JP5434198B2 - 昇華型熱転写媒体 - Google Patents

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Description

本発明は染料層の上に薄膜層を設けた昇華型熱転写媒体に係わり、良好なプリンタ通過性を有する昇華型熱記録媒体に係わる。
近年、デジタルカメラの普及に伴い、デジタルカメラで撮影した画像を出力するフルカラープリンターの需要が増加しており、中でも容易に中間色を得ることが可能で、銀塩写真に迫る画質が得られる昇華型熱転写方式が注目されている。
この昇華型熱転写方式では基材の裏面に耐熱性樹脂層を備え、他方表面に昇華性染料を樹脂バインダ中に含む染料層を少なくとも備えた昇華型熱転写媒体を使用し、この媒体の裏面からサーマルヘッド等により熱エネルギーを付与することにより、昇華性染料を被記録材に移行させて画像を得る記録方法である。
近年は記録方法の進歩により高速で画像を得ることが求められており、サーマルヘッドから短時間かつ多くの熱エネルギーが昇華型熱転写記録媒体にかけられることとなり、昇華型熱記録媒体には熱をかけても被記録材と貼りつかないという耐熱性と熱が加わったときに記録媒体が伸びないという耐熱性が求められる。
このような高速記録に対応するために樹脂バインダは耐熱性に優れた、すなわちガラス転移点温度(以下Tgと略す)の高いものが開発されているが、Tgの高い樹脂は一般に汎用溶剤に溶解しにくく、溶解した場合でも粘度が高い場合が多い。
耐熱性を上げる為の手法として、重合度を上げて分子量を増大させることも出来るが、重合度の増大は樹脂の溶解性を低下させ、溶解した場合でも粘度を高くしてしまう。
汎用溶剤に溶解しにくい樹脂ではインキ化が困難であるという問題があり、粘度が高くなってしまった場合には塗布が困難となるなどの加工上の問題がある。
このような問題に対する対処法として染料層にTgの異なる2種の樹脂を混合してバインダとする方法(特許文献1参照)、ポリビニルブチラール樹脂とイソシアネート樹脂を混合してバインダとする方法も報告されている(特許文献2参照)
被記録材との貼りつきを防止するために離型層として硬化型シリコーンもしくは滑性物質と耐熱性樹脂の混合物を設けた場合には、通常のグラビア印刷法で昇華型熱記録媒体を作成する場合に溶剤の選定や乾燥温度の条件、インキの安定性等の問題から実用は困難となる。
染料層に離型剤を添加した場合や離型層として染料とシリコーンポリマー又はフッ素化ポリマーを含む層を設けた場合には表面の滑り性は向上するため、被記録材と昇華型熱記録媒体が貼りつくことは防止できるが、記録媒体の伸びを抑えることはできない上に表面の滑り性が向上したことにより被記録材上に印画した際に媒体のシワに伴うスジ状の印画欠陥を生じさせてしまう。
耐熱性を上昇させるためにTg、重合度共に高い樹脂を使用した場合には汎用の溶剤では溶解しない若しくは溶解させた場合でも粘度が高いなど加工適性に問題のあるインキとなり、安定した製造が困難となってしまう。
また、2種のTgの異なるバインダを混ぜただけの場合には低Tgの樹脂の特性に引き
ずられ耐熱性が低下してしまい、高Tg樹脂のみの場合のような耐熱性は得られなくなる。
同様に、2種の重合度の異なるバインダを混ぜただけの場合には低重合度の樹脂の特性に引きずられ耐熱性が低下してしまい、高重合度樹脂のみの場合のような耐熱性は得られなくなる。
特許文献2の実施例に書かれている組み合わせでは元の樹脂に比較して耐熱性の向上が期待できるが、実施例に使われている組み合わせでは元の樹脂のTgが低く耐熱性が不足しているため、現在の高速印画には対応ができない。
特開2000−301841号公報 特許第2597322号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、熱をかけても被記録材と貼りつかないという耐熱性と熱が加わったときに記録媒体が伸びないという耐熱性を兼ね備えかつ汎用溶剤が使用可能でインキ粘度も低いという安定した製造が可能な昇華型熱記録媒体を提供することを目的とする。
このような問題を解決するための、本発明の請求項1の発明は、基材の裏面に耐熱性樹脂層を備え、他方表面に昇華性染料をバインダ中に含む染料層を少なくとも備えた昇華型熱転写媒体において、染料層に使用するバインダが2種類のポリビニルアセタール樹脂とイソシアネート樹脂の3種類であり、かつ、2種類のポリビニルアセタール樹脂はガラス転移点温度が100℃以上であり、且つ重合度が2100と1000であり、前記イソシアネート樹脂はバインダの2種類のポリビニルアセタール樹脂と反応し、染料層バインダ全体の平均分子量が2種類のポリビニルアセタール樹脂の平均分子量よりも大きいことを特徴とする昇華型熱転写媒体である。
本発明の請求項2の発明は、前記染料層中に離型剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の昇華型熱転写媒体である。
本発明の請求項3の発明は、離型剤がシリコーン系であることを特徴とする請求項2に記載の昇華型熱転写媒体である。
本発明の請求項4の発明は、離型剤がフッ素系であることを特徴とする請求項2に記載の昇華型熱転写媒体である。
本発明の請求項5の発明は、染料層の主となる2種類のバインダと反応する染料層の副となるバインダが染料層全バインダに対して5質量%以上50質量%以下含まれることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の昇華型熱転写媒体である。
本発明によれば基材の裏面に耐熱性樹脂層を備え、他方表面に昇華性染料をバインダ中に含む染料層を少なくとも備えた昇華型熱転写媒体において、染料層のバインダを100℃以上のTgを有する重合度1800以上と重合度1500以下の2種類の樹脂からなる主となるバインダと、バインダの重合度を主となるバインダと反応することにより上昇させる副となるバインダの組合せとすることにより、熱をかけても被記録材と貼りつかない、かつ、熱をかけても媒体自身が伸びにくいという耐熱性を満足する昇華型熱転写媒体を提供することが可能となる。
さらに汎用溶剤に溶けやすく、粘度が低い樹脂を組合せることによりインキ粘度を低下させることが可能となるため、Tg、重合度共に高いバインダのみでインキを作成した場合と比較して製造条件の設定が容易となる利点もある。
さらに、汎用溶剤の使用が可能であるということは高価な特殊溶剤を使用する必要がないということであり、安価に昇華型熱記録媒体を提供できることにもつながる。
同様にインキ粘度が低いということはインキの固形分比を上昇させることが可能となり、乾燥時のエネルギーの低減のみならず使用するインキの缶数の削減にもつながることから、さらに効率的に安価な昇華型熱記録媒体を提供できることにもつながる。
Tg、重合度共に高い樹脂は一般的に扱いにくいだけではなく、高価な場合も多い。このため本発明の手法を用いると安価な樹脂同士の組み合わせにより染料層に使用する樹脂のTgを高くすることが可能なため、安価に昇華型熱記録媒体を提供することが可能となる。
染料層に離型剤を添加して被記録材と昇華型熱記録媒体が貼りつきを防止した場合においても記録媒体の熱による伸びを抑えているためスジ状の印画欠陥の発生を防止することが可能となる。
上記のように染料層への離型剤の添加が可能となることから、被記録材の耐熱性が低い場合においても安定した印画が可能となる、すなわち被記録材として使用できる材質の幅が広がるという利点もある。
樹脂においてはTg以外にも平均重合度を上げることにより耐熱性が向上する場合もあるが、平均重合度をあげた場合には樹脂溶液の粘度が増加し、加工適性が低下する。しかし本発明の手法を用いれば高い重合度の樹脂と低い重合度の樹脂を組み合わせても耐熱性を得ることが可能となり、加工適性の向上につながる。
主となる樹脂と反応する副となる樹脂が、染料層全樹脂に対して5質量%以下の場合には主となる樹脂との反応が不十分となり、平均重合度の向上が十分ではなく、添加の効果が得られない。反対に主となる樹脂と反応する副となる樹脂が、染料層全樹脂に対して50質量%以上の場合には副となる樹脂同士の反応が主となってしまい、やはり平均重合度の向上が十分ではなくなり、添加の効果が期待できなくなってしまう。
本願発明の昇華型熱転写媒体の概念断面の説明図。
本発明に係わる昇華型熱転写媒体の一形態を図1に示す。
本実施形態の昇華型熱転写媒体1は裏面に耐熱性樹脂層1Cを設けた基材1Aの表面に染料層1Bを設けたものである。この昇華型熱転写媒体1は染料層1Bのバインダを、1
00℃以上のTgを有し重合度が1800以上と1500以下の2種類の樹脂からなる主となるバインダと、主となるバインダと反応することにより染料層の重合度を上昇させる副となるバインダの少なくとも3種の樹脂で構成している。
まず、基材としては、熱転写における熱圧で軟化変形しない耐熱性と強度が要求されるので、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、アセテート、ポリカーボネート、ポリサルホン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、アラミド、ポリスチレン等の合成樹脂のフィルム、およびコンデンサー紙、パラフィン紙などの紙類等が単独で又は組み合わされた複合体として使用可能であるが、その素材を限定するものではない。中でも、物性面、加工性、コスト面などを考慮するとポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。また、その厚さは、操作性、加工性を考慮し、2〜50μmの範囲のものが使用可能であるが、転写適性や加工性等のハンドリング性を考慮すると、2〜12μm程度のものが好ましい。さらに、基材上には染料層との密着を高めるための易接着層や、基材側への染料の拡散を抑える染料拡散防止層を染料層の下に設けてもかまわない。
染料層のバインダとしてはポリビニルブチラール及びポリビニルブチラールをアセタール化した樹脂が多く用いられるが、これに限定されるものではなく、従来公知のものがいずれも使用できる。例示すれば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂やポリエステル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、フェノキシ樹脂等、耐熱性、染料の移行性等の点で使用可能であればその素材を限定するものではない。
ただし、染料層の主となるバインダのTgが低い場合には副となるバインダとの反応により染料層全体のバインダの重合度を上げた場合にも印画不良を起こす可能性が高くなるため、染料層の主となる樹脂のガラス転位点は100℃以上であることが望まれる。また、染料層の主となる樹脂の重合度は1800以上と1500以下の組み合わせが好ましく、加工適性と耐熱性の2点を考えると重合度は2300以下2000以上と1200以下800以上の組み合わせが好ましい。
重合度1800以上の樹脂が多くなるとインキの粘度が上昇し塗工適性が低下し、重合度1500以下の樹脂が多くなると耐熱性が低下することによりリボンの伸びが増加することから、重合度が高い樹脂と重合度の低い樹脂との比率は、高重合度/低重合度=85/15から15/85の範囲となり、好ましくは70/30から30/70の範囲、さらに好ましくは60/40から40/60の範囲となる。
ここで、昇華熱転写層形成用インク層中の染料とバインダとの割合は、染料/バインダ=10/100から300/100が好ましい。これは、染料/バインダの割合が、10/100を下回ると、染料が少な過ぎて発色感度が不十分となり良好な熱転写画像が得られず、また、この割合が300/100を越えると、バインダに対する染料の溶解性が極端に低下するために、熱転写シートとなった際にインク層の保存安定性が悪くなって染料が析出し易くなってしまうためである。
本発明の染料層に使用される昇華性染料等は公知のものが使用できる。
昇華性染料としては60℃以上で昇華あるいは気化する染料であり、主に分散染料、油溶性染料など熱転写捺染で使用されるものであれば良く、例えばC.I.ディスパースイエローの1,3,8,9,16,33,41,42,54,60,77,116,201,231など、C.I.ディスパースレッドの1,4,6,11,15,17,50,55
,59,60,73,83,111など、C.I.ディスパースブルーの3,14,19,24,26,56,60,64,72,99,108,241,354など、C.I.ディスパースバイオレットの26,31など、C.I.ソルベントイエローの14,16,30,33,56,77,93,116,179など、C.I.ソルベントレッドの19,23,25,27などC.I.ソルベントブルーの24,36,63,83,105などが挙げられるがこれに限定されるものではない。これらの染料は一種で使用可能であるが、数種混合しても使用可能である。
本発明における染料層の厚みとしては、染料層の厚さが0.4〜1.5μmの範囲にある必要がある。染料層の厚みが0.4μm以下の場合には画像を形成するのに十分な染料を保持することができず、1.5μm以上では染料層の厚みが厚すぎて十分な加熱が困難となるためである。
本発明の染料層にはその特性を維持するために紫外線吸収剤やラジカル吸収剤、滑り性を確保するためのフィラーやフッ素系、シリコーン系の離型剤、製造工程での泡欠陥を防止するための消泡剤等の添加剤を任意に添加してもかまわない。
昇華型熱転写媒体ではイエロー、マゼンタ、シアンの3種類の染料層を設けることが多く、印画順はイエロー、マゼンタ、シアンの順であることが多い。このことから印画順の遅いシアンが最も熱がかかり、印画順の早いイエローではそれほど熱がかからない場合もある。このように各色で色のかかり方に差がある場合には本発明による耐熱性向上手法を全ての色で必ずしも同様に使用する必要はなく、例えば熱のかかる色でのみ使用する場合や、熱のかかる色ほど重合度の高い樹脂の比率を多くする等の場合もある。
以下に本発明の実施例を示す。なお、実施例に記載の各成分の量(部)は質量部である。(実施例1)
基材 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:4μm、片面易接着層付き)
裏面 耐熱性樹脂層(厚み:1μm、ポリアミドイミド系)
染料層 厚み0.7μm
バインダ
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:2100) 15部
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:1000) 15部
イソシアネート樹脂 5部
染料
昇華性染料 C.I.ソルベントブルー 36 30部
溶剤
メチルエチルケトン 160部
トルエン 80部
(実施例2)
基材 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:4μm、片面易接着層付き)
裏面 耐熱性樹脂層(厚み:1μm、ポリアミドイミド系)
染料層 厚み0.7μm
バインダ
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:2100) 15部
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:1000) 15部
イソシアネート樹脂 5部
染料
昇華性染料 C.I.ソルベントブルー 36 30部
溶剤
メチルエチルケトン 160部
トルエン 80部
離型剤
ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.4部
(実施例3)
基材 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:4μm、片面易接着層付き)
裏面 耐熱性樹脂層(厚み:1μm、ポリアミドイミド系)
染料層 厚み0.7μm
バインダ
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:2100) 15部
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:1000) 15部
イソシアネート樹脂 5部
染料
昇華性染料 C.I.ソルベントブルー 36 30部
溶剤
メチルエチルケトン 160部
トルエン 80部
離型剤
パーフルオロアルキル基含有オリゴマー 0.4部
(比較例1)
基材 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:4μm、片面易接着層付き)
裏面 耐熱性樹脂層(厚み:1μm、ポリアミドイミド系)
染料層 厚み0.7μm
バインダ
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:2100) 30部
イソシアネート樹脂 5部
染料
昇華性染料 C.I.ソルベントブルー 36 30部
溶剤
メチルエチルケトン 160部
トルエン 80部
(比較例2)
基材 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:4μm、片面易接着層付き)
裏面 耐熱性樹脂層(厚み:1μm、ポリアミドイミド系)
染料層 厚み0.7μm
バインダ
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:1000) 30部
イソシアネート樹脂 5部
染料
昇華性染料 C.I.ソルベントブルー 36 30部
溶剤
メチルエチルケトン 160部
トルエン 80部
(比較例3)
基材 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:4μm、片面易接着層付き)
裏面 耐熱性樹脂層(厚み:1μm、ポリアミドイミド系)
染料層 厚み0.7μm
バインダ
ポリビニルブチラール樹脂
(Tg:90℃ 計算分子量:10.0×10) 30部
ジイソシアネート樹脂 5部
染料
分散染料 KST−B−136
(日本化薬) 5部
溶剤
メチルエチルケトン 30部
トルエン 30部
(比較例4)
基材 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:4μm、片面易接着層付き)
裏面 耐熱性樹脂層(厚み:1μm、ポリアミドイミド系)
染料層 厚み0.7μm
バインダ
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:2100) 35部
染料
昇華性染料 C.I.ソルベントブルー 36 30部
溶剤
メチルエチルケトン 160部
トルエン 80部
(比較例5)
基材 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:4μm、片面易接着層付き)
裏面 耐熱性樹脂層(厚み:1μm、ポリアミドイミド系)
染料層 厚み:0.7μm
バインダ
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:2100) 17.5部
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:1000) 17.5部
染料
昇華性染料 C.I.ソルベントブルー 36 30部
溶剤
メチルエチルケトン 160部
トルエン 80部
(比較例6)
基材 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:4μm、片面易接着層付き)
裏面 耐熱性樹脂層(厚み:1μm、ポリアミドイミド系)
染料層 厚み:0.7μm
バインダ
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:2100) 17.5部
ポリビニルブチラール樹脂
(Tg:68℃、重合度:600) 17.5部
イソシアネート樹脂 5部
染料
昇華性染料 C.I.ソルベントブルー 36 30部
溶剤
メチルエチルケトン 160部
トルエン 80部
(比較例7)
基材 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:4μm、片面易接着層付き)
裏面 耐熱性樹脂層(厚み:1μm、ポリアミドイミド系)
染料層 厚み:0.7μm
バインダ
ポリサルフォン樹脂
(Tg:190℃) 30部
染料
昇華性染料 C.I.ソルベントブルー 36 30部
溶剤
トリクロルエチレン 200部
トルエン 40部
(比較例8)
基材 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:4μm、片面易接着層付き)
裏面 耐熱性樹脂層(厚み:1μm、ポリアミドイミド系)
染料層 厚み0.7μm
バインダ
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:2100) 16.75部
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:1000) 16.75部
イソシアネート樹脂 1.5部
染料
昇華性染料 C.I.ソルベントブルー 36 30部
溶剤
メチルエチルケトン 160部
トルエン 80部
(比較例9)
基材 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:4μm、片面易接着層付き)
裏面 耐熱性樹脂層(厚み:1μm、ポリアミドイミド系)
染料層 厚み0.7μm
バインダ
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:2100) 9部
ポリビニルアセタール樹脂
(Tg:110℃、重合度:1000) 9部
イソシアネート樹脂 17部
染料
昇華性染料 C.I.ソルベントブルー 36 30部
溶剤
メチルエチルケトン 160部
トルエン 80部
上記のような構成で実施例1〜3、比較例1〜9の12種類を作成し、平均分子量の変化と印画性及び塗工性についてそれぞれ評価を行った。平均分子量の変化は測定が困難なため、主となる樹脂と副となる樹脂の反応はTgの変化により測定を実施することとした
DSCを用いてインキのTgを測定し、元のバインダと比較した結果を表1に示す。
Figure 0005434198
インキのTgの元のバインダのTgとの比較結果
表1に示したように主となるバインダと反応する副となる樹脂を副バインダとして添加することによりTgが上昇することが確認された。これは重合が進行し平均分子量が増大していることを示している。また、主となるバインダと反応する副となる樹脂の添加量が5%以下や50%以上の場合にはTgの上昇が小さく、重合が進行していないことを示している。
印画性として被記録材との貼りつき性、印画時の濃度について評価をサーマルシミュレーターにより実施した。貼りつき性評価の基準としては、最初の印画中に貼りついたものは×、連続印画時に貼りついたものが△、貼りつきの発生しなかったものを○とした。印画時のシワ欠陥評価としては、印画テスト時にシワ欠陥の発生しなかったものを○、シワ欠陥の発生したものを×とした。結果を表2に示す。
Figure 0005434198
<各昇華型熱転写媒体における印画結果>
上記のように主となる2種類以上のバインダのガラス転位点温度が共に100℃以上で1種類は重合度が1800以上であり他方もう1種類は重合度が1500以下、副となるバインダの少なくとも1種類は主となる2種のバインダと反応する組み合わせとさせた場合には良好な印画性を得ることができた。一方でTgは高いものの平均分子量の低い樹脂のみで構成した場合(比較例2)では印画後の伸びが大きくなってしまいシワ欠陥が発生しやすくなってしまった。主となるバインダと反応する副樹脂の添加量が5%以下や50%以上の場合にも、やはり印画後の伸びが大きくなってしまいシワ欠陥が発生しやすくなってしまった。染料層に離型剤を添加した場合(実施例2、実施例3)には離型剤の効果により貼り付き性が改善され、より貼り付きづらくなることが確認された。
各インキの塗工特性を評価するために平台印刷機を用いてグラビア塗工適性の評価を実施した。このときの版はヘリオ彫刻版で線密度150L/inch彫刻角度0のベタ版を用いた。結果は塗工物の面性を目視で評価することにより実施した。結果を表3に示す。
Figure 0005434198
塗工適性評価結果
上記のように印画性の良かった比較例1及び比較例4ではインキ粘度が高く面性が悪く、塗工適性は低いと判断した。また、比較例7ではバインダを溶解させるために塩素系溶剤であるトリクロルエチレンを使用しており、これも実用上好ましくなく塗工性を低くしているといえる。これに対して実施例1ではインキとして高いTgかつバインダとして高い重合度を持っているにもかかわらず高い塗工適性を有していることが確認できた。
本発明により、熱をかけても被記録材と貼りつかないという耐熱性と熱が加わったときに記録媒体が伸びないという耐熱性を兼ね備えかつ汎用溶剤が使用可能でインキ粘度も低いという安定した製造が可能な昇華型熱記録媒体を提供できる。
1A ・・・ 基材
1B ・・・ 染料層
1C ・・・ 耐熱性樹脂層

Claims (5)

  1. 基材の裏面に耐熱性樹脂層を備え、他方表面に昇華性染料をバインダ中に含む染料層を少なくとも備えた昇華型熱転写媒体において、染料層に使用するバインダが2種類のポリビニルアセタール樹脂とイソシアネート樹脂の3種類であり、かつ、2種類のポリビニルアセタール樹脂はガラス転移点温度が100℃以上であり、且つ重合度が2100と1000であり、前記イソシアネート樹脂はバインダの2種類のポリビニルアセタール樹脂と反応し、染料層バインダ全体の平均分子量が2種類のポリビニルアセタール樹脂の平均分子量よりも大きいことを特徴とする昇華型熱転写媒体。
  2. 前記染料層中に離型剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の昇華型熱転写媒体。
  3. 離型剤がシリコーン系であることを特徴とする請求項2に記載の昇華型熱転写媒体。
  4. 離型剤がフッ素系であることを特徴とする請求項2に記載の昇華型熱転写媒体。
  5. 染料層の主となる2種類のバインダと反応する染料層の副となるバインダが染料層全バインダに対して5質量%以上50質量%以下含まれることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の昇華型熱転写媒体。

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