JP2720465B2 - 熱可塑性ポリエステル組成物 - Google Patents

熱可塑性ポリエステル組成物

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JP2720465B2 JP63189389A JP18938988A JP2720465B2 JP 2720465 B2 JP2720465 B2 JP 2720465B2 JP 63189389 A JP63189389 A JP 63189389A JP 18938988 A JP18938988 A JP 18938988A JP 2720465 B2 JP2720465 B2 JP 2720465B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、熱可塑性ポリエステル組成物に関するもの
であり、更に詳しくはアルミナ粒子を含有した滑り性、
耐摩耗性の優れたフィルムあるいは繊維を得るに適した
熱可塑性ポリエステル組成物に関するものである。
[従来の技術] 一般に熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチレンテ
レフタレートは優れた力学特性、化学特性を有してお
り、フィルム、繊維などの成形品として広く用いられて
いる。
しかしながら該ポリエステルは成形品に加工する際に
滑り性不足のため生産性が低下するという問題があっ
た。このような問題を改善する方法として、従来よりポ
リエステル中に不活性粒子を分散せしめ、成形品の表面
に凹凸を付与する方法が行なわれている。例えば特開昭
52−86471号公報では比表面積が特定の無機粒子を、ま
た特開昭54−57562号公報では焼成カオリンを配合する
方法が提案されている。これらの方法は滑り性の問題解
決には有効であるが、成形品とした場合には耐摩耗性を
満足すべきレベルとすることができない。
成形品、例えば磁気テープ用フィルムの耐摩耗性が低
い場合、磁気テープの製造工程中にフィルムの摩耗粉が
発生しやすくなり、磁性層を塗布する工程で塗布抜けが
生じ、その結果磁気記録の抜け(ドロップ・アウト)等
を引き起こす。また磁気テープを使用する際は多くの場
合、記録、再生機器等と接触しながら走行させるため、
接触時に生じる摩擦粉が磁性体上に付着し、記録、再生
時に磁気記録の抜け(ドロップ・アウト)を生じる。す
なわち、磁気テープ用フィルムは磁気テープ製造工程中
においても、また磁気テープとして使用する場合におい
ても滑り性や耐摩耗性を有することが必要となる。耐摩
耗性を向上させるための手法として粒子の表面を処理す
る方法が公知である(例えば、特開昭60−71632号公報
におけるカルボン酸化合物による炭酸カルシウム粒子の
表面処理)。また、新規な粒子として、例えば特開昭62
−172031号公報における特殊なシリコン樹脂粒子をポリ
エステル中に含有せしめる方法などが提案されている。
しかし、これら従来の方法を採用してもなお耐摩耗性
はいずれも十分でない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、前記した従来技術の欠点を解消する
ことにあり、滑り性、耐摩耗性ともに優れたフィルム、
繊維を製造し得るポリエステル組成物を得ることにあ
る。
[課題を解決するための手段] 前記した本発明の目的は (1)平均粒子径0.01から5μmの球状アルミナ粒子を
含有してなる熱可塑性ポリエステル組成物、 (2)アルミナ粒子がα、β及びγ型の少なくとも1種
の結晶形態を持つことを特徴とする請求項1に記載の熱
可塑性ポリエステル組成物により達成される。
本発明におけるアルミナ粒子はα−アルミナであって
も、またβ−アルミナあるいはγ−アルミナであっても
良いが、特にα−アルミナ粒子がフイルムとした時の耐
摩耗性向上の点で好ましい。
アルミナ粒子の平均粒径は熱可塑性ポリエステル組成
物からの成形品の目的に応じて任意に選ぶことができる
が、フィルムあるいは繊維に用いる際には成形品の滑り
性および成形品表面の粗大凹凸の発生の抑制の面から、
0.01〜5.0μm、更に好ましくは0.1〜3.0μmである。
なお平均粒径とは通常の沈降法で測定した全粒子の50
重量%の点にある粒子の相当球の直径である。
アルミナ粒子の形状は球形であり、一般的には、下記
式で定義される形状係数Φが2以下であることが好まし
く、更には1以下であることが好ましい。
v=Φ×D3 (但し、v:粒子一個の体積、D:粒子の相当球直径) また、この粒子は多孔質であるとさらに好ましい。
アルミナ粒子のポリエステルに対する含有量は成形品
の滑り性の点、表面平坦性、特に磁気テープなどとして
用いる場合のフイルムの電磁変換特性などの点から、好
ましくは0.005〜10重量%、更に好ましくは0.01〜5重
量%である。
本発明のポリエステルは芳香族ジカルボン酸あるいは
そのジアルキルエステル等の二官能性成分とグリコール
成分を原料として重縮合反応によって製造できるが、特
にポリエチレンテレフタレートを主体とするものが好ま
しい。このポリエチレンテレフタレートを主体とするポ
リエステルは、ホモポリエステルであってもコポリエス
テルであってもよく、共重合成分として例えばアジピン
酸、セバシン酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカル
ボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカル
ボン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多価
カルボン酸成分、p−オキシエトキシ安息香酸等のオキ
シカルボン酸成分、およびテトラメチレングリコール、
ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリオ
キシアルキレングリゴール、p−キシリレングリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、5−ナトリウ
ムスルホレゾルシン等のジオール成分を含んでいてよ
い。なおアルミナ粒子を熱可塑性ポリエステルに含有せ
しめるための添加時期は任意でよいが、好ましくはポリ
エステル製造工程、特にはエステル交換反応前またはエ
ステル化反応前から重縮合反応前の間である。
添加は粉体のまま反応系に添加してもよいが、好まし
くは該ポリエステルの合成原料であるグリコールのスラ
リーとして添加するのが好ましい。アルミナ粒子のグリ
コールスラリーは通常の超音波処理や撹拌分散処理を行
ない、調製するのが望ましい。
本発明のポリエステル組成物を用いてフイルムを製造
する際は従来公知のフィルムの製造法を適用できる。例
えば、アルミナ粒子を含有するポリエステルを溶融製膜
して非晶質の未延伸フィルムとし、次いで、該未延伸フ
ィルムを二軸方向に延伸し、熱固定し、必要であれば弛
緩熱処理することによって製造する。ここで、フィルム
表面特性はポリエステル中のアルミナ粒子の粒径や含有
量など、あるいは延伸条件によって変化するので、延伸
条件を適宜選択する。また、フイルムのボイド、密度、
熱収縮率なども延伸、熱処理時の温度、倍率、速度など
によって変化するので、これらの特性を同時に満足する
ような条件を選択する。例えば、延伸温度は一段目の延
伸温度(例えば縦方向延伸温度:T1)が、(Tg−10)℃
から(Tg+45)℃の範囲(但し、Tgはポリエステルのガ
ラス転移温度)から、二段目延伸温度(例えば横方向延
伸温度:T2)が、(T1+15)℃から(T1+40)℃の範囲
から選択すると良い。また、延伸倍率は、一軸方向の延
伸倍率が2.5倍以上、特に3倍以上でかつ面積倍率が8
倍以上、特に10倍以上となる範囲から選択すると良い。
更にまた、熱固定温度は、180℃から250℃、更には、20
0℃から230℃の範囲から選択すると良い。
これにより滑り性と耐削れ性に優れた二軸配向ポリエ
ステルフィルムを得ることができる。この二軸配向ポリ
エステルフィルムは、磁気記録媒体のベースフィルム、
特に磁気テープのベースフィルムに用いるのが好ましい
が、これに限定されるものではなく、電気用途、包装用
途および蒸着用フィルムなどの他の分野へも広く適用す
ることができる。
また、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂はフィルム
以外にも繊維やその他エンジニアリングプラスチックス
などにも優れた効果を発揮する。
[実施例] 次に本発明を実施例により具体的に説明する。ここで
耐摩耗性の評価はポリエステル組成物をフィルムとし、
細幅にスリットしたテープ状ロールをステンレス鋼(SU
S−304)製ガイドロールに一定張力で高速、長時間こす
りつけガイドロール表面に発生する白粉量によって次の
ようにランク付けした。
A級…………白粉発生まったくなし B級…………白粉発生あり C級…………白粉発生多い なおこのうちA級を合格とした。
動摩擦係数は、フィルム走行時の金属ガイドをはさむ
両側における張力から測定し、0.25以下を滑り性良好と
判断した。また、フィルム表面粗さは、JISBO601に準じ
サーフコム表面粗さ計を用い、針径2μm、荷重70mg、
測定基準長0.25mm、カットオフ0.08mm条件下で測定した
中心線平均粗さ(Ra)を採用した。
また実施例中の[η]はフェノール:テトラクロルエ
タン=1:1(重量比)の混合溶媒中30℃で求めた極限粘
度である。また、ポリマ中、フイルム中のアルミナ含有
量は螢光X線分析法で定量した。
実施例1 平均粒子径0.5μm、体積形状係数0.65のα−アルミ
ナ粒子10重量部、エチレングリコール90重量部を混合し
サンドグラインダーで処理し、100重量部のスラリーを
得た。
他方、ジメチルテレフタレート100重量部とエチレン
グリコール62重量部、および0.06重量部の酢酸マグネシ
ウムを加えてエステル交換反応を行い、さきに調整した
スラリ10重量部と0.03重量部の酸化アンチモンを加え、
重縮合を行ない[η]0.621のポリエチレンテレフタレ
ート組成物を得た。ここで得られたポリエチレンテレフ
タレート組成物を290℃で溶融押し出しし、未延伸フィ
ルムを得た。さらにこれを90℃で縦および横方向へそれ
ぞれ3倍延伸して220℃で10秒熱処理し、厚さ15μmの
フィルムを得た。
フィルムはRa0.015、動摩擦係数0.24であり、耐摩耗
性の評価を行なったところA級となった。また、螢光X
線分析によるα−アルミナの含有量は0.5重量%であっ
た。
実施例2〜7 α−アルミナ粒子の平均径およびポリエステルに対す
る添加量をかえて、実施例1と同様な方法でポリエステ
ル組成物、ならびに二軸延伸フィルムを得た(実施例2
〜6)。得られたフィルムの表面Ra、静摩擦係数、耐摩
耗性を表1に示した。この表から判るように、得られた
二軸延伸フィルムは磁気テープ用途として十分満足でき
る易滑性と耐摩耗性を有していた。
また、α−アルミナ粒子にかえて、表1のγ−アルミ
ナ粒子を用いたものも易滑性、耐摩耗性とも良好であっ
た(実施例7)。
比較実施例1〜6 粒子の種類、ポリエステルに対する添加量を変えて実
施例1と同様な方法でポリエステル組成物ならびに二軸
延伸フィルムを得た。得られたフィルムの表面Ra、静摩
擦係数、耐摩耗性を表2に示した。
この表からわかるように、得られた二軸延伸フィルム
は、易滑性は優れるが耐摩耗性が劣る、あるいは耐摩耗
性には優れるが、易滑性が劣るなど磁気テープ用として
は、不充分なものであった。
[発明の効果] 本願発明のポリエステル中のアルミナ粒子はポリエス
テルとの親和性が良好であるため、本願発明のポリエス
テル組成物を例えば二軸延伸ポリエステルフィルムとし
た場合は耐摩耗性が良好となる。
したがって、本願発明のポリエステル組成物はポリエ
ステル繊維、フィルムあるいはその他の成形品において
有効に効果を発揮するが、特に繰り返し摩擦使用される
磁気テープに好適である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子径0.01から5μmの球状アルミナ
    粒子を含有してなる熱可塑性ポリエステル組成物。
  2. 【請求項2】アルミナ粒子がα、β及びγ型の少なくと
    も1種の結晶形態を持つことを特徴とする請求項1に記
    載の熱可塑性ポリエステル組成物。
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