JP2719807B2 - 新乾式銀塩記録材料とその作製方法 - Google Patents

新乾式銀塩記録材料とその作製方法

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JP2719807B2
JP2719807B2 JP63296027A JP29602788A JP2719807B2 JP 2719807 B2 JP2719807 B2 JP 2719807B2 JP 63296027 A JP63296027 A JP 63296027A JP 29602788 A JP29602788 A JP 29602788A JP 2719807 B2 JP2719807 B2 JP 2719807B2
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周一郎 小川
善夫 林
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旭化成工業株式会社
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/494Silver salt compositions other than silver halide emulsions; Photothermographic systems ; Thermographic systems using noble metal compounds
    • G03C1/498Photothermographic systems, e.g. dry silver

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、熱現像型乾式銀塩記録材料の画像安定性の
改善に関するものである。
特に、この技術は通常不可能とされていた乾式銀塩記
録材料の完全定着技術を目指したものである。
〔従来の技術〕
従来の湿式銀塩記録材料に代わって、熱現像型乾式銀
塩記録材料は、現像方式が熱を加えるだけという簡単な
ために、画像医学機器における画像記録、ニュースの写
真や気象衛星からの写真伝送、航空写真、およびマイク
ロフィルム分野などの多くの分野で使用されている。
また、最近はレーザーの普及にともない様々な分野の
レーザー記録材料の一つとして熱現像型乾式銀塩記録材
料が用いられ始めている。この熱現像型乾式銀塩記録材
料は湿式銀塩記録材料に比べ、液を全く使用しないの
で、煩雑な液処理をする必要がなく、メンテナンスフリ
ーを実現できる利点を持つ。また、大型コンピューター
がクリーンルームに設置される傾向にあるため、湿式銀
塩記録材料より熱現像型乾式銀塩材料の必要性が増して
きている。
然しながら、このように湿式銀塩記録材料に対して利
点はあるものの、熱現像型乾式銀塩記録材料は画像安定
性が悪いという欠点を持っている。湿式銀塩記録材料は
現像後、定着液に浸すことにより非露光部の不要な銀を
除去することが出来るが、熱現像型乾式銀塩記録材料は
定着工程が出来ないために、非露光部などに不要な感材
内に残っている。このため、熱現像型乾式銀塩記録材の
画像は熱とか光などにより感材中の残留還元材により未
現像の銀が集合し、いわゆるかぶりを生じてしまう。
〔発明が解決しようとする課題〕
そこで、熱現像型乾式銀塩記録材料の欠点である画像
安定性の向上を目指し、湿式銀塩記録材料でいう定着を
どの様にして熱現像型乾式銀塩記録感材に導入するかを
検討した。
熱現像型乾式銀塩記録材において定着が出来る材料
は、いまだに世の中に提出されていない中で様々な検討
がなされたが、定着工程を導入することが非常に難しい
状況であった。いわゆる、全く新しい考えを入れない限
り解決できないと考えられた。
〔課題を解決するための手段〕
本発明では、熱現像型乾式銀塩材料にとって疎水性高
分子を構成要素の1つとして含む銀塩組成物を用い且つ
触媒核を用いて有機銀塩の移動を誘発促進させると言う
全く新しい方法を導入することで、熱現像型乾式銀塩記
録材料の定着を行うことが出来た。
すなわち、本発明は; (i) (ア)有機銀塩酸化剤、(イ)疎水性高分子
化合物、(ウ)還元剤および(エ)ハロゲン化銀もしく
はハロゲン化銀形成成分を必須成分とする熱現像型乾式
銀塩組成物からなる記録層の上に銀金属種あるいは銀よ
り貴な金属種からなる触媒核層を有する熱現像型乾式銀
塩記録材料において、 この熱現像型乾式銀塩材料を熱現像することによ、露
光部の銀は該記録層内に析出され、同時に未露光部の銀
および露光部の画像に寄与しない銀を該触媒核層に析出
させることを特徴とする、熱現像型乾式銀塩記録材料の
画像作製方法であり、また; (ii)前記の熱現像型乾式銀塩記録材料を加熱すること
により、まず露光部に画像を形成させ、その後再加熱し
て画像に寄与しない銀を該触媒核層に析出させる方法或
いは; (iii)前記の熱現像型乾式銀塩組成物を露光、熱現像
することにより露光部に画像を形成させた後、該記録層
上に請求項(1)記載の触媒核層を形成させ、続いて再
度の熱現像により画像に寄与しない銀を触媒核層に析出
させる方法も適用できる。
更に、 前記(i)〜(iii)のいずれかに記載の方法により
触媒核層に析出した銀を、物理的に除去することにより
作製された、定着された熱現像型乾式銀塩記録材料であ
る。
ここで、表面層の銀あるいは銀より貴な金属種とは、
いわゆる無電解メッキの触媒核である。
即ち、熱現像することにより、露光部では、潜像核が
熱現像型乾式銀塩組成物からなる記録層内部に形成され
るために、この記録層内部で銀が集合し画像を形成する
のに対して、非露光部などでは画像形成に寄与しない銀
はこの記録層の表面層の触媒核によって積極的に表面に
析出させ、表面に析出してきた銀を除去することによ
り、定着された銀画像を形成することが出来る記録材料
並びにその作製方法である。
熱現像型乾式銀塩組成物とは、(1)有機銀塩酸化
材、(2)疎水性高分子化合物、(3)還元材および
(4)ハロゲン化銀もしくはハロゲン化銀形成成分を必
須成分とし、調色剤、熱かぶり防止剤、増感剤、分光増
感染料等を任意成分とするものである。ここでいう熱現
像型乾式銀塩組成物としては、通常感光性、又は非感光
性のどちらでもよい。
通常、非感光性の場合には、露光に先立ち活性化工程
が必要となる。また、通常、非感光性熱現像型乾式銀塩
組成物の場合は、前記必須成分のほかに、光反応性有機
ハロゲン酸化剤を必須成分とする。
熱現像型乾式銀塩組成物の代表的なものとしては、特
公昭43−4924号公報、特開昭48−97523号公報、特公昭5
2−17415号公報、特公昭53−2687号公報、特公昭59−28
95号公報などに記載されているものを挙げることができ
る。
有機銀塩酸化剤としては、長鎖脂肪酸の銀塩、例え
ば、ステアリン酸の銀塩、ベヘン酸の銀塩等がとくに有
用である。しかし、他の非感光性銀塩、例えば、サッカ
リン酸銀、ベンゾトリアゾール銀なども使用することが
できる。
高分子化合物として疎水性のものを用いる。例を挙げ
るならば、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリ
レート、ポリビニルホルマール、ポリカーボネート、セ
ルロースアセテート、セルロースブチレート、ポリスレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル、酢
酸ビニル共重合体などを挙げることができる。これらの
高分子化合物は2種以上混合して使用することもでき
る。これらの使用量は有機銀塩酸化剤に対して重量比で
約10対1〜約1対10、好ましくは約4対1〜1対4であ
る。
還元剤としては、フェノール性水酸基の結合する炭素
に隣接する炭素に立体的に嵩高い基が結合し、水酸基を
立体的に阻害している障害フェノール類であり、例え
ば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,
2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、2,2′−メチレンビス−(4−エチル−6−
t−ブチルフェノール)、2,4,4−トリメチルペンチル
ビス−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メ
タン、2,5−ジt−ブチル−4−メトキシフェノール、
2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキ
シ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリ
レート、4,4′−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6
−t−ブチルフェノール、トリエチレングリコール−ビ
ス−{3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロ
キシフェノール)プロピオネート}、1,6−ヘキサンジ
オール−ビス−{3−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート}、2,4−ビス(n−
オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−t−ブ
チルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリ
チル−テトラキス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、2,2−チオ−
ジエチレンビス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート}、オクタデシル−
3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート、2,2−チオビス(4−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、N,N′−ヘキサメチレンビ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ、ヒドロシ
ンナマミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、1,3,5−
トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)
カルシウム、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)−イソシアヌレート、N,N′−ビス
{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−9−プロピオニル}ヒドラジン等を挙げることが
できる。また、ハイドロキノン、2,5−ジメチルヒドロ
キノン、クロロヒドロキノン、p−アミノフェノール、
メチルハイドロナフタレン、フェニドン、没食子酸メチ
ル等の銀塩用還元剤や、p−フェニルデノール、ビスフ
ェノールA、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、p−メトキ
シフェノールも使用することができる。還元剤の量とし
ては、還元剤の種類等により変動するが、一般的には、
有機銀塩酸化剤1モルに対し約0.01モル〜約10モル、好
ましくは約0.1モル〜約3モルである。
ハロゲン化銀もしくはハロゲン化銀形成成分として
は、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀などのハロゲン化銀;塩
化水素、臭化水素、ヨウ化水素のハロゲン化水素;塩化
リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシ
ウム、塩化バリウム、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化
亜鉛、塩化コバルト、塩化鉛、塩化水銀、塩化ニッケ
ル、塩化カドミウム、塩化マンガン、塩化マグネシウム
などの金属塩化物、またこの金属塩化物に対応した金属
臭化物、金属ヨウ化物、ヨウ素、臭素、ヨウ化臭素など
のハロゲン分子、および前記ハロゲン分子の有機錯体;N
−ブロモサクシンイミド、N−ブロモアセトアミド、N
−ブロモフタラジノン、N−ブロモフタルイミド、N,N
−ジブロモベンゼンスルホンアミドなどの有機N−ハロ
アミド;α−ブロモジフェニルメタン、α−ブロモジ
(p−ニトロフェニル)メタン、α−ブロモジ(p−メ
トキシフェニル)メタン、α−ブロモジ(p−ブロモフ
ェニル)メタン、α−ブロモジ(p−メチルフェニル)
メタンなどのジアリルハロメタン;ベンジルトリメチル
アンモニウムアイオダイド、ベンジルトリメチルアンモ
ニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムブロ
マイドなどのオニウムハライド;トリフェニルホスフィ
ンジブロミド、ビス(p−アニシル)テルルジブロミ
ド、ジフェニルゲルマニウムジブロミド、トリフェニル
ゲルマニウムブロマイド、トリフェニルチインブロマイ
ド、ジフェニルセレンジブロミドなどの周期律表第IV
族、第V族または第VI族の元素の有機ハライド化合物、
さらにトリフェニルフォスファイトのジハライド(ジブ
ロミド、ジアイオダイド)などがある。その使用量は有
機銀塩酸化剤1モルに対して0.01モル〜0.5モルが好ま
しい。
光反応性有機ハロゲン酸化剤としては、光照射でハロ
ゲン遊離基を発生することが出来るハロゲン化合物であ
る。好ましくは使用できるものとしては、1,1,1′,1′
−テトラブロモ−o−キシレン、1,1,1′,1′−テトラ
ブロモ−m−キシレン、1,1,1−トリブロモ−p−ブロ
モトルエン、1,1,1−トリブロモ−2,2−ジフェニルメタ
ン、2,2,2−トリブロモエタノール、メソ−1,2,3,4−テ
トラブロモブタンなどを挙げることができる。この光反
応性有機ハロゲン酸化剤の使用量は、有機銀塩酸化剤1
モルに対し、約0.001モル〜約4モルが適量である。
任意成分の例を挙げるならば、調色剤としては、フタ
ラジノンまたはその誘導体、乾式イミド類、ウラシル
類、オキサジオン類などがあり、熱カブリ防止剤として
は、酢酸水銀、ハロゲン化水銀などの水銀イオン、酢酸
亜鉛、酢酸カルシウム、ロジン、フタル酸などがあり、
増感剤としては、有機アミド類などの、ホルムアミド、
N,N′−ジメチルホルムアミド、テトラメチル尿素、N
−メチル−2−ピロリドン、ニコチンアマイド、ブチロ
ラクトン、1−ビニル−2−ピロリドンなどがある。
分光増感染料としては、シアニン、メロシアニン、ス
クアリリウム、スチリルキノリン、ロダシアニン系染料
等の中から挙げることができる。好ましくは、シアニン
系染料である。その使用量としては有機銀塩酸化剤に対
し約0.00001〜約0.01モルの範囲が好ましい。
熱現像型乾式銀塩組成物は、前記必須成分および任意
成分を有機溶媒中に分散あるいは溶解させて支持体の上
に塗布するのが普通である。用いる有機溶媒としては、
メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、シクロヘ
キサン、メチルイソブチルケトン、イソプロピルエーテ
ル、エチル−n−ブチルエーテル、ギ酸エチル、酢酸エ
チル、酢酸メチル、n−ブチルアルコール、イソブチル
アルコール、トルエン、ヘキサン、エチルベンゼン、ク
ロロホルムなどの沸点が150℃以下のものを挙げること
ができる。もちろん、トルエン、メチルエチルケトン、
エタノールを混ぜた混合溶媒系であってもよい。
熱現像型乾式銀塩組成物の塗布は、刷毛塗り等の手作
業により行ってもよいが、リバースロールコーター、カ
ーテンコーター、グラビアコータ、ドクターコーター、
バーコーター、両面コーターなどの連続コーターを用い
て行うことが、作業能率の点で好ましい。
乾燥処理は、通常気体を送風して強制的に行われる
が、自然乾燥でもよい。この際、送風気体としては、通
常空気が用いられるが、窒素ガス、炭酸ガス、酸素ガ
ス、水素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスなどの熱現
像型銀塩組成物に対し不活性なガスであってもよい。
銀あるいは銀より貴な金属種としては、銀、パラジウ
ム、白金、金、ロジウム、ルテニウム、タリウム、水銀
などを挙げることができる。これらの金属種は単独の金
属であっても良いし、複合系や硫化物などであってもよ
い。
第一層としては、熱現像型乾式銀塩組成物を塗布、乾
燥させて記録層を形成し、さらに、第二層を、このうえ
に銀金属種あるいは銀より貴な金属種を含有した組成物
を塗布しても良いし、あるいは、第一層の表面層を処理
することによって、その表面に金属核を形成できるよう
にしてもよい。
このようにして作製された熱現像型乾式銀塩記録材料
の層構成としては、熱現像型乾式銀塩組成物の層と銀金
属種あるいは銀より貴な金属種を含む触媒核層が二層と
して明確に境界があっても良いし、なくてもよい。ま
た、この二層の境界が全く区別することが出来ずに一層
と見なされる場合であってもよい。
熱現像型乾式銀塩組成物からなる記録表面層の上に金
属核を含む触媒核層を形成する方法としては、適当なバ
インダーを含有した溶媒中にこの微少な金属触媒核を含
有せしめ、表面上に塗布する方法、あるいは蒸着などの
気相条件で表面に微量の金属触媒核を形成せしめる方法
をとることもできる。また、強い還元剤を用いて熱現像
型乾式銀塩組成物層の表面をかぶらせたり、水素ガスな
どの還元性ガスに表面を短時間曝したりして、表面にそ
の銀自身からなる金属触媒核を形成させても良い。例え
ば、代表例として金属触媒核の製造方法を挙げるなら
ば、塩化第一錫の水溶液と塩化パラジウムの水溶液に順
次浸漬し、パラジウムの金属核を表面層に付与させる無
電解メッキで金属核を付与する方法、白金、金、銀、パ
ラジウムなどの金属を表面に真空蒸着する方法、さらに
は、アスコルビン酸などのより強い還元剤で有機銀塩酸
化剤層の表面をかぶらせることで代用することもでき
る。また、表面層に硫化ソーダのごとき硫化銀核を形成
する化合物を配してもよい。
このような幾つかの方法は、写真化学でいう物理現像
核を表面あるいは表面層に積極的に形成させることにほ
かならない。従って、この熱現像型乾式銀塩記録感材を
適当な加熱条件で処理をすることにより、画像に貢献し
ない余分な銀が表面のこの金属触媒核のまわりに析出し
てくる。加熱条件としては、少なくとも70℃以上の温度
で数秒〜数分間の加熱であるが、好ましくは90〜160℃
で1〜100秒程度である。
まず、画像を形成後、画像に寄与しない銀を表面に析
出させる方法としては、まず、画像形成するためには好
ましくは115〜140℃で1〜30秒の現像条件であり、その
後、表面に銀を析出させるための再加熱は、一般的には
画像形成条件より高温にするか、あるいは加熱時間を長
くする方法がとられる。もちろん、より高温にし且つ長
時間にしてもよい。加熱条件としては、好ましくは130
℃〜160℃で5〜100秒である。
熱現像型乾式銀塩組成物に対する現像方法は、熱現像
であればいずれの型でもよく、熱板上での加熱、シリコ
ンオイル中での加熱などに代表される直接加熱;熱風に
よる加熱に代表される間接加熱などが挙げられる。
表面に析出した銀を除去する方法としては、次の方法
を挙げることができるが、表面層の銀が除去でき、画像
形成している層にひどい影響を与えない限りどのような
方法であってもよい。例えば、紙や布などで拭き取る方
法、刷毛やブラシなどで擦り落とす方法、粘着剤のつい
たロールやテープなどで剥してしまう方法などを挙げる
ことができる。また、この金属触媒核を適当なバインダ
ーと共に第二層として塗布するような場合は、一層目と
二層目との間の接着性をある程度落とすことにより剥が
れ易くしておき、現像後二層目に析出してきた銀と共に
二層目の層を剥がすようにしてもよい。
次に、本発明を実施例により詳細に述べるが、これら
の実施例は何ら本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1 下記の成分からなる懸濁液を作成した。
ベヘン酸銀 20g ポリビニルブチラール 18g フタラゾン 4g 2,2−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェ
ノール) 9g 2−ブタノン 200g トルエン 60g 臭化カルシウム 0.3g ヨウ化コバルト 0.3g シアニン色素 2mg この懸濁液は、約12時間ボールミルによって均一化さ
れた後、平均孔径1.5μmのフィルターを通して未分散
物を除去した。
この懸濁液は、小型アプリケーターによって乾燥後、
6μmになるようにスリットを選択し、100μmの厚み
のポリエステルフィルム上に均一に塗布し、温度22℃、
湿度50%RHの条件で赤色安全光下で乾燥した。(得られ
たサンプルをサンプルNo.1とする。) 次にサンプルNo.1のシートは、下記の水溶液に順次各
々10秒間浸漬した後、水洗、風乾した。
(サンプルNo.2) (水溶液1) 塩化第一錫 7g 蒸留水 200ml 濃塩酸 4ml (水溶液2) 塩化パラジウム 1.0g 蒸留水 200ml 濃塩酸 5ml 得られた夫々のサンプルにマスクフィルムを密着し、
これを通し、タングステン光に1秒間露光した。次に各
々130℃で10秒間加熱した。
サンプルNo.1は露光部のみ黒化したのに対し、サンプ
ルNo.2は露光部は黒化したが、非露光部は表面層に銀が
析出して光沢層を有した。このサンプルNo.2の表面に析
出した銀は布で擦ることにより簡単に除去することが出
来た。
このサンプルNo.2の銀除去後の非画像の黒化濃度は0.
01であった。その後、温度22℃、湿度50%RH、500luxの
条件で3時間保存したのち、130℃で10秒加熱しても、
黒化濃度は0.12で不必要な銀が除去され、定着されてい
ることが確認できた。サンプルNo.1も同じ条件で保存加
熱したが、このサンプルの非露光部の黒化濃度は0.11か
ら2.8に変化してしまった。
実施例2 下記の成分からなる懸濁液を作製した。
ベヘン酸銀 20g ポリビニルブチラール 18g フタラゾン 4g 2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキ
シ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリ
レート 8g メチルエチルケトン 185g トルエン 55g 臭化カルシウム 0.3g ヨウ化コバルト 0.3g シアニン色素 2mg この懸濁液は、約12時間ボールミルによって均一化さ
れた後、平均孔径1.5μmのフィルターを通して未分散
物を除去した。
その後実施例1と同様条件で塗布、乾燥した。但し、
乾燥後の膜厚は11μmになるように塗布した(サンプル
No.3)。この感材を実施例1と同様に塩化錫水溶液と塩
化バラジウム水溶液に浸漬し、感材の表面にパラジウム
を吸着させた(サンプルNo.4)。その後フォトマスクと
感材を密着させ、タングステンランプで2秒間露光した
のち、150℃で10秒間ブロックヒーターで加熱すると、
露光部では感材内で銀が黒化し、非露光部では表面に銀
が析出してきた。
この表面に析出してきた銀を接着剤のついたシートを
用いて除去したところ、ポジ画像が出来た。サンプルN
o.4の最高黒化濃度は3.1で最低黒化濃度(非露光部)は
0.09であった。この画像を60℃、80%RHの条件で促進テ
ストを行ったが、1ヵ月たっても、ほとんど変化しなか
った。また、100℃で60秒間加熱しても画像の黒化濃度
には変化が無かった。
サンプルNo.3の最高黒化濃度は3.0で最低黒化濃度
(非露光部)は0.10であった。このサンプルを60℃、80
%RHの条件で促進テストを行ったら、6時間で最低黒化
濃度が0.35まで上昇した。また、100℃で60秒間加熱す
ると最低黒化濃度は2.2まで上昇した。
実施例3 実施例2で作製した熱現像型乾式銀塩組成物をブレー
ドコーターで乾燥後の膜厚は10μmになるように着色し
たポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、そ
の後乾燥させた。その後、硫化バラジウムのコロイドを
含有せしめたポリビニルアルコール水溶液を第二層とし
て熱現像型乾式銀塩組成物上に乾燥後の膜厚は0.5μm
になるように、スピンコーターで塗布、乾燥させた。こ
の感材を露光現像すると、露光部は感材内部で黒化し、
非露光部などの画像に寄与しない銀が表面層に析出して
くる。ここで硬度20度のウレタン製の粘着性ロールを用
いて圧着すると、きれいにポリビニルアルコール層が表
面層に析出してきた銀と共に剥がれ、定着された熱現像
型乾式銀塩記録が出来た。
この定着された感材を50℃のお湯の中に1時間漬けて
も画像に変化はなく、60℃、80%RHの条件で1ヵ月置い
ても殆ど変化はなかった。
実施例4 実施例2で作製した熱現像型乾式銀塩組成物をブレー
ドコーターで乾燥後の膜厚が10μmになるようにアート
紙の上に塗布し、その後乾燥させた。この感材の表面に
極微量が蒸着するように金を真空蒸着させた。その後の
処理は全く実施例2と同様であり、促進条件後の画像変
化も殆ど認められなかった。
実施例5 下記の成分からなる懸濁液を作製した。
ベヘン酸銀 20g ポリビニルブチラール 18g フタラゾン 4g 2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキ
シ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリ
レート 8g メチルエチルケトン 185g トルエン 55g 臭化ナトリウム 0.3g シアニン色素 2mg 1,1,1′,1′−テトラブロモ−o−キシレン 0.2g この懸濁液は、約12時間ボールミルによって均一化さ
れた後、平均孔径1.5μmのフィルターを通して未分散
物を除去した。この懸濁液を小型ブレードコーターを用
いて塗布した。乾燥条件は50℃で10分乾燥させ、その後
22℃、50%RHの条件で保管した。塗布乾燥は安全光のも
とで行った。その後全く実施例1と同じ方法で表面に物
理現像核(パラジウム)を吸着させた。このサンプルに
633nmの発光波長を有するHe−Neレーザー光(ビーム径
3μm、発光出力3mW)を用いて、レーザー記録を行っ
た。その後ロールヒーターを用いて140℃、10秒で加熱
した。そして、表面に析出してきた銀を接着ロールで除
去するとポジ画像が出来た。
このサンプルを100℃、2分で加熱したが、非画像部
の黒化濃度の変化は0.03以内であった。
実施例6 実施例1で作製した露光、現像済みのサンプルNo.1を
実施例1で示した物理現像核形成法に従い、塩化錫水溶
液、塩化パラジウム水溶液に浸漬させ、サンプルNo.1の
表面に触媒核を形成させた後、150℃で10秒間加熱し
た。すると表面に銀が析出したので、粘着ロールを用い
て析出してきた銀を除去した。非画像部の黒化濃度は0.
10であった。その後、50℃、60%RH、20000luxの蛍光灯
の下で6ケ月保存したが非画像部の黒化濃度が0.18であ
った。実施例1で作成した露光現像済みのサンプルNo.1
を処理せずに、そのまま同じ条件で保存したところ、1
ケ月後には非画像部の黒化濃度は0.45まで上昇してい
た。
これらの実施例により、本発明の効果、即ち、熱現像
型乾式銀塩記録感材に定着することができ、画像安定性
を飛躍的に向上することが出来たことが分かる。
〔発明の効果〕
本発明の記録材料により熱現像型乾式銀塩記録感材の
画像安定性の飛躍的向上が達成されて、熱現像型乾式銀
塩記録材料の信頼性を得ることができ、現在湿式銀塩記
録感材が使われている多くの分野に参入するとができる
ようになる。
また、加熱するだけで高品位で画像安定性のよい画像
を得ることが出来る記録感材を提供できる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(ア)有機銀塩酸化剤、(イ)疎水性高分
    子化合物、(ウ)還元剤および(エ)ハロゲン化銀もし
    くはハロゲン化銀形成成分を必須成分とする熱現像型乾
    式銀塩組成物からなる記録層の上に銀金属種あるいは銀
    より貴な金属種からなる触媒核層を有する熱現像型乾式
    銀塩記録材料において、 この熱現像型乾式銀塩材料を熱現像することにより、露
    光部の銀は該記録層内に析出され、同時に未露光部の銀
    および露光部の画像に寄与しない銀を該触媒核層に析出
    させることを特徴とする、熱現像型乾式銀塩記録材料の
    画像作製方法。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の熱現像型乾式銀塩記録
    材料を加熱することにより、まず露光部に画像を形成さ
    せ、その後再加熱して画像に寄与しない銀を該触媒核層
    に析出させる請求項(1)記載の熱現像型乾式銀塩記録
    材料の画像作製方法。
  3. 【請求項3】請求項(1)記載の熱現像型乾式銀塩組成
    物を露光、熱現像することにより露光部に画像を形成さ
    せた後、該記録層上に請求項(1)記載の触媒核層を形
    成させ、続いて再度の熱現像により画像に寄与しない銀
    を触媒核層に析出させる請求項(1)記載の乾式銀塩記
    録材料の画像作製方法。
  4. 【請求項4】請求項(1)、(2)および(3)のいず
    れかに記載の方法により触媒核層に析出した銀を、物理
    的に除去することにより作製された、定着された熱現像
    型乾式銀塩記録材料。
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