JP2724325B2 - 圧延用焼入ロールおよび製造方法 - Google Patents

圧延用焼入ロールおよび製造方法

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JP2724325B2
JP2724325B2 JP4118889A JP11888992A JP2724325B2 JP 2724325 B2 JP2724325 B2 JP 2724325B2 JP 4118889 A JP4118889 A JP 4118889A JP 11888992 A JP11888992 A JP 11888992A JP 2724325 B2 JP2724325 B2 JP 2724325B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高硬度で耐摩耗性に優
れた圧延用焼入ロールに係り、特に高温焼もどしの熱処
理で基地中からの炭化物の析出と基地の強化によりHR
C64.5以上の高硬度を有し、耐凹み疵性に優れた圧
延用焼入ロールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、圧延用焼入ロールは、JISに規
定されたSKD11から製造されたものが多い。このS
KD11からなる圧延用焼入ロールの熱処理法として
は、1000〜1050℃から焼入後、150〜200
℃で低温焼もどしを行なっている。硬さはHRC61程
度で用いるのが一般的である。SKD11は組成的には
Si,Mn,Mo,Vが低いため、高温焼もどしによる
硬さの増加は期待できない。また、SKD11にSiを
追加して高Siにした材質でも、得られる硬度はHRC
63.5程度が限度であった(公知例、特開昭53−1
08021号公報)。すなわち、焼入温度1030〜1
060℃から焼入後、500〜550℃の温度で高温焼
もどしを施し、二次硬化により硬さをあげる方法を試み
た(公知例、特開平1−201443号公報)。しか
し、この二次硬化による硬さの増加が小さく、HRC6
3.5程度であり、耐凹み疵性を防止するには不十分で
あった。上記の高温焼もどしにおいて、SKD11にS
iを追加した材料は、靭性の点では向上するものの硬さ
及び耐摩耗性の点で劣るため、圧延時に被圧延材の破片
及びロールからの摩耗粉、ほこり等により圧延中にロー
ル表面に凹み疵がつき、ロールに肌荒れ等の悪影響を及
ぼしたり、また、被圧延材に疵が転写して板の品質にも
悪影響を及ぼしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術による圧
延ロール用材料では、高硬度(HRC64.5以上)と耐
摩耗性が得られないため、圧延中に被圧延材の破片が巻
き込んでロール表面に凹み疵がつき、ロール寿命を短く
するという問題があり、また被圧延材に凹み疵が転写し
て板の精度を悪くするという問題があった。
【0004】本発明の目的は、前記従来技術の問題点を
解決し、高温焼もどしにより高硬度で耐摩耗性及び耐凹
み疵性に優れた圧延用焼入ロールを提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、圧延用焼
入ロールにおいて高硬度と耐摩耗性および耐凹み疵性を
得るための問題点を解決するために、Cの他に炭化物形
成元素である、Cr,Mo,W,V,Zr,Tiを添加
し、ロールの諸性質に悪影響を及ぼさない範囲で添加し
た。また、基地中を強化するために、Mn,Ni,C
o,Al,Cuをさらに、高温焼もどしによる二次強化
で硬さの増加をはかるため、Si,Bを添加した。
【0006】高温焼もどしで高硬度を得るために、焼入
後は高温の焼もどしにより残留オーステナイトの分解と
基地中に固溶した炭化物を二次硬化現象で析出させてH
RC64.5以上の硬さの増加を図ることができた。ま
た、焼入後は直ちに0〜−176℃の冷媒中で一定時間
保持後高温焼もどしを行なってもよい。硬さの増加は耐
摩耗性、耐凹み疵性を改善し本発明を完成させた。
【0007】すなわち、本発明の圧延用焼入ロールは、
重量%でC:1.6〜2.5%,Si:2〜3%,Mn:
0.8〜3%,Ni:0.5〜3%,Cr:13〜18
%,Mo:1〜4%,W:0.5〜2.5%,V:0.9
〜3.5%,Co:2〜5%を含み、必要に応じてZ
r:1%以下,Ti:0.5〜3%,B:0.1%以下,
Al:1%以下,Cu:1%以下の少なくとも1種以上
と他残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつCr
及びCの含有量の比Cr/Cが6〜9の範囲にある合金
から形成し、焼入れしたことを特徴としている。またこ
の圧延用焼入ロールの組成において、Mo,W,Vの総
量が2.4%以上で10%以下とするのがよい。
【0008】本発明の別の圧延用焼入ロールは、重量%
でC:1.6〜2.5%,Si:2〜3%,Mn:0.8
〜3%,Ni:0.5〜3%,Cr:13〜18%,M
o:1〜4%,W:0.5〜2.5%,V:0.9〜3.5
%,Co:2〜5%と、Zr:1%以下,Ti:0.5
〜3%,B:0.1%以下,Al:1%以下及びCu:
1%以下のうちの少なくとも1種以上とを含有し、残部
がFe及び不可避的不純物からなり、かつMo,W,V
の総量が2.4%以上で10%以下である合金鋼を、鋼
製の芯材周面に外層材として溶着して形成し、焼入れし
たことを特徴としている。いわゆる複合ロールである。
【0009】本発明の各圧延用焼入ロールにおいて、上
記組成の合金鋼からなる部分は、熱処理により、基地組
織をマルテンサイトとし、該マルテンサイト中にM6
型,MC型,M73型及びM236型の炭化物を含み、
その他ベイナイト組織と残留オーステナイト組織とを含
み、表面硬さがHRC64.5以上とするのがよい。
【0010】本発明の圧延用焼入ロールの製造方法は、
重量%でC:1.6〜2.5%,Si:2〜3%,Mn:
0.8〜3%,Ni:0.5〜3%,Cr:13〜18
%,Mo:1〜4%,W:0.5〜2.5%,V:0.9
〜3.5%,Co:2〜5%と、Zr:1%以下,T
i:0.5〜3%,B:0.1%以下,Al:1%以下及
びCu:1%以下のうちの少なくとも1種以上とを含有
し、残部がFe及び不可避的不純物からなる合金鋼の鋼
塊を1100〜1250℃で拡散焼鈍し、900〜12
00℃で熱間鍛造し、その熱間鍛造された鋼塊を所定形
状のロール材に機械加工し、そのロール材を950〜1
200℃で焼入れし、475〜600度で高温焼もどし
することを特徴としている。
【0011】また本発明の圧延用焼入ロールの別の製造
方法は、鋼製の芯材の外周に、重量%でC:1.6〜2.
5%,Si:2〜3%,Mn:0.8〜3%,Ni:0.
5〜3%,Cr:13〜18%,Mo:1〜4%,W:
0.5〜2.5%,V:0.9〜3.5%,Co:2〜5%
と、Zr:1%以下,Ti:0.5〜3%,B:0.1%
以下,Al:1%以下及びCu:1%以下のうちの少な
くとも1種以上とを含有し、残部がFe及び不可避的不
純物からなり、かつMo,W,Vの総量が2.4%以上
で10%以下である組成を有する外層材を形成し、焼入
れ処理する圧延用焼入ロールの製造方法において、前記
組成の材料からなる消耗電極をエレクトロスラグ再溶解
法により溶融させ、芯材に外層部として肉盛りしてロー
ル材を製造し、そのロール材を1100〜1250℃で
拡散焼鈍し、所定形状に機械加工し、950〜1200
℃で焼入れし、475〜600度で高温焼もどしするこ
とを特徴としている。
【0012】そして本発明のそれぞれの圧延用焼入ロー
ルの製造方法において、焼入れ後に焼入れされたロール
材を0〜−176℃でサブゼロ処理する工程を加えて、
サブゼロ処理されたロール材を高温焼もどしを行っても
よい。
【0013】上記のように、950〜1200℃から焼
入後、475〜600℃の高温焼もどしを行なうと、M
C,M6C,M73,M236型の炭化物、残留オーステ
ナイト及びベイナイト組織の金属組織になるため、HR
C64.5以上の高硬度と耐摩耗性ならびに複合型によ
る残留応力で硬さがさらに増加し耐凹み疵性にすぐれた
ものが得られる。
【0014】
【作用】本発明の圧延用焼入ロールは、重量%でC:
1.6〜2.5%,Si:2〜3%,Mn:0.8〜3
%,Ni:0.5〜3%,Cr:13〜18%,Mo:
1〜4%,W:0.5〜2.5%,V:0.9〜3.5%,
Co:2〜5%と、必要に応じてZr:1%以下,T
i:0.5〜3%,B:0.1%以下,Al:1%以下,
Cu:1%以下の少なくとも1種以上とを含み、残部が
Fe及び不可避的不純物からなり、かつCr/Cが6〜
9の範囲にある合金鋼から形成されている。この合金鋼
の組成を従来から用いられているSKD11と比較する
と、C量では0.2〜0.3%増加させた。また、炭化物
形成元素であるCr量は2〜3%,Mo量を0.2〜3.
8%,W量は0.5〜2.5%,V量は0.7〜2.5%と
増加させた。また、結晶粒の微細化と炭化物を形成する
Zrを1%以下、Ti:0.5〜3%の添加を行なっ
た。
【0015】一方、基地を強化させるためにはSi,M
n,Ni,Co,Al,Cuが有効であり、Siは二次
強化温度を高温側へ移行させるため靭性、耐事故性を向
上させる。B,Mn及びNiは焼入性に寄与する元素で
ある。Coは軟化抵抗性に寄与する元素である。上記の
元素はいずれも、高温焼もどしによる二次硬化で硬さの
増加をはかり、さらに、耐摩耗性及び靭性(耐熱衝撃
性)ならびに、耐凹み疵性を大巾に向上させ効果的に作
用する。
【0016】更に、基地中に炭化物形成元素であるC
r,Mo,W,V,Zrを固溶させ高温焼もどしでM6
C,MC型の炭化物を析出させて硬度を上昇させる。ま
た、Mo,W,Vの好ましい範囲は2.4≦Mo+W+
V≦10でHRC64.5以上の高硬度が得られる。ま
た、MC,M6C,M73型炭化物の他にマルテンサイ
ト、残留オーステナイトの金属組織により、高硬度と耐
摩耗性ならびに耐凹み疵性を向上させ、その作用はさら
に効果的となる。
【0017】次に、本発明にかかる合金鋼の各成分の限
定理由は次の通りである。
【0018】Cは焼入状態で一部基地に溶解し、その他
はMo,W,V,Zr,Crなどと結合して複合炭化物
を作る。Cは圧延用焼入ロールの性質には最も敏感に影
響を及ぼす元素である。Cが少ないと二次硬化による硬
度の上昇が少なく、反面、高すぎると基地中にセメンタ
イトが晶出して靭性、耐熱衝撃性が低下する。今回の詳
しい検討からC量が1.6%以下では硬さの上昇が小さ
く、2.5%以上になると靭性、耐熱衝撃性が劣化して
ロールには不向きである。最適範囲は1.6〜2.5%で
有り、十分な働きをすることが明らかとなった。
【0019】Siは製鋼精錬において普通元素として分
類され、鋼中にある程度不可避的に含まれている成分で
ある。通常は脱酸の目的で添加される程度であり、含有
量も0.4%以下となっている。しかし、高速度工具鋼
ではSi添加は焼もどしによる二次硬化を促進させ、硬
度及び耐摩耗性、靭性を向上させる。従って、2〜3%
が望ましい範囲である。2%以下では二次硬化の寄与が
少なく、3%を超すとM6C炭化物が塊状となる。した
がって、2〜3%が最適範囲である。
【0020】Mnは必ず含んでいる元素でとくに、規定
する必要はないが通常添加される量は0.4%以下であ
る。今回の検討においてMn量は0.8〜3%とした。
その根拠は焼入性、耐熱衝撃性の向上に寄与する元素で
0.8%以下では効果は少なく、3%以上では残留オー
ステナイト量が増加し、安定化により硬さの大巾な上昇
はみとめられない。0.8〜3%で十分な働きをする。
【0021】Niは金属組織を微細にし、基地中の強化
をはかる元素である。また、Cr及びMoと共存して焼
入性を増し、基地の強化をはかる元素である。また、C
r及びMoと共存して焼入性を増し、基地を強化し靭
性、耐熱衝撃性を向上させる。0.5%以下では上記の
特性が発揮されず、3%を超えるとオーステナイトが残
留して硬さがなくなるので0.5〜3%で十分である。
【0022】CrはCと結合してM73型の炭化物を晶
出して焼入性、耐摩耗性に寄与する元素である。本発明
にかかる合金鋼の組成範囲では、Cr/Cが6〜9で鋼
の硬度と耐摩耗性を向上する。Crは13〜18%で十
分な働きをするが、13%未満になると硬さ、耐摩耗性
の向上が小さく、Crが18%以上となるとCrが巨大
炭化物となり、靭性が劣化する。また、鍛造も困難とな
る。最適範囲は13〜18%である。
【0023】Moは一部Cと結合してM6C型炭化物を
形成し、残部は基地に固溶して二次硬化現象により硬さ
を増加させる。また、高温焼もどしにより、MC型及び
6C型炭化物を析出させて、硬度と耐摩耗性を向上さ
せる。1%以下では硬度と耐摩耗性、耐凹み疵性に劣
る。4%以上ではMo炭化物が網状に晶出して靭性が低
下する。その量は1〜4%で効果が発揮される。とく
に、好ましい量は1.6〜4%で十分である。
【0024】WはMoと同様に一部結合してM6C型炭
化物を形成し残部は基地中に固溶して基地を緻密なマル
テンサイト組織とし、二次硬化現象によりM6C,MC
炭化物を析出させて硬度の上昇をはかり0.5〜2.5%
で十分な働きをする。Mo,W,V間には2.4≦Mo
+W+V≦10の関係があり、この範囲で高硬度と耐摩
耗性が発揮される。
【0025】Tiは一部炭素と結合してTiCを形成
し、V,Crと併用して用いると耐摩耗性及び靭性がさ
らに、向上する。0.5〜3%で十分であり、3%を超
えるとTiCが角状となり、靭性を劣化させる。0.5
%以下では効果は少ない。
【0026】VはCと結合してきわめて硬い炭化物を作
り、耐摩耗性を上昇させる。3.5%以上になると研削
性及び溶解が困難となってくる。0.9%以下では耐摩
耗性の向上が小さくなる。最適範囲は0.9〜3.5%で
十分である。
【0027】Zrは炭化物及びフェライト生成元素であ
り、強力な清浄作用や結晶粒の微細効果をもたらす。ま
た、安定なZrC炭化物を形成する。最適範囲は1%で
十分である。1%を超えるとZrCが角状となり機械的
性質を劣化させる。
【0028】Coは炭化物を形成せずほとんど基地に固
溶する。CoはCのFeへの溶解度を高め、炭化物形成
元素を基地中に固溶する量を増し、二次硬化による高温
焼もどしにより硬さを増加させる。しかし、欠点は炭化
物の偏析を助長し、脆くする傾向がある。また、脱炭性
を増したり残留オーステナイト量を増す傾向がある。そ
の量は2〜5%で十分な働きをする。
【0029】Alは脱酸剤として用いられる元素で結晶
粒の粒細化元素であり、その量は1%以下であれば十分
な働きをする。1%を超えると鋳造性を悪くする。
【0030】Cuは組織の微細化に寄与する元素である
が、鍛造の際の割れの原因となる。1%以下であれば割
れは少ない。
【0031】Bは焼入性に寄与する元素であり、0.1
%以下であれば十分である。0.1%を超えると焼割れ
を生じる。
【0032】その他、不可避的に含有される不純物であ
るP,Nについて説明する。Pは微量でも偏析する元素
であり、焼割れ等の原因となる。脆性を著しく増加する
ので普通は0.1%以下であればとくに、問題ない。N
はオーステナイト組織を強く安定化するなどCと類似し
ている。その量は0.1%であれば害は少ない。
【0033】本発明の圧延用焼入ロールの製造方法で
は、十分な強度と靭性を有する鋼を芯材とし、その芯材
の外側に本発明の組織からなる消耗電極を配置し、エレ
クトロスラグ再溶解法により、芯材の外周部と消耗電極
を溶融しながら、順次凝固させて外層部材を形成させる
ので、その境界部に不溶着部やミクロキャビティ等の欠
陥のない、健全な接合部が得られる。したがって、本発
明では、鋼芯材の外層部材の一体化した複合ロールに熱
処理(焼入−サブゼロ処理−焼もどし)を施すことが可
能となり、また、残留応力により、高硬度と耐摩耗性、
靭性、耐熱衝撃性、耐凹み疵性が向上し、さらに適当な
金属組織をもった複合ロールの製造が可能である。
【0034】そして、一対の作業ロールと補強ロールに
支持された4重式圧延機、及び上下一対の作業ロールと
補強ロールを設け中間ロールが移動を行ない得るような
6重式圧延機、さらに、一対の作業ロールと中間ロール
と補強ロールを持つ多段式圧延機等のそれぞれのロール
として本発明の圧延用焼入ロールは使用できる。
【0035】
〔実施例1〕
本発明の実施例なる圧延用焼入ロールを形成する合金鋼
(本発明材という)の化学組成を、比較材及び従来材そ
れぞれの化学組成とともに表1に示す。
【0036】表1において、従来材11は冷間ダイス鋼
SKD11で、本発明材の組成よりもC,Si,Mn,
Cr,MoおよびVの量が低く、またNi,Co,W,
Zr,Ti,B,Al,Cuは添加されていない。
【0037】比較材8〜10の組成は本発明材のそれと
比較すると次のようになる。比較材8は本発明材よりS
i,Mn,Mo,Coの量が低い。比較材9は本発明材
よりC量が高く、Mn,V,Coの量が低い。比較材1
0は本発明材よりC,Ni,Cr,Coの量が低く、S
i,Mn,W,Vの量が高く、さらにZrを添加した組
成である。
【0038】本発明材1〜7の特徴は、一つはCrとC
の比を6〜9の範囲とした点にあり、また高温焼もどし
における二次硬化により硬さを増加させるために、M
o,W,Vの総量を2.4≦Mo+W+V≦10の範囲
とした。さらにSi量を2〜3%として高温焼もどしに
よる硬さの増加を図った。
【0039】本発明材、比較材及び従来材の各試料は、
高周波溶解炉で溶解し、金型に鋳込み鋼塊を製造した。
鋳込み後の鋼塊は880℃で10h保持し、次いで70
0℃で5h保持した後、炉冷する焼なましを行ない、そ
の鋼塊から熱処理硬さ、耐摩耗、曲げ抗析力、耐熱衝撃
性及び耐凹み疵性を調べるために試験片を採取した。
【0040】
【表1】
【0041】図1は本発明材の一つと従来材における焼
もどし回数と硬さの関係を示す。熱処理硬さは15mm
角の試験片を用いてロックウエル硬度計(HRC)で測
定した。従来材11は1050℃で1h加熱し、油冷し
た(以後このような熱処理を1050℃×1h→油冷と
記す)後、500℃×1h→空冷の焼もどしを5回繰返
し、それから硬さを測定した。硬さはHRC60.8の値
を示している。本発明材2は1075℃×1h→油冷
後、500℃×1h→空冷の焼戻しを5回繰返し、それ
から硬さを測定した。硬さはHRC66.2であった。ま
た、本発明材2を1075℃×0.5h→空冷後、直ち
に−70℃×30min→空冷のサブゼロ処理を行い、5
00℃×1h→空冷の高温焼もどしを5回行った。その
結果、HRC64.5以上の硬さが得られ、従来材11
よりも高い硬さを示すことが明白である。
【0042】図2は各試料におけるMo,W,Vの総量
と硬さの関係を示すグラフである。熱処理硬さは15m
m角の試験片を用いてロックウエル硬度計(HRC)で
測定した。熱処理については、従来材11は1050℃
×1h→油冷後、500℃×1h→空冷の焼もどしを5
回繰り返して行い、一方、本発明材1〜7及び比較材8
〜10はいずれも1075℃×1h→油冷後、500℃
×1h→空冷の焼もどしを5回繰返し、それぞれの試料
の硬さを測定した。従来材11はHRC60.8の値を示
し、また比較材8〜10はいずれもHRC61〜61.4
の硬さしか得られない。それに対して本発明材1〜7は
いずれもHRC65.0〜66.5の高い硬さが得られる
ことが明白となった。
【0043】図3は各試料におけるMo,W,Vの総量
と抗析力との関係を示すグラフである。抗析力により示
す靭性の評価は静的曲げ試験により行なった。試験片寸
法は厚さ4mm、幅5mm、長さ55mmであり、支点
間距離40mmとして中央一点荷重曲げ治具を用いて試
験した。なお、試験片の熱処理は、上記と同様に、従来
材11が1050℃×1h→油冷、500℃×1h→空
冷の焼もどしを5回繰り返した。本発明材1〜7及び比
較材8〜10は1075℃×1h→油冷後、500℃×
1h→空冷の焼戻しを5回繰り返した。図3からも明ら
かなように、本発明材1〜7はいずれも高い靭性値を示
し、従来材の1.5倍以上の靭性を示すことが明らかと
なった。
【0044】図4は各試料におけるMo,W,Vの総量
と耐熱衝撃性との関係を示すグラフである。耐熱衝撃性
試験では、試験片を電気炉中で昇降できるようにし、電
気炉中で500℃で3分加熱後、その下に設置した水槽
に浸漬して2分間冷却し、加熱冷却のサイクルを200
回繰返し行った。試験片寸法は20mmφ×20mml
とし、試験片の熱処理は、従来材11、本発明材1〜7
及び比較材8〜10ともそれぞれ上記硬さ試験及び曲げ
試験におけると同様である。
【0045】従来材11はクラック総長さが29.8m
mであり、比較材8〜10は25.8〜27.8mmであ
る。それらに対して、本発明材1〜7のクラック総長さ
は22〜23.8mmとクラック総長さが短くて耐熱衝
撃性にすぐれており、本発明材は高硬度であるにもかか
わらず、基地が強化されて靭性にすぐれていることが明
らかとなった。
【0046】図5は各試料におけるMo,W,Vの総量
と耐摩耗性との関係を示すグラフである。摩耗試験は回
転数600rpmで回転する直径200mmφのターン
テーブルにエメリーペーパをはり、その上に直径18m
mφの試験片を荷重800gで押し付け、2分20秒間
摩耗させる試験方法である。試験前後における試験片の
重量差をもって摩耗量とし、各試料の耐摩耗性を比較し
た。なお、試験片の熱処理は従来材11、本発明材1〜
7及び比較材8〜10とも上記硬さ試験及び曲げ試験に
おけると同様にした。
【0047】図5から明らかなように、従来材11の摩
耗量は178mgの値を示し、また比較材8〜10は1
55〜158mgの値を示す。それらに対して、本発明
材1〜7は132〜137mgと摩耗減量が少なく、い
ずれも優れた耐摩耗性を有することが明白である。
【0048】図6は各試料におけるMo,W,Vの総量
と耐凹み疵性との関係を示すグラフである。耐凹み疵性
の評価は、ブリネル硬さ計を用い、荷重3000kg、
30秒間押し付け、くぼみの直径を測定することにより
行った。試験片寸法は20mmφ×20mmlを用い
た。試験片の熱処理は従来材11、本発明材1〜7及び
比較材8〜10とも上記硬さ試験及び曲げ試験における
と同様に行った。
【0049】図6に示すように、くぼみの直径は、従来
材11では2.55mmと大きな値を示し、比較材8〜
10は2.43〜2.55mmであるが、本発明材1〜7
は2.0〜2.35mmとくぼみ径が小さく、優れた耐凹
み性を示すことは明らかである。
【0050】〔実施例2〕 本発明材6と従来材11とを用いて、それぞれ多段式圧
延機の作業ロールを作製した。表2に本発明材3と従来
材11の組成を示す。
【0051】
【表2】
【0052】図7にその多段式圧延機のロール構成を示
す。図中、5は圧延材で、1、1′は圧延材5を圧延す
る作業ロールであり、2、2′は作業ロールと接する第
1中間ロールであり、3、3′は第1中間ロール2、
2′と接する第2中間ロールであり、4、4′は第2中
間ロール3、3′と接するバックアップベアリングロー
ルであり、6、6′は上記各種ロールを支持するロール
ハウジングである。
【0053】作業ロールの作製方法は、高周波溶解炉で
溶製した鋼塊を880℃×10h→770℃×5h→炉
冷の二段焼なまし後、1150℃×15h→炉冷の拡散
焼鈍を行なった。拡散焼鈍後は熱間鍛造を行なった。1
000〜1150℃の温度範囲で直径80mm×長さ1
200mmに鍛造した。鍛造後は焼なましを行ない、直
径70mm×長さ1000mmに機械加工を施した。磁
気探傷及び染色試験により検査を行なった結果、無欠陥
であった。
【0054】熱処理は、従来材11が1050℃から焼
入後、500℃で焼もどしを行なった。本発明材3は1
075℃から焼入後、500℃の高温焼もどしを5回繰
り返した。その結果、ロール表面の強さはHs92(H
RC65.9)の高強度が得られた。
【0055】〔実施例3〕 本発明材2と従来材11とを用いて、それぞれ4重式圧
延機の作業ロールを作製した。表3に本発明材2と従来
材11の組成を示す。
【0056】
【表3】
【0057】図8にその4重式圧延機のロール構成を示
す。図中、圧延材5を挾んで直接圧延する上、下一対の
作業ロール1、1′は、補強ロール7、7′でバックア
ップされている。
【0058】作業ロール1、1′用の鋼塊はエレクトロ
スラグ再溶解装置を用いて作製した。即ち、直径320
mm、高さ730mmの水冷鋳型の内部に直径200m
m、高さ1300mmの鋼製芯材(軸受鋼)をスタート
盤上に設置し、芯材の外周に溶着する外層材として本発
明材2からなる内径235mm、外径280mmの円筒
状消耗電極を用い、フラックスを挿入して溶解し、鋼塊
を作製した。溶製した鋼塊の溶着性について調べるた
め、超音波探傷試験により芯材と外層材との接合境界部
の健全についてチェックした。その結果、外層部は芯材
と完全に溶着一体化されていることが確認された。さら
に溶製後の鋼塊を横断面状に切断し、マクロ組織による
外観を観察した。マクロ組織からは接合部にミクロキャ
ビティ等の内部欠陥は発生していないことが確認され
た。したがって、高速圧延、高圧下、高荷重圧延を行な
っても接合境界部からのはく離は生じないことが明らか
である。
【0059】溶解後の鋼塊は1150℃×15h→炉冷
の拡散焼鈍を行ない、その後ロール材として直径300
mm×長さ700mmに機械加工を行なった。また従来
材11を外層材とするロール材を上記本発明材2の場合
と同様にして作製した。次いで各ロール材に熱処理を施
した。従来材11の外層を有するロール材は1050℃
から焼入れ後、500℃×1h→空冷の焼もどし5回を
行なった。また本発明材2外層材とするロール材は10
75℃から焼入後、500℃×1h→空冷の焼もどしを
5回繰り返して行なった。
【0060】焼入れ焼もどし後、従来材11の外層を有
するロール材はロール表面の硬さがHs82(HRC6
0.8)であった。一方、本発明材2の外層を有するは
ロール材はロール表面の硬さがHs93(HRC66.
2)で作業ロールとして十分高い硬さを示し、もた熱処
理時の割れ発生もなく、4重式圧延機の作業ロールとし
て優れた材質であることが確認できた。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、圧延用焼入ロールを、
重量%でC:1.6〜2.5%、Si:2〜3%、Mn:
0.8〜3%、Ni:0.5〜3%、Cr:13〜18
%、Mo:1〜4%、W:0.5〜2.5%、V:0.9
〜3.5%、Co:2〜5%と、Zr1%以下、Ti0.
5〜3%、B0.1%以下、Al1%以下及びCu1%
以下の少なくとも1種とを含有し、かつCr/Cが6〜
9である合金鋼から形成し、なかでも特に2.4≦Mo
+W+V≦10の範囲にして、焼入れ焼もどしすること
により、硬さがHRC64.5以上で、従来材SKD11
からなるものよりも、硬さではHRCで5度上昇し、耐
摩耗性は1.2倍以上向上し、しかも高硬度でありなが
ら靭性も1.5倍も改善され、耐凹み疵性も1.2倍以上
向上できた。
【0062】従って本発明の圧延用焼入ロールを4重式
及び多段式圧延機の作業ロール等に用いることにより、
耐摩耗性の点からロール寿命を延長することができ、耐
凹み疵性の点から圧延板の表面精度、寸法精度を向上で
きるという効果がある。
【0063】また圧延用焼入ロールの製造方法は、エレ
クトロスラグ再溶解法で、上記組成の合金鋼を鋼製の芯
材の外層材として溶着一体化すれば、芯材と外層材との
接合部にはミクロギャビティが発生せず、熱処理による
割れ等の欠陥発生を防止でき、材料コスト低減するとと
もに、耐摩耗性、耐凹み疵性に優れた圧延ロールを製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧延用焼入ロールに用いる本発明材の一つ及び
従来材における焼もどし回数と硬さの関係を示すグラフ
である。
【図2】本発明材のMo,W,Vの総量と硬さの関係を
示すグラフである。
【図3】本発明材のMo,W,Vの総量と抗析力の関係
を示すグラフである。
【図4】本発明材のMo,W,Vの総量と耐熱衝撃性の
関係を示すグラフである。
【図5】本発明材のMo,W,Vの総量と耐摩耗性の関
係を示すグラフである。
【図6】本発明材のMo,W,Vの総量と耐凹み疵性の
関係を示すグラフである。
【図7】多段式圧延機のロール構成を示す概略断面図で
ある。
【図8】4重式圧延機のロール構成を示す概略断面図で
ある。
【符号の説明】
1、1′ 作業ロール 2、2′ 中間ロール 3、3′ 中間ロール 4、4′ バックアップベアリング 5 圧延材 6、6′ ハウジング 7、7′ バックアップロール
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/52 C22C 38/52 38/58 38/58 (72)発明者 安田 健 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 児玉 英世 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 下タ村 修 茨城県勝田市堀口832番地の2 株式会 社 日立製作所 素形材事業部内 (72)発明者 佐川 六合徳 茨城県勝田市堀口832番地の2 株式会 社 日立製作所 素形材事業部内 (56)参考文献 特開 昭61−41747(JP,A) 特開 昭52−142618(JP,A)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%でC:1.6〜2.5%,Si:2
    〜3%,Mn:0.8〜3%,Ni:0.5〜3%,C
    r:13〜18%,Mo:1〜4%,W:0.5〜2.5
    %,V:0.9〜3.5%,Co:2〜5%と、Zr:1
    %以下,Ti:0.5〜3%,B:0.1%以下,Al:
    1%以下及びCu:1%以下のうちの少なくとも1種以
    上とを含有し、残部がFe及び不可避的不純物からな
    り、かつCr及びCの含有量の比Cr/Cが6〜9の範
    囲にある合金鋼から形成し、焼入れしたことを特徴とす
    る圧延用焼入ロール。
  2. 【請求項2】 重量%でC:1.6〜2.5%,Si:2
    〜3%,Mn:0.8〜3%,Ni:0.5〜3%,C
    r:13〜18%,Mo:1〜4%,W:0.5〜2.5
    %,V:0.9〜3.5%,Co:2〜5%と、Zr:1
    %以下,Ti:0.5〜3%,B:0.1%以下,Al:
    1%以下及びCu:1%以下のうちの少なくとも1種以
    上とを含有し、残部がFe及び不可避的不純物からな
    り、かつMo,W,Vの総量が2.4%以上で10%以
    下である合金鋼から形成し、焼入れしたことを特徴とす
    る圧延用焼入ロール。
  3. 【請求項3】 基地組織をマルテンサイトとし、該マル
    テンサイト中にM6C型,MC型,M73型及びM236
    型の炭化物を含み、その他ベイナイト組織と残留オース
    テナイト組織とを含むことを特徴とする請求項1または
    記載の圧延用焼入ロール。
  4. 【請求項4】 表面硬さがHRC64.5以上であること
    を特徴とする請求項記載の圧延用焼入ロール。
  5. 【請求項5】 重量%でC:1.6〜2.5%,Si:2
    〜3%,Mn:0.8〜3%,Ni:0.5〜3%,C
    r:13〜18%,Mo:1〜4%,W:0.5〜2.5
    %,V:0.9〜3.5%,Co:2〜5%と、Zr:1
    %以下,Ti:0.5〜3%,B:0.1%以下,Al:
    1%以下及びCu:1%以下のうちの少なくとも1種以
    上とを含有し、残部がFe及び不可避的不純物からな
    り、かつ、Mo,W,Vの総量が2.4%以上で10%
    以下である合金鋼を、鋼製の芯材周面に外層材として溶
    着して形成し、焼入れしたことを特徴とする圧延用焼入
    ロール。
  6. 【請求項6】前記外層材の基地組織をマルテンサイトと
    し、該マルテンサイト中にM6C型,MC型,M73
    及びM236型の炭化物を含み、その他ベイナイト組織
    と残留オーステナイト組織とを含むことを特徴とする請
    求項記載の圧延用焼入ロール。
  7. 【請求項7】 前記外層材の表面硬さがHRC64.5以
    上であり、前記芯材の強さが80Kg/mm2であるこ
    とを特徴とする請求項又はに記載の圧延用焼入ロー
    ル。
  8. 【請求項8】 請求項1ないしのいずれかに記載の圧
    延用焼入ロールを作業ロールとして備えたことを特徴と
    する4重圧延機。
  9. 【請求項9】 請求項1ないしのいずれかに記載の圧
    延用焼入ロールを作業ロールと中間ロールとして備えた
    ことを特徴とする6重圧延機。
  10. 【請求項10】 請求項1ないしのいずれかに記載の
    圧延用焼入ロールを作業ロールと中間ロールとして備え
    たことを特徴とする多段式圧延機。
  11. 【請求項11】 重量%でC:1.6〜2.5%,Si:
    2〜3%,Mn:0.8〜3%,Ni:0.5〜3%,C
    r:13〜18%,Mo:1〜4%,W:0.5〜2.5
    %,V:0.9〜3.5%,Co:2〜5%と、Zr:1
    %以下,Ti:0.5〜3%,B:0.1%以下,Al:
    1%以下及びCu:1%以下のうちの少なくとも1種以
    上とを含有し、残部がFe及び不可避的不純物からな
    り、かつMo,W,Vの総量が2.4%以上で10%以
    下である合金鋼の鋼塊を、1100〜1250℃で拡散
    焼鈍し、900〜1200℃で熱間鍛造し、所定形状の
    ロール材に機械加工し、該機械加工されたロール材を9
    50〜1200℃で焼入れし、475〜600度で高温
    焼もどしすることを特徴とする圧延用焼入ロールの製造
    方法。
  12. 【請求項12】 鋼製の芯材の外周に、重量%でC:
    1.6〜2.5%,Si:2〜3%,Mn:0.8〜3
    %,Ni:0.5〜3%,Cr:13〜18%,Mo:
    1〜4%,W:0.5〜2.5%,V:0.9〜3.5%,
    Co:2〜5%と、Zr:1%以下,Ti:0.5〜3
    %,B:0.1%以下,Al:1%以下及びCu:1%
    以下のうちの少なくとも1種以上とを含有し、残部がF
    e及び不可避的不純物からなり、かつMo,W,Vの総
    量が2.4%以上で10%以下である組成を有する外層
    材を形成し、焼入れ処理する圧延用焼入ロールの製造方
    法において、前記組成の材料からなる消耗電極をエレク
    トロスラグ再溶解法により溶融させ、前記芯材に外層部
    として肉盛りしてロール材を製造し、該製造されたロー
    ル材を1100〜1250℃で拡散焼鈍し、所定形状に
    機械加工し、該機械加工されたロール材を950〜12
    00℃で焼入れし、475〜600度で高温焼もどしす
    ることを特徴とする圧延用焼入ロールの製造方法。
  13. 【請求項13】請求項11または12に記載の圧延用焼
    入ロールの製造方法において、前記950〜1200℃
    で焼入れと475〜600度で高温焼もどしとの間に0
    〜マイナス176℃でサブゼロ処理する工程を加えたこ
    とを特徴とする圧延用焼入ロールの製造方法。
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