JP2719515B2

JP2719515B2 - 自動車用のエネルギ吸収型ステアリングコラム

Info

Publication number: JP2719515B2
Application number: JP8273685A
Authority: JP
Inventors: スティーヴン・マーク・トーマス; シャオユー・リ; リチャード・トーマス・スチューデマン
Original assignee: Motors Liquidation Co
Current assignee: Motors Liquidation Co
Priority date: 1995-10-17
Filing date: 1996-10-16
Publication date: 1998-02-25
Anticipated expiration: 2016-10-16
Also published as: JPH09123925A; DE69601406T2; DE69601406D1; EP0769445A1; US5788278A; EP0769445B1

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用のエネル
ギ吸収型ステアリングコラムに関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車用のステアリングコラムは、一般
的に、ステアリングコラムに対する衝撃力に応答して、
収縮方向に直線的なストローク運動をするように、乗物
のボディ構造すなわち構体に支持されたハウジングと、
上記衝撃力の運動エネルギの一部を仕事に変換するエネ
ルギ吸収装置すなわちエネルギアブソーバとを備えてい
る。エネルギを吸収する仕事は、通常は、上記ハウジン
グが直線的なストローク運動を行う際の、スチールの如
き材料の塑性変形の形態を取る。例えば、ある従来技術
のステアリングコラムにおいては、平形金属リボンが、
自動車のボディ構造に係止されていて、リボンの平面
は、水平に配列されている。上記リボンは、ステアリン
グコラムのハウジングに設けられたアンビルの上を越え
て案内され、これにより、当該リボンには、突起部又は
変形部が形成されている。ステアリングコラムのハウジ
ングの直線的な運動が生じると、上記アンビルと上記平
形リボンとの間の相対的な運動が生じ、この為、上記ア
ンビルによって形成された上記突起部が当該リボンに沿
って波形に動くので、リボンに塑性変形が生ずる。本発
明のステアリングコラムは、水平な平形のスチールリボ
ンを備えた上述のステアリングコラムの代用となるもの
である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術の２つの別個の平形リボンにより得られるエネルギ
吸収効果を、単一の平形リボンで達成することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、ハウジングと
エネルギアブソーバとを備える自動車用のステアリング
コラムであって、上記ハウジングは、当該ステアリング
コラムに作用する衝撃力に応答して直線的なストローク
運動を行うように、自動車のボディ構造に支持されてお
り、また、上記エネルギアブソーバは、上記衝撃力の運
動エネルギの一部を仕事に変換するように構成されてい
る、新規な改善された自動車用ステアリングコラムを提
供する。上記エネルギアブソーバは、平形金属リボンを
備えており、該平形金属リボンは、一対の平行な直線部
分と、これら直線部分の間でリボンの中心に位置する横
方向のウエブとを形成するように、予成形されている。
上記リボンは、ステアリングコラムのハウジングの水平
壁の上に、当該リボンの一方の側縁を下にして着座して
いる。すなわち、上記リボンの平面は、垂直方向に配列
されていて、上記直線部分は、一対の長手方向のガイド
溝の中に位置し、また、上記横方向のウエブは、上記ハ
ウジングに設けられていて横方向に隔置された一対の垂
直な円筒形ハウジングの回りで湾曲している。自動車の
ボディ構造に設けられる当接部の垂直縁部が、上記リボ
ンの横方向のウエブとは反対側で、上記両方のブッシン
グの間に配置される。上記ハウジングが上記収縮方向に
直線的にストローク運動する間に、上記当接部は、平形
リボンの中心に対する係止部を形成し、上記垂直なブッ
シングの各々は、移動アンビルを形成する。上記当接部
と上記ガイド溝の中の対応するガイド溝との間で、リボ
ンの対応する半部が、対応するアンビルの回りで約１８
０°にわたって折り曲げられる。上述の直線的なストロ
ーク運動が進行するに連れて、上記ブッシングによって
形成された上記アンビルの回りの上記リボンの折り曲げ
部は、リボンの対応する直線部分の長さを横断し、リボ
ンの各々の直線部分は、エネルギを吸収する永久歪みを
起こす。従って、本発明のエネルギアブソーバは、２つ
の別個の平形リボンによるエネルギ吸収効果を、単一の
平形リボンで達成することができる。

【０００５】

【発明の実施の形態】図１乃至図４を参照すると、本発
明の自動車用のエネルギ吸収型ステアリングコラム１０
は、ダイキャストハウジング１２を備えており、このダ
イキャストハウジングは、一対の垂直壁１４Ａ、１４Ｂ
と、複数の一体型の補強板すなわちガセット１８によっ
て下方から補強された水平壁１６とを有している。入れ
子式のステアリングシャフト２０が、上記ハウジングの
内方端２８にあるプラスチックの軸受サポート２６（図
２）に設けられた第１の軸受２４（図４）、及び、上記
ハウジングの拡大されて補強された外方端３０にある第
２の軸受（図示せず）によって、当該ステアリングシャ
フトの長手方向の中心線２２の周囲で回転するように、
上記ハウジング１２に支持されている。

【０００６】ステアリングホイール３２が、ステアリン
グシャフト２０に接続されており、シュラウド３４の背
後に隠れたステアリングコラムのティルトハウジング
（図示せず）に回転可能に支持されている。上記ティル
トハウジングは、ハウジング１２に設けられた第１の対
の突出部すなわちラグ３８Ａ、３８Ｂによって画定され
る横方向の中心線３６の周囲で、上下方向に枢動運動す
るように、ハウジング１２の外方端３０に支持されてい
る。水平ロッド４０が、ハウジング１２に堅固に取り付
けられており、上記水平ロッドは、上記ハウジングの第
２の対の突出部すなわちラグ４４Ａ、４４Ｂを越えて突
出している、一対の横方向の端部を有している。

【０００７】自動車のボディ構造は、横方向に隔置され
た一対の垂直ハンガ４６Ａ、４６Ｂを備えており、これ
ら垂直ハンガは各々、茸型のヘッド４８で終端となって
いる。ボディ構造は、更に、ハンガ４６Ａ、４６Ｂから
長手方向に隔置された箱型のブラケット５０を備えてお
り、この箱型のブラケット５０は、プラスチックの軸受
サポート２６の外方にある一対の垂直側部５２Ａ、５２
Ｂと、ハウジング１２の上方にある上方の水平側部５４
と、ハウジング１２の下方にある下方の水平側部５６と
を有している。ブラケット５０は、ハウジング１２の内
方端２８を自動車のボディ構造の上で垂直方向で支持し
ている。ハウジング１２の外方端３０は、ハンガ４６
Ａ、４６Ｂの茸型のヘッド４８によって、ボディ構造の
上で垂直方向で支持されており、上記茸型のヘッドの上
には、水平ロッド４０の横方向の端部４２Ａ、４２Ｂが
引っ掛けられている。ロッド４０の周囲のバネ５８が、
ハウジング１２及びボディ構造に圧接していて、ロッド
４０をハンガ４６Ａ、４６Ｂの茸型のヘッド４８に押圧
している。

【０００８】プラスチックの軸受サポート２６の一対の
フック６０Ａ、６０Ｂが、ブラケット５０の垂直側部５
２Ａ、５２Ｂの一対の縁部６２Ａ、６２Ｂの中の対応す
る縁部に当接していて、通常は、ハウジング１２及びス
テアリングコラムが、該ステアリングコラムの長手方向
の中心線に対して平行な収縮方向「Ｄ」（図１）に並進
運動するのを防止している。しかしながら、ステアリン
グホイール３２にベクトル力「Ｆ」で示すような、大き
なすなわち異常な衝撃がステアリングコラム１０に作用
すると、フック６０Ａ、６０Ｂは垂直側部の縁部６２
Ａ、６２Ｂから解除され、これにより、ハウジング１２
及び軸受サポート２５は、ブラケット５０から解放され
て、第１の位置（図１、図３及び図４）から第２の位置
（図５及び図６）まで、上記収縮方向に直線的に並進運
動する。勿論、これと同時に、水平ロッド４０の横方向
の端部４２Ａ、４２Ｂは、ハンガ４６Ａ、４６Ｂの茸型
のヘッド４８から簡単に外れる。

【０００９】エネルギ吸収装置すなわちエネルギアブソ
ーバ６４が、ベクトル力「Ｆ」によって示した衝撃の運
動エネルギの一部を仕事に変換する。上記エネルギアブ
ソーバは、ハウジング１２と一体で且つ垂直壁１４Ａ、
１４Ｂに対して平行な、一対の隔壁６６Ａ、６６Ｂと、
ブラケット５０に設けられていると共に、上記垂直壁の
間でこれら垂直壁に対して平行に配列されている、当接
部６８とを備えている。隔壁６６Ａ、６６Ｂは、ブラケ
ット５０内の位置となる一対のボス７０Ａ、７０Ｂで終
端する。直径が比較的小さいプラスチック又は金属製の
一対の円筒形のブッシング７２Ａ、７２Ｂが各々、それ
ぞれのボス７０Ａ、７０Ｂのまわりに設けられ、上記当
接部６０の両側で、ハウジング１２上に円筒形の一対の
剛性のアンビルを形成している。隔壁６６Ａ、６６Ｂ
は、垂直壁１４Ａ、１４Ｂとそれぞれ協働して、ハウジ
ングに一対のガイド溝７４Ａ、７４Ｂを形成しており、
これらガイド溝は各々、ブッシング７２Ａ、７２Ｂと垂
直壁との間に、開口端を有している。

【００１０】エネルギアブソーバ６４は、更に、平形金
属リボン７６を備えており、該平形金属リボンは、内側
面７８と、外側面８０と、一対の対向する端部８２Ａ、
８２Ｂとを有している。リボン７６は、その両端部端部
８２Ａ、８２Ｂの間で予成形され、すなわち、予め曲げ
られていて、一対の直線部分８４Ａ、８４Ｂと、これら
直線部分の間の横方向のウエブ８６とを有している。上
記リボンは、ハウジング１２の水平壁１６の上に着座し
ている。すなわち、上記リボンの内側面７８及び外側面
８０は、水平壁１６に対して直交しており、また、上記
リボンの側縁部８８は、水平壁１６に着座しており、上
記直線部分８４Ａ、８４Ｂは、ガイド溝７４Ａ、７４Ｂ
の中に位置している。上記リボンの横方向のウエブ８６
は、湾曲していて、ブッシング７２Ａ、７２Ｂによって
形成されたアンビルの間で横方向に伸長しており、上記
リボンの内側面７８は、上記アンビルの方を向いてお
り、また、上記リボンの外側面８０は、当接部６８の垂
直縁部９０の方を向いている。リボン７６は、重力によ
って、水平壁１６に接した状態で保持されており、更
に、ブラケット５０の上方の水平側部５４によって捕捉
されている。

【００１１】ステアリングコラム１０のエネルギを吸収
する収縮ストロークは、ベクトル力「Ｆ」で示した異常
な衝撃力によって、上述のように開始されるが、ハウジ
ング１２が、乗物のボディ構造に対して相対的に、その
第１の位置（図１乃至図４）からその第２の位置（図５
及び図６）まで、直線的に並進運動するという特徴を有
している。エネルギアブソーバ６４は、衝撃力の運動エ
ネルギの一部を、同時に生ずるリボン７６の２重の塑性
変形によって、仕事に変換する。

【００１２】例えば、上記ハウジングが収縮方向に直線
的なストローク運動を行っている間には、上記当接部
は、平形リボンの中央部を乗物のボディ構造に係止し、
ブッシング７２Ａ、７２Ｂによって形成された上記アン
ビルは各々、上記当接部６８に対して相対的に長手方向
に並進運動し、これにより、収縮ストロークが進行する
に連れて、上記当接部の垂直縁部９０と上記アンビルと
の間の長手方向の重なり合いが増大する。従って、上記
当接部の垂直縁部９０の両側にある上記平形リボンの各
々の半部は、ブッシング７２Ａ、７２Ｂの中の対応する
方のブッシングによって形成されたアンビルの回りで、
ほぼ１８０°にわたって折れ曲がる。上記直線ストロー
クが進行するに連れて、上記リボンの実質的に１８０°
折れ曲がった２重の折り曲げ部は、リボンの対応する直
線部分の長さに沿って、波状に移動するが、その理由
は、リボンの両端部端部８２Ａ、８２Ｂは、ガイド溝７
４Ａ、７４Ｂの中にそれぞれ閉じ込められているからで
ある。ブッシング７２Ａ、７２Ｂの曲率半径が小さく、
また、その回りの平形リボンの折り曲げ部が実質的に１
８０°であるので、リボンの上記直線部は、その折り曲
げ部が上記直線部分の長さを横断する際に、塑性変形を
起こして、運動エネルギを仕事に変換する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の自動車用のエネルギ吸収型ステアリン
グコラムの側面図である。

【図２】本発明の自動車用のエネルギ吸収型ステアリン
グコラムの一部を分解して示す斜視図である。

【図３】図１の線３−３に沿って見た一部破断平面図で
ある。

【図４】図３の線４−４に沿って見た断面図である。

【図５】図３と同様な平面図であるが、本発明の自動車
用のエネルギ吸収型ステアリングコラムの幾つかの構造
要素が別の位置にある状態を示している。

【図６】図５の線６−６で示す平面にほぼ沿って取った
断面図である。

【符号の説明】

１０自動車用のエネルギ吸収型ステアリングコラム１２ハウジング１４Ａ、１４Ｂガイド手段を形成する垂直壁１６平坦面６４エネルギアブソーバ６６Ａ、６６Ｂガイド手段を形成する隔壁７２Ａ、７２Ｂアンビル手段７６平形金属リボン８４Ａ、８４Ｂ直線部分８６横方向のウエブ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者シャオユー・リアメリカ合衆国ミシガン州48603，サジナウ，カメロット・ドライブ 150，エム−８ (72)発明者リチャード・トーマス・スチューデマンアメリカ合衆国ミシガン州48626，ヘムロック，ノース・ヘムロック 4949 (56)参考文献特開平１−249572（ＪＰ，Ａ) 実開昭58−186966（ＪＰ，Ｕ)

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】自動車用のエネルギ吸収型ステアリング
コラム（１０）であって、当該ステアリングコラムに対する収縮方向の衝撃力に応
答して、第１の位置から第２の位置まで、前記収縮方向
に直線的に並進運動するように、自動車のボディ構造に
支持された、ハウジング（１２）と、前記ハウジング（１２）が前記収縮方向に直線的に並進
運動する間に、前記ステアリングコラムに対する前記衝
撃力の運動エネルギの一部を仕事に変換するように作動
する、エネルギアブソーバ（６４）とを備え、前記エネルギアブソーバ（６４）は、前記ハウジングの平坦面（１６）と、前記ハウジングの平坦面に設けられていて、互いに横方
向に隔置されている、一対のアンビル手段（７２Ａ、７
２Ｂ）と、一対の対向端部（端部８２Ａ、８２Ｂ）の間で予形成さ
れていて、一対の直線部分（８４Ａ、８４Ｂ）、及び、
これら直線部分の間の横方向のウエブ（８６）を有して
いる、平形金属リボン（７６）とを含んでおり、前記平形金属リボン（７６）は、前記ハウジング（１
２）の前記平坦面（１６）の上にその一方の側縁を下に
して着座していて、前記横方向のウエブ（８６）は、前
記各々の一対のアンビル手段（７２Ａ、７２Ｂ）の周囲
で曲げられており、また、前記各々の直線部分（８４
Ａ、８４Ｂ）は、前記収縮方向に対して平行であり、前記エネルギアブソーバは、更に、前記横方向のウエブ（８６）の前記アンビル手段のある
側とは反対側の側に、前記一対のアンビル手段（７２
Ａ、７２Ｂ）の間の位置で前記自動車の前記ボディ構造
に設けられた当接手段（６８）であって、前記ハウジン
グ（１２）が前記第１の位置から前記第２の位置まで直
線的に並進運動する間に、前記横方向のウエブを前記ボ
ディ構造に係止し、これにより、前記ハウジングが前記
第１の位置から前記第２の位置まで直線的に並進運動す
る間に、前記平形金属リボン（７６）の前記直線部分
（８４Ａ、８４Ｂ）の各々が、前記一対のアンビル手段
（７２Ａ、７２Ｂ）の中の対応する一方のアンビル手段
の回りで、実質的に１８０°にわたって折れ曲って、前
記アンビル手段の回りで塑性変形を起こすように作動す
る、当接手段（６８）と、前記ハウジングに設けられ、前記ハウジング（１２）が
前記第１の位置から前記第２の位置まで直線的に並進運
動する間に、前記平形金属リボン（７６）の前記各々の
直線部分（８４Ａ、８４Ｂ）を、前記収縮方向に対して
平行に維持するように作動する、ガイド手段（１４Ａ、
１４Ｂ、６６Ａ、６６Ｂ）とを含むことを特徴とする、
自動車用のエネルギ吸収型ステアリングコラム。
【請求項２】請求項１の自動車用のエネルギ吸収型ス
テアリングコラム（１０）において、前記ガイド手段
（１４Ａ、１４Ｂ、６６Ａ、６６Ｂ）は、前記収縮方向に対して平行な関係で、前記ハウジング
（１２）に設けられていて、前記平形金属リボン（７
６）の前記一対の直線部分（８４Ａ、８４Ｂ）の一方
（８４Ａ）を摺動可能に収容するための、第１のガイド
溝（７４Ａ）と、前記収縮方向に対して平行な関係で、前記ハウジング
（１２）に設けられていて、前記平形金属リボン（７
６）の前記一対の直線部分（８４Ａ、８４Ｂ）の他方
（８４Ｂ）を摺動可能に収容するための、第２のガイド
溝（７４Ｂ）とを備えており、前記第１のガイド溝は、前記平坦面（１６）に対して直
交し且つ前記第１の壁部に対して平行な前記ハウジング
の第１の隔壁（６６Ａ）と前記ハウジング（１２）の第
１の壁部（１４Ａ）との間に形成されており、また、前記第２のガイド溝は、前記ハウジング（１２）
の第２の壁部（１４Ｂ）と、前記平坦面（１６）に対し
て直交し且つ前記第２の壁部に対して平行な前記ハウジ
ングの第２の隔壁（６６Ｂ）との間に形成されているこ
とを特徴とする、自動車用のエネルギ吸収型ステアリン
グコラム。
【請求項３】請求項２の自動車用のエネルギ吸収型ス
テアリングコラム（１０）において、前記アンビル手段
（７２Ａ、７２Ｂ）は、前記ハウジングの前記平坦面に対して直交する関係で、
前記ハウジングの前記第１の隔壁（６６Ａ）の一端部に
取り付けられている、第１の円筒形のブッシング（７２
Ａ）と、前記ハウジングの前記平坦面に対して直交する関係で、
前記ハウジングの前記第２の隔壁（６６Ｂ）の一端部に
取り付けられている、第２の円筒形のブッシング（７２
Ｂ）とを備えることを特徴とする、自動車用のエネルギ
吸収型ステアリングコラム。