JP2732581B2 - チタン触媒成分およびその製法 - Google Patents

チタン触媒成分およびその製法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、エチレンを高活性で重合または共重合する
ことができ、しかも生成共重合体の組成分布が狭く、ま
た粒度分布が狭く、ポリマー嵩比重の高い顆粒状エチレ
ン系重合体を得ることができるような、チタン触媒成分
およびその製法に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 チーグラー型触媒を用いてエチレンと少割合のα−オ
レフィンとを共重合させると、高圧法ポリエチレンと同
程度の密度を有するエチレン共重合体が得られることは
知られている。一般には重合操作が容易であるところか
ら、炭化水素溶媒を用い、生成する共重合体の融点以上
で重合を行なう高温溶解重合を採用するのが有利であ
る。しかしながら分子量の充分に大きい重合体を得よう
とする場合には、重合溶液の粘度が高くなるため、溶液
中の重合体濃度を小さくしなければならず、したがって
重合器当りの共重合体の生産性は低くならざるを得ない
という問題点がある。
一方、高密度ポリエチレンの製造に多用されているス
ラリー重合法で、上記低密度エチレン共重合体を得よう
とする場合には、得られる共重合体が重合溶媒に溶解ま
たは膨潤し易く、重合液の粘度上昇、重合器壁への重合
体の付着、さらには重合体の嵩密度の低下などによって
スラリー濃度を高めることができないばかりか長期間の
連続運転が不可能となるという問題点があった。また得
られた共重合体はべた付きが生じているため、品質上の
問題点もあった。このような問題点を特定の触媒を用
い、予備的重合の採用によって改良しようとするいくつ
かの方法が提案されている。
本発明者らは、すでに低密度のエチレン共重合体の製
造に適した触媒を検討した結果、さらにスラリー操作性
が優れ、高スラリー濃度運転が可能な触媒系を見出すに
至った。一方、エチレンとα−オレフィンの低結晶性共
重合体を製造するに当り、触媒活性の改善を図ろうとす
る試みもこれまで数多く行なわれてきた。たとえば共重
合性に優れるバナジン化合物を担体に担持する方法、あ
るいは酸化試剤を添加し、活性の改善を図ろうとする方
法、活性の高い担持型チタン化合物の共重合性を改良す
る方法などが挙げられる。しかしこれらの方法ではいま
だ重合活性が低く、また共重合性も充分とは言えず、改
良が望まれていた。
発明の目的 本発明は、エチレンの単独重合あるいはエチレンとα
−オレフィンとの共重合によって、低密度エチレン共重
合体を製造する場合においてもスラリー重合性に優れ、
しかも気相重合での利用も容易であって、組成分布の狭
い共重合体の製造が可能であり、得られた低密度エチレ
ン共重合体をフィルム等に成形した場合に透明性、耐ブ
ロッキング性、ヒートシール性等の優れた成形品を製造
することができ、かつ気相重合のような生成した共重合
体のすべてが製品となるプロセスにおいても、このよう
な優れた成形品を得ることができ、その上触媒調製時に
おいては、触媒原料の利用効率が高く、したがって廃液
処理が容易であるようなチタン触媒成分およびその製法
を提供することを目的としている。
発明の概要 本発明に係るマグネシウム、アルミニウム、ハロゲン
およびチタンを必須成分とするエチレン系重合体製造用
支持体担持チタン触媒成分は、少なくとも [1](i)無機酸化物からなる支持体に、 (ii)有機アルミニウム化合物を予め接触させた後、 (iii)MgX2、Mg(OR)X、Mg(OR)2およびマグネシウム
のカルボン酸塩からなる群から選ばれるマグネシウム化
合物(ただし、Xはハロゲンであり、Rは炭化水素基で
ある)と電子供与体(a)と炭化水素溶媒とから形成さ
れる溶液、または Mg(OR)2およびマグネシウムのカルボン酸塩からなる群
から選ばれるマグネシウム化合物と炭化水素溶媒とから
形成される溶液から選ばれる還元能を有しない液状状態
のマグネシウム化合物 を接触反応させることにより得られるマグネシウム含有
支持体 [II]有機アルミニウム化合物および有機マグネシウム
化合物から選ばれる還元性の有機金属化合物、および [III]Ti(OR)gX4-g(Rは炭化水素基であり、Xはハロ
ゲンであり、0≦g≦4)で示される液状状態のチタン
化合物 の接触反応により得られることを特徴としている。
上記支持体(i)は、水酸基を有する無機酸化物であ
ることが望ましい。
上記電子供与体(a)としてはアルコール類を用いる
ことができる。
還元性の有機金属化合物[II]は、好ましくは有機ア
ルミニウム化合物である。
上記のような支持体担持チタン触媒成分中のチタン原
子の平均原子価は、通常4未満である。
支持体担持チタン触媒成分の平均粒子径は、好ましく
は10〜100μmである。
上記支持体担持チタン触媒成分では、Ti/Mg(原子
比)が0.01よりも大きく1以下、Al/Mg(原子比)が1
よりも大きく3以下、ハロゲン/Mg(原子比)が3より
も大きく6以下、RO基/Mg(Rは炭化水素基)が重量比
で1よりも大きく15以下であることが望ましい。
また本発明に係るマグネシウム、アルミニウム、ハロ
ゲンおよびチタンを必須成分とするエチレン系重合体製
造用支持体担持チタン触媒成分の製造方法は、上記のよ
うな支持体(i)に、有機アルミニウム化合物(ii)を
予め接触させた後、還元能を有しない液状状態のマグネ
シウム化合物(iii)を接触させることによりマグネシ
ウム含有支持体[I]を調製し、次いで 得られたマグネシウム含有支持体に、[II]還元性の
有機金属化合物および[III]液状状態のチタン化合物
を接触させることを特徴としている。
発明の具体的説明 以下本発明について詳細に説明する。
本発明において重合という語は、単独重合のみならず
共重合を包含した意で用いられることがあり、また重合
体という語は、単独重合体のみならず共重合体を包含し
た意で用いられることがある。第1図に、本発明に係る
支持体担持チタン触媒成分およびその調製工程のフロー
チャートを示す。本発明に係る支持体担持チタン触媒成
分は、上記のような[I]マグネシウム含有支持体、
[II]還元性の有機金属化合物および[III]液状状態
のチタン化合物の接触反応により得られ、マグネシウ
ム、アルミニウム、ハロゲンおよびチタンを必須成分と
しているが、代表的には、支持体(i)と有機アルミニ
ウム化合物(ii)を予め接触させた後、該接触物を還元
能を有しない液状状態のマグネシウム化合物(iii)と
接触反応させ、次いで還元性の有機金属化合物[II]お
よび液状状態のチタン化合物[III]と接触反応させる
ことにより得られる。
本発明で用いることのできる支持体(i)としては、
無機多孔質支持体を挙げることができ、この支持体は水
酸基を含有していることが好ましい。無機系の支持体と
しては、無機酸化物が好ましく用いられ、具体的には、 SiO2、Al2O3、MgO、ZrO2、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、Ba
O、ThO2等またはこれらの混合物、たとえば、SiO2−Mg
O、SiO2−Al2O3、SiO2−TiO2、SiO2−V2O5、SiO2−Cr2O
3、SiO2−TiO2−MgO等が用いられる。これらの中でSiO2
およびAl2O3からなる群から選ばれた少なくとも1種の
成分を主成分として含有する担体が好ましい。なお、上
記のような無機酸化物には、少量のNa2CO3、K2CO3、CaC
O3、MgCO3、Na2SO4、Al2(SO4)3、BaSO4、KNO3、Mg(NO3)
2、Al(NO3)3、Na2O、K2O、Li2O等の炭酸塩、硫酸塩、硝
酸塩、酸化物成分が含有されていてもよい。
このような無機酸化物である支持体は、その種類およ
び製法により性状は異なるが、本発明に好ましく用いら
れる支持体は、平均粒径が5〜200μm、好ましくは10
〜100μmであり、比表面積が50〜1000m2/g、好ましく
は100〜700m2/gであり、細孔容積が0.3〜3.0cm2/g、好
ましくは0.5〜2.5cm2/gである。このような無機酸化物
である支持体は、通常、150〜1000℃、好ましくは200〜
800℃で焼成して用いることができる。
これら支持体のうち、特に多孔質無機酸化物が好まし
い。
上記のような支持体(i)を用いることにより、比較
的容易に粒径の大きく、しかも球状のポリマー粒子を製
造することができる。したがって得られるポリマー粒子
の取扱いが容易となり、しかもポリマー粒子の破壊が防
止されるため微粉末状ポリマーの重合壁面あるいは配管
面上への付着も防止される。
本発明では、まず、上記のような支持体は、予め有機
アルミニウム化合物(ii)と接触される。この際用いら
れる有機アルミニウム化合物(ii)としては、後述する
ようにチタン触媒成分と組合せてオレフィンを重合する
際に用いることのできる有機アルミニウム化合物成分を
例示することができる。具体的には、トリメチルアルミ
ニウム、トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニ
ウムなどのトリアルキルアルミニウム、イソプレニルア
ルミニウムなどのアルケニルアルミニウム、ジメチルア
ルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシ
ド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキル
アルミニウムアルコキシド、メチルアルミニウムセスキ
メトキシド、エチルアルミニウムセスキエトキシドなど
のアルキルアルミニウムセスキアルコキシド、R1 2.5Al
(OR2)0.5などで表わされる平均組成を有する部分的にア
ルコキシ化されたアルキルアルミニウム、ジメチルアル
ミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジ
メチルアルミニウムブロミドのようなジアルキルアルミ
ニウムハライド、メチルアルミニウムセスキクロリド、
エチルアルミニウムセスキクロリドのようなアルキルア
ルミニウムセスキハライド、メチルアルミニウムジクロ
リド、エチルアルミニウムジクロリドのようなアルキル
アルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化され
たアルキルアルミニウム、メチルアルモキサン、エチル
アルモキサン、イソブチルアルモキサンや部分的にハロ
ゲン化されたメチルアルモキサンなどのアルモキサン類
などが用いられる。
上記有機アルミニウム化合物として、トリアルキルア
ルミニウム、ジアルキルアルミニウムクロリドが好まし
く、特にトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニ
ウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニ
ウムクロリドが好ましい。これら有機アルミニウム化合
物は、2種以上用いることもできる。
支持体(i)と有機アルミニウム化合物(ii)とを接
触するに際して、有機アルミニウム化合物(ii)は、支
持体1g当り、該有機アルミニウム化合物中のアルミニウ
ム原子として0.1〜100ミリグラム原子、好ましくは0.5
〜50ミリグラム原子、より好ましくは1〜30ミリグラム
原子、特に好ましくは1.5〜20ミリグラム原子の範囲の
量で用いられる。
上記支持体(i)と有機アルミニウム化合物(ii)と
の接触は、たとえば支持体が分散された不活性溶媒中に
上記のような有機アルミニウム化合物の1種または2種
以上を加え、通常、−50℃以上、好ましくは10〜200
℃、より好ましくは20〜130℃の温度で1分以上、好ま
しくは20分〜5時間、より好ましくは30分〜3時間常
圧、減圧または加圧下で両者を接触させることによって
行なうことができる。
支持体(i)と有機アルミニウム化合物(ii)とを接
触させるに際しては、通常、支持体(i)を反応容積1
当り10〜800g好ましくは50〜400gの量で不活性溶媒中
に分散させながら行なうことが好ましい。
なお支持体(i)と有機アルミニウム化合物(ii)と
の接触を行なう際には、不活性溶媒としては、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカ
ン、テトラデカン、灯油などの脂肪族炭化水素類;シク
ロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、
メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、シクロヘキセ
ンなどの脂環族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシ
レン、エチルベンゼン、クメン、シメンなどの芳香族炭
化水素類;ジクロルエタン、ジクロルプロパン、トリク
ロルエチレン、四塩化炭素、クロルベンゼンなどのハロ
ゲン化炭化水素類などが挙げられる。 上記支持体
(i)と有機アルミニウム化合物(ii)との接触によっ
て、支持体上に固定されなかった遊離の有機アルミニウ
ム化合物あるいはその反応物などは、デカンテーション
法や過法などによって除去することが好ましい。
次にこのようにして支持体(i)と有機アルミニウム
化合物(ii)とを予め接触させた後、これと還元能を有
しない液状状態のマグネシウム化合物とを接触させるこ
とにより、マグネシウム含有支持体が得られる。
還元能を有しない液状状態のマグネシウム化合物(ii
i)としては、たとえばマグネシウム化合物を炭化水
素、電子供与体(a)あるいはこれらの混合物に溶解さ
せたものあるいはマグネシウム化合物の炭化水素溶液な
どが用いられる。
この際用いられるマグネシウム化合物としては、塩化
マグネシウム、臭化マグネシウム、沃化マグネシウム、
弗化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウム;メト
キシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、イ
ソプロポキシ塩化マグネシウム、ブトキシ塩化マグネシ
ウム、オクトキシ塩化マグネシウムなどのアルコキシマ
グネシウムハライド;フェノキシ塩化マグネシウム、メ
チルフェノキシ塩化マグネシウムなどのアリロキシマグ
ネシウムハライド;エトキシマグネシウム、イソプロポ
キシマグネシウム、ブトキシマグネシウム、オクトキシ
マグネシウム、2−エチルヘキソキシマグネシウムなど
のアルコキシマグネシウム;フェノキシマグネシウム、
ジメチルフェノキシマグネシウムなどのアリロキシマグ
ネシウム;ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸マグ
ネシウムなどのマグネシウムカルボン酸塩などが用いら
れる。また、該マグネシウム化合物は、他の金属との錯
化合物、複化合物あるいは他の金属化合物との混合物で
あってもよい。さらにこれらの化合物の2種以上の混合
物であってもよい。
これらの中で好ましいマグネシウム化合物としては、 MgX2、Mg(OR5)X、Mg(OR5)2(ただし、Xはハロゲンで
あり、R5は炭化水素基である)で示されるハロゲン化マ
グネシウム、アルコキシマグネシウムハライド、アリロ
キシマグネシウムハライド、アルコキシマグネシウム、
アリロキシマグネシウムが用いられ、ハロゲン含有マグ
ネシウム化合物、とりわけ塩化マグネシウム、アルコキ
シ塩化マグネシウム、アリロキシ塩化マグネシウム、特
に塩化マグネシウムが好ましく用いられる。
液状状態のこれらのマグネシウム化合物(iii)とし
ては、上述のように、該マグネシウム化合物を炭化水素
溶媒または電子供与体(a)に溶解させてなるマグネシ
ウム化合物溶液、あるいは上記のような炭化水素溶媒と
電子供与体(a)との混合物に該マグネシウム化合物を
溶解させてなるマグネシウム化合物溶液が好適である。
具体的に還元能を有しない液状状態のマグネシウム化合
物(iii)として、 MgX2、Mg(OR)X、Mg(OR)2およびマグネシウムのカ
ルボン酸塩からなる群から選ばれるマグネシウム化合物
(ただしXはハロゲンであり、Rは炭化水素基である)
と電子供与体(a)と炭化水素溶媒とから形成される溶
液、またはMg(OR)2およびマグネシウムのカルボン酸塩
からなる群から選ばれるマグネシウム化合物と炭化水素
溶媒とから形成される溶液が用いられる。
この際用いられる炭化水素溶媒としては、ペンタン、
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、テ
トラデカン、灯油などの脂肪族炭化水素類;シクロペン
タン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロヘキセンなど
の脂環族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、
エチルベンゼン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素
類;ジクロルエタン、ジクロルプロパン、トリクロルエ
チレン、四塩化炭素、クロルベンゼンなどのハロゲン化
炭化水素類などを例示することができる。
上記のようなマグネシウム化合物を炭化水素溶媒に溶
解するには、マグネシウム化合物および溶媒の種類によ
っても異なるが、炭化水素溶媒とマグネシウム化合物と
を単に混合する方法(たとえばR5として炭素数6〜20の
Mg(OR5)2を用いる場合)、炭化水素溶媒とマグネシウム
化合物とを混合した後加熱する方法、該マグネシウム化
合物を溶解しうる電子供与体(a)、たとえば、アルコ
ール、アルデヒド、アミン、カルボン酸、これらの混合
物、さらにはこれらと他の電子供与体との混合物などを
炭化水素溶媒中に共存させ、この炭化水素溶媒と電子供
与体(a)との混合物とマグネシウム化合物とを混合
し、必要に応じ、加熱する方法などを採用することがで
きる。たとえば、還元能を有しない液状状態のマグネシ
ウム化合物(iii)として、第1図に示すような塩化マ
グネシウムと電子供与体の錯化合物の炭化水素溶液を調
製する場合などのように、ハロゲン含有マグネシウム化
合物を、電子供与体(a)としてのアルコールを用いて
炭化水素溶媒に溶解させる場合について述べると、炭化
水素溶媒の種類、使用量、マグネシウム化合物の種類な
どによっても異なるが、アルコールは、ハロゲン含有マ
グネシウム化合物1モル当り、約0.5モル以上、好適に
は約1〜約20モル、より好適には約1.5〜約12モル、特
に好適には約1.8〜4モルの範囲で用いられる。このア
ルコールの量は、用いられる炭化水素溶媒の種類によっ
て多少変動し、炭化水素として脂肪族炭化水素および/
または脂環族炭化水素を使用する場合は、炭素数6以上
のアルコールを、ハロゲン含有マグネシウム化合物1モ
ルに対し、約1モル以上、好適には約1.5モル以上用い
ればアルコールの総使用量もわずかでハロゲン含有マグ
ネシウム化合物の可溶化が可能であり、かつ形状の良好
な触媒成分となるので好ましい。これに対してたとえば
炭素数5以下のアルコールのみを用いると、ハロゲン含
有マグネシウム化合物1モルに対し、多量のアルコール
が必要となる。一方、炭化水素として芳香族炭化水素を
用いれば、アルコールの種類にかかわらず、ハロゲン含
有マグネシウム化合物の可溶化に必要なアルコールの量
を低減することができる。
ハロゲン含有マグネシウム化合物とアルコールとの接
触は、炭化水素媒体中で行なうのが好ましく、通常、−
50℃以上、それらの種類によっては、約室温以上、好適
には約80〜300℃、一層好適には約100〜200℃の温度
で、通常、1分以上、好適には15分〜5時間程度、より
好適には30分〜2時間程度接触させることにより行なわ
れる。
アルコールとしては、具体的には炭素数6以上のアル
コールが好ましく用いられ、たとえば2−メチルペンタ
ノール、2−エチルブタノール、n−ヘプタノール、n
−オクタノール、2−エチルヘキサノール、デカノー
ル、ドデカノール、テトラデシルアルコール、ウンデセ
ノール、オレイルアルコール、ステアリルアルコールな
どの脂肪族アルコール、シクロヘキサノール、メチルシ
クロヘキサノールなどの脂環族アルコール、ベンジルア
ルコール、メチルベンジルアルコール、イソプロピルベ
ンジルアルコール、α−メチルベンジルアルコール、
α,α−ジメチルベンジルアルコールなどの芳香族アル
コール、n−ブチルセロソルブ、1−ブトキシ−2−プ
ロパノール、1−ブトキシ−6−ヘキサノールなどのア
ルコシキ基を含んだ脂肪族アルコールなどが用いられ
る。上記以外のアルコールとしては、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコー
ル、メチルカルビトールなどの炭素数5以下のアルコー
ルが用いられる。
炭化水素溶媒は、塩化マグネシウム化合物の該溶液
(iii)中での濃度が0.1〜10モル/l、より好ましくは0.
5〜3モル/lとなるような量で用いられる。
支持体(i)と有機アルミニウム化合物(ii)との接
触物と、還元能を有しない液状状態のマグネシウム化合
物とを接触するに際しては、還元能を有しない液状状態
のマグネシウム化合物は、たとえば支持体中のアルミニ
ウム1グラム原子当り、該液状状態のマグネシウム化合
物(iii)中のマグネシウムが、通常、0.1グラム原子以
上、好ましくは約0.1〜約6グラム原子、特に好ましく
は約0.5〜約3グラム原子となるような量で用いられ
る。またこのような接触反応は、該支持体が、たとえば
10〜800g/l、好ましくは50〜400g/lとなるような濃度で
存在する条件下で行なうことができる。このような濃度
になるように適宜後述する炭化水素溶媒を加えることも
できる。
上記のような接触反応は、通常、−50℃以上、好適に
は室温〜200℃、一層好適には30〜100℃の温度で、通
常、1分以上、より好適には30分〜3時間接触させるこ
とにより行なわれる。
本発明に係る支持体担持チタン触媒成分は、上記のよ
うにして得られるマグネシウム含有支持体[I]、還元
性の有機金属化合物[II]および液状状態のチタン化合
物[III]を接触反応させることにより得られる。
このような各成分を接触させる方法としては、たとえ
ばマグネシウム含有支持体[I]および有機金属化合物
[II]を接触させた後、チタン化合物[III]を接触さ
せる方法、あるいはマグネシウム含有支持体[I]およ
びチタン化合物[III]を接触させた後に有機金属化合
物[II]を接触させる方法、あるいはマグネシウム含有
支持体[I]、有機金属化合物[II]およびチタン化合
物[III]を同時に接触させる方法などを例示すること
ができる。このような接触を行なうに際しては、後述す
るような炭化水素溶媒を用いることができる。
上記のような各成分を接触するに際しては、マグネシ
ウム含有支持体[I]中のマグネシウム1グラム原子当
り、たとえば有機金属化合物[II]を0.1〜10グラム原
子、好ましくは0.3〜5グラム原子、特に好ましくは0.5
〜2グラム原子の範囲の量で用い、またチタン化合物
[III]を、通常2未満、好ましくは0.01〜1.5、特に好
ましくは0.08〜1.2の範囲の量で用いる。また上記のよ
うな各成分を接触するに際しては、マグネシウム含有支
持体[I]の濃度が、たとえば10〜800g/l、好ましくは
50〜400g/lとなるような量でマグネシウム含有支持体を
用いて行なうことができる。このような濃度になるよう
に適宜、後述する炭化水素溶媒を使うこともできる。ま
た該接触反応は、たとえば、通常−50℃以上、好適には
室温〜200℃、一層好適には30〜100℃の温度で、通常、
1分以上、より好適には30分〜3時間程度行なわれる。
上述した接触反応に用いることのできる有機金属化合
物[II]としては、後述するようなエチレンの(共)重
合時に用いる有機アルミニウム化合物成分あるいは前述
した有機アルミニウム化合物(ii)およびグリニャール
試薬、ジアルキルマグネシウムなどの有機マグネシウム
化合物が挙げられる。これらのうちでも有機アルミニウ
ム化合物が好ましい。有機アルミニウム化合物のうちで
も、特にトリアルキルアルミニウムあるいジアルキルア
ルミニウムハライドが好ましく、これらを併用すること
もできる。
また、液状状態のチタン化合物[III]としては、通
常、Ti(OR)gX4-g(Rは炭化水素基であり、Xはハロゲ
ンであり、0≦g≦4)で示される4価のチタン化合物
が好適である。より具体的には、TiCl4、TiBr4、TiI4
どのテトラハロゲン化チタン; Ti(OCH3)Cl3、Ti(OC2H5)Cl3、Ti(On−C4H9)Cl3、Ti
(Oiso−C4H9)Cl3、Ti(OC2H5)Br3、Ti(Oiso−C4H9)B
r3、Ti(O2−エチルヘキシル)Cl3などのトリハロゲン
化アルコキシチタン; Ti(OCH3)2Cl2、Ti(OC2H5)2Cl2、Ti(On−C4H92Cl2、T
i(OC2H5)2Br2などのジハロゲン化アルコシキチタン; Ti(OCH3)3Cl、Ti(OC2H5)3Cl、Ti(On-C4H9)3Cl、Ti(OC2H
5)3Brなどのモノハロゲン化トリアルコキシチタン; Ti(OCH3)4、Ti(OC2H5)4、Ti(On-C4H94、Ti(Oiso−C4
H94、Ti(O2−エチルヘキシル)4などのテトラアルコ
キシチタンあるいはこれらとアルミニウム化合物、ケイ
素化合物等の他の金属化合物との混合物を用いることが
できる。
さらにまた、Ti(OR)hX3-h(Rは炭化水素基であり、
Xはハロゲンであり、0≦h≦3)で示される3価のチ
タン化合物を用いることもできる。これら3価のチタン
化合物のうち、これら化合物自体が液状状態でない場合
には、炭化水素、アルコール、エーテルなどにチタン化
合物を溶解させて、液状状態として用いることができ
る。これら3価のチタン化合物としては、たとえば TiCl3、Ti(OC2H5)3、Ti(On−C4H93、Ti(Oiso−C4
H93、Ti(O2−エチルヘキシル)3、Ti(O2−エチルヘ
キシル)Cl2などの化合物が用いられる。
上述したTi化合物のうち、本発明に用いることのでき
る液状状態のチタン化合物[III]としては、4価のチ
タン化合物が好ましく、特にハロゲン含有の4価のチタ
ン化合物が好ましい。
液状状態のチタン化合物[III]は、上記チタン化合
物が液状である場合にはそのまま用いてもよく、またそ
れらの混合物を用いてもよく、あるいはチタン化合物を
炭化水素等の溶媒に溶解して用いてもよい。
このようにして得られた支持体担持チタン触媒成分で
は、通常、Ti/Mg(原子比)は、0.01よりも大きく1以
下、好ましくは0.05よりも大きく0.6以下であり、Al/Mg
(原子比)は0.5よりも大きく4以下、好ましくは1よ
りも大きく3以下であり、ハロゲン/Mg(原子比)は2
よりも大きく10以下、好ましくは3よりも大きく6以下
であり、RO基/Mg(Rは炭化水素基)は重量比で1より
も大きく15以下、好ましくは1.5よりも大きく10以下、
特に好ましくは2よりも大きく6以下であり、また比表
面積は50〜1000m2/g、好ましくは100〜500m2/gである。
そしてTiの平均原子価は、通常、4未満であり、好まし
くは3.5〜2.5である。また該チタン触媒成分の粒子径
は、通常、5〜200μm、好ましくは10〜100μm、特に
好ましくは20〜60μmであり、粒度分布は幾何標準偏差
で、通常、1.0〜2.0の範囲である。
本発明のチタン触媒成分を調製するに当って、用いる
ことのできる炭化水素溶媒としては、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデ
カン、灯油などの脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、
メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロ
ヘキサン、シクロオクタン、シクロヘキセンなどの脂環
族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチル
ベンゼン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素類;ジ
クロルエタン、ジクロルプロパン、トリクロルエチレ
ン、四塩化炭素、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化
水素類などを例示することができる。
本発明において、エチレンの重合あるいはエチレンと
α−オレフィンとの共重合を行なう際に、上記のような
チタン触媒成分とともに用いることのできる、有機アル
ミニウム化合物としては、少なくとも分子内に1個のAl
−炭素結合を有する化合物たとえば、 (i)一般式R1 mAl(OR2)nHpXq(ここでR1およびR2は通
常、1〜15個、好ましくは1〜4個の炭素原子を含む炭
化水素基であり、互いに同一でも異なってもよい。Xは
ハロゲンであり、mは0<m≦3であり、nは0≦n<
3であり、pは0≦p<3であり、qは0≦q<3であ
って、しかもm+n+p+q=3である)で表わされる
有機アルミニウム化合物、(ii)一般式M1AlR1 4(ここ
でM1はLi、Na、Kであり、R1は前記と同じである)で表
わされる第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物
などを挙げることができる。
前記の(i)に属する有機アルミニウム化合物として
は、次のものを例示できる。
一般式R1 mAl(OR2)3-m(ここでR1およびR2は前記と同
じである。mは好ましくは1.5≦m<3の数である)、 一般式R1 mAlX3-m(ここでR1は前記と同じである。X
はハロゲンであり、mは好ましくは0<m<3であ
る)、 一般式R1 mAlH3-m(ここでR1は前記と同じである。m
は好ましくは2≦m<3である)、一般式R1 mAl(OR2)nX
q(ここでR1およびR2は前記と同じである。Xはハロゲ
ンであり、0<m≦3、0≦n<3、0≦q<3であ
り、m+n+q=3である)で表わされるものなどを例
示できる。
(i)に属するアルミニウム化合物としては、より具
体的には、トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミ
ニウムなどのトリアルキルアルミニウム、トリイソプレ
ニルアルミニウムなどのトリアルケニルアルミニウム、
ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウ
ムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシ
ド、エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアル
ミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウム
セスキアルコキシドのほかに、R1 2.5Al(OR2)0.5などで
表わされる平均組成を有する部分的にアルコキシ化され
たアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリ
ド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニ
ウムブロミドのようなジアルキルアルミニウムハライ
ド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミ
ニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロ
ミドのようなアルキルアルミニウムセスキハライド、エ
チルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジ
クロリド、ブチルアルミニウムジブロミドなどのような
アルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲ
ン化されたアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウ
ムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジア
ルキルアルミニウムヒドリド、エチルアルミニウムヒド
リド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキル
アルミニウムジヒドリドなどの部分的に水素化されたア
ルキルアルミニウム、エチルアルミニウムエトキシクロ
リド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルア
ルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ
化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムが用い
られる。
また(i)に類似する化合物として、酸素原子や窒素
原子を介して、2以上のアルミニウムが結合した有機ア
ルミニウム化合物が用いられる。このような化合物とし
ては、たとえば (C2H5)2AlOAl(C2H5)2、(C4H5)2AlOAl(C4H9)2などを例示できる。
前記(ii)に属する化合物としては、LiAl(C2H5)4、L
iAl(C7H15)4などを例示できる。
これら化合物のうち、平均組成が RnAlX3-n (式中、Rはアルキル基であり、Xはハロゲンであ
り、2≦n≦3)を満足するように、上述した有機アル
ミニウム化合物あるいは上述した有機アルミニウムと三
ハロゲン化アルミニウムを任意に混合したものが好まし
い例として挙げられる。さらに式中、Rが炭素数1〜4
のアルキル基であり、Xが塩素であり、2.1≦n≦2.9を
満足する有機アルミニウム化合物が、特に好ましく用い
られる。
本発明に係るチタン触媒成分と有機アルミニウム化合
物とからなる重合触媒は、エチレン単独重合あるいはエ
チレンとオレフィンの共重合に用いることができ、また
エチレンとポリエンとの共重合あるいはエチレンとα−
オレフィンとポリエンとの共重合に用いることもでき
る。本発明で重合に使用することのできるオレフィンと
しては、たとえばエチレン以外にプロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペ
ンテン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−
ブデン、1−オクテン、1−デセンなどが挙げられる。
また上記ポリエンとしては、ブタジエン、イソプレン、
ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン
−2−ノルボルネンなどを例示することができる。エチ
レンの共重合においては、とくにエチレンが約70重量%
以上含有されるように共重合を行なうのが好ましい。そ
して本発明においては、エチレンと少量のα−オレフィ
ンを共重合させて密度が0.880〜0.970g/cm3、とくに0.8
90〜0.940g/cm3の低密度エチレン共重合体を、スラリー
重合あるいは特に気相重合によって製造する場合に顕著
な効果を奏する。
エチレンの(共)重合は、不活性溶媒の存在下または
不存在下、液相または気相で行なうことができる。重合
に使用することのできる不活性溶媒の例としては、プロ
パン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカ
ン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、メチ
ルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシ
レン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;などを例
示することができる。
密度の特に低いエチレン系共重合体を製造する場合に
は、気相重合法を採用することが好ましい。
エチレンの(共)重合反応を行なうに際して用いられ
る各触媒成分の量は、適宜に変更あるいは選択できる
が、たとえば、反応容積1当り、チタン触媒成分をチ
タン原子に換算して、好ましくは約0.0001〜約1ミリモ
ル、一層好ましくは約0.001〜約0.5ミリモルとなるよう
な量で用い、また有機アルミニウム化合物を、アルミニ
ウム/チタン(原子比)が約1〜約2000、好ましくは約
5〜約100となるような量で用いることがよい。重合温
度は、好ましくは20〜150℃特に好ましくは40〜100℃で
ある。また重合圧力は、大気圧〜約100kg/cm2‐G、好
ましくは約2〜約50kg/cm2‐Gである。
エチレンの(共)重合において、分子量を調節するた
めには、反応系に水素を共存させることが好ましい。
重合は回分式、あるいは連続式で行なうことができ
る。また条件の異なる2以上の段階に分けて行なうこと
もできる。
本発明のチタン触媒成分を用い、エチレンの重合ある
いは共重合を実施するに先立ち、少なくともチタン触媒
成分および有機アルミニウム化合物成分存在下、該チタ
ン触媒成分中のチタン1ミリグラム原子当り、通常、5g
以上、好ましくは10〜3000g、特に好ましくは20〜1000g
の範囲の重合量でエチレンあるいはエチレンとα−オレ
フィンとの予備重合を行なうことが好ましい。
予備重合は、不活性炭化水素溶媒存在下もしくは不存
在下に行なうことができる。すなわち予備重合は、スラ
リー重合あるいは気相重合などにより行なうことができ
る。不活性炭化水素溶媒として、前述した炭化水素溶媒
が用いられ、このうち、炭素数3〜10の脂肪族炭化水素
または炭素数5〜10の脂環式炭化水素が特に好ましく用
いられる。
予備重合を行なう際に用いられるα−オレフィンとし
ては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペン
テン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセンなど炭
素数10以下のα−オレフィンが好適であり、さらに炭素
数2〜6のα−オレフィンが好ましく、とくにエチレン
単独あるいはエチレンと上記α−オレフィンとの組み合
せが好適である。これらα−オレフィンは、単独で用い
てもよく、また結晶性重合体を製造する限りにおいては
2種以上を混合して用いてもよい。
予備重合における重合温度は、一般に−40〜100℃、
好ましくは−20〜60℃、より好ましくは−10〜40℃であ
る。予備重合において水素を共存させることもできる。
予備重合を行なう際には、有機アルミニウム成分は、
該チタン触媒成分中のチタン1グラム原子当り、通常は
少なくとも0.1グラム原子以上、好ましくは0.5グラム原
子〜200グラム原子、より好ましくは約1グラム原子〜3
0グラム原子となるような量で用いられる。
また予備重合を行なうに際し、前述したような各種電
子供与体成分を共存させることもできる。
発明の効果 本発明に係るチタン触媒成分を用いると、エチレンを
高活性で(共)重合することができ、しかも生成共重合
体の組成分布が狭く、また粒度分布が狭くポリマー嵩比
重の高い顆粒状のエチレン系重合体を得ることができ
る。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。
実施例1 [チタン触媒成分の調製] 200℃で2時間、次いで700℃で5時間焼成したフジデ
ビソン社製シリカ(F952)10gを精製n−デカン40ml中
に懸濁し、次いでこの懸濁液にトリエチルアルミニウム
50ミリモルを含むn−デカン溶液50mlを加えた後、得ら
れた懸濁液を90℃で2時間撹拌して、シリカとトリエチ
ルアルミニウムとの接触反応を行なった。
反応終了後、該反応液から過により固体部を分離し
た。得られた固体部には、シリカ1g当りアルミニウムが
1.1ミリモル原子相当含まれていた。この固体部9.0gを
n−デカン100mlで再懸濁した後、得られた懸濁液に、
塩化マグネシウム48g、2−エチルヘキサノール197gお
よびn−デカン175gを140℃で2時間加熱撹拌して得ら
れた塩化マグネシウムのデカン溶液6.4ml(Mg約6.4ミリ
モルに相当)を加え、80℃に昇温し、約1時間後にジエ
チルアルミニウムクロライド7.7ミリモルを加え、さら
に1時間80℃で反応を行なった。次いで、この反応液か
ら過により固体部を分離し、この固体部をn−デカン
100mlに再懸濁した後、1.9ミリモルのモノ2−エチルヘ
キソキシトリクロルチタニウムを加えて、80℃で1時間
撹拌して、接触反応を行なった。次いで過にて固体部
を分離し、100mlのヘキサンにて2回洗浄してチタン触
媒成分[A]を調製した。
得られたチタン触媒成分中のチタン担持量は、0.5重
量%であった。
[予備重合] 400mlの攪拌機付筒型フラスコに、精製ヘキサン200m
l、トリエチルアルミニウム0.6ミリモルおよび上記チタ
ン触媒成分[A]を、チタン原子換算で0.2ミリモルを
添加した後、30℃にてエチレンを8Nl/時間の速度で3時
間かけて供給し、エチレンの予備重合を行なった。生成
したポリエチレンの量は、ミリモルTi当り142gであっ
た。
[エチレン重合] 充分に窒素置換された内容積2lのオートクレーブに分
散剤として、塩化ナトリウム150gを加え、90℃に加熱し
ながらオートクレーブの内圧が50mmHg以下になるように
真空ポンプで2時間減圧処理を行なった。次いで、オー
トクレーブの温度を室温に下げ、オートクレーブ内をエ
チレン置換した後に、トリエチルアルミニウム0.5ミリ
モル、ジエチルアルミニウムクロライド0.5ミリモルお
よびヘキセン−19mlを加え、系を密閉にした後、昇温
し、60℃で水素を1kg/cm2加え、エチレンでさらに加圧
しながら、上記予備重合を施した触媒成分をチタン原子
換算で0.005ミリモル加えた。重合中、温度は80℃に、
また圧力はエチレンガスの補給により8kg/cm2Gに保っ
た。またチタン触媒成分添加後、ヘキセン−136mlを1
時間にわたりポンプを使い供給した。重合はチタン触媒
添加後、1時間をもって終了とした。
重合終了後、オートクレーブ内容物を約1の水の中
に投入した。約5分間の撹拌で塩化ナトリウムは、ほぼ
全量水に溶解し、ポリマーのみが水面上に浮いた。この
浮遊ポリマーを回収し、メタノールで充分に洗浄した
後、80℃減圧下で一晩乾燥を行なった。
得られたチタン触媒成分の組成および重合結果を表1
に示した。
実施例2〜10 実施例1のチタン触媒の調製に用いたトリエチルアル
ミニウム50ミリモルおよびジエチルアルミニウムクロラ
イド7.7ミリモルを表1に示す化合物に代えた以外は、
実施例1と同様の方法でチタン触媒を調製し、予備重合
およびエチレンとヘキセン−1の共重合を行なった。
得られた触媒の組成および重合結果を表1に示した。
なお実施例5で使用したメチルアルモキサンは以下の
方法で合成した。
アルミノオキサンの合成 充分に窒素置換された1の攪拌機付のガラス製フラ
スコにAl2(SO4)3・14H2O74gとトルエン250mlとを入れ、
0℃に冷却した後、トリメチルアルミニウム100mlを含
むトルエン250mlを1.5時間かけて滴下した。次いで、2
時間かけて10℃に昇温し、その温度で48時間反応を続け
た。反応後、過により固液分離を行ない分離液から低
沸点物をエバポレーターを用い除去し、残留物にトルエ
ンを加え、トルエン溶液として採取した。なおベンゼン
の凝固点降下から求めたアルミノオキサンの分子量は89
1であった。
実施例11〜12 実施例1のチタン触媒の調製に用いたモノ2−エチル
ヘキソキシトリクロルチタニウムを表2に示す化合物に
代えた以外は、実施例1と同様な方法でチタン触媒を調
製し、予備重合を行ない、エチレンとヘキセン−1の共
重合を行なった。
実施例13 実施例1と同様の方法で、シリカ10gとトリエチルア
ルミニウム50ミリモルを反応させて、アルミニウムがシ
リカ1g当り、1.3ミリモル原子相当固定された処理担体
を調製した。この処理担体をn−デカン100mlに再懸濁
させた後、エトキシマグネシウムクロライド104.8g、2
−エチルヘキサノール390gおよびn−デカン355gを140
℃で2時間加熱反応することにより得られるマグネシウ
ムのデカン溶液6.4mlを加えて80℃に昇温し、約1時間
後、55℃に降温して四塩化ケイ素30mlを加え、2時間同
温度で反応を行なった。次いで過にて固体部を分離
し、n−デカン100mlに再懸濁後、ジエチルアルミニウ
ムクロライド7.7ミリモルを加え、80℃で1時間反応を
行なった。以下実施例1と同様な方法でチタン化合物の
担持反応を行ない、チタン触媒成分を調製し、また予備
重合およびエチレンとヘキセン−1の共重合についても
実施例1と同様の方法により行なった。
触媒組成および重合結果を表2に示した。
実施例14 実施例13において、エトキシマグネシウムクロライド
104.8g、2−エチルヘキサノール390gおよびn−デカン
355gを140℃で2時間加熱反応して得られるマグネシウ
ムのデカン溶液を、マグネシウムビス2−エチルヘキソ
キシド6.4ミリモルを含むヘプタン溶液に代えた以外
は、実施例13と同様な方法により触媒を調製し、予備重
合およびエチレンとヘキセン−1の共重合を行なった。
触媒組成および重合結果を表2に示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係るエチレン系重合体製造用支持体
担持チタン触媒成分と調製工程を示すフローチャート図
である。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも [1](i)無機酸化物からなる支持体に、 (ii)有機アルミニウム化合物を予め接触させた後、 (iii)MgX2、Mg(OR)X、Mg(OR)2およびマグネシウム
    のカルボン酸塩からなる群より選ばれるマグネシウム化
    合物(ただし、Xはハロゲンであり、Rは炭化水素基で
    ある)と電子供与体(a)と炭化水素溶媒とから形成さ
    れる溶液、または Mg(OR)2およびマグネシウムのカルボン酸塩からなる群
    より選ばれるマグネシウム化合物と炭化水素溶媒とから
    形成される溶液から選ばれる還元能を有しない液状状態
    のマグネシウム化合物 を接触反応させることにより得られるマグネシウム含有
    支持体 [II]有機アルミニウム化合物および有機マグネシウム
    化合物から選ばれる還元性の有機金属化合物 および [III]Ti(OR)gX4-g(Rは炭化水素基であり、Xはハロ
    ゲンであり、0≦g≦4)で示される液状状態のチタン
    化合物 の接触反応により得られるマグネシウム、アルミニウ
    ム、ハロゲンおよびチタンを必須成分とするエチレン系
    重合体製造用支持体担持チタン触媒成分。
  2. 【請求項2】電子供与体(a)がアルコール類である請
    求項第1項に記載の触媒成分。
  3. 【請求項3】チタン触媒成分中のチタン原子の平均原子
    価が、4未満である請求項第1項に記載の触媒成分。
  4. 【請求項4】チタン触媒成分の平均粒子径が10〜100μ
    mである請求項第1項に記載の触媒成分。
  5. 【請求項5】支持体(i)が水酸基を含有する無機酸化
    物である請求項第1項に記載の触媒成分。
  6. 【請求項6】還元性の有機金属化合物[II]が有機アル
    ミニウム化合物である請求項第1項に記載の触媒成分。
  7. 【請求項7】チタン触媒成分中のTi/Mg(原子比)が0.0
    1よりも大きく1以下、Al/Mg(原子比)が1よりも大き
    く3以下、ハロゲン/Mg(原子比)が3よりも大きく6
    以下、RO基/Mg(Rは炭化水素基)が重量比で1よりも
    大きく15以下である請求項第1項に記載の触媒成分。
  8. 【請求項8】[I]無機酸化物からなる支持体(i)
    に、有機アルミニウム化合物(ii)を予め接触させた
    後、MgX2、Mg(OR)X、Mg(OR)2およびマグネシウムの
    カルボン酸塩からなる群より選ばれるマグネシウム化合
    物(ただし、Xはハロゲンであり、Rは炭化水素基であ
    る)と電子供与体(a)と炭化水素溶媒とから形成され
    る溶液、またはMg(OR)2およびマグネシウムのカルボン
    酸塩からなる群より選ばれるマグネシウム化合物と炭化
    水素溶媒とから形成される溶液から選ばれる還元能を有
    しない液状状態のマグネシウム化合物(iii)を接触さ
    せることによりマグネシウム含有支持体を調製し、 次いで得られたマグネシウム含有支持体[I]に、 [II]有機アルミニウム化合物および有機マグネシウム
    化合物から選ばれる還元性の有機金属化合物および [III]Ti(OR)gX4-g(Rは炭化水素基であり、Xはハロ
    ゲンであり、0≦g≦4)で示される液状状態のチタン
    化合物 を接触させることを特徴とする、マグネシウム、アルミ
    ニウム、ハロゲンおよびチタンを必須成分とするエチレ
    ン系重合体製造用支持体担持チタン触媒成分の製造方
    法。
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