JP4315567B2 - フッ素およびホウ素を含む排水の処理方法 - Google Patents
フッ素およびホウ素を含む排水の処理方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フッ素および/またはホウ素を含む排水の処理方法に関し、特にフッ素吸着材および/またはホウ素吸着材の再生排液を処理水のpH調整に使用する、フッ素および/またはホウ素を含む排水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
石炭火力発電所から排出される排煙脱硫排水のような、フッ素およびホウ素を含む排水からフッ素およびホウ素を処理する方法としては、従来、凝集沈殿処理法や吸着処理法が用いられている。フッ素の凝集沈殿処理方法としては、カルシウムイオンの存在下、フッ化カルシウムとしてフッ素を凝集沈殿する方法、およびアルミニウム塩あるいはマグネシウム塩を添加し、アルカリ性条件下で析出した水酸化アルミニウムあるいは水酸化マグネシウムにより凝集沈殿除去する方法がある。また、ホウ素を凝集沈殿処理する方法としては、カルシウムイオンとアルミニウムイオンの存在下、アルカリ性条件下で生じるアルミン酸カルシウムにホウ素を吸着させ沈殿除去する方法がある。さらに、フッ素およびホウ素を同時に凝集沈殿処理する方法としては、カルシウムイオンとアルミニウムイオンの存在下、アルカリ性条件下で、フッ素は主として難溶性のフッ化カルシウムとして析出除去し、ホウ素はアルミン酸カルシウムに吸着除去する方法が知られている。
【0003】
吸着処理法としては、フッ素およびホウ素それぞれを選択的に吸着できる吸着材を用いて、排水中のフッ素およびホウ素を吸着除去する方法が知られており、フッ素吸着材としては、チタン、ジルコニウムあるいは錫の含水亜鉄酸塩を有するイオン交換材等が知られており、ホウ素吸着材としては、N−メチルグルカミン型イオン交換樹脂等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、フッ素およびホウ素を含む排水を処理する方法としては凝集沈殿処理法と吸着処理法がある。凝集沈殿処理法はフッ素およびホウ素を比較的高濃度で含む排水の処理が可能であるが、処理後のフッ素およびホウ素濃度をそれぞれ1mg/L以下にするような、いわゆる高度処理を目的とする場合には多量の薬剤添加が必要となり、発生する汚泥も大量になるという問題があった。また、吸着処理法は排水の高度処理に優れているものの、高濃度の排水を吸着処理する場合には多量の吸着材が必要となると共に、吸着材の再生頻度も増大するため、再生のための薬剤も多量に必要となり運転コストが高いという問題があった。
【0005】
ここで、凝集沈殿処理または吸着処理のそれぞれの問題点を解決する方法の1つとして、図2に示すような、凝集沈殿処理工程1とフッ素吸着処理工程2およびホウ素吸着処理工程3を直列に組み合わせてフッ素およびホウ素を含む排水を処理する方法が考えられる。この方法では、凝集沈殿処理工程1で排水中に含まれるフッ素およびホウ素を粗取りし、フッ素およびホウ素がある程度除去された凝集処理水が以降のフッ素吸着処理工程2およびホウ素吸着処理工程3に供されるが、被処理水はあらかじめ、酸性またはアルカリ性のpH調整剤を用いて、各吸着処理に適したpHに調整されることになる。また、フッ素吸着材およびホウ素吸着材は一定量の吸着によって飽和するので、吸着処理に用いられた各吸着材は各吸着材に適した方法で、再生剤を用いて再生処理が行われる。この再生処理においては、各吸着材から脱離したフッ素またはホウ素を含む再生排液が生じるが、これはそのまま放出できないので、再度、凝集沈殿処理工程1に戻されて処理されることとなる。よって、前記の方法においては、凝集沈殿以降の各処理に必要なpH調整剤のほかに各吸着材の再生剤も必要となるので、方法全体で見ると多量の薬品を必要とし、運転コストが非常に高い処理方法であるという問題点を有している。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、請求項1および2に係る発明は、経済的かつ効率よく排水中のフッ素を処理することができる、フッ素を含む排水の処理方法を提供することを目的とし、請求項3および4に係る発明は、経済的かつ効率よく排水中のホウ素を処理することができる、ホウ素を含む排水の処理方法を提供することを目的とし、請求項5および6に係る発明は、経済的かつ効率よく排水中のフッ素およびホウ素を処理することができる、フッ素およびホウ素を含む排水の処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、フッ素およびホウ素を含む排水を凝集沈殿処理し、前記処理で得られた凝集処理水に残存するフッ素およびホウ素をそれぞれフッ素吸着材およびホウ素吸着材で吸着処理する、フッ素およびホウ素を含む排水の処理方法であって、
前記フッ素吸着材がジルコニウムフェライト系のイオン交換材であり、
前記吸着処理後のフッ素吸着材を再生する際に排出されるフッ素を含まない再生排液のうち、酸性の再生排液を凝集処理水またはホウ素吸着処理水のpH調整に使用し、アルカリ性の再生排液をフッ素吸着処理水のpH調整に使用し、
前記吸着処理後のホウ素吸着材を再生する際に排出されるホウ素を含まないアルカリ性の再生排液をフッ素吸着処理水のpH調整に使用することを特徴とするフッ素およびホウ素を含む排水の処理方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において処理の対象となる排水は、フッ素および/またはホウ素を含むものであれば如何なる由来の排水であっても良く、例えば、石炭火力発電所など火力発電所の排煙脱硫排水、半導体工業などの産業において排出される排水、ゴミ焼却場洗煙排水等の排水だけでなく、フッ素および/またはホウ素を含む水であれば、水道水、地下水、河川湖沼水なども含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0009】
本発明に係る、フッ素およびホウ素を含む排水の処理方法の一態様のフローを図1に示し、以下これを説明する。図1の態様においては、まず、フッ素およびホウ素を含む排水は凝集沈殿処理工程1によって処理され、排水中に含まれるフッ素および/またはホウ素が凝集沈殿されて粗取りされる。凝集沈殿処理工程1としては排水中に含まれるフッ素およびホウ素の濃度に応じて、フッ素およびホウ素の両方を除去するのに適する方法、またはいずれか一方の除去に適する方法が任意に選択され得る。また、凝集沈殿処理工程1は一段階の処理でも良いが、薬品量低減の観点から複数段の処理工程を有していても良い。さらに、条件の異なる複数段の処理工程から構成されることもできる。
【0010】
凝集沈殿処理工程1としては、例えば、以下のような態様が可能であるがこれらに限定されるものではない。まず、排水中に含まれるフッ素の凝集沈殿処理法としては、多価金属イオンの存在下、水酸化ナトリウム等のアルカリを添加してpHを中性以上に調整することによりフッ素を多価金属塩として沈殿させる方法や多価金属の水酸化物と共沈させる方法がある。多価金属イオンとしては、コストおよび生成したフッ化物や共沈化合物の難溶性という観点から、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオンが好ましく、特にカルシウムイオンが好ましい。
また、排水中に含まれるホウ素の凝集沈殿処理法としては、カルシウムイオンとアルミニウムイオンの存在下、アルカリ性条件下で生じるアルミン酸カルシウムにホウ素を吸着させて沈殿除去する方法がある。
さらに、フッ素およびホウ素を同時に沈殿、除去できる処理方法としては、排水中にカルシウムイオンとアルミニウムイオンを存在させ、アルカリ条件下で凝集沈殿処理する方法がある。この場合、フッ素は主として難溶性のフッ化カルシウムとして析出、沈殿し、ホウ素はアルミン酸カルシウムに吸着して共沈されることとなる。
【0011】
凝集沈殿処理工程1に必要な、カルシウムイオンまたはアルミニウムイオンなど、沈殿の形成に必要なイオンが排水中に当初から充分量含まれていれば、必要なイオンを生じさせるカルシウム化合物やアルミニウム化合物をあらためて添加する必要はないが、一般的には、これらが不足している場合が多く、従って、通常はカルシウム化合物やアルミニウム化合物が添加される。
【0012】
凝集沈殿処理工程1により生じた凝集処理水は、続いて、フッ素および/またはホウ素の吸着処理に供される。図1の態様においては凝集沈殿処理工程1の後のフッ素吸着処理工程2においてフッ素が吸着処理され、その後にホウ素吸着処理工程3においてホウ素の吸着処理が行われる。フッ素吸着処理工程2では凝集処理水をフッ素吸着材に接触させることによりフッ素が吸着処理され、ホウ素吸着処理工程3ではフッ素吸着処理水をホウ素吸着材に接触させることによりホウ素の吸着処理が行われるが、いずれの場合でも、被処理水に含まれるフッ素またはホウ素が各吸着材に吸着されるのであれば、如何なる態様で接触させても良い。操作の容易性および処理効率の点からは、吸着材を充填した吸着塔に被処理水を連続的に通水させる方法が好ましい。
【0013】
本発明の方法に使用することができるフッ素吸着材としては、フッ素を吸着可能で、かつ酸性再生剤および/またはアルカリ性再生剤の使用によって再生可能なものであれば、如何なる吸着材を使用することもでき、例えば、陰イオン交換樹脂が挙げられる。フッ素に特異性が強いこと、および、再生処理によって、フッ素を含まない、酸性再生排液およびアルカリ性再生排液が得られることから、チタン、ジルコニウムあるいは錫の含水亜鉄酸塩を有するイオン交換材が好ましく、特に、ジルコニウムフェライト系のイオン交換材が好ましい。
【0014】
フッ素吸着処理工程2においては、被処理水のpHが酸性側である方が単位吸着材あたりの吸着量が大きくなるので、被処理水のpHを酸性側にして吸着処理されることとなる。被処理水のpHが酸性側にある場合はそのままフッ素の吸着処理ができるが、pHが酸性側にない場合には、あらかじめフッ素の吸着処理の前にpHが酸性側に調整される。なお、図1ではpH3が示されているが、これは例示であり、本発明がこれに限定されるものではなく、さらに、図中に示される他のpHの値も例示である。被処理水のpHは、使用されるフッ素吸着材によって異なるが、吸着材の吸着能が最も良好となる範囲のpHとされるのが好ましい。このpH調整はpH調整剤である酸の添加により行われるが、pH調整剤と共にまたはpH調整剤の代わりに、フッ素およびホウ素を含まない、吸着材の酸性再生排液を使用することによって、pH調整剤の使用量を低減させることが可能となる。
【0015】
フッ素吸着処理を一定期間行ってフッ素吸着材が飽和に達すると、吸着材は再生処理される。再生処理によって、フッ素吸着材は、吸着しているフッ素が脱離、除去された後、フッ素を吸着可能な型に戻される。再生処理は、各吸着材に適した方法で行われるが、一般に、アルカリ性再生剤を接触させて吸着されているフッ素を脱離させ、次いで、酸性再生剤を接触させることにより行われる。前記処理では、最初に排出されるアルカリ性の再生排液中にはフッ素が高濃度に濃縮されているので、この再生排液は凝集沈殿処理工程1に戻され、再度処理される。一方、酸性再生剤と接触させた際に排出される酸性の再生排液中には、フッ素がほとんど含まれていないので、この酸性再生排液は凝集沈殿処理以降の処理水のpH調整に使用されることとなる。
【0016】
また、吸着材の種類によっては、フッ素を含まない酸性再生排液およびアルカリ性再生排液の両方が得られる場合がある。例えば、ジルコニウムフェライト系の吸着材の場合には、アルカリ性再生剤である水酸化ナトリウム水溶液と接触させることにより、まず、フッ素を含まない酸性再生排液が排出されるので、これを回収して、酸性再生排液として処理水のpH調整に使用することができる。次いで、フッ素を高濃度で含む排液が排出され、これは凝集沈殿処理工程1に戻される。次いで、吸着材を塩酸型にするため、酸性再生剤である塩酸に接触させるが、この場合まず水酸化ナトリウムを含むアルカリ性の再生排液が排出されるので、これを回収してアルカリ性再生排液として処理水のpH調整に使用することができる。さらに塩酸の接触を続けると塩酸が漏出してくるので、この画分も回収して酸性再生排液として使用することができる。図1の態様においては、前記酸性再生排液は凝集処理水および/またはホウ素吸着処理水のpH調整に使用され、前記アルカリ性再生排液はフッ素吸着処理水のpH調整に使用され得る。
【0017】
本発明の方法に使用することができるホウ素吸着材としては、ホウ素を吸着可能で、かつ酸性再生剤および/またはアルカリ性再生剤の使用によって再生可能なものであれば、如何なる吸着材を使用することもできる。ホウ素に特異性が強いことから、N−メチルグルカミン型イオン交換樹脂が好ましい。
【0018】
ホウ素吸着処理工程3における被処理水のpHは、使用されるホウ素吸着材によって異なるが、吸着材の吸着能が最も良好となる範囲のpHとされるのが好ましい。N−メチルグルカミン型イオン交換樹脂が用いられる場合には、通水する被処理水のpHがあまりに高すぎるとホウ素の吸着能が低下するので、pHが4〜9程度に調整されることが好ましく、約8.5のpHに調整されることが特に好ましい。被処理水のpHがこの範囲にある場合はそのままホウ素吸着処理工程3に供することができるが、pHがこの範囲にない場合には、あらかじめホウ素吸着処理工程3の前に調整される。このpH調整はpH調整剤である酸またはアルカリの添加により行われるが、pH調整剤と共にまたはpH調整剤の代わりに、フッ素およびホウ素を含まない、吸着材の酸性再生排液またはアルカリ性再生排液を使用することによって、pH調整剤の使用量を低減させることが可能となる。
【0019】
ホウ素吸着処理を一定期間行ってホウ素吸着材が飽和に達すると、吸着材は再生処理される。再生処理によって、ホウ素吸着材は、吸着しているホウ素が脱離、除去された後、ホウ素を吸着可能な型に戻される。再生処理は、各吸着材に適した方法で行われ、そこで得られたホウ素を含まない酸性および/またはアルカリ性再生排液が凝集沈殿処理工程1以降の処理水のpH調整に使用されることとなる。例えば、N−メチルグルカミン型イオン交換樹脂の場合には以下のように行われる。まず、ホウ素を吸着した前記吸着材に塩酸、硫酸などの酸性再生剤を接触させて吸着されているホウ素を脱離させる。よって、このときに排出される酸性の再生排液はホウ素を高濃度で含んでいるので、凝集沈殿処理工程1に戻され、再度処理される。この処理により、吸着材は酸型になるが、吸着材は水酸基型であることが必要であり、このため水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性再生剤に接触される。このときに排出されるアルカリ性再生排液はホウ素をほとんど含んでいないので、このアルカリ性再生排液は凝集沈殿処理工程1以降の処理水のpH調整に使用されることとなる。図1の態様においては、前記アルカリ性再生排液はフッ素吸着処理水のpH調整に使用され得る。
【0020】
本発明において使用される再生剤およびpH調整剤としては、吸着処理に悪影響を及ぼさず、また、吸着材の再生に使用できるものであれば、任意の酸およびアルカリを使用することができ、例えば、酸としては塩酸、硫酸、酢酸などが挙げられ、アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
ホウ素吸着処理によって生じたホウ素吸着処理水は、当初の排水中に含まれるフッ素およびホウ素が除去されたものであり、本発明の方法によって、含まれるフッ素およびホウ素濃度がそれぞれ約5mg/L以下、好ましくは1mg/L以下にもされ得る。このホウ素吸着処理水は環境中へ放出することができ、必要であればさらに別の処理を行うことによって、他の用途に用いることもできる。環境中へ放出される場合にはpHが中性付近であることが望ましく、また、用途に応じたpHであることが要求される場合もあり、必要であればpH調整剤が添加され最終処理水とされる。この場合、本発明に使用された吸着材の再生排液であって、フッ素およびホウ素を含まない再生排液を使用することにより、前記pH調整剤の添加量を低減することが可能となる。
【0022】
図1の態様では凝集沈殿処理工程1に続いて、フッ素吸着処理工程2、ホウ素吸着処理工程3の順でフッ素およびホウ素の除去が行われるが、フッ素吸着処理工程2およびホウ素吸着処理工程3の順序は限定されず、凝集沈殿処理工程1、ホウ素吸着処理工程3、フッ素吸着処理工程2の順で処理される態様であっても良い。また、フッ素またはホウ素のいずれか一方しか含まない排水も本発明にかかる方法によって処理することができるが、この場合、凝集沈殿処理工程1は排水中に含まれるフッ素またはホウ素のいずれかに適した方法で行われれば良く、吸着処理もフッ素吸着処理またはホウ素吸着処理のうちいずれか必要な処理のみが行われることとなる。さらに、凝集処理以降にCOD吸着処理や活性炭処理など任意の別の処理が入っても良く、これらの処理を行う前に処理水のpHの調整が必要な場合、pH調整剤だけでなく、フッ素およびホウ素を含まない上述の再生排液を使用することにより、pH調整剤の使用量を低減させることが可能となる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例で本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
比較例
フッ素およびホウ素を100mg/L含む排煙脱硫排水を処理し、フッ素およびホウ素を各5mg/L以下に低減させた。処理フローは図2のフローであり、凝集沈殿処理においては、カルシウム塩として水酸化カルシウムを、アルミニウム塩として硫酸アルミニウムを使用した。フッ素吸着材としては、ジルコニウムフェライト系のイオン交換材であるオルライトF(オルガノ(株)製)を用い、ホウ素吸着材としては、N−メチルグルカミン型イオン交換樹脂である、アンバーライトIRA−743(登録商標)(ローム・アンド・ハース社製)を用いた。フッ素吸着材の再生剤としては塩酸および水酸化ナトリウムを使用し、ホウ素吸着材の再生剤としては硫酸および水酸化ナトリウムを使用し、また、pH調整剤としては硫酸および水酸化ナトリウムを使用した。また、ホウ素吸着処理後のホウ素吸着処理水を最終的にpH7に調整した。このときの各処理毎の処理水の水質および使用した薬品量(排水処理量あたりの量で評価した)を以下の表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
実施例1
フッ素およびホウ素を100mg/L含む排煙脱硫排水を処理し、フッ素およびホウ素を各5mg/L以下に低減させた。処理フローは図1のフローであり、凝集沈殿処理においては、カルシウム塩として水酸化カルシウムを、アルミニウム塩として硫酸アルミニウムを使用した。フッ素吸着材としては、ジルコニウムフェライト系のイオン交換材であるオルライトF(オルガノ(株)製)を用い、ホウ素吸着材としては、N−メチルグルカミン型イオン交換樹脂である、アンバーライトIRA−743(登録商標)(ローム・アンド・ハース社製)を用いた。フッ素吸着材の再生剤としては塩酸および水酸化ナトリウムを使用し、ホウ素吸着材の再生剤としては硫酸および水酸化ナトリウムを使用し、また、pH調整剤としては硫酸および水酸化ナトリウムを使用した。また、ホウ素吸着処理後のホウ素吸着処理水を最終的にpH7に調整した。このときの各処理毎の処理水の水質および使用した薬品量(排水処理量あたりの量で評価した)を以下の表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】
比較例の結果を示す表1および実施例1の結果を示す表2から明らかなように、フッ素吸着材およびホウ素吸着材の再生排液の一部を処理水のpH調整に使用する本発明の方法によって、水酸化ナトリウムの総使用量が約3分の2、塩酸および硫酸の総使用量が約4分の3に低減された。
【0028】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1および2にかかる本発明のフッ素を含む排水の処理方法によれば、フッ素吸着材の再生処理により生じる、フッ素を含まない再生排液を処理水のpH調整に使用できるので、これを使用しない場合に比べ、フッ素を含む排水の高度処理において、pH調整剤の使用量を低減することができ、運転コストの低い処理が可能となる。請求項3および4にかかる本発明のホウ素を含む排水の処理方法によれば、ホウ素吸着材の再生処理により生じる、ホウ素を含まない再生排液を処理水のpH調整に使用できるので、これを使用しない場合に比べ、ホウ素を含む排水の高度処理において、pH調整剤の使用量を低減することができ、運転コストの低い処理が可能となる。また、請求項5および6にかかる本発明のフッ素およびホウ素を含む排水の処理方法によれば、フッ素吸着材およびホウ素吸着材の再生処理により生じる、フッ素およびホウ素を含まない再生排液を処理水のpH調整に使用できるので、これを使用しない場合に比べ、フッ素およびホウ素を含む排水の高度処理において、pH調整剤の使用量を低減することができ、運転コストの低い処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係るフッ素およびホウ素を含む排水を処理する方法の一態様である。
【図2】図2は吸着材再生排液を処理水のpH調整に使用しない、フッ素およびホウ素を含む排水の処理方法の一態様である。
【符号の説明】
1 凝集沈殿処理
2 フッ素吸着処理
3 ホウ素吸着処理
Claims (1)
- フッ素およびホウ素を含む排水を凝集沈殿処理し、前記処理で得られた凝集処理水に残存するフッ素およびホウ素をそれぞれフッ素吸着材およびホウ素吸着材で吸着処理する、フッ素およびホウ素を含む排水の処理方法であって、
前記フッ素吸着材がジルコニウムフェライト系のイオン交換材であり、
前記吸着処理後のフッ素吸着材を再生する際に排出されるフッ素を含まない再生排液のうち、酸性の再生排液を凝集処理水またはホウ素吸着処理水のpH調整に使用し、アルカリ性の再生排液をフッ素吸着処理水のpH調整に使用し、
前記吸着処理後のホウ素吸着材を再生する際に排出されるホウ素を含まないアルカリ性の再生排液をフッ素吸着処理水のpH調整に使用することを特徴とするフッ素およびホウ素を含む排水の処理方法。
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