記のような還元反応が進行することにより、
効率的に分解除去される。
O+ 1/2O2 )
より具体的に説明する。
/l及びポリアクリルアミド系高分子凝集剤1mg/l
を注入して凝集沈殿分離槽1で凝集沈殿処理した後、上
澄水を濾過器2で砂−アンスラサイトの2層濾過を行な
った。濾過水の水質を表1に示す。
(HCl)を75mg/l注入し、pH3に調整した
後、活性炭充填塔(活性炭:「クラレコールKW」(2
0/40メッシュ)(株)クラレ製を20ml充填)4
に通水速度SV=10hr-1で通水処理した。流出水の
水質を表1に示す。
脂を酸化劣化させるS2 O8 2- は0.5mg/l以下に
除去された。
D成分を吸着処理するためにCOD吸着塔(弱(中)塩
基性アニオン交換樹脂:「ダイヤイオンWA−30」三
菱化成(株)製を20ml充填)5に通水速度SV=1
0hr-1で通水処理したところ、表1に示す水質の流出
水が得られた(BV=200の時点)。
H)を添加して中和することにより、表1に示す水質の
処理水を得た。この中和に必要なNaOHは80mg/
lであった。
に約4000BV通水した後、アニオン交換樹脂の全交
換容量を測定したところ1.33meq/ml−樹脂で
あった。新品樹脂では1.4meq/ml−樹脂である
ことから、本実施例においては、全交換容量の低下は約
5%と極めて少ないことがわかる。
煙脱硫排水の処理を行なった。
一機能を奏する部材には同一符号が付してある。即ち、
図2に示す方法は、pH調整槽3を設けず、活性炭吸着
塔4の流入水のpH調整を行なわない点が実施例1の方
法と異なり、他の処理操作は実施例1と同様に行なっ
た。
の流出水の水質及びCOD吸着塔5の流出水の水質を表
1に示した。また、このCOD吸着塔流出水をNaOH
で中和して得られる処理水の水質を表1に示した。な
お、中和に必要なNaOHは20mg/lであった。
に約4000BV通水後、アニオン交換樹脂の全交換容
量を測定したところ0.98meq/ml−樹脂であっ
た。前述の如く、新品樹脂では1.4meq/ml−樹
脂であることから、本比較例における全交換容量低下率
は約30%を示した。
方法によれば、COD吸着塔のアニオン交換樹脂を劣化
させる有害物質であるS2 O8 2- を、活性炭吸着塔にて
効率的に除去することができる。このため、COD吸着
塔のCOD吸着除去効率の経時劣化を引き起こすことな
く、COD成分を極めて低濃度にまで除去することがで
きる。
を設置した場合であっても、活性炭吸着処理に先立って
pHを5以下に調整しない比較例1の方法では、活性炭
吸着塔においてS2 O8 2- を効率的に除去することはで
きず(活性炭吸着塔流出水中にはS2 O8 2- が10.5
mg/l残留している。)、このためCOD吸着塔にお
けるCOD吸着除去効率が悪く、処理水中にはCODが
10mg/l残留する。しかも、アニオン交換樹脂の劣
化のために、このCOD吸着除去効率は経時により大幅
に低下する。
えて、活性炭吸着塔流入水のpHを5.0又は4.0に
調整したこと以外は同様に処理を行なった。
実施例1及び比較例1における結果と共に、表2に示し
た。
あれば、S2 O8 2- を十分に除去できることがわかる。
このpHは3未満としても良いが、S2 O8 2- の除去効
果に大差はなく、また、最終処理水のpH調整に必要と
されるアルカリ剤量も多量となるため、pH3.0〜
5.0に調整するのが好ましい。
水の処理方法によれば、ペルオキソ硫酸とCOD成分と
を含む排煙脱硫排水の処理において、排煙脱硫排水のC
OD成分の吸着処理に先立ち、予め酸化性有害物質であ
るペルオキソ硫酸を効率的に除去することにより、CO
D成分を効率的に吸着除去して高水質処理水を得ること
ができる。本発明によれば、COD吸着効率が高められ
ると共に、COD吸着樹脂の経時劣化が防止され、CO
D吸着除去効率を長期にわたり高く維持することができ
る。
法を示す系統図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 ペルオキソ硫酸とCOD成分とを含む排
煙脱硫排水にpH調整剤を添加してpH5以下に調整し
た水を活性炭と接触させ、次いでCOD吸着樹脂と接触
させることを特徴とする排煙脱硫排水の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5223127A JP2737610B2 (ja) | 1993-09-08 | 1993-09-08 | 排煙脱硫排水の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5223127A JP2737610B2 (ja) | 1993-09-08 | 1993-09-08 | 排煙脱硫排水の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0775778A JPH0775778A (ja) | 1995-03-20 |
JP2737610B2 true JP2737610B2 (ja) | 1998-04-08 |
Family
ID=16793239
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5223127A Expired - Fee Related JP2737610B2 (ja) | 1993-09-08 | 1993-09-08 | 排煙脱硫排水の処理方法 |
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Families Citing this family (3)
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---|---|---|---|---|
JP3739480B2 (ja) * | 1995-10-31 | 2006-01-25 | 栗田工業株式会社 | 排煙脱硫排水の処理方法 |
WO2000069545A1 (fr) * | 1999-05-17 | 2000-11-23 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Procede et systeme de desulfuration de gaz de combustion |
JP5751685B1 (ja) * | 2014-06-17 | 2015-07-22 | 独立行政法人国立高等専門学校機構 | フッ素吸着材及びその製造方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5943236B2 (ja) * | 1980-12-22 | 1984-10-20 | 栗田工業株式会社 | 排煙脱硫排水の処理方法 |
-
1993
- 1993-09-08 JP JP5223127A patent/JP2737610B2/ja not_active Expired - Fee Related
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