JP5434198B2 - 昇華型熱転写媒体 - Google Patents
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Description
汎用溶剤に溶解しにくい樹脂ではインキ化が困難であるという問題があり、粘度が高くなってしまった場合には塗布が困難となるなどの加工上の問題がある。
また、2種のTgの異なるバインダを混ぜただけの場合には低Tgの樹脂の特性に引き
ずられ耐熱性が低下してしまい、高Tg樹脂のみの場合のような耐熱性は得られなくなる。
同様に、2種の重合度の異なるバインダを混ぜただけの場合には低重合度の樹脂の特性に引きずられ耐熱性が低下してしまい、高重合度樹脂のみの場合のような耐熱性は得られなくなる。
本発明の請求項3の発明は、離型剤がシリコーン系であることを特徴とする請求項2に記載の昇華型熱転写媒体である。
本発明の請求項4の発明は、離型剤がフッ素系であることを特徴とする請求項2に記載の昇華型熱転写媒体である。
本発明の請求項5の発明は、染料層の主となる2種類のバインダと反応する染料層の副となるバインダが染料層全バインダに対して5質量%以上50質量%以下含まれることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の昇華型熱転写媒体である。
本実施形態の昇華型熱転写媒体1は裏面に耐熱性樹脂層1Cを設けた基材1Aの表面に染料層1Bを設けたものである。この昇華型熱転写媒体1は染料層1Bのバインダを、1
00℃以上のTgを有し重合度が1800以上と1500以下の2種類の樹脂からなる主となるバインダと、主となるバインダと反応することにより染料層の重合度を上昇させる副となるバインダの少なくとも3種の樹脂で構成している。
昇華性染料としては60℃以上で昇華あるいは気化する染料であり、主に分散染料、油溶性染料など熱転写捺染で使用されるものであれば良く、例えばC.I.ディスパースイエローの1,3,8,9,16,33,41,42,54,60,77,116,201,231など、C.I.ディスパースレッドの1,4,6,11,15,17,50,55
,59,60,73,83,111など、C.I.ディスパースブルーの3,14,19,24,26,56,60,64,72,99,108,241,354など、C.I.ディスパースバイオレットの26,31など、C.I.ソルベントイエローの14,16,30,33,56,77,93,116,179など、C.I.ソルベントレッドの19,23,25,27などC.I.ソルベントブルーの24,36,63,83,105などが挙げられるがこれに限定されるものではない。これらの染料は一種で使用可能であるが、数種混合しても使用可能である。
本発明の染料層にはその特性を維持するために紫外線吸収剤やラジカル吸収剤、滑り性を確保するためのフィラーやフッ素系、シリコーン系の離型剤、製造工程での泡欠陥を防止するための消泡剤等の添加剤を任意に添加してもかまわない。
基材 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:4μm、片面易接着層付き)
裏面 耐熱性樹脂層(厚み:1μm、ポリアミドイミド系)
染料層 厚み0.7μm
バインダ
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:2100) 15部
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:1000) 15部
イソシアネート樹脂 5部
染料
昇華性染料 C.I.ソルベントブルー 36 30部
溶剤
メチルエチルケトン 160部
トルエン 80部
(実施例2)
基材 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:4μm、片面易接着層付き)
裏面 耐熱性樹脂層(厚み:1μm、ポリアミドイミド系)
染料層 厚み0.7μm
バインダ
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:2100) 15部
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:1000) 15部
イソシアネート樹脂 5部
染料
昇華性染料 C.I.ソルベントブルー 36 30部
溶剤
メチルエチルケトン 160部
トルエン 80部
離型剤
ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.4部
(実施例3)
基材 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:4μm、片面易接着層付き)
裏面 耐熱性樹脂層(厚み:1μm、ポリアミドイミド系)
染料層 厚み0.7μm
バインダ
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:2100) 15部
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:1000) 15部
イソシアネート樹脂 5部
染料
昇華性染料 C.I.ソルベントブルー 36 30部
溶剤
メチルエチルケトン 160部
トルエン 80部
離型剤
パーフルオロアルキル基含有オリゴマー 0.4部
(比較例1)
基材 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:4μm、片面易接着層付き)
裏面 耐熱性樹脂層(厚み:1μm、ポリアミドイミド系)
染料層 厚み0.7μm
バインダ
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:2100) 30部
イソシアネート樹脂 5部
染料
昇華性染料 C.I.ソルベントブルー 36 30部
溶剤
メチルエチルケトン 160部
トルエン 80部
(比較例2)
基材 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:4μm、片面易接着層付き)
裏面 耐熱性樹脂層(厚み:1μm、ポリアミドイミド系)
染料層 厚み0.7μm
バインダ
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:1000) 30部
イソシアネート樹脂 5部
染料
昇華性染料 C.I.ソルベントブルー 36 30部
溶剤
メチルエチルケトン 160部
トルエン 80部
(比較例3)
基材 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:4μm、片面易接着層付き)
裏面 耐熱性樹脂層(厚み:1μm、ポリアミドイミド系)
染料層 厚み0.7μm
バインダ
ポリビニルブチラール樹脂
(Tg:90℃ 計算分子量:10.0×104) 30部
ジイソシアネート樹脂 5部
染料
分散染料 KST−B−136
(日本化薬) 5部
溶剤
メチルエチルケトン 30部
トルエン 30部
(比較例4)
基材 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:4μm、片面易接着層付き)
裏面 耐熱性樹脂層(厚み:1μm、ポリアミドイミド系)
染料層 厚み0.7μm
バインダ
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:2100) 35部
染料
昇華性染料 C.I.ソルベントブルー 36 30部
溶剤
メチルエチルケトン 160部
トルエン 80部
(比較例5)
基材 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:4μm、片面易接着層付き)
裏面 耐熱性樹脂層(厚み:1μm、ポリアミドイミド系)
染料層 厚み:0.7μm
バインダ
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:2100) 17.5部
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:1000) 17.5部
染料
昇華性染料 C.I.ソルベントブルー 36 30部
溶剤
メチルエチルケトン 160部
トルエン 80部
(比較例6)
基材 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:4μm、片面易接着層付き)
裏面 耐熱性樹脂層(厚み:1μm、ポリアミドイミド系)
染料層 厚み:0.7μm
バインダ
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:2100) 17.5部
ポリビニルブチラール樹脂
(Tg:68℃、重合度:600) 17.5部
イソシアネート樹脂 5部
染料
昇華性染料 C.I.ソルベントブルー 36 30部
溶剤
メチルエチルケトン 160部
トルエン 80部
(比較例7)
基材 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:4μm、片面易接着層付き)
裏面 耐熱性樹脂層(厚み:1μm、ポリアミドイミド系)
染料層 厚み:0.7μm
バインダ
ポリサルフォン樹脂
(Tg:190℃) 30部
染料
昇華性染料 C.I.ソルベントブルー 36 30部
溶剤
トリクロルエチレン 200部
トルエン 40部
(比較例8)
基材 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:4μm、片面易接着層付き)
裏面 耐熱性樹脂層(厚み:1μm、ポリアミドイミド系)
染料層 厚み0.7μm
バインダ
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:2100) 16.75部
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:1000) 16.75部
イソシアネート樹脂 1.5部
染料
昇華性染料 C.I.ソルベントブルー 36 30部
溶剤
メチルエチルケトン 160部
トルエン 80部
(比較例9)
基材 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:4μm、片面易接着層付き)
裏面 耐熱性樹脂層(厚み:1μm、ポリアミドイミド系)
染料層 厚み0.7μm
バインダ
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:2100) 9部
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:1000) 9部
イソシアネート樹脂 17部
染料
昇華性染料 C.I.ソルベントブルー 36 30部
溶剤
メチルエチルケトン 160部
トルエン 80部
上記のような構成で実施例1〜3、比較例1〜9の12種類を作成し、平均分子量の変化と印画性及び塗工性についてそれぞれ評価を行った。平均分子量の変化は測定が困難なため、主となる樹脂と副となる樹脂の反応はTgの変化により測定を実施することとした
。
表1に示したように主となるバインダと反応する副となる樹脂を副バインダとして添加することによりTgが上昇することが確認された。これは重合が進行し平均分子量が増大していることを示している。また、主となるバインダと反応する副となる樹脂の添加量が5%以下や50%以上の場合にはTgの上昇が小さく、重合が進行していないことを示している。
上記のように主となる2種類以上のバインダのガラス転位点温度が共に100℃以上で1種類は重合度が1800以上であり他方もう1種類は重合度が1500以下、副となるバインダの少なくとも1種類は主となる2種のバインダと反応する組み合わせとさせた場合には良好な印画性を得ることができた。一方でTgは高いものの平均分子量の低い樹脂のみで構成した場合(比較例2)では印画後の伸びが大きくなってしまいシワ欠陥が発生しやすくなってしまった。主となるバインダと反応する副樹脂の添加量が5%以下や50%以上の場合にも、やはり印画後の伸びが大きくなってしまいシワ欠陥が発生しやすくなってしまった。染料層に離型剤を添加した場合(実施例2、実施例3)には離型剤の効果により貼り付き性が改善され、より貼り付きづらくなることが確認された。
上記のように印画性の良かった比較例1及び比較例4ではインキ粘度が高く面性が悪く、塗工適性は低いと判断した。また、比較例7ではバインダを溶解させるために塩素系溶剤であるトリクロルエチレンを使用しており、これも実用上好ましくなく塗工性を低くしているといえる。これに対して実施例1ではインキとして高いTgかつバインダとして高い重合度を持っているにもかかわらず高い塗工適性を有していることが確認できた。
1B ・・・ 染料層
1C ・・・ 耐熱性樹脂層
Claims (5)
- 基材の裏面に耐熱性樹脂層を備え、他方表面に昇華性染料をバインダ中に含む染料層を少なくとも備えた昇華型熱転写媒体において、染料層に使用するバインダが2種類のポリビニルアセタール樹脂とイソシアネート樹脂の3種類であり、かつ、2種類のポリビニルアセタール樹脂はガラス転移点温度が100℃以上であり、且つ重合度が2100と1000であり、前記イソシアネート樹脂はバインダの2種類のポリビニルアセタール樹脂と反応し、染料層バインダ全体の平均分子量が2種類のポリビニルアセタール樹脂の平均分子量よりも大きいことを特徴とする昇華型熱転写媒体。
- 前記染料層中に離型剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の昇華型熱転写媒体。
- 離型剤がシリコーン系であることを特徴とする請求項2に記載の昇華型熱転写媒体。
- 離型剤がフッ素系であることを特徴とする請求項2に記載の昇華型熱転写媒体。
- 染料層の主となる2種類のバインダと反応する染料層の副となるバインダが染料層全バインダに対して5質量%以上50質量%以下含まれることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の昇華型熱転写媒体。
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2009
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