JP2726840B2 - ドアチェッカー - Google Patents

ドアチェッカー

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JP2726840B2
JP2726840B2 JP7073741A JP7374195A JP2726840B2 JP 2726840 B2 JP2726840 B2 JP 2726840B2 JP 7073741 A JP7073741 A JP 7073741A JP 7374195 A JP7374195 A JP 7374195A JP 2726840 B2 JP2726840 B2 JP 2726840B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ドアの開閉力を制御す
るドアチェッカーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、開けたドアが自然に閉じるよ
うにドアの閉方向に力を加える装置がドアに取り付けて
あり、この装置は一般にはドアチェック又はドアチェッ
カーと称されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のドアチェッカー
は、蝶番によって壁に回動自在に取り付けられているド
アの閉じ方向の面にドアチェッカーの本体が取り付けて
ある。それぞれの一端が軸によってリンク状に回動自在
に結合された2本のアームのうちの一方のアームの他端
が、ドアチェッカーの固定部により回動自在に支持して
ある。また、他方のアームの他端は、ドアチェッカーの
本体から突出する軸の先端部に固定されている。この軸
はドアチェッカーの本体内部に設けられたバネや油圧機
構に結合しているため、アームにドアの閉じ方向の力が
与えらており、その力の強さは、アームの長さやバネ力
を変えるなどの公知の方法で調整することができるよう
になっている。
【0004】しかし、閉じ力を弱く調整した場合は、ド
アを簡単に開くことはできるが、ドアが閉じる迄に長い
時間がかかったり、完全に閉じないことが発生する。ま
た、ドアが短時間で完全に閉じるために充分な力を発生
するように閉じ力を強く調整すると、ドアを開けるのに
強い力を必要とするために子供や高齢者にとってドアを
開け難くなり、さらに、オフィスなどで使用されている
床のみで固定された簡易間仕切りの場合には、閉じ力を
強く調整したドアチェッカーをドアに取り付けることが
できなかった。すなわち、閉じ力を強く調整したドアチ
ェッカーを取り付けると、ドアを開ける度に簡易間仕切
りに衝撃が強く作用し、床に対する簡易間仕切りの固定
部が緩んでくることがあった。
【0005】本発明の目的は、ドアを閉じる場合は充分
な閉じ力を発生するとともにドアを開ける場合は軽い負
荷で済むようにして快適にドアの開閉を行えるドアチェ
ッカーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明によるドアチ
ェッカーは、ドアに閉じ方向の力を与える付勢装置と、
物体の存在または物体までの距離または物体の進行方向
の少なくとも1つを検知して信号を出力する物体検知装
置と、ドアに与えられている閉じ方向の力を軽減する方
向に補助力を与える補助駆動装置と、物体検知装置の出
力信号に従って補助駆動装置を制御する制御回路とを有
する。第2の発明によるドアチェッカーは、ドアに閉じ
方向の力を与える付勢装置と、物体の存在または物体ま
での距離または物体の進行方向の少なくとも1つを検知
して信号を出力する物体検知装置と、ドアの開閉方向ま
たはドアの開閉位置またはドアの開閉速度の少くとも1
つを検知して信号を出力するドア状態検知装置と、ドア
に与えられている閉じ方向の力を軽減する方向に補助力
を与える補助駆動装置と、物体検知装置およびドア状態
検知装置の出力信号に従って補助駆動装置を制御する制
御回路とを有する。第3の発明によるドアチェッカー
は、第2の発明によるドアチェッカーにおいて、制御回
路が物体検知装置およびドア状態検知装置の出力信号に
よる各制御が相反する場合は、物体検知装置の出力信号
の方に優先的に従って補助駆動装置を制御するようにし
てある。第4の発明によるドアチェッカーは、第1ない
し第3の発明のいずれかによるドアチェッカーにおい
て、物体検知装置がドアの両側の所定距離範囲内にそれ
ぞれ物体を検知しかつドアの閉じ方向側の物体がドアに
接近しており、ドアの開方向側の物体がドアに接近して
おりまたは静止しているのを検知した場合は、制御回路
は補助駆動装置を非動作状態にするまたは警告を発する
ようにしてある。
【0007】また第5の発明によるドアチェッカーは、
ドアに閉じ方向の力を与える付勢装置と、ドアの開閉方
向またはドアの開閉位置またはドアの開閉速度の少くと
も1つを検知して信号を出力するドア状態検知装置と、
ドアに与えられている閉じ方向の力を軽減する方向に補
助力を与える補助駆動装置と、ドア状態検知装置の出力
信号に従って補助駆動装置を制御する制御回路とを有す
る。また第6の発明によるドアチェッカーは、第5の発
明によるドアチェッカーにおいて、物体がドアのノブに
触れたことを検知して信号を出力する物体検出装置また
はドアを閉状態に保つロック機構が解除されたことを検
知して信号を出力するドアロック検知装置を設け、かつ
制御回路は、ドア状態検知装置の出力よりも前に物体検
出装置またはドアロック検知装置の出力信号を受けたと
きは、補助駆動装置を動作状態にするようにしてある。
【0008】
【実施例】以下、本発明の詳細を添付図面に示した好適
な実施例に沿って説明する。図1,2,3に示すよう
に、本発明に係わるドアチェッカーは、本体部1とアー
ム10とアーム22と固定部21とを備えている。図2
に示すように、ドア23に閉じ方向の力を与える付勢装
置2は、バネ固定部5に固定されたバネ4とこのバネ4
に固定されかつ本体部1に回転自在に支持された軸3と
アーム10とから構成されている。
【0009】物体検知装置6は、人体などの物体の存
在、距離および進行方向などを検出するためのものであ
り、2つの検知手段6a、6bによって構成され、リー
ド線6c、6dにそれぞれ信号を出力するようになって
いる。図1に示すように、検知手段6aは鴨居26のド
アの閉じ側の上部の壁に、検知手段6bは鴨居26のド
アの開き側の上部の壁にそれぞれ取り付けてあり、ドア
が開いた状態でもドアに近づく物体またはドアから遠ざ
かる物体を所定範囲にわたって検出できるようにしてあ
る。検知手段6a、6bの取り付け位置は壁24等でも
よい。リード線6c、6dは公知の方法によりドアの開
閉に支障がないようにドアチェッカーの本体1に引き込
まれ、物体検知装置6の信号に従って補助駆動装置8の
作動を制御する制御回路7aに接続されている。
【0010】補助駆動装置8は、時計方向すなわちドア
を開く方向の力を軸3に与えるものであり、例えば直流
モータやステップモータの回転力による駆動力を、歯車
や摩擦を利用した連結機構やクラッチ機構等の公知の方
法で軸3に結合されているものである。
【0011】電源9は、物体検知装置6、補助駆動装置
8および制御回路7aに電気エネルギーを供給するため
のものである。電源9は、本体部1をドアに取り付ける
場合は軽量化の観点から電池であることが望ましい。
【0012】
【表1】
【0013】表1において、各項目および各記号の意味
は下記の通りである。 (1)移 動:物体(人体)の移動状態を示す。 × :停止している。 DA :ドアの方向に移動している。 DL :ドアから離れる方向に移動している。 − :状態に無関係 (2)距 離:ドアから物体(人体)までの距離を示す。 N :ドアから所定距離内にいる。 F :NのMAX値以上離れている。 (3)補助力:OFF:補助力を印加しない(補助駆動装
置を非動作状態にする) ON :補助力を印加する(補助駆動装置を動作状態に
する) OFF ALARM:補助力を印加せず、かつ警告(A
LARM)も行う。 (4)状 態:ドアを中心としてドアに対する人体(●)
の位置と移動状態を示す。
【0014】人体とドアとの位置関係は、つぎのような
場合が考えられる(表1内の項番号参照)。 (1)人体が停止している時は補助力はOFFである。・
・No.1、No.2、No.4 (2)ドアの片側でドアから近い距離で人体がドアに向か
って移動しており、ドアの他方の側の人体が遠くにいる
ときは、ドアの開(通過)が予想されるので補助力をO
Nする。 ・・No.3、N
o.5 (3)ドアの両側でドアから近い距離で人体がドアに向か
って移動しているときはドアの開(通過)は予想される
が、ドアを開けたときはドアが6b側の人へぶつかる危
険があるので補助力をOFFする(ドアを開くのに力が
いるのでドアは急に開かない。)。好ましくは警報(音
または表示)も出力する。・・No.6(第4の発明) (4)ドアの6a側でドアから近い距離で人体がドアに向
かって移動しており、ドアの6b側の人体が近くに停止
しているときは、ドアの開(通過)が予想され、また、
6b側の人も移動を開始する可能性があり、ドアを開け
たときはドアが6b側の人へぶつかる危険があるので補
助力をOFFする。好ましくは警報(音または表示)も
出力する。 ・・No.7(第4の発明) (5)ドアの6a側の近い位置に人が停止しており、ドア
の6b側でドアから近い距離で人体がドアに向かって移
動しているときはドアの開かれることが予想され、この
ときドアは6b側に開くためドアにぶつかる危険は少な
いので、補助力をONする。
・・No.8 (6)ドアの片側でドアから近い距離で人体がドアから離
れる方向に向かって移動しており、ドアの他方の側の人
体が遠くにいる場合は、ドアの片側にいる人がドアを通
過し終わったと予想されるので補助力をOFFする。・
・No.9、No.10 (7)人体がドアの片側ではドアに近づき、ドアの他方の
側ではドアから離れる方向に向かって移動しているとき
は、人がドアを通過した後に、他の人がドアを通過しよ
うとしていることが予想されるので補助力をONする。
【0015】なお、補助力をONした後に補助力がOF
Fされるのは、補助力をONした後で人体がドアから距
離F以上離れた場合か、距離がNであっても人体がドア
から離れる方向に移動している場合である。このような
場合には、補助力がいつまでもOFFされない場合が発
生する。すなわち、人がドアを通過後にドア付近に停止
しているときや、ドアを通過しようとしてドアに近づい
た後にドアを開けずに戻ったようなとき、さらにはドア
を所定角度以上開いてドアロック位置(ドアが開いたま
まになる位置)にしたような場合である。このような不
都合を解消するために、補助力をONにしたら、タイマ
ーを動作させて所定時間後に強制的に補助力をOFFに
するなど、種々の変更が可能である。
【0016】上記実施例においては、物体検知装置6で
人体までの距離や移動方向を検知して補助力をONする
ようにしたが、上記のように補助力をOFFするまでに
無駄に補助力をONしている期間が存在する場合が発生
する。第2の発明はこのように無駄に補助力をONして
いる期間を少なくするためものであり、その一実施例を
図4を参照しながら説明する。なお、この実施例におい
て、第1の発明のものと同じものについては同一符号を
使用し、個々の詳細の説明は省略する。
【0017】図4において、31は、ドアの開閉方向や
ドアの開閉位置などドアがどのような状態にあるかを検
出して信号を出力するドア状態検知装置である。ドア状
態検知装置31としては、軸3の回転方向や回転量を直
接的または間接的に光学的または磁気的作用により検出
する公知のエンコーダを用いることができる。制御回路
7bは、物体検知装置6およびドア状態検知装置31の
出力信号に従って補助駆動装置8の動作開始や停止を制
御するようになっている。ドア状態検知装置31は、3
本の出力信号SO、SC及びSMを出力し、その出力レ
ベルによって表2の5つの状態を検知するようになって
いる。
【0018】
【表2】
【0019】制御回路7bは、3つの出力信号SO、S
C及びSMの変化により、表3に示す制御を行うように
構成してある。
【0020】
【表3】
【0021】表3について説明すると、下記の通りであ
る。 No.1:ドアが閉じている状態であるから、補助力を
OFFにする。 No.2:ドアを開きつつある状態であるから、補助力
を0Nにする。物体検知装置6により既に補助力ONと
なっている場合は変化なし。 No.3:ドアを開いている途中でドアを止めるという
状態であるから、人がまだノブをつかんでいると想定さ
れる。この状態のときに急に補助力をOFFにすると、
急に閉方向の力が人の手に加わることになるので、比較
的短い所定の時間をかけて徐々に補助力を減少させる。
または、所定時間後に補助力をOFFする。 No.4:No.3の状態から開く場合であるから、補
助力がONになっていたらそれを継続し、OFFになっ
ていたら短時間でONにする。 No.5:ドアがロック位置に開かれた場合であるか
ら、この状態ではドアの閉方向への付勢力は機械的にロ
ックされているので補助力をOFFする。 No.6:ドアが閉じつつある状態であるから補助力は
OFFにする。但し、このとき物体検知装置6により補
助力をONにする信号があった場合はそれに従う。 No.7:ドアが閉じつつあるときにドアを止める場合
であるから、閉方向の付勢力を軽減させるために補助力
を短時間でONする。但し、ドアに物が挟まって途中停
止している場合も想定される。このような場合が長時間
続くと、補助駆動装置8が長時間動作し続けることにな
り、電力の消費だけでなく故障の原因となるので、所定
時間後には補助力をOFFにする。 No.8:ドアを途中停止していてノブから手を離した
状態と想定されるから補助力をOFFにする。 No.9:ドアが閉じ位置に戻った状態であるから、確
実にドアが閉じるように補助力をOFFにする。
【0022】図5,6に第5の発明の一実施例を示す。
図6において、図1と同じものには同じ符号を付してあ
り、個々の説明は省略する。方向検知手段(ドア状態検
知装置)16は、軸3またはこの軸と一体に構成された
歯車またはこの歯車と噛み合う輪列を介して、軸3の回
転方向すなわちドアの開閉方向を検出するようになって
いるものである。方向検知手段16としては、光学的ま
たは磁気的に2つの信号の位相のズレを検出する公知の
エンコーダを使用することができる。方向検知手段16
は、ドアが開方向に移動しているときは信号SOにレベ
ル”1”を出力し、閉じ方向に移動しているときや停止
しているときは信号SOにレベル”0”を出力するよう
にしてある。
【0023】制御回路7cは、方向検知手段16の出力
信号にしたがって補助駆動装置8をつぎのように制御す
るようになっている。 (1)ドアが完全に閉じているときは、方向検知手段16
の出力信号SOはレベル”0”であり、補助駆動装置8
による補助力をOFFにする。 (2)ドアが開き始めると、方向検知手段16はそれを検
知して信号SOがレベル”1”に反転し、その信号反転
により補助駆動装置8を動作させ、補助力をONにす
る。これにより、ドアを開くときは、ドアの負荷が軽減
される。 (3)ドアが開いている途中で停止した場合は、信号SO
はレベル”0”となるので、補助駆動装置8の動作を停
止し、補助力をOFFにする。途中でドアが停止すると
いう状態は、人がまだドアのノブをつかんでいる場合が
想定され、このとき補助力を0FFにすると、急に閉じ
方向の力が人の手に作用することになって危険であるか
ら、所定の時間をかけて徐々に補助力が減少するように
してもよい。また、信号SOが、レベル”1”からレベ
ル”0”に反転した時点からタイマーを動作させ、所定
時間後に補助力をOFFにするようにしてもよい。 (4)上記 (3)の補助力OFFの状態で人がドアノブから
手を離した場合は、閉じ方向の付勢力によりドアは閉じ
始めるが、方向検知手段16の出力信号SOはレベル”
0”を維持して補助力を発生させない。したがって確実
にドアが閉じる。 (5)上記 (3)の状態から再度ドアが開き始める場合は、
方向検知手段16の信号SOがレベル”1”に反転し、
上記 (2)と同様に補助力を発生させる。 (6)ドアが所定の角度以上開きドアロック位置にある場
合も、信号SOはレベル”0”となるので、上記(3)と
同様に補助力をOFFにする。 上記をまとめると表4のようになる。
【0024】
【表4】
【0025】上記構成において、ドアが閉じ方向にある
ときには補助力はOFFであり、その途中でドアを止め
た場合は、閉じ方向の付勢力がそのまま人の手に作用す
ることになって危険である。これを解決するためには、
方向検知手段16は、信号SOの他に、以下のような信
号SCを出力するようにする。すなわち、ドアが閉じ方
向に移動しているときは信号SCにレベル”1”を出力
し、それ以外のときは信号SCにレベル”0”を出力す
る。そして、SOとSCの状態によって補助力を表5の
ように制御する。
【0026】
【表5】
【0027】ドアが閉じつつあるときは、ドアに加速度
がついていることがあるので、補助力はできるだけ短時
間の間にMAX値となるようにしてある(表5のNo.
5)。また、ドアに物などが挟まって途中停止の状態が
長時間続くと、補助駆動装置は動作し続けて電力の消費
だけでなく故障の原因となるので、所定時間後には補助
力をOFFするようにしてある。
【0028】上記実施例では、ドアが閉じ方向に動いて
いるか開方向に動いているか、停止しているかのいずれ
かが方向検知手段16により検知されるのみである。し
たがって、ドアが閉じ方向からドアが完全に閉じた場合
は、信号SCがレベル”1”からレベル”0”に切り換
わるので、補助力はOFFからONに切り換わり、実際
は表5の No.1と同様に補助力はOFFにしてよいのに
も拘らず、ドアが閉じ方向から途中停止した場合(表5
の No.5)と動作が同じになる(補助力はOFFからO
Nに切り換わる。)。すなわち,ドアが閉じ方向からド
アを途中停止した場合とドアが閉じ方向からドアが完全
に閉の場合とでは区別がつかず,どちらも補助力はOF
FからONに切り換わる。したがってドアが閉じ方向か
らドアが完全に閉じたときでも、必ず一定時間は補助力
が働いてしまうことになる。実際のドアの開閉を考える
と、ドアの閉じ方向での途中停止は可能性が低いのであ
るから、表5の No.5のような機能を付けることは、無
駄な電力が消費されることになる。
【0029】これを解決する第2実施例を図7に示す。
図7において、図6と同じものについては同一符号を使
用し、個々の詳細の説明は省略する。位置検知手段(ド
ア状態検知装置)17は、ドアの開閉位置を検出するも
のであり、ドアの開閉位置に応じて信号SDの出力値を
変化させるようになっている。なすわち、位置検知手段
17は、ドアが全閉位置のときは、信号SDとして出力
値SDsを出力し、ドアが全開位置のときは、出力値S
Dfを出力する。このような出力をする位置検知手段1
7としては、アナログ信号を出力するポテンショメータ
や数ビットのデジタル信号の組み合わせが出力されるデ
ジタルエンコーダなどを用いることができる。
【0030】制御回路7dは、方向検知手段16、位置
検知手段17からの信号によりドアの状態を検知し、補
助駆動装置8を制御するものである。制御回路7dに
は、上記2つの検知手段16、17の出力信号に応じて
補助駆動装置8がどのような補助力を与えるかを予め設
定したデータテーブル備わっており、これに従って補助
駆動装置8がドアの状態に応じた最適の補助力を発生す
るようにプログラムされている。
【0031】制御回路7dは、図8のフローチャートに
従って制御を行うように構成してある。図8において、
Sn(n=1〜9)は処理のステップを示し、主なもの
について以下に説明する。 S1:信号SO、SCを調べ、ドアが開閉中か、停止し
ているかを判定する。 S2:ドアが開方向(SOがレベル=”1”)なのか、
閉じ方向(SCがレベル=”1”)なのかを調べる。 S4:ドアが全閉位置にある(SDの出力値=SDs)
かどうかを判定する。 S5:ドアが全開位置にある(SDの出力値=SDf)
かどうかを調べる。 S6:ドアが開方向から途中停止したのか(SOのレベ
ルが”1”から”0”に反転)、閉じ方向から停止した
のか(SCのレベルが”1”から”0”に反転)を判定
する。
【0032】図8について、ドアの状態別に説明すると
次のようになる。
【0033】(1) ドアが閉まっているとき S1→S4→S9→S1のステップを経て補助力をOF
F状態に保つ。 (2) ドアを開こうとするとき S1→S2→S3→S1のステップを経て補助駆動装置
8は信号SDの出力値に応じて決められた大きさの補助
力を与える。例えば、ドアの角度が0〜30度の範囲に
あるときはMAXの補助力を与え、31〜60度の範囲
ではMAXの補助力の2/3の補助力を、61〜90度
の範囲ではMAXの補助力の1/3の補助力を与えた
り、或いは4ビットのデジタル信号16種類の内の所定
数ビットにそれぞれ決められた強さの補助力を設定し、
ドアの開き角度が大きくなるに従って補助力を弱くす
る。 (3) ドアを開いている途中で停止するとき S1→S4→S5→S6→S7→S1のステップを経て
第1実施例と同様の理由でステップS7で所定時間をか
けて徐々に補助力を軽減していってOFFにする、また
は所定時間経過後にOFFにする。 (4) ドアが閉じている途中で停止するとき S1→S4→S5→S6→S8→S1のステップを経て
第1実施例と同様の理由でステップS8で短時間でMA
Xの補助力を加え、その後に所定時間をかけ徐々に補助
力を軽減していってOFFにする、または所定時間経過
後OFFにする。
【0034】第2実施例では、ドアの位置検知手段17
を設けてあるので、途中停止ではないドアの閉じ状態す
なわちドアが全閉位置のときは、補助力はOFFにな
り、無駄な電力消費を防ぐことができる。
【0035】次に第3の実施例について説明する。第2
実施例では、ドアの開閉位置によって補助力を変化させ
ることができるようにしたが、ドアの開閉速度によって
も様々な問題を生じる。そこで第3の実施例は、このド
ア開閉速度の問題に対処するものである。
【0036】図9において、速度検知手段(ドア状態検
知装置)18は、ドアの開閉速度を検出して信号を出力
するものであり、制御回路7eは、方向検知手段16、
位置検知手段17、速度検知手段18からの信号により
ドアの状態を検知し、補助駆動装置8を制御するように
なっている。制御回路7eは、3つの検知手段16〜1
8の出力信号に応じて補助駆動装置8がどのような補助
力を与えるかを予め設定したデータテーブルを有してお
り、これに従って補助駆動装置8がドアの状態に応じた
最適の補助力を発生するようにプログラムされている。
【0037】
【表6】
【0038】表6に、制御回路7eによるプログラム制
御の一例を示す。表6の( )内に各々の制御動作の理由
を示す。
【0039】上記3つの実施例では、補助駆動装置8
は、方向検知手段、位置検知手段、速度検知手段のいず
れかに変化があった場合に始めて動作を開始するように
してあるので、ドアが移動を始めてから(人がドアを開
き始めてから)これら検知手段の出力に変化があるまで
に若干の時間遅れが発生する。この間はまだ補助力が発
生していないためドアには閉じ方向の力が働いており、
そのため僅かではあるがドアの開閉にスムーズさを欠く
ことがある。
【0040】この欠点を解決する第6の発明の一実施例
について、図10を参照して説明する。本実施例は、第
5の発明の第1の実施例を改良したものであり、図10
において、図6と同じものについては同一符号を使用し
てあり、個々の詳細な説明は省略する。物体検出装置6
1は、ドア23のノブ62内に設けらてれいるものであ
って、人の手や物体がノブに近接するかまたはノブに触
れると出力信号(以下「ノブ信号」という。)を発生す
るように、公知の近接センサやタッチセンサなどにより
構成される。ノブ信号は、リード線63によって制御回
路7fに供給されるようになっており、制御回路7f
は、このノブ信号を受けて補助駆動装置8を所定の強さ
の補助力を発生させるように制御するように構成してあ
る。
【0041】このように構成されているため、ドア23
の閉じ位置で人がノブ62を握ったとすると、この時点
で直ちに補助力が発生する。実際にドアが開くまでには
通常ノブの回転や移動によりロックを解除するのに若干
の時間を要するから、ドアを開けるときは最初からドア
を軽く開くことが可能となる。
【0042】なお、このノブ信号は、第5の発明の第
2、第3の実施例にも応用が可能であり、位置検知手段
や速度検知手段の出力信号と組み合わせて、補助力の発
生タイミングや大きさを適宜に変えることができる。
【0043】なお、第1の発明の実施例では、検知手段
6a、6bは壁に固定して配置してあるが、ドアの両側
に配置してもよい。
【0044】また、第2の発明の実施例において、補助
力の制御は、表3のどのステップにおいても物体検知装
置の出力による制御を優先するようにしてもよい。例え
ば、表3のNO.1やNo.6では、普通には補助力は
OFFにされるが、表1のNo.3の状態が検出された
ときに補助力をONにするようにしてもよい(第3の発
明)。
【0045】なお、物体検知装置の信号と、ドア状態検
知装置の信号の組み合わせによる補助力の制御は、上記
に限らず種々の変更が可能である。例えば、物体検知装
置の信号によりMAX値より若干小さい補助力を発生さ
せておき、ドア状態検知装置により表3のNo.2のよ
うに開方向が検知されたときにMAXの補助力を与えて
もよいし、ドア状態検知装置からドアの開閉位置やドア
の開閉速度を示す所定ビットのデジタル信号を出力し
て、ドアの開閉位置や開閉速度に応じた大きさの補助力
を発生させるようにしてもよい。さらに、物体検知装置
の出力信号は、例えば、物体検知装置側に発信器を、ド
アチェッカー本体側に受信機をそれぞれ設け、ワイヤレ
スで信号を電送するようにしてもよい。
【0046】また、第5の発明の第2実施例では、方向
検知手段と位置検知手段は一体に構成してもよい(軸3
との結合は1つでよい)。
【0047】また、第5の発明の第3実施例では、ドア
を開ける人を優先して制御を決定しているが、例えば表
6中の状態NO.1の場合は、危険防止を優先すれば、
高速でドアが開いている場合は補助力を加えず、所定の
速度以下の速度で開いているときに初めて補助力を加え
るようにするプログラム制御に変更することができる。
さらに、速度検知は、ディスクリート装置を使用するこ
となく位置検知手段の出力と時間から演算によって求め
ることもできる。
【0048】さらに、第6の発明の上記実施例におい
て、回転ノブやロックレバーを操作したときにドアのロ
ックが解除されたことを検出して信号を発生するドアロ
ック検知手段を設け、ノブ信号の代わりにこのドアロッ
ク検知手段の出力信号により補助力を発生させるよう変
更してもよい。
【0049】
【発明の効果】第1の発明の構成によれば、人体の存在
または人体までの距離または人体の進行方向の少なくと
も1つを検出する物体検知装置の出力により、ドアを閉
じる方向に常時加えられている付勢力に逆らって補助力
を印加するようにしたので、ドアが確実に閉じるように
その閉じ力を強く調整してあってもも、子供や高齢者な
ど力の弱い人でもドアを軽く開けることができる。ま
た、ドアを開けようとする人がドアに到達する前に補助
力を発生するようになるので、初めから楽にドアを開く
ことができる。さらに、ドアを開けるときにドアの取り
付け部に大きな力が加わらないので、簡易間仕切りのよ
うな弱い壁にも取り付けが可能である。
【0050】第2の発明の構成によれば、第1の発明の
構成に加えてドア状態検知装置を設け、これと物体検知
装置と両者の出力により、補助力の印加を制御するよう
にしたので、補助力を無駄に印加するのを効果的に防止
でき、エネルギーの節約が可能である。
【0051】第3の発明の構成によれば、第2の発明の
構成に加えて、物体検知装置およびドア状態検知装置の
出力信号による各制御が相反する場合に物体検知装置の
出力信号の方に優先的に従って補助駆動装置を制御する
ようにしたので、人体の位置や進行方向に迅速に対応し
て補助力印加を制御可能である。
【0052】第4の発明の構成によれば、第1ないし第
3の発明のいずれかの構成に加えて、物体検知装置がド
アの両側の所定距離範囲内にそれぞれ人体を検知しかつ
ドアの閉じ方向側で人体がドアに接近しており、なおか
つドアの開方向側で人体がドアに接近または静止してい
るのを検知した場合は、補助駆動装置を非動作状態にす
るまたは警告を発するようにしてあるから、ドアの開方
向側の人にドアが衝突する危険性が少なくなり安全性が
増す。
【0053】第5の発明の構成によれば、ドアの開閉方
向またはドアの開閉位置またはドアの開閉速度の少くと
も1つを検知して信号を出力する物体検知装置の出力に
より、補助力の印加を制御するようにしたので、ドアが
確実に閉じるようにその閉じ力を大きく調整してあって
も、子供や高齢者など力の弱い人でもドアを軽く開ける
ことができ、ドアを開けるときにドアの取り付け部に大
きな力が加わらないので、簡易間仕切りのように弱い壁
にも取り付けが可能であることは勿論のこと、ドアの開
閉方向,ドアの開閉位置,ドアの開閉速度の組み合わせ
により、状況に応じて補助力の大きさを適切に変えるこ
とができ、ドアをより快適に開閉できる。
【0054】第6の発明の構成によれば、第5の発明の
構成に加えて、物体検出装置またはドアロック検知装置
を設け、ドア状態検知装置の出力よりも前に物体検出装
置またはドアロック検知装置の出力信号を受けたときに
補助駆動装置を動作状態にしておくものであるから、ド
アを開けようとするときに既に補助力を発生でき、ドア
を最初から楽に開けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1,4の発明のドアチェッカーの取付け状態
【図2】図1のA−A線拡大断面図
【図3】ドアに対する人体の移動方向を示す説明図
【図4】第2の発明のドアチェッカーの要部拡大断面図
【図5】第5の発明のドアチェッカーの取付け状態図
【図6】図5のB−B線拡大断面図
【図7】第5の発明のドアチェッカーの他の実施例の要
部拡大断面図
【図8】同上ドアチェッカーの動作を示すフローチャー
【図9】第5の発明のドアチェッカーのさらに他の実施
例の要部拡大断面図
【図10】第6の発明のドアチェッカーの要部拡大断面
【符号の説明】
2 付勢装置 6 物体検知装置 7a,7b,7c,7d,7e,7f 制御回路 8 補助駆動装置 16,17,18,31 ドア状態検知装
置 23 ドア 61 物体検出装置 62 ノブ

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドアに閉じ方向の力を与える付勢装置
    と、 物体の存在または物体までの距離または物体の進行方向
    の少なくとも1つを検知して信号を出力する物体検知装
    置と、 上記ドアに与えられている閉じ方向の力を軽減する方向
    に補助力を与える補助駆動装置と、 上記物体検知装置の出力信号に従って上記補助駆動装置
    を制御する制御回路とを有するドアチェッカー。
  2. 【請求項2】 ドアに閉じ方向の力を与える付勢装置
    と、 物体の存在または物体までの距離または物体の進行方向
    の少なくとも1つを検知して信号を出力する物体検知装
    置と、 上記ドアの開閉方向または上記ドアの開閉位置または上
    記ドアの開閉速度の少くとも1つを検知して信号を出力
    するドア状態検知装置と、 上記ドアに与えられている閉じ方向の力を軽減する方向
    に補助力を与える補助駆動装置と、 上記物体検知装置および上記ドア状態検知装置の出力信
    号に従って上記補助駆動装置を制御する制御回路とを有
    するドアチェッカー。
  3. 【請求項3】 請求項2において、上記制御回路は上記
    物体検知装置および上記ドア状態検知装置の出力信号に
    よる各制御が相反する場合は、上記物体検知装置の出力
    信号の方に優先的に従って上記補助駆動装置を制御する
    ことを特徴とするドアチェッカー。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    上記物体検知装置がドアの両側の所定距離範囲内にそれ
    ぞれ物体を検知し、かつ上記ドアの閉じ方向側の上記物
    体が上記ドアに接近しており、上記ドアの開方向側の上
    記物体が上記ドアに接近しておりまたは静止しているの
    を検知した場合は、上記制御回路は上記補助駆動装置を
    非動作状態にするまたは警告を発するようにしてあるこ
    とを特徴とするドアチェッカー。
  5. 【請求項5】 ドアに閉じ方向の力を与える付勢装置
    と、 上記ドアの開閉方向または上記ドアの開閉位置または上
    記ドアの開閉速度の少くとも1つを検知して信号を出力
    するドア状態検知装置と、 上記ドアに与えられている閉じ方向の力を軽減する方向
    に補助力を与える補助駆動装置と、 上記ドア状態検知装置の出力信号に従って上記補助駆動
    装置を制御する制御回路とを有するドアチェッカー。
  6. 【請求項6】 請求項5において、物体が上記ドアのノ
    ブにふれたことを検知して信号を出力する物体検出装置
    または上記ドアを閉状態に保つロック機構が解除された
    ことを検知して信号を出力するドアロック検知手段を設
    け、かつ上記制御回路は、上記ドア状態検知装置の出力
    よりも前に上記物体検出装置または上記ドアロック検知
    装置の出力信号を受けたときは、上記補助駆動装置は動
    作状態にされるようにしてあることを特徴とするドアチ
    ェッカー。
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