JP2729426B2 - 二軸式ミキサの洗浄方法 - Google Patents

二軸式ミキサの洗浄方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生コンクリートを混練す
る二軸式ミキサの洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】二軸式ミキサは混練羽根を多数取り付け
た二本の混練軸を混練槽内に有している。この二軸式ミ
キサにて生コンクリートを混練すると前記混練軸回りに
生コンクリートが付着残留する。このために混練終了後
に作業員が高圧水を噴射して付着物を洗浄除去してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、生コン
クリート出荷作業終了後にミキサ内部に付着する生コン
クリートを洗浄除去する作業は、汚れ作業であって作業
者にとって大変煩わしいものであった。またミキサ内部
の作業員側に面する部所は比較的容易に高圧水により洗
浄することができるのであるが、その反対側の隠れた部
所はきれいに洗浄することができず、このために混練槽
の外部から棒状のものを挿入して混練軸を回転させて洗
浄しなければならず ミキサの隅々まで十分洗浄するに
はかなりの労力を必要とする作業であった。
【0004】本発明は上記の点に鑑み、高圧洗浄用ノズ
ルを有した洗浄用ロボットを利用してミキサ内の洗浄を
自動的に行なわせることのできる二軸式ミキサの洗浄方
法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、二軸式ミキサの混練軸を回転させる混練
用電動機とは別に混練軸低速回転用のブレーキ付き電動
機を配設し、該混練軸低速回転用電動機は動力伝達を断
続することのできるクラッチを介して前記混練軸に連結
すると共に、混練軸の軸端に混練軸の回転位置を検出す
る回転位置検出用センサを配設し、更に高圧水を噴射す
る高圧洗浄用ノズルを有した洗浄用ロボットを前記二軸
式ミキサの近傍に配設し、ミキサ内部の洗浄時に予め洗
浄しようとする混練軸周りの所定洗浄位置を適宜決定し
て記憶させると共に、洗浄用ロボットに各所定洗浄位置
に対応させた洗浄用ノズルの洗浄動作をティーチングし
ておき、洗浄開始操作によりブレーキ付き電動機を駆動
して混練軸を低速回転させ、回転位置検出用センサによ
り予め記憶している軸位置を検出して混練軸を所定洗浄
位置に順次停止させ、各所定洗浄位置において洗浄用ロ
ボットを駆動して予めティーチングした洗浄動作に基づ
いて高圧洗浄用ノズルを移動させながらミキサ内部に高
圧水を噴射して洗浄を行なうようにしたものである。
【0006】
【作用】本発明によれば、ミキサ内を洗浄する時には、
予め混練軸周りの所定洗浄位置を適宜決めておいて混練
軸低速回転用電動機及び洗浄用ロボットを制御する洗浄
制御装置に記憶させておく。また洗浄用ロボットに前記
所定洗浄位置における混合羽根の形状等に対応した高圧
洗浄用ノズルの動きをティーチングしておく。そして、
洗浄の開始時には混練用電動機の動力スイッチを切り、
混練軸を低速回転させるブレーキ付き混練軸低速回転用
電動機のクラッチを「断」から「続」の状態にしてブレ
ーキ付き混練軸低速回転用電動機と混練軸とを接続す
る。そしてブレーキ付き混練軸低速回転用電動機を駆動
し、回転位置検出用センサにより軸の回転位置を検出し
ながら混練軸を低速で回転させる。予め記憶させている
所定洗浄位置を検出するとブレーキを作動させて混練軸
を停止させる。次に洗浄用ロボットの駆動を開始させて
予めティーチングした所定位置に高圧洗浄用ノズルをセ
ットし、。このように予め決めておいた所定洗浄位置に
混練軸を順次回転させて停止し、洗浄用ロボットにより
ミキサ内を自動的に洗浄する。
【0007】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0008】1は砂利、砂、セメント、水、混和剤等の
材料を混練して生コンクリートを製造する二軸式ミキサ
であって、混練槽2に二本の平行な混練軸3、3’を貫
通し、混練槽2に固定した軸受4により回転自在に支持
してある。混練軸3、3’には半径方向に多数のアーム
5を放射状に配設し、該アーム5の先端部には適宜角度
を有した混練羽根6を取り付けている。混練軸3、3’
の一端部にはギヤ7、7’を装着して噛合させて混練軸
3、3’を同期させて回転するようにしてある。そして
混練軸3、3’の他端部にはスプロケット8、8’を装
着し、該スプロケット8、8’側方には混練用電動機
9、9’を架台10上に固定し、該混練用電動機9、
9’に取り付けたスプロケット11、11’とスプロケ
ット8、8’とをチェーン12、12’によって連結
し、混練用電動機9、9’の回転によって混練軸3、
3’を相反する方向に回転するようにしてある。
【0009】13は停止時に回転軸を拘束するブレーキ
付きの混練軸低速回転用電動機であって、架台10上に
取り付けた電動機台14に固定してある。混練軸低速回
転用電動機13の駆動軸15は軸受16により回転自在
に支持された伝動軸17に継手18を介して連結されて
おり、該伝動軸17の端部には電磁クラッチ19が取り
付けられている。電磁クラッチ19は公知のクラッチを
採用しており、図4に示すように固定部19aと、固定
部19aに埋め込まれた電磁石19bと、回転軸に装着
する軸装着部19cと、電磁石19bの吸着、脱着によ
って軸装着部19cとの結合、離脱を行なう可動部19
dとから成っており、前記軸装着部19cは伝動軸17
に装着され、可動部19dは伝動用スプロケット20に
取り付けられている。そして伝動用スプロケット20と
混練軸3に取り付けた低速回転用スプロケット21とは
チェーン22で連結し、電磁クラッチ19の断続により
混練軸低速回転用電動機13から混練軸3、3’への動
力伝達を断続できるようにしてある。
【0010】23は混練軸3の端部に取り付けた回転位
置検出用センサのロータリーエンコーダであって、混練
軸3の回転に伴ってパルス信号を発生しそのパルス信号
をカウントすることによって混練軸3の回転位置を検出
する。
【0011】24は混練槽2の上部に配設したカバー体
25であって、混練軸3、3’の長手方向に沿った側面
にミキサ内を見渡せる適宜大きさの洗浄窓25を穿設
し、該洗浄窓25には開閉扉26が取り付けてある。
【0012】27は二軸式ミキサ1の近傍に配設した洗
浄用ロボットであって、四隅に車輪を有する走行台車2
8上に固定し、該走行台車28はミキサ軸方向と平行に
床面に取り付けたレール29上を走行自在としている。
洗浄用ロボット27は6軸の垂直多関節形ロボットを採
用し、アーム部30の先端部を水平方向はもとより垂
直、斜め等の任意の方向へ動作可能である。該アーム部
30の先端部には高圧水を噴射する高圧洗浄用ノズル3
1を取り付けており、該高圧洗浄用ノズル31は高圧ホ
ース32を介して高圧水を発生させる高圧ポンプ(図示
せず)に連結してある。
【0013】33は二軸式ミキサ1の洗浄動作を制御す
る洗浄制御装置であって、各機器の制御を行なう制御部
34、データを記憶する記憶部35、各種データを入力
するデータ入力部36、各機器を接続して制御用データ
を入出力するI/O部37から成り、前記I/O部37
には電磁クラッチ19、混練軸低速回転用電動機13、
洗浄用ロボット27の信号線を接続している。
【0014】しかして、ミキサ内を洗浄するにあたっ
て、混練軸3、3’の洗浄停止位置を適宜決めてロータ
リーエンコーダ23によりその位置を読み取って洗浄制
御装置33の記憶部35に記憶しておく。この洗浄位置
は生コンクリートの付着し易い位置を選んで何点か決め
ると良い。次に各々の洗浄位置に対応して洗浄用ロボッ
ト27に洗浄動作のティーチングを行なっておく。ティ
ーチング方法としては洗浄用ロボット27をティーチン
グモードに設定し、混練軸3、3’に取り付けた混練羽
根6の位置や間隔、突出方向及び生コンクリートの付着
具合を考慮して洗浄用ロボット27のアーム部30の先
端に取り付けた高圧洗浄用ノズル31を洗浄窓25から
挿入し、実際に洗浄する方向、位置に手動で移動し、そ
の軌跡を洗浄制御装置33の記憶部35に記憶させる方
法を採用している。これらの混練軸3、3’の洗浄位置
決定や洗浄動作のティーチング等は前もって行なってお
いても良いし、洗浄の直前に行なっても良い。
【0015】そして、ミキサの洗浄を行なう時には、混
練軸混練用電動機9、9’の動力用スイッチを切って締
錠し、混練用電動機9、9’により混練軸3、3’が回
転しないようにしてからカバー体24の洗浄窓25を開
放する。そして、伝動軸17に取り付けた電磁クラッチ
19の電磁石19bに通電して可動部19dを軸装着部
19cに吸着させて伝動軸17と伝動用スプロケット2
0を一体的に連結した状態にする。
【0016】洗浄の前準備が完了すると、洗浄制御装置
33を操作して洗浄を開始する。洗浄開始操作を行なう
と、先ず混練軸低速回転用電動機13が駆動して混練軸
3、3’が低速(2〜3rpm)で回転し始める。制御
部34ではロータリーエンコーダ23からのパルスをカ
ウントし、予め記憶させた最初の洗浄停止位置を検出す
ると、混練軸低速回転用電動機13に停止信号を送出
し、ブレーキを作動させて混練軸3、3’を停止させ
る。その間にレール29上に待機している洗浄用ロボッ
ト27は洗浄窓25に臨む洗浄開始位置に移動する。混
練軸3、3’が停止すると洗浄用ロボット27を駆動
し、予めティーチングしておいた手順に従ってアーム部
30を動作させ、先端部に取り付けた高圧洗浄ノズル3
1を洗浄窓25からミキサ内に挿入して所定位置に移動
させ、高圧洗浄ノズル31から高圧水を噴射させてミキ
サ内の洗浄を開始する。手順通りに洗浄が完了してアー
ム部30が元の位置復帰すると、混練軸低速回転用電動
機13を再び駆動して混練軸3、3’を回転させ、ロー
タリーエンコーダ23で次の所定洗浄停止位置を検出し
て混練軸3、3’を停止させ、前記同様に予めティーチ
ングしておいた手順に従ってアーム部30を動作させて
ミキサ内を洗浄する。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、二
軸式ミキサ1の混練軸3、3’を回転させる混練用電動
機9、9’とは別に配設した混練軸低速回転用のブレー
キ付き電動機13により混練軸3、3’を所定位置に停
止させ、各所定洗浄位置において洗浄用ロボット27を
駆動して予めティーチングした洗浄動作に基づいて高圧
洗浄用ノズル31を移動させながらミキサ内部に高圧水
を噴射して洗浄を行うようにしたので、ミキサ内の洗浄
を自動的に行なうことができ、洗浄作業の効率化を図れ
ると共に作業者の負担を大幅に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明する装置の正面図である。
【図2】図1の一部切り欠きした平面図である。
【図3】図2の要部の拡大図である。
【図4】図3のAーA線方向切断断面図である。
【図5】電磁クラッチ部分の一部切断した正面図であ
る。
【符号の説明】
1…二軸式ミキサ 3、3’…混練軸 9、9’…混練用電動機 13…混練軸低速回転用
電動機 17…伝動軸 19…電磁クラッチ 20…伝動用スプロケット 21…低速回転用スプロ
ケット 22…チェーン 23…ロータリーエンコ
ーダ 27…洗浄用ロボット 31…高圧洗浄用ノズル 33…洗浄制御装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二軸式ミキサの混練軸を回転させる混練用
    電動機とは別に混練軸低速回転用のブレーキ付き電動機
    を配設し、該混練軸低速回転用電動機は動力伝達を断続
    することのできるクラッチを介して前記混練軸に連結す
    ると共に、混練軸の軸端に混練軸の回転位置を検出する
    回転位置検出用センサを配設し、更に高圧水を噴射する
    高圧洗浄用ノズルを有した洗浄用ロボットを前記二軸式
    ミキサの近傍に配設し、ミキサ内部の洗浄時に予め洗浄
    しようとする混練軸周りの所定洗浄位置を適宜決定して
    記憶させると共に、洗浄用ロボットに各所定洗浄位置に
    対応させた洗浄用ノズルの洗浄動作をティーチングして
    おき、洗浄開始操作によりブレーキ付き電動機を駆動し
    て混練軸を低速回転させ、回転位置検出用センサにより
    予め記憶している軸位置を検出して混練軸を所定洗浄位
    置に順次停止させ、各所定洗浄位置において洗浄用ロボ
    ットを駆動して予めティーチングした洗浄動作に基づい
    て高圧洗浄用ノズルを移動させながらミキサ内部に高圧
    水を噴射して洗浄を行なうようにしたことを特徴とする
    二軸式ミキサの洗浄方法。
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