JP3861212B2 - 引戸装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の開口部に取り付けられる引戸装置に関するものであり、詳しくは引戸の開放を開閉機で行い、閉鎖をバネや戸体の自重等を利用する自閉機構で行うようにした引戸装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、引戸装置を防火戸として使用する場合には、停電時にも閉鎖させる必要があるため、引戸の開放・閉鎖を開閉機で行う電動引戸は使用できず、手動式の常時閉鎖型引戸装置が採用されていた。ところが屋内側に取り付けられる引戸は病院や老人ホームに使用される場合が多く、このような場所では電動式のものが要望されているため、電動式引戸をこのような場所に使用する場合は、停電時でも引戸を閉鎖させるためのバッテリを別途設ける必要があり大幅なコストアップとなってしまっていた。
【0003】
そこで、引戸の開放作動は開閉機を利用した電動駆動機構で行い、閉鎖作動をバネや戸体の自重を利用した自閉機構で行う常時閉鎖式の引戸を採用することが考えられるが、このような引戸装置は全開位置で戸体を保持することができないため、起動若しくは挟まれ防止用の光電センサを遮ったままにしていると、戸体が全開位置付近で開閉作動を繰り返してしまうという不具合が発生してしまっていた。これは全開状態から戸体が閉鎖していって近接スイッチが復帰した時点で起動が入ることで戸体が開放し、また戸体が開放するとすぐに近接スイッチが働き戸体が停止してその後自閉機構により閉鎖してしまい、光電センサを遮っている間はこの動作を繰り返してしまうことになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の不具合を解決するために創作されたものであって、戸体を開閉機で開放し、自閉機構で閉鎖する手段を簡単な構成で行う常時閉鎖式の引戸でありながら、必要なときには全開位置で戸体を保持することが可能な引戸装置を提供することを目的とするものである。また他の目的は良好な開閉動作を実現させることのできる引戸装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を達成するために本発明が採用した技術手段は、引戸の開放動作を行なう交流開閉機と、引戸の閉鎖動作を行なう自閉機構と、引戸の全開位置を検知する近接スイッチと、開口間に設けられる光電センサと、引戸の開閉をコントロールする制御部から構成される引戸装置において、前記制御部は、前記交流開閉機に交流電圧を供給して該交流開閉機を開駆動させる交流用回路と、前記交流開閉機に直流電圧を印加する直流用回路を有し、前記近接スイッチからの全開信号と前記光電センサからの検知信号を共に受けている間は、前記直流用回路をクローズ状態にして前記交流開閉機の回転軸をロックすることで引戸の移動を規制するようにし、さらに前記交流開閉機の増速起動トルクを前記自閉装置の付勢力よりも低く設定したことを特徴としたものである。このようにすることで、常時閉鎖式である引戸が全開位置にあるときに、光電センサを遮ったままであっても、引戸が全開位置付近で開閉を繰り返すことがなくなり、全開位置で保持されることになる。これは交流開閉機に直流電圧を掛けると開閉機の巻線に磁界が発生し、開閉機の回転軸がロック(直流制動)されるためである。ブレーキ装置や電磁石は(1)装置自体が高価である。(2)装置を取付るための納まりスペースを確保する必要がある。(3)装置の作動音が大きく病院等では使用しずらいう不具合があったが、本発明を実施するためには従来のものから回路やプログラムの変更のみで良く経済的で、また作動音もほとんど発生しないため好適である。さらに停電時には開閉機に印加された直流電圧が絶たれて開閉機の回転軸のロックが解除されるため、自閉機構により引戸が閉鎖されることとなる。
【0006】
さらに本発明は、引戸の開放動作を行なう交流開閉機と、引戸の閉鎖動作を行なう自閉機構と、引戸の全開位置を検知する近接スイッチと、開口間に設けられる光電センサと、引戸の開閉をコントロールする制御部から構成される引戸装置において、前記制御部は、前記交流開閉機に交流電圧を供給して該交流開閉機を駆動させる交流用回路と、前記交流開閉機に直流電圧を印加する直流用回路を有し、前記近接スイッチからの全開信号を受けた場合には、所定時間前記直流用回路をクローズ状態にして前記交流開閉機の回転軸をロックすることで引戸の移動を規制するようにし、さらに前記交流開閉機の増速起動トルクを前記自閉装置の付勢力よりも低く設定したことを特徴としたものである。このようにすることにより引戸を開放して全開位置に達しても直ちに閉鎖することはなく、あらかじめ設定した時間だけ引戸を全開位置で保持することができるため使用者に恐怖感を与えることが無く、また電動引戸と略同等の動きを実現できることとなる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る引戸装置の正面図である。建築物の室内と室外を結ぶ開口部には本発明である引戸装置1が設置されており、この引戸装置1は戸体2aと、戸体2aの上方に設けたハンガーローラー2b、2bと、開口部上方で左右方向に延設した長尺状のハンガーレール2cとから基本部分が構成され、戸体2aはハンガーローラー2b、2bを介してハンガーレール2cに対して摺動することで左右方向に移動自在となっている。3は戸体2aを開放駆動する交流開閉機で、また4は戸体2aを閉鎖駆動する引戸クローザーであり、交流開閉機3と引戸クローザー4の各プーリー3a、4aにそれぞれ巻回され、端部がそれぞれハンガーローラー2b、2bに固定される駆動ベルト5により、戸体2aに交流開閉機3の駆動力及び引戸クローザー4の付勢力が伝達され、戸体2aの開閉動作が行われるようになっている。図8に示すようにプーリー3aと交流開閉機3の回転軸3bとの間には一方向クラッチ3cが設けてあり、さらに交流開閉機3はオイルシールを設けない等の手段によりその増速起動トルクが低く設定されている。また引戸クローザー4は常に戸体2aを閉鎖する方向に付勢しており、戸体2aの全開時には交流開閉機3の増速起動トルクにうち勝って引戸クローザー4の持つ付勢力で戸体2aが自動的に閉動作するようになっている。
【0008】
6は近接スイッチであり、ハンガーローラ2bに取り付けられたマグネット7が接近することにより、戸体2aの全開を検知し、引戸装置1の開閉をコントロールする制御部8に全開信号が送られ交流開閉機3の駆動を停止させている。また、前記近接スイッチ6は戸体2aの全開位置よりも少し手前で検知するようになっており、交流開閉機3の停止後の惰性により戸体2aが全開位置にくるように設定されている。尚、近接スイッチ6は自己保持型のスイッチであり、戸体2aが検知位置から全開位置の間にあるときは制御部8に全開信号を出力し続ける構成になっている。
【0009】
9は引戸装置1の開口間に設けられる光電センサであり、戸体2aの閉鎖中又は全閉時に光電センサ9が人・物等を検知すると、制御部8に検知信号を送り交流開閉機3を駆動させて戸体2aを開動作させるようになっている。10は戸体2aに設けられるタッチパネルであり、タッチパネル10を触れることにより交流開閉機3が起動して戸体2aの開動作を行うこととなる(実際にはタッチパネル10に手を近づけることにより光電センサ9が検知して戸体2aが開動作する仕組みになっている)。尚、本実施形態ではタッチパネル10(光電センサ9)を起動用スイッチとしたが、別途開放用の押しボタンスイッチを設けるようにしても良い。
そしてタッチパネル10に触れることにより制御部8に光電センサ9の検知信号が送られ、制御部8は交流開閉機3を開駆動させて戸体2aが開動作を開始する。その後、前記近接スイッチ6からの全開信号を受けると、制御部8は交流開閉機3の開駆動を停止させ、惰性により戸体2aは全開位置に達する。一方、戸体2aの閉鎖は引戸クローザー4の付勢力のみで行われる。
【0010】
図2は本発明の引戸装置1の制御部8内に設けられる制御回路11であり、端子X、Y間にはAC100Vの電圧が掛かっている。制御回路11は、交流開閉機3に交流電圧を供給する交流用回路12と、交流開閉機3に直流電圧を印加する直流用回路13と、引戸装置の開閉動作をつかさどるプログラム部15を有するプログラム回路14で構成されている。交流用回路12はR1リレー接点12aを有し、このR1リレー接点12aが閉じることにより交流電圧が交流開閉機3に供給され交流開閉機3の回転軸3bが回転することになる。尚、この回転軸3bの回転方向は戸体2aを開動作する方向である。また直流用回路13はR2リレー接点13aとb接点であるR1リレー接点13bと交流電圧を直流電圧に変換する整流器13cで構成され、R1リレー接点13bは交流用回路12と直流用回路13が同時にクローズ状態になることを防ぐインターロックの働きをする。そしてR2リレー接点13aが閉じると整流器13cで交流電圧から変換された直流電圧が交流開閉機3に掛かることになる。この状態になると交流開閉機3の回転軸3bはロック(直流制動)されるため、戸体2aの移動が規制されることとなる。プログラム回路14は、変圧器14a及び整流器14bによりAC100VからDC10Vに変換され、DC10Vがプログラム部15に掛かることとなる。プログラム部15には後述する各実施例ごとに異なったシーケンス回路が組み込まれており、各シーケンス回路内には交流用回路12及び直流用回路13のR1リレー接点12a、13bとR2リレー接点13aの接点を切り替えるコイルが設けられている。そして引戸装置の動きによって各コイルに電圧がかかることで対応したリレー接点が切り替わる構成になっている。
【0011】
次に本発明の第一実施例における引戸装置1の動きについて説明する。図3(a)は第一実施例におけるシーケンス回路16、図5は第一実施例の動きを説明するフローチャートである。図3(a)において、16aはタッチパネル10に手を触れることによって切り替わる起動スイッチであり、詳しくは前述のように引戸装置1の開口間に設けられる光電センサ9が検知する(遮られる)ことにより切り替わるようになるa接点のスイッチである。16bは近接スイッチ6の全開信号に基づいて切り替わる近接スイッチ接点(b接点)、16cはR1リレーコイルであり、R1リレーコイル16cに電流が流れるとそれに対応したリレー接点が作動するようになっている。16dはR1リレーコイル16cに対応するR1リレー接点(a接点)、16eは近接スイッチ6の全開信号に基づいて切り替わる近接スイッチ接点(a接点)、16fは光電センサ9が検知することにより切り替わる光電センサ接点(a接点)、16gはR2リレーコイルでありR1リレーコイル16cと同様に電流が流れるとそれに対応したリレー接点が切り替わるようになっている。
【0012】
図5のフローチャートのおいて、まずS1のスタート状態から開始される。このスタート状態とは引戸装置1に電源が入っていて、かつ戸体2aが全閉である状態を言う。次にS2に進み、使用者がタッチパネル10に手を触れると光電センサ9が遮られるため、起動スイッチ16aが切り替わる。そして起動スイッチ16aが切り替わるとR1リレーコイル16cに電流が流れる。この状態になると交流用回路12の各R1リレー接点12aが切り替わって交流用回路12がクローズ状態となり交流開閉機3に交流電圧が供給される。さらに直流用回路13のR1リレー接点13bも切り替わることになる。よって交流用回路12がクローズ状態の時には直流用回路13は必ずオープン状態となる(インターロック機能)。そして交流開閉機3に交流電圧が供給されるとS3に進み、交流開閉機3の駆動力により戸体2aが開動作を開始する。またシーケンス回路16のR1リレー接点16dも切り替わるため、一度光電センサ9を遮るだけでR1リレーコイル16cへの電流の供給が継続することになる(自己保持機能)。続いてS4に進み、S4では近接スイッチ6からの全開信号が送られてきたか否かが判断される。ここで近接スイッチ6の全開信号が入力されていない場合には、S3に戻りまだ戸体2aが全開位置に達していないため上述の自己保持機能により戸体2aの開動作が継続される。一方、S4にて近接スイッチ6からの全開信号が入力された場合にはシーケンス回路16の近接スイッチ接点16b、16eが切り替わりR1リレーコイル16cに流れていた電流が絶たれる。R1リレーコイル16cに電流が流れなくなると、切り替わっていたR1リレー接点12a、16dがもとの状態に戻る。そして交流用回路12はオープン状態となり交流開閉機3に交流電圧が供給されなくなるため、交流開閉機3の駆動が停止する。尚、前述の通り近接スイッチ6は戸体2aの全開位置よりも手前の位置で検知し、その後戸体2aは惰性により全開位置に到達する。
【0013】
S5では光電センサ9が検知したか(遮られたか)否かが判断される。ここで光電センサ9が検知しない場合にはS8に進み、戸体2aが全開位置に達した後直ちに引戸クローザー4により戸体2aの閉動作が行われ、その後S9の全閉状態となりフローチャートの1サイクルが終了する。一方、S5にて光電センサ9が検知した場合には、シーケンス回路16の光電センサ接点16fが切り替わり、R2リレーコイル16gに電流が流れ、直流用回路13のR2リレー接点13aが切り替わると共に直流用回路13がクローズ状態になり、直流電圧が交流開閉機3に供給されることになる。この状態になると交流開閉機3は電磁石の効果(直流制動)により回転軸3bがロックされ、戸体2aの移動が規制されることになる。交流開閉機3の回転軸3bとプーリー3a間には一方向クラッチ3cが設けられていて、一方向クラッチ3cは回転軸3bが戸体2aの開放方向aに回転する場合には、ボール3dがかみ合い位置Sに移動するため、プーリー3aと一体回転して交流開閉機3の駆動力が伝達される。また回転軸3bがロックされた状態において、一方向クラッチ3cはプーリー3aが戸体2aの開放方向Aに回転しようとする場合には、ボール3dがかみ合い位置Sから外れるため、プーリー3aと回転軸3bはフリー状態となり、プーリー3aは回転可能である。一方、プーリー3aが戸体2aの閉鎖方向Bに回転しようとする場合には、ボール3dがかみ合い位置Sに進むため、ロック状態となりプーリー3aは回転できないようになる。よって近接スイッチ6が働いた直後又は働く以前から光電センサ9が検知していて、近接スイッチ6が働いてすぐに交流開閉機3の回転軸3bがロックされたとしても、プーリー3aは戸体2aの開放方向Aには回転可能であるため、急激に戸体2aが停止することはなく、引戸装置1には急制動による無理な力が働くようなことはない。また、全開時には引戸クローザー4の付勢力を受けるがプーリー3aは閉鎖方向Bの回転はロックされるため、戸体2aは全開位置に保持されることになる。一般的に近接スイッチ6は全閉位置よりも少し手前の位置に来たときに検知するように構成されているが、一方向クラッチ3cがあるため惰性で全開位置まで移動し全開位置で戸体2aが停止保持するため、戸体2aが全開位置よりも手前位置で停止保持されるようなことはない。
【0014】
S6にて、交流開閉機3の回転軸3bがロックされるとS7に進み、S7にて光電センサ9からの検知信号が継続中であるかが判断される。ここで検知信号が継続中の場合はS6に戻り交流開閉機3の回転軸3bがロックされつづけ、戸体2aの閉鎖方向への移動を規制し続ける。一方、S7で検知信号の入力がなくなった場合には、シーケンス回路16の光電センサ接点16fが切り替わりR2リレーコイル16gに流れていた電流が途絶えることとなる。そしてR2リレーコイル16gに電流が流れなくなると、切り替わっていた直流用回路13内のR2リレー接点13aが戻り直流用回路13がオープン状態となる。交流開閉機3に供給されていた直流電圧が供給されなくなるとロックされていた交流開閉機3の回転軸3bがフリー状態になる。そしてS7からS8に進むと引戸クローザー4により戸体2aの閉動作が行われ、S9にて戸体2aが全閉状態となりフローチャートの1サイクルが終了する。
【0015】
以上の説明のように第一実施例における引戸装置1は、戸体2aが全開状態であるときに光電スイッチ9からの信号を受けている間は、引戸クローザー4の付勢力にうち勝って交流開閉機3の回転軸3bがロックされることで戸体2aの閉鎖が規制される。このため戸体2aの全開状態で光電センサ9が検知され続けていても従来のように全開位置付近で開閉を繰り返すようなことはなく、良好な引戸の開閉動作を行うことができる。また、停電時には交流開閉機3に掛かっていた直流電圧が供給されなくなるため、回転軸3bのロックが解除され引戸クローザー4の付勢力により戸体2aが閉動作し全閉状態となる。
【0016】
次に本発明の第二実施例における引戸装置1の動きについて説明する。図3(b)は第二実施例におけるシーケンス回路17、図6は第二実施例の動きを説明するフローチャートである。図3(b)において、17a〜17eはそれぞれ第一実施例のシーケンス回路16の16a〜16eと、17gは16gと同一のため説明は省略する。17fはタイマ接点(b接点)、17hはタイマコイルであって、タイマ接点17fはタイマコイル17hにあらかじめ設定された時間以上電流が流れ続けたときに切り替わるようになっており、一度タイマ接点が切り替わった後はタイマコイル17hに流れる電流が絶たれるまで切り替わった状態を保持するようになっている。
【0017】
第二実施例の動きについて図6のフローチャートで説明する。まずS1のスタート状態(電源ONかつ戸体2aは全閉)からS2において使用者がタッチパネル10に触れると、光電センサ9が遮られて起動スイッチ17aが切り替わりR1リレーコイル17cに電流が流れる。そして交流用回路12のR1リレー接点12aが切り替わり交流開閉機3に交流電圧が供給される。交流開閉機3の交流電圧が掛かるとS3に進み交流開閉機3の駆動により、戸体2aが開動作を開始する。続いてS4に進み、近接スイッチ6からの信号が入力されるか否かが判断される。ここで信号が入力されない場合にはS3に戻り、開動作を継続する。一方、S4で近接スイッチ6からの信号が入力されたと判断した場合にはシーケンス回路17内の近接スイッチ接点17b、17eが切り替わる。近接スイッチ接点17bが切り替わることでR1リレーコイル17cに流れていた電流が供給されなくなり、交流用回路12のR1リレー接点12aが復帰して交流開閉機3に掛かっていた交流電圧の供給が絶たれるとともに、交流開閉機3の開放駆動が停止される。また近接スイッチ接点17eが切り替わることでタイマコイル17hに電流が流れ、S5にてタイマが作動すると共にR2リレーコイル17gにも電流が流れ、直流用回路13のR2リレー接点13aが切り替わって交流開閉機3に直流電圧が供給されようになり、S6にて交流開閉機3の回転軸3bがロックされる。
【0018】
S6にて交流開閉機3の回転軸3bがロックされると、前述の一方向クラッチ3cの作用により、戸体2aは惰性で全閉位置に達して停止保持されることとなる。その後S7に進み、S7ではS5にて作動したタイマがタイムアップしたかが判断される。ここでまだタイムアップしていないと判断した場合にはS6に戻り、交流開閉機3の回転軸3bのロックが継続され、戸体2aは全開位置での保持が続く。一方、S7にてタイムアップと判断した場合にはシーケンス回路17のタイマ接点17fが切り替わり、R2リレーコイル17gに流れていた電流が絶たれて直流用回路13のR2リレー接点13aが復帰する。そして直流用回路13がオープン状態となり交流開閉機3に掛かっていた直流電圧の供給がなくなり、回転軸3bのロックが解除される。尚、タイマの設定時間は5秒〜10秒程度が好適である。またこの設定時間は調節可能になっていることが好ましい。
【0019】
S7にて交流開閉機3の回転軸3bのロックが解除されると、S8に進み引戸クローザー4の付勢力で戸体2aが閉動作を開始する。そしてS9にて戸体2aの全閉状態となり、フローチャートの1サイクルが終了することとなる。以上のように、本発明の引戸装置1の第二実施例では、戸体2aが開放されると近接スイッチ6が入った時点で交流開閉機3の回転軸3bがロックされ戸体2aが全開位置で停止保持される。さらに近接スイッチ6が入ると同時にタイマが作動し、そして設定された時間が経過すると回転軸3bのロックが解除され、引戸クローザー4により戸体2aが閉鎖する。よって戸体2aは開放すると全開位置であらかじめ設定されている時間だけ停止保持され、その後閉鎖することになる。このため従来の常時閉鎖式の引戸のように戸体2aが開放されると直ちに閉鎖するものでないため、使用者自身に挟まれそうになるという感覚を与えることがなく、良好な引戸の開閉動作を実現することが可能である。
【0020】
次に本発明の第三実施例における引戸装置の動きについて説明する。図4は第三実施例におけるシーケンス回路18、図7は第三実施例の動きを説明するフローチャートである。図4において、18a〜18hはそれぞれ第二実施例のシーケンス回路17の17a〜17hと同一であるため説明は省略する。18iは光電センサ接点(b接点)であり、光電センサ9が検知しているあいだ切り替わるようになっている。
【0021】
第三実施例の動きについて図7のフローチャートで説明する。まずS1のスタート状態(電源ONかつ戸体2aは全閉)からS2において使用者がタッチパネル10に触れると、光電センサ9が遮られて起動スイッチ18aが切り替わりR1リレーコイル18cに電流が流れる。そして交流用回路12のR1リレー接点12aが切り替わり交流開閉機3に交流電圧が供給される。交流開閉機3の交流電圧が掛かるとS3に進み交流開閉機3の駆動により、戸体2aが開動作を開始する。続いてS4に進み、近接スイッチ6からの信号が入力されるか否かが判断される。ここで信号が入力されない場合にはS3に戻り、開動作を継続する。一方、S4で近接スイッチ6からの信号が入力されたと判断した場合にはシーケンス回路18内の近接スイッチ接点18b、18eが切り替わる。近接スイッチ接点18bが切り替わることでR1リレーコイル18dに流れていた電流が供給されなくなり、交流用回路12のR1リレー接点12aが復帰して交流開閉機3に掛かっていた交流電圧の供給が絶たれ、交流開閉機3の開放駆動が停止される。続いてS5に進み光電センサ9からの検知信号が入力される否かが判断される。そして光電センサ9が検知した場合には光電センサ接点18iが切り替わり、S4での近接スイッチ接点18eの切り替わりと合わせてR2リレーコイル18gにのみ電流が流れ、S6にて交流開閉機3の回転軸3bがロックされるとともに戸体2aが全開位置で保持されることになる。さらにS7では光電センサ9の検知信号が継続して入力されているか否かが判断され、継続中であればS6に戻り戸体2aの全開保持が継続される。またS7で検知信号の入力がない場合には光電センサ接点18iが復帰すると共に、タイマコイル18hに電流が流れ、S8にてタイマが作動する。S9で交流開閉機3の回転軸3bのロックが継続され、S10でタイマがタイムアップしたかが判断される。ここでタイムアップしていない場合にはS9に戻り回転軸3bのロック(全開位置で戸体2aを保持)が継続し、タイムアップの場合にはタイマ接点18fが切り替わることでR2リレーコイル18gに流れていた電流が途絶えるため、交流開閉機3の回転軸3bのロックが解除され、S11に進み引戸クローザー4の付勢力により戸体2aが閉動作を開始する。そしてS12の全閉状態となりフローチャートの1サイクルが終了する。
【0022】
一方、S5にて光電センサからの信号がない場合には、タイマコイル18hに電流が流れてS8でタイマが作動すると共に、R2リレーコイル18gにも電流が流れることにより、S9にて交流開閉機3の回転軸3bがロックすることになり、戸体2aは全開位置で停止保持されることとなる。その後S10でタイマがタイムアップしたか判断され、タイムアップしていない場合にはS9に戻り回転軸3bのロック(全開位置で戸体2aを保持)が継続され、タイムアップした場合にはタイマ接点18fが切り替わることでR2リレーコイル18gに流れていた電流が途絶えるため、交流開閉機3の回転軸3bのロックが解除されるとともに、S11に進み引戸クローザー4の付勢力により戸体2aが閉動作を開始する、そしてS12で戸体2aが全閉状態となりフローチャートの1サイクルが終了する。
【0023】
以上のように本発明の第三実施例のおける引戸装置1では、通常時は戸体2aが開放されると近接スイッチ6が入った時点で交流開閉機3の回転軸3bがロックされ、戸体2aが全開位置で停止保持されることになる。さらに近接スイッチ6が入るのと同時にタイマが作動し、あらかじめ設定された時間が経過すると回転軸3bのロックが解除され引戸クローザー4により戸体2aが閉鎖する。よって戸体2aは開放すると全開位置であらかじめ設定されている時間だけ停止保持され、その後閉鎖することになる。また戸体2aが全開状態であるときに光電スイッチ9からの信号を受けている間は、引戸クローザー4の付勢力にうち勝って交流開閉機3の回転軸3bがロックされることで戸体2aの閉鎖が規制されるため、戸体2aの全開状態で光電センサ9が検知され続けていても従来のように全開位置付近で開閉を繰り返すようなことない。しかもこの状態から光電センサ9の信号がなくなるとタイマが作動して、あらかじめ設定された時間の経過後に回転軸3bのロックが解除される構成になっているため、光電センサ9の信号がなくなっても直ちに戸体2aが閉鎖することなく、使用者に対して優しい好適な引戸の開閉動作を実現することができる。
【0024】
本発明は戸体2aの開放を交流開閉機3で行い、閉鎖を自閉機構で行う常時閉鎖式引戸装置でありながら、開放・閉鎖とも開閉機で行う電動引戸装置と同様な開閉動作を実現することができるばかりでなく、開放・閉鎖とも開閉機で行う電動引戸装置に比べて少ない電力で引戸の戸体2aを開閉動作させることができる。また引戸の閉鎖はバネ若しくは戸体2aの自重を利用した自閉機構で行うため、停電時でも閉鎖可能でありバッテリーを必要としない。さらに戸体2aの閉鎖時に戸体2aの先端に接触しても自閉装置で閉鎖しているため、開放・閉鎖とも開閉機で行う電動引戸装置のように大きな衝撃力を受けることがない。
【0025】
本発明は交流開閉機3に直流電圧を印可することにより、交流開閉機3の回転軸3aをロック(直流制動)して戸体2aを全開位置で保持するように構成されているため、引戸を保持するための電磁石やブレーキ装置を採用する必要ない。このため電磁石やブレーキ装置の価格分のコストダウンがはかれると共に、これら装置の取り付けるための納まりスペースを別途確保する必要がなく好適である。しかも電磁石やブレーキ装置は大きな作動音が発生するため病院等に採用するのは不向きであるが、直流制動を利用した本発明の引戸保持手段は作動時にほとんど音を発生しないため、引戸装置の需要が見込まれる病院等に使用しても差し支えがない。
【0026】
本発明の実施の形態では引戸装置1を上述のシーケンス制御で行ったが、マイコン制御等で行っても本発明が実施できることは言うまでもない。また戸体2aの全開位置(全開より少し手前の位置を含む)を検知するために近接スイッチ6を利用しているが、例えばリミットスイッチやポテンショメータのようなものでの良く、要するに戸体2aの全開位置を検知できるものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】引戸装置の正面図
【図2】制御回路図
【図3】(a)本発明の第一実施例のシーケンス回路
(b)本発明の第二実施例のシーケンス回路
【図4】本発明の第三実施例のシーケンス回路
【図5】本発明の第一実施例おける引戸装置の動きを説明するフローチャート
【図6】本発明の第二実施例おける引戸装置の動きを説明するフローチャート
【図7】本発明の第三実施例おける引戸装置の動きを説明するフローチャート
【図8】交流開閉機の回転軸とプーリーの関係を示す図
【符号の説明】
1 引戸装置
2a 戸体
3 交流開閉機
3b 回転軸
3c 一方向クラッチ
6 近接スイッチ
8 制御部
9 光電センサ
11 制御回路
Claims (2)
- 引戸の開放動作を行なう交流開閉機と、引戸の閉鎖動作を行なう自閉機構と、引戸の全開位置を検知する近接スイッチと、開口間に設けられる光電センサと、引戸の開閉をコントロールする制御部から構成される引戸装置において、
前記制御部は、前記交流開閉機に交流電圧を供給して該交流開閉機を開駆動させる交流用回路と、前記交流開閉機に直流電圧を印加する直流用回路を有し、
前記近接スイッチからの全開信号と前記光電センサからの検知信号を共に受けている間は、前記直流用回路をクローズ状態にして前記交流開閉機の回転軸をロックすることで引戸の移動を規制するようにし、
さらに前記交流開閉機の増速起動トルクを前記自閉装置の付勢力よりも低く設定したことを特徴とする引戸装置。 - 引戸の開放動作を行なう交流開閉機と、引戸の閉鎖動作を行なう自閉機構と、引戸の全開位置を検知する近接スイッチと、開口間に設けられる光電センサと、引戸の開閉をコントロールする制御部から構成される引戸装置において、
前記制御部は、前記交流開閉機に交流電圧を供給して該交流開閉機を駆動させる交流用回路と、前記交流開閉機に直流電圧を印加する直流用回路を有し、
前記近接スイッチからの全開信号を受けた場合には、所定時間前記直流用回路をクローズ状態にして前記交流開閉機の回転軸をロックすることで引戸の移動を規制するようにし、
さらに前記交流開閉機の増速起動トルクを前記自閉装置の付勢力よりも低く設定したことを特徴とする引戸装置。
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