JP2722612B2 - 車両のエンジン出力制御方法 - Google Patents

車両のエンジン出力制御方法

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JP2722612B2 JP4242189A JP4242189A JP2722612B2 JP 2722612 B2 JP2722612 B2 JP 2722612B2 JP 4242189 A JP4242189 A JP 4242189A JP 4242189 A JP4242189 A JP 4242189A JP 2722612 B2 JP2722612 B2 JP 2722612B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は車両のエンジン出力を目標とするエンジン出
力にする車両のエンジン出力制御方法に関する。
(従来の技術) 従来、エンジン出力を所定の目標エンジントルクとす
るようにエンジンを制御するものの1つとして、自動車
が急加速された場合に生じる駆動輪のスリップを防止す
る加速スリップ防止装置(トラクションコントロール装
置)が知られている。このようなトラクションコントロ
ール装置においては、駆動輪の加速スリップを検出する
とタイヤと路面との摩擦係数μが最大範囲(第18図の斜
線範囲)にくるように、スリップ率Sを制御していた。
ここで、スリップ率Sは[(VF−VB)/VF]×100(パ
ーセント)であり、VFは駆動輪の車輪速度、VBは車体
速度である。つまり、駆動輪のスリップを検出した場合
には、スリップ率Sが斜線範囲に来るようにエンジン出
力を制御することにより、タイヤと路面との摩擦係数μ
が最大範囲に来るように制御して、加速時に駆動輪のス
リップを防止して自動車の加速性能を向上させるように
している。
(発明が解決しようとする課題) このようなトラクションコントロール装置において
は、駆動輪のスリップを検出した場合には、エンジン出
力をスリップが発生しない目標エンジン出力になるよう
に制御することが要求される。例えば、エンジンの吸気
経路にアクセルペダルと連動する主スロットル弁と電動
で制御される副スロットル弁を設けているトラクション
コントロール装置においては、目標エンジン出力を得る
ためには、主スロットル弁の開度を考慮して副スロット
ル弁の開度を制御する必要がある。
本発明の上記の点に鑑みてなされたもので、その目的
は、エンジンの吸気経路にアクセルペダルと連動する主
スロットル弁と電動で制御される副スロットル弁を設け
ているエンジン出力制御装置において、エンジン出力を
目標エンジントルクとなるように副スロットル弁の開度
を精度良く制御することができる車両のエンジン出力制
御方法を提供することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段及び作用) 車両用エンジンへの吸気経路にアクセルペダルの操作
量に応じてその開度Θ1が制御される主スロットル弁及
び電気的にその開度Θ2が制御される副スロットル弁を
設け、副スロットル弁の開度Θ2を制御することによ
り、上記エンジンの出力を制御しているエンジン出力制
御装置において、エンジンが出力すべき目標エンジント
ルクを算出する目標エンジントルク算出手段と、上記目
標エンジントルクを発生させるために必要なエンジン1
回転当りの目標吸入空気量を算出する目標吸入空気量算
出手段と、上記エンジンの1回転当りの目標吸入空気量
から上記主及び副スロットル弁を1つの等価スロットル
弁と仮定した場合の等価スロットル開度Θhを算出する
等価スロットル弁開度算出手段と、等価スロットル開度
Θhと主スロットル弁の開度Θ1との関係で定まる補正
係数を記憶する補正係数記憶手段、この補正係数により
上記等価スロットル開度Θhを補正して副スロットル弁
開度Θ2を算出する副スロットル弁開度算出手段とを備
えた車両のエンジン出力制御方法である。
(実施例) 以下、図面を参照して本発明の一実施例に係わる車両
のエンジン出力制御方法が採用される車両の加速スリッ
プ防止装置について説明する。第1図は車両の加速スリ
ップ防止装置を示す構成図である。同図は前輪駆動車を
示しているもので、WFRは前輪右側車輪、WFLは前輪左
側車輪、WRRは後輪右側車輪、WRLは後輪左側車輪を示
している。また、11は前輪右側車輪(駆動輪)WFRの車
輪速度VFRを検出する車輪速度センサ、12は前輪左側車
輪(駆動輪)WFLの車輪速度VFLを検出する車輪速度セ
ンサ、13は後輪右側車輪(従動輪)WRRの車輪速度VRR
を検出する車輪速度センサ、14は後輪左側車輪(従動
輪)WRLの車輪速度VRLを検出する車輪速度センサであ
る。上記車輪速度センサ11〜14で検出された車輪速度V
FR,VFL,VRR、VRLはトラクションコントローラ15に入力
される。このトラクションコントローラ15には図示しな
い吸気温度センサで検出される吸気温度AT、図示しない
大気圧センサで検出される大気圧AP、図示しない回転セ
ンサで検出されるエンジン回転速度Ne、図示しないエア
フローセンサで検出されるエンジン回転1サイクル当り
の吸入空気量A/N、図示しない油温センサで検出される
トランスミッションの油温OT、図示しない水温センサで
検出されるエンジンの冷却水温WT、図示しないエアコン
スイッチの操作状態、図示しないパワステスイッチSWの
操作状態、図示しないアイドルスイッチの操作状態、図
示しないパワステポンプ油温OP、図示しない筒内圧セン
サにより検出されるエンジンの気筒の筒内圧CP、図示し
ない燃焼室壁温センサで検出されるエンジンの燃焼室壁
温度CT、オルタネータの励磁電流iΦ、エンジン始動後
の時間を計数する図示しないタイマから出力される始動
後経過時間τが入力される。このトラクションコントロ
ーラ15はエンジン16に制御信号を送って加速時間の駆動
輪のスリップを防止する制御を行なっている。このエン
ジン16は第1図(A)に示すようにアクセルペダルによ
りその開度Θ1が操作される主スロットル弁THmの他
に、上記トラクションコントローラ15からの後述する開
度信号Θsによりその開度Θ2が制御される副スロット
ル弁THsを有している。この副スロットル弁THsの開度Θ
2はトラクションコントローラ15からの開度信号Θsに
よりモータ駆動回路52がモータ52mの回転を制御するこ
とにより行われる。そして、このように副スロットル弁
THmの開度Θ2を制御することによりエンジン16の駆動
力を制御している。なお、上記主スロットル弁THm、副
スロットル弁THsの開度Θ1,Θ2はそれぞれスロットル
ポジションセンサTPS1、TPS2により検出されて上記モー
タ駆動回路52に出力される。さらに、上記主及び副スロ
ットル弁THm,THsの上下流間にはアイドリング時の吸入
空気量を確保するためのバイパス通路52bが設けられて
おり、このバイパス通路52bの開度量はステッパモータ5
2sにより制御される。また、上記主及び副スロットル弁
THm,THsの上下流間にはバイパス通路52cが設けられてお
り、このバイパス通路52cにはエンジン16の冷却水温WT
に応じてその開度が調整されるワックス弁52Wが設けら
れる。
また、17は前輪右側車輪WFRの制御を行なうホイール
シリンダ、18は前輪左側車輪WFLの制御を行なうホイー
ルシリンダである。通常これらのホイールシリンダには
ブレーキペダル(図示せず)を操作すると、圧油が供給
される。トラクションコントロール作動時には次に述べ
る別の経路からの圧油の供給を可能としている。上記ホ
イールシリンダ17への油圧源19からの圧油の供給はイン
レットバルブ17iを介して行われ、上記ホイールシリン
ダ17からリザーバ20への圧油の排出はアウトレットバル
ブ17oを介して行われる。また、上記ホイールシリンダ1
8への油圧源19からの圧油の供給はインレットバルブ18i
を介して行われ、上記ホイールシリンダ18からリザーバ
20への圧油の排出はアウトレットバルブ18oを介して行
われる。そして、上記インレットバルブ17i及び18i、上
記アウトレットバルブ17o及び18oの開閉制御は上記トラ
クションコントローラ15により行われる。
次に、第2図を参照して上記トラクションコントロー
ラ15の詳細な構成について説明する。
同図において、11,12は駆動輪WFR,WFLの車輪速度VF
R,VFLを検出する車輪速度センサであり、この車輪速度
センサ11,12により検出された駆動輪速度VFR、VFL
は、何れも高車速選択部31及び平均部32に送られる。高
車速選択部31は、上記駆動輪速度VFR,VFLのうちの高車
輪速度側を選択するもので、この高車速選択部31により
選択された駆動輪速度は、重み付け部33に出力される。
また、上記平均部32は、上記車輪速度センサ11,12から
得られた駆動輪速度VFR,VFLから、平均駆動輪速度(V
FR+VFL)/2を算出するもので、この平均部32により算
出された平均駆動輪速度は、重み付け部34に出力され
る。重み付け部33は、上記高車速選択部31により選択出
力された駆動輪WFR,WFLの何れか高い方の車輪速度をKG
倍(変数)し、また、重み付け部34は、平均部32により
平均出力された平均駆動輪速度を(1−KG)倍(変数)
するもので、上記各重み付け部33及び34により重み付け
された駆動輪速度及び平均駆動輪速度は、加算部35に与
えられて加算され、駆動輪速度VFが算出される。
ここで、上記変数KGは、第3図で示すように、求心
加速度GYに応じて変化する変数であり、求心加速度GYが
所定値(例えば0.1g)まではその値の大小に比例し、そ
れ以上で「1」になるよう設定される。
一方、車輪速度センサ13,14により検出される従動輪
速度VRR,VRLは、何れも低車速選択部36及び高車速選択
部37に送られる。低車速選択部36は、上記従動輪速度V
RR,VRLのうちの低車輪速度側を選択し、また、高車速選
択部37は、上記従動輪速度VRR,VRLのうちの高車輪速度
側を選択するもので、この低車速選択部36により選択さ
れた低従動輪速度は重み付け部38に、また、高車速選択
部37により選択された高従動輪速度は重み付け部39に出
力される。重み付け部38は、上記低車速選択部36により
選択出力された従動輪WRR,WRLの何れか低い方の車輪速
度をKr倍(変数)し、また、重み付け部39は、上記高車
速選択部37により選択出力された従動輪WRR,WRLの何れ
か高い方の車輪速度を(1−Kr)倍(変数)するもの
で、上記各重み付け部38及び39により重み付けされた従
動輪速度は、加算部40に与えられて加算され、従動輪速
度VRが算出される。この加算部40で算出された従動輪
速度VRは、乗算部40′に出力される。この乗算部40′
は、上記加算算出された従動輪速度VRを(1+α)倍
するもので、この乗算部40′を経て従動輪速度VRR,VRL
に基づく目標駆動輪速度Vφが算出される。
ここで、上記変数Krは、第4図で示すように、求心加
速度GYに応じて「1」〜「0」の間を変化する変数であ
る。
そして、上記加算部35により算出された駆動輪速度V
F、及び乗算部40′により算出された目標駆動輪速度V
φは、減算部41に与えられる。この減算部41は、上記駆
動輪速度VFから目標駆動輪速度Vφを減算し、駆動輪
WFR,WFLのスリップ量DVi′(VF−Vφ)を算出するも
ので、この減算部41により算出されたスリップ量DVi′
は加算部42に与えられる。この加算部42は、上記スリッ
プ量DVi′を、求心加速度GY及びその変化率ΔGYに応じ
て補正するもので、求心加速度GYに応じて変化するスリ
ップ補正量Vg(第5図参照)はスリップ量補正部43から
与えられ、求心加速度GYの変化率ΔGYに応じて変化する
スリップ補正量Vd(第6図参照)はスリップ量補正部44
から与えられる。つまり、加算部42では、上記減算部か
ら得られたスリップ量DVi′に各スリップ補正量Vg,Vdを
加算するもので、この加算部42を経て、上記求心加速度
GY及びその変化率ΔGYに応じて補正されたスリップ量DV
iは、例えば15msのサンプリング時間T毎にTSn演算部45
及びTPn演算部46に送られる。
TSn演算部45における演算部45aは、上記スリップ量DV
iに計数KIを乗算し積分した積分型補正トルクTSn′(=
ΣKI・DVi)を求めるもので、この積分型補正トルクTS
n′は係数乗算部45bに送られる。つまり、上記積分型補
正トルクTSn′は、駆動輪WFR,WFLの駆動トルクに対す
る補正値であり、該駆動輪WFR,WFLとエンジン16との間
に存在する動力伝達機構の変速特性が変化するのに応じ
てその制御ゲインを調整する必要があり、係数乗算部45
bでは、上記演算部45aから得られた積分型補正トルクTS
n′に変速段により異なる係数GKiを乗算し、該変速段に
応じた積分型補正トルクTSnを算出する。ここで、上記
変数KIは、スリップ量DViに応じて変化する係数であ
る。
一方、TPn演算部46における演算部46aは、上記スリッ
プ量DViに係数Kpを乗算した比例型補正トルクTPn′(=
DVi・Kp)を求めるもので、この比例型補正トルクTPn′
は係数乗算部46bに送られる。つまり、この比例型補正
トルクTPn′も、上記積分型補正トルクTSn′同様、駆動
輪WFR,WFLの駆動トルクに対する補正値であり、該駆動
輪WFR,WFLとエンジン16との間に存在する動力伝達機構
の変速特性が変化するのに応じてその制御ゲインを調整
する必要のあるもので、係数乗算部46bでは、上記演算
部46aから得られた比例型補正トルクTSn′に変速段によ
り異なる係数GKpを乗算し、該変速段に応じた比例型補
正トルクTPnを算出する。
一方、上記加算部40により得られる従動輪速度はVR
は、車体速度VBとして基準トルク演算部47に送られ
る。この基準トルク演算部47は、まず車体加速度演算部
47aにおいて上記車体速度VBの加速度GBを算出するも
ので、この車体加速度演算部47aにより得られた車体加
速度GBはフィルタ47bを介し車体加速度GBFとして基準
トルク算出部47cに送られる。この基準トルク算出部47c
は、上記車体加速度GBF及び車重W及び車輪半径Reに基
づき基準トルクTG(=GBF×W×Re)を算出するもの
で、この基準トルクTGが本来エンジン16が出力すべき
車軸トルク値となる。
次に、上記基準トルク演算部47により算出された基準
トルクTGは、減算部48に出力される。この減算部48
は、上記基準トルク演算部47より得られる基準トルクT
Gから前記TSn演算部45にて算出された積分型補正トルク
TSnを減算するもので、その減算データはさらに減算部4
9に送られる。この減算部49は、上記減算部48から得ら
れた減算データからさらに前記TPn演算部46にて算出さ
れた比例型補正トルクTPnを減算するもので、その減算
データは駆動輪WFR,WFLを駆動する車軸トルクの目標ト
ルクTφとしてスイッチS1を介しエンジントルク変換部
500に送られる。つまり、 Tφ=TG−TSn−TPnとされる。
上記フィルタ47bは、基準トルク演算部47cで算出され
る基準トルクTGを、時間的にどの程度手前の車体加速
度GBに基づき算出させるかを例えば3段階に定めるも
ので、つまりこのフィルタ47bを通して得られる車体加
速度GBFは、今回検出した車体加速度GBnと前回までの
フィルタ47bの出力である車体加速度GBFn−1とによ
り、現在のスリップ率S及び加速状態に応じて算出され
る。
例えば、現在車両の加速度が増加している際にそのス
リップ率Sが第15図の範囲「1」で示す状態にある場合
には、素早く「2」の状態へと移行させるため、車体加
速度GBFは、前回のフィルタ47bの出力であるGBFn−1
と今回検出のGBnとを同じ重み付けで平均して最新の車
体加速度GBFとして下式(1)により算出される。
GBFn=(GBn+GBFn−1)/2 …(1) また、例えば現在車両の加速度が減少している際にそ
のスリップ率SがS>S1で第15図で示す範囲「2」→
「3」に移行するような場合には、可能な限り「2」の
状態を維持させるため、車体加速度GBFは、前回のフィ
ルタ47bの出力GBFn−1に近い値を有する車体加速度G
BFnとして下式(2)により算出される。
GBFn=(GBn+7GBFn−1)/8 …(2) さらに、例えば現在車両の加速度が減少している際に
そのスリップ率SがS≦S1で第15図で示す「2」→
「1」に移行したような場合には、可能な限り範囲
「2」の状態に戻すため、車体加速度GBFは、前回のフ
ィルタ47bの出力GBFn−1に更に重みが置かれて、上記
式(2)で算出するときに比べ、前回算出の車体加速度
GBFn−1に近い値を有する車体加速度GBFnとして下式
(3)により算出される。
GBFn=(GBn+15GBFn−1)/16 …(3) 次に、上記基準トルク演算部47により算出された基準
トルクTGは、減算部48に出力される。この減算部48
は、上記基準トルク演算部47より得られる基準トルクT
Gから前記TSn演算部45にて算出された積分型補正トルク
TSnを減算するもので、その減算データはさらに減算部4
9に送られる。この減残部49は、上記減算部48から得ら
れた減算データからさらに前記TPn演算部46にて算出さ
れた比例型補正トルクTPnを減算するもので、その減算
データは駆動輪WFR,WFLを駆動する車軸トルクの目標ト
ルクTφとしてスイッチS1を介しエンジントルク変換部
500に送られる。つまり、 Tφ=TG−TSn−TPnとされる。
このエンジントルク変換部500は、上記減算部49から
スイッチS1を介して与えられた駆動輪WFR,WFLに対する
目標トルクTφを、エンジン16と上記駆動輪車軸との間
の総ギア比で除算して目標エンジントルクT1に換算して
いる。この目標エンジントルクT1はトルコン応答遅れ補
正部501に出力される。このトルコン応答遅れ補正部501
はトルクコンバータ(図示しない)の応答遅れに応じて
上記エンジントルクT1を補正して目標エンジントルクT2
を出力する。この目標エンジントルクT2はT/M(トラン
スミッション)フリクション補正部502に出力される。
このT/Mフリクション補正部502において、上記目標エン
ジントルクT2にトランスミッションでのフリクションに
よるエンジントルクの損失分が加算されて、目標エンジ
ントルクT3とされる。この目標エンジントルクT3は外部
負荷補正部503に出力される。この外部負荷補正部503に
おいて、上記目標エンジントルクT3にエアコン等の電気
負荷によるエンジントルクの損出分が加算されて目標エ
ンジントルクT4が算出される。この目標エンジントルク
T4は大気条件補西部504に出力される。この大気条件補
正部504において、大気条件、つまり大気圧APにより上
記目標エンジントルクT4が補正されて目標エンジントル
クT5とされる。さらに、上記目標エンジントルクT5は運
転条件補正部505に出力される。この運転条件補正部505
において、上記目標エンジントルクT5がエンジンの運転
状態、例えばエンジン冷却水温WTに応じて補正されて目
標エンジントルクT6が下限値設定部506に出力される。
この下限値設定部506は上記目標エンジントルクT6の下
限値を、例えば第16図及び第17図に示すように、トラク
ションコントロール開始からの経過時間tあるいは車体
速度VBに応じて変化る下限値Tlimにより制限して、目
標エンジントルクT7として目標空気量算出部507に出力
する。この目標空気量算出部507において、目標エンジ
ントルクT7を出力するためのエンジン1回転当りの目標
空気量(質量)A/Nmが算出される。
この目標空気量算出部507は上記エンジン16において
上記目標エンジントルクT7を出力するためのエンジン1
回転当りの目標空気量(質量)A/Nmを算出しているもの
で、この目標空気量A/Nmはエンジン回転速度Neと目標エ
ンジントルクT7に基づき第34図の3次元マップが参照さ
れて目標空気量(質量)A/Nmが求められる。
A/Nm=f[Ne,T7] ここで、A/Nmはエンジン1回転当りの吸入空気量(質
量)であり、 f[Ne,T7]はエンジン回転数Ne,目標エンジントルク
T7をパラメータとした3次元マップである。
さらに、上記目標空気量算出部507において、下式に
より上記目標空気量(質量)A/Nmが吸気温度AT及び大気
圧APにより補正されて標準大気状態での目標空気量(体
積)A/Nvに換算される。
A/Nv =(A/Nm)/{Kt(AT)*Kp(AP)} ここで、A/Nvはエンジン1回転当りの吸入空気量(体
積)、Ktは吸気温度(AT)をパラメータとした密度補正
係数(第36図参照)、Kpは大気圧(AP)をパラメータと
した気密補正係数(第37図参照)である。
上記目標空気量A/Nv(体積)は目標空気量補正部508
に送られて、吸気温による補正が行われて、目標空気量
A/N0が下式により算出される。
A/N0=A/Nv*Ka′(AT) ここで、A/N0は補正後の目標空気量、A/Nvは補正前の
目標空気量、Ka′は吸気温度(AT)による補正係数(第
38図参照)である。
上記目標空気量A/N0は等価目標スロットル開度算出部
509に送られ、第39図の3次元マップが参照されてエン
ジン回転速度Neと目標空気量A/N0に対する等価目標スロ
ットル開度Θbが求められる。この等価目標スロットル
開度Θbはスロットル弁が1つの場合に上記目標空気量
A/N0を達成するためのスロットル弁開度である。さら
に、等価目標スロットル開度Θbは上記副スロットル弁
THsをバイパスするバイパス通路52b,52cがある場合に
は、Θb補正部511で算出されたバイパス通路52b,52cを
介する空気量に相当する開度ΔΘだけ等価目標スロッ
トル開度Θbから減算される。つまり、減算部510にお
いて、上記等価目標スロットル開度Θbから開度ΔΘ
だけ減算されて求められた等価目標スロットル開度Θh
は目標スロットル開度算出部512に送られて主スロット
ル弁THmのスロットル開度Θ1に第40図に示すマップに
記憶される補正係数Kが乗算されることにより副スロッ
トル弁THsのスロットル開度Θ2が算出される。
一方、上記目標空気量補正部508から出力される補正
された目標空気量A/N0は減算部513にも送られる。この
減算部513は上記目標空気量A/N0とエアフローセンサに
より所定のサンプリング時間毎に検出される実際の吸入
空気量A/Nとの偏差ΔA/Nを算出するもので、この目標空
気量A/N0と実空気量A/Nとの偏差ΔA/NはPID制御部514に
送られる。このPID制御部507は、上記偏差ΔA/Nに相当
する副スロットル弁THsの開度補正量ΔΘ2を算出する
もので、この副スロットル弁開度補正量ΔΘ2は加算部
515に送られる。
ここで、上記PID制御部514により得られる副スロット
ル弁開度補正量ΔΘ2は、比例制御による開度補正量Δ
Θp、積分制御による開度補正量ΔΘi、微分制御によ
る開度補正量ΔΘdを加算したものである。
ΔΘ2=ΔΘp+ΔΘi+ΔΘd ΔΘp=Kp(Ne) *Kth(Ne)*ΔA/N ΔΘi=Ki(Ne) *Kth(Ne)*Σ(ΔA/N) ΔΘd=Kd(Ne)*Kth(Ne) *{ΔA/N−ΔA/Nold} ここで、各係数Kp,Ki,Kdは、それぞれエンジン回転速
度Neをパラメータとした比例ゲイン(第40図参照)、積
分ゲイン(第41図参照)、微分ゲイン(第42図参照)で
あり、Kthはエンジン回転速度NeをパラメータとしたΔA
/N→ΔΘ変換ゲイン(第43図参照)、ΔA/Nは目標空気
量A/N0と実際の空気量A/Nとの偏差、ΔA/N01dは1回前
のサンプルタイミングでのΔA/Nである。
上記加算部515は、上記開度補正部510で補正された目
標スロットル開度Θ2と上記PID制御部514で算出された
副スロットル弁開度補正量ΔΘ2とを加算し、フィード
バック補正された目標開度Θfが算出される。この目標
開度Θfは副スロットル弁開度信号Θsとしてモータ駆
動回路52に送られる。そして、このモータ駆動回路52は
上記スロットルポジションセンサTPS2により検出される
副スロットル弁THsの開度Θ2が副スロットル弁開度信
号Θsに相当する開度と等しくなるようにモータ52mの
回転を制御している。
ところで、従動輪の車輪速度VRR、VRLは求心加速度
演算部53に送られて、旋回度を判断するために、求心加
速度GY′が求められる。この求心加速度GY′は求心加速
度補正部54に送られて、求心加速度GY′が車速に応じて
補正される。つまり、GY=Kv・GY′とされる。ここで、
Kvは第7図乃至第12図に示すように車体速度VBに応じ
せて変化する係数である。
上記高車速選択部37から出力される大きい方の従動輪
車輪速度が減算部55において駆動輪の車輪速度VFRから
減算される。さらに、上記高車速選択部37から出力され
る大きい方の従動輪車輪速度が減算部56において駆動輪
の車輪速度VFLから減算される。
上記減算部55の出力は乗算部57においてKB倍(0<
KB<1)され、上記減算部56の出力は乗算部58におい
て(1−KB)倍された後、加算部59において加算され
て右側駆動輪のスリップ量DVFRとされる。また同時に、
上記減算部56の出力は乗算部60においてKB倍され、上
記減算部55の出力は乗算部61において(1−KB)倍さ
れた後加算部62において加算されて左側の駆動輪のスリ
ップ量DVFLとされる。上記変数KBは第13図に示すよう
にトラクションコントロールの制御開始からの経過時間
に応じて変化するもので、トラクションコントロールの
制御開始時には「0.5」とされ、トラクションコントロ
ールの制御が進むに従って、「0.8」に近付くように設
定されている。
上記右側駆動輪のスリップ量DVFRは微分部63において
微分されてその時間的変化量、つまりスリップ加速度G
FRが算出されると共に、上記左側駆動輪のスリップ量DV
FLは微分部64において微分されてその時間的変化量、つ
まりスリップ加速度GFLが算出される。そして、上記ス
リップ加速度GFRはブレーキ液圧変化量(ΔP)算出部
65に送られて、第14図に示すGFR(GFL)−ΔP変換マ
ップが参照されてスリップ加速度GFRを抑制するための
ブレーキ液圧の変化量ΔPが求められる。このブレーキ
液圧の変化量ΔPは、上記開始/終了判定部50により開
閉制御されるスイッチS2を介してΔP−T変換部67に送
られて第1図(A)におけるインレットバルブ17iの開
時間Tが算出される。また、同様に、スリップ加速度G
FLはブレーキ液圧変化量(ΔP)算出部66に送られて、
第14図に示すGFR(GFL)−ΔP変換マップが参照され
て、スリップ加速度GFLを抑制するためのブレーキ液圧
の変化量ΔPが求められる。このブレーキ液圧の変化量
ΔPは上記開始/終了判定部50により開閉制御されるス
イッチS3を介してΔP−T変換部68に送られて第1図
(A)におけるインレットバルブ18iの開時間Tが算出
される。そして、上記のようにして算出されたインレッ
トバルブ17i及びアウトレットバルブ18iの開時間だけバ
ルブが開制御されて、右駆動輪WFR及び左駆動輪WFLに
ブレーキが掛けられる。
なお、上記スイッチS1〜S3は連動して開始/終了判定
部50により開閉されるものである。
ところで、上記減算部41で算出されたスリップ量DV
i′は微分部41aに送られて、スリップ量DVi′の時間的
変化率ΔDVi′が算出される。上記スリップ量DVi′、そ
の時間的変化率ΔDVi′、上記副スロットル弁THsの開度
Θ2、図示しないトルクセンサにより検出されるエンジ
ン16の出力トルクTeは開始/終了判定部50に出力され
る。この開始/終了判定部50は上記スリップ量DVi′、
その時間的変化率ΔDVi′、エンジントルクTeが、いず
れもそれぞれの基準値以上になった場合には、上記スイ
ッチS1〜S3を閉成して制御を開始し、副スロットル弁TH
sの開度Θ2が所定の基準値より大きくなるか、またはD
V′が所定の基準値(上記基準値とは異なる)より小さ
くなったときに、上記スイッチS1〜S3を開成して制御を
終了している。
なお、第14図において、旋回時にブレーキを掛ける場
合には、内輪側の駆動輪のブレーキを強化するために、
旋回時の内輪側の変換値は破線aで示すようになってい
る。
次に、上記のように構成された本発明の一実施例に係
わる車両のエンジン出力制御方法の動作について説明す
る。第1図及び第2図において、車輪速度センサ13,14
から出力される従動輪(後輪)の車輪速度は高車速選択
部36,低車速選択部37,求心加速度演算部53に入力され
る。上記低車速選択部36においては従動輪の左右輪のう
ち小さい方の車輪速度が選択され、上記高車速選択部37
においては従動輪の左右輪のうち大きい方の車輪速度が
選択される。通常の直線走行時において、左右の従動輪
の車輪速度が同一速度である場合には、低車速選択部36
及び高車速選択部37からは同じ車輪速度が選択される。
また、求心加速度演算部53においては左右の従動輪の車
輪速度が入力されており、その左右の従動輪の車輪速度
から車両が旋回している場合の旋回度、つまりどの程度
急な旋回を行なっているかの度合いが算出される。
以下、求心加速度演算部53においてどのように求心加
速度が算出されるかについて説明する。前輪駆動車では
後輪が従動輪であるため、駆動によるスリップに関係な
くその位置での車体速度を車輪速度センサにより検出で
きるので、アッカーマンジオメトリを利用することがで
きる。つまり、定常旋回においては求心加速度GY′は GY′=v2/r …(4) (v=車速,r=旋回半径)として算出される。
例えば、第19図に示すように車両が右に旋回している
場合において、旋回の中心をMoとし、旋回の中心Moから
内輪側(WRR)までの距離をr1とし、トレッドをΔrと
し、内輪側(WRR)の車輪速度をv1とし、外輪側(WR
L)の車輪速度をv2とした場合に、 v2/v1=(Δr+r1)/r1 …(5) とされる。
そして、上記(5)式を変形して 1/r1=(v2−v1)/Δr・v1 …(6) とされる。そして、内輪側を基準とすると求心加速度G
Y′は GY′=v12/r1 =vl2・(v2−v1)/Δr・v1 =v1・(v2−v1)/Δr …(7) として算出される。
つまり、上記(7)式により求心加速度GY′が算出さ
れる。ところで、旋回時には内輪側の車輪速度v1は外輪
側の車輪速度v2より小さいため、内輪側の車輪速度v1を
用いて求心加速度GY′を算出しているので、求心加速度
GY′は実際より小さく算出される。従って、重み付け部
33で乗算される係数KGは求心加速度GY′が小さく見積
もられるために、小さく見積もられる。従って、駆動輪
速度VFが小さく見積もられるために、スリップ量DV′
(VF−VΦ)も小さく見積もられる。これにより、目
標トルクTΦが大きく見積もられるために、目標エンジ
ントルクが大きく見積もられることにより、旋回時にも
充分な駆動力を与えるようにしている。
ところが、極低速時の場合には、第19図に示すよう
に、内輪側から旋回の中心M0までの距離はr1であるが、
速度が上がるに従ってアンダーステアする車両において
は、旋回の中心はMに移行し、その距離はr(r>r1)
となっている。このように速度が上がった場合でも、旋
回半径をr1として計算しているために、上記第(7)式
に基づいて算出された求心加速度GY′は実際よりも大き
い値として算出される。このため、求心加速度演算部53
において算出された求心加速度GY′は求心加速度補正部
54に送られて、高速では求心加速度GYが小さくなるよう
に、求心加速度GY′に第7図の係数Kvが乗算される。こ
の変数Kvは車速に応じて小さくなるように設定されてお
り、第8図あるいは第9図に示すように設定しても良
い。このようにして、求心加速度補正部54より補正され
た求心加速度GYが出力される。
一方、速度が上がるに従って、オーバステアする(r
<r1)車両においては、上記したアンダーステアする車
両とは全く逆の補正が求心加速度補正部54において行わ
れる。つまり、第10図ないし第12図のいずれかの変数Kv
が用いられて、車速が上がるに従って、上記求心加速度
演算部53で算出された求心加速度GY′を大きくなるよう
に補正している。
ところで、上記低車速選択部36において選択された小
さい方の車輪速度は重み付部38において第4図に示すよ
うに変数Kr倍され、高車速選択部37において選択された
高車速は重み付け部39において変数(1−Kr)倍され
る。変数Krは求心加速度GYが例えば0.9gより大きくなる
ような旋回時に「1」となるようにされ、求心加速度GY
が0.4gより小さくなると「0」に設定される。
従って、求心加速度GYが0.9gより大きくなるような旋
回に対しては、低車速選択部36から出力される従動輪の
うち低車速の車輪速度、つまり選択時における内輪側の
車輪速度が選択される。そして、上記重み付け部38及び
39から出力される車輪速度は加算部40において加算され
て従動輪速度VRとされ、さらに上記従動輪速度VRは乗
算部40′において(1+α)倍されて目標駆動輪速度V
Φとされる。
また、駆動輪の車輪速度のうち大きい方の車輪速度が
高車速選択部31において選択された後、重み付け部33に
おいて第3図に示すように変数KG倍される。さらに、
平均部32において算出された駆動輪の平均車速(VFR+
VFL)/2は重み付け部34において、(1−KG)倍さ
れ、上記重み付け部33の出力と加算部35において加算さ
れて駆動輪速度VFとされる。従って、求心加速度GYが
例えば0.1g以上となると、KG=1とされるため、高車
速選択部31から出力される2つの駆動輪のうち大きい方
の駆動輪の車輪速度が出されることになる。つまり、車
両の旋回度が大きくなって求心加速度GYが例えば、0.9g
以上になると、「KG=Kr=1」となるために、駆動輪
側は車輪速度の大きい外輪側の車輪速度を駆動輪速度V
Fとし、従動輪側は車輪速度の小さい内輪側の車輪速度
を従動輪速度VRとしているために、減算部41で算出さ
れるスリップ量DVi′(=VF−VΦ)を大きく見積もっ
ている。従って、目標トルクTΦは小さく見積もるため
に、エンジンの出力が低減されて、スリップ率Sを低減
させて第18図に示すように横力Aを上昇させることがで
き、旋回時のタイヤのグリップ力を上昇させて、安全な
旋回を行なうことができる。
上記スリップ量DVi′はスリップ量補正部43におい
て、求心加速度GYが発生する旋回時のみ第5図に示すよ
うなスリップ補正量Vgが加算されると共に、スリップ量
補正部44において第6図に示すようなスリップ量Vdが加
算される。例えば、直角に曲がるカーブの旋回を想定し
た場合に、旋回の前半においては求心加速度GY及びその
時間的変化率ΔGYは正の値となるが、カーブの後半にお
いては求心加速度GYの時間的変化率ΔGYは負の値とな
る。従って、カーブの前半においては加算部42におい
て、スリップ量DVi′に第5図に示すスリップ補正量Vg
(>0)及び第6図に示すスリップ補正量Vd(>0)が
加算されてスリップ量DViとされ、カーブの後半におい
てはスリップ補正量Vg(>0)及びスリップ補正量Vd
(<0)が加算されてスリップ量DViとされる。従っ
て、旋回の後半におけるスリップ量DViは旋回の前半に
おけるスリップ量DViよりも小さく見積もることによ
り、旋回の前半においてはエンジン出力を低下させて横
力を増大させ、旋回の後半においては、前半よりもエン
ジン出力を回復させて車両の加速性を向上させるように
している。
このようにして、補正されたスリップ量DViは例えば1
5msのサンプリング時間TでTSn演算部45に送られる。こ
のTSn演算部45内において、スリップ量DViが係数KIを乗
算されながら積分されて補正トルクTSnが求められる。
つまり、 TSn=GKiΣK I・DVi(K Iはスリップ量DViに応じて変化
する係数である)としてスリップ量DViの補正によって
求められた補正トルク、つまり積分型補正トルクTSnが
求められる。
また、上記スリップ量DViはサンプリング時間T毎にT
Pn演算部46に送られて、補正トルクTPnが算出される。
つまり、 TPn=GKpDVi・Kp(Kpは係数) としてスリップ量DViにより補正された補正トルク、つ
まり比例型補正トルクTPnが求められる。
また、上記係数乗算部45b,46bにおける演算に使用す
る係数GKi,GKpの値は、シフトアップ時には変速開始か
ら設定時間後に変速後の変速段に応じた値に切替えられ
る。これは変速開始から実際に変速段が切替わって変速
を終了するまで時間がかかり、シフトアップ時に、変速
開始とともに変速後の高速段に対応した上記係数GKi,GK
pを用いると、上記補正トルクTSn,TPnの値は上記高速段
に対応した値となるため実際の変速が終了してないのに
変速開始前の値より小さくなり目標トルクTΦが大きく
なってしまって、スリップが誘発されて制御が不安定と
なるためである。
また、上記加算部40から出力される従動輪速度VRは
車体速度VBとして基準トルク演算部47に入力される。
そして、車体加速度演算部47aにおいて、車体速度の加
速度B(GB)が演算される。そして、上記車体加速度
演算部47aにおいて算出された車体速度の加速度GBはフ
ィルタ47bにより、上記(1)式乃至(3)式のいずれ
かのフィルタがかけられて、加速度GBの状態に応じて
GBFを最適な位置に止どめるようにしている。
例えば現在車両の加速度が増加している際にそのスリ
ップ率Sが第15図の範囲「1」で示す状態にある場合に
は、素早く範囲「2」の状態へ移行させるため、上記
(1)式に示すように車体加速度GBFは、前回のフィル
タ47bの出力であるGBFn−1と今回検出のGBnとを同じ
重み付けで平均して最新の車体加速度GBFnとして算出
される。
また、例えば現在車両の加速度が減少している際にそ
のスリップ率SがS>S1で第15図で示す範囲「2」→
「3」に移行するような場合には、可能な限り範囲
「2」の状態を維持させるため、車体加速度GBFは、上
記(2)式に示すように前回のフィルタ47bの出力に重
みが置かれて以前の車体加速度GBFnとして算出され
る。
さらに、例えば現在車両の加速度が減少している際に
そのスリップ率SがS≦S1で第15図で示す範囲「2」→
「1」に移行したような場合には、可能な限り範囲
「2」の状態に戻すため、車体加速度GBFは、上記
(3)式に示すように前回のフィルタ47bの出力に非常
に重みが置かれてさらに以前の車体加速度GBFnとして
算出される。
そして、基準トルク算出部47cにおいて、基準トルク
TG(=GBF×W×Re)が算出される。
そして、上記基準トルクTGと上記積分型補正トルクT
Snとの減算は減算部48において行われ、さらに上記比例
型補正トルクTPnが減算部49において減算される。この
ようにして、目標駆動軸トルクTΦは TΦ=TG−TSn−TPnとして算出される。
この目標駆動軸トルクTΦはスイッチS1を介してエン
ジントルク変換部500に入力され、エンジン16と駆動輪
車軸との間の総ギア比で除算して目標エンジントルクT1
が算出される。この目標エンジントルクT1はトルコン応
答遅れ補正部502において、トルクコンバータの応答遅
れに対する補正がなされて目標エンジントルクT2とされ
る。この目標エンジントルクT2はT/Mフリクション補正
部502に送られてエンジンと駆動輪との間に介在するト
ランスミッションでのフリクション(摩擦)に対する補
正がなされて、目標エンジントルクT3とされる。
T/Mフリクション補正部502においては以下に述べる第
1ないし第4の手法によりT/Mの暖機状態を推定して目
標エンジントルクT3を補正している。
<T/Mフリクション補正の第1の手法> この第1の手法はT/Mの油温OTを油温センサで検出
し、この油温OTが小さい場合にはフリクションが大きい
ため、第20図に示すマップが参照されてトルク補正量Tf
が目標エンジントルクT2に加算される。つまり、 T3=T2+Tf(OT) とされる。このように、T/Mの油温0Tに応じてフリクシ
ョンによるトルク補正量Tfを決定しているので、T/Mの
フリクションに対して精度の高い目標エンジントルクの
補正を行なうことができる。
<T/Mフリクション補正の第2の手法> エンジン16の冷却水温WTをセンサで計測し、これより
T/Mの暖機状態(油温)を推定して、トルクを補正す
る。つまり、 T3=T2+Tf(WT) とされる。ここで、トクル補正量Tf(WT)は図示しない
マップが参照されて、エンジンの冷却水温WTが低いほど
T/Mの油温OTが低いと推定されてトルク補正量Tfが大き
くなるように設定される。このように、エンジンの冷却
水温WTからT/Mのフリクションを推定しているので、T/M
の油温OTを検出するセンサを不要なものとしている。
<T/Mフリクション補正の第3の手法> エンジン16の始動直後の冷却水温WT0とリアルタイム
の冷却水温WTに基づいて第21図のマップが参照されてト
ルク補正量Tfが目標エンジントルクT2に加算されて、目
標エンジントルクT3とされる。つまり、 T3=T2+Tf(XT) XT=WT+K0*(WT−WT0) とされる。ここで、XTはT/Mの推定油温、K0はエンジン
の冷却水温WTの温度上昇速度とT/Mオイルの温度上昇速
度との比である。この推定油温XT、エンジンの冷却水温
WT、T/Mの油温OTとエンジン始動後経過時間との関係は
第22図に示しておく。第22図に示すように、始動時間の
経過に伴う推定油温XTの変化は、同始動時間の経過に伴
う油温OTの変化にほぼ等しいものとなる。従って、油温
センサを用いないでも精度良く油温をモニタすることが
できる。
<T/Mフリクション補正の第4の手法> エンジン16の冷却水温WTとエンジン始動後経過時間
τ,車速Vcに基づいて T3= T2+Tf(WT)*{1−Kas(τ)*Kspeed(Vc)}とし
て算出される。ここで、Kasは始動後時間(τ)による
テーリング係数(始動後時間の経過と共に徐々に「0」
に近付く係数)、Kspeedは車速によるテーリング係数
(車速の上昇とともに徐々に0に近付く係数)を示して
いる。つまり、エンジンを始動してから充分に時間が経
過した場合あるいは車速が上がった場合には{…}項が
「0」に近付く。従って、エンジンを始動してから充分
に時間が経過した場合あるいは車速が上がった場合には
T/Mのフリクションによるトルク補正量Tfをなくすよう
にしている。
<T/Mフリクション補正の第5の手法> エンジンまたはT/Mの回転速度Nに基づいて出力を補
正するもので、回転速度Nに基づいて第23図のマップが
参照されて回転速度Nに基づいてトルク補正量Tfが算出
される。つまり、 T3=T2+Tf(N) とされる。これはエンジンまたはT/Mの回転速度Nが大
きくなれば、T/Mの油温が上昇してフリクション損失が
小さくなるためである。
<T/Mフリクション補正の第6の手法> エンジン16の冷却水温と始動後の吸入空気量Qの積算
値から推定して補正トルクを得る方法であり、 T3=T2+Tf(WT)*{1−Σ(Kq*Q)}として目標エ
ンジントルクT3が得られる。ここで、Kqは吸入空気量を
損失トルクに変換する係数であり、クラッチがオフして
いるときあるいはアイドルSWがオンしているアイドリン
グ状態ではKq=Kq1に設定され、それ以外ではKq=Kq0
(>Kq1)に設定される。
上記式において、エンジン始動後の吸入空気量Qに係
数Kqを掛けながら乗算してΣ(Kq*Q)を得て、{1−
Σ(Kq*Q)}とエンジンの冷却水温WTに基づくトルク
補正量Tf(WT)とを乗算したものを目標エンジントルク
T2に加算している。このようにすることにより、エンジ
ン始動後車両が急加速されて吸入空気量Qが急激に増加
するような場合、つまりエンジン冷却水温WTが低くても
トランスミッションは充分暖機状態にあってT/Mフリク
ション補正が必要ないような場合には、{…}項がすぐ
に「0になるようにして、不必要なトクル補正をなくし
ている。また、アイドリング状態ではKqが小さい値に設
定されることにより、アイドリング状態が続いた場合で
もトランスミッションは充分に暖機状態になっていない
ため、吸入空気量Qの積算を実際よりも極力小さくする
ように見積もって、エンジン冷却水温に基づくトルク補
正量Tfを生かすようにしている。
このようにして、アイドリング状態が継続された場合
でも、上記Tf(WT)項を残すようにして、T/Mのフリク
ション補正を行なっている。なお、一定時間毎の吸入空
気量Qの積算はエンジン1サイクル当り吸入空気量A/N
に基づいて算出される。
また、T/MのフリクショントルクTfは第24図に示す3
次元マップを用いて算出するようにしても良い。この場
合には目標エンジントルクT3は下式のように表わされ
る。つまり、 T3=T2+Tf(WT,ΣQa) ところで、第24図において、ΣQaがある一定値以上に
なるとTfは「0」になるように設定されている。これは
吸入空気量の総和が一定値以上になるとT/Mオイルが充
分に暖められてT/Mのフリクションが無視できるように
なっていると判定されるためである。
<T/Mフリクション補正の第7の手法> エンジン16の冷却水温WTあるいはエンジン16の油温と
エンジン始動後の走行距離ΣVsとによって、トルク補正
量Tfを求める。つまり、T3=T2+Tf(WT)*{1−Σ
(Kv*Vs)} ここで、Kvは走行距離(=ΣVs)を出力補正に変換す
る係数であり、アイドルSWがオンあるいはクラッチがオ
フされているようなアイドリング状態においては Kv=Kv1に設定され、それ以外では Kv=Kv2(>Kv1)とされる。
上記式において、エンジン始動後の走行距離ΣVsに補
正係数Kvを掛けながら乗算してΣ(Kv*Vs)を得て、
{1−Σ(Kv*Vs)}とエンジンの冷却水温WTに基づく
トルク補正量Tf(WT)とを乗算したものを目標エンジン
トルクT2に加算している。このようにすることにより、
エンジン始動後車両が走行してその走行距離が増加した
場合、{…}項が「0」になるようにして、不必要なト
ルク補正をなくしている。
また、アイドリング状態ではトランスミッションの負
荷が小さいので、トランスミッションの油温の上昇は穏
やかである。このため、トランスミッションでのトルク
損失は徐々にしか低下しない。従って、アイドリング状
態ではKvを小さい値に設定しておくことにより、{…}
項をゆっくりと「0」に持っていくようにして、トルク
補正Tfをでてきるだけ長く行なうようにしている。
次に、T/Mフリクション補正部502から出力される目標
エンジントルクT3は外部負荷補正部503に送られて、エ
アコン等の外部負荷がある場合には、目標エンジントル
クT3が補正されて目標エンジントルクT4とされる。この
外部負荷補正部503での補正は下記する第1ないし第3
の手法のいずれかの手法により行われる。
<外部負荷補正の第1の手法> エアコン負荷に応じて目標エンジントルクT3を補正し
て目標エンジントルクT4とする。つまり、 T4=T3+TL とされる。ここで、TLはエアコンがオンされている時に
定数値に設定され、エアコンがオフされているときには
「0」に設定される。このようにして、エアコン負荷が
ある場合には、目標エンジントルクT3にエアコン負荷に
相当する損失トルクTLを加えて、目標エンジントルクT4
とすることにより、エアコン負荷によるエンジン出力の
低下を防止している。
また、エアコン負荷の大きさがエンジン回転速度Neに
応じて変化することに着目して、第25図に示すようにエ
ンジン回転速度Neに応じた損失トルクTLをマップに記憶
されておいて、目標エンジントルクT4を算出するように
しても良い。つまり、 T4=T3+TL(Ne) としても良い。
<外部負荷補正の第2の手法> パワーステアリング負荷に応じて目標エンジントルク
T3を補正して目標エンジントルクT4とする。つまり、 T4=T3+TL とされる。ここで、TLはパワーステアリングがオンされ
ている時に定数値に設定され、パワーステアリングがオ
フされているときには「0」に設定される。このように
して、パワーステアリング負荷がある場合には、目標エ
ンジントルクT3にパワーステアリング負荷に相当する損
失トルクTLを加えて、目標エンジントルクT4とすること
により、パワーステアリング負荷によるエンジン出力の
低下を防止している。
また、パワーステアリング負荷の大きさがパワステポ
ンプ油圧OPに応じて変化することに着目して、第26図に
示すようにパワステポンプ油圧OPに応じた損失トルクTL
をマップに記憶されておいて、目標エンジントルクT4を
算出するようにしても良い。つまり、T4=T3+TL(OP)
としても良い。
<外部負荷補正の第3の手法> 電気負荷に応じて目標エンジントルクT3を補正して、
目標エンジントルクT4を求めている。つまり、ヘッドラ
イトや電動ファンなどの電気負荷が変動し、オルタネー
タ発電量が上下する。このため、バッテリ電圧やオルタ
ネータの励磁電流を検出することにより、オルタネータ
発電量を推定して、電気負荷を推測している。
バッテリ電圧をVbとした場合に目標エンジントルクT4
は下記のようになる。
T4=T3+TL(Vb) ここで、損失トルクTL(Vb)は第27図に示すようにバ
ッテリ電圧Vbとの関係がある。つまり、バッテリ電圧Vb
が低いと電気負荷が大きいと推定されて損失トルクTLは
大きくされ、目標エンジントルクT4を大きくしている。
また、オルタネータ励磁電流(iΦ)をパラメータと
した損失トルクを加算することにより目標エンジントル
クT4を求めている。つまり、 T4=T3+TL(iΦ,Ne) として計算している。ここで、損失トルクTLは第28図の
マップを参照して求められる。
また、第29図に示す特性図からエンジン回転速度Neに
対するオルタネータ効率の補正量Kを得て、次式から目
標エンジントルクT4を算出するようにしても良い。
T4=T3+TL(iΦ,Ne)×K(Ne) 上記のようにして算出された目標エンジントルクT4は
大気条件補正部504に送られて、大気圧により上記目標
エンジントルクT4が補正されて目標エンジントルクT5と
される。つまり、 T5=T4+Tp(AP) ここで、Tpは第30図のマップに示すトルク補正量であ
る。つまり、高地などのように気圧の低い地域ではポン
ピング損失の低下や背圧低下による燃料速度の向上によ
りエンジン出力が上昇するので、その分だけトルク補正
量Tpを減じるようにしている。
このようにして、大気圧により補正された目標エンジ
ントルクT5は運転状態補正部505に送られて、エンジン
の運転状態、つまり暖機状態に応じて上記目標エンジン
トルクT5が補正されて目標エンジントルクT6とされる。
以下、エンジン16の暖機状態に応じて運転状態補正を決
定する第1ないし第3の手法について説明する。
<エンジンの運転条件補正の第1の手法> エンジン冷却水温WTによって、目標エンジントルクT6
を算出するもので、第31図のマップが参照されてエンジ
ンの冷却水温WTに応じてトルク補正量TWが上記目標エ
ンジントルクT5に加算されて目標エンジントルクT6とさ
れる。つまり、 T6=T5+TW(WT) とされる。第31図に示すように、冷却水温WTが低いほど
エンジン16が暖機状態になっていないのでトルク補正量
TWは大きくされる。
また、上記トルク補正量TWをエンジン冷却水温WTと
エンジン回転速度Neとでマップ(図示しない)するよう
にしても良い。つまり、 T6=T5+TW(WT,Ne) とされる。
<エンジンの運転条件補正の第2の手法> この第2の手法は、第32図に示すようなエンジン始動
後の時間τに応じたトルク補正量Tas(τ)を目標エン
ジントルクT5に加算することにより、目標エンジントル
クT6を得ている。つまり、 T6=T5+Tas(τ) としている。このようにして、エンジン始動後経過時間
τによりエンジンの暖機状態を推定している。
また、エンジン始動後時間τと冷却水温WTにより決定
される3次元マップ(図示しない)によりトルク補正量
Tasを求めるようにしても良い。つまり、 T6=T5+Tas(τ,WT) としても良い。このようなマップを用いることにより始
動時の冷却水温WTOを計測し、経過時間τに応じてトル
ク補正量Tasを決定したり、経過時間τ時の冷却水温WT
を計測することにより、トルク補正量Tasを決定するよ
うにしても良い。
<エンジンの運転条件補正の第3の手法> この第3の手法においては、エンジンの油温OTから第
33図のマップを参照してトルク補正量Tjを求めている。
つまり、 T6=T5+Tj(OT) として算出される。このように、エンジンの油温OTから
エンジンの冷却水温WTを推定して、エンジンの暖機状態
を検出するようにしている。
なお、図示しないエンジンの油温OTとエンジン回転速
度Neの3次元マップによりトルク補正量Tjを得るするよ
うにしても良い。つまり、 T6=T5+Tj(OT,Ne) としても良い。
<エンジンの運転条件補正の第4の手法> この第4の手法はエンジンの冷却水温WT,油温OT,始動
後経過時間τ,燃焼室壁温CT,吸入空気量Q,筒内圧CPの
一部によって、目標エンジントルクT5を補正して目標エ
ンジントルクT6を求めている。つまり、 T6=T5+Tc(CT/CT0)* Kcp(cp/cp0)*{1−Kq*Σ(Q)} とされる。
ここで、 CTはエンジンの燃焼室壁温度、 CT0はエンジン始動時の燃焼室壁温度 Tcは燃焼室壁温度CTとエンジン始動時の燃焼室壁温度
CT0との比(CT/CT0)によるトルク補正量、 CPはエンジンの筒内圧、 CP0はエンジンの始動時の筒内圧、 Kcpは上記筒内圧CPとエンジン始動時の筒内圧CP0との
比(CP/CP0)による補正係数、 Kqは始動後の吸入空気量の積算値をトルク補正係数に
変換する係数である。
以上のようにして、エンジンの運転条件によって補正
された後の目標エンジントルクT6は下限値設定部506に
おいて、エンジントルクの下限値が制限される。このよ
うに、目標エンジントルクT6の下限値を第16図あるいは
第17図を参照して制御することにより、目標エンジント
ルクが低くすぎて、エンジンストールが発生することを
防止している。
そして、上記下限値設定部506から出力される目標エ
ンジントルクT7は目標空気量算出部507に送られて上記
目標エンジントルクT7を出力するための目標空気量(質
量)A/Nmが算出される。
この目標空気量算出部507においては、エンジン回転
速度Neと目標エンジントルクTe1とから第34図の3次元
マップが参照されて目標空気量(質量)A/Nmが求められ
る。つまり、 A/Nm=f[Ne,T7] として算出される。
ここで、A/Nmは吸気行程1回当りの吸入空気量(質
量)、 f[Ne,T7]はエンジン回転速度Ne,目標エンジントル
クT7をパラメータとした3次元マップである。
なお、A/Nmはエンジン回転速度Neに対して第35図に示
すような係数Kaと目標エンジントルクT7との乗算、つま
り、 A/Nm=Ka(Ne)*T7 としても良い。さらに、Ka(Ne)を係数としても良い。
さらに、上記目標空気量算出部507において、上記吸
入空気量(質量)A/Nmが吸気温度及び大気圧により補正
されて標準大気状態での吸入空気量(体積)A/Nvに換算
される。
つまり、A/Nv =(A/Nm)/{Kt(AT)*Kp(AT)} とされる。ここで、 A/Nvはエンジン1回転当りの吸入空気量(体積)、 Ktは第37図に示すように吸気温(AT)をパラメータとし
た密度補正係数、 Kpは第38図に示すように大気圧(AT)をパラメータとし
た密度補正係数を示している。
このようにして算出された目標吸入空気量A/Nv(体
積)は目標空気量補正部508において吸気温による補正
が行われて、目標空気量A/N0とされる。
つまり、A/N0 =A/Nv*Ka′(AT) とされる。
ここで、A/N0は補正後の目標空気量、 A/Nvは補正前の目標空気量、 Ka′は吸気温(AT)による補正係数 (第38図) である。
以下、目標空気量補正部508から出力される目標空気
量A/N0は等価目標スロットル開度算出部509に送られ、
第39図の3次元マップが参照されて目標空気量A/N0とエ
ンジン回転速度Neに対する等価スロットル開度Θbが求
められる。この等価スロットル開度Θbは減算部510に
おいて、等価スロットル開度Θbから以下にのべるよう
にてΘb補正部511において算出された開度ΔΘが減
算されて等価スロットル開度Θhとされる。
上記ΔΘは下式により求められる。つまり、 ΔΘ=Ks(Θ)*{Sm+Sw(WT)} ここで、係数Ks(第46図)は目標開度Θをパラメータ
とした図示しないISC(アイドル・スピード・コントロ
ーラ)により制御されるステップモータ52sの1ステッ
プ当りの開度補正量、 Smはステップモータ52sのステップ数、 SW(第47図)はエンジンの冷却水温WTをパラメータ
としたワックス弁52Wの開度をステップモータ52sのステ
ップ数に換算する換算値である。
そして、目標スロットル開度算出部512において、等
価スロットル開度Θhに第40図に示す補正係数Kを乗算
することにより副スロットル弁THsの目標開度Θ2が求
められる。
ここで、目標スロットル開度算出部512において行わ
れる副スロットル弁THsの目標スロットル開度Θ2の算
出方法について第41図を参照して説明する。第1図
(B)に示すように、吸気経路に直列に主及び副スロッ
トル弁THm,THsが配置される場合において、等空気量特
性曲線Q1〜Q3は直線Θ1=Θ2を軸にほぼ対象となると
ともに、それぞれの曲線は原点を焦点としてほぼ相似と
なる。ここで、等空気量特性曲線Q1〜Q3はそれぞれ吸入
空気量をQ1〜Q3の一定値としたときの主スロットル弁TH
mの開度Θ1と副スロットル弁THsの開度Θ2との関係を
示すものである。
例えば、Θ1/Θ2=0.67と曲線Q3との交点をAとす
る。そして、特性曲線Q3において、主スロットル弁THm
の開度Θ1を全開位置(WOT)にした時の副スロットル
弁THsの開度Θ2(この場合、主スロットル弁THmが全開
であるので、同開度Θ2は主スロットル弁THmと副スロ
ットル弁THsを1つのスロットル弁と考えた場合の等価
スロットル開度に等しくなり、この時の等価スロットル
開度をΘhという)はA点におけるスロットル開度Θ2
の0.625倍となる。つまり、A点からスロットル開度Θ
1を一定に保って下方に進む直線a3と特性曲線Q3の水平
方向の接線b3との交点A′における開度Θ2は上記目標
開度Θhとなる。なぜなら、接線b3は特性曲線Q3におい
て、主スロットル弁THmの開度Θ1をWOTとした場合の副
スロットル弁THsの開度Θ2を示すものであるからであ
る。
ところで、交点A′と原点とを結ぶ直線をΘ1/Θh=
αとし、以下直線αと呼称する。そして、特性曲線Q1,Q
2と直線Θ1/Θ2=0.67との交点をそれぞれB,Cとし、直
線α上への上記B,C点の投影点をB′,C′とすると、三
角形OAA′,OBB′,OCC′は原点を共通の頂点としてそれ
ぞれ相似となる。一方、上記特性曲線Q1〜Q3は原点を焦
点としてそれぞれ相似であるので、上記特性曲線Q3の水
平方向の接線b3が上記A′点を通過するものであれば、
上記特性曲線Q1,Q2の水平方向の接線b1,b2はそれぞれ上
記B′,C′点を通過する。
従って、特性曲線Q2のB点の状態から主スロットル弁
THmの開度Θ1をWOTとした場合の副スロットル弁THsの
開度Θ2は上記B点のy座標値を0.625倍した位置
(B′点)となり、特性曲線Q3のC点の状態から主スロ
ットル弁THmの開度Θ1をWOTとした場合の副スロットル
弁THsの開度Θ2は上記C点のy座標値を0.625倍した位
置(C′点)となる。そして、A′点と同じようにB′
点,C′点もそれぞれの特性曲線における等価スロットル
開度Θhを示す点となる。
従って、Θ1/Θ2=0.67,Θh=0.625*Θ2との関係
からΘ1/Θh=1.072となるため、A′点,B′点,C′点
は直線Θ1/Θh=1.072で結ばれることになる。
このように、Θ1/Θ2の値とΘ1/Θhの値とは1体1
に対応している。従って、直線Θ1/Θ2(=α)の傾き
を変化させることによりΘ1/Θhの値(=β)を予め第
41図より求めておき、Θ1=Θh*β,Θ1=Θ2*α
より、Θ2=Θh*(β/α)が算出される。つまり、
目標開度Θhに補正係数K(=β/α)を乗算すること
により、副スロットル弁THsの開度Θ2が算出される。
つまり、第40図に示すようにΘ1/Θh=β1,β2,…に対
する補正係数Kを算出してマップにしておくことによ
り、目標開度Θhに対する副スロットル弁THsbの開度Θ
2が一義的に算出される。
ところで、上記目標空気量補正部508から出力される
補正された目標空気量A/N0は減算部513に送られて所定
のサンプリング時間毎にエアフローセンサで検出される
現在の空気量A/Nとの差ΔA/Nが算出される。このΔA/N
はPID制御部514に送られて、ΔA/Nに基づきPID制御が行
われて、ΔA/Nに相当する開度補正量ΔΘ2が算出され
る。この開度補正量ΔΘ2は加算部51において、上記目
標スロットル開度Θ2と加算されて所定のサンプリング
時間毎にフィードバック補正された目標開度Θfが算出
される。
Θf=Θ2+ΔΘ2 とされる。ここで、上記開度補正量ΔΘは比例制御によ
る開度補正量ΔΘp、積分制御による開度補正量ΔΘ
i、微分制御による開度補正量ΔΘdを加算したもので
ある。つまり、 ΔΘ=ΔΘp+ΔΘi+ΔΘd とされる。
ここで、 ΔΘp=Kp(Ne)*Kth(Ne)*ΔA/N ΔΘi=Ki(Ne)*Kth(Ne)*Σ(ΔA/N) ΔΘd=Kd(Ne)*Kth(Ne)* {ΔA/N−ΔA/Nold} として上記PID制御部514において算出される。ここで、
Kp,Ki,Kdはエンジン回転速度Neをパラメータとした比
例、積分、微分ゲインであり、第42図乃至第44図にその
特性図を示しておく。また、Kthはエンジン回転数Neを
パラメータとしたΔA/N→ΔΘ変換ゲイン(第45図)、
ΔA/Nは目標空気量A/N0と計測した現在の空気量A/Nとの
偏差、ΔA/N0ldは1回前のサンプリングタイミングでの
ΔA/Nである。
上記のようにして求められた目標開度Θfは副スロッ
トル弁開度信号Θsとしてモータ駆動回路52に送られ
る。このモータ駆動回路52は上記センサTPS2で検出され
る副スロットル弁THsの開度Θ2が上記開度信号Θsに
相当する開度になるようにモータ52mを回転制御してい
る。
ところで、上記高車速選択部37から出力される大きい
方の従動輪車輪速度が減算部55において駆動輪の車輪速
度VFRから減算される。さらに、上記高車速選択部37か
ら出力される大きい方の従動輪車輪速度が減算部56にお
いて駆動輪の車輪速度VFLから減算される。従って、減
算部55及び56の出力を小さく見積もるようにして、旋回
中においてもブレーキを使用する回数を低減させ、エン
ジントルクの低減により駆動輪のスリップを低減させる
ようにしている。
上記減算部55の出力は乗算部57においてKB倍(0<
KB<1)され、上記減算部56の出力は乗算部58におい
て(1−KB)倍された後、加算部59において加算され
て右側駆動輪のスリップ量DVFRとされる。また同時に、
上記減算部56の出力は乗算部60においてKB倍され、上
記減算部55の出力は乗算部61において(1−KB)倍さ
れた後加算部62において加算されて左側の駆動輪のスリ
ップ量DVFLとされる。上記変数KBは第13図に示すよう
にトラクションコントロールの制御開始からの経過時間
tに応じて変化するもので、トラクションコントロール
の制御開始時には「0.5」とされ、トラクションコント
ロールの制御が進むに従って、「0.8」に近付くように
設定されている。つまり、ブレーキにより駆動輪のスリ
ップを低減させる場合には、制御開始時においては、両
車輪に同時にブレーキを掛けて、例えばスプリット路で
のブレーキ制動開始時の不快なハンドルショックを低減
されることができる。一方、ブレーキ制御が継続されて
行われて、上記KBが「0.8」となった場合の動作につい
て説明する。この場合、一方の駆動輪だけにスリップが
発生したとき他方の駆動輪でも一方の駆動輪の20%分だ
けスリップが発生したように認識してブレーキ制御を行
なうようにしている。これは、左右駆動輪のブレーキを
全く独立にすると、一方の駆動輪にのみブレーキがかか
って回転が減少するとデフの作用により今度は反対側の
駆動輪がスリップしてブレーキがかかり、この動作が繰
返えされて好ましくないためである。上記右側駆動輪の
スリップ量DVFRは微分部63において微分されてその時間
的変化量、つまりスリップ加速度GFRが算出されると共
に、上記左側駆動輪のスリップ量DVFLは微分部64におい
て微分されてその時間的変化量、つまりスリップ加速度
GFLが算出される。そして、上記スリップ加速度GFRは
ブレーキ液圧変化量(ΔP)算出部65に送られて、第14
図に示すGFR(GFL)−ΔP変換マップが参照されてス
リップ加速度GFRを抑制するためのブレーキ液圧の変化
量ΔPが求められる。
さらに、上記変化量ΔPは、スイッチS2の閉成時、つ
まり開始/終了判定部50による制御開始条件成立判定の
際にインレットバルブ17iの開時間Tを算出するΔP−
T変換部67に与えられる。つまり、ΔP−T変換部67に
おいて算出されたバルブ開時間Tが右側駆動輪WFRのブ
レーキ作動時間FRとされる。また、同様に、スリップ加
速度GFLはブレーキ液圧変化量(ΔP)算出部66に送ら
れて、第14図に示すGFR(GFL)−ΔP変換マップが参
照されて、スリップ加速度GFLを抑制するためのブレー
キ液圧の変化量ΔPが求められる。この変化量ΔPは、
スイッチS3閉成時、つまり開始/終了判定部50による制
御開始条件成立判定の際にインレットバルブ18iの開時
間Tを算出するΔP−T変換部68に与えられる。つま
り、ΔP−T変換部68において算出されたバルブ開時間
Tが左側駆動輪WFLのブレーキ作動時間FLとされる。こ
れにより、左右の駆動輪WFR,WFLにより以上のスリップ
が生じることが抑制される。
なお、第14図において、旋回時にブレーキを掛ける場
合には、内輪側の駆動輪のブレーキを強化するために、
旋回時の内輪側は破線aで示すようになっている。この
ようにして、旋回時において荷重移動が外輪側に移動し
て、内輪側がすべり易くなっているのを、ブレーキ液圧
の変化量ΔPを内輪側を外輪側よりも大きめとすること
により、旋回時に内輪側がすべるのを防止させることが
できる。
なお、上記実施例においてはΔA/Nに基づくPID制御に
よるフィードバック制御を行なって目標開度Θ2に副ス
ロットル弁開度補正量ΔΘ2を加算補正してフィードバ
ック補正された目標開度Θfをモータ駆動回路52に出力
するようにしたが、このようなΔA/Nによるフィードバ
ック制御を行なわなくても、上記目標開度Θ2をモータ
駆動回路52に出力して、スロットルポジションセンサTP
S2で検出される副スロットル弁THsの開度を目標開度Θ
2になるようにスロットルポジションセンサTPS2の出力
をフィードバック制御するようにしても良い。さらに、
スロットルポジションセンサTPS2で検出される副スロッ
トル弁THsの開度から副スロットル弁開度補正量ΔΘ2
を減算して補正した検出値が目標開度Θ2になるように
フィードバック制御を行なうようにしても良い。
また、本発明の実施例として加速スリップ防止装置を
示したが、本発明は同装置に限定されるものではなく、
スロットル弁を制御するものであれば、同様に適用が可
能である。
また、T/Mフリクション補正部502において<T/Mフリ
クション補正の第1の手法>により目標エンジントルク
T3を算出し、運転条件補正部505において<エンジンの
運転条件補正の第2の手法>により目標エンジントルク
T6を算出することにより、T/Mのリアルタイムの油温OT
に応じて目標エンジントルクを補正すると共に、エンジ
ン始動後経過時間τによっても目標エンジントルクを補
正することができる。
また、T/Mフリクション補正部502において<T/Mフリ
クション補正の第2の手法>により目標エンジントルク
T3を算出し、運転条件補正部505において<エンジンの
運転条件補正の第2の手法>により目標エンジントルク
T6を算出することにより、T/Mの暖機状態をエンジンの
冷却水温WTに応じて目標エンジントルクを補正すると共
に、エンジン始動後経過時間τによっても目標エンジン
トルクを補正することができる。
さらに、T/Mフリクション補正部502において<T/Mフ
リクション補正の第3の手法>により目標エンジントル
クT3を算出し、運転条件補正部505において<エンジン
の運転条件補正の第2の手法>により目標エンジントル
クT6を算出することにより、T/Mの暖機状態をエンジン
の始動直後の冷却水温WTOとリアルタイムの冷却水温WT
に基づいて目標エンジントルクを補正すると共に、エン
ジン始動後経過時間τによっても目標エンジントルクを
補正することができる。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明によれば、車両のエンジン
出力を目標エンジン出力となるようにスロットル開度を
制御する車両のエンジン出力制御方法において、目標エ
ンジン出力を目標空気量に変換し、吸気経路に2つのス
ロットル弁がある場合には等価スロットル開度に補正係
数を乗算すると一義的に他方のスロットル弁の開度を求
めることができるので、等価スロットル開度が変化した
場合でもすぐに他方のスロットル弁の開度を求めること
ができ、精度の高い制御を実現することが可能となる車
両のエンジン出力制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)は本発明に係わる制御方法が適用される加
速スリップ防止装置の全体的な構成図、第1図(B)は
主、副スロットル弁の配置を示す図、第2図(A)及び
(B)は第1図のトラクションコントローラの制御を機
能ブロック毎に分けて示したブロック図、第3図は求心
加速度GYと変数KGとの関係を示す図、第4図は求心加
速度GYと変数Krとの関係を示す図、第5図は求心加速度
GYとスリップ補正量Vgとの関係を示す図、第6図は求心
加速度の時間的変化量GYとスリップ補正量Vdとの関係を
示す図、第7図乃至第12図はそれぞれ車体速度VBと変
数Kvとの関係を示す図、第13図はブレーキ制御開始時か
ら変数KBの経時変化を示す図、第14図はスリップ量の
時間的変化量GFR(GFL)とブレーキ液圧の変化量ΔP
との関係を示す図、第15図及び第18図はそれぞれスリッ
プ率Sと路面の摩擦係数μとの関係を示す図、第16図は
Tlim−t特性を示す図、第17図はTlim−VB特性を示す
図、第19図は旋回時の車両の状態を示す図、第20図はト
ランシネッション油温OT−トルク補正量Tf特性図、第21
図はXT−トルク補正量Tf特性図、第22図は始動後時間τ
−エンジン冷却水温WT,トランスミッション油温OT特性
図、第23図は回転速度N−トルク補正量Tf特性図、第24
図はエンジンの冷却水温WT−吸入空気量積算値ΣQに対
するトルク補正量Tfを示すマップ、第25図は回転速度Ne
と損失トルクTLとの関係を示す図、第26図はポンプ油温
OPと損失トルクTLとの関係を示す図、第27図はバッテリ
電圧Vbと損失トルクTLとの関係を示す図、第28図はエン
ジン回転速度Neとオルタネータの励磁電流iΦに対する
損失トルクTLを示すマップ、第29図は励磁電流iΦに対
するオルタネータ効率Kを示す図、第30図は大気圧−ト
ルク補正量Tp特性図、第31図はエンジンの冷却水温WT−
トルク補正量TW特性図、第32図はエンジン始動後経過
時間τ−トルク補正量Tas特性図、第33図はエンジン油
温−トルク補正量Tj特性図、第34図は目標エンジントル
クT7−エンジン回転速度Neに対する目標空気量A/Nmマッ
プを示す図、第35図は係数Kaのエンジン回転速度Ne特性
図、第36図は係数Ktの吸気温度特性を示す図、第37図は
係数Kpの大気圧特性を示す図、第38図は係数Ka′の吸気
温度特性を示す図、第39図は目標空気量A/N0とエンジン
回転速度Neに対する等価スロットル開度Θbを求めるマ
ップ、第40図はΘ1/Θhと補正係数Kとの関係を示すマ
ップ、第41図は主スロットル弁開度Θ1と副スロットル
弁開度Θ2の関係を示す等空気量特性曲線図、第42図は
比例ゲインKpのエンジン回転速度特性を示す図、第43図
は積分ゲインKiのエンジン回転速度特性を示す図、第44
図は微分ゲインKdのエンジン回転速度特性を示す図、第
45図は変換ゲインのエンジン回転速度特性を示す図、第
46図は目標開度Θ−係数Ksとの関係を示す図、第47図は
エンジンの冷却水温WT−ステップ数換算値Swを示す図で
ある。 11〜14……車輪速度センサ、15……トラクションコント
ローラ、45……TSn演算部、45b,46b……係数乗算部、46
……TPn演算部、47……基準トルク演算部、503……エン
ジントルク算出部、507……目標空気量算出部、512……
目標スロットル開度算出部、53……求心加速度演算部、
54……求心加速度補正部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 克則 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 島田 誠 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−170758(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両用エンジンへの吸気経路にアクセルペ
    ダルの操作量に応じてその開度Θ1が制御される主スロ
    ットル弁及び電気的にその開度Θ2が制御される副スロ
    ットル弁を設け、副スロットル弁の開度Θ2を制御する
    ことにより、上記エンジンの出力を制御しているエンジ
    ン出力制御装置において、エンジンが出力すべき目標エ
    ンジントルクを算出する目標エンジントルク算出手段
    と、上記目標エンジントルクを発生させるために必要な
    エンジン1回転当りの目標吸入空気量を算出する目標吸
    入空気量算出手段と、上記エンジンの1回転当りの目標
    吸入空気量から上記主及び副スロットル弁を1つの等価
    スロットル弁と仮定した場合の等価スロットル開度Θh
    を算出する等価スロットル弁開度算出手段と、等価スロ
    ットル開度Θhと主スロットル弁の開度Θ1との関係で
    定まる補正係数を記憶する補正係数記憶手段、この補正
    係数により上記等価スロットル開度Θhを補正して副ス
    ロットル弁開度Θ2を算出する副スロットル弁開度算出
    手段とを具備したことを特徴とする車両のエンジン出力
    制御方法。
JP4242189A 1989-02-22 1989-02-22 車両のエンジン出力制御方法 Expired - Lifetime JP2722612B2 (ja)

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