JP2736343B2 - 半絶縁性InP単結晶の製造方法 - Google Patents

半絶縁性InP単結晶の製造方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は化合物半導体単結晶の製造技術に関し、例え
ば液体封止チョクラルスキー法(LEC法)により高純度
の半絶縁性InP単結晶を製造する場合に利用して効果的
な技術に関する。
[従来の技術] 化合物半導体材料を半絶縁性化するにあたり、n型の
不純物となるSiやSを含む材料では、深いアクセプター
となるFe,CoまたはCr等を添加する方法が工業的に用い
られている。この半絶縁性化は、浅いドナーを深いアク
セプターで補償するという機構によるものである。した
がって、深いアクセプターの添加量は、結晶材料中に含
有されているドナーの量より多くなければ、半絶縁性化
することはできない。
電子デバイスに用いる半絶縁性の化合物半導体材料と
しては、FeドープInP、CrドープGaAs、アンドープGaAs
等が主として用いられている。ここで、GaAsの場合にあ
っては、直接合成LEC法によりアンドープの半絶縁性GaA
sを容易に得ることができるので、Crのドープ量をいく
ら減らしても半絶縁性が常に得られる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、InPの場合にあっては、直接合成LEC法
を適用することができないため、HB法により多結晶原料
を作成した後、LEC法により単結晶を育成するが、この
際、Feの含有濃度が0.2ppmw以下であると、抵抗率が106
Ω・cmより低くなってしまい、半絶縁性が低下してしま
う。また、GaAsの場合でも、HB法により単結晶を育成す
るには、Crドープの半絶縁性結晶を得ようとすると、Cr
の含有濃度が0.2ppmw以下であると、抵抗率が106Ω・cm
より低くなってしまう。
すなわち、従来、FeドープInPやHB法によるCrドープG
aAs等では、これを半絶縁性結晶とするためには、FeやC
rのドープ量を一定量(0.2ppmw)以上にしなければなら
なかった。
しかしながら、Fe,CoまたはCr等のドープ量が多い
と、Fe,Co,Cr等は深いアクセプターとして作用するた
め、イオン注入型の電子デバイスにおいてはキャリアと
なる不純物の活性化率を低下させ、また高周波で動作さ
せるデバイスにおいてはトラップとして作用してデバイ
スの電気的特性を低下させたり、特性のバラツキを大き
くしてしまうという問題点があることが分かった。
本発明は上記のような背景の下になされたもので、そ
の目的とするところは電子デバイスの製造工程における
イオン注入後のキャリアの活性化率が高くかつ一定であ
り、トラップの量の少ないFe,CoまたはCr含有半絶縁性
化合物半導体単結晶を提供することにある。
なお、本出願人は先に、Fe,CoまたはCrのいずれか1
種以上の元素を含み、その含有濃度の合計が0.2ppmw以
下であり、かつ抵抗率が1×106Ω・cm以上である化合
物半導体単結晶とその製造技術を開発し、提案した(特
願平1−58248号)。この発明はそのような低濃度Fe含
有半絶縁性InP単結晶の他の製造方法を提供するもので
ある。
[課題を解決するための手段] G.W.Iselerは、“J.Eleclron.mater.13,989(198
4)”において、In過剰融液から引き上げたアンドープI
nP結晶はストイキオメトリな融液から引き上げたアンド
ープInP結晶よりもキャリア濃度が低く、高純度である
と報告している。これは、InP融液中に含まれる不純物
(Si,S等)が結晶成長時に偏析し、In過剰融液中に取り
込まれるためと考えられている。
本発明者らは、InとFe,CoおよびCrとは互いに非固溶
であるという物性に着目し、Fe,CoまたはCrのうち1種
以上をドープしてIn過剰融液から引き上げることで不純
物量の少ない半絶縁性InP単結晶が得られるのではない
かと考えた。
しかし、Iselerの方法によると、初期融液組成をIn:P
=60:40前後として結晶の引上げを開始するため、結晶
の成長に伴って融液のIn過剰度が進み組成的過冷却が起
こり易くなる。その結果、育成結晶が多結晶化したり、
Inのインクルージョン(固まり)を取込み易くなる。こ
れを防止するため、Iselerは引上げ軸方向の温度勾配を
大きくしたり引上げ速度を数mm/hrと小さくしている
が、60:40のような初期融点組成から引上げを開始する
と成長に伴ってますますIn過剰となるので結局多結晶化
は防止できないことを見出した。
そこで本発明者らは、育成結晶が単結晶化する条件
と、結晶が半絶縁性化するFe濃度を調べるため、Feを0.
015重量%ドープして融液組成を変化させながら通常の
引上げ速度(12mm/hr)による結晶の育成実験を繰返し
行なった。
その結果、結晶引上げ速度が12mm/hrであっても第2
図に示すように初期融液組成が原子比で57:43までは引
上げた結晶が全体に亘って単結晶となり、しかもInのイ
ンクルージョンを含まないことを見出した。
この発明は上記知見に基づいてなされたもので、液体
封止チョクラルスキー法によりInP単結晶を製造するに
あたり、原料融液の組成をIn過剰にするとともに、Fe,C
oまたはCrのいずれか1種以上の元素を原料中に加え
る。この際、望ましくは育成後のInP単結晶中のFe,Coま
たはCrの含有濃度の合計が0.2ppmw以下となるように予
めFe,CoまたはCrの添加量を決定するとともに、InとP
が原子比で50:50を超え57:43以下となるように原料融液
の組成を決定することを提案するものである。
[実施例] 直径100mmのpBN製るつぼに、キャリア濃度1〜3×10
15cm-3のInP多結晶を1100g入れ、そこにInとPの原子比
が52:48(In/(In+P)=0.52)となるようにInの量を
決定して加えるとともに、0.008重量%のFeを添加し
た。さらに、るつぼ内には厚さ20mmとなる量のB2O3を封
止剤として入れ、このるつぼを高圧引上げ炉内に設置し
た。
そして、炉内を真空排気してから、40気圧のArガスで
満たした後、ヒータに給電し、昇温を開始した。
次に、るつぼ内原料が融解してから融液表面温度をIn
Pの融点付近に調整した後、融液上方から引上げ軸を下
して種結晶を接触させ、種結晶を6rpm、るつぼを3rpmで
回転させながら、12mm/hrの速さで結晶を引き上げた。
育成された結晶は、直径60mm、重量900gで完全に単結
晶であった。また、このFeドープInP単結晶からウェー
ハを切り出してFe濃度と抵抗率を測定した。その結果を
第1図に実線Aで示す。また、従来方法により育成した
FeドープInP単結晶についての測定結果を実線Bで示し
た。同図より、本実施例により得られたInP単結晶はFe
濃度が5×1015cm-3付近で抵抗率が急に高くなってお
り、従来方法によるInP単結晶に比べておよそ2分の1
のFe濃度で高抵抗化することが分かる。
次に、上記ウェーハを鏡面研摩し、その表面にSiイオ
ンを150keV、ドーズ量5×1012cm-2で注入した。イオン
注入後、保護膜としてSiNx膜をウェーハの両面に付けて
から700℃で15分間活性化アニールを行なったあと、SiN
x膜をHFで除去しこのウェーハのキャリア濃度を測定
し、注入したSiの活性化率を求めたところ従来は活性化
率の変動が大きかったものが、本実施例で得られた結晶
は肩部からテール部にわたり活性化率が均一になること
を確認した。
なお、上記実施例では半絶縁性化のためFeをドープし
たInP単結晶の製造に適用した場合について説明した
が、この発明はそれに限定されるものでなく、結晶中で
深いアクセプタとなるFeやCo,Cr等の元素を1種または
2種以上含むInP単結晶に適用することができる。
[発明の効果] 以上説明したように本発明は、液体封止チョクラルス
キー法によりInP単結晶を製造するにあたり、原料融液
の組成をInP過剰にするとともに、Fe,CoまたはCrのいず
れか1種以上の元素を原料中に加えるようにしたので、
より低いFe,CoまたはCr濃度で育成結晶を半絶縁性化す
ることができ、これによって電子デバイス製造工程にお
けるイオン注入後の活性化率を高め、電子デバイスの電
気的特性を向上させることができるという効果がある。
また、上記方法において、育成後のInP単結晶中のFe,
CoまたはCrの含有濃度の合計が0.2ppmw以下となるよう
に予めFe,CoまたはCrの添加量を決定するとともに、In
とPが原子比で50:50を超える57:43以下となるように原
料融液の組成を決定するようにしたので、育成結晶の多
結晶化やInのインクルージョンの取込みを防止しつつ低
いFe濃度で半絶縁性InP単結晶を育成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法と従来方法を適用して得られたInP
単結晶のFe濃度と抵抗率との関係を示すグラフ、 第2図は初期融液組成比と高抵抗化するFe濃度との関係
を示すグラフである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体封止チョクラルスキー法によりInP単
    結晶を製造する方法であって、育成後のInP単結晶中の
    含有濃度の合計が0.2ppmw以下となるようにFe,Coまたは
    Crの添加量を予め決定するとともに、 InとPの原子比が、50:50を超え57:43未満となるように
    調製した原料をルツボに投入して融解させた後、InP単
    結晶の引き上げを開始することを特徴とする半絶縁性In
    P単結晶の製造方法。
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