JPH0479317B2

JPH0479317B2 -

Info

Publication number: JPH0479317B2
Application number: JP59219183A
Authority: JP
Inventors: Masanori Akata; Mineo Yamauchi; Masaki Kutsukake
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1984-10-18
Filing date: 1984-10-18
Publication date: 1992-12-15
Also published as: JPS6195989A

Description

【発明の詳細な説明】

発明の目的

【産業上の利用分野】本発明は感熱転写シートの改良に関し、詳しく
は、サーマルヘツドへのステイツキングを防止し
て円滑に印字を行なうことのできる感熱転写シー
トに関する。

【従来の技術】

コンピユータやワードプロセツサの出力プリン
トを感熱転写による場合、熱移行性の感熱昇華転
写を利用する方式と、感熱溶融転写を利用する方
式とがある。いずれの方式によるとしても、代表的にはポリ
エステルであるプラスチツクのベースフイルムを
使用することが多いから、このベースフイルムの
印字用サーマルヘツドへのステイツキングを防止
するとともに、ヘツド上の円滑な走行を確保する
必要がある。もちろん、印字が美麗に行なわれる
ことは、その前提条件である。この目的で、ベースフイルムの印字インキ面と
反対の側つまり、サーマルヘツドと接触する面
に、ステイツキング防止剤の層を形成することが
行なわれている。しかし、従来のステイツキング
防止層は必ずしも満足すべき性能を示すとは限ら
ない。従つて、ステイツキングの防止を確実にす
るとともに、サーマルヘツド上の転写シートの円
滑な走行を可能にする方策が求められていた。

【発明が解決しようとする問題点】

本発明の目的は、感熱転写シートに対する上記
した要望をよりよくみたす感熱転写シートを提供
することにある。発明の構成

【問題点を解決するための手段】

本発明の感熱転写シートは、ベースフイルムの
一方の面に感熱転写層を有し、他方の面に耐熱ス
リツプ層を耐熱層を介して設けたことを特徴とす
る。耐熱層は、加熱により硬化し得る合成樹脂を
硬化剤で硬化させたものからなり、耐熱スリツプ
層は、ポリビニルブチラール樹脂、多価イソシア
ネート化合物およびリン酸エステル系の化合物と
の反応生成物からなる。

【作用】

耐熱層および耐熱スリツプ層はサーマルヘツド
へのステイツキングを防止するとともに、円滑な
走行を確保する。

【実施態様】

耐熱層を構成する、加熱により硬化し得る合成
樹脂とその硬化剤としては、多種類の組み合わせ
が使用できる。代表的なものは、ポリビニルブチ
ラールと多価イソシアネート、アクリルポリオー
ルと多価イソシアネート、酢酸セルロースとチタ
ンキレート剤およびポリエステルと有機チタン化
合物である。それらを含めて、市場で入手容易な
ものについて、商品の名称および配合すべき量
（重量部）をつぎの表に示す。

【表】上記の合成樹脂に対しては、体質顔料の添加が
好ましいことがある。この目的に合う体質顔料の
例は、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、シリ
カ、クレー、酸化チタンおよび酸化亜鉛である。
配合量は、通常は、重量基準で樹脂の５〜40％が
適当である。添加混合は、３本ロールミルまたは
サンドミルを使用して、十分な分散をはかるのが
よい。耐熱層のベースフイルムへの接着力が不足であ
れば、適宜のプライマーを使用するとよい。ベースフイルムには、常用のポリエステル、ポ
リプロピレン、セロフアン、アセテート、ポリカ
ーボネートなどのプラスチツクのフイルム、およ
びコンデンサー紙、パラフイン紙などの紙類を使
用する。ポリエステルフイルムが最適である。感熱転写層には、前記のように、感熱昇華転写
層と感熱溶融転写層がある。感熱昇華転写層形成用インキは、分散染料、ポ
リビニルブチラール樹脂、トルエン、メチルエチ
ルケトン、イソブタノールなどを配合して調製す
る。この転写層の塗布量は、約1.2ｇ／m²が適当
である。感熱溶融転写層を形成するインキは、ト
ルエンジイソシアネート、エチルセロソルブ、ト
ルエン、カーボンブラツク、柔軟性付与剤、ポリ
エチレグリコールなどを配合して調製する。この
転写層の塗布量は、厚さ2μくらいが適当である。実施例１下に示す組成（重量部）によりなる耐熱量用イ
ンキ組成物を調製し、ベースフイルムとして用
いた厚さ9μのポリエチレンテレフタレートフイ
ルム「Ｓ−PET」（東洋紡製）上に、ミヤバー
＃８を用いて塗布した後、温風乾燥した。（耐熱層用インキ組成物Ｉ）ポリビニルブチラール樹脂「エスレツクBX−
１」（積水化学製） 4.5部トルエン 45部メチルエチルケトン 45.5部ジイソシアネート「タケネートＤ−110N」（武田
薬品製）75％酢酸エチル溶液 2.0部次に、下記の組成からなる耐熱スリツプ層用イ
ンキ組成物を調製し、前記耐熱層用インキ組成
物Ｉを塗布した上にミヤバー＃６で重ねて塗布、
温風乾燥した。（耐熱スリツピ層用インキ組成物）ピリビニルブチラール樹脂「エスレツクBX−
１」 4.5部トルエン 45部メチルエチルケトン 45.5部リン酸エステル「プライサーフＡ−208S」（第一
工業製薬製） 0.45部ジイソシアネート「タケネートＤ−110N」75％
酢酸エチル溶液 2.0部このフイルムを、さらに60℃で12時間、オーブ
ン中で加熱して硬化処理した。乾燥後のインキ塗
布量は、約1.2ｇ／m²であつた。別に下記の組成の感熱昇華転写層形成用インキ
組成物を調製し、ベースフイルムの耐熱層とは反
対側の面に、ミヤバー＃10によりコーテイング
し、温風乾燥した。この転写層の塗布量は、約
1.2ｇ／m²であつた。（感熱昇華転写層形成用インキ）分散染料「カヤセツトブルー136」（日本化薬製）
４部ポリビニルブチラール樹脂「エスレツクBX−
１」 4.3部トルエン 40部メチルエチルケトン 40部イリブタノール 10部一方、ベースフイルムとして厚さ150μの合成
紙「YUPO−FPG150」（王子油化製）を用い、
下記の組成の受像層形成用インキを乾燥時塗布量
が4.0ｇ／m²となるようにワイヤーバー＃36で塗
布し、被熱転写シートとした。（受像層形成用インキ）ポリエステル樹脂「バイロン103」（東洋紡製）
８部 EVA系高分子可塑剤「エルバロイ741P」（三井ポ
リケミカル製）２部アミノ変性シリコーンオイル「KF−393」（信越
シリコーン製） 0.125部エポキシ変性シリコーンオイル「Ｘ−22−343」
（信越シリコーン製） 0.125部トルエン 70部メチルエチルケトン 10部シクロヘキサノン 20部上記のようにして得られた感熱昇華転写シート
と、被熱転写シートとを熱転写層と受容層が接す
るように重ね、耐熱層側からサーマルヘツドによ
り記録を行なつた。記録条件は、出力：1W／ド
ツト、パルス幅：0.3〜4.5ｍ sec、ドツト密度：
３ドツト／mmである。ステイツキング現象は全く発生せず、シワの発
生もなく、感熱転写シートはスムーズに走行し
た。印字濃度を「マクベス濃度計RD−918」で
測定したところ、パルス幅4.5ｍ secの高濃度発
色部分の反射濃度が1.65であり、またパルス幅
0.3ｍ secの部分が0.16と、印加エネルギーに応
じた諧調のある記録が得られた。比較例１実施例１と同じベースフイルム「Ｓ−PET」
上に、ミヤバー＃16で実施例１の耐熱スリツプ層
用インキ組成物を塗布し、温風乾燥ののち60℃
のオーブンで12時間加熱して硬化処理した。乾燥
後のインキ塗布量は約1.8ｇ／m²であつた。この
フイルムに実施例１の感熱転写層形成用インキを
塗布し、やはり実施例１の被熱転写シートと合せ
て、同じ条件で印字を試みた。ステイツキングが生じ、使用できなかつた。実施例２下記インキ組成物を用意し、実施例１と同じポ
リエステルのベースフイルム上に塗布した。（耐熱層用インキ組成物）ポリビニルブチラール樹脂「エスレツクBX−
１」 4.5部トルエン 45.0部メチルエチルケトン 45.5部ジイソシアネート「コロネート−Ｌ」（日本ポリ
ウレタン製）45％酢酸エチル溶液 4.0部（耐熱スリツプ層用インキ組成物）ポリビニルブチラール樹脂「エスレツクBX−
１」 4.5部トルエン 45.0部メチルエチルケトン 45.5部リン酸エステル「プライサーフＡ−208S」0.45部ジイソシアネート「コロネート−Ｌ」45％酢酸エ
チル溶液 4.0部実施例１と同様に加熱硬化の後、同様に感熱昇
華転写層を塗布し、やはり実施例１で用いた被熱
転写シートと重ね合せ、同じ条件で印字した。この場合にも全くステイツキング現象およびシ
ワの発生が認められず、ベタ部分もザラつきがな
く良好な印字ができた。実施例３下記のインキ組成物を用い、実施例１と同様に
して感熱転写シートをつくつた。（耐熱層用インキ組成物）ポリビニルブチラール「デンカブチラール＃6000
−ｃ」（電気化学製） 4.5部トルエン 45.0部メチルエチルケトン 45.5部ジイソシアネート「コロネート−Ｌ」45％酢酸エ
チル溶液 4.0部（耐熱スリツプ層用インキ組成物）ポリビニルブチラール「デンカブチラール＃6000
−ｃ」 4.5部トルエン 45.0部メチルエチルケトン 45.5部リン酸エステル「ガフアツク RD−720」（東邦
化学製） 45.0部ジイソシアネート「コオネート−Ｌ」45％酢酸エ
チル溶液 4.0部実施例１と同様に印字した結果、ステイツキン
グ現象やシワの発生が認められず、ベタ部分にも
ザラつき感がなかつた。実施例４炭酸カルシウム「白艶華DD」（白石カルシウ
ム製）40部とリン酸エステル化合物のナトリウム
塩「ガフアツク RD−720」（上記）60部を三本
ロールミルでよく練つた混練分散組成物を使用
し、下記の配合の耐熱スリツプ層インキ組成物
を調製した。（耐熱スリツプ層用インキ組成物）ポリビニルブチラール「エスレツクBX−１」
６部トルエン 47部メチルエチルケトン 47部上記混練分散組成物 1.2部リン酸エステル「プライサーフＡ−208S」 1.2部ジイソシアネート「コロネート−Ｌ」75％酢酸エ
チル溶液 2.4部このインキを、実施例１におけるベースフイル
ム上に塗布した耐熱層用インキ組成物の上に重
ねて塗布し、60℃で12時間、オーブン中で加熱し
て硬化させた。以下実施例１と同様に印字したと
ころ、ステイツキングは発生せず、ベタ部もザラ
ついた感じはなかつた。実施例５下記の感熱溶融転写層用組成物を用意した。まず、２，６−トルエンジイソシアネートとエ
チルセロソルブとを、それぞれの分子中に含まれ
る−NCOと−OHとのモル比が１：１となるよう
な割合で混合し、触媒として、ラウリン酸ジブチ
ルスズをこの混合物の0.01重量％投入し、100℃
に保温しつつ５時間連続攪拌して、ベース組成物
Ａを得た。次にこのようにして得たベース組成物Ａを他の
成分とを配合して、下記の組成の感熱溶融転写層
用組成物を調製した。（感熱溶融転写層形成用組成物）ベース組成物Ａ 50部トルエン 36部カーボンブラツク 10部柔軟性付与剤「CS−55」（出光石油製）２部ポリエチレングリコール（平均分量4000）２部この感熱溶融転写層用組成物を、実施例１に従
つて耐熱層を形成した厚さ9μのポリエチレンテ
レフタレートフイルムの反対面上に、フイルムを
170℃に加熱しつつワイヤーバーコーテイングに
よつて2μの厚さに塗布して、感熱転写シートを
製造した。この感熱転写シートと、坪量50ｇ／m²の上質紙
とを重ねて、サーマルプリンター（神鋼電機製
SP−3080）を用いて印字したところ、ステイツ
キングが発生することなく、上質紙面に黒色のシ
ヤープな印字画像が得られた。発明の効果本発明の感熱転写シートを用いれば、サーマル
ヘツドのステイツキングを防止し、シワの発生も
なく円滑なシート走行で高品質の印字ができる。

Claims

【特許請求の範囲】１ベースフイルムの一方の面に感熱転写層を有
し、他方の面に、加熱により硬化し得る合成樹脂
を硬化剤で硬化させてなる耐熱層、および、その
上に、ポリビニルブチラール樹脂、多価イソシア
ネート化合物およびリン酸エステル反応生成物か
らなる耐熱スリツプ層を設けたことを特徴とする
感熱転写シート。２耐熱層を構成する、加熱により硬化し得る合
成樹脂と硬化剤とが、ポリビニルブチラールと多
価イソシアネート、アクリルポリオールと多価イ
ソシアネート、酢酸セルロースとチタンキレート
剤およびポリエステルと有機チタン化合物の組み
合わせからえらんだものである特許請求の範囲第
１項の感熱転写シート。３感熱転写層が熱移行性の染料およびバインダ
ー樹脂からなる感熱昇華転写層である特許請求の
範囲第１項の感熱転写シート。４感熱転写層が染料または顔料およびワツクス
からなる感熱溶融転写層である特許請求の範囲第
１項の感熱転写シート。