JP2764998B2 - エンジントルク制御装置 - Google Patents

エンジントルク制御装置

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JP2764998B2 JP3135289A JP3135289A JP2764998B2 JP 2764998 B2 JP2764998 B2 JP 2764998B2 JP 3135289 A JP3135289 A JP 3135289A JP 3135289 A JP3135289 A JP 3135289A JP 2764998 B2 JP2764998 B2 JP 2764998B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、特に、自動車のエンジンの出力制御を行な
うエンジントルク制御装置に関する。
(従来の技術) 一般に、自動車において、エンジンの出力(トルク)
を制御するには、吸気管に設けられたスロットル弁を開
閉させて、シリンダに対する吸入空気量や燃料量を可変
することが知られている。
そこで、従来、運転状態に応じてエンジントルクの目
標値を設定し、この目標エンジントルクを出力させるた
めの吸入空気量(エンジン1回転当たり)が得られるよ
う、上記スロットル弁の開度調節を行なうことが考えら
れている。この場合、実際の吸入空気量はエアフローセ
ンサにより計測され、目標とする吸入空気量との偏差に
基づき上記スロットル開度がフィードバック制御され
る。
したがって、このようなエンジントルク制御システム
では、エンジン1回転当たりの吸入空気量を得るために
エンジン回転センサが、また、上記実際の吸入空気量を
得るためにエアフローセンサが必要不可欠であり、しか
も高精度なエンジントルク制御を行なうにはその各セン
サデータが常に正確に得られることが望まれる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記のようなエンジントルク制御シス
テムでは、エンジン回転センサにより計測されるエンジ
ン回転速度に基づき目標エンジントルクに応じたエンジ
ン1回転当たりの吸入空気量を得、エアーフローセンサ
により計測されたエンジン1回転当たりの実際の吸入空
気量をフィードバックして目標とする吸入空気量との偏
差からスロットル弁の開度調節を行なうため、上記エン
ジン回転センサあるいはエアフローセンサが故障してそ
の計測データが正確でなくなると、エンジン出力が目標
とするエンジントルクに制御されなくなってしまう。
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、エンジン回
転センサにより計測されるエンジン回転速度に基づき目
標エンジントルクに応じたエンジン1回転当たりの吸入
空気量を得、エアーフローセンサにより計測されたエン
ジン1回転当たりの実際の吸入空気量をフィードバック
して目標とする吸入空気量との偏差からスロットル弁の
開度制御を行なう際に、エンジン回転センサあるいはエ
アフローセンサに異常が生じた場合には、目標エンジン
トルクに応じたスロットル弁の開度制御を中止するエン
ジントルク制御装置を提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段及び作用) すなわち本発明に係わるエンジントルク制御装置は、
吸気管内の吸気流路に設けられ電動駆動手段により開閉
動作するスロットル弁を有し、アクセルペダルの操作量
及び目標とするエンジントルクに応じて上記スロットル
弁の開度を開閉制御するエンジントルク制御装置であっ
て、エンジン回転速度を計測するエンジン回転計測手段
と、上記目標エンジントルクに応じたエンジン1回転当
たりの目標吸入空気量を上記エンジン回転計測手段によ
り計測されるエンジン回転速度に基づき求める目標空気
量算出手段と、この目標吸入空気量に応じた上記スロッ
トル弁に対する基本の目標開度を上記エンジン回転計測
手段により計測されるエンジン回転速度に基づき求める
基本目標スロットル開度算出手段と、上記エンジンに吸
入されるエンジン1回転当たりの実際の吸入空気量を計
測する実空気量計測手段と、この実吸入空気量と上記目
標吸入空気量との偏差に応じたスロットル開度補正量を
求める開度補正量算出手段と、上記基本目標スロットル
開度を上記スロットル開度補正量により補正して上記ス
ロットル弁に対する目標開度を求める目標スロットル開
度決定手段と、この目標スロットル開度決定手段により
定められた目標開度に応じて上記電動駆動手段を制御す
るスロットル制御手段と、上記エンジン回転計測手段あ
るいは上記実空気量計測手段による計測値が異常値を示
した際には上記目標エンジントルクに応じたスロットル
弁の開閉制御を中止しアクセルペダルの操作量のみに応
じたスロットル弁の開閉制御に移行する異常時制御手段
とを備えて構成したものである。
(実施例) 以下、図面を参照して本発明の一実施例を車両の加速
スリップ防止装置に実施した場合について説明する。
第1図(A)は車両の加速スリップ防止装置を示す構
成図である。同図は前輪駆動車を示しているもので、W
FRは前輪右側車輪、W FLは前輪左側車輪、W RRは後輪右
側車輪、W RLは後輪左側車輪を示している。また、11は
前輪右側車輪(駆動輪)W FRの車輪速度V FRを検出する
車輪速度センサ、12は前輪左側車輪(駆動輪)W FLの車
輪速度V FLを検出する車輪速度センサ、13は後輪右側車
輪(従動輪)W RRの車輪速度V RRを検出する車輪速度セ
ンサ、14は後輪左側車輪(従動輪)W RLの車輪速度V RL
を検出する車輪速度センサである。上記車輪速度センサ
11〜14で検出された車輪速度V FR,V FL,V RR,V RLはト
ラクションコントローラ15に入力される。このトラクシ
ョンコントローラ15はエンジン16に制御信号を送って加
速時の駆動輪のスリップを防止する制御を行なってい
る。
第1図(B)は上記エンジン16における吸気系を示す
もので、同図において、21はエアクリーナ、22は吸気
管、22aはサージタンクであり、吸気管22にはアクセル
ペダルによりその開度θmが操作される主スロットル弁
THm 23の他に、上記トラクションコントローラ15からの
制御信号によりその開度θsが制御される副スロットル
弁THs 24が設けられる。つまり、エアクリーナ21を介し
て導入された吸入空気は、副スロットル弁THs 24及び主
スロットル弁THm 23を直列に介してサージタンク22aか
ら吸気弁側に吸入されるもので、上記副スロットル弁TH
s 24の開度θsをトラクションコントローラ15からの制
御信号θsoにより、モータ駆動回路25とそのモータ24M
を介して制御しエンジン16の駆動力を制御している。こ
こで、主スロットル弁THm 23及び副スロットル弁THs 24
の開度θm及びθsは、それぞれ主スロットルポジショ
ンセンサ(TPS1)26及び副スロットルポジションセンサ
(TPS2)27により検出される。また、主スロットル弁TH
m 23にはアクセルペダルの非踏込み状態、つまりエンジ
ン16のアイドリング状態を検出する主スロットルアイド
ルSW28が、また副スロットル弁THs 24には副スロットル
全開SW29がそれぞれ設けられる。さらに、上記エアクリ
ーナ21の下流にはエンジン1回転当たりの吸入空気量を
検出するためのエアフローセンサ(AFS)30が設けら
れ、また、上記サージタンク22aには吸気弁から燃焼室
に燃料混合気が流れ込む際の管内負圧(ブースト圧)を
検出する負圧センサ30aが設けられる。これら各センサ2
6,27,30,30a及びSW28,29からの出力信号は、何れも上記
トラクションコントローラ15に与えられる。
一方、第1図(A)において、17は前輪右側車輪W FR
の制動を行なうホイールシリンダ、18は前輪左側車輪W
FLの制動を行なうホイールシリンダである。通常これら
のホイールシリンダにはブレーキペダル(図示せず)を
操作することで、マスタシリンダ等(図示せず)を介し
て圧油が供給される。トラクションコントロール作動時
には次に述べる別の経路からの圧油の供給を可能として
いる。上記ホイールシリンダ17への油圧源19からの圧油
の供給はインレットバルブ17iを介して行われ、上記ホ
イールシリンダ17からリザーバ20への圧油の排出はアウ
トレットバルブ17oを介して行われる。また、上記ホイ
ールシリンダ18への油圧源19からの圧油の供給はインレ
ットバルブ18iを介して行われ、上記ホイールシリンダ1
8からリザーバ20への圧油の排出はアウトレットバルブ1
8oを介して行われる。そして、上記インレットバルブ17
i及び18i、上記アウトレットバルブ17o及び18oの開閉制
御は上記トラクションコントローラ15により行われる。
ここで、上記エンジン16の駆動力制御及び駆動輪W F
R,W FLの制動制御によるスリップ防止制御は、駆動輪W
FR,W FLのスリップ量が所定のスリップ判定値αを上回
った際に開始され、また、上記スリップ量が所定のスリ
ップ判定値α以下になった際に終了される。
さらに、第1図(A)において、81a〜81dは燃料噴射
インジェクタであり、このインジェクタ81a〜81dの作動
時間つまり燃料噴射量は、エンジンコントロールユニッ
ト(ECU)82において上記エアフローセンサ(AFS)30か
らの信号に基づく吸入空気量に応じて設定される。ま
た、83はエンジン16のクランク軸の回転を検出しその回
転速度Neを計測するエンジン回転センサ、84はエンジン
16の出力トルクを検出するエンジントルクセンサであ
り、各センサ83,84により検出されるエンジン回転計測
信号及びエンジントルク検出信号は上記ECU82に出力さ
れる。なお、上記トラクションコントローラ15はECU82
と一体のものでもよい。
次に、第2図を参照して上記トラクションコントロー
ラ15の詳細な構成について説明する。
同図において、11,12は駆動輪W FR,W FLの車輪速度V
FR,V FLを検出する車輪速度センサであり、この車輪速
度センサ11,12により検出された駆動輪速度V FR,V FL
は、何れも高車速選択部31及び平均部32に送られる。高
車速選択部31は、上記駆動輪速度V FR,V FLのうちの高
車輪速度側を選択するもので、この高車速選択部31によ
り選択された駆動輪速度は、重み付け部33に出力され
る。また、上記平均部32は、上記車輪速度センサ11,12
から得られた駆動輪速度V FR,V FLから、平均駆動輪速
度(V FR+V FL)/2を算出するもので、この平均部32に
より算出された平均駆動輪速度は、重み付け部34に出力
される。重み付け部33は、上記高車速選択部31により選
択出力された駆動輪W FR,W FLの何れか高い方の車輪速
度をKG倍(変数)し、また、重み付け部34は、平均部32
により平均出力された平均駆動輪速度を(1-KG)倍(変
数)するもので、上記各重み付け部33及び34により重み
付けされた駆動輪速度及び平均駆動輪速度は、加算部35
に与えられて加算され、駆動輪速度VFが算出される。
ここで、上記変数KGは、第3図で示すように、求心
加速度GYに応じて変化する変数であり、求心加速度GYが
所定値(例えば0.1g)まではその値の大小に比例し、そ
れ以上で「1」になるよう設定される。
一方、車輪速度センサ13,14により検出される従動輪
速度V RR,V RLは、何れも低車速選択部36及び高車速選
択部37に送られる。低車速選択部36は、上記従動輪速度
V RR,V RLのうちの低車輪速度側を選択し、また、高車
速選択部37は、上記従動輪速度V RR,V RLのうちの高車
輪速度側を選択するもので、この低車速選択部36により
選択された低従動輪速度は重み付け部38に、また、高車
速選択部37により選択された高従動輪速度は重み付け部
39に出力される。重み付け部38は、上記低車速選択部36
により選択出力された従動輪W RR,W RLの何れか低い方
の車輪速度をKr倍(変数)し、また、重み付け部39は、
上記高車速選択部37により選択出力された従動輪W RR,W
RLの何れか高い方の車輪速度を(1-Kr)倍(変数)す
るもので、上記各重み付け部38及び39により重み付けさ
れた従動輪速度は、加算部40に与えられて加算され、従
動輪速度VRが算出される。この加算部40で算出された
従動輪速度VRは、乗算部40′に出力される。この乗算
部40′は、上記加算算出された従動輪速度VRを(1+
α)倍するもので、この乗算部40′を経て従動輪速度V
RR,V RLに基づく目標駆動輪速度Vφが算出される。
ここで、上記変数Krは、第4図で示すように、求心加
速度GYに応じて「1」〜「0」の間を変化する変数であ
る。
そして、上記加算部35により算出された駆動輪速度V
F、及び乗算部40′により算出された目標駆動輪速度V
φは、減算部41に与えられる。この減算部41は、上記駆
動輪速度VFから目標駆動輪速度Vφを減算し、駆動輪W
FR,W FLのスリップ量DVi′(VF‐Vφ)を算出するも
ので、この減算部41により算出されたスリップ量DVi′
は加算部42に与えられる。この加算部42は、上記スリッ
プ量DVi′を、求心加速度GY及びその変化率ΔGYに応じ
て補正するもので、求心加速度GYに応じて変化するスリ
ップ補正量Vg(第5図参照)はスリップ量補正部43から
与えられ、求心加速度GYの変化率ΔGYに応じて変化する
スリップ補正量Vd(第6図参照)はスリップ量補正部44
から与えられる。つまり、加算部42では、上記減算部か
ら得られたスリップ量DVi′に各スリップ補正量Vg,Vdを
加算するもので、この加算部42を経て、上記求心加速度
GY及びその変化率ΔGYに応じて補正されたスリップ量DV
iは、例えば15msのサンプリング時間T毎にTSn演算部45
及びTPn演算部46に送られる。
TSn演算部45における演算部45aは、上記スリップ量DV
iに係数KIを乗算し積分した積分型補正トルクTSn′(=
ΣKI・DVi)を求めるもので、この積分型補正トルクTS
n′は係数乗算部45bに送られる。つまり、上記積分型補
正トルクTSn′は、駆動輪W FR,W FLの駆動トルクに対す
る補正値であり、該駆動輪W FR,W FLとエンジン16との
間に存在する動力伝達機構の変速特性が変化するのに応
じてその制御ゲインを調整する必要があり、係数乗算部
45bでは、上記演算部45aから得られた積分型補正トルク
TSn′に変速段により異なる係数GKiを乗算し、該変速段
に応じた積分型補正トルクTSnを算出する。ここで、上
記変数KIは、スリップ量DViに応じて変化する係数であ
る。
一方、TPn演算部46における演算部46aは、上記スリッ
プ量DViに係数Kpを乗算した比例型補正トルクTPn′(=
DVi・Kp)を求めるもので、この比例型補正トルクTPn′
は係数乗算部46bに送られる。つまり、この比例型補正
トルクTPn′も、上記積分型補正トルクTSn′同様、駆動
輪W FR,W FLの駆動トルクに対する補正値であり、該駆
動輪W FR,W FLとエンジン16との間に存在する動力伝達
機構の変速特性が変化するのに応じてその制御ゲインを
調整する必要のあるもので、係数乗算部46bでは、上記
演算部46aから得られた比例型補正トルクTSn′に変速段
により異なる係数GKpを乗算し、該変速段に応じた比例
型補正トルクTPnを算出する。
一方、上記加算部40により得られる従動輪速度VR
は、車体速度VBとして基準トルク演算部47に送られ
る。この基準トルク演算部47は、まず車体加速度演算部
47aにおいて上記車体速度VBの加速度GBを算出するも
ので、この車体加速度演算部47aにより得られた車体加
速度GBはフィルタ47bを介し車体加速度G BFとして基準
トルク算出部47cに送られる。この基準トルク算出部47c
は、上記車体加速度G BF及び車重W及び車輪半径Reに基
づき基準トルクTG(=G BF×W×Re)を算出するもの
で、この基準トルクTGが上記車体加速度G BFで加速す
るときに本来エンジン16が出力すべきトルク値となる。
上記フィルタ47bは、基準トルク演算部47cで算出され
る基準トルクTGを、時間的にどの程度手前の車体加速
度GBに基づき算出させるかを例えば3段階に定めるも
ので、つまりこのフィルタ47bを通して得られる車体加
速度G BFは、今回検出した車体加速度G Bnと前回までの
フィルタ47bの出力である車体加速度G BFn-1とにより、
現在のスリップ率S及び加速状態に応じて算出される。
例えば現在車両の加速度が増加している際にそのスリ
ップ率Sが第15図の範囲「1」で示す状態にある場合に
は、素早く範囲「2」の状態へ移行させるため、車体加
速度G BFは、前回のフィルタ47bの出力であるG BFn-1と
今回検出のG Bnとを同じ重み付けで平均して最新の車体
加速度G BFnとして下式(1)により算出される。
G BFn=(G Bn+G BFn-1)/2 …(1) また、例えば現在車両の加速度が減少している際にそ
のスリップ率SがS>S1で第15図で示す範囲「2」→
「3」に移行するような場合には、可能な限り範囲
「2」の状態を維持させるため、車体加速度G BFは、前
回のフィルタ47bの出力G BFn-1に重みが置かれて、上式
(1)で算出するときに比べ、前回算出の車体加速度G
BFn-1に近い値を有する車体加速度G BFnとして下式
(2)により算出される。
G BFn=(G Bn+7G BFn-1)/8 …(2) さらに、例えば現在車両の加速度が減少している際に
そのスリップ率SがS≦S1で第15図で示す範囲「2」→
「1」に移行したような場合には、可能な限り範囲
「2」の状態に戻すため、車体加速度G BFは、前回のフ
ィルタ47bの出力G BFn-1に更に重みが置かれて、上式
(2)で算出するときに比べ、前回算出の車体加速度G
BFn-1に近い値を有する車体加速度G BFnとして下式
(3)により算出される。
G BFn=(G Bn+15G BFn-1)/16 …(3) 次に、上記基準トルク演算部47により算出された基準
トルクTGは、減算部48に出力される。この減算部48
は、上記基準トルク演算部47より得られる基準トルクT
Gから前記TSn演算部45にて算出された積分型補正トルク
TSnを減算するもので、その減算データはさらに減算部4
9に送られる。この減算部49は、上記減算部48から得ら
れた減算データからさらに前記TPn演算部46にて算出さ
れた比例型補正トルクTPnを減算するもので、その減算
データは駆動輪W FR,W FLを駆動する車軸トルクの目標
トルクTφとしてスイッチS1を介しエンジントルク算出
部50に送られる。つまり、上記目標トルクTφは下式
(4)による値となる。
Tφ=TG−TSn−TPn …(4) エンジントルク算出部50は、上記減算部49からスイッ
チS1を介して与えられた駆動輪W FR,W FLに対する目標
トルクTφを、エンジン16と上記駆動輪車軸との間の総
ギア比で除算し目標エンジントルクTeに換算するもの
で、この目標エンジントルクTeは下限値設定部501に送
られる。この下限値設定部501は、上記エンジントルク
算出部50で算出された目標エンジントルクTeの下限値
を、例えば第16図及び第17図に示すように、トラクショ
ンコントロール開始からの経過時間tあるいは車体速度
VBに応じて変化する下限値Tlimにより制限するもの
で、この下限値設定部501により下限値が制限された目
標エンジントルクTelは目標空気量算出部502に送られ
る。この目標空気量算出部502は、前記エンジン16にお
いて上記目標エンジントルクTelを出力させるための吸
気管22におけるエンジン1回転当たりの目標空気量(質
量)A/Nmを算出するもので、この目標空気量A/Nmは、前
記エンジン回転センサ83により所定のサンプリング時間
毎に計測されるエンジン回転速度Neと上記目標エンジン
トルクTelとに基づき、第20図に示すような3次元マッ
プが参照されて求められる。
A/Nm=f[Ne,Tel] ここで、上記A/Nmはエンジン1回転当たりの吸入空気
量(質量)であり、f[Ne,Tel]はエンジン回転速度N
e,目標エンジントルクTelをパラメータとした3次元マ
ップである。
なお、上記目標空気量(質量)A/Nmは、エンジン回転
速度Neに対して、第21図に示すような係数Kaと目標エン
ジントルクTelとの乗算により下式のようにして得ても
よい。
A/Nm=Ka(Ne)*Tel そして目標空気量算出部502は下式により、上記吸入
空気量(質量)A/Nmを、吸気温度及び大気圧に応じて補
正し、標準大気状態での吸入空気量(体積)A/Nvに換算
する。
A/Nv=(A/Nm)/{Kt(AT)*Kp(AP)} ここで、A/Nvはエンジン1回転当たりの吸入空気量
(体積)、Ktは吸気温度(AT)をパラメータとした密度
補正係数(第22図参照)、Kpは大気圧(AP)をパラメー
タとした密度補正係数(第23図参照)である。
こうして上記目標空気量算出部502にて得られた目標
吸入空気量(体積)A/Nvは目標空気量補正部503に送ら
れる。この目標空気量補正部503は下式により、上記目
標空気量算出部502で算出された目標吸入空気量A/Nv
(体積)を吸気温度に応じて補正、目標空気量A/N0を求
める。
A/N0=A/Nv*Ka′(AT) ここで、A/N0は補正後の目標空気量、A/Nvは補正前の
目標空気量、Ka′は吸気温度(AT)による補正係数(第
24図参照)である。
次に、上記目標空気量補正部503により補正出力され
た目標空気量A/N0は等価目標スロットル開度算出部504
に送られる。この等価目標スロットル開度算出部504
は、前記エンジン回転センサ83により所定のサンプリン
グ時間毎に計測されるエンジン回転速度Neと上記目標空
気量A/N0とに基づき第25図に示すようなマップを参照し
て等価目標スロットル開度θを求めるもので、この等
価目標スロットル開度θは目標スロットル開度算出部
505に送られる。
ここで、上記等価目標スロットル開度θは、前記吸
気管22におけるスロットル弁を1つとした場合に上記目
標空気量A/N0を達成するためのスロットル弁開度であ
る。
そして、目標スロットル開度算出部505は、上記等価
目標スロットル開度θと主スロットル弁TH m23のスロ
ットル開度θmとに基づき第30図に示すようなマップを
参照して副スロットル弁THs 24に対する目標副スロット
ル開度θs′を求める。
一方、上記目標空気量補正部53により補正出力された
目標空気量A/N0は減算部506にも送られる。この減算部5
06は、上記目標空気量A/N0と前記エアフローセンサ30に
より所定のサンプリング時間毎に検出される実際の吸入
空気量A/Nとの差ΔA/Nを算出するもので、この目標空気
量A/N0と実空気量A/Nとの偏差ΔA/NはPID制御部507に送
られる。このPID制御部507は、上記空気量偏差ΔA/Nに
相当する上記副スロットル弁THs 24の開度補正量Δθを
算出するもので、この副スロットル開度補正量Δθは加
算部508に送られる。
ここで、上記PID制御部507により得られる副スロット
ル開度補正量Δθは、比例制御による開度補正量Δθ
p、積分制御による開度補正量Δθi、微分制御による
開度補正量Δθdを加算したものである。
Δθ=Δθp+Δθi+Δθd Δθp=Kp(Ne)*Kth(Ne)*ΔA/N Δθi=Ki(Ne)*Kth(Ne)*Σ(ΔA/N) Δθd=Kd(Ne)*Kth(Ne)*{ΔA/N−ΔA/Nold} ここで、各係数Kp,Ki,Kdは、それぞれエンジン回転速
度Neをパラメータとした比例ゲイン(第26図参照),積
分ゲイン(第27図参照),微分ゲイン(第28図参照)で
あり、Kthはエンジン回転速度NeをパラメータとしたΔA
/N→Δθ変換ゲイン(第29図参照)、ΔA/Nは目標空気
量A/N0と実際の空気量A/Nとの偏差、ΔA/Noldは1回前
のサンプリングタイミングでのΔA/Nである。
そして、上記加算部508は、目標スロットル開度算出
部505で算出された目標副スロットル開度θs′と上記P
ID制御部507で算出された副スロットル開度補正量Δθ
とを加算し、フィードバック補正された目標副スロット
ル開度θsoを算出する。この目標副スロットル開度θso
は、副スロットル弁開度信号としてスイッチA1を介して
前記モータ駆動回路25に送られ、副スロットル弁THs 24
の開度θsが制御される。
一方、上記目標空気量算出部502及び等価目標スロッ
トル開度算出部504に対するエンジン回転速度Neの計測
信号、そして減算部506に対する吸入空気量A/Nの計測信
号は、いずれも異常検出部72を通して与えられる。この
異常検出部72は、エンジン回転センサ83及びエアフロー
センサ30から得られる各計測信号を監視し、例えば通常
では有得ないレベルまたは変化量の計測信号がある所定
のサンプリング回数以上連続して得られた際、あるいは
エンジン回転中であるにも拘らず計測信号が得られない
等の状態を、エンジン回転センサ83、エアフローセンサ
30の異常として検出するもので、この異常検出部72によ
りエンジン回転センサ83あるいはエアフローセンサ30の
信号異常が検出されると、センサ異常信号DSが出力さ
れ、上記スイッチA1は異常時目標開度発生回路73側に切
換え制御される。また、前記ECU82本体の有するの故障
診断機能によりセンサ故障信号BSが得られた場合にも、
上記スイッチA1は異常時目標開度発生回路73側に切換え
制御される。
ここで、上記異常時目標開度発生回路73は、上記目標
副スロットル開度θsoを現副スロットル開度θsを初期
値として一定の増分開度θaで徐々に増加させ、副スロ
ットル弁THs 24を全開待機位置、つまり非制御状態に復
帰させるもので、すなわち、エンジン回転センサ83ある
いはエアフローセンサ30が故障した場合、またはそのセ
ンサ信号が異常を示した場合、目標エンジントルクTeに
応じた副スロットル弁THs 24の開閉制御は行なわれなく
なり、異常時目標開度発生回路73により設定される一定
の増分開度θaで副スロットル開度θsoは徐々に全開方
向に制御され、最終的にエンジン出力はアクセルペダル
に連動する主スロットル弁THm 23の開度θmに応じて調
整されることになる。
一方、前記車輪速度センサ13,14により検出された従
動輪W RR,W RLの車輪速度V RR,V RLは、求心加速度演算
部53に送られる。この求心加速度演算部53は、車両の旋
回度を判断するための求心加速度GY′を求めるもので、
この求心加速度GY′は求心加速度補正部54に送られる。
この求心加速度補正部54は、上記求心加速度GY′を車速
に応じて補正し求心加速度GYを求める。
GY=Kv・GY′ ここで、Kvは第7図乃至第12図で示すように、車速に
応じて変化する係数である。
ところで、前記高車速選択部37から出力される大きい
方の従動輪車輪速度は減算部55に送られ、右駆動輪W FR
の車輪速度V FRから減算される。また、上記高車速選択
部37から出力される大きい方の従動輪車輪速度は減算部
56に送られ、左駆動輪W FLの車輪速度V FLから減算され
る。そして、減算部55による減算出力は乗算部57に送ら
れ、また、減算部56による減算出力は乗算部58に送られ
る。上記乗算部57は減算部55からの減算出力をKB倍
(0<KB<1)し、また、乗算部58は減算部56からの
減算出力を(1-KB)倍するもので、このそれぞれの乗算
出力は加算部59に送られて加算され右駆動輪W FRのスリ
ップ量DV FRが求められる。
一方、減算部56により減算出力は乗算部60に送られ、
また、減算部55による減算出力は乗算部61に送られる。
上記乗算部60は減算部56からの減算出力をKB倍(0<
KB<1)し、また、乗算部61は減算部55からの減算出
力を(1-KB)倍するもので、このそれぞれの乗算出力は
加算部62に送られて加算され左駆動輪W FLのスリップ量
DV FLが求められる。
ここで、上記KBは、第13図に示すように、トラクシ
ョンコントロールの制御開始からの経過時間tに応じて
変化する変数であり、この場合、トラクションコントロ
ールの制御開始時にはKB=「0.5」とし、その制御が進
むに従ってKB=「0.8」に近付くよう設定する。つま
り、左右駆動輪W FR,W FLのブレーキ制御を全く独立に
すると、一方の駆動輪だけにブレーキが掛かってその回
転が減少した際、デファレンシャルギアの作用により、
今度は反対側の駆動輪がスリップしてブレーキが掛かる
ことになり、この動作が繰返されるのを防止するよう構
成する。
次に、上記加算部59により得られる右駆動輪W FRのス
リップ量DV FRは微分部63に送られる。また、上記加算
部62により得られる左駆動輪W FLのスリップ量DV FLは
微分部64に送られる。この微分部63,64は、それぞれ対
応する駆動輪のスリップ量DV FR,DV FLを微分してその
時間的変化量、つまりスリップ加速度G FR,G FLを求め
るもので、この右駆動輪W FRのスリップ加速度G FRはブ
レーキ液圧変化量(ΔP)算出部65に、また、左駆動輪
W FLのスリップ加速度G FLはブレーキ液圧変化量(Δ
P)算出部66に送られる。このブレーキ液圧変化量(Δ
P)算出部65,66は、第14図に示すようなG FR(G FL)
−ΔP変換マップに基づき、各駆動輪W FR,W FLのスリ
ップ加速度G FR,G FLを抑制するためのブレーキ液圧変
化量ΔPを求めるもので、この左右駆動輪W FR,W FLに
対するブレーキ液圧変化量ΔPはそれぞれΔP−T変換
部67,68に送られる。このΔP−T変換部67,68は、各対
応する駆動輪のブレーキ液圧変化量ΔPを前記第1図
(A)におけるインレットバルブ17i,18iの開時間Tに
変換するもので、ΔP−T変換部67により得られた開時
間Tに応じて右駆動輪W FR用のインレットバルブ17iを
開制御し、また、ΔP−T変換部68により得られた開時
間Tに応じて左駆動輪W FL用のインレットバルブ18iを
開制御する。
なお、上記第14図に示すG FR(G FL)−ΔP変換マッ
プにおいて破線aに基づく変換値は、旋回時においてブ
レーキ制御を行なう際に、内側駆動輪に対するブレーキ
制御を強化するためのものである。
一方、上記目標トルクTφが算出される減算部49から
エンジントルク算出部50の間には、スイッチS1が介在さ
れ、また、ブレーキ液圧変化量(ΔP)算出部65,66か
らΔP−T変換部67,68の間には、それぞれスイッチS2
a,S2bが介在される。上記各スイッチS1,S2a,S2bは、そ
れぞれ後述するスリップ制御の開始/終了条件が満たさ
れると閉成/開成されるもので、このスイッチS1,S2a,S
2bは、何れも制御開始/終了判定部69により開閉制御さ
れる。この制御開始/終了判定部69には、スリップ判定
部70からのスリップ判定信号が与えられる。このスリッ
プ判定部70は、前記駆動輪速度VFと従動輪速度VRとに
基づき減算部41及び加算部42を通して得られるスリップ
量DViが、スリップ判定値記憶部71で予め記憶されるス
リップ判定値αを上回ったか否かを判定するもので、こ
のスリップ判定信号が制御開始/終了判定部69に対して
与えられる。
ここで、上記制御開始/終了判定部69は、スリップ判
定部70からスリップ判定信号(DVi>α)が入力された
際に制御開始信号を出力し、上記スイッチS1,S2a,S2bを
閉成させる。また、制御開始/終了判定部69は、スリッ
プ判定部70から非スリップ判定信号(DVi≦α)が入力
された際に制御終了信号を出力し、スイッチS1,S2a,S2b
を開成させる。
次に、上記のように構成された本発明のエンジントル
ク制御装置の一実施例に係わる車両の加速スリップ防止
装置の動作について説明する。
第1図及び第2図において、車輪速度センサ13,14か
ら出力される従動輪(後輪)の車輪速度は高車速選択部
36,低車速選択部37,求心加速度演算部53に入力される。
上記低車速選択部36においては従動輪の左右輪のうち小
さい方の車輪速度が選択され、上記高車速選択部37にお
いては従動輪の左右輪のうち大きい方の車輪速度が選択
される。通常の直線走行時において、左右の従動輪の車
輪速度が同一速度である場合には、低車速選択部36及び
高車速選択部37からは同じ車輪速度が選択される。ま
た、求心加速度演算部53においては左右の従動輪の車輪
速度が入力されており、その左右の従動輪の車輪速度か
ら車両が旋回している場合の旋回度、つまりどの程度急
な旋回を行なっているかの度合いが算出される。
以下、求心加速度演算部53においてどのように求心加
速度が算出されるかについて説明する。前輪駆動車では
後輪が従動輪であるため、駆動によるスリップに関係な
くその位置での車体速度を車輪速度センサにより検出で
きるので、アッカーマンジオメトリを利用することがで
きる。つまり、定常旋回においては求心加速度GY′は GY′=v2/r …(5) (v=車速,r=旋回半径)として算出される。
例えば、第19図に示すように車両が右に旋回している
場合において、旋回の中心をMoとし、旋回の中心Moから
内輪側(W RR)までの距離をr1とし、トレッドをΔrと
し、内輪側(W RR)の車輪速度をv1とし、外輪側(W R
L)の車輪速度をv2とした場合に、 v2/v1=(Δr+r1)/r1 …(6) とされる。
そして、上記(6)式を変形して 1/r1=(v2−v1)/Δr・v1 …(7) とされる。そして、内輪側を基準とすると求心加速度
GY′は GY′=v12/r1=v12・(v2−v1)/Δr・v1=v1・(v2
−v1)/Δr …(8) として算出される。
つまり、第(8)式により求心加速度GY′が算出され
る。ところで、旋回時には内輪側の車輪速度v1は外輪側
の車輪速度v2より小さいため、内輪側の車輪速度v1を用
いて求心加速度GY′を算出しているので、求心加速度G
Y′は実際より小さく算出される。従って、重み付け部3
3で乗算される係数KGは求心加速度GY′が小さく見積ら
れるために、小さく見積もられる。従って、駆動輪速度
VFが小さく見積もられるために、スリップ量DVi′(V
F−Vφ)も小さく見積もられる。これにより、目標ト
ルクTφが大きく見積もられるために、目標エンジント
ルクが大きく見積もられることにより、旋回時にも充分
な駆動力を与えるようにしている。
ところで、極低速時の場合には、第19図に示すよう
に、内輪側から旋回の中心M0までの距離はr1である
が、速度が上がるに従ってアンダーステアする車両にお
いては、旋回の中心はMに移行し、その距離はr(r>
r1)となっている。このように速度が上がった場合で
も、旋回半径をr1として計算しているために、上記第
(8)式に基づいて算出された求心加速度GY′は実際よ
りも大きい値として算出される。このため、求心加速度
演算部53において算出された求心加速度GY′は求心加速
度補正部54に送られて、高速では求心加速度GYが小さく
なるように、求心加速度GY′に第7図の係数Kvが乗算さ
れる。この変数Kvは車速に応じて小さくなるように設定
されており、第8図あるいは第9図に示すように設定し
ても良い。このようにして、求心加速度補正部54より補
正された求心加速度GYが出力される。
一方、速度が上がるに従って、オーバステアする(r
<r1)車両においては、上記したアンダーステアする車
両とは全く逆の補正が求心加速度補正部54において行わ
れる。つまり、第10図ないし第12図のいずれかの変数Kv
が用いられて、車速が上がるに従って、上記求心加速度
演算部53で算出された求心加速度GY′を大きくなるよう
に補正している。
ところで、上記低車速選択部36において選択された小
さい方の車輪速度は重み付部38において第4図に示すよ
うに変数Kr倍され、高車速選択部37において選択された
高車速は重み付け部39において変数(1-Kr)倍される。
変数Krは求心加速度GYが例えば0.9gより大きくなるよう
な旋回時に「1」となるようにされ、求心加速度GYが0.
4gより小さくなると「0」に設定される。
従って、求心加速度GYが0.9gより大きくなるような旋
回に対しては、低車速選択部36から出力される従動輪の
うち低車速の車輪速度、つまり選択時における内輪側の
車輪速度が選択される。そして、上記重み付け部38及び
39から出力される車輪速度は加算部40において加算され
て従動輪速度VRとされ、さらに上記従動輪速度VRは乗
算部40′において(1+α)倍されて目標駆動輪速度V
φとされる。
また、駆動輪の車輪速度のうち大きい方の車輪速度が
高車速選択部31において選択された後、重み付け部33に
おいて第3図に示すように変数KG倍される。さらに、
平均部32において算出された駆動輪の平均車速(V FR+
V FL)/2は重み付け部34において、(1-KG)倍され、上
記重み付け部33の出力と加算部35において加算されて駆
動輪速度VFとされる。従って、求心加速度GYが例えば
0.1g以上となると、KG=1とされるため、高車速選択
部31から出力される2つの駆動輪のうち大きい方の駆動
輪の車輪速度が出力されることになる。つまり、車両の
旋回度が大きくなって求心加速度GYが例えば、0.9g以上
になると、「KG=Kr=1」となるために、駆動輪側は
車輪速度の大きい外輪側の車輪速度を駆動輪速度VFと
し、従動輪側は車輪速度の小さい内輪側の車輪速度を従
動輪速度VRとしているために、減算部41で算出される
スリップ量DVi′(=VF−Vφ)を大きく見積もってい
る。従って、目標トルクTφは小さく見積もるために、
エンジンの出力が低減されて、スリップ率Sを低減させ
て第18図に示すように横力Aを上昇させることができ、
旋回時のタイヤのグリップ力を上昇させて、安全な旋回
を行なうことができる。
上記スリップ量DVi′はスリップ量補正部43におい
て、求心加速度GYが発生する旋回時のみ第5図に示すよ
うなスリップ補正量Vgが加算されると共に、スリップ量
補正部44において第6図に示すようなスリップ量Vdが加
算される。例えば、直角に曲がるカーブの旋回を想定し
た場合に、旋回の前半においては求心加速度GY及びその
時間的変化率ΔGYは正の値となるが、カーブの後半にお
いては求心加速度GYの時間的変化率ΔGYは負の値とな
る。従って、カーブの前半においては加算部42におい
て、スリップ量DVi′に第5図に示すスリップ補正量Vg
(>0)及び第6図に示すスリップ補正量Vd(>0)が
加算されてスリップ量DViとされ、カーブの後半におい
てはスリップ補正量Vg(>0)及びスリップ補正量Vd
(<0)が加算されてスリップ量DViとされる。従っ
て、旋回の後半におけるスリップ量DViは旋回の前半に
おけるスリップ量DViよりも小さく見積もることによ
り、旋回の前半においてはエンジン出力を低下させて横
力を増大させ、旋回の後半においては、前半よりもエン
ジン出力を回復させて車両の加速性を向上させるように
している。
このようにして、補正されたスリップ量DViは例えば1
5msのサンプリング時間TでTSn演算部45に送られる。こ
のTSn演算部45内において、スリップ量DViが係数KIを乗
算されながら積分されて補正トルクTSnが求められる。
つまり、 TSn=GKiΣKI・DVi(KIはスリップ量DViに応じて変化す
る係数である) としてスリップ量DViの補正によって求められた補正
トルク、つまり積分型補正トルクTSnが求められる。
また、上記スリップ量DViはサンプリング時間T毎にT
Pn演算部46に送られて、補正トルクTPnが算出される。
つまり、 TPn=GKpDVi・Kp(Kpは係数) としてスリップ量DViにより補正された補正トルク、
つまり比例型補正トルクTPnが求められる。
また、上記係数乗算部45b,46bにおける演算に使用す
る係数GKi,GKpの値は、シフトアップ時には変速開始か
ら設定時間後に変速後の変速段に応じた値に切替えられ
る。これは変速開始から実際に変速段が切替わって変速
を終了するまで時間がかかり、シフトアップ時に、変速
開始とともに変速後の高速段に対応した上記係数GKi,GK
pを用いると、上記補正トルクTSn,TPnの値は上記高速段
に対応した値となるため実際の変速が終了してないのに
変速開始前の値より小さくなり目標トルクTφが大きく
なってしまって、スリップが誘発されて制御が不安定と
なるためである。
また、上記加算部40から出力される従動輪速度VRは
車体速度VBとして基準トルク演算部47に入力される。
そして、車体加速度演算部47aにおいて、車体速度VBの
加速度GBが演算される。そして、上記車体加速度演算
部47aにおいて算出された車体速度の加速度GBはフィル
タ47bにより構成のところで説明したように、(1)式
乃至(3)式の何れかのフィルタがかけられて、加速度
GBの状態に応じてG BFを最適な位置に止どめるように
している。そして、基準トルク算出部47cにおいて、基
準トルクTG(G BF×W×Re)が算出される。
そして、上記基準トルクTGと上記積分型補正トルクT
Snとの減算は減算部48において行われ、さらに上記比例
型補正トルクTPnが減算部49において減算される。この
ようにして、目標トルクTφは、 Tφ=TG−TSn−TPnとして算出される。
目標トルクTφは、スイッチS1を介してエンジントル
ク算出部50に与えられ、目標エンジントルクTeに換算さ
れる。この目標エンジントルクTeは、エンジントルクの
下限値Tlimを設定している下限値設定部501において、
その目標エンジントルクTeの下限値が制限され目標エン
ジントルクTelとなる。
こうして、目標エンジントルクTelが設定されると、
以下に述べるようなエンジントルク制御動作に移行す
る。
第31図はエンジントルク制御動作を示すフローチャー
トである。
まず、ステップS1及びS2では、例えばECU82内部の故
障診断機能により、エアフローセンサ30及びエンジン回
転センサ83が故障しているか否かが判断される。このス
テップS1及びS2おいて「NO」、つまりエアフローセンサ
30及びエンジン回転センサ83のいずれにも故障は生じて
ないと判断されると、ステップS3及びS4に進み、異常検
出部72において、エアフローセンサ30により得られる吸
入空気量A/Nの計測信号及びエンジン回転センサ83によ
り得られるエンジン回転速度Neの計測信号に異常が生じ
ているか否かが判断される。このステップS3及びS4にお
いて「NO」、つまり吸入空気計測データA/N及びエンジ
ン回転計測データNeのいずれにも異常は生じてないと判
断されると、ステップS5〜ステップS10aにおける上記目
標エンジントルクTelに応じたエンジントルク制御処理
に移行する。
すなわち、ステップS5において、上記目標エンジント
ルクTelを得るためのエンジン1回転当たりの目標空気
量A/N0が求められる。
つまり、上記下限値設定部501において、下限値が制
限された目標エンジントルクTelは、目標空気量算出部5
02に送られて該目標エンジントルクTelを出力するため
の目標空気量(質量)A/Nmが上記異常検出部72を通して
与えられるエンジン回転速度Neに基づき算出される。ま
た、目標空気量算出部502では、上記吸入空気量A/Nm
(質量)が吸気温度及び大気圧により補正されて標準大
気圧状態での吸入空気量A/Nv(体積)に換算される。
このようにして算出された目標空気量A/Nv(体積)
は、目標空気量補正部503において吸気温による補正が
行われ、目標空気量A/N0とされる。
そして、ステップS6において、目標空気量補正部503
から出力される目標空気量A/N0は、等価目標スロットル
開度算出部504に送られ、第25図のマップが参照されて
上記異常検出部72を通して与えられるエンジン回転速度
Neと目標空気量A/N0に対する等価目標スロットル開度θ
が求められる。
すると、ステップS7において、この等価目標スロット
ル開度θは、目標スロットル開度算出部505に送ら
れ、第30図のマップが参照されて主スロットル弁THm 23
のスロットル開度がθmである場合の副スロットル弁TH
s 24に対する基本の目標スロットル開度θs′が算出さ
れる。
また、ステップS8において、上記目標空気量補正部50
3から補正出力された目標空気量A/N0は、減算部506に送
られ、所定のサンプリング時間毎に上記異常検出部72を
通してエアフローセンサ30から与えられる現在の空気量
A/Nとの差ΔA/Nが算出される。そして、ステップS9にお
いて、上記ΔA/NはPID制御部507に送られてPID制御が行
なわれ、該ΔA/Nに相当する開度補正量Δθが算出され
る。そして、ステップS10において、上記開度補正量Δ
θは加算部508にて上記基本目標副スロットル開度θ
s′と加算され、フィードバック補正された目標副スロ
ットル開度θsoが算出される。
上記のようにして求められた目標副スロットル開度θ
soは、ステップS10aにおいて、副スロットル弁開度信号
として前記モータ駆動回路25に送られ、副スロットル弁
THs 24の開度θsが制御される。この後、ステップS11
において次期制御周期まで待機状態となり、次の制御タ
イミングによりステップS12を経て上記同様のセンサ故
障診断処理(ステップS1,S2)、センサ異常検出処理
(ステップS3,S4)、そしてエンジントルク制御処理
(ステップS5〜S12)が繰返される。
一方、上記ステップS1あるいはS2において、ECU82に
よりエアフローセンサ30あるいはエンジン回転センサ83
の故障が検出された場合には、ECU82からセンサ故障信
号BSが与えられ、スイッチA1が異常時目標開度発生回路
73側に切換えられる。すると、ステップS13に進み、目
標副スロットル開度θsoは、異常時目標開度発生回路73
により設定される。
第32図は上記異常時目標開度発生回路73による目標副
スロットル開度θsoの変化状態を示すもので、つまり、
異常時目標開度発生回路73は、エアフローセンサ30ある
いはエンジン回転センサ83の故障検出時において副スロ
ットルポジションセンサ27により得られる現在の副スロ
ットル開度θsを基本にして、所定の増分開度θaを加
算し、上記目標副スロットル開度θsoを全開方向に変化
させる。すると、ステップS13aにおいて、副スロットル
弁THs 24の開度θsが上記全開方向に変化された目標副
スロットル開度θsoに制御される。
ここで、ステップS14において、副スロットル全開SW2
9により副スロットル弁THs 24の全開復帰が検出された
か否かが判断され、このステップS14において「NO」、
つまり、副スロットル弁THs 24は未だ全開状態にないと
判断されると、上記ステップS11,S12を経て次期制御周
期で再びステップS1,S2からステップS13aに戻る。そし
て、ステップS14において「YES」、つまり上記副スロッ
トル全開SW29により副スロットル弁THs 29の全開復帰が
検出されるまで、目標副スロットル開度θsoに対し異常
時目標開度発生回路73から繰返し一定量の増分開度θa
が加算され、徐々に副スロットル弁THs 24によるエンジ
ントルクの制御状態は解除される。
一方、上記ステップS3あるいはS4において、エアフロ
ーセンサ30による吸入空気量A/Nの計測値、あるいはエ
ンジン回転センサ83によるエンジン回転速度Neの計測値
が、異常検出部72において異常であると判断されること
が、A/N計測値についてはステップS15においてn1回以
上、Ne計測値についてはステップS16においてn2回以上
生じたと判断されるまでは、ステップS11に進んで次期
制御周期まで待機することにより、副スロットル弁THs
24の制御は行なわれなくなり、上記異常判断が、A/N計
測値についてはステップS15においてn1回以上、Ne計測
値についてはステップS16においてn2回以上生じたと判
断されると、上記同様ステップS13,S13a,S14において、
異常時目標開度発生回路73による目標副スロットル開度
θsoに対する増分開度θaの加算処理が繰返され、副ス
ロットル弁THs 24は徐々に全開待機位置に復帰制御され
る。
すなわち、エアフローセンサ30あるいはエンジン回転
センサ83が故障するか、またはそのセンサデータが異常
値を示して、目標エンジントルクTeに応じた副スロット
ル開度θsの制御が不能になった場合には、直ちに上記
目標エンジントTeに基づく副スロットル弁THs 24の開度
制御を中止し、異常時目標開度発生回路73により得られ
る一定量の増分開度θaで副スロットル弁THs 24を徐々
に全開待機位置に復帰させるようにしたので、エンジン
出力が思わぬ状態に変動するような不具合が生じること
なく、ドライバ自身により操作されるアクセルペダルの
動きに応じた主スロットル弁THm 23のみによるエンジン
トルク制御状態に自然に移行することが可能である。
ところで、上記高車速選択部37から出力される大きい
方の従動輪車輪速度が減算部55において駆動輪の車輪速
度V FRから減算される。さらに、上記高車速選択部37か
ら出力される大きい方の車輪速度が減算部56において駆
動輪の車輪速度V FLから減算される。従って、減算部55
及び56の出力を小さく見積もるようにして、旋回中にお
いてもブレーキを使用する回数を低減させ、エンジント
ルクの低減により駆動輪のスリップを低減させるように
している。
上記減算部55の出力は乗算部57においてKB倍(0<
KB<1)され、上記減算部56の出力は乗算部58におい
て(1-KB)倍された後、加算部59において加算されて右
側駆動輪のスリップ量DV FRとされる。また同時に、上
記減算部56の出力は乗算部60においてKB倍され、上記
減算部55の出力は乗算部61において(1-KB)倍された後
加算部62において加算されて左側の駆動輪のスリップ量
DV FLとされる。上記変数KBは第13図に示すようにトラ
クションコントロールの制御開始からの経過時間tに応
じて変化するもので、トラクションコントロールの制御
開始時には「0.5」とされ、トラクションコントロール
の制御が進むに従って、「0.8」に近付くように設定さ
れている。つまり、ブレーキにより駆動輪のスリップを
低減させる場合には、制動開始時においては、両車輪に
同時にブレーキを掛けて、例えばスプリット路でのブレ
ーキ制動開始時の不快なハンドルショックを低減させる
ことができる。一方、ブレーキ制御が継続されて行われ
て、上記KBが「0.8」となった場合の動作について説明
する。この場合、一方の駆動輪だけにスリップが発生し
たとき他方の駆動輪でも一方の駆動輪の20%分だけスリ
ップが発生したように認識してブレーキ制御を行なうよ
うにしている。これは、左右駆動輪のブレーキを全く独
立にすると、一方の駆動輪にのみブレーキがかかって回
転が減少するとデフの作用により今度は反対側の駆動輪
がスリップしてブレーキがかかり、この動作が繰返され
て好ましくはないためである。上記右側駆動輪のスリッ
プ量DV FRは微分部63において微分されてその時間的変
化量、つまりスリップ加速度G FRが算出されると共に、
上記左側駆動輪のスリップ量DV FLは微分部64において
微分されてその時間的変化量、つまりスリップ加速度G
FLが算出される。そして、上記スリップ加速度G FRはブ
レーキ液圧変化量(ΔP)算出部65に送られて、第14図
に示すG FR(G FL)−ΔP変換マップが参照されてスリ
ップ加速度G FRを抑制するためのブレーキ液圧の変化量
ΔPが求められる。また、同様に、スリップ加速度G FL
はブレーキ液圧変化量(ΔP)算出部66に送られ、第14
図に示すG FR(G FL)−ΔP変換マップが参照されて、
スリップ加速度G FLを抑制するためのブレーキ液圧の変
化量ΔPが求められる。
さらに、上記ΔP算出部65から出力されるスリップ加
速度G FRを抑制するためのブレーキ液圧の変化量ΔP
は、スイッチS2aの閉成時、つまり制御開始/終了判定
部69による制御開始条件成立判定の際にインレットバル
ブ17iの開時間Tを算出するΔP−T変換部67に与えら
れる。つまり、このΔP−T変換部67において算出され
たバルブ開時間Tが、右側駆動輪W FRのブレーキ作動時
間FRとされる。また、同様に、上記ΔP算出部66から出
力されるスリップ加速度G FLを抑制するためのブレーキ
液圧の変化量ΔPは、スイッチS2bの閉成時、つまり制
御開始/終了判定部69による制御開始条件成立判定の際
にインレットバルブ18iの開時間Tを算出するΔP−T
変換部68に与えられる。つまり、このΔP−T変換部68
において算出されたバルブ開時間Tが、左側駆動輪W FL
のブレーキ作動時間FLとされる。これにより、左右の駆
動輪W FR,W FLにより以上のスリップが生じることが抑
制される。
なお、第14図において、旋回時にブレーキを掛ける場
合には、内輪側の駆動輪のブレーキを強化するために、
旋回時の内輪側は破線aで示すようになっている。この
ようにして、旋回時において荷重移動が外輪側に移動し
て、内輪側がすべり易くなっているのを、ブレーキ液圧
の変化量ΔPを内輪側を外輪側よりも大きめとすること
により、旋回時に内輪側がすべるのを防止させることが
できる。
ここで、例えば車両が圧雪路等の低μ路上で発進加速
する際に、アクセルペダルの踏込みに伴うエンジン出力
の上昇により、駆動輪W FR,W FLに加速スリップが生
じ、そのスリップ量DViがスリップ判定値記憶部71で予
め記憶されるスリップ判定値αを上回ると、スリップ判
定部70から制御開始/終了判定部69に対しスリップ判定
信号(DVi>α)が出力される。すると、制御開始/終
了判定部69では、駆動輪のスリップ抑制制御が必要にな
ったと判定し、スイッチS1及びS2a,S2bを閉成させる。
これにより、上記駆動輪W FR,W FLのスリップ量DVに応
じたエンジントルク制御、並びに制動制御によるスリッ
プ制御が開始される。
一方、上記スリップ制御が開始された後の状態におい
て、例えばアクセルペダルの戻し操作による主スロット
ル弁THm 23の閉じ動作に伴い、エンジン出力トルクが低
下して駆動輪W FR,W FLのスリップ要因が解消され、そ
のスリップ量DViがスリップ判定値記憶部71で予め記憶
されるスリップ判定値α以下になると、スリップ判定部
70から制御開始/終了判定部69に対しスリップ判定信号
(DVi≦α)が出力される。すると、制御開始/終了判
定部69では、駆動輪のスリップ抑制制御が不要になった
と判定し、スイッチS1及びS2a,S2bを開成させる。これ
により、上記駆動輪W FR,W FLのスリップ量DVに応じた
エンジントルク制御、並びに制動制御によるスリップ制
御が終了される。
ここで、上記制御開始/終了判定部69により制御終了
判定が成された場合には、副スロットル弁THs 24の開度
θsは徐々に全開方向に制御され、副スロットル全開SW
29から全開検出信号(オン)が得られた状態で待機され
る。
したがって、上記構成の車両の加速スリップ防止装置
によれば、エンジントルク制御を適切に行ない、駆動輪
に生じるスリップを確実に抑制して加速性を向上させる
ことが可能になるばかりでなく、エアフローセンサ30あ
るいはエンジン回転センサ83の故障,異常を判断して、
目標エンジントルクTeに応じた副スロットル開度θsの
制御が不能になった場合には、直ちにその制御を中止
し、副スロットル弁THs 24を徐々に全開待機位置に復帰
させるよう構成したので、上記スリップ制御中における
センサ故障によりエンジン出力が思わぬ状態に変動して
逆にスリップを誘発させるような不具合を生じさせるこ
となく、ドライバ操作に連動する主スロットル弁THm 23
のみによるエンジン制御状態に自然に移行することがで
きる。
尚、上記実施例では、吸気管22内に主スロットル弁TH
m 23と副スロットル弁THs 24とを直列に配した2スロッ
トルシステムを用い、電動により開閉動作する副スロッ
トル弁THs 24の基本制御開度θs′を、目標スロットル
開度算出部505を通して等価目標スロットル開度θ
主スロットル開度θmとに基づき得ているが、吸気管に
対し電動のスロットル弁を1つ配した1スロットルシス
テムにおいては、上記「等価目標スロットル開度θ
=「基本の目標スロットル開度θ」とし、この目標スロ
ットル開度θに対し吸入空気量A/Nのフィードバック制
御を行なえばよいものである。
この1スロットルシステムの場合、上記エアフローセ
ンサ30あるいはエンジン回転センサ83故障の際には、そ
の目標スロットル開度θは、上記実施例同様、一定量の
増分開度θaにより開方向に制御し、アクセルペダルの
追従開度と一致した時点で制御終了すればよい。
第33図は上記1スロットルシステムにおけるセンサ異
常時の目標スロットル開度θの変化状態を示すもので、
すなわち、エアフローセンサ30あるいはエンジン回転セ
ンサ83の故障検出時には、現在のスロットル開度を基本
にして所定の増分開度θaを加算し、上記目標スロット
ル開度θをアクセルペダルの踏込み量に応じたスロット
ル開度まで増変化させる。したがって、この場合にも、
上記実施例と同様にして、センサ故障による不具合を生
じさせることなく、アクセルペダル操作のみに連動する
スロットル開度制御によるエンジン制御状態に自然に移
行することが可能である。
[発明の効果] 以上のように本発明によれば、吸気管内の吸気流路に
設けられ電動駆動手段により開閉動作するスロットル弁
を有し、アクセルペダルの操作量及び目標とするエンジ
ントルクに応じて上記スロットル弁の開度を開閉制御す
るエンジントルク制御装置であって、エンジン回転速度
を計測するエンジン回転計測手段と、上記目標エンジン
トルクに応じたエンジン1回転当たりの目標吸入空気量
を上記エンジン回転計測手段により計測されるエンジン
回転速度に基づき求める目標空気量算出手段と、この目
標吸入空気量に応じた上記スロットル弁に対する基本の
目標開度を上記エンジン回転計測手段により計測される
エンジン回転速度に基づき求める基本目標スロットル開
度算出手段と、上記エンジンに吸入されるエンジン1回
転当たりの実際の吸入空気量を計測する実空気量計測手
段と、この実吸入空気量と上記目標吸入空気量との偏差
に応じたスロットル開度補正量を求める開度補正量算出
手段と、上記基本目標スロットル開度を上記スロットル
開度補正量により補正して上記スロットル弁に対する目
標開度を求める目標スロットル開度決定手段と、この目
標スロットル開度決定手段により定められた目標開度に
応じて上記電動駆動手段を制御するスロットル制御手段
と、上記エンジン回転計測手段あるいは上記実空気量計
測手段による計測値が異常値を示した際には上記目標エ
ンジントルクに応じたスロットル弁の開閉制御を中止し
アクセルペダルの操作量のみに応じたスロットル弁の開
閉制御に移行する異常時制御手段とを備えて構成したの
で、エンジン回転センサあるいはエアフローセンサに異
常が生じた場合には、目標エンジントルクに応じたスロ
ットル弁の開度制御を中止し、速やかにドライバ操作の
みに対応するエンジン制御状態に復帰してドライバの意
思を反映したエンジン制御を行なうことが可能になるエ
ンジントルク制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)は本発明のエンジントルク制御装置の一実
施例に係わる車両の加速スリップ防止装置の全体的な構
成図、第1図(B)は第1図(A)のエンジン吸気系を
示す構成図、第2図は第1図のトラクションコントロー
ラの制御を機能ブロック毎に分けて示したブロック図、
第3図は求心加速度GYと変数KGとの関係を示す図、第
4図は求心加速度GYと変数Krとの関係を示す図、第5図
は求心加速度GYとスリップ補正量Vgとの関係を示す図、
第6図は求心加速度の時間的変化量ΔGYとスリップ補正
量Vdとの関係を示す図、第7図乃至第12図はそれぞれ車
体速度VBと変数Kvとの関係を示す図、第13図はブレー
キ制御開始時から変数KBの経時変化を示す図、第14図
はスリップ量の時間的変化量G FR(G FL)とブレーキ液
圧の変化量ΔPとの関係を示す図、第15図及び第18図は
それぞれスリップ率Sと路面の摩擦係数μとの関係を示
す図、第16図はTlim-t特性を示す図、第17図はTlim-VB
特性を示す図、第19図は旋回時の車両の状態を示す図、
第20図は目標エンジントルク−エンジン回転速度マップ
を示す図、第21図は係数Kaのエンジン回転速度Ne特性を
示す図、第22図は係数Ktの吸気温度特性を示す図、第23
図は係数Kpの大気圧特性を示す図、第24図は係数Ka′の
吸気温度特性を示す図、第25図は目標A/N−エンジン回
転速度マップを示す図、第26図は比例ゲインKpのエンジ
ン回転速度特性を示す図、第27図は積分ゲインKiのエン
ジン回転速度特性を示す図、第28図は微分ゲインKdのエ
ンジン回転速度特性を示す図、第29図は変換ゲインのエ
ンジン回転速度特性を示す図、第30図は等価目標スロッ
トル開度−主スロットル開度マップを示す図、第31図は
エンジントルク制御動作を示すフローチャート、第32図
は上記トラクションコントローラの異常時目標開度発生
回路による目標副スロットル開度の増加状態を示す図、
第33図は本発明の他の実施例における目標スロットル開
度の増加状態を示す図である。 W FR,W FL……駆動輪、W RR,W RL……従動輪、11〜14…
…車輪速度センサ、15……トラクションコントローラ、
16……エンジン、22……吸気管、23……主スロットル弁
THm、24……副スロットル弁THs、26……主スロットルポ
ジションセンサ(TPS1)、27……副スロットルポジショ
ンセンサ(TPS2)、28……主スロットルアイドルSW、29
……副スロットル全開SW、30……エアフローセンサ(AF
S)、30a……負圧センサ、45,46……補正トルク演算
部、47c……基準トルク算出部、50……エンジントルク
算出部、69……制御開始/終了判定部、70……スリップ
判定部、71……スリップ判定値記憶部、72……異常検出
部、73……異常時目標開度発生回路、81a〜81d……燃料
噴射インジェクタ、82……エンジンコントロールユニッ
ト(ECU)、83……エンジン回転センサ、84……エンジ
ントルクセンサ、502……目標空気量算出部、504……等
価目標スロットル開度算出部、505……目標スロットル
開度算出部、506……減算部、507……PID制御部、508…
…加算部、A1……スイッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島田 誠 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 上田 克則 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−196939(JP,A) 特開 昭60−222544(JP,A) 特開 昭61−275539(JP,A) 特開 昭62−35039(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 41/22 F02D 41/18 F02D 29/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気管内の吸気流路に設けられ電動駆動手
    段により開閉動作するスロットル弁を有し、アクセルペ
    ダルの操作量及び目標とするエンジントルクに応じて上
    記スロットル弁の開度を開閉制御するエンジントルク制
    御装置において、 エンジン回転速度を計測するエンジン回転計測手段と、 上記目標エンジントルクに応じたエンジン1回転当たり
    の目標吸入空気量を上記エンジン回転計測手段により計
    測されるエンジン回転速度に基づき求める目標空気量算
    出手段と、 この目標吸入空気量に応じた上記スロットル弁に対する
    基本の目標開度を上記エンジン回転計測手段により計測
    されるエンジン回転速度に基づき求める基本目標スロッ
    トル開度算出手段と、 上記エンジンに吸入されるエンジン1回転当たりの実際
    の吸入空気量を計測する実空気量計測手段と、 この実吸入空気量と上記目標吸入空気量との偏差に応じ
    たスロットル開度補正量を求める開度補正量算出手段
    と、 上記基本目標スロットル開度を上記スロットル開度補正
    量により補正して上記スロットル弁に対する目標開度を
    求める目標スロットル開度決定手段と、 この目標スロットル開度決定手段により定められた目標
    開度に応じて上記電動駆動手段を制御するスロットル制
    御手段と、 上記エンジン回転計測手段あるいは上記実空気量計測手
    段による計測値が異常値を示した際には上記目標エンジ
    ントルクに応じたスロットル弁の開閉制御を中止しアク
    セルペダルの操作量のみに応じたスロットル弁の開閉制
    御に移行する異常時制御手段と を具備したことを特徴とするエンジントルク制御装置。
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