JP2722607B2 - エンジントルク制御装置 - Google Patents

エンジントルク制御装置

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JP2722607B2
JP2722607B2 JP3135189A JP3135189A JP2722607B2 JP 2722607 B2 JP2722607 B2 JP 2722607B2 JP 3135189 A JP3135189 A JP 3135189A JP 3135189 A JP3135189 A JP 3135189A JP 2722607 B2 JP2722607 B2 JP 2722607B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、特に、自動車のエンジンの出力制御を行な
うエンジントルク制御装置に関する。
(従来の技術) 一般に、自動車において、エンジンの出力(トルク)
を制御するには、吸気管に設けられたスロットル弁を開
閉させて、シリンダに対する吸入空気量や燃料量を可変
することが知られている。
そこで、従来、運転状態に応じてエンジントルクの目
標値を設定し、この目標エンジントルクを出力させるた
めの吸入空気量が得られるよう、上記スロットル弁の開
度調節を行なうことが考えられている。この場合、実際
のスロットル弁開度はスロットル開度センサにより計測
され、このスロットル開度センサにより計測されるスロ
ットル開度が目標とするスロットル開度に一致するよう
スロットル弁が開閉制御される。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記のようなエンジントルク制御シス
テムでは、スロットル開度センサにより計測される実際
のスロットル弁開度が、目標とするスロットル開度に一
致するようスロットル弁の開度調節を行なうため、上記
スロットル開度センサが故障すると制御不能になってし
まう。
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、スロットル
開度センサが故障した場合でも、目標エンジントルクに
応じたスロットル弁の開閉制御を行なうことが可能にな
るエンジントルク制御装置を提供することを目的とす
る。
[発明の構成] (課題を解決するための手段及び作用) すなわち本発明に係わるエンジントルク制御装置は、
吸気管内の吸気流路に設けられ電動駆動手段により開閉
動作するスロットル弁を有し、目標とするエンジントル
クに応じて上記スロットル弁の開度を開閉制御するもの
で、上記目標エンジントルクに応じた吸入空気量を求め
る目標空気量算出手段と、この目標吸入空気量に応じた
上記スロットル弁に対する目標開度を求める目標スロッ
トル開度算出手段と、上記スロットル弁の開度を検出す
るスロットル開度センサと、このスロットル開度センサ
により検出される上記スロットル弁の開度が上記目標ス
ロットル開度算出手段により得られる目標スロットル開
度に一致するよう上記電動駆動手段を制御する第1のス
ロットル制御手段と、上記スロットル開度センサの故障
を検出する故障検出手段と、現在のスロットル弁開度に
対応する上記電動駆動手段の動作量を記憶するメモリ
と、上記目標スロットル開度算出手段により算出された
目標スロットル開度を上記電動駆動手段の動作量に換算
する開度/動作量換算手段と、上記故障検出手段により
スロットル開度センサの故障が検出された場合には上記
換算手段により得られた上記目標スロットル開度に対応
する電動駆動手段の動作量と上記メモリに記憶された現
スロットル弁開度に対応する電動駆動手段の動作量との
差に応じて該電動駆動手段を制御する第2のスロットル
制御手段とを備えて構成したものである。
(実施例) 以下、図面を参照して本発明の一実施例を車両の加速
スリップ防止装置に実施した場合について説明する。
第1図(A)は車両の加速スリップ防止装置を示す構
成図である。同図は前輪駆動車を示しているもので、W
FRは前輪右側車輪、WFLは前輪左側車輪、WRRは後輪右
側車輪、WRLは後輪左側車輪を示している。また、11は
前輪右側車輪(駆動輪)WFRの車輪速度VFRを検出する
車輪速度センサ、12は前輪左側車輪(駆動輪)WFLの車
輪速度VFLを検出する車輪速度センサ、13は後輪右側車
輪(従動輪)WRRの車輪速度VRRを検出する差輪速度セ
ンサ、14は後輪左側車輪(従動輪)WRLの車輪速度VRL
を検出する車輪速度センサである。上記車輪速度センサ
11〜14で検出された車輪速度VFR,VFL,VRR,VRLはトラク
ションコントローラ15に入力される。このトラクション
コントローラ15はエンジン16に制御信号を送って加速時
の駆動輪のスリップを防止する制御を行なっている。
第1図(B)は上記エンジン16における吸気系を示す
もので、同図において、21はエアクリーナ、22は吸気
管、22aはサージタンクであり、行き管22にはアクセル
ペダルによりその開度θmが操作される主スロットル弁
THm23の他に、上記トラクションコントローラ15からの
制御信号によりその開度θsが制御される副スロットル
弁THs24が設けられる。つまり、エアクリーナ21を介し
て導入される吸入空気は、副スロットル弁THs24及び主
スロットル弁THm23を直列に介してサージタンク22aから
吸気弁側に吸入されるもので、上記副スロットル弁THs2
4の開度θsをトラクションコントローラ15からのモー
タ駆動信号DMにより、モータ駆動回路25とそのモータ24
Mを介して制御しエンジン16の駆動力を制御している。
ここで、上記モータ24Mには、例えば1ステップに付
き一定角度回転するステップモータを使用するもので、
このモータ24Mの動作角に対応するステップデータは、
副スロットル弁THs24の実際の開度として、モータ駆動
回路25内のメモリ25aに対しリアルタイムで記憶され
る。この場合、上記メモリ25aにおけるモータ24Mのステ
ップデータが、上記トラクションコントローラ15からの
モータ駆動信号DMに応じて(+)方向に変化すれば副ス
ロットル弁THs24は開方向に動作し、また該ステップデ
ータが(−)方向に変化すれば副スロットル弁THs24は
閉方向に動作したことになる。まり、例えば副スロット
ル弁THs24の全閉全開に要するモータステップ数が200
ステップ、全閉全開角度が80°とすれば1ステップ当
たりのスロットル動作角θksは0.4°(=80°/200ステ
ップ)となる。
そして、主スロットル弁THm23及び副スロットル弁THs
24の開度θm及びθsは、それぞれ主スロットルポジシ
ョンセンサ(TPS1)26及び副スロットルポジションセン
サ(TPS2)27により検出される。また、主スロットル弁
THm23にはアクセルペダルの非踏込み状態、つまりエン
ジン16のアイドリング状態を検出する主スロットルアイ
ドルSW28が、また副スロットル弁THs24には副スロット
ル全開SW29がそれぞれ設けられる。さらに、上記エアク
リーナ21の下流にはエンジン1回転当たりの吸入空気量
を検出するためのエアフローセンサ(AFS)30が設けら
れ、また、上記サージタンク22aには吸気弁から燃焼室
に燃料混合気が流れ込む際の管内負圧(ブースト圧)を
検出する負圧センサ30aが設けられる。これら各センサ2
6,27,30,30a及びSW28,29からの出力信号は、何れも上記
トラクションコントローラ15に与えられる。
一方、第1図(A)において、17は前輪右側車輪WFR
の制動を行なうホイールシリンダ、18は前輪左側車輪W
FLの制御を行なうホイールシリンダである。通常これら
のホイールシリンダにはブレーキペダル(図示せず)を
操作することで、マスタシリンダ等(図示せず)を介し
て圧油が供給される。トラクションコントロール作動時
には次に述べる別の経路からの圧油の供給を可能として
いる。上記ホイールシリンダ17への油圧源19からの圧油
の供給はインレットバルブ17iを介して行われ、上記ホ
イールシリンダ17からリザーバ20への圧油の排出はアウ
トレットバルブ17oを介して行われる。また、上記ホイ
ールシリンダ18への油圧源19からの圧油の供給はインレ
ットバルブ18iを介して行われ、上記ホイールシリンダ1
8からリザーバ20への圧油の排出はアウトレットバルブ1
8oを介して行われる。そして、上記インレットバルブ17
i及び18i、上記アウトレットバルブ17o及び18oの開閉制
御は上記トラクションコントローラ15により行われる。
ここで、上記エンジン16の駆動力制御及び駆動輪WF
R,WFLの制動制御によるスリップ防止制御は、駆動輪WF
R,WFLのスリップ量が所定のスリップ判定値αを上回っ
た際に開始され、また、上記スリップ量が所定のスリッ
プ判定値α以下になった際に終了される。
さらに、第1図(A)において、81a〜81dは燃料噴射
インジェクタであり、このインジェクタ81a〜81dの作動
時間つまり燃料噴射量は、エンジンコントロールユニッ
ト(ECU)82において上記エアフローセンサ(AFS)30か
らの信号に基づく吸入空気量に応じて設定される。ま
た、83はエンジン16のクランク軸の回転を検出するエン
ジン回転センサ、84はエンジン16の出力トルクを検出す
るエンジントルクセンサであり、各センサ83,84により
検出されるエンジン回転検出信号及びエンジントルク検
出信号は上記ECU82に出力される。なお、上記トラクシ
ョンコントローラ15はECU82と一体のものでもよい。
次に、第2図を参照して上記トラクションコントロー
ラ15の詳細な構成について説明する。
同図において、11,12は駆動輪WFR,WFLの車輪速度VF
R,VFLを検出する車輪速度センサであり、この車輪速度
センサ11,12により検出された駆動輪速度VFR,VFLは、
何れも高車速選択部31及び平均部32に送られる。高車速
選択部31は、上記駆動輪速度VFR,VFLのうちの高車輪速
度側を選択するもので、この高車速選択部31により選択
された駆動輪速度は、重み付け部33に出力される。ま
た、上記平均部32は、上記車輪速度センサ11,12から得
られた駆動輪速度VFR,VFLから、平均駆動輪速度(VFR
+VFL)/2を算出するもので、この平均部32により算出
された平均駆動輪速度は、重み付け部34に出力される。
重み付け部33は、上記高車速選択部31により選択出力さ
れた駆動輪WFR,WFLの何れか高い方の車輪速度をKG倍
(変数)し、また、重み付け部34は、平均部32により平
均出力された平均駆動輪速度を(1−KG)倍(変数)
するもので、上記各重み付け部33及び34により重み付け
された駆動輪速度及び平均駆動輪速度は、加算部35に与
えられて加算され、駆動輪速度VFが算出される。
ここで、上記変数KGは、第3図で示すように、求心
加速度GYに応じて変化する変数であり、求心加速度GYが
所定値(例えば0.1g)まではその値の大小に比例し、そ
れ以上で「1」になるよう設定される。
一方、車輪速度センサ13,14により検出される従動輪
速度VRR,VRLは、何れも低車速選択部36及び高車速選択
部37に送られる。低車速選択部36は、上記従動輪速度V
RR,VRLのうちの低車輪速度側を選択し、また、高車速選
択部37は、上記従動輪速度VRR,VRLのうちの高車輪速度
側を選択するもので、この低車速選択部36により選択さ
れた低従動輪速度は重み付け部38に、また、高車速選択
部37により選択された高従動輪速度は重み付け部39に出
力される。重み付け部38は、上記低車速選択部36により
選択出力された従動輪WRR,WRLの何れか低い方の車輪速
度をKr倍(変数)し、また、重み付け部39は、上記高車
速選択部37により選択出力された従動輪WRR,WRLの何れ
か高い方の車輪速度を(1−Kr)倍(変数)するもの
で、上記各重み付け部38及び39により重み付けされた従
動輪速度は、加算部40に与えられて加算され、従動輪速
度VRが算出される。この加算部40で算出された従動輪速
度VRは、乗算部40′に出力される。この乗算部40′
は、上記加算算出された従動輪速度VRを(1+α)倍
するもので、この乗算部40′を経て従動輪速度VRR,VRL
に基づく目標駆動輪速度Vφが算出される。
ここで、上記変数Krは、第4図で示すように、求心加
速度GYに応じて「1」〜「0」の間を変化する変数であ
る。
そして、上記加算器35により算出された駆動輪速度V
F、及び乗算部40′により算出された目標駆動輪速度V
φは、減算部41に与えられる。この減算部41は、上記駆
動輪速度VFから目標駆動輪速度Vφを減算し、駆動輪
WFR,WFLのスリップ量DVi′(VF−Vφ)を算出するも
ので、この減算部41により算出されたスリップ量DVi′
は加算部42に与えられる。この加算部42は、上記スリッ
プ量DVi′を、求心加速度GY及びその変化率ΔGYに応じ
て補正するもので、求心加速度GYに応じて変化するスリ
ップ補正量Vg(第5図参照)はスリップ量補正部43から
与えられ、求心加速度GYの変化率ΔGYに応じて変化する
スリップ補正量Vd(第6図参照)はスリップ量補正部44
から与えられる。つまり、加算部42では、上記減算部か
ら得られたスリップ量DVi′に各スリップ補正量Vg,Vdを
加算するもので、この加算部42を経て、上記求心加速度
GY及びその変化率ΔGYに応じて補正されたスリップ量DV
iは、例えば15msのサンプリング時間T毎にTSn演算部45
及びTPn演算部46に送られる。
TSn演算部45における演算部45aは、上記スリップ量DV
iに係数KIを乗算し積分した積分型補正トルクTSn′(=
ΣKI・DVi)を求めるもので、この積分型補正トルクTS
n′は係数乗算部45bに送られる。つまり、上記積分型補
正トルクTSn′は、駆動輪WFR,WFLの駆動トルクに対す
る補正値であり、該駆動輪WFR,WFLとエンジン16との間
に存在する動力伝達機構の変速特性が変化するのに応じ
てその制御ゲインを調整する必要があり、係数乗算部45
bでは、上記演算部45aから得られた積分型補正トルクTS
n′に変速段により異なる係数GKiを乗算し、該変速段に
応じた積分型補正トルクTSnを算出する。ここで、上記
変数KIは、スリップ量DViに応じて変化する係数であ
る。
一方、TPn演算部46における演算部46aは、上記スリッ
プ量DViに係数Kpを乗算した比例型補正トルクTPn′(=
DVi・Kp)を求めるもので、この比例型補正トルクTPn′
は係数乗算部46bに送られる。つまり、この比例型補正
トルクTPn′も、上記積分型補正トルクTSn′同様、駆動
輪WFR,WFLの駆動トルクに対する補正値であり、該駆動
輪WFR,WFLとエンジン16との間に存在する動力伝達機構
の変速特性が変化するのに応じてその制御ゲインを調整
する必要のあるもので、係数乗算部46bでは、上記演算
部46aから得られた比例型補正トルクTSn′に変速段によ
り異なる係数GKpを乗算し、該変速段に応じた比例型補
正トルクTPnを算出する。
一方、上記加算部40により得られる従動輪速度VR
は、車体速度VBとして基準トルク演算部47に送られ
る。この基準トルク演算部47は、まず車体加速度演算部
47aにおいて上記車体速度VBの加速度GBを算出するも
ので、この車体加速度演算部47aにより得られた車体加
速度GBはフィルタ47bを介し車体加速度GBFとして基準
トルク算出部47cに送られる。この基準トルク算出部47c
は、上記車体加速度GBF及び車重W及び車輪半径Reに基
づき基準トルクTG(=GBF×W×Re)を算出するもの
で、この基準トルクTGが上記車体加速度GBFで加速す
るときに本来エンジン16が出力すべきトルク値となる。
上記フィルタ47bは、基準トルク演算部47cで算出され
る基準トルクTGを、時間的にどの程度手前の車体加速
度GBに基づき算出させるかを例えば3段階に定めるも
ので、つまりこのフィルタ47bを通して得られる車体加
速度GBFは、今回検出した車体加速度GBnと前回までの
フィルタ47bの出力である車体加速度GBFn−1とによ
り、現在のスリップ率S及び加速状態に応じて算出され
る。
例えば現在車両の加速度が増加している際にそのスリ
ップ率Sが第15図の範囲「1」で示す状態にある場合に
は、素早く範囲「2」の状態へ移行させるため、車体加
速度GBFは、前回のフィルタ47bの出力であるGBFn−
1と今回検出のGBnとを同じ重み付けで平均して最新の
車体加速度GBFnとして下式(1)により算出される。
GBFn=(GBn+GBFn−1)/2 …(1) また、例えば現在車両の加速度が減少している際にそ
のスリップ率SがS>S1で第15図で示す範囲「2」→
「3」に移行するような場合には、可能な限り範囲
「2」の状態を維持させるため、車体加速度GBFは、前
回のフィルタ47bの出力GBFn−1に重みが置かれて、
上式(1)で算出するときに比べ、前回算出の車体加速
度GBFn−1に近い値を有する車体加速度GBFnとして
下式(2)により算出される。
GBFn−1=(GBn+7GBFn−1)/8 …(2) さらに、例えば現在車両の加速度が減少している際に
そのスリップ率SがS≦S1で第15図で示す範囲「2」→
「1」に移行したような場合には、可能な限り範囲
「2」の状態に戻すため、車体加速度GBFは、前回のフ
ィルタ47bの出力GBFn−1に更に重みが置かれて、上
式(2)で算出するときに比べ、前回算出の車体加速度
GBFn−1に近い値を有する車体加速度GBFnとして下
式(3)により算出される。
GBFn=(GBn+15GBfn−1)/16 …(3) 次に、上記基準トルク演算部47により算出された基準
トルクTGは、減算部48に出力される。この減算部48
は、上記基準トルク演算部47より得られる基準トルクT
Gから前記TSn演算部45にて算出された積分型補正トルク
TSnを減算するもので、その減算データはさらに減算部4
9に送られる。この減算部49は、上記減算部48から得ら
れた減算データからさらに前記TPn演算部46にて算出さ
れた比例型補正トルクTPnを減算するもので、その減算
データは駆動輪WFR,WFLを駆動する車軸トルクの目標ト
ルクTφとしてスイッチS1を介しエンジントルク算出部
50に送られる。つまり、上記目標トルクTφは下式
(4)による値となる。
Tφ=TG−TSn−TPn …(4) エンジントルク算出部50は、上記減算部49からスイッ
チS1を介して与えられた駆動輪WFR,WFLに対する目標ト
ルクTφを、エンジン16と上記駆動輪車軸との間の総ギ
ア比で除算し目標エンジントルクTeに換算するもので、
この目標エンジントルクTeは下限値設定部501に送られ
る。この下限値設定部501は、上記エンジントルク算出
部50で算出された目標エンジントルクTeの下限値を、例
えば第16図及び第17図に示すように、トラクションコン
トロール開始からの経過時間tあるいは車体速度VBに
応じて変化する下限値T limにより制限するもので、こ
の下限値設定部501により下限値が制限された目標エン
ジントルクT elは目標空気量算出部502に送られる。こ
の目標空気量算出部502は、前期エンジン16において上
記目標エンジントルクT elを出力させるための吸気管22
におけるエンジン1回転当たりの目標空気量(質量)A/
Nmを算出するもので、この目標空気量A/Nmは、エンジン
回転速度Neと上記目標エンジントルクT elとに基づき、
第20図に示すような3次元マップが参照されて求められ
る。
A/Nm=f[Ne,T el] ここで、上記A/Nmはエンジン1回転当たりの吸入空気
量(質量)であり、f[Ne,T el]はエンジン回転速度N
e,目標エンジントルクT elをパラメータとした3次元マ
ップである。
なお、上記目標空気量(質量)A/Nmは、エンジン回転
速度Neに対して、第21図に示すような係数Kaと目標エン
ジントルクT elとの乗算により下式のようにして得ても
よい。
A/Nm=Ka(Ne)*T el そして目標空気量算出部502は下式により、上記吸入
空気量(質量)A/Nmを、吸気温度及び大気圧に応じて補
正し、標準大気状態での吸入空気量(体積)A/Nvに換算
する。
A/Nv =(A/Nm)/{Kt(AT)*Kp(AP)} ここで、A/Nvはエンジン1回転当たりの吸入空気量
(体積)、Ktは吸気温度(AT)をパラメータとした密度
補正係数(第22図参照)、Kpは大気圧(AP)をパラメー
タとした密度補正係数(第23図参照)である。
こうして上記目標空気量算出部502にて得られた目標
吸入空気量(体積)A/Nvは目標空気量補正部503に送ら
れる。この目標空気量補正部503は下式により、上記目
標空気量算出部502で算出された目標吸入空気量A/Nv
(体積)を吸気温度に応じて補正し、目標空気量A/N0
求める。
A/N0=A/Nv*Ka′(AT) ここで、A/N0は補正後の目標空気量、A/Nvは補正前の
目標空気量、Ka′は吸気温度(AT)による補正係数(第
24図参照)である。
次に、上記目標空気量補正部503により補正出力され
た目標空気量A/N0は等価目標スロットル開度算出部504
に送られる。この等価目標スロットル開度算出部504
は、エンジン回転速度Neと上記目標空気量A/N0とに基づ
き第25図に示すようなマップを参照して等価目標スロッ
トル開度θを求めるもので、この等価目標スロットル
開度θは目標スロットル開度算出部505に送られる。
ここで、上記等価目標スロットル開度θは、前記吸
気管22におけるスロットル弁を1つとした場合に上記目
標空気量A/N0を達成するためのスロットル弁開度であ
る。
そして、目標スロットル開度算出部505は、上記等価
目標スロットル開度θと主スロットル弁THm23のスロ
ットル開度θmとに基づき第30図に示すようなマップを
参照して副スロットル弁THs24に対する目標副スロット
ル開度θs′を求める。
一方、上記目標空気量補正部53により補正出力された
目標空気量A/N0は減算部506にも送られる。この減算部5
06は、上記目標空気量A/N0と前記エアフローセンサ30に
より所定のサンプリング時間毎に検出される実際の吸入
空気量A/Nとの差ΔA/Nを算出するもので、この目標空気
量A/N0と実空気量A/Nとの偏差ΔA/NはPID制御部507に送
られる。このPID制御部507は、上記空気量偏差ΔA/Nに
相当する上記副スロットル弁THs24の開度補正量Δθを
算出するもので、この副スロットル開度補正量Δθは加
算部508に送られる。
ここで、上記PID制御部507により得られる副スロット
ル開度補正量Δθは、比例制御による開度補正量Δθ
p、積分制御による開度補正量Δθi、微分制御による
開度補正量Δθdを加算したものである。
Δθ=Δθp+Δθi+Δθd Δθp=Kp(Ne) *K th(Ne)*ΔA/N Δθi=Ki(Ne)*K th(Ne) *Σ(ΔA/N) Δθd=Kd(Ne)*K th(Ne) *{ΔA/N−ΔA/Nold} ここで、各係数Kp,Ki,Kdは、それぞれエンジン回転速
度Neをパラメータとした比例ゲイン(第26図参照),積
分ゲイン(第27図参照),微分ゲイン(第28図参照)で
あり、K thはエンジン回転速度NeをパラメータとしたΔ
A/N→Δθ変換ゲイン(第29図参照)、ΔA/Nは目標空気
量A/N0と実際の空気量A/Nとの偏差、ΔA/Noldは1回前
のサンプリングタイミングでのΔA/Nである。
そして、上記加算部508は、目標スロットル開度算出
部505で算出された目標副スロットル開度θs′と上記P
ID制御部507で算出された副スロットル開度補正量Δθ
とを加算し、フィードバック補正された目標副スロット
ル開度θsoを算出する。この目標副スロットル開度θso
は、前記副スロットルポジションセンサ27により得られ
る実際の副スロットル開度θと比較される。そして、
モータ駆動信号DMが前記モータ駆動回路25に送られ、副
スロットル弁THs24の実開度θsが目標副スロットル開
度θsoに制御される。
ここで、上記スイッチA1は、TPS2(副スロットルポジ
ションセンサ)故障検出部509により開閉制御される。
このTPS2故障検出部509は、前記副スロットルポジショ
ンセンサ27からの出力信号を監視し、例えばエンジン回
転中であるにも拘らずTPS2検出信号が得られない、ある
いは通常有得ないTPS2検出信号が得られた際等、副スロ
ットルポジションセンサ27を故障として検出するもの
で、このTPS2故障検出部509により副スロットルポジシ
ョンセンサ27の故障が検出されると、上記スイッチA1は
開度/ステップ変換部510側に切換制御される。この開
度/ステップ変換部510は、上記加算部508にて加算出力
される目標副スロットル開度θsoを、前記モータ24Mの
1ステップ動作当たりのスロットル動作角θksで除算し
てモータステップ数Sに換算するもので、この目標副ス
ロットル開度θso相当のモータステップ数Sは駆動量設
定部511に送られる。この駆動量設定部511は、前記モー
タ駆動回路25のメモリ25aに記憶される現在の副スロッ
トル開度θsに比例するモータステップ数S0と上記目標
副スロットル開度θso相当のモータステップ数Sとの差
に基づき、モータ24Mの駆動方向(+)(−)、及びそ
の駆動ステップ量を求めるもので、この駆動量設定部51
1において求められたモータ駆動方向及び駆動ステップ
量のモータ駆動信号DMはモータ駆動回路25に送られる。
ここで、現在のモータステップ数S0が上記モータステッ
プ数Sに一致すれば、副スロットル弁THs24の開度θs
は上記目標副スロットル弁開度θsoにセットされたこと
になる。つまり、副スロットルポジションセンサ27が故
障した場合には、目標副スロットル開度θsoに対し現副
スロットル開度θsの一致を見ることができないので、
目標副スロットル開度θsoをモータステップ数Sに換算
してスロットル制御が行なわれる。
一方、前記車輪速度センサ13,14により検出された従
動輪WRR,WRLの車輪速度VRR,VRLは、求心加速度演算部
53に送られる。この求心加速度制御部53は、車両の旋回
度を判断するための求心加速度GY′を求めるもので、こ
の求心加速度GY′は求心加速度補正部54に送られる。こ
の求心加速度補正部54は、上記求心加速度GY′を車速に
応じて補正し求心加速度GYを求める。
GY=Kv・GY′ ここで、Kvは第7図乃至第12図で示すように、車速に
応じて変化する係数である。
ところで、前記高車速選択部37から出力される大きい
方の従動輪車輪速度は減算部55に送られ、右駆動輪WFR
の車輪速度V FRから減算される。また、上記高車速選択
部37から出力される大きい方の従動輪車輪速度は減算部
56に送られ、左駆動輪WFLの車輪速度VFLから減算され
る。そして、減算部55による減算出力は乗算部57に送ら
れ、また、減算部56による減算出力は乗算部58に送られ
る。上記乗算部57は減算部55からの減算出力をKB倍
(0<KB<1)し、また、乗算部58は減算部56からの
減算出力を(1−KB)倍するもので、このそれぞれの
乗算出力は加算部59に送られて加算され右駆動輪WFRの
スリップ量UDV FRが求められる。
一方、減算部56による減算出力は乗算部60に送られ、
また、減算部55による減算出力は乗算部61に送られる。
上記乗算部60は減算部56からの減算出力をKB倍(0<
KB<1)し、また、乗算部61は減算部55からの減算出
力を(1−KB)倍するもので、このそれぞれの乗算出
力は加算部62に送られて加算され左駆動輪WFLのスリッ
プ量DVFLが求められる。
ここで、上記KBは、第13図に示すように、トラクシ
ョンコントロールの制御開始からの経過時間tに応じて
変化する変数であり、この場合、トラクションコントロ
ールの制御開始時にはKB=「0.5」とし、その制御が進
むに従ってKB=「0.8」に近付くよう設定する。つま
り、左右駆動輪WRF,WFLのブレーキ制御を全く独立にす
ると、一方の駆動輪だけにブレーキが掛かってその回転
が減少した際、デファレンシャルギアの作用により、今
度は反対側の駆動輪がスリップしてブレーキが掛かるこ
とになり、この動作が繰返されるのを防止するよう構成
する。
次に、上記加算部59により得られる右駆動輪WFRのス
リップ量DVFRは微分部63に送られる。また、上記加算部
62により得られる左駆動輪WFLのスリップ量DVFLは微分
部64に送られる。この微分部63,64は、それぞれ対応す
る駆動輪のスリップ量DVFR,DVFLを微分してその時間的
変化量、つまりスリップ加速度GFR,GFLを求めるもの
で、この右駆動輪WFRのスリップ加速度GFRはブレーキ
液圧変化量(ΔP)算出部65に、また、左駆動輪WFLの
スリップ加速度GFLはブレーキ液圧変化量(ΔP)算出
部66に送られる。このブレーキ液圧変化量(ΔP)算出
部65,66は、第14図に示すようなGFR(GFL)−ΔP変
化マップに基づき、各駆動輪WWFR,WFLのスリップ加速度
GFR,GFLを抑制するためのブレーキ液圧変化量ΔPを求
めるもので、この左右駆動輪WFR,WFLに対するブレーキ
液圧変化量ΔPはそれぞれΔP−T変換部67,68に送ら
れる。このΔP−T変換部67,68は、各対応する駆動輪
のブレーキ液圧変化量ΔPを前記第1図(A)における
インレットバルブ17i,18iの開時間Tに変換するもの
で、ΔP−T変換部67により得られた開時間Tに応じて
右駆動輪WFR用のインレットバルブ17iを開制御し、ま
た、ΔP−1変換部68により得られた開時間Tに応じて
左駆動輪WFL用のインレットバルブ18iを開制御する。
なお、上記第14図に示すGFR(GFL)−ΔP変換マッ
プにおいて破線aに基づく変換値は、旋回時においてブ
レーキ制御を行なう際に、内側駆動輪に対するブレーキ
制御を強化するためのものである。
一方、上記目標トルクTφが算出される減算部49から
エンジントルク算出部50の間には、スイッチS1が介在さ
れ、また、ブレーキ液圧変化量(ΔP)算出部65,66か
らΔP−T変換部67,68の間には、それぞれスイッチS2
a,S2bが介在される。上記各スイッチS1,S2a,S2bには、
それぞれ後述するスリップ制御の開始/終了条件が満た
されると閉成/開成されるもので、このスイッチS1,S2
a,S2bは、何れも制御開始/終了判定部69により開閉制
御される。この制御開始/終了判定部69には、スリップ
判定部70からのスリップ判定信号が与えられる。このス
リップ判定部70は、前記駆動輪速度VFと従動輪速度VR
とに基づき減算部41及び加算部42を通して得られるスリ
ップ量DViが、スリップ判定値記憶部71で予め記憶され
るスリップ判定値αを上回ったか否かを判定するもの
で、このスリップ判定信号が制御開始/終了判定部69に
対して与えられる。
ここで、上記制御開始/終了判定部69は、スリップ判
定部70からスリップ判定信号(DVi>α)が入力された
際に制御開始信号を出力し、上記スイッチS1,S2a,S2bを
閉成させる。また、制御開始/終了判定部69は、スリッ
プ判定部70から非スリップ判定信号(DVi≦α)が入力
された際に制御終了信号を出力し、スイッチS1,S2a,S2b
を開成させる。
次に、上記のように構成された本発明のエンジントル
ク制御装置の一実施例に係わる車両の加速スリップ防止
装置の動作について説明する。
第1図及び第2図において、車輪速度センサ13,14か
ら出力される従動輪(後輪)の車輪速度は高車速選択部
36,低車速選択部37,求心加速度演算部53に入力される。
上記低車速選択部36においては従動輪の左右輪のうち小
さい方の車輪速度が選択され、上記高車速選択部37にお
いては従動輪の左右輪のうち大きい方の車輪速度が選択
される。通常の直線走行時において、左右の従動流の車
輪速度が同一速度である場合には、低車速選択部36及び
高車速選択部37からは同じ車輪速度が選択される。ま
た、求心加速度演算部53においては左右の従動輪の車輪
速度が入力されており、その左右の従動輪の車輪速度か
ら車両が旋回している場合の旋回度、つまりどの程度急
な旋回を行なっているかの度合いが算出される。
以下、求心加速度演算部53においてどのように求心加
速度が算出されるかについて説明する。前輪駆動車では
後輪が従動輪であるため、駆動によるスリップに関係な
くその位置での車体速度を車輪速度センサにより検出で
きるので、アッカーマンジオメトリを利用することがで
きる。つまり、定常旋回においては求心加速度GY′は GY′=v2/r …(5) (v=車速,r=旋回半径)として算出される。
例えば、第19図に示すように車両が右に旋回している
場合において、旋回の中心をMoとし、旋回の中心Moから
内輪側(WRR)までの距離をr1とし、トレッドをΔrと
し、内輪側(WRR)の車輪速度をv1とし、外観(WRL)
の車輪速度をv2とした場合に、 v2/v1=(Δr+r1)/r1 …(6) とされる。
そして、上記(6)式を変形して 1/r1=(v2−v1)/Δr・v1 …(7) とされる。そして、内輪側を基準とする求心加速度GY′
は GY′=vl2/r1 =vl2・(v2−v1)/Δr・v1 =vl・(v2−v1)/Δr …(8) として算出される。
つまり、第(8)式により求心加速度GY′が算出され
る。ところで、旋回時には内輪側の車輪速度v1は外輪側
の車輪速度v2より小さいため、内輪側の車輪速度v1を用
いて求心加速度GY′を算出しているので、求心加速度G
Y′は実際より小さく算出される。従って、重み付け部3
3で乗算される係数KGは求心加速度GY′が小さく見積ら
れるために、小さく見積もられる。従って、駆動輪速度
VFが小さく見積もられるために、スリップ量DVi′(V
F−Vφ)も小さく見積もられる。これにより、目標ト
ルクTφが大きく見積もられるために、目標エンジント
ルクが大きく見積もられることにより、旋回時にも充分
な駆動力を与えるようにしている。
ところで、極低速時の場合には、第19図に示すよう
に、内輪側から旋回の中心M0までの距離はr1であるが、
速度が上がるに従ってアンダーステアする車両において
は、旋回の中心はMに移行し、その距離はr(r>r1)
となっている。このように速度が上がった場合でも、旋
回半径をr1として計算しているために、上記第(8)式
に基づいて算出された求心加速度GY′は実際よりも大き
い値として算出される。このため、求心加速度演算部53
において算出された求心加速度GY′は求心加速度補正部
54に送られて、車速では求心加速度GYが小さくなるよう
に、求心加速度GY′に第7図の係数Kvが乗算される。こ
の変数Kvは車速に応じて小さくなるように設定されてお
り、第8図あるいは第9図に示すように設定しても良
い。このようにして、求心加速度補正部54より補正され
た求心加速度GYが出力される。
一方、速度が上がるに従って、オーバステアする(r
<r1)車両においては、上記したアンダーステアする車
両とは全く逆の補正が求心加速度補正部54において行わ
れる。つまり、第10図ないし第12図のいずれかの変数Kv
が用いられて、車速が上がるに従って、上記求心加速度
演算部53で算出された求心加速度GY′を大きくなるよう
に補正している。
ところで、上記低車速選択部36において選択された小
さい方の車輪速度は重み付部38において第4図に示すよ
うに変数Kr倍され、高車速選択部37において選択された
高車速は重み付け部39において変数(1−Kr)倍され
る。変数Krは求心加速度GYが例えば0.9gより大きくなる
ような旋回時に「1」となるようにされ、求心加速度GY
が0.4gより小さくなると「0」に設定される。
従って、求心加速度GYが0.9gより大きくなるような旋
回に対しては、低車速選択部36から出力される従動輪の
うち低車速の車輪速度、つまり選択時における内輪側の
車輪速度が選択される。そして、上記重み付け部38及び
39から出力される車輪速度は加算部40において加算され
て従動輪速度VRとされ、さらに上記従動輪速度VRは乗
算部40′において(1+α)倍されて目標駆動輪速度V
φとされる。
また、駆動輪の車輪速度のうち大きい方の車輪速度が
高車速選択部31において選択された後、重み付け部33に
おいて第3図に示すように変数KG倍される。さらに、
平均部32において算出された駆動輪の平均車速(VFR+
VFL)/2は重み付け部34において、(1−KG)倍さ
れ、上記重み付け部33の出力と加算部35において加算さ
れて駆動輪速度VFとされる。従って、求心加速度GYが例
えば0.1g以上となると、KG=1とされるため、高車速
選択部31から出力される2つの駆動輪のうち大きい方の
駆動輪の車輪速度が出力されることになる。つまり、車
両の旋回度が大きくなって求心加速度GYが例えば、0.9g
以上になると、「KG=Kr=1」となるために、駆動輪
側は車輪速度の大きい外輪側の車輪速度を駆動輪速度V
Fとし、従動輪側は車輪速度の小さい内輪側の車輪速度
を従動輪速度VRとしているために、減算部41で算出さ
れるスリップ量DVi′(=VF−Vφ)を大きく見積もっ
ている。従って、目標トルクTφは小さく見積もるため
に、エンジンの出力が低減されて、スリップ率Sを低減
させて第18図に示すように横力Aを上昇させることがで
き、旋回時のタイヤのグリップ力を上昇させて、安全な
旋回を行なうことができる。
上記スリップ量DVi′はスリップ量補正部43におい
て、求心加速度GYが発生する旋回時のみ第5図に示すよ
うなスリップ補正量Vgが加算されると共に、スリップ量
補正部44において第6図に示すようなスリップ量Vdが加
算される。例えば、直角に曲がるカーブの旋回を想定し
た場合に、旋回の前半においては求心加速度GY及びその
時間的変化率ΔGYは正の値となるが、カーブの後半にお
いては求心加速度GYの時間的変化率ΔGYは負の値とな
る。従って、カーブの前半においては加算部42におい
て、スリップ量DVi′に第5図に示すスリップ補正量Vg
(>0)及び第6図に示すスリップ補正量Vd(>0)が
加算されてスリップ量DViとされ、カーブの後半におい
てはスリップ補正量Vg(>0)及びスリップ補正量Vd
(<0)が加算されてスリップ量DViとされる。従っ
て、旋回の後半におけるスリップ量DViは旋回の前半に
おけるスリップ量DViよりも小さく見積もることによ
り、旋回の前半においてはエンジン出力を低下させて横
力を増大させ、旋回の後半においては、前半よりもエン
ジン出力を回復させて車両の加速性を向上させるように
している。
このようにして、補正されたスリップ量DViは例えば1
5msのサンプリング時間TでTSn演算部45に送られる。こ
のTSn演算部45内において、スリップ量DViが係数KIを乗
算されながら積分されて補正トルクTSnが求められる。
つまり、 TSn=GKiΣKI・DVi(KIはスリップ量DViに応じて変化す
る係数である) としてスリップ量DViの補正によって求められた補正ト
ルク、つまり積分型補正トルクTSnが求められる。
また、上記スリップ量DViはサンプリング時間T毎にT
Pn演算部46に送られて、補正トルクTPnが算出される。
つまり、 TPn=GKpDVi・Kp(Kpは係数) としてスリップ量DViにより補正された補正トルク、つ
まり比例型補正トルクTPnが求められる。
また、上記係数乗算部45b,46bにおける演算に使用す
る係数GKi,GKpの値は、シフトアップ時には変速開始か
ら設定時間後に変速後の変速段に応じた値に切替えられ
る。これは変速開始から実際に変速段が切替わって変速
を終了するまで時間がかかり、シフトアップ時に、変速
開始とともに変速後の高速段に対応した上記係数GKi,GK
pを用いると、上記補正トルクTSn,TPnの値は上記高速段
に対応した値となるため実際の変速が終了していないの
に変速開始前の値より小さくなり目標トルクTφが大き
くなってしまって、スリップが誘発されて制御が不安定
となるためである。
また、上記加算部40から出力される従動輪車速VRは
車体速度VBとして基準トルク演算部47に入力される。
そして、車体加速度演算部47aにおいて、車体速度VBの
加速度GBが演算される。そして、上記車体加速度演算
部47aにおいて算出された車体速度の加速度GBはフィル
タ47bにより構成のところで説明したように、(1)式
乃至(3)式の何れかのフィルタがかけられて、加速度
GBの状態に応じてGBFを最適な位置に止どめるように
している。そして、基準トルク算出部347cにおいて、基
準トルクTG(=GBF×W×Re)が算出される。
そして、上記基準トルクTGと上記積分型補正トルクT
Snとの減算は減算部48において行われ、さらに上記比例
型補正トルクTPnが減算部49において減算される。この
ようにして、目標トルクTφは、 Tφ=TG−TSn−TPnとして算出される。
目標トルクTφは、スイッチS1を介してエンジントル
ク算出部50に与えられ、目標エンジントルクTeに換算さ
れる。この目標エンジントルクTeは、エンジントルクの
下限値T limを設定している下限値設定部501において、
その目標エンジントルクTeの下限値が制限され目標エン
ジントルクT elとなる。
一方、第31図はこのトラクションコントローラ15にお
ける副スロットルポジションセンサ27異常時の副スロッ
トル開度制御に備えたイニシャル処理を示すフローチャ
ートであり、例えばこのイニシャル処理はイグニッショ
ンキーのキーON時に同期して実行される。
すなわち、ステップA1において、前記モータ24Mの初
期動作速度が設定され、モータ駆動信号DMにより副スロ
ットル弁THs24が全開方向に駆動される。ここで、ステ
ップA2において、副スロットル全開SW29がON動作し副ス
ロットル弁THs24が全開位置まで到達したことが検出さ
れると、ステップA3において、前記モータ24Mの動作速
度が低速に変更設定され、ステップA4において、さらに
n2ステップ分全開方向に駆動される。この副スロットル
弁THs24の全開検知後、さらにn2ステップ全開方向に駆
動するのは、副スロットル弁THs24の完全な全開位置
(例えば80°)に対し副スロットル全開SW29の全開検知
位置は多少手前(例えば78°)にセットしてある為であ
り、この場合、全閉全開ステップ数=200ステップ、
1ステップ当たりの副スロットル動作角φks=0.4°
(=80/200)とすれば上記n2=5となり、副スロットル
弁THs24は完全な全開状態に駆動される。ここで、上記
ステップA3においてモータ24Mの動作速度を低速に変更
するのは、副スロットル弁THs24が全開ストッパに当た
り跳返ってしまう脱調が生じるのを防ぐ為である。
上記ステップA4において、副スロットル弁THs24が完
全に全開位置に駆動されると、ステップA5においてモー
タ24Mが励磁保持される。そして、ステップA6におい
て、現在の副スロットル弁THs24の開度位置を全開と決
定してモータ駆動回路25のメモリ25aにおけるステップ
データを“200"とする。これにより、モータ24Mの“0"
〜“200"ステップで副スロットル開度θsを0.4°刻み
に0°〜80°まで制御可能な状態になる。
第32図はエンジントルク制御動作を示すフローチャー
トである。
まず、ステップB1において、上記目標エンジントルク
T elを得るためのエンジン1回転当たりの目標空気量A/
N0が求められる。
つまり、上記下限値設定部501において、下限値が制
限された目標エンジントルクT elは目標空気量算出部50
2に送られて、該目標エンジントルクT elを出力するた
めの目標空気量(質量)A/Nmが算出される。また、目標
空気量算出部502では、上記吸入空気量A/Nm(質量)が
吸気温度及び大気圧により補正されて標準大気圧状態で
の吸入空気量A/Nv(体積)に換算される。
このようにして算出された目標吸入空気量A/Nv(体
積)は、目標空気量補正部503において吸気温による補
正が行われ、目標空気量A/N0とされる。
そして、ステップB2において、目標空気量補正部503
から出力される目標空気量A/N0は、等価目標スロットル
開度算出部504に送られ、第25図のマップが参照されて
エンジン回転速度Neと目標空気量A/N0に対する等価目標
スロットル開度θが求められる。
すると、ステップB3において、この等価目標スロット
ル開度θは、目標スロットル開度算出部505に送ら
れ、第30図のマップが参照されて主スロットル弁THm23
のスロットル開度がθmである場合の副スロットル弁TH
s24に対する基本の目標スロットル開度θs′が算出さ
れる。
一方、ステップB4において、上記目標空気量補正部50
3から補正出力された目標空気量A/N0は、減算部506に送
られ、所定のサンプリング時間毎に前記エアフローセン
サ30で検出される現在の空気量A/Nとの差ΔA/Nが算出さ
れる。そして、ステップB5において、上記ΔA/NはPID制
御部507に送られてPID制御が行なわれ、該ΔA/Nに相当
する開度補正量Δθが算出される。そして、ステップB6
において、上記開度補正量Δθは加算部508にて上記基
本目標副スロットル開度θs′と加算され、フィードバ
ック補正された目標副スロットル開度θsoが算出され
る。
上記のようにして求められた目標副スロットル開度θ
soは、スイッチA1を介して出力され前記副スロットルポ
ジションセンサ27により検出される現副スロットル開度
θsと比較される。そして、ステップB7において、副ス
ロットル弁制御信号としてのモータ駆動信号DMがトラク
ションコントローラ15からモータ駆動回路25に送られ、
副スロットル弁THs24の開度θsが上記目標副スロット
ル開度θsoに一致制御される。
次に、上記副スロットルポジションセンサ(TPS2)27
が故障した場合の目標エンジントルクTφに応じた副ス
ロットル弁THs24の開度制御について説明する。
第33図は上記副スロットルポジションセンサ(TPS2)
27のモニタ処理を示すフローチャートであり、例えば副
スロットルポジションセンサ27から出力される副スロッ
トル開度θsの検出信号が異常レベルを示し、この異常
状態がTPS2故障検出部509において副スロットルポジシ
ョンセンサ27の故障として検出されると、ステップC1に
おいて「YES」と判断され、ステップC2において、前記
第31図におけるセンサ異常時副スロットル弁制御のため
のイニシャライズ処理が済んでいるか否か判断される。
このステップC2において「NO」と判断されると、ステッ
プC3に進み、前記第31図におけるステップA1〜A6までの
イニシャライズ処理が実行される。またステップC2にお
いて「YES」、つまりイグニッションキーのキーON時に
おいて既に同イニシャル処理は終了していると判断され
ると、現在の副スロットル開度θsが、モータ駆動回路
25のメモリ25aに記憶されているモータステップデータS
0に1ステップ当たりの動作角度(この場合0.4°)を乗
算した値として求められる。
一方、上記副スロットルポジションセンサ27の故障が
TPS2故障検出部509において検出されると、スイッチA1
が開度/ステップ変換部510側に切換えられる。すなわ
ち、上記第32図におけるステップB1〜B6の処理におい
て、目標エンジントルクT elに応じた吸入空気量A/N0
求められ等価目標スロットル開度θが算出された後、
基本目標副スロットル開度θs′、目標副スロットル開
度θsoが求められると、ステップB7において、該目標副
スロットル開度θsoは開度/ステップ変換部510に送ら
れる。
第34図は、上記副スロットルポジションセンサ27の異
常時における副スロットル弁THs24の目標開度制御処理
を示すフローチャートであり、上記開度/ステップ変換
部510に目標副スロットル開度θsoが送られると、ステ
ップD1において、該目標副スロットル開度θsoが1ステ
ップ当たりの動作角度θksで除算されモータ24Mのステ
ップ数Sに換算される。そして、ステップD2において、
モータステップ数の上限値と下限値とが、それぞれ副ス
ロットル弁THs24の全開/全閉に対応させてクランプさ
れ、上記目標とするモータステップ数Sが正常値である
場合の限界位置とされる。すると、ステップD3におい
て、予めモータ駆動回路25のメモリ25aにおいて記憶さ
れている現在のモータ動作角、つまり現副スロットル開
度θsに応じたステップデータと上記目標副スロットル
開度θso相当のモータステップ数Sとに基づき、モータ
24Mの駆動方向及びその駆動ステップ量が求められる。
つまり、目標副スロットル開度θso相当のモータステ
ップ数Sから現副スロットル開度θsに応じてステップ
データを減算した結果データが“正”である場合には、
モータ駆動方向は(+)になり、また、該結果データが
“負”である場合にはモータ駆動方向は(−)になる。
そして、上記減算結果データの絶対値がモータ24Mの駆
動ステップ量になる。
例えば、現在の副スロットル開度θs=32°、対応す
るモータステップ数S0=80ステップ(=32°/0.4°)
で、目標副スロットル開度θso=40°、対応するモータ
ステップ数S=100ステップ(40°/0.4°)とすると、
上記ステップD3の駆動設定処理において、目標開度ステ
ップ数S(=100)−現モータ駆動ステップ数S0(=8
0)は“正”の値(+20)となり、モータ駆動方向は
(+)に、またその駆動量は該減算結果(+20)の絶対
値で[20ステップ]になる。よって、ステップD4におい
て、トラクションコントローラ15からモータ駆動回路25
に対し、(+)方向に[20ステップ]のモータ駆動信号
DMが出力され、副スロットル弁THs24は8°(=20ステ
ップ×0.4°)開方向に駆動される。これにより、ステ
ップD5において、現モータステップ数S0と目標開度ステ
ップ数Sとがいずれも100ステップとなって一致判定が
成され、副スロットル開度θsは目標副スロットル開度
θsoの40°に制御されるようになる。
すなわち、副スロットルポジションセンサ27が故障し
て計測副スロットル開度θsと目標副スロットル開度θ
soとによる比較制御が不能になった場合には、副スロッ
トルポジションセンサ27を用いることなく、目標副スロ
ットル開度θsoをモータ駆動ステップ数Sに換算して副
スロットル弁THs24に対する開閉制御を行なうので、副
スロットルポジションセンサ27に全面的に依存すること
なく、その故障時でも、制御不能にならずに必要充分な
副スロットル弁THs24の開度制御を行なうことが可能で
ある。この場合、上記モータ駆動ステップ数に基づく副
スロットル弁THs24の開度制御時においても、目標空気
量A/N0に対するエアフローセンサ30の計測空気量A/Nと
のフィードバック制御は続行されるので、前記副スロッ
トル弁THs24の脱調等によるモータステップ数の誤差は
修正され、常に高精度は副スロットル開度制御を行なう
ことが可能である。
ところで、上記高車速選択部37から出力される大きい
方の従動輪車輪速度が減算部55において駆動輪の車輪速
度VFRから減算される。さらに、上記高車速選択部37か
ら出力される大きい方の車輪速度が減算部56において駆
動輪の車輪速度VFLから減算される。従って、減算部55
及び56の出力を小さく見積もるようにして、旋回中にお
いてもブレーキを使用する回数を低減させ、エンジント
ルクの低減により駆動輪のスリップを低減させるように
している。
上記減算部55の出力は乗算部57においてKB倍(0<
KB<1)され、上記減算部56の出力は乗算部58におい
て(1−KB)倍された後、加算部59において加算され
て右側駆動輪のスリップ量DVFRとされる。また同時に、
上記減算部56の出力は乗算部60においてKB倍され、上
記減算部55の出力は乗算部61において(1−KB)倍さ
れた後加算部62において加算されて左側の駆動輪のスリ
ップ量DVFLとされる。上記変数KBは第13図に示すよう
にトラクションコントロールの制御開始からの経過時間
tに応じて変化するもので、トラクションコントロール
の制御開始時には「0.5」とされ、トラクションコント
ロールの制御が進むに従って、「0.8」に近付くように
設定されている。つまり、ブレーキにより駆動輪のスリ
ップを低減させる場合には、制動開始時においては、両
車輪に同時にブレーキを掛けて、例えばスプリット路で
のブレーキ制動開始時の不快なハンドルショックを低減
させることができる。一方、ブレーキ制御が継続されて
行われて、上記KBが「0.8」となった場合の動作につい
て説明する。この場合、一方の駆動輪だけにスリップが
発生したとき他方の駆動輪でも一方の駆動輪の20%分だ
けスリップが発生したように認識してブレーキ制御を行
なうようにしている。これは、左右駆動輪のブレーキを
全く独立にすると、一方の駆動輪にのみブレーキがかか
って回転が減少するとデフの作用により今度は反対側の
駆動輪がスリップしてブレーキがかかり、この動作が繰
返えされて好ましくないためである。上記右側駆動輪の
スリップ量DVFRは微分部63において微分されてその時間
的変化量、つまりスリップ加速度GFRが算出されると共
に、上記左側駆動輪のスリップ量DVFLは微分部64におい
て微分されてその時間的変化量、つまりスリップ加速度
GFLが算出される。そして、上記スリップ加速度GFRは
ブレーキ液圧変化量(ΔP)算出部65に送られて、第14
図に示すGFR(GFL)−ΔP変換マップが参照されてス
リップ加速度GFRを制御するためのブレーキ液圧の変化
量ΔPが求められる。また、同様に、スリップ加速度G
FLはブレーキ液圧変化量(ΔP)算出部66に送られて、
第14図に示すGFR(GFL)−ΔP変換マップが参照され
て、スリップ加速度GFLを抑制するためのブレーキ液圧
の変化量ΔPが求められる。
さらに、上記ΔP算出部65から出力されるスリップ加
速度GFRを抑制するためのブレーキ液圧の変化量ΔP
は、スイッチS2aの閉成時、つまり制御開始/終了判定
部69による制御開始条件成立判定の際にインレットバル
ブ17iの開時間Tを算出するΔP−T変換部67に与えら
れる。つまり、このΔP−T変換部67において算出され
たバルブ開時間Tが、右側駆動輪WFRのブレーキ作動時
間FRとされる。また、同様に、上記ΔP算出部66から出
力されるスリップ加速度GFLを抑制するためのブレーキ
液圧の変化量ΔPは、スイッチS2bの閉成時、つまり制
御開始/終了判定部69による制御開始条件成立判定の際
にインレットバルブ18iの開時間Tを算出するΔP−T
変換部68に与えられる。つまり、このΔP−T変換部68
において算出されたバルブ開時間Tが、左側駆動輪WFL
のブレーキ作動時間FLとされる。これにより、左右の駆
動輪WFR,WFLにより以上のスリップが生じることが抑制
される。
なお、第14図において、旋回時にブレーキを掛ける場
合には、内輪側の駆動輪のブレーキを強化するために、
旋回時の内輪側は破線aで示すようになっている。この
ようにして、旋回時において荷重移動が外輪側に移動し
て、内輪側がすべり易くなっているのを、ブレーキ液圧
の変化量ΔPを内輪側を外輪側よりも大きめとすること
により、旋回時に内輪側がすべるのを防止させることが
できる。
ここで、例えば車両が圧雪路等の低μ路上で発進加速
する際に、アクセルペダルの踏込みに伴うエンジン出力
の上昇により、駆動輪WFR,WFLに加速スリップが生じ、
そのスリップ量DViがスリップ判定値記憶部71で予め記
憶されるスリップ判定値αを上回ると、スリップ判定部
70から制御開始/終了判定部69に対しスリップ判定信号
(DVi>α)が出力される。すると、制御開始/終了判
定部69では、駆動輪のスリップ抑制制御が必要になった
と判定し、スイッチS1及びS2a,S2bを閉成させる。これ
により、上記駆動輪WFR,WFLのスリップ量DVに応じたエ
ンジントルク制御、並びに制動制御によるスリップ制御
が開始される。
一方、上記スリップ制御が開始された後の状態におい
て、例えばアクセルペダルの戻し操作による主スロット
ル弁THm23の閉じ動作に伴い、エンジン出力トルクが低
下して駆動輪WFR,WFLのスリップ要因が解消され、その
スリップ量DViがスリップ判定値記憶部71で予め記憶さ
れるスリップ判定値α以下になると、スリップ判定部70
から制御開始/終了判定部69に対しスリップ判定信号
(DVi≦α)が出力される。すると、制御開始/終了判
定部69では、駆動輪のスリップ抑制制御が不要になった
と判定し、スイッチS1及びS2a,S2bを開成させる。これ
により、上記駆動輪WFR,WFLのスリップ量DVに応じたエ
ンジントルク制御、並びに制動制御によるスリップ制御
が終了される。
ここで、上記制御開始/終了判定部69により制御終了
判定が成された場合には、副スロットル弁THs24の開度
θsは徐々に全開方向に制御され、副スロットル全開SW
29から全開検出信号(オン)が得られた状態で待機され
る。
したがって、上記構成の車両の加速スリップ防止装置
によれば、エンジントルク制御を適切に行ない、駆動輪
に生じるスリップを確実に抑制して加速性を向上させる
ことが可能になるばかりでなく、副スロットルポジショ
ンセンサ27の故障により計測副スロットル開度θsと目
標副スロットル開度θsoのの比較制御が不能になった場
合でも、目標副スロットル開度θsoをモータ駆動ステッ
プ数Sに換算して副スロットル弁THs24の開度θsを制
御する構成としたことにより、上記目標エンジントルク
Tφに応じたエンジントルクの低減制御が引続き行なわ
れ、スリップの抑制がなされて走行安定性を確保するこ
とが可能となる。
尚、上記実施例では、吸気管22内に主スロットル弁TH
m23と副スロットル弁THs24とを直接に配した2スロット
ルシステムを用い、電動により開閉動作する副スロット
ル弁THs24の基本制御開度φs′を、目標スロットル開
度算出部505を通して等価目標スロットル開度θと主
スロットル開度θmとに基づき得ているが、吸気管に対
し電動のスロットル弁を1つ配した1スロットルシステ
ムにおいては、上記「等価目標スロットル開度θ」=
「基本の目標スロットル開度」とし、この目標スロット
ル開度に対し吸入空気量A/Nのフィードバック制御を行
なえばよいものである。
この1スロットルシステムにおいては、スロットル弁
の全閉位置をアイドルSWにより検出し、この全閉位置検
出時点においてスロットル弁駆動モータのモータ駆動ス
テップを“0"に設定すれば、このモータステップデータ
に基づきスロットル開度制御を行なうことができる。
また、上記実施例では、副スロットル弁THs24の全開
位置を副スロットル全開SW29により検出したが、この全
開SW29を使用せずに、例えば副スロットル弁THs24の全
閉全開に要するモータステップ数(この場合、200ス
テップ)を上回るモータ駆動信号で副スロットル弁THs2
4を開方向に回動させ、副スロットル開度θsが全開位
置に到達したとしてもよい。
そして、上記1スロットルシステムにおいては、アイ
ドルSWを利用せずに全閉方向に充分なモータ駆動ステッ
プ数のモータ駆動信号で回動させればよい。
さらに、上記実施例では、スロットル弁の駆動モータ
としてステップモータを使用したが、例えばDCブラシレ
スモータ等、その回転角をデジタル的に制御できるモー
タであればよい。すなわち、DCブラシレスモータの場合
には、ホール素子からなる位相センサでその回転角をス
テップ数として検出することで、上記同様モータステッ
プ数に基づきスロットル開度制御を行なうことが可能で
ある。
[発明の効果] 以上のように本発明によれば、吸気管内の吸気流路に
設けられ電動駆動手段により開閉動作するスロットル弁
を有し、目標とするエンジントルクに応じて上記スロッ
トル弁の開度を開閉制御するもので、上記目標エンジン
トルクに応じた吸入空気量を求める目標空気量算出手段
と、この目標吸入空気量に応じた上記スロットル弁に対
する目標開度を求める目標スロットル開度算出手段と、
上記スロットル弁の開度を検出するスロットル開度セン
サと、このスロットル開度センサにより検出される上記
スロットル弁の開度が上記目標スロットル開度算出手段
により得られる目標スロットル開度に一致するよう上記
電動駆動手段を制御する第1のスロットル制御手段と、
上記スロットル開度センサの故障を検出する故障検出手
段と、現在のスロットル弁開度に対応する上記電動駆動
手段の動作量を記憶するメモリと、上記目標スロットル
開度算出手段により算出された目標スロットル開度を上
記電動駆動手段の動作量に換算する開度/動作量換算手
段と、上記故障検出手段によりスロットル開度センサの
故障が検出された場合には上記換算手段により得られた
上記目標スロットル開度に対応する電動駆動手段の動作
量と上記メモリに記憶された現スロットル弁開度に対応
する電動駆動手段の動作量との差に応じて該電動駆動手
段を制御する第2のスロットル制御手段とを備えて構成
したもので、スロットル開度センサが故障した場合で
も、目標エンジントルクに応じたスロットル弁の開閉制
御を行なうことが可能になるエンジントルク制御装置を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)は本発明のエンジントルク制御装置の一実
施例に係わる車両の加速スリップ防止装置の全体的な構
成図、第1図(B)は第1図(A)のエンジン吸気系を
示す構成図、第2図は第1図のトラクションコントロー
ラの制御を機能ブロック毎に分けて示したブロック図、
第3図は求心加速度GYと変数KGとの関係を示す図、第
4図は求心加速度GYと変数Krとの関係を示す図、第5図
は求心加速度GYとスリップ補正量Vgとの関係を示す図、
第6図は求心加速度の時間的変化量ΔGYとスリップ補正
量Vdとの関係を示す図、第7図乃至第12図はそれぞれ車
体速度VBと変数Kvとの関係を示す図、第13図はブレー
キ制御開始時からの変数KBの経時変化を示す図、第14
図はスリップ量の時間的変化量GFR(GFL)とブレーキ
液圧の変化量ΔPとの関係を示す図、第15図及び第18図
はそれぞれスリップ率Sと路面の摩擦係数μとの関係を
示す図、第16図はT lim−t特性を示す図、第17図はT l
im−VB特性を示す図、第19図は旋回時の車両の状態を
示す図、第20図は目標エンジントルク−エンジン回転速
度マップを示す図、第21図は係数Kaのエンジン回転速度
Ne特性を示す図、第22図は係数Ktの吸気温度特性を示す
図、第23図は係数Kpの大気圧特性を示す図、第24図は係
数Ka′の吸気温度特性を示す図、第25図は目標A/N−エ
ンジン回転速度マップを示す図、第26図は比例ゲインKp
のエンジン回転速度特性を示す図、第27図は積分ゲイン
Kiのエンジン回転速度特性を示す図、第28図は微分ゲイ
ンKdのエンジン回転速度特性を示す図、第29図は変換ゲ
インのエンジン回転速度特性を示す図、第30図は等価目
標スロットル開度−主スロットル開度マップを示す図、
第31図は上記トラクションコントローラにおけるスロッ
トルポジションセンサ異常時のスロットル開度制御に備
えたイニシャル処理を示すフローチャート、第32図は上
記トラクションコントローラにおける目標エンジントル
クに応じたエンジントルク制御動作を示すフローチャー
ト、第33図は上記トラクションコントローラにけるスロ
ットルポジションセンサのモニタ処理を示すフローチャ
ート、第34図は上記トラクションコントローラにおける
スロットルポジションセンサ異常時のスロットル開度制
御処理を示すフローチャートである。 WFR,WFL…駆動輪、WRR,WRL…従動輪、11〜14…車輪速
度センサ、15…トラクションコントローラ、16…エンジ
ン、22…吸気管、23…主スロットル弁THm、24…副スロ
ットル弁THs、24M…モータ、25…モータ駆動回路、25a
…メモリ、26…主スロットルポジションセンサ(TPS
1)、27…副スロットルポジションセンサ(TPS2)、28
…主スロットルアイドルSW、29…副スロットル全開SW、
30…エアフローセンサ(AFS)、30a…負圧センサ、45,4
6…補正トルク演算部、47c…基準トルク算出部、50…エ
ンジントルク算出部、69…制御開始/終了判定部、70…
スリップ判定部、71…スリップ判定値記憶部、81a〜81d
…燃料噴射インジェクタ、82…エンジンコントロールユ
ニット(ECU)、83…エンジン回転センサ、84…エンジ
ントルクセンサ、502…目標空気量算出部、504…等価目
標スロットル開度算出部、505…目標スロットル開度算
出部、506…減算部、507…PID制御部、508…加算部、50
9…TPS2故障検出部、510…開度/ステップ変換部、511
…駆動量設定部、A1…スイッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島田 誠 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 上田 克則 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−191843(JP,A) 特開 平2−191844(JP,A) 特開 昭61−275539(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気管内の吸気流路に設けられ電動駆動手
    段により開閉動作するスロットル弁を有し、目標とする
    エンジントルクに応じて上記スロットル弁の開度を開閉
    制御するエンジントルク制御装置において、上記目標エ
    ンジントルクに応じた吸入空気量を求める目標空気量算
    出手段と、この目標吸入空気量に応じた上記スロットル
    弁に対する目標開度を求める目標スロットル開度算出手
    段と、上記スロットル弁の開度を検出するスロットル開
    度センサと、このスロットル開度センサにより検出され
    る上記スロットル弁の開度が上記目標スロットル開度算
    出手段により得られる目標スロットル開度に一致するよ
    う上記電動駆動手段を制御する第1のスロットル制御手
    段と、上記スロットル開度センサの故障を検出する故障
    検出手段と、現在のスロットル弁開度に対応する上記電
    動駆動手段の動作量を記憶するメモリと、上記目標スロ
    ットル開度算出手段により算出された目標スロットル開
    度を上記電動駆動手段の動作量に換算する開度/動作量
    換算手段と、上記故障検出手段によりスロットル開度セ
    ンサの故障が検出された場合には上記換算手段により得
    られた上記目標スロットル開度に対応する電動駆動手段
    の動作量と上記メモリに記憶された現スロットル弁開度
    に対応する電動駆動手段の動作量との差に応じて該電動
    駆動手段を制御する第2のスロットル制御手段とを具備
    したことを特徴とするエンジントルク制御装置。
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