JP2721495B2 - 屈伸型伸縮ブームの自動格納装置および作動制御装置 - Google Patents

屈伸型伸縮ブームの自動格納装置および作動制御装置

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JP2721495B2
JP2721495B2 JP3597496A JP3597496A JP2721495B2 JP 2721495 B2 JP2721495 B2 JP 2721495B2 JP 3597496 A JP3597496 A JP 3597496A JP 3597496 A JP3597496 A JP 3597496A JP 2721495 B2 JP2721495 B2 JP 2721495B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる屈伸型伸
縮ブームを容易、且つ、安全に作動させるための屈伸型
伸縮ブームの自動格納装置および作動制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】屈伸型伸縮ブームの一例として先端屈伸
型伸縮ブームと称されるブームがある。この先端屈伸型
伸縮ブームは、第1ブーム部材と、この第1ブーム部材
に対して長手方向に伸縮移動が自在な第2ブーム部材と
を有して構成され、第2ブーム部材の長手方向中間部か
ら先端側の部分(以下、「先端側部分」という)が上記
中間部から基端側の部分(以下、「基端側部分」とい
う)に対して屈伸できるようになっている。
【0003】この先端屈伸型伸縮ブームは、車体等の基
台に対して水平旋回および起伏作動が自在に配設される
とともに、第2ブーム部材の先端(即ち、先端側部材の
先端)に作業台等が取り付けられて作業装置として用い
られる。この先端屈伸型伸縮ブームを用いれば、ブーム
の起伏作動や伸縮作動のみならず先端側部分の屈伸作動
を利用して作業台等を移動させることができ、効率よく
作業を行うことができる。
【0004】さらに、上記のような先端屈伸型伸縮ブー
ムにおいては、先端側部材を基端側部材に対して直線状
に位置させた状態で第2ブーム部材が第1ブーム部材内
に縮小収容(格納)されるようになっているため、作業
終了後に格納位置まで旋回させるとともに倒伏させた先
端屈伸型伸縮ブームの状態(格納状態)をコンパクトに
することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように先端屈伸型伸縮ブームを格納する場合、先端側部
分が基端側部分に対して屈折状態であるにもかかわらず
先端側部分を第1ブーム部材内に収容しようとしたので
は、先端側部分と第1ブーム部材とが干渉する。このよ
うな干渉を防止するためには、先端側部分の屈伸状態を
目視等によって確認しながら先端側部分を伸ばす操作を
した上で第2ブーム部材を縮小させるというように複数
の操作が必要であり、伸縮ブームの格納操作が煩雑にな
るという問題がある。
【0006】さらに、車体上の格納位置に伸縮ブームを
移動させる場合、伸縮ブームおよび作業台を他の作業装
置に干渉させないようにする必要があるとともに、伸縮
ブームの格納位置がブーム受台上に伸縮ブームを載置し
た状態である場合には伸縮ブームの操作に熟練を要する
という問題もある。
【0007】また、第2ブームの屈伸作動を油圧シリン
ダ等の油圧アクチュエータを用いて行うように構成する
ことが多く、油圧シリンダの伸縮作動制御は、制御バル
ブにより作動油の給排制御を行うことによってなされ
る。このため、ブームの作動を停止した状態で長時間経
過した場合には、制御バルブにおけるスプールとバルブ
ボディとの間からの作動油の漏れや、作動油の冷却によ
り、油圧シリンダが自然に伸長もしくは縮小作動してし
まうことがある。この油圧シリンダの自然伸縮は、第2
ブーム部材における先端側部分が第1ブーム部材内に収
容されている場合も同様に生じる。
【0008】油圧シリンダが自然伸縮作動を行うと、第
1ブームの内側面に第2ブーム(特に先端部)が接触す
ることとなる。このように、先端側部分が第1ブーム部
材内に収容されている状態では、作業者が目視によって
油圧シリンダの自然伸縮を確認することは困難であるた
め、そのままの状態で第1ブームに対して第2ブームの
伸縮作動を行てしまうことが多く、第1ブームの内側面
と第2ブームとがこすれた状態で伸縮作動されるという
問題もあった。
【0009】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであり、格納操作を容易に行うことができる屈伸型
伸縮ブームの自動格納装置を提供するとともに、第2ブ
ームにおける先端側部分と第1ブーム部材とが接触した
まま伸縮作動を行うことがない屈伸型伸縮ブームの作動
制御装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、先端側部分の基端側部分に対する屈
折角度を検出する屈折角検出手段と、屈伸型伸縮ブーム
の水平旋回角度の検出を行う旋回角検出手段と、屈伸型
伸縮ブームの起伏角度の検出を行う起伏角検出手段と、
屈伸型伸縮ブームの自動格納制御を行う自動格納操作手
段と、コントローラとから屈伸型伸縮ブームの自動格納
装置を構成している。
【0011】コントローラは、自動格納操作手段による
屈伸型伸縮ブームの自動格納操作が行われたとき、屈折
角検出手段により検出された屈折角度に基づいて先端側
部分を基端側部分に対して直線状に位置させるまで屈伸
作動させた後に先端側部分を第1ブーム部材内に収容さ
せるまで第2ブーム部材を縮小作動させる。また、旋回
角検出手段により検出された旋回角度および起伏角検出
手段により検出された起伏角度に基づいて屈伸型伸縮ブ
ームの旋回および起伏作動制御を行い屈伸型伸縮ブーム
を格納位置まで移動させるようにしている。
【0012】このような屈伸型伸縮ブームの自動格納装
置によれば、先端側部分が屈折していても先端側部分が
基端側部分に対して直線状に位置した後でなければ先端
側部分が第1ブーム部材内に収容されるまで第2ブーム
部材の縮小作動がなされないため、屈伸型伸縮ブームを
格納するときに先端側部分と第1ブーム部材とが接触し
てしまうことがない。さらに、屈伸型伸縮ブームを格納
位置まで移動させるための旋回および起伏作動制御は、
検出された旋回角度および起伏角度に基づいてなされる
ため、作業者が目視によって確認しながら格納操作を行
う必要もない。
【0013】また、本発明の屈伸型伸縮ブームの作動制
御装置は、第2ブーム部材の第1ブーム部材に対する伸
長量を検出する伸長量検出手段と、第2ブーム部材の第
1ブーム部材に対する伸縮作動制御を行う伸縮操作手段
と、コントローラとから構成されている。コントローラ
は、伸縮操作手段による第2ブーム部材の第1ブーム部
材に対する伸縮操作が行われたときに、伸長量検出手段
により検出された伸長量に基づいて先端側部分の少なく
とも一部が第1ブーム部材内に収容されていると判断し
たときは、先端側部分を基端側部分に対して直線状に位
置させるまで屈伸作動させた後、第2ブーム部材の伸縮
作動を許容するようにしている。
【0014】このような屈伸型伸縮ブームの作動制御装
置によれば、先端側部材の一部でも第1ブーム部材内に
収容されているときには、第2ブーム部材の伸縮作動操
作が行われても、先端側部分が基端側部分に対して直線
状に位置するまでは第2ブーム部材の伸縮作動がなされ
ない。このため、先端側部分が屈伸して第1ブーム部材
の内周面と接触している場合でも、簡単な構成で、先端
側部分と第1ブーム部材とが接触した状態のままの伸縮
作動を防止することができる。
【0015】なお、先端側部分を基端側部分に対して直
線状に位置させるように作動させるには、先端部分の屈
伸作動を行わせるシリンダ、モータ等のアクチュエータ
を予め定められた時間だけ作動させたり、先端側部分が
基端側部分に対して直線状に位置した状態のアクチュエ
ータの作動位置(シリンダの伸縮量等)を予め記憶させ
ておき、その記憶位置までアクチュエータの作動を行う
こと等によって行う。また、先端側部分が基端側部分に
対して直線状に位置したときに検出信号の送信を行うリ
ミットスイッチを設けるようにしてもよい。
【0016】なお、上記のような屈伸型伸縮ブームの作
動制御装置においては、上記の伸長量検出手段、伸縮操
作手段およびコントローラに加えて、第2ブーム部材に
おける先端側部材の基端側部材に対する屈折角度を検出
する屈折角検出手段を設けることが好ましい。そして、
コントローラにより、屈折角検出手段により検出された
屈折角に基づいて先端部分が基端部分に対して所定角以
上屈折していると判断したときに限り、先端側部分を基
端側部分に対して直線状に位置させるまで屈伸作動させ
た後、第2ブーム部材の伸縮作動を許容させるようにす
る。
【0017】このような構成とすることにより、先端部
分がまっすぐなときは先端部分の屈伸作動を行うことな
く、すぐに伸縮操作手段の操作に応じて第2ブーム部材
の伸縮作動を行うことができる。また、先端部分が屈折
しているときは前記と同様に、先端側部分を基端側部分
に対して直線状に位置させるまで屈伸作動させるわけで
あるが、屈折角検出手段を設けることにより、先端部分
の屈折角に応じた時間で直線状に位置させるまでの屈伸
作動を行わせたり、検出角のフィードバックを行うこと
により確実に先端側部分を基端側部分に対して直線状に
位置させることができるため、無駄の少ない作動で、先
端側部分と第1ブーム部材とが接触した状態のまま伸縮
作動することを防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について図面を参照しながら説明する。図1および図
2には、屈伸型伸縮ブームの一種である先端屈伸型の伸
縮ブーム4を備えた高所作業車1を示している。この高
所作業車1はトラックをベースとして構成されており、
車体1aの前後左右の4箇所には、アウトリガジャッキ
2が取り付けられている。車体1aの後部には、この車
体1aに対して水平旋回が自在な旋回台3が取り付けら
れている。さらに、この旋回台3の上部には、先端屈伸
型の伸縮ブーム4が取り付けられている。
【0019】伸縮ブーム4は、旋回台3に起伏自在に枢
支された基端ブーム部材41と、この基端ブーム41内
に長手方向に伸縮移動自在に挿入された中間ブーム部材
(請求範囲にいう「第1ブーム部材」)42と、この中
間ブーム42内に長手方向に伸縮移動自在に挿入された
先端ブーム部材(請求範囲にいう「第2ブーム部材」)
43とからテレスコピックに(入れ子式に)構成されて
いる。基端ブーム部材41と旋回台3との間には起伏シ
リンダ5が取り付けられており、この起伏シリンダ5の
伸縮作動によって伸縮ブーム4の全体が起伏駆動され
る。
【0020】また、図示はしないが、伸縮ブーム4に
は、中間ブーム部材42を基端ブーム部材41に対して
伸縮駆動する第1伸縮シリンダと、先端ブーム部材43
を中間ブーム部材42に対して伸縮駆動する第2伸縮シ
リンダとが内蔵されている。このため、両伸縮シリンダ
に作動油を供給して中間ブーム部材42および先端ブー
ム部材43を同時に伸縮作動させることができる一方、
第1伸縮シリンダもしくは第2伸縮シリンダのみに作動
油を供給して中間ブーム部材42もしくは先端ブーム部
材43のみを伸縮作動させることもできる。なお、伸縮
シリンダは必ずしも複数設ける必要はなく、ワイヤとシ
ーブを用いることにより一本の伸縮シリンダで各ブーム
部材を同時に伸縮させるように構成してもよい。
【0021】先端ブーム部材43の長手方向中間部から
基端側の部分(以下、「基端側部材」という)44は、
基端ブーム部材41や中間ブーム部材42と同様に矩形
横断面を有する筒状に形成されている。そして、先端ブ
ーム部材43の長手方向中間部から先端側の部分(以
下、「先端側部材」という)45は、基端側部材44の
左右にそれぞれ取り付けられた2組の平行リンクから構
成されている。なお、図2には左側の平行リンクのみが
示されている。
【0022】この平行リンク(即ち、先端側部材45)
は、図3に詳しく示すように、基端側部材44の上部に
基端部が上下方向に揺動自在に枢支された第1リンク4
5aと、基端側部材44の下部に基端部が上下方向に揺
動自在に枢支された第2リンク45bと、これらを平行
に延ばした状態で、これらの先端部を上下方向に揺動自
在に枢支するブームヘッド46とから構成されている。
なお、第2リンク45bを基端側部材44に対して枢支
するピン47と第1リンク45aの長手方向中間部との
間には、先端側部材45の全体を上下揺動(即ち、屈
伸)させる屈伸シリンダ48が取り付けられている。
【0023】ブームヘッド46の先端には、垂直ポスト
6が揺動自在に枢支され、垂直ポスト6の上部とブーム
ヘッド46との間には上部レベリングシリンダ7aが取
り付けられている。この上部レベリングシリンダ7a
は、下部レベリングシリンダ7bの伸縮作動に応じて伸
縮作動を行い、伸縮ブーム4の起伏状態にかかわらず、
垂直ポスト6を常に垂直に維持する。
【0024】垂直ポスト6の上部には、水平旋回自在な
作業台ブラケット8が取り付けられ、この作業台ブラケ
ット8の側面には、作業台9が取り付けられている。こ
の作業台9には作業者(図示せず)が搭乗することがで
きる。さらに、この作業台9の上部には、旋回台3の旋
回作動、伸縮ブーム4の起伏・伸縮作動、先端ブーム4
3の屈伸作動および作業台ブラケット8旋回作動を制御
するための操作装置10が取り付けられている。作業台
9に搭乗した作業者は、この操作装置10の操作を通じ
て作業台9を任意の高所に移動させ、所望の高所作業を
行うことができる。
【0025】この際、図1に実線で示すように、伸縮ブ
ーム4を全体的に伸長作動させながら先端側部材45を
中間ブーム部材42から突出させて、先端ブーム部材4
3の屈伸機能を利用することもできるし、そのような空
間的余裕がない場合でも、先端ブーム部材43のみを伸
長させて先端側部材45を中間ブーム部材42から突出
させて作業を行うことができる。
【0026】そして、作業終了後は、図1に鎖線で示す
ように伸縮ブーム4を全縮させるとともに倒伏させたり
旋回台3を旋回させたりすることにより、図2に示すよ
うに、伸縮ブーム4を車体1a上に配設されたブーム受
台1bに上に載置した状態であるブームの格納位置に格
納する。この状態においては、先端ブーム部材43がブ
ームヘッド46を除いて中間ブーム部材42内に収容さ
れる。
【0027】なお、本高所作業車1においては、先端側
部材45は基端側部材44に対してまっすぐに伸びた状
態から下方への倒伏作動のみを行うようになっている。
このため、先端側部材45が基端側部材44に対してま
っすぐ伸びた状態においては、油圧屈伸シリンダ48は
全伸長状態となるように構成されている。
【0028】なお、先端ブーム部材43を中間ブーム部
材42内に全縮収容させる場合には、油圧屈伸シリンダ
48の伸長作動を行って先端側部材45を基端側部材4
4に対してまっすぐ伸ばした状態(先端側部分を基端側
部分に対して直線状に位置させた状態)とすることによ
り、中間ブーム部材42との干渉を防止する必要があ
る。
【0029】本高所作業車1においては、このような伸
縮ブーム4の格納作動を容易に行うため、本発明に係る
自動格納装置により伸縮ブーム4の自動格納を行うこと
としている。この自動格納を行うための自動格納装置
は、アーム屈折角センサ(屈折角検出手段)31と、ブ
ーム伸長量センサ32と、ブーム起伏角センサ(起伏角
検出手段)33と、ブーム旋回角センサ(旋回角検出手
段)34と、ブーム格納検出スイッチ35と、コントロ
ーラ36と、操作装置10に設けられた自動格納スイッ
チ13とから構成されている。
【0030】アーム屈折角センサ31は、図3に示すよ
うに、第1リンク45aを基端側部材44に枢支するピ
ン49回りに取り付けられており、第1リンク45a
(先端側部材45)の基端側部材44の長手方向に対す
る屈折角度θを検出する。ブーム伸長量センサ32は、
中間ブーム部材42の先端部に取り付けられており、先
端ブーム部材43の中間ブーム部材42からの突出長さ
を検出する。
【0031】ブーム起伏角センサ33は、旋回台3に対
する伸縮ブーム4の起伏角度を検出する。ブーム旋回角
センサ34は、車体1aに対する旋回台3の水平旋回角
度を検出する。ブーム格納検出スイッチ35は、車体1
a上に配設されたブーム受台1bにおける伸縮ブーム4
の当接部に配設され、ブーム受台1b上に伸縮ブーム4
が載置されたか否かの検出を行う。
【0032】このように構成された自動格納装置によれ
ば、自動格納スイッチ13の操作がなされると、コント
ローラ36は、アーム屈折角センサ31による先端側部
材45の基端側部材44に対する屈折角度θの検出を行
い、この検出結果は、コントローラ36において予め定
められた所定屈折角度と比較される。ここで、本高所作
業車1においては、この所定屈折角度は0°に設定され
ているため、先端側部材45が基端側部材44に対して
まっすぐであるか否かの検出を行う。なお、所定屈折角
度は必ずしも0°に設定する必要はなく、先端側部材4
5の上下方向の寸法に対して中間ブーム部材42の内側
の寸法に余裕がある場合には、第2リンク45bの先端
部近傍の底面が中間ブーム部材42の開口部と当接する
ことのない角度に設定してももちろんよい。
【0033】先端側部材45が基端側部材44に対して
まっすぐであることが検出された場合には、コントロー
ラ36は、ブーム伸長量センサ32によって伸縮ブーム
4が全縮状態となったことが検出されるまでブーム伸縮
シリンダ49の縮小作動を行わせる。
【0034】なお、アーム屈折角センサ31によって先
端側部材45が基端側部材44に対して屈折しているこ
とが検出された場合には、コントローラ36は、アーム
屈折角センサ31によって先端側部材45を基端側部材
44に対してまっすぐになったことが検出されるまで
(油圧屈伸シリンダ48を全伸長状態とさせるまで)ア
ーム屈伸シリンダ48の伸長作動を行わせ、その後に伸
縮ブーム4を全縮状態まで縮小させる。
【0035】ブーム伸長量センサ32によって伸縮ブー
ム4が全縮状態にあることが検出された後は、コントロ
ーラ36は、ブーム旋回角センサ34によって伸縮ブー
ム4がブーム受台1bの上方に位置したことが検出され
るまで旋回台旋回モータ3aの駆動を行わせる。
【0036】なお、このとき伸縮ブーム4の起伏角度が
小さいと、旋回時に伸縮ブーム4や作業台9が、ブーム
受台1bや車体1a等と干渉してしまう。そこで、本作
動制御装置においては、ブーム起伏角センサ33によっ
て、伸縮ブーム4の起伏角度が前記のように干渉してし
まうおそれのある角度であることが検出されたときに
は、旋回台3の旋回作動を行わせる前に、ブーム起伏シ
リンダ5の伸長作動を行わせ、伸縮ブーム4や作業台9
が、ブーム受台1bや車体1a等と干渉してしまうこと
がない角度まで伸縮ブーム4の起仰作動を行わせる。
【0037】ブーム旋回角センサ34によって伸縮ブー
ム4がブーム受台1bの上方に位置したことが検出され
た後は、コントローラ36は、ブーム格納検出スイッチ
35による検出がなされるまでブーム起伏シリンダ5の
縮小作動を行わせ、ブーム受台1b上に伸縮ブーム4を
載置した格納状態とする。
【0038】なお、上記の自動格納装置においては、伸
縮ブーム4が全縮状態にあることが検出された後に、伸
縮ブーム4がブーム受台1bの上方に位置するまで旋回
作動を行い、さらにその後に伸縮ブーム4の倒伏作動を
行わせてブーム受台1b上に伸縮ブーム4を載置させる
こととしているが、本発明はこのような作動順序に限ら
れるものではない。すなわち、先端側部材45と中間ブ
ーム部材42との干渉をはじめとして伸縮ブーム4等が
車体1a等と干渉しないようにブーム受台1b上に伸縮
ブーム4が載置されればよく、作動順序は問題とはなら
ない。
【0039】このように自動格納スイッチ13の操作を
行うことにより伸縮ブーム4を格納位置に移動させた高
所作業車1においては、先端ブーム部材43を中間ブー
ム部材42内に収容させた状態で長時間経過すると、前
記の理由により屈伸シリンダ48が自然縮小作動してし
まい、図3において鎖線で示すように先端側部材45が
自然倒伏作動する。このような自然倒伏作動が生じる
と、第2リンク45bの先端部近傍の底面が中間ブーム
部材42の開口部42aと当接する。
【0040】先端ブーム部材43が全縮状態にあるとき
に自然倒伏作動を生じた場合、先端側部材45の当初の
倒伏角度は小さいが、屈伸シリンダ48の縮小量が大き
いと先端ブーム部材43の伸長作動を行うにつれて、先
端側部材45の倒伏角度が大きくなる方向に揺動するた
め、第2リンク45bの底面と開口部42aの端面とが
こすれながら先端ブーム部材43が伸長していくことと
なる。
【0041】また、先端側部材45を半分位中間ブーム
部材42から突出させた状態で伸縮作動を停止させ、長
時間放置した場合、第2リンク45bの中央部の底面が
開口部42aと当接する。この状態から先端ブーム部材
43の伸長作動を行うと、前記と同様に第2リンク45
bの底面と開口部42aの端面とがこすれる場合があ
る。また、前記の状態から先端ブーム部材43の縮小作
動を行った場合には、第2リンク45bの底面と開口部
42aの端面とがこすれながら先端ブーム部材43が縮
小していく。
【0042】このため、本高所作業車1には、本発明に
係る屈伸型伸縮ブームの作動制御装置30が取り付けら
れ、第2リンク45bの底面と中間ブーム部材42の開
口部とが当接したまま先端ブーム部材43が伸縮作動を
行わないようにしている。以下、この作動制御について
説明する。この作動制御は、前記のアーム屈折角センサ
31と、ブーム伸長量センサ32と、コントローラ36
と、操作装置10に設けられた伸縮スイッチ(伸縮操作
手段)11および屈折スイッチ12とを用いてなされ
る。
【0043】アーム屈折角センサ31は、前記制御の場
合と同様に、先端側部材45が基端側部材44に対して
まっすぐであるか否かの検出を行う。また、ブーム伸長
量センサ32は、先端ブーム部材43の中間ブーム部材
42に対する伸長量の検出を行い、この検出結果は、コ
ントローラ36において予め定められた所定伸長量と比
較される。この所定伸長量は、先端ブーム部材43が中
間ブーム部材42内に完全に収容された状態(先端ブー
ム部材43の全縮状態)において、中間ブーム部材42
の先端部42aからピン47もしくはピン49の一方
(距離が長い方)までの寸法Lに設定される。
【0044】このため、先端側部材45が中間ブーム部
材42に対して所定伸長量L以上伸長していれば、先端
側部材45が中間ブーム部材42から完全に突出してい
ることとなり、先端側部材45の屈伸作動を行っても第
2リンク45bの先端部近傍の底面が中間ブーム部材4
2の開口部と当接することはない。逆に、先端側部材4
5の中間ブーム部材42に対する伸長量が所定伸長量L
以下であるときは、先端側部材45の少なくとも一部が
中間ブーム部材42内に収容されていると判断する。
【0045】コントローラ36は、各センサ31,32
からの検出結果に基づいて先端ブーム部材43の伸縮作
動制御を行う。すなわち、ブーム伸長量センサ32の検
出結果に基づいて先端側部材45の少なくとも一部が中
間ブーム部材42内に収容されていると判断し、且つ、
アーム屈折角センサ31によって先端側部材45が基端
側部材44に対して直線状に位置していないと判断した
場合、操作装置10における伸縮スイッチ11の操作を
行っても、すぐに先端ブーム部材43の伸縮作動を行わ
ない。この場合は、屈折スイッチ12の操作の如何に拘
らず、所定時間油圧屈伸シリンダ48の伸長作動を行っ
た後に、伸縮スイッチ11の操作制御に基づいて先端ブ
ーム部材43の伸縮作動を行う。
【0046】ここで、屈伸シリンダ48の伸長作動を行
わせる所定時間は、最長でシリンダ48の全縮状態から
全伸状態までの所要時間に設定すればよい。すなわち、
本高所作業車1においては、屈伸シリンダ48が全伸状
態のときに先端側部材45が基端側部材44に対して直
線状に位置するように構成されているため、前記の所要
時間だけ伸長作動を行えば、確実に先端側部材45を基
端側部材44に対してまっすぐに伸びた状態とさせるこ
とができる。
【0047】なお、前記の所定時間は、アーム屈折角セ
ンサ31の検出角度に基づいて定めるようにしてもよ
い。すなわち、検出された角度が小さい時は所定時間を
短くし、検出された角度が大きいときは所定時間を長く
するようにしてもよい。あるいは、アーム屈折角センサ
31の検出結果をフィードバックして、屈折角が0°に
なるまで、もしくは、先端側部材45の上下方向の寸法
に対して中間ブーム部材42の内側の寸法に余裕がある
場合には、第2リンク45bの先端部近傍の底面が中間
ブーム部材42の開口部と当接することのない角度にな
るまで、油圧屈伸シリンダ48の伸長作動を行わせるよ
うに制御してもよい。
【0048】また、上記の高所作業車1においては、ア
ーム屈折角センサ31により先端側部材45が基端側部
材44に対してまっすぐでないと検出された場合にの
み、予め油圧屈伸シリンダ48の伸長作動を行わせるよ
うにしているが、先端側部材45の屈折角度の如何に拘
らず、伸縮スイッチ11の操作が行われた場合には、必
ず所定時間油圧屈伸シリンダ48の伸長作動を行わせる
ように構成してもよい。従って、このように構成した場
合にはアーム屈折角センサ31は必ずしも必要ではな
く、作動制御装置の構成を簡単にすることができる。
【0049】なお、上記の実施の形態の屈伸型伸縮ブー
ムは3つのブーム部材から構成された3段伸縮ブームで
あるが、本発明の屈伸型伸縮ブームの作動制御装置が用
いられる伸縮ブームはこれに限られず、2段や4段等の
伸縮ブームであってもよい、さらに、屈伸するブーム部
材は必ずしも先端部に設ける必要はなく、中間部に設け
るようにしてもよい。
【0050】さらに、上記の実施の形態においては、下
方向にのみ屈折可能な先端ブーム部材を備えた屈伸型伸
縮ブームの自動格納装置および作動制御装置について説
明したが、本発明はこれに限られるものではなく、上下
方向あるいは左右方向に屈折可能なブーム部材を備えた
屈伸型伸縮ブームにも適用できる。
【0051】従って、例えば、先端側ブーム部材45が
上下方向に屈折可能な構成である場合には、アーム屈折
角センサ31による検出角に基づいて先端側部材45が
基端側部材44に対してまっすぐになったと判断するの
はむろんのこと、先端側部材45が基端側部材44に対
してまっすぐになったときに検出信号を送信するリミッ
トスイッチを設けて判断したり、先端側部材45が基端
側部材44に対してまっすぐになったときの屈伸シリン
ダ48の伸縮量を記憶しておき、屈伸シリンダ48の伸
縮量が記憶した伸縮量となったときにまっすぐになった
と判断するようにしたりすれば、先端側ブーム部材45
と中間ブーム部材42との干渉を確実に防止することが
できる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の屈伸型伸
縮ブームの自動格納装置によれば、先端側部分が基端側
部分に対して直線状に位置した後でなければ先端側部分
が第1ブーム部材内に収容されるまで第2ブーム部材の
縮小作動がなされない。また、検出された旋回角度およ
び起伏角度に基づいて屈伸型伸縮ブームを格納位置まで
移動させるための旋回および起仰作動制御がなされる。
このため、屈伸型伸縮ブームを格納するときに先端側部
分と第1ブーム部材とが接触してしまうことがなく、作
業者が目視によって確認しながら格納操作を行う必要も
なくなり作業効率の向上および作業者の労力の軽減を図
ることができる。
【0053】また、本発明の屈伸型伸縮ブームの作動制
御装置によれば、第1ブーム部材に対して第2ブーム部
材が伸縮自在であり、且つ第2ブーム部材の先端側部分
が屈伸作動する屈伸型伸縮ブームにおいて、第2ブーム
部材の先端側部材が一部でも第1ブーム部材内に収容さ
れている状態で、第1ブーム部材に対する第2ブーム部
材の伸縮作動操作がなされたときは、この先端側部材の
をまっすぐにさせた後に第2ブーム部材の伸縮作動を許
容する。このため、第1ブーム部材に第2ブーム部材が
接触した状態で第2ブーム部材の伸縮作動が行われるこ
とがないため、屈伸型伸縮ブームの作動を安全、且つ、
確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る屈伸型伸縮ブームの自動格納装置
および作動制御装置を備えた高所作業車の背面図であ
る。
【図2】上記屈伸型伸縮ブームの自動格納装置および作
動制御装置を備えた高所作業車の側面図である。
【図3】上記屈伸型伸縮ブームの自動格納装置および作
動制御装置を備えた屈伸型伸縮ブームの部分拡大図であ
る。
【図4】上記屈伸型伸縮ブームの自動格納装置および作
動制御装置のブロック図である。
【符号の説明】
1 高所作業車 4 屈伸型伸縮ブーム 41 基端ブーム部材 42 中間ブーム部材(第1ブーム部材) 43 先端ブーム部材(第2ブーム部材) 44 (先端ブーム部材の)基端側部材 45 (先端ブーム部材の)先端側部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水口 裕郎 埼玉県上尾市大字領家字山下1152番地の 10 株式会社アイチコーポレーション 上尾工場内 (56)参考文献 特開 平8−104500(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1ブーム部材と、この第1ブーム部材
    に対して長手方向に伸縮自在な第2ブーム部材とを有
    し、前記第2ブーム部材における先端側の部分が基端側
    の部分に対して屈伸自在であるとともに前記先端側部分
    を前記基端側部分に対して直線状に位置させた状態で前
    記第2ブーム部材の前記第1ブーム部材内への縮小収容
    が可能に構成され、基台上に水平旋回および起伏作動が
    自在に配設された屈伸型伸縮ブームに備えられ、 前記第2ブーム部材を前記第1ブーム部材内へ縮小収容
    させて前記基台上における格納位置に前記屈伸型伸縮ブ
    ームを格納させる屈伸型伸縮ブームの自動格納装置であ
    って、 前記先端側部分の前記基端側部分に対する屈折角度を検
    出する屈折角検出手段と、 前記屈伸型伸縮ブームの水平旋回角度の検出を行う旋回
    角検出手段と、 前記屈伸型伸縮ブームの起伏角度の検出を行う起伏角検
    出手段と、 前記屈伸型伸縮ブームの自動格納制御を行う自動格納操
    作手段と、 この自動格納操作手段による前記屈伸型伸縮ブームの自
    動格納操作が行われたときに、前記屈折角検出手段によ
    り検出された前記屈折角度に基づいて前記先端側部分を
    前記基端側部分に対して直線状に位置させるまで屈伸作
    動させた後に前記先端側部分を前記第1ブーム部材内に
    収容させるまで前記第2ブーム部材を縮小作動させ、前
    記旋回角検出手段により検出された前記旋回角度および
    前記起伏角検出手段により検出された前記起伏角度に基
    づいて前記屈伸型伸縮ブームの旋回および起伏作動制御
    を行って前記屈伸型伸縮ブームを前記格納位置まで移動
    させるコントローラとからなることを特徴とする屈伸型
    伸縮ブームの自動格納装置。
  2. 【請求項2】 第1ブーム部材と、この第1ブーム部材
    に対して長手方向に伸縮自在な第2ブーム部材とを有
    し、前記第2ブーム部材における先端側の部分が基端側
    の部分に対して屈伸自在であり、前記先端側部分を前記
    基端側部分に対して直線状に位置させた状態で前記第2
    ブーム部材の前記第1ブーム部材内への縮小収容が可能
    となっている屈伸型伸縮ブームの作動制御装置であっ
    て、 前記第2ブーム部材の前記第1ブーム部材に対する伸長
    量を検出する伸長量検出手段と、 前記第2ブーム部材の前記第1ブーム部材に対する伸縮
    作動制御を行う伸縮操作手段と、 この伸縮操作手段による前記第2ブーム部材の前記第1
    ブーム部材に対する伸縮操作が行われた場合において、
    前記伸長量検出手段により検出された伸長量に基づいて
    前記先端側部分の少なくとも一部が前記第1ブーム部材
    内に収容されていると判断したときは、前記先端側部分
    を前記基端側部分に対して直線状に位置させるまで屈伸
    作動させた後、前記第2ブーム部材の伸縮作動を許容す
    るコントローラとからなることを特徴とする屈伸型伸縮
    ブームの作動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記先端側部分の前記基端側部分に対す
    る屈折角度を検出する屈折角検出手段を有し、 前記コントローラは、前記操作手段による前記第2ブー
    ム部材の前記第1ブーム部材に対する伸縮操作が行われ
    た場合において、前記伸長量検出手段により検出された
    伸長量に基づいて前記先端側部分の少なくとも一部が前
    記第1ブーム部材内に収容されていると判断し、且つ、
    前記屈折角検出手段により検出された屈折角に基づいて
    前記先端側部分が前記基端側部分に対して所定角以上屈
    折していると判断したときは、前記先端側部分を前記基
    端側部分に対して直線状に位置させるまで屈伸作動させ
    た後、前記第2ブーム部材の伸縮作動を許容することを
    特徴とする請求項2に記載の屈伸型伸縮ブームの作動制
    御装置。
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