JP2726039B2 - 熱転写シート - Google Patents
熱転写シートInfo
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- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41M—PRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
- B41M5/00—Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
- B41M5/26—Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used
- B41M5/382—Contact thermal transfer or sublimation processes
- B41M5/392—Additives, other than colour forming substances, dyes or pigments, e.g. sensitisers, transfer promoting agents
- B41M5/395—Macromolecular additives, e.g. binders
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- Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
〔発明の技術分野〕
本発明は熱転写シートに関する。さらに詳しくは、熱
転写シートと被熱転写シートとを重ね合せて加熱して記
録する際に、熱転写シートの走行速度を被熱転写シート
の走行速度よりも小さくして記録するのに適した熱転写
シートに関する。 〔発明の技術的背景ならびにその問題点〕 サーマルヘッドにより画像情報に応じて画像を得るに
は、従来主として感熱発色紙が用いられてきた。ところ
が感熱発色紙は、得られた画像を長期間保存すると、消
色してきたり、非画像部が発色してきたりするという致
命的な欠点がある。またカラー印字は2色までが限界で
あって、連続的な階調を有するカラー画像を得ることは
不可能であった。 上記のような問題点を解決するために、基材シート上
に、熱移行性の染料が含まれた熱転写層を設けてなる熱
転写シートが開発され、この熱転写シートは、受容層が
基材シート上に設けてなる被熱転写シートと重ね合わさ
れて使用される。このように熱転写シートと被熱転写シ
ートとを組合せて用いることにより、耐久性がありしか
も連続的な階調を有するカラー画像を得ることが可能と
なる。 熱転写シートと被熱転写シートとは重ね合せて加熱さ
れ記録が行われているが、一般に、熱転写シートの走行
速度と被熱転写シートの走行速度とは同一速度に制御さ
れ、完全に重ね合わされて加熱記録が行なわれてきた。 ところが、熱転写シートの走行速度と被熱転写シート
の走行速度とを完全に一致させて加熱記録を行なう場合
には、次のような問題点が生じている。 (a) 被熱転写シートの1部にしか記録が行なわない
場合にも、この被熱転写シートと同じ面積の熱転写シー
トが必要となり、このような場合には、ほとんど利用さ
れないまま廃棄される熱転写シートが生じてしまい、極
めて無駄なことがある。 (b) 加熱記録が終了した後の熱転写シートには、く
っきりと染料が移行した後が残るため、使用後の熱転写
シートを見ることによって、記録内容が容易に読取られ
てしまい、機密性の高い記録に熱転写シートを使用する
場合には、使用後の熱転写シートに特別な処理を加えな
ければ廃棄できないという問題点がある。 このような問題点を解決するため、熱転写シートと被
熱転写シートとを重ね合せて加熱記録する際に、熱転写
シートの走行速度を被熱転写シートの走行速度よりも小
さくすることが検討され始めている。ところが既存の熱
転写シートと被熱転写シートとを熱転写シートの転写層
と被熱転写シートの受容層が重なるように重ね合せて両
シートの走行速度を違えると、両シート間には摩擦が生
じて熱が発生するため、熱転写シートの熱転写層が一部
被熱転写シートの受容層に付着して転移してしまうとい
う致命的な問題点があることが本発明者らによって見出
された。 〔発明の目的ならびにその概要〕 本発明は、このような問題点を解決しようとするもの
であって、熱転写シートと被熱転写シートとを重ね合せ
て加熱記録する際に、熱転写シートの走行速度よりも小
さくすることができるような熱転写シートを提供するこ
とを目的としている。 本発明に係る熱転写シートは、基材シート上に、加熱
により被熱転写シートに移行する染料が含まれた熱転写
層が設けられた熱転写シートであって、前記熱転写層が
(a)イソシアネート類と活性水素を有する化合物との
反応生成物および(b)固体滑材を含有することを特徴
としている。 このような熱転写シートを被熱転写シートと組合せ、
熱転写シートの走行速度を被熱転写シートの走行速度よ
りも小さくして用いる場合には以下のような目的が達成
される。 (a) 被熱転写シートよりも少ない面積の熱転写シー
トによって、加熱記録が達成され、熱転写シートの有効
利用が図られるとともに熱転写シートの無駄が少なくな
る。 (b) 加熱記録に使用した後の熱転写シートを見て
も、直ちにはどのような記録が行なわれたかが判明しな
くなる。 〔発明の具体的説明〕 以下に、本発明を図面に基づいて具体的に説明する。 本発明に係る熱転写シート1は、図に示すように、基
材シート2の一面に熱転写層3が設けられている。 基材シートとしては、ポリエステルフィルム、ポリス
チレンフィルム、ポリサルフォンフィルム、ポリビニル
アルコールフィルム、セロファンなどのフィルムが用い
られ、特に耐熱性の点からポリエステルフィルムが好ま
しい。その厚みは0.5〜50μm好ましくは3〜10μmで
あることが望ましい。 熱転写層3は、加熱により被熱転写シートに移行する
染料と、イソシアネート類と活性水素を有する化合物と
の反応生成物と、固体滑材とを必須成分として含んで構
成されている。 加熱により被熱転写シートに移行する染料は、熱昇華
性の分散染料であることが望ましく、約150〜400程度の
分子量を有することが望ましい。この染料は、熱昇華温
度、色相、耐候性、バインダー樹脂中での安定性などを
考慮して選択され、具体的には次のようなものが例示さ
れる。 Miketon Polyster Yellow-YL(三井東圧製、C.I.Disp
ers Yellow-42)Kayaset Yellow−G(日本化薬製、C.
I.DSispers Yellow 77)、PTY-52(三菱化成製、C.I.So
lvent Yellow 14−1)、Miketon Polyecter Red BSF
(三井東圧製、C.I.Disperse Red 111)、Kayaset Red
B(日本化薬製、C.I.Disperse Red B)、PTR-54(三菱
化成製、C.I.Disperse Red50)、M iketon Polyster Bl
ue-FBL(三井東圧製、C.I.DispersBlue 56)、PTB-67
(三菱化成製、C.I.Disperrse Blue 241)、KayasetBlu
e-906(日本化薬製、C.I.Sololven-12) イソシアネート類と活性水素を有する化合物との反応
生成物は、熱転写層3中でバインダー樹脂として用いら
れる。 イソシアネート類としては、ジイソシアネート、トリ
イソシアネートなどの多価イソシアネートが用いられ、
これらは単独で、または混合して用いられる。具体的に
は、次のような化合物が用いられる。 パラフェニレンジイソシアネート、1−クロロ−2,4
−フェニレンジイソシアネート、2−クロロ−1,4−フ
ェニレンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシア
ネート、2,6−トルエンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、4,4′−ビフェニレンジイソシ
アネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、4,
4′,4″−トリメチル−3,3′,2′−トリイソシアネート
−2,4,6−トリフェニルシアヌレートなど。 イソシアネート類と反応してバインダー樹脂を形成す
る、活性水素を有する化合物としては、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルホルマール、ポリエステルポリオー
ル、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポ
リウレタンポリオールなどの高分子量であり、かつイソ
シアネート類との反応サイトである−OH基あるいは−CO
OH基を多く含有するものが好ましい、上記の化合物のう
ち、特に分子量が60,000〜200,000、ガラス転移温度が6
0〜110℃、含有するビニルアルコール部分の重量が15〜
40%であるポリビニルビチラールが好ましい。 イソシアネート類と、上記のような活性水素を有する
化合物とは、加熱などにより反応して耐熱性ならびに機
械的強度に優れた樹脂を形成する。イソシアネート類と
活性水素を有する化合物との反応生成物は、耐熱性なら
びに機械的強度に優れているため、この反応生成物を熱
転写層のバインダーとして用いる場合には、熱転写シー
トと被熱転写シート間に摩擦が生じて熱が発生しても、
熱転写シートの熱転写層が被熱転写シートの受容層に付
着して転移してしまうことはなくなる。熱転写層3中に
添加される固体滑材は、熱転写シートの熱転写層と被熱
転写シートの受容層との間の摩擦を小さくするために添
加される。このような固体滑材としては、ポリエチレン
パウダー、テフロンパウダー、ポリアミドパウダー、タ
ルク、シリカ、黒鉛、二硫化モリブデンなどの従来既知
の化合物が広く用いられうる。この固体滑材の平均粒径
は、0.05〜5μm好ましくは0.1〜1.0μmであることが
望ましい。粒径が0.05μmより細かいと、活性の得るた
めに多量に添加しなくてはならず、インキとしての印刷
適性が不良になるなどの問題が生じる。一方5.0μm以
上になると、記録画像がざらつき画質の劣化を生じる。 上記のように熱転写層3中には、加熱により被熱転写
シートに移行する染料と、イソシアネート類と活性水素
を有する化合物との反応生成物と、固体滑材とが含有さ
れているが、各成分は次のような量的関係で存在する。 イソシアネート類は、活性水素を有する化合物100重
量部に対して、1〜100重量部の量で用いられる。 染料は、活性水素を有する化合物100重量部に対し
て、10〜200重量部の量で用いられる。この染料の量
は、熱転写シートの走行速度と被熱転写シートの走行速
度との比に応じて上記の範囲中で変化する。すなわち熱
転写シートの走行速度と被熱転写シートの走行速度との
比が小さくなればなるほど、すなわち熱転写シートの走
行速度が被熱転写シートの走行速度に比して遅くなれば
なるほど、染料の存在量を多くすることが好ましい。 固体滑材は、活性水素を有する化合物100重量部に対
して1〜30重量部の量で用いられる。固体滑材が1重量
部未満であると、熱転写シートと被熱転写シートとの間
の摩擦が大きくなり、両シートの走行が不良となった
り、あるいは熱転写層が被熱転写シートの受容層に付着
することがあるため好ましくない。また一方固体滑材が
30重量部を超えると、固体滑材は粒子状であるため印字
部のザラつきが生ずることがあり好ましくない。 上記のような熱転写層3が基材シート2上に設けられ
てなる熱転写シート1は、場合によっては、熱転写層3
が設けられていない基材シートの面上に、耐熱保護層を
有していることが好ましい。 以上のような構成を有する熱転写シート1は、被熱転
写シートと重ね合せて用いられるが、熱転写シートの走
行速度と被熱転写シートの走行速度との比は、1〜0.02
の範囲であることが好ましい。前述の速度比が0.02未満
であると、熱転写シート上に形成される記録の印字濃度
が低下しすぎることがあるため好ましくない。なお、被
熱転写シートとしては、従来既知のものが広く用いられ
うる。 被熱転写層に用いられる樹脂としては、エステル結
合、ウレタン結合、アミド結合、尿素結合、C−CN結
合、C−CI結合などの極性基を有する合成樹脂が用いら
れる。さらに具体的にはポリエステル樹脂、ポリアクリ
ル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビ
ニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂などのエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、尿素樹脂、あ
るいは極性の高い結合を有する樹脂としてのポリ塩化ビ
ニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂などが用いられ
る。 〔発明の効果〕 本発明に係る熱転写シートは、熱転写層が、熱移行性
の染料に加えて、(a)イソシアネート類と活性水素を
有する化合物との反応生成物および(b)固体滑材を含
有しているため、以下のような効果を有する。 (i) 熱転写シートと被熱転写シートとを重ね合せて
加熱記録する際に、熱転写シートの走行速度を、被熱転
写シートの走行速度よりも小さくして記録することがで
きる。 (ii) したがって、被熱転写シートよりも少ない面積
の熱転写シートによって記録が達成され、熱転写シート
の有効利用が図られるとともに熱転写シートの無駄が少
なくなる。 (iii) 加熱記録に使用した後の熱転写シートを見て
も、直ちにはどのような記録が行なわれたかが判明しに
くくなる。 以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
らの実施例に限定されるものではない。 実施例1 下記組成の熱転写層形成用インキ組成物を調製し、こ
の組成物をミヤバー#12にて、あらかじめ背面に耐熱処
理が施こされたポリエチレンフタレートフイルム(9μ
m厚、東洋紡S−PET)上に塗布乾燥し、次いで40℃に
て4日間反応硬化させた。 次いで、下記組成の受容層形成用インキ組成物を調製
し、この組成物をミヤバー#36にて王子油化製合成紙YU
PO・FPG#150上に、塗布、乾燥して、被熱転写シートを
得た。 上記熱転写シートの熱転写層と、被熱転写シートの受
容層とが向い合うように重ね合せ、被熱転写シートを10
mm/secのスピードで走行させ、一方、熱転写シートをこ
れと同速度、1/2倍、1/4倍、1/10倍の速度でそれぞれ走
行させ、かつ、8本/mmのサーマルヘッドにより75mJ/mm
2、の印加エネルギーを背面から加え、記録を行った。
転写後の被熱転写シートの受容層を観察しても、何らバ
インダーなどの転移は発生しなかった(測定器マクベス
RD-918)。また、転写層と受容層の摩擦なども小さく、
良好な走行性を示した。 実施例2 上記組成の熱転写層形成用インキ組成物を、9μm厚
のコンデンサーペーパー上にミヤバー#10にて塗布・乾
燥して、次いで40°にて4日間エージングを行なって熱
転写シートを作成した。 次いで、実施例−1と同様な条件で印字したところ、
良好な走行性を示した。 実施例3 下記組成の熱転写層形成用インキ組成物を用いた以外
は、実施例1と同様にして、熱転写シートを作成した
後、被熱転写シートと組合せて加熱印字を行なった。 熱転写シートと被熱転写シートとの速度比を1、1/
2、1/5、1/10としたところ、転写後の受容層にも、転写
シートの熱転写層の付着は全く認められず、両シートは
良好な走行性を示した。
転写シートと被熱転写シートとを重ね合せて加熱して記
録する際に、熱転写シートの走行速度を被熱転写シート
の走行速度よりも小さくして記録するのに適した熱転写
シートに関する。 〔発明の技術的背景ならびにその問題点〕 サーマルヘッドにより画像情報に応じて画像を得るに
は、従来主として感熱発色紙が用いられてきた。ところ
が感熱発色紙は、得られた画像を長期間保存すると、消
色してきたり、非画像部が発色してきたりするという致
命的な欠点がある。またカラー印字は2色までが限界で
あって、連続的な階調を有するカラー画像を得ることは
不可能であった。 上記のような問題点を解決するために、基材シート上
に、熱移行性の染料が含まれた熱転写層を設けてなる熱
転写シートが開発され、この熱転写シートは、受容層が
基材シート上に設けてなる被熱転写シートと重ね合わさ
れて使用される。このように熱転写シートと被熱転写シ
ートとを組合せて用いることにより、耐久性がありしか
も連続的な階調を有するカラー画像を得ることが可能と
なる。 熱転写シートと被熱転写シートとは重ね合せて加熱さ
れ記録が行われているが、一般に、熱転写シートの走行
速度と被熱転写シートの走行速度とは同一速度に制御さ
れ、完全に重ね合わされて加熱記録が行なわれてきた。 ところが、熱転写シートの走行速度と被熱転写シート
の走行速度とを完全に一致させて加熱記録を行なう場合
には、次のような問題点が生じている。 (a) 被熱転写シートの1部にしか記録が行なわない
場合にも、この被熱転写シートと同じ面積の熱転写シー
トが必要となり、このような場合には、ほとんど利用さ
れないまま廃棄される熱転写シートが生じてしまい、極
めて無駄なことがある。 (b) 加熱記録が終了した後の熱転写シートには、く
っきりと染料が移行した後が残るため、使用後の熱転写
シートを見ることによって、記録内容が容易に読取られ
てしまい、機密性の高い記録に熱転写シートを使用する
場合には、使用後の熱転写シートに特別な処理を加えな
ければ廃棄できないという問題点がある。 このような問題点を解決するため、熱転写シートと被
熱転写シートとを重ね合せて加熱記録する際に、熱転写
シートの走行速度を被熱転写シートの走行速度よりも小
さくすることが検討され始めている。ところが既存の熱
転写シートと被熱転写シートとを熱転写シートの転写層
と被熱転写シートの受容層が重なるように重ね合せて両
シートの走行速度を違えると、両シート間には摩擦が生
じて熱が発生するため、熱転写シートの熱転写層が一部
被熱転写シートの受容層に付着して転移してしまうとい
う致命的な問題点があることが本発明者らによって見出
された。 〔発明の目的ならびにその概要〕 本発明は、このような問題点を解決しようとするもの
であって、熱転写シートと被熱転写シートとを重ね合せ
て加熱記録する際に、熱転写シートの走行速度よりも小
さくすることができるような熱転写シートを提供するこ
とを目的としている。 本発明に係る熱転写シートは、基材シート上に、加熱
により被熱転写シートに移行する染料が含まれた熱転写
層が設けられた熱転写シートであって、前記熱転写層が
(a)イソシアネート類と活性水素を有する化合物との
反応生成物および(b)固体滑材を含有することを特徴
としている。 このような熱転写シートを被熱転写シートと組合せ、
熱転写シートの走行速度を被熱転写シートの走行速度よ
りも小さくして用いる場合には以下のような目的が達成
される。 (a) 被熱転写シートよりも少ない面積の熱転写シー
トによって、加熱記録が達成され、熱転写シートの有効
利用が図られるとともに熱転写シートの無駄が少なくな
る。 (b) 加熱記録に使用した後の熱転写シートを見て
も、直ちにはどのような記録が行なわれたかが判明しな
くなる。 〔発明の具体的説明〕 以下に、本発明を図面に基づいて具体的に説明する。 本発明に係る熱転写シート1は、図に示すように、基
材シート2の一面に熱転写層3が設けられている。 基材シートとしては、ポリエステルフィルム、ポリス
チレンフィルム、ポリサルフォンフィルム、ポリビニル
アルコールフィルム、セロファンなどのフィルムが用い
られ、特に耐熱性の点からポリエステルフィルムが好ま
しい。その厚みは0.5〜50μm好ましくは3〜10μmで
あることが望ましい。 熱転写層3は、加熱により被熱転写シートに移行する
染料と、イソシアネート類と活性水素を有する化合物と
の反応生成物と、固体滑材とを必須成分として含んで構
成されている。 加熱により被熱転写シートに移行する染料は、熱昇華
性の分散染料であることが望ましく、約150〜400程度の
分子量を有することが望ましい。この染料は、熱昇華温
度、色相、耐候性、バインダー樹脂中での安定性などを
考慮して選択され、具体的には次のようなものが例示さ
れる。 Miketon Polyster Yellow-YL(三井東圧製、C.I.Disp
ers Yellow-42)Kayaset Yellow−G(日本化薬製、C.
I.DSispers Yellow 77)、PTY-52(三菱化成製、C.I.So
lvent Yellow 14−1)、Miketon Polyecter Red BSF
(三井東圧製、C.I.Disperse Red 111)、Kayaset Red
B(日本化薬製、C.I.Disperse Red B)、PTR-54(三菱
化成製、C.I.Disperse Red50)、M iketon Polyster Bl
ue-FBL(三井東圧製、C.I.DispersBlue 56)、PTB-67
(三菱化成製、C.I.Disperrse Blue 241)、KayasetBlu
e-906(日本化薬製、C.I.Sololven-12) イソシアネート類と活性水素を有する化合物との反応
生成物は、熱転写層3中でバインダー樹脂として用いら
れる。 イソシアネート類としては、ジイソシアネート、トリ
イソシアネートなどの多価イソシアネートが用いられ、
これらは単独で、または混合して用いられる。具体的に
は、次のような化合物が用いられる。 パラフェニレンジイソシアネート、1−クロロ−2,4
−フェニレンジイソシアネート、2−クロロ−1,4−フ
ェニレンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシア
ネート、2,6−トルエンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、4,4′−ビフェニレンジイソシ
アネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、4,
4′,4″−トリメチル−3,3′,2′−トリイソシアネート
−2,4,6−トリフェニルシアヌレートなど。 イソシアネート類と反応してバインダー樹脂を形成す
る、活性水素を有する化合物としては、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルホルマール、ポリエステルポリオー
ル、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポ
リウレタンポリオールなどの高分子量であり、かつイソ
シアネート類との反応サイトである−OH基あるいは−CO
OH基を多く含有するものが好ましい、上記の化合物のう
ち、特に分子量が60,000〜200,000、ガラス転移温度が6
0〜110℃、含有するビニルアルコール部分の重量が15〜
40%であるポリビニルビチラールが好ましい。 イソシアネート類と、上記のような活性水素を有する
化合物とは、加熱などにより反応して耐熱性ならびに機
械的強度に優れた樹脂を形成する。イソシアネート類と
活性水素を有する化合物との反応生成物は、耐熱性なら
びに機械的強度に優れているため、この反応生成物を熱
転写層のバインダーとして用いる場合には、熱転写シー
トと被熱転写シート間に摩擦が生じて熱が発生しても、
熱転写シートの熱転写層が被熱転写シートの受容層に付
着して転移してしまうことはなくなる。熱転写層3中に
添加される固体滑材は、熱転写シートの熱転写層と被熱
転写シートの受容層との間の摩擦を小さくするために添
加される。このような固体滑材としては、ポリエチレン
パウダー、テフロンパウダー、ポリアミドパウダー、タ
ルク、シリカ、黒鉛、二硫化モリブデンなどの従来既知
の化合物が広く用いられうる。この固体滑材の平均粒径
は、0.05〜5μm好ましくは0.1〜1.0μmであることが
望ましい。粒径が0.05μmより細かいと、活性の得るた
めに多量に添加しなくてはならず、インキとしての印刷
適性が不良になるなどの問題が生じる。一方5.0μm以
上になると、記録画像がざらつき画質の劣化を生じる。 上記のように熱転写層3中には、加熱により被熱転写
シートに移行する染料と、イソシアネート類と活性水素
を有する化合物との反応生成物と、固体滑材とが含有さ
れているが、各成分は次のような量的関係で存在する。 イソシアネート類は、活性水素を有する化合物100重
量部に対して、1〜100重量部の量で用いられる。 染料は、活性水素を有する化合物100重量部に対し
て、10〜200重量部の量で用いられる。この染料の量
は、熱転写シートの走行速度と被熱転写シートの走行速
度との比に応じて上記の範囲中で変化する。すなわち熱
転写シートの走行速度と被熱転写シートの走行速度との
比が小さくなればなるほど、すなわち熱転写シートの走
行速度が被熱転写シートの走行速度に比して遅くなれば
なるほど、染料の存在量を多くすることが好ましい。 固体滑材は、活性水素を有する化合物100重量部に対
して1〜30重量部の量で用いられる。固体滑材が1重量
部未満であると、熱転写シートと被熱転写シートとの間
の摩擦が大きくなり、両シートの走行が不良となった
り、あるいは熱転写層が被熱転写シートの受容層に付着
することがあるため好ましくない。また一方固体滑材が
30重量部を超えると、固体滑材は粒子状であるため印字
部のザラつきが生ずることがあり好ましくない。 上記のような熱転写層3が基材シート2上に設けられ
てなる熱転写シート1は、場合によっては、熱転写層3
が設けられていない基材シートの面上に、耐熱保護層を
有していることが好ましい。 以上のような構成を有する熱転写シート1は、被熱転
写シートと重ね合せて用いられるが、熱転写シートの走
行速度と被熱転写シートの走行速度との比は、1〜0.02
の範囲であることが好ましい。前述の速度比が0.02未満
であると、熱転写シート上に形成される記録の印字濃度
が低下しすぎることがあるため好ましくない。なお、被
熱転写シートとしては、従来既知のものが広く用いられ
うる。 被熱転写層に用いられる樹脂としては、エステル結
合、ウレタン結合、アミド結合、尿素結合、C−CN結
合、C−CI結合などの極性基を有する合成樹脂が用いら
れる。さらに具体的にはポリエステル樹脂、ポリアクリ
ル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビ
ニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂などのエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、尿素樹脂、あ
るいは極性の高い結合を有する樹脂としてのポリ塩化ビ
ニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂などが用いられ
る。 〔発明の効果〕 本発明に係る熱転写シートは、熱転写層が、熱移行性
の染料に加えて、(a)イソシアネート類と活性水素を
有する化合物との反応生成物および(b)固体滑材を含
有しているため、以下のような効果を有する。 (i) 熱転写シートと被熱転写シートとを重ね合せて
加熱記録する際に、熱転写シートの走行速度を、被熱転
写シートの走行速度よりも小さくして記録することがで
きる。 (ii) したがって、被熱転写シートよりも少ない面積
の熱転写シートによって記録が達成され、熱転写シート
の有効利用が図られるとともに熱転写シートの無駄が少
なくなる。 (iii) 加熱記録に使用した後の熱転写シートを見て
も、直ちにはどのような記録が行なわれたかが判明しに
くくなる。 以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
らの実施例に限定されるものではない。 実施例1 下記組成の熱転写層形成用インキ組成物を調製し、こ
の組成物をミヤバー#12にて、あらかじめ背面に耐熱処
理が施こされたポリエチレンフタレートフイルム(9μ
m厚、東洋紡S−PET)上に塗布乾燥し、次いで40℃に
て4日間反応硬化させた。 次いで、下記組成の受容層形成用インキ組成物を調製
し、この組成物をミヤバー#36にて王子油化製合成紙YU
PO・FPG#150上に、塗布、乾燥して、被熱転写シートを
得た。 上記熱転写シートの熱転写層と、被熱転写シートの受
容層とが向い合うように重ね合せ、被熱転写シートを10
mm/secのスピードで走行させ、一方、熱転写シートをこ
れと同速度、1/2倍、1/4倍、1/10倍の速度でそれぞれ走
行させ、かつ、8本/mmのサーマルヘッドにより75mJ/mm
2、の印加エネルギーを背面から加え、記録を行った。
転写後の被熱転写シートの受容層を観察しても、何らバ
インダーなどの転移は発生しなかった(測定器マクベス
RD-918)。また、転写層と受容層の摩擦なども小さく、
良好な走行性を示した。 実施例2 上記組成の熱転写層形成用インキ組成物を、9μm厚
のコンデンサーペーパー上にミヤバー#10にて塗布・乾
燥して、次いで40°にて4日間エージングを行なって熱
転写シートを作成した。 次いで、実施例−1と同様な条件で印字したところ、
良好な走行性を示した。 実施例3 下記組成の熱転写層形成用インキ組成物を用いた以外
は、実施例1と同様にして、熱転写シートを作成した
後、被熱転写シートと組合せて加熱印字を行なった。 熱転写シートと被熱転写シートとの速度比を1、1/
2、1/5、1/10としたところ、転写後の受容層にも、転写
シートの熱転写層の付着は全く認められず、両シートは
良好な走行性を示した。
【図面の簡単な説明】
図は、本発明に係る熱転写シートの断面図である。
1……熱転写シート、2……基材、3……熱転写層。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 赤田 正典
東京都大田区久が原4−25−14
(56)参考文献 特開 昭61−106296(JP,A)
特開 昭60−220792(JP,A)
特開 昭61−121994(JP,A)
特開 昭60−259497(JP,A)
特開 昭61−262189(JP,A)
特開 昭60−4573(JP,A)
実開 昭60−179471(JP,U)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.熱転写シートと被熱転写シートとを重ね合わせて加
熱することにより記録する際に、前記熱転写シートの走
行速度を被熱転写シートの走行速度よりも小さくして記
録する記録方法に使用する熱転写シートであって、 基材シート上、加熱により被熱転写シートに移行する染
料が含まれた熱転写層が(a)イソシアネート類と活性
水素を有する化合物との反応生成物および(b)粒径0.
1〜1μmの固体滑材を含有することを特徴とする、熱
転写シート。 2.活性水素を有する化合物が、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルホルマール、ポリエステルポリオール、
アクリルポリオールからなる群から選択される、特許請
求の範囲第1項に記載の熱転写シート。 3.イソシアネート類が、ジイソシアネートまたはトリ
イソシアネートである、特許請求の範囲第1項に記載の
熱転写シート。 4.固定滑材が、ポリエチレンパウダー、ポリアミドパ
ウダー、タルク、黒鉛、二硫化モリブデンからなる群か
ら選択される、特許請求の範囲第1項に記載の熱転写シ
ート。 5.熱転写層中に染料が、活性水素を有する化合物100
重量部に対して、10〜200重量部の量で用いられてい
る、特許請求の範囲第1項に記載の熱転写シート。
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Family Applications (1)
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-
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