JP2721058B2 - 作業車の伝動構造 - Google Patents

作業車の伝動構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車軸に湿式多板摩擦ブ
レーキを設け、この摩擦ブレーキの環状の摩擦板を、環
状の押圧操作具と環状の押圧プレートとの間に配置させ
るとともに、前記摩擦板の径方向外方側に環状空間を形
成してある作業車の伝動構造に関する。
【0002】
【従来の技術】上記作業車の伝動構造において、従来で
は、前記押圧操作具を支持するケース支持部と押圧プレ
ートを受止め支持するケース支持部とを、夫々、環状に
形成してあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来構造は、摩擦
板の全周に亘り、押圧操作具による制動用押圧力が作用
するよう構成したものであるが、このように構成する
と、前記両ケース支持部により形成される環状空間と内
方側油貯溜空間とが、摩擦板同士の隙間を介してのみ連
通する構造であるので、冷却用油が前記環状空間に入り
難くなり、摩擦板の径方向内部側だけに作用して、径方
向外方側には充分な冷却効果が作用しない欠点があっ
た。
【0004】本発明は上記不具合点を解消することを目
的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、車軸に
湿式多板摩擦ブレーキを設け、この摩擦ブレーキの環状
の摩擦板を、環状の押圧操作具と環状の押圧プレートと
の間に配置させるとともに、前記摩擦板の径方向外方側
に環状空間を形成してある作業車の伝動構造であって、
前記押圧プレートを受け止め支持するように押圧プレー
ト側に突出する状態で外装ケースに一体形成した受止め
部を設け、この受止め部に、前記環状空間と前記摩擦板
の径方向内方側のオイル貯溜空間とを連通させる油路を
形成してある点にある。
【0006】
【作用】充分大きな制動力を得るために、押圧操作具と
押圧プレートとを環状に構成するものでありながら、そ
の外方側に形成される環状空間に対して前記油路を介し
て冷却油が効率良く供給されることになり、摩擦板にお
ける内外両端部まで有効に油による冷却効果が作用する
ことになる。
【0007】しかも、油路を押圧プレートに形成するの
ではなく、外装ケースに一体形成した受止め部に形成し
てあるから、油路形成に伴う押圧プレートの強度低下、
つまりは、ブレーキの機能低下を防止しながらも、油路
を断面積の大きなものにして油路を介する冷却油の流通
を円滑に行わせることができる。また、突出した受止め
部を設けたので、押圧プレートとの当り面として仕上加
工する範囲も受止め部の頂部のみの狭い範囲で良く、仕
上加工の簡素化を図ることもできる。
【0008】
【発明の効果】従って、簡単な構造改良により、制動機
能を低下させることなく、簡単な加工で摩擦板に対する
冷却効果を向上させることができるものとなった。
【0009】
【実施例】以下、実施例を図面に基いて説明する。図5
にフロントローダ作業車を示している。この作業車は、
左右一対の前輪1を備えた前部車体2と、左右一対の後
輪3を備えた後部車体4とを縦軸芯Y周りで相対揺動自
在に枢支連結し、操縦ハンドル5の操作に基いてステア
リングシリンダ6により相対揺動させて操向操縦するよ
う構成してある。
【0010】そして、最大操向操縦した場合に前部車体
2と後部車体4とが接当する箇所に、図4に示すよう
に、合成樹脂製の接当規制部材7を配設して、衝突によ
る衝撃音を抑制するようにしてある。
【0011】次に伝動構造について説明する。この作業
車は、図3に示すように、静油圧式無段変速装置8の変
速出力を差動機構9及び各遊星ギア式減速機構10,1
0を介して左右後輪3,3に供給して走行駆動するよう
構成してある。尚、図中、11はネガティブブレーキで
あり、駐車時に車体の移動を阻止するよう構成してあ
る。そして、左右後輪3,3に対する夫々の車軸12,
12には湿式多板摩擦ブレーキ13,13を設けてあ
る。詳述すると、図1に示すように、夫々の車軸12の
外周面に一体回転する回転体14を外嵌し、この回転体
14の外周部に一体回転自在に環状の複数の回動摩擦板
15を装着し、各回動摩擦板15の間に環状の固定摩擦
板16を挟み込み、各固定摩擦板16を複数の固定ピン
17で回り止めするよう構成してある。そして、各摩擦
板15,16の外方側には、車軸ケース18に形成した
環状の支持部19に環状の油圧ピストン20〔押圧操作
具の一例〕を備え、各摩擦板15,16の車体内方側に
は環状の押圧プレート21を設け、摩擦板15,16の
全周に亘り均等に押圧力が加わるよう構成してある。
又、車軸ケース18に接続される差動機構外装ケース2
2に前記押圧プレート21を受止め支持する受止め部2
3を形成してあり、この受止め部23と前記支持部19
とにより摩擦板15,16の外方側に環状空間Sを形成
してある。
【0012】前記押圧プレート受止め部23は、図2に
示すように、周方向に所定間隔をあけて切欠24を形成
してあり、この切欠24により、前記環状空間Sと径方
向内方側のオイル貯溜空間Rとを連通する油路Lに構成
してある。このようにして、制動作動に伴う摩擦板1
5,16の摩擦熱に対する作動油による冷却作用が各摩
擦板15,16の径方向内外両側に有効に働くことにな
り、冷却効果が向上することになる。しかも、押圧プレ
ート21の受止め作用は周方向に適宜間隔をあけて配設
される押圧プレート受止め面により確実に受け止められ
ることになり、制動機能を阻害することもない。
【0013】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
容易にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】摩擦ブレーキの断面図
【図2】プレート受止め部の側面図
【図3】伝動系統図
【図4】車体フレームの斜視図
【図5】フロントローダ作業車の側面図
【符号の説明】
12 車軸 13 湿式多板摩擦ブレーキ 15,16 摩擦板 20 押圧操作具 21 押圧プレート 22 外装ケース 23 受止め部 L 油路 S 環状空間 R オイル貯溜空間

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車軸(12)に湿式多板摩擦ブレーキ
    (13)を設け、この摩擦ブレーキ(13)の環状の摩
    擦板(15),(16)を、環状の押圧操作具(20)
    と環状の押圧プレート(21)との間に配置させるとと
    もに、前記摩擦板(15),(16)の径方向外方側に
    環状空間(S)を形成してある作業車の伝動構造であっ
    て、前記押圧プレート(21)を受け止め支持するよう
    に押圧プレート(21)側に突出する状態で外装ケース
    (22)に一体形成した受止め部(23)を設け、この
    受止め部(23)に、前記環状空間(S)と前記摩擦板
    (15),(16)の径方向内方側のオイル貯溜空間
    (R)とを連通させる油路(L)を形成してある作業車
    の伝動構造。
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JPS6348604U (ja) * 1986-09-19 1988-04-02
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