JP2733633B2 - 溶剤型接着剤 - Google Patents

溶剤型接着剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は内装材、とくに床材の
施工に適した接着剤に関し、塗布作業性がよく、貯蔵安
定性のよい接着剤を提供する。
【0002】
【従来技術とその問題点】従来より、エポキシ樹脂をバ
インダーとした溶剤型接着剤においては、接着力の向
上、塗布性の改善、コストダウン等の為に、充填材が配
合されている。
【0003】これらの目的の合致した充填剤として、ア
スベストの極短繊維もしくはその粉末(以下アスベスト
という)が多用されているが、アスベストは労働安全衛
生法で有害な鉱物性粉塵に指定されており、製造時の作
業環境が悪くなるおそれがあるため、産業界において対
策が苦慮されていた。そこで、単に充填剤として無害な
炭酸カルシウム(以下炭カルという)を添加した場合、
未処理の炭カルは、アルコールを含む有機溶剤との親和
性が低く、分散安定性が悪く、長期間放置するとハード
ケーキが生じた。
【0004】
【問題を解決するための手段】有機溶剤とエポキシ樹脂
バインダーを有する二液型接着剤において、主剤、硬化
剤とも樹脂酸、脂肪酸、脂肪酸エステル、石油樹脂、ク
ロマン−インデン樹脂、ワックス、ABSのうちの1種
で表面処理された炭酸カルシウムが配合されたことを特
徴とする溶剤型接着剤に関する。
【0005】本願発明における合成樹脂バインダーとし
ては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とその硬化剤等
が示され、これらの樹脂が有機溶剤に溶解されている。
有機溶剤はバインダーが溶解すれば、あらゆる溶剤が使
用可能であるが、バインダーが溶解しない溶剤でもバイ
ンダーと相溶性のよい酢ビ等の溶剤を配合すれば使用可
能となる。また、硬化剤の主成分は、ポリアミンでその
うちポリアミドアミンが好ましいが脂肪族系ポリアミン
も使用可能であり、室温硬化型のエポキシ樹脂用硬化剤
として使用される。
【0006】他の合成樹脂バインダーとしては、アクリ
ル酸エステル、メタアクリル酸エステルやベオパ等のコ
ポリマーであってもよい。
【0007】本願発明において、接着剤溶液中に、表面
処理された炭カルが配合されている。炭カルは好ましく
は、沈降性炭カルが粒径が0.03〜0.5であり、こ
の炭カルパウダーは、樹脂酸・脂肪酸・脂肪酸エステル
・クロマン−インデン樹脂・石油樹脂・ワックス・AB
S樹脂の単品、もしくはこれらの複合体または反応生成
物を用いて表面処理される。
【0008】本願発明においては、接着剤主剤中に、前
記表面処理炭カルを好ましくはバインダー100重量部
に対して50〜200重量部、さらに好ましくは70〜
150重量部配合する。表面処理炭カル以外の充填剤を
併用するときは、クレー、タルク等従来公知の物質を使
用でき、これらは労働安全衛生法上無害な物質であり、
石綿のような有害な物質を用いる必要がない。これら充
填剤は必要に応じて1種もしくは2種以上使用でき、例
えばバインダー100重量部に対して通常10〜30重
量部配合される。
【0009】とくにエポキシ系接着剤硬化剤中には、表
面処理炭カルをバインダー100重量部に対して50〜
250重量部配合するのが好ましく、さらに好ましくは
150〜200重量部配合する。
【0010】本願発明において、表面処理炭カルと他の
充填剤を併用することができ、これらの充填剤は、クレ
ー、タルク等従来公知の労働安全衛生法上無害な物質を
使用できる。これらの充填剤は必要に応じて1種もしく
は2種以上使用でき、例えばバインダー100重量部に
対して、50〜100重量部配合される。表面処理炭カ
ルを配合した接着剤は、長期間保存してもゲル化せず、
またハードケーキも生じず、分解もない、貯蔵安定性が
良好な状態で使用できる。
【0011】上記硬化剤も長期間保存してもゲル化せ
ず、またハードケーキも生じず、分離もない貯蔵安定性
の良好な状態であった。またチキソトロピー性が非常に
優れ、撹拌時には水のように粘度の低い状態であるが、
しばらく放置すると全く流れない状態になる。この状態
は、塗布作業性をよくするのにとても有効である。この
硬化剤と前記主剤を用いた接着剤は、塗布作業性がよ
く、接着強度、可使時間、初期タック力いずれも良好で
あった。
【0012】
【実施例】表1に示される実施例1〜3、比較例1〜3
のエポキシ主剤の性能を表3に、表2の配合例に示され
る実施例4、5、比較例4、5のエポキシ系硬化剤の性
能を表4に示す。また実施例1の主剤と実施例4の硬化
剤を混合した接着例を実施例6、実施例2の主剤と実施
例4の硬化剤の場合を実施例7、実施例3の主剤と実施
例5の硬化剤の場合を実施例8、比較例1の主剤と比較
例4の硬化剤の場合を比較例6とした。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】
【表4】
【0017】実施例6〜8、比較例6の結果を表5に示
す。表3、表4、表5より本発明エポキシ系接着剤は主
剤、硬化剤ともチクソトロピー性が良好で、貯蔵安定
性、環境安全性が優れていた。一方、比較例2、3、5
は貯蔵安定性が悪く、ハードケーキが生じたり、充填剤
がゲル化したりして接着剤として使用不可能で比較例
1、4はアスベストを配合していたので、環境安全性は
悪かった。
【0018】
【表5】
【0019】さらに本願発明を用いて床材を施工した場
合は、表5に示されるように接着強度を低下させること
なく、可使時間が長くとれ、初期タック力、塗布作業性
も良好で、床材施工能率のよい接着剤が得られた。
【0020】
【発明の効果】本発明接着剤は、貯蔵安定性に優れ、
ゲル化やハードケーキを生じず、分離もなかった。 アスベストを使用しなくても良好な結果が得られ、環
境安全上好適であった。 本発明接着剤は、良好な接着力とともに、適当なチク
ソトロピー性が得られ、塗布作業性が向上した。エポキ
シ系接着剤硬化剤は特にチクソトロピー性が優れてい
た。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶剤とエポキシ樹脂バインダーを有
    する二液型接着剤において、主剤、硬化剤とも樹脂酸、
    脂肪酸、脂肪酸エステル、石油樹脂、クロマン−インデ
    ン樹脂、ワックス、ABSのうちの1種で表面処理され
    た炭酸カルシウムが配合されたことを特徴とする溶剤型
    接着剤。
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JP5800272B2 (ja) * 2010-02-22 2015-10-28 セメダイン株式会社 接着剤組成物

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JPS617363A (ja) * 1984-06-20 1986-01-14 Maruo Calcium Kk 溶剤型塗料

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