JP2730776B2 - カルボン酸類の合成方法 - Google Patents

カルボン酸類の合成方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は飽和若しくは不飽和の脂環式又は芳香族の
カルボン酸類の新規な合成方法に関する。
(ロ)従来の技術及び課題 アルデヒド化合物を酸化して対応するカルボン酸に誘
導する方法は多々報告されている。このうち酸化剤とし
て有機過酸を用いた方法としては、例えば2−エチル−
2−ヘキセナール,2−エチルヘキサナールを酢酸中で過
酢酸により対応するカルボン酸に酸化する方法(C.A.53
210e(1959))、アクロレインのごとき不飽和脂肪族ア
ルデヒドを過酢酸により、酢酸−アセトン混合溶媒中で
対応するカルボン酸に酸化する方法(C.A.7918095a(19
73),特開昭48−22415号公報)等が開示されている。
上記有機過酸によるアルデヒド化合物の酸化により対
応するカルボン酸を合成する方法は、いずれも溶媒に酸
性溶媒または酸性物質含有の不活性有機溶媒が用いられ
ている。
しかしながら、一般に文献上知られている有機過酸に
よるアルデヒド化合物の酸化においては、反応系中に塩
基性有機溶媒を使用する方法は知られていない。
一方、アルカリ性条件下でクミンアルデヒドを酸化し
てクミン酸を製造する方法が知られている(特開昭63−
264551号公報)。この方法では酸化剤として無機系過酸
化物である過酸化水素が用いられている。そしてこの方
法では該アルデヒドをフェノールにする反応が共存する
ため、これを防止する目的で無機アルカリが用いられて
いる。
この発明はかかる状況に鑑み為されたものであり、カ
ルボン酸類を対応するアルデヒド類の酸化により高収率
で得る新規なカルボン酸類の合成方法を提供しようとす
るものである。
(ハ)課題を解決するための手段及び作用 かくしてこの発明によれば、飽和若しくは不飽和の脂
環式又は芳香族のアルデヒド類を塩基性有機溶媒中で有
機過酸と処理することにより対応するカルボン酸類に誘
導することからなるカルボン酸類の合成方法が提供され
る。
この発明の方法は、塩基性有機溶媒と有機過酸とを用
いて原料のアルデヒド類から高収率かつ高純度で、対応
するカルボン酸を合成することを特徴とする。
この発明の方法に用いられる飽和若しくは不飽和の脂
環式又は芳香族のアルデヒド類としては、分子内に少な
くとも1つ以上のアルデヒド基を有するものが含まれ
る。この発明に用いられる原料のアルデヒド類には置換
基が導入されていてもよい。該置換基としてはアルキル
基、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン等が挙げられる。
アルキル基としては炭素数が1〜5の低級アルキル基が
挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基等が好ましい。アルコキシ基としては炭素数1〜
5の低級アルコキシ基が挙げられ、メトキシ基、エトキ
シ基、プロポキシ基が好ましい。水酸基はアセチル基等
でエステル化されていてもよい。この発明に用いられる
原料のアルデヒド類には上記置換基は2つ以上導入され
ていてもよい。
この発明の方法において原料のアルデヒド類として
は、芳香族アルデヒド及び不飽和の脂環式アルデヒド等
が好ましい。上記芳香族アルデヒドとしてはクミンアル
デヒド、ベラトルムアルデヒド、イソバニリン、アセチ
ルバニリン等が挙げられる。また上記不飽和の脂環式ア
ルデヒドとしては、テルペンアルデヒドが好ましく、ペ
リラアルデヒド、ミルテナール等が挙げられる。
この発明の方法に用いられる塩基性有機溶媒として
は、原料のアルデヒド類を溶解し得るものが適宜選択さ
れる。上記塩基性有機溶媒としては、ジメチルホルムア
ミド(DMF)のような脂肪族塩基性有機溶媒、ピリジ
ン、α−,β−又はγ−ピコリン、α−,β−又はγ−
コリジン、2,6−ルチジン等の芳香族塩基性有機溶媒が
挙げられる。この発明の方法において、原料のアルデヒ
ド類と上記塩基性有機溶媒とは適宜選択して用いられる
が、ことにアルデヒド類がクミンアルデヒドの場合は、
塩基性有機溶媒としてはDMFが好ましく、アルデヒド類
がペリラアルデヒド、ミルテナール、ベラトルムアルデ
ヒド、イソバニリン又はアセチルパニリンの場合は、塩
基性有機溶媒としてはγ−ピコリンが好ましい。
この発明の方法に用いられる有機過酸としては、過酢
酸又は過安息香酸が好ましい。
この発明の方法において、原料のアルデヒド類と上記
有機過酸とは化学量論比で反応するが、実施に際しては
アルデヒド類100部に対して有機過酸が80〜250部、好ま
しくは140〜160部で用いられる。また、前記塩基性有機
溶媒は、アルデヒド類100部に対して50〜300部、好まし
くは100〜200部で用いられる。
この発明のカルボン酸の合成方法において、原料のア
ルデヒド類を塩基性有機溶媒中に予め溶解し、これに徐
々に有機過酸を添加する方法が好ましい。反応温度とし
ては−10〜50℃が適しており、5〜25℃が好ましい。こ
のような条件下で反応は10〜30時間程度で完結する。
上記反応により得られる生成物は、例えば反応溶液中
に水を注加することにより結晶として晶析させることが
でき、これを濾取して目的のカルボン酸類を得ることが
できる。
なお、この発明の方法の実施において、所定のアルデ
ヒド類に対応するアルコールを原料として用いてもよ
い。この場合は用いる有機過酸の量がアルデヒド類のと
きよりも過剰となる。
以下実施例によりこの発明を詳細に説明するが、これ
によりこの発明は限定されるものではない。
(ニ)実施例 実施例1 DMF100部にクミンアルデヒド100部を溶解させ、この
溶液を15〜25℃に加温し、この状態で過酢酸141部を滴
下し、24時間反応させた。この後得られた反応溶液に水
を800部注加して反応物を晶析させ粗結晶物を濾取し
(収率96%)、乾燥後n−ヘキサンにより再結晶して白
色の結晶物を得た。
上記結晶物の融点(115〜117℃)及びIRスペクトルか
ら、クミン酸であることが確認された。
実施例2 γ−ピコリン166部にl−ペリラアルデヒド100部を溶
解させ、この溶液を5〜15℃に加温し、この状態で過酢
酸238部を滴下し、24時間反応させた。この後得られた
反応溶液に水を1600部注加して反応物を晶析させると共
にpHを3に調整して得られた粗結晶物を濾取し(収率70
%)、乾燥後n−ヘキサンにより再結晶して白色の結晶
物を得た。
上記結晶物の融点(130〜133℃)及びIRスペクトルか
ら、ペリラ酸であることが確認された。
実施例3 γ−ピコリン200部にミルテナール100部を溶解させ、
この溶液を10〜20℃に加温し、この状態で過酢酸268部
を滴下し、24時間反応させた。この後得られた反応溶液
に水を800部注加して反応物を晶析させると共にpHを3
に調整して得られた粗結晶物を濾取し(収率89%)、乾
燥後n−ヘキサンにより再結晶して白色の結晶物を得
た。
上記結晶物の融点(52〜53℃)及びIRスペクトルか
ら、ミルテナール酸であることが確認された。
実施例4 γ−ピコリン140部にペラトルムアルデヒド100部を溶
解させ、この溶液を5〜15℃に加温し、この状態で過酢
酸180部を滴下し、24時間反応させた。この後得られた
反応溶液に水を220部注加して反応物を晶析させると共
にpHを3に調整して得られた粗結晶物を濾取し(収率93
%)、乾燥後メタノールにより再結晶して白色の結晶物
を得た。
上記結晶物の融点(179〜182℃)及びIRスペクトルか
ら、ペラトルム酸であることが確認された。
実施例5 γ−ピコリン150部にイソバニリン100部を溶解させ、
この溶液を5〜15℃に加温し、この状態で過酢酸200部
を滴下し、24時間反応させた。この後得られた反応溶液
に水を300部注加して反応物を晶析させると共にpHを3
に調整して得られた粗結晶物を濾取し(収率84%)、乾
燥後メタノールにより再結晶して灰黄色の結晶物を得
た。
上記結晶物の融点(249〜253℃)及びIRスペクトルか
ら、イソバニリン酸であることが確認された。
実施例6 γ−ピコリン180部にアセチルバニリン100部を溶解さ
せ、この溶液を15〜25℃に加温し、この状態で過酢酸16
0部を滴下し、24時間反応させた。この後得られた反応
溶液に水を350部注加して反応物を晶析させると共にpH
を3に調整して得られた粗結晶物を濾取し(収率80
%)、乾燥後メタノールにより再結晶して灰黄色の結晶
物を得た。
上記結晶物の融点(100〜103℃)及びIRスペクトルか
ら、アセチルバニリン酸であることが確認された。
(ホ)発明の効果 この発明によれば、アルデヒド類から対応するカルボ
ン酸を1工程で得ることができる。また副反応が伴わな
いので所定のカルボン酸を高収率で得ることができる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】飽和若しくは不飽和の脂環式又は芳香族の
    アルデヒド類を塩基性有機溶媒中で有機過酸と処理する
    ことにより対応するカルボン酸類に誘導することからな
    るカルボン酸類の合成方法。
  2. 【請求項2】有機過酸が過酢酸又は過安息香酸である請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】アルデヒド類がクミンアルデヒドであり、
    塩基性有機溶媒がジメチルホルムアミドである請求項2
    記載の方法。
  4. 【請求項4】アルデヒド類ががペリラアルデヒド、ミル
    テナール、ベラトルムアルデヒド、インバニリン及びア
    セチルバニリンから選択されるものであり、塩基性有機
    溶媒がγ−ピコリンである請求項2記載の方法。
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