JP2728856B2 - 高伸縮性を備えた毛織物の製造方法 - Google Patents

高伸縮性を備えた毛織物の製造方法

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JP2728856B2
JP2728856B2 JP6303206A JP30320694A JP2728856B2 JP 2728856 B2 JP2728856 B2 JP 2728856B2 JP 6303206 A JP6303206 A JP 6303206A JP 30320694 A JP30320694 A JP 30320694A JP 2728856 B2 JP2728856 B2 JP 2728856B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高伸縮性を備えた毛織
物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、生活水準の高揚にともない、衣料
商品の多様化,高級化への要求が高まり、これに対応し
得る高伸縮性を備えた毛織物が求められている。ここ
に、毛織物とは少なくとも羊毛繊維を含む織物をいう。
従来より、毛織物の製造工程で経糸に緊張、即ち、引張
を付与して緯糸に凹凸を与え、毛織物の緯糸方向に8〜
10%程度の伸縮性を付与するという方法が知られてい
る。また、緯糸に強撚糸を用いることで更に高い伸縮性
を備えた毛織物とすることができる。
【0003】一方、経糸方向の伸縮性については、乾燥
工程における毛織物の過剰な送り込み、或いは染色工程
における羊毛繊維の収縮挙動に応じた経糸の収縮によ
り、経糸方向に5%程度の伸縮性を付与することができ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、叙上の従来
の方法によれば、毛織物に対し、緯糸方向には高い伸縮
性を付与することができるが、経糸方向には上述のよう
に5%の低い伸縮性しか付与することができず、運動性
の高い用途に毛織物を適用できないという問題があっ
た。
【0005】本発明は以上の実情に鑑みなされたもので
あって、経糸方向に高い伸縮性を備えた毛織物の製造方
法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、少なくとも羊毛繊維を構成繊維とする紡績
糸を、アルコール類を含んだ水溶液に浸漬し、ついで該
紡績糸を10〜50%延伸せしめた後乾燥し、ついで該
紡績糸を経糸として織成し、しかる後該織物に蒸気若し
くは湿熱処理を施すという手順を備えたものである。
【0007】前記アルコール類にはn−プロピルアルコ
ールの他、エチルアルコール,i−プロプルアルコー
ル,n−ブチルアルコール,i−ブチルアルコール等が
含まれる。また、前記水溶液のアルコール類を含有する
割合は10〜100%の範囲であることが好ましい。
【0008】
【作用】以上の構成を備えた本発明によれば、アルコー
ル類を含んだ水溶液に羊毛繊維を浸漬することで、羊毛
繊維の水素結合が切断されて、当該羊毛繊維を僅かな力
で容易に伸長するすることができるようになる。そし
て、10〜50%延伸せしめた後乾燥することで、乾燥
時に水素結合が再生して羊毛繊維特有のテンポラリーセ
ット(一時セット)が作用し、10〜40%伸長した紡
績糸とすることができる。
【0009】10%以上延伸せしめるのは、これ以下だ
と所望の伸縮性が得られないからであり、延伸を50%
以下とするのは、これ以上延伸すると糸が切断する危険
があり、また、過大に伸長してもそれに応じた伸縮性が
得られないからである。尚、以上を考慮すると、最も好
ましい延伸の範囲は15〜35%である。
【0010】ついで伸長したままの紡績糸を経糸に用い
て織物とし、当該織物に蒸気若しくは湿熱処理を施し
て、羊毛繊維の水素結合を再び切断(テンポラリーセッ
トを解除)することにより、紡績糸を原長(自然長)に
戻す。これにより、織物は経糸方向に7〜20%収縮す
る。従って、織物は7〜20%の高い伸縮性を備えた織
物となる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。ま
ず、アルコール類を含む水溶液に紡績糸を浸漬せしめる
ための装置について、図1に基づき説明する。同図に示
すように、この装置は繰出ローラ(1)と、巻取ローラ
(2)と、浸漬部(3)と、延伸部(8)と、搬送部
(14)とを備えてなる。
【0012】繰出ローラ(1)は、多数条の糸をビーム
(円筒体)に巻取った当該ビームを矢示A方向に回転せ
しめ、糸を矢示C方向に繰り出すものである。また、前
記浸漬部(3)は水槽(4)と、水槽(4)内に設けた
第1のパディングローラ対(5)と、第2のパディング
ローラ対(6)と、水槽(4)内に貯留したアルコール
類を含んだ水溶液(7)とからなる。
【0013】また、搬送部(14)は図示するごとく、
回動自在に設けた第1のガイドローラ(15)と、第2
のガイドローラ(16)と、第3のガイドローラ(1
7)と、第4のガイドローラ(18)と、第5のガイド
ローラ(19)と、第6のガイドローラ(20)と、第
7のガイドローラ(21)と、第8のガイドローラ(2
2)とを備えてなる。
【0014】また、前記延伸部(8)は第1の延伸ロー
ラ(9)と、第2の延伸ローラ(10)と、第3の延伸
ローラ(11)と、第1の乾燥ローラ(12)と、第2
の乾燥ローラ(13)とを備えてなる。そして、これら
第1乃至第3の延伸ローラ(9)〜(11)並びに第1
及び2の乾燥ローラ(12),(13)はそれぞれ矢示
方向に回転するとともに、回転速度は第3の延伸ローラ
(11),第2の延伸ローラ(10),第1の延伸ロー
ラ(9)の順に速くなっており、この回転速度の差によ
り糸を延伸する。尚、第3の延伸ローラ(11),第1
の乾燥ローラ(12)及び第2の乾燥ローラ(13)は
同じ回転速度となっている。第1の乾燥ローラ(12)
及び第2の乾燥ローラ(13)のローラ内には蒸気が循
環するようになっており、各ローラは所定の高温、この
例では80℃に保たれている。尚、第1の延伸ローラ
(9),第2の延伸ローラ(10)及び第3の延伸ロー
ラ(11)はそれぞれ室温となっている。また、前記巻
取ローラ(2)は矢示B方向に回転するビームを備え、
当該ビームに多数条の糸を巻取る。
【0015】而して、この装置によれば、ビームに巻取
られた多数条の糸が繰出ローラ(1)より引き出され、
浸漬部(3)の水溶液(7)に浸漬せしめられた後、延
伸部(8)において第1の延伸ローラ(9),第2の延
伸ローラ(10)及び第3の延伸ローラ(11)により
延伸せしめられ、第1の乾燥ローラ(12)及び第2の
乾燥ローラ(13)により乾燥せしめられる。そして、
当該糸は巻取ローラ(2)において巻取られる。
【0016】(実施例1)まず、紡績工程において、羊
毛繊維100%であり、下撚数が600T/M,上撚数
が550T/Mである2/60(メートル番手)の双糸
を製造し、この双糸の4040本をビームに巻取り、上
述の浸漬装置に仕掛けた。尚、前記水溶液(7)には、
n−プルピルアルコール:水を50:50とした水溶液
を用い、延伸部(8)における延伸は20%とした。つ
いで、叙上の双糸を用いて経糸密度57本/インチ,緯
糸密度54本/インチの平織物とし、ついでこの平織物
に、スチーミング−染色−乾燥−釜蒸絨の各加工を順次
実施し、実施例1の毛織物を得た。
【0017】(実施例2)まず、紡績工程において、羊
毛繊維100%であり、下撚数が740T/M,上撚数
が1150T/Mである2/72(メートル番手)の双
糸を製造した後、当該双糸を染色し、ついでこの双糸の
8504本をビームに巻取り、上述の浸漬装置に仕掛け
た。尚、前記水溶液(7)には、n−プルピルアルコー
ル:水を20:70とした水溶液を用い、延伸部(8)
における延伸は17%とした。ついで、叙上の双糸を用
いて経糸密度120本/インチ,緯糸密度85本/イン
チのギャバ織物とし、ついでこのギャバ織物に、スチー
ミング−洗絨−乾燥−蒸絨の各加工を順次実施し、実施
例2の毛織物を得た。
【0018】(比較例1)n−プルピルアルコール:水
を50:50とした水溶液に紡績糸を浸漬する工程、紡
績糸を20%延伸する工程を除いた他は実施例1と同じ
工程を実施して比較例1の毛織物を得た。
【0019】(比較例2)n−プルピルアルコール:水
を20:70とした水溶液に紡績糸を浸漬する工程、紡
績糸を17%延伸する工程を除いた他は実施例2と同じ
工程を実施して比較例2の毛織物を得た。
【0020】以上の実施例1及び2の毛織物、比較例1
の毛織物についてJIS L 1096に準拠して経糸
方向及び緯糸方向の伸縮性を測定した。その結果を下表
表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1に示すように、実施例1及び2の毛織
物は比較例1及び2の毛織物に比べて緯糸方向の伸縮性
は同程度であるものの、経糸方向には高い伸縮性を備え
ていることが分かる。
【0023】以上、本発明の実施例について説明した
が、本例はあくまでも本発明の一例として例示したもの
であって、本発明の具体的態様がこれに限られるもので
はないということは言うまでもない。特に付言するなら
ば、本例では羊毛100%の紡績糸についての例を示し
たが、本発明を適用し得るのはこれに限らず、綿,麻等
と羊毛繊維との混紡糸、ナイロン,ポリエステル,レー
ヨン等の合成繊維と羊毛繊維との混紡糸にも適用し得
る。
【0024】
【効果】以上詳述したように、本発明によれば、極めて
高い伸縮性を備えた毛織物を得ることができる。従っ
て、当該毛織物をゴルフウエア等のスポーツ衣料,カジ
ュアルウエア等、身体を適度に動かす用途に用いること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための具体的装置の概略構成
を示す正面図である。
【符号の説明】 1 繰出ローラ 2 巻取ローラ 3 浸漬部 4 水槽 5 第1のパディングローラ対 6 第2のパディングローラ対 7 水溶液 8 延伸部 9 第1の延伸ローラ 10 第2の延伸ローラ 11 第3の延伸ローラ 12 第1の乾燥ローラ 13 第2の乾燥ローラ 14 搬送部 15 第1のガイドローラ 16 第2のガイドローラ 17 第3のガイドローラ 18 第4のガイドローラ 19 第5のガイドローラ 20 第6のガイドローラ 21 第7のガイドローラ 22 第8のガイドローラ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも羊毛繊維を構成繊維とする紡
    績糸を、アルコール類を含んだ水溶液に浸漬し、 ついで該紡績糸を10〜50%延伸せしめた後乾燥し、 ついで該紡績糸を経糸として織成し、 しかる後該織物に蒸気若しくは湿熱処理を施す、高伸縮
    性を備えた毛織物の製造方法。
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