JP2721256B2 - 免疫グロブリンe競合体 - Google Patents

免疫グロブリンe競合体

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JP2721256B2 JP1500068A JP50006889A JP2721256B2 JP 2721256 B2 JP2721256 B2 JP 2721256B2 JP 1500068 A JP1500068 A JP 1500068A JP 50006889 A JP50006889 A JP 50006889A JP 2721256 B2 JP2721256 B2 JP 2721256B2
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明はヒト免疫グロブリンE(IgE)に対する競
合体または類似体に関するものである。より具体的に
は、この発明は低親和性受容体部位に対してIgEと競合
するポリペプチドに関するものである。
本発明者らに係る同時係属国際特許出願PCT/GB87/004
66号(国際特許出願公開公報W088/00204号(1988年1月
14日公開)では、ベンニッチによって報告された完全な
IgE重鎖配列[プログレス・イン・イムノロジーII、第
I巻(1974年7月)、49〜58頁およびインターナショナ
ル・アーカイブズ・オブ・アレルギー・アンド・アプラ
イド・イムノロジー、53巻、459頁]のアミノ酸残基301
〜376に対応するヒトIgE配列の第2ドメインおよび第3
ドメインの76個のアミノ酸からなるモノマー鎖を有す
る、IgEに対するポリペプチド競合体を報告し権利範囲
とした。このポリペプチドは、特に肥満細胞および好塩
基球上に存在するIgE高親和性Fc受容体(FcER1)と結合
することによって、抗原特異的IgEが、抗原の存在でそ
のような受容体部位と結合して架橋するときに生じるエ
キソソサイト−シスおよび脱顆粒のような生体反応を抑
制する。
ヒト免疫系におけるIgEの主な役割は寄生虫に対する
免疫を提供することにあると考えられる。然しまたIgE
は枯草熱および喘息のような症状を発現させるアレルキ
ー反応であるI型過敏症を仲介する。このアルレギー反
応の機構を簡単に述べると、花粉のような通常無害な抗
原の進入によってB細胞による抗原特異的IgEの合成が
開始される。ついで抗原特異的IgEはそのFc領域を介し
て肥満細胞受容体と結合し、その後、さらに任意の抗原
の進入を引き金として肥満細胞の脱顆粒を起こし、主と
してヒスタミンのようなメディエーターを遊離し、その
結果、I型過敏症の典型的な急性炎症症状を惹起する。
IgEは、構造的に他の免疫グロブリン類と共通した2
本の重鎖と2本の軽鎖を含んでおり、イプシロン重鎖は
5つのドメイン、即ち可変ドメインVHおよび不変ドメン
インCH1〜CH4を有する。IgEの分子量はおよそ188000で
あるが、そのうち重鎖は約72500を占め、これは約550個
のアミノ酸残基配列に相当する。
IgEのイプシロン重鎖のアミノ酸残基218〜547[ベン
ニッチの示した配列番号に基づく(プログレス・イン・
イムノロジーII第1巻(1974年7月)、49〜58頁に発表
され、その後イムノロジカル・レビュー第41巻3〜25頁
(1978年)により修正)]に対応する330個のアミノ酸
からなるペプチド配列は、ヒト肥満細胞からのメディエ
ーター遊離に対して抑制効果を有することが報告された
[ネーチャー、315巻、(1985年)、6020号、577〜578
頁]。この330個のアミノ酸配列は、それぞれ330個のア
ミノ酸長鎖を有しジスルフィッド結合によって連結され
た2本のアミノ酸鎖からなる二量体として存在する。
米国特許第4171299号および同第4161522号では、ヒト
IgEのFc領域のベンニッチ命名法(前記参考文献参照)
によるアミノ酸265〜537部分から選ばれた配列中、3〜
10個のアミノ酸を含んだオリゴペプチドが肥満細胞のFc
受容体を遮断し、したがって脱顆粒およびヒスタミンの
ようなメディエーターの遊離が抑制されることを報告し
ている。これらのオリゴペプチド中、最も強力なのはIg
E重鎖のアミノ酸配列330〜334から誘導されるペンタペ
プチドAsp−Ser−Asp−Pro−Arg(HEPP:ヒューマン・イ
ムノグロブリンE・ポリペプチド)と同定された。天然
IgEのアミノ酸332はアスパラギンであるが、これらの特
許では、アスパラギンをアスパラギン酸と置換すると遮
断活性が実質上増強されることを示唆している。
上記の特許ではベンニッチが示した完全な配列[プロ
グレス・イン・イムノロジーII、第1巻(1974年7
月)、49〜58頁]を引用し、332の位置にアスパラギン
酸を示している。然しベンニッチ自身、その後、その位
置がアスパラギン残基であることを主張した〔インター
ナショナル・アーカイブズ・オブ・アレルギー・アンド
・アプライド・イムノロジー、53巻、459頁〕。またベ
ンニッチはペプチドAsp−Ser−Pro−ArgもAsp−Ser−As
n−Pro−Argも何ら遮断活性を示さないことを報告し
た。遺伝子配列の決定によってアミノ酸332はアスパラ
ギンであって、アスパラギン酸でないことが判明した。
ヨーロッパ特許出願第102634号では、対応する位置にア
スパラギン酸ではなくアスパラギンを正しく引用してい
る。
さらにまたHEPPの比活性は低く、何らかの有意な生理
的効果を発揮するには極めて大量の投与を必要とするこ
とも報告された。
IgE鎖の好適なドメインを暗号化したDNA配列をクロー
ニングし、エシュリキア・コリで発現することにより、
IgEイプシロン鎖断片を合成し得ることが知られている
〔ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・イムノロジー(19
85年)、15巻、966〜969頁およびプロシーディングス・
オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・
オブ・USA、81巻(1984年)、2955〜2955頁〕。
また天然IgEは、リンパ球、好酸球、単球および血小
板のような細胞の低親和性受容体(FcER2)と結合し
て、これらの細胞の作動体機能、例えば好酸球によるIg
Eに依存した殺寄生虫作用を活性化させる。またBリン
パ球のFcER2受容体は、増殖信号の導入およびB細胞活
性化に関与している。FcER1およびFcER2は構造的に無関
係なタンパク質であるので、IgEのFc領域の異なった部
位を認識することが期待できる。
この発明の目的は第2型低親和性Fc受容体(FcER2
と結合するポリペプチドを提供することにある。
この発明では、下記第1表に示したベンニッチ配列表
のアミノ酸残基340〜439の配列を有するポリペプチドを
含んだ免疫グロブリンEの低親和性受容体に対する競合
体を提供する。
第I表において、基Aは水素原子、または連鎖開始ア
ミノ酸配列を含み得る、多くとも単に免疫グロブリンE
重鎖のアミノ酸残基の天然配列の一部だけを含むアミノ
酸配列であり、その天然配列部分はベンニッチ配列表の
アミノ酸残基301〜339の配列の全部または一部を形成
し、Bは水素原子または同様のアミノ酸配列Bと二量体
を作り得るアミノ酸配列である。
Aは、A基のC末端残基339から遡って伸長し、ベン
ニッチ配列表による残基301を含んだ免疫グロブリンE
重鎖の天然アミノ酸配列の一部に対応するアミノ酸配列
であり得る。それはこの301〜339配列の単に一部だけを
含むものであり得る。Aは不活性なポリペプチド配列で
あって免疫グロブリンEの低親和性受容体部位に対する
ポリペプチドの競合能を妨げない、好ましくは不活性な
オリゴペプチドであり、またそれを含むことができる。
Bは同様のB基と二量体構造を形成でき、免疫グロブ
リンE低親和性受容体部位に対するポリペプチド競合体
の競合能を妨げない任意のアミノ酸配列であり得る。そ
れは残基440で、例えばベンニッチ配列表による残基547
まで伸長を開始するIgE重鎖配列の一部に対応すること
もできる。別法として他のタンパク質、例えばマウス・
ガンマー2b鎖の断片であることもできる。Aが連鎖開始
アミノ酸配列を表し、もしくはこれを含む場合、そのよ
うな配列は通常約20越を超えないアミノ酸残基を含み、
普通約10個を超えず、例えば4または5個のアミノ酸残
基を含んでいることが好ましい。
この発明によるポリペプチド競合体の好ましい一形態
では、Aは水素原子、またはMet−Asp−Pro−Arg−のよ
うな連鎖開始アミノ酸配列X(これに対応するヌクレオ
チド配列はATG GAT CCG CGC)、Bは下記の第II表に
示したベンニッチ配列表のアミノ酸残基440〜547の配列
を表す。
さらにこの発明は、第I表に示したポリペプチド競合
体(ここでAは下記の第III表に示したベンニッチ配列
表のアミノ酸残基301〜339の配列を表す)を包含する。
特に好ましいこの型のポリペプチドは、その構造およ
びヌクレオチド配列が下記の第IV表に示したものである
マウス・ガンマー2b鎖で作成されたアミノ酸配列を表す
残基Bを有するものである。
この発明は、特にベンニッチ配列表のアミノ酸残基34
0〜547の配列を有するポリペプチドを含んだ下記の第V
表に示した免疫グロブリンEの低親和性受容体部位に対
する競合体を提供する。
またこの発明は同じく下記の第V表に示したヌクレオ
チド配列を有するDNAを提供する。
第V表において、基Xは水素原子、または連鎖開始ア
ミノ酸配列であり、以下に説明する具体的な製造方法で
は、X基はMet−Asp−Pro−Arg−であり、それに対応す
るヌクレオチド配列はATG GAT CCG CGCである。
この発明は、さらに前記第I表および第V表で示した
型のポリペプチド配列(および連鎖を開始し、そして/
または停止する対応する不活性なオリゴペプチドによ
り、N末端またはC末端の一方または双方で停止した第
II表、第III表または第IV表で修飾された第I表に示し
た型のポリペプチド配列)に拡張する。
この発明のポリペプチド競合体の二量体形態は特に重
要である。
また前記第I表および第V表で定義した配列断片、ま
たは第II表または第IV表の何れか一つにより修飾された
第I表で定義した配列断片と同一または類似の競合性を
有するこの発明のポリペプチド断片は、その二量体形態
を含みこの発明の範囲に包含される。
またこの発明は、配列340〜547のポリペプチドを暗号
化したヌクレオチド配列を含んでいる宿主/ベクター系
を提供する。
発現ベクターはエシェリキア・コリN4830が都合よ
く、配列340〜547のペプチドを暗号化したプラスミド
(pE3−4と命名)を含んだこの菌の培養をナショナル
・コレクション・オブ・タイプ・カルチャーズ・イン・
ロンドンへ受入れ番号NCTC12162のもとに寄託した(寄
託日、1987年11月18日)。
またこの発明は、その宿主微生物を培養し、培養物か
らペプチドを単離することを含むポリペプチド340〜547
の製造方法を提供する。
またこの発明は、有効成分が前記の型の免疫グロブリ
ンE低親和性受容体部位に対するポリペプチド競合体で
ある医薬製剤を包含する。
またこの製造は、このポリペプチド競合体を好適な態
様により、例えば経鼻的に投与し得る医薬用担体を含有
し得る。
またこの発明のポリペプチド競合体は、その他の治療
薬または診断薬、またはIgE低親和性受容体保有細胞を
標的として治療薬または診断薬を走行させるようポリペ
プチドが作用する効果をもたらし得る分子と共有結合的
に結合し、または会合させ得る。
さらにこの発明は、結合測定および診断用キットに包
含させるこの発明のポリペプチド競合体、その二量体お
よびその生物学的に有効な断片を用途を目的とする。
このようにこの発明のポリペプチド340〜547は、細胞
の低親和性IgE受容体との結合能を有することが判明し
た。この発明から生じる利点は、IgEの高親和性結合部
位と低親和性結合部位とを鑑別し得る能力によって、医
学的な適応に応じてこれらの作動体分子の投与を分ける
ことを可能とした点である。IgEはI型即時型過敏症と
して知られるアレルギー反応に関与しており、その拮抗
物質としての価値は先に挙げた発明者らの同時係属特許
出願で説明した。
IgEの肥満細胞との反応は即時型過敏症を誘発するば
かりでなく、遅発型過敏症状態を発現するのに直接関与
しており、この状態は最初の免疫反応の際、肥満細胞か
らの化学化合物の放出によって開始される。遅発型過敏
症には、血小板、マクロファージ、好酸球のようなその
他の細胞型が動員され、これらは異物または最初の組織
損傷部位に誘引され、そこで炎症反応を起こす。
これらの細胞が低親和性受容体を介してIgEおよび抗
原と結合すると、細胞障害性酸素ラジカルが遊離され、
これらはもし異種細胞が存在するとその細胞をも含めて
局所付近の細胞を破壊する。したがってポリペプチド34
0〜547は天然IgE結合に随伴する遅発型過敏反応を遮断
し、もしくは消滅させるIgE拮抗物質としての用途が考
えられる。
以下、実施例によってこの発明を説明する。
第1図はヒトIgEのイプシロン鎖の共有結合構造を示
したもので、鎖内ジスルフィッド(S−S)結合および
鎖間ジスルフィッド(S−S、S−L)、および5つの
構造ドメイン(VH、CH−1〜4)の境界をN−末端(左
側)とC−末端(右側)との間のゲノムDNA内のエキソ
ンに対応させて示している。組換え体ペプチドを説明す
ると、rE2−4はAsp218−Lys547を含み(CH1からの7個
のアミノ酸を含むCe2−4)、rE2−3はAsp218−Pro439
を含み(CH1からの7個のアミノ酸およびCH4からの1個
のアミノ酸を含むCH2およびCH3)、rE4はArg440−Lys54
7を含み、rE2′−4はGln301−Lys547を含み(鎖間ジス
ルフィッド結合を形成する2個のシステイン間の示され
た位置からのCH2のC末端、CH3およびCH4)、rE3−4は
Leu340−Lys547を含み(N末端の9個の残基を除くCH3
のすべておよびCH4)、rE2はAsp218−Val336を含み(CH
1からの7個のアミノ酸を含むCH2およびCH3からの6個
のアミノ酸)、Re2′−3′はGln301−Arg376を含んで
いる(CH2およびCH3ドメインの鎖内ジスルフィッド結合
を形成するシステイン間の示された位置からのCH2のC
末端部分およびCH3のN末端部分)。
〔方法〕
上記のペプチドを生産するエシェリキア・コリでの発
現に使用する遺伝子組立て物を説明する。rE2−4を暗
号化しているプラスミドpE2−4およびrE4を暗号化して
いるプラスミドpE4はHind III部位によって結合させた
イプシロンcNDA断片を含んでおり、TrpE配列の最初の7
個のアミノ酸を含んだ短いN末端融合物の合成を指定す
る。8量体Hind IIIリンカー(ニュー・イングランド・
バイオラボズ)をコドン439のペプチド(FnuD II部位の
位置)へ付加した後、pE4のイプロシン配列を挿入す
る。プラスミドpE2は12量体Nhe Iリンカー(ニュー・イ
ングランド・バイオラボズ)で修飾されたpE2−4の誘
導体であって、このリンカーは翻訳停止信号を提供す
る。クローニングしたcDNAをHae IIで切断し、3′突出
部をT4ポリメラーゼで除去した後、このリンカーをイプ
シロン配列のコドン337だけへライゲーションした。プ
ラスミドpE2−3はptac−85へサブクローニングしたイ
プシロンcDNA断片を含んでおり、非融合ポリペプチドの
発現を指定する。Fnud IIでイプシロン配列をコドン439
の位置で切断した後、合成オリゴヌクレオチドをその位
置へライゲーションすることによりCH3配列のすぐ下流
に翻訳停止信号(P.L.バイオケミカルズ)を配置した。
rE2′−4′を暗号化しているプラスミドpE2′−4はイ
プシロン遺伝子断片を含んでいるので、これをSac Iで
切断し(コドン297の位置で切断)、Bal31で緩和なエキ
ソヌクレアーゼ処理した後、発現ベクターpASIへ挿入し
た。コドン376の位置にあるSma I制限酵素部位でpE2′
−4へ翻訳ターミネーターを挿入することにより、rE
2′−3′を暗号化しているプラスミドpE2′−3′を作
成した。
pAS1〔ローゼンバーグら、1983年、メソッズ・イン・
エンザイモロジー、101巻、123〜138頁)の組換え誘導
体であるpE3−4のラムダ・PLプロモーターの制御下
に、エシェリキア・コリでrE3−4配列を合成した。pAS
IのBamH I部位へ挿入するため、イプシロンDNAをHae I
Iで切断し、緩和なエキソヌクレアーゼ処理をし、12量
体BamH Iリンカーを付加することによってpE3−4内の
遺伝子断片を調製した。BamH I部位の周りのDNA配列を
測定した。これによって、推論されたアミノ酸配列では
発現されたイプシロン配列がコドン340で始まることが
判明した。操作中、付加的に挿入した残基は ATG GAT CCG CGC…CTA Met Asp Pro Arg…Leu− (イプシロン配列の残基340) である。
pE3−4のイプシロン遺伝子断片は熱誘導によりエシ
ェリキア・コリN4830で発現できる。これを達成するに
は、30℃でA600=0.8まで株の増殖を行い(非誘導)、
ついで42℃でインキュベートを行う(誘導)。
イプシロン(ND)の重鎖のCH2、CH3およびCH4ドメイ
ンを暗号化した遺伝子の欠失変異体からエシェリキア・
コリで生成したヒトIgEのクローニング断片を使用し
て、FcER2−陽性ヒトB細胞系RPMI8866の低親和性(FcE
R2)部位への結合に関与するヒトIgE上の部位をプロー
ブした。種々の断片について予備的な間接および直接免
疫蛍光結合測定を実施し、その成績を下記の第VI表に示
す。この表は各ペプチドの高親和性受容体への結合能を
示している。
これらの成績から、ヒトIgEのFcER2への結合にはこの
発明によって得られた重鎖の第3および第4ドメインの
存在が必要であり、また試験したこの発明のペプチド中
でペプチドrE3−4だけが高親和性結合には陰性で低親
和性受容体へ結合することが判明した。
さらに間接蛍光免疫測定による研究から、骨髄腫タン
パク質IgE(PS)、rE2−4、rE2′−4およびrE3−4は
FcER2陽性RPMI8866B細胞の90%以上と結合することが確
かめられた。然しさらに研究によって、これとは対照的
にrE3−4、rE2′−3′、re4およびrE2では検出し得る
結合がないことが判明した。rEペプチドの結合は2つの
抗FcER2モノクローナル抗体(mAb135および抗BLAST−
2)と細胞とを予じめインキュベートすることによって
抑制されるが、特異性に関連のない対照IgG1では抑制さ
れないことから、この結合は特異的である。しかもFcER
2陰性細胞系ジャーカットおよびラジでは結合が起こら
ないことが判明した。
〔rEペプチドの結合能〕
RPMI8866細胞を各種濃度のrEペプチドとインキュベー
トし、間接免疫蛍光測定を実施した。
第VII表にその成績をまとめた間接免疫蛍光測定のた
め、染色衝撃液(RPMI1640−0.01%アジドを含有する2.
5%ウシ胎児血清)中、0.5×106RPMI8866細胞(>99%F
cER2陽性)を各種濃度(0.1〜200μg/ml)の精製rE断片
または天然IgE(PS)と4℃で40分間インキュベートし
た。これを洗浄後、細胞を好適なフルオレスセインイソ
チオシアナート(FITC)結合−抗FcmABまたはアフィニ
ティー精製を行ったヤギ−抗ヒトIgE抗体(10μg/ml)
と4℃で30分間インキュベートした。十分に洗浄した
後、IgEまたはrE断片と結合した細胞の百分率をFACスキ
ャン(ベクトン・ディキンソン、マウンテンビュー、C
A)により測定した。第VII表に陽性細胞の絶対百分率を
示す(9回の実験から得られた結果の平均値±S.D.)。
第VII表の成績からFcER2結合部位はrE3−4のペプチ
ド<Leu340−Lys547)に含まれており、CH2ドメインは
必要でないことが分かる。
抗FcER2モノクローナル抗体を用いる試験のため、0.5
×106RPMI8866細胞の染色緩衝溶液を予じめ培地、抗FcE
R2mAb(mAb135または抗BLAST−2mAb)1μg/mlまたは対
照IgG1ネズミmAb(抗HLA−DP、2.5μg/ml)と4℃で60
分間インキュベートした。洗浄した後、細胞をIgE(P
S)(1μg/ml)またはrE3−4(200μg/ml)と4℃で4
0分間インキュベートし、ついでmAbRPI−FITCで処理し
た。第VIII表は陽性細胞の絶対百分率を示す(3回の実
験から得られた結果の平均値±S.D.)。
これらの実験で使用したmAb135は、E.レクターら〔イ
ムノロジー、55巻、481〜487頁(1985年)〕の報告によ
るものであり、抗BLAST−2mAbはC.キントナーら〔ネー
チャー、294巻、458〜460頁(1981年)〕の報告による
ものである。
種々のイプシロン鎖断片および突然変異体配列の相対
活性を比較すると、結合はペプチド濃度の関数として測
定される。結合の変化を第2図に示し、その結果を第IX
表にまとめた。rE2′−3/G3はpHG201に由来するマウス
・ガンマー2bcDNAを使用して組立てたキメラ組換え体で
ある〔S.ロバーツら、プロテイン・エンジニアリング、
1巻、59〜65頁(1986年)〕。マウスCH3配列は、pHG20
1をSac Iで部分消化し、アミノ酸346〜447(EUインデッ
クス)を暗号化しているDNA断片を得ることにより誘導
した。この断片をpE2′−4でコドン439の下流へ挿入す
ることにより、Cイプシロン−4配列をCガンマー2bCH
3ドメインで書き換えた。組換え体ペプチドはイプシロ
ンおよびガンマ−2bの何れの抗血清とも反応した。
脱グリコシル化のために、IgE(PS)(200μg/ml)の
0.55Mリン酸ナトリウム溶液(pH8.6)をN−グリコシダ
ーゼF(N−グリカナーゼ、ジェンザイム・コーポレー
ション、ボストン、MA)15U/mlと37℃で一夜インキュベ
ートし、ついで回転板上で4℃で過剰のレンチル・レク
チン・セファロース4B(シグマ・ケミカル・カンパニー
・セントルイス、MO)に吸着させた。調製品のSDS−PAG
E分析および過ヨウ素酸シッフ(PAS)によるゲル染色に
よりIgEの完全な脱グリコシル化が起こったことが判明
した。脱グリコシル化試料のIgE濃度は放射免疫測定に
よってチェックした。
rE2−4における点位置は、Y.モリナガら〔バイオテ
クノロジー、7月、636〜639頁(1984年)〕が報告した
方法に従い、二本鎖プラスミドDNAを使用するオリゴヌ
クレオチド指定部位特異的突然変異によって実施位し
た。
組換え体Fc(rE2−4)は極めて活性が高く、事実、
骨髄腫IgE(PS)より明らかに強い、この発明で得られ
たIgE(PS)の酵素的脱グリコシル化によりその活性が
増大する結果から、親和性の向上は炭水化物が存在しな
いことによるものと推定される。CH2およびCH3からの9
個のアミノ酸を欠いているrE3−4はrE2−4より遥かに
低い活性を示す。これに反して、先端を切り取ったペプ
チド、rE2′−4はCH2のC末端の30個のアミノ酸を保有
しているが、完全なFc配列とほとんど同等の活性を示し
た。従って生理的な結合親和性のためには、3個のFeド
メインがすべて必要であるようである。
結合に必要なFcの構造要素を明らかにした。すべての
抗体クラスのFc領域は多くの共通な特徴を有すると考え
られる。特にそれらはC末端ドメイン(例えばCH4また
はC−ガンマ−3)で非共有結合的に連結し、中間ドメ
イン(CH3またはC−ガンマ−2)で炭水化物によって
分離され、N末端ドメイン(IgGの連結領域に対応するI
gEのCH2)で共有結合的に1またはそれ以上のジスルフ
ィッド結合により連結されている2本の重鎖を含んでい
る。従ってCH2およびCH4にある鎖間結合は第3級構造を
生じ、この構造が受容体認識に必要なのかもしれない。
これが活性状態を決定するのかどうかを調べるため、単
量体鎖の活性を測定した。
CH4ドメインを含んでいるrE鎖断片はすべて溶液中に
二量体を作ることができる。然し3つのFcドメインは何
れもジスルフィッドで連結された二量体の生成が必要で
あることが判明し、このことはCH4における共共有結合
的な会合の場合、ジスルフィッド結合の生成が起こり得
るようCH2に予じめチオールを配置しておく必要がある
ことを示唆している。もし2つのCH4ドメインの会合が
二量体形成を核とするのであれば、この会合を防止する
ことによって二量体の生成を抑制できるはずである。Ig
EモデルではCH4の2つのPhe506残基がファン・デル・ワ
ールスの接触にあることを示唆する。従ってPhe506を荷
電された残基で置き換えると二量体の生成が阻止される
はずである。突然変異体遺伝子の発現生産物、rE2−4
(Arg506)はゲル電気泳動法による判定で単量体性を保
有していることが判明した。HPLCにより痕跡の二量体
(<1%)を除去すると、生産物は、B細胞に対する結
合が完全に不活性であることが分かった。分離した画分
から回収した二量体は非突然変異体Fcより著しく強い活
性を示した。Phe506はCH4ドメインに含まれているので
認識配列を関与しているようには考えられない。以上の
ことから鎖の二量体化がFcER2結合に不可欠であると結
論した。
第2図はアフィニティー精製を行ったrEペプチドのポ
リアクリルアミドゲル電気泳動による結果を示したもの
である。第3A図は20%SDS−尿素ゲルで非還元条件下に
ペプチドを分析して得られた結果を示したものであり、
第3B図は15%SDS−尿素ゲルで還元条件下にペプチドを
分析した結果を示している。適用した試料は、バンド
(1)が標準タンパク質、バンド(2)がrE2−4、バ
ンド(3)がrE2−4(Arg506)、バンド(4)がrE2′
−3/G3である。これらのペプチドはエシェリキア・コリ
から単離し、アフィニティー精製を行った。
CH4は二量体化に必要であり、二量体化は活性に必要
であるから結合部位の部分はCH4に存在している可能性
があるので、このドメインを簡単に欠失によって除くこ
とはできない。例えばrE2−3が単量体状態にあること
は先の第VII表にまとめた結合検定における不活性から
十分に説明できる。FcER2結合におけるCH4配列の役割を
明らかにするため、rE2′−4のC末端ドメインをマウ
ス・ガンマー2b鎖に置き換えたキメラ免疫グロブリン断
片rE2′−3/G3の挙動について検討を行った。IgEとIgG
との相同性から予想されるように、このキメラ鎖は第3
図に見られるような高収量でジスルフィッドで結合され
た二量体を生成する。第2図の検査成績から理解される
ように、これらの二量体はその非キメラ対応物の強度と
同程度の活性水準を示す。またマウスIgG2bはB細胞と
結合しないことが分かったので、FcER2特異的結合部位
はCH3に局在していると結論した。
CH3ドメインのFcER2の結合部位をさらに正確にマッピ
ングするためFc領域における抗原決定基に対するモノク
ローナル抗体(mAb)を使用して、125I−標準IgEのB細
胞結合に対するそれらの抑制効率を測定した。抗体によ
って認識される各種の抗原決定基をウエスタンブロッテ
ィング法によりrEペプチドへマッピングし、配列内のペ
プチドの位置をモデルにおけるそれらの位置と関連付け
た。その結果を第X表にまとめた。
抗Fc mAbの特異性は、酵素結合抗体免疫吸着アッセ
イ、ウェスタンブロット法およびドット免疫測定により
rE断片、アミノ酸残基Asn218−Thr315を含んだrE断片お
よびアミノ酸残基Asp307−Val370を含んだ合成ペプチド
との反応パターンにより測定した。精製ヒト骨髄腫IgE
(PS)をクロラミン−T法によってヨード化した(比活
性:8000cpm/ng)。IgEのFcER2結合を抑制する抗Fc mAb
の抑制能を試験するには、125I−IgEのPBS−0.5%BSA溶
液(15ng/50μ)を10、100、1000M過剰の抗Fc mAbと3
7℃で1時間混合し、ついで1×106RPMI8866細胞0.1ml
へ添加した。4℃で2時間インキュベートした後、細胞
を血清内で撹拌し、細胞に結合した放射能活性を計測し
た。最大の結合は培地だけの存在で細胞を125I−IgEと
インキュベートすることにより測定した。第X表にはmA
bの10M過剰で得られた抑制を示した。
9個のモノクローナル抗体のうち3個がIgE受容体と
の相互作用を強く抑制した。mAb BS17およびRP3に対す
る抗原決定基はCH2のC末端領域(Gln301〜Thr315の
間)にあり、3番目の抗原決定基IC27はCH3のN末端(L
ys367−Val370を含む)にある。これら3つの部位はFc
モデルのCH2ドメインとCH3ドメインとの間の裂け目の内
側またはそれに近接して位置している。4番目のmAb IC
272は介在配列(Thr315−Val336)で結合しているが弱
い抑制を示すだけである。このmAbは、CH2ドメインとCH
3ドメインとの間の裂け目のCH2側に並んでいる2本のベ
ータ鎖を分けるループと結合していることが想定され
る。そのやや弱い抑制効果はこれによって説明し得よ
う。他の2つのmAb、RP1およびLe27は第2の介在配列
(Leu340−Val361)内で結合するが何ら抑制効果を示さ
ない。このペプチド断片全体が裂け目から離れて結合し
ている。その他の3つのmAb、DC、AS7.12およびIC173は
CH2−CH3結合領域の外側、CH2およびCH4の抗原決定基と
結合しているが、受容体結合を抑制しない、断片結合測
定の結果を考え合わせると、これらの成績からFcER2はA
sp362−Val370の付近で結合していることが示唆され
る。CH2は配列の結合部位に関与しないから、抗CH2mAb
による抑制は単に立体障害の結果に過ぎないと言えよ
う。
以上考察した成績は、ヒトIgEのFcER2結合部位がFcの
3D構造にあるCH2に近接したCH3のN末端領域にあること
を示している。ただしCH4およびCH2ドメインはCH3構造
に対するそれらの効果を介して活性水準を決める。特に
2つのCH3ドメインは何れも活性を必要とし、CH2および
CH4は単に二量体を生じるだけに作用することが判明し
た。rE2′−4で先端を切り取ったCH2ドメインがほぼ完
全な活性を十分示し、rE3−4もまた活性を有するか
ら、CH2の天然構造はそれ自体重要なものであるように
は思われない。またCH4の天然構造もPhe506をアルギニ
ンで置換しても二量体の活性を損なわないから、いった
ん共有結合が生成されるとなくてもよいのかもしれな
い。
B細胞FcER2への結合で、キメラペプチドrE2′−3/G3
が完全な活性よりも著しく劣った活性を示した観察につ
いては説明を要する。天然IgEでC末端ドメインはIgEの
FcER2への結合を妨害することがあり、またCH4はC−ガ
ンマ−3より小さい結合妨害を生じることが示唆され
る。rE2−4(Arg506)はrE2−4より二量体として一層
有効であることが分かった。これは対にならないCH4ド
メインが存在し、そのために対になったドメインよりも
セグメントの可動性および回転を自由度が損なわれる程
度が少ないことによるのかもしれない。二量体化の基準
により天然構造を有すると思われるrE4はB細胞でFcER2
との結合ができない。従ってCH4ドメインがIgEのFcER2
との相互作用にプラスに働くことはありそうにない。
これらの成績からCイプシロン・ドメインが両方とも
単一の受容体と結合するのか、あるいは1つまたは恐ら
く2つのFcER2分子が二量体で別々のCH3ドメインと結合
するのかは明らかにならなかった。2つのCH3ドメイン
がタンパク質および炭水化物によって分離されて遠く離
れていることから結合の第一モデル(2:1)はありそう
にない。存在する証拠は決定的ではない。mAB IC27がIg
Eと結合でき、B細胞でその受容体に固定されることは
判明した。このことはFcER2分子がIgEのCH3ドメインの
一つだけと結合し、第2のドメインがmAbと相互作用し
得るように自由に放置されていることを意味すると言い
得よう(もしmAbと受容体が同一部位で競合すると推論
するのなら)。然し他の成績では、ネズミのFcER2に対
する2価のモノクローナル抗体がIgEの場合と同様に同
数の部位と結合するが、そのFab′断片はその数の2倍
と結合するので、2つの受容体が単一のIgE分子の複数
のCH3ドメインと結合することを示唆している。理論
上、2:2の結合様式として名付けられた「モノガマス
(単婚性)−2価」ではKa二量体≧(Ka単量体)であ
ることが親和性にとって有利となるのかもしれない。も
し10710M-1のKaの観測値が双方の部位のほぼ匹敵する値
から生じたのであれば、単一部位の相互作用によって生
じた結合自由エネルギーはここに記載した測定に用いた
検出の限界値以下になるであろう。特異性の問題とも言
い換えられる相互作用の化学量論に関してはまだ不確定
であり、即ち受容体が二量体によって起こされた立体構
造で単一のCH3ドメインを認識するのかしないのか、あ
るいは二量体が単に2つの部位での相互作用によって一
層高い親和性を生じるように働くのかそうでないのかは
確定していない。
ヒトIgEではFcER2結合部位はFcER1結合部位と区別さ
れる。FcER1はrE2−3およびre2′−3′と結合する
が、FcER2は結合しない。一方、FcER2はrE3−4と結合
するが、FcER1は結合しない。これはGln301とLeu340の
間の配列がFcER1を必要とするが、FcER2結合を必要とし
ないことを示している。これらの部位はCH3でVal362とL
ys367の間の領域で重複しており、この領域はFcER1部位
のC末端境界を形成しているが、FcER2部位はさらにC
末端側へ伸長し、あるいは実際は、これらの部位は完全
に分かれているのかもしれない。FcER2結合部位のN末
端境界部位を確定しそれによって何れにしても共通した
配列の範囲を決定するにはさらに解像度の高いマッピン
グを必要とする。またFcER1は単量体および二量体と結
合し、他方、FcER2は単量体と結合できないので、2つ
の受容体は異なった結合様式を示す。IgG1の単球受容体
結合部位およびIgMのT細胞およびB細胞受容体結合部
位をC−ガンマー2およびC−mu−3ドメインへそれぞ
れマッピングしたところ、CH3と相同であった。Fc−mu
−RがFcER2と同様に単量体鎖と結合できないことは興
味深い。
FcER1およびFcER2は無関連なタンパク質である。FcER
1は、報告されている限りの他のすべての免疫グロブリ
ン受容体と共通して免疫グロブリンの上課に属する。Fc
ER2は独特でアシアログリコプロテイン受容体と相同で
ある。従って驚くべきことにFcER2はrE2−4と結合し、
また酵素的脱グリコシル化を行ったIgEと天然のIgEより
さらに強力に結合する。これに反してIgGのFc−ガンマ
ーR1に対する高親和性結合は、炭水化物の存在によって
左右されることが報告されている。FcER2結合部位の推
定領域に近いイプロシン鎖のAsn371にグリコシル化部位
のあることは注目すべきである。この炭水化物置換基は
明らかに結合部位の一部ではなく、イプシロン重鎖だけ
に見出され、FcER2結合活性を調節するために都合よく
配置されているのかもしれない。
〔微生物〕
・記載箇所:原文11頁4行目(訳文15頁9行目) 寄託機関の名称 ・ナショナル・コレクション・オブ・タイプ・カルチャ
ー 寄託機関の住所 ・セントラル・パブリック・ヘルス・ラボラトリー、 コリンデール・アベニュー、 ロンドンNW9 5HT 寄託の日付 ・1987年11月18日(18.11.87) 寄託番号 ・NCTC 12162 ・ヨーロッパ特許を求めているそれらの表示に関して、
寄託された微生物サンプルの入手はヨーロッパ特許の許
可発令の公示、または出願の拒絶または取り下げ、また
は取り下げたとみなされる日は、サンプル要求者によっ
て指名された専門家へのサンプル発行によってのみ行う
ことができる(EPC規則28(4))
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/09 A61K 37/02 ABF G01N 33/53 9282−4B C12N 15/00 A (C12P 21/02 C12R 1:19) (C12N 1/21 C12R 1:19) (72)発明者 マーシュ、フィリップ・ジョン・ヘンリ ー・ベネディクト イギリス国ロンドン、エス・イー8 5 エー・エー、デプトフォード、ハイ・ス トリート 79エー番

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の表(ここでXは水素原子または連鎖
    開始アミノ酸配列である)で示したアミノ酸残基340〜5
    47の配列を有するポリペプチド鎖を含んでいる、免疫グ
    ロブリンE低親和性受容体部位に対するポリペプチド競
    合体:
  2. 【請求項2】XがMet−Asp−Pro−Arg−である請求項1
    記載のポリペプチド競合体。
  3. 【請求項3】ポリペプチド鎖が少なくともその一つの末
    端において連鎖を開始しまたは停止する不活性なアミノ
    酸配列によって終っている請求項1〜2の何れか1項記
    載のポリペプチド競合体。
  4. 【請求項4】請求項1〜3の何れか1項記載のポリペプ
    チド競合体の二量体。
  5. 【請求項5】有効主成分として請求項1〜3の何れか1
    項記載のポリペプチド競合体または請求項4記載のポリ
    ペプチド競合体の二量体を有効成分として含有する、天
    然IgEに関連した遲発型過敏反応を阻止または低減する
    ための薬剤。
  6. 【請求項6】請求項1記載のポリペプチド競合体をコー
    ドする遺伝子を含むベクターで形質転換させた宿主微生
    物を培養し、培養物から産生されたポリペプチドを単離
    することを特徴とする請求項1記載のポリペプチド競合
    体の製造方法。
  7. 【請求項7】遺伝子を含むベクターで形質転換させた宿
    主微生物がナショナル・コレクション・タイプ・カルチ
    ャーに寄託番号NCTC12162としてブタペスト条約の下に
    国際寄託されたものである請求項6記載の製造方法。
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