JP2002308122A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JP2002308122A
JP2002308122A JP2001114230A JP2001114230A JP2002308122A JP 2002308122 A JP2002308122 A JP 2002308122A JP 2001114230 A JP2001114230 A JP 2001114230A JP 2001114230 A JP2001114230 A JP 2001114230A JP 2002308122 A JP2002308122 A JP 2002308122A
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Tetsuya Murakami
哲也 村上
Hiroshi Iwanami
宏 岩並
Kenichi Hamano
賢一 濱野
Hiroaki Souun
裕昭 宗雲
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電動パワーステアリング装置では、トルクセン
サのセンサハウジングとステアリングシャフトを支持す
るジャケットとが別体で形成されていて、部品点数が多
くて高価であり、部品のつなぎ目があり剛性を高め難
い。 【解決手段】本電動パワーステアリング装置1のステア
リングコラム4は、ステアリングシャフト3を回転自在
に支持すると共に車体8に取り付けられる主体部32
と、トルクセンサ15を収容するセンサハウジング33
とを一体に形成した一体成形品17を備える。一体成形
品17に、操舵補助ユニット16のユニットハウジング
34、防犯用ロック装置70の収容部46、衝撃吸収部
材48、車体8への取付部31、回路部品77のヒート
シンク78、ランプ操作用スイッチ75の支持部材47
を一体に形成してもよい。一体成形品17により、部品
点数を低減でき、安価にでき、しかも、剛性を高めるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のステアリ
ング装置に関する。特に、操舵補助力を電動モータによ
り得る電動式パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電動式パワーステアリング装置には、ス
テアリングシャフトを支持するステアリングコラムにト
ルクセンサと電動モータと減速機構とを取り付けたタイ
プのものがある。このタイプのステアリングコラムは、
減速機構のウォーム歯車機構を収容するウォームハウジ
ングと、トルクセンサを収容するアルミニウム製のセン
サハウジングと、ステアリングシャフトを収容し互いに
嵌め合わされた一対の鋼管製の筒からなり伸縮自在のコ
ラムジャケットと、コラムジャケットを車体に取り付け
るための支持ブラケットとを有している。
【0003】これらの部品は互いに別体で形成され、ね
じ止め、圧入、溶接等の種々の接合方法を用いて組み立
てられている。例えば、センサハウジングとコラムジャ
ケットとは圧入により互いに接続されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コラム
ジャケットとセンサハウジングとが互いに別体で形成さ
れているので、部品点数が多くなる傾向にあり、組立コ
ストが高くなっていた。また、圧入構造では、コラムジ
ャケットとセンサハウジングとの寸法精度を厳密に管理
することが必要であり、部品コストが高くなる。その結
果、製造コストが高くなっていた。
【0005】さらに、コラムジャケットとセンサハウジ
ングとの間に、部品同士のつなぎ目ができるので、ステ
アリングコラムの剛性を高め難くなっていた。そこで、
本発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、ステアリ
ングコラムの剛性を高めることができて、しかも安価な
電動パワーステアリング装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】請求項
1に記載の発明は、ステアリングコラムに取り付けられ
たトルクセンサからの信号に応じて電動モータが操舵補
助力を発生させる電動パワーステアリング装置におい
て、上記ステアリングコラムは、ステアリングシャフト
を回転自在に支持すると共に車体に取り付けられる主体
部と、トルクセンサを収容するセンサハウジングとを一
体に形成した一体成形品を備えることを特徴とする電動
パワーステアリング装置を提供する。
【0007】この発明によれば、部品点数を低減できる
ので、組立コストを安価にできる。特に、センサハウジ
ングと主体部との間の従来の高価な圧入構造を省略でき
る結果、製造コストを低減できる。しかも、主体部とセ
ンサハウジングとの間のつなぎ目を無くして、ステアリ
ングコラムの剛性を高めることができる。その結果、例
えば、操舵フィーリングの向上を図ることができる。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の電動パワーステアリング装置において、上記一体成形
品には、電動モータおよび電動モータの回転をステアリ
ングシャフトに伝達する伝達機構を含む操舵補助ユニッ
トの少なくとも一部を収容するユニットハウジングがさ
らに一体に形成されることを特徴とする電動パワーステ
アリング装置を提供する。この発明によれば、部品点数
をより低減できるので、組立コストをより安価にでき
る。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の電動パワーステアリング装置において、上記
一体成形品には、盗難防止のためにステアリングシャフ
トの回転を規制するロック装置の少なくとも一部を収容
する収容部が一体に形成されることを特徴とする電動パ
ワーステアリング装置を提供する。この発明によれば、
部品点数をより一層低減できるので、組立コストをより
一層安価にできる。しかも、収容部が一体に形成される
ことにより、一体成形品が補強されるので、その剛性を
高めることができる。また、収容部は一体成形品に一体
に形成されているので、もともと分解取り外しができ
ず、その結果、防犯上都合が良い。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3
の何れかに記載の電動パワーステアリング装置におい
て、上記ステアリングコラムには、衝突時の衝撃を吸収
するための衝撃吸収機構が設けられ、この衝撃吸収機構
は、車体に支持された軸と、この軸が挿通する挿通孔お
よびこの挿通孔と連通して軸の直径よりも小さい幅の溝
が形成された衝撃吸収部材とを有し、軸が挿通孔から溝
内へ押し込まれて溝の周縁部を変形させることにより衝
撃を吸収するようにされていて、一体成形品には、衝撃
吸収部材がさらに一体に形成されることを特徴とする電
動パワーステアリング装置を提供する。
【0011】この発明によれば、衝撃吸収部材を一体成
形品に一体に形成することにより、部品点数をより一層
低減できるので、組立コストをより一層安価にできる。
さらに、上述のような衝撃吸収部材であれば、一体成形
品に挿通孔と溝を形成すれば実現できて、より一層安価
にできる。請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の
電動パワーステアリング装置において、上記軸は、ステ
アリングコラムと車体との間に介在して、ステアリング
コラムを車体に取り付けることを特徴とする電動パワー
ステアリング装置を提供する。
【0012】この発明によれば、衝撃吸収機構の軸と、
ステアリングコラム取付用の軸とを兼用できるので、部
品点数をより一層低減できる結果、組立コストをより一
層低減できる。請求項6に記載の発明は、請求項1乃至
5の何れかに記載の電動パワーステアリング装置におい
て、上記一体成形品には、車体に取り付けるために、車
体側部材と係合する取付部が一体に形成されることを特
徴とする電動パワーステアリング装置を提供する。
【0013】この発明によれば、部品点数をより一層低
減できるので、組立コストをより一層安価にできる。特
に、取付部を一体成形品に一体に形成したので、従来の
高価な溶接構造を省略できる結果、製造コストをより一
層低減することができる。請求項7に記載の発明は、請
求項1乃至6の何れかに記載の電動パワーステアリング
装置において、上記一体成形品には、電動モータ制御用
の回路部品から熱を放散させるヒートシンクがさらに一
体に形成されることを特徴とする電動パワーステアリン
グ装置を提供する。
【0014】この発明によれば、部品点数をより一層低
減できるので、組立コストをより一層安価にできる。し
かも、ヒートシンクを実質的に大型化でき、放熱性能を
高めることができる。請求項8に記載の発明は、請求項
1乃至7の何れかに記載の電動パワーステアリング装置
において、上記一体成形品には、ステアリングコラムの
周囲に配置される機能部品を支持する支持部材がさらに
一体に形成されることを特徴とする電動パワーステアリ
ング装置を提供する。
【0015】この発明によれば、部品点数をより一層低
減できるので、組立コストをより一層安価にできる。こ
こで、機能部品としては、車両のランプ等の電装品の操
作スイッチ、および車両の変速機等を遠隔操作する操作
部材を例示できる。請求項9に記載の発明は、請求項1
乃至8の何れかに記載の電動パワーステアリング装置に
おいて、上記一体成形品はアルミニウム合金の鋳物から
なることを特徴とする電動パワーステアリング装置を提
供する。
【0016】アルミニウム合金の鋳物であれば、一体成
形品を安価に製造できる。しかも、アルミニウム合金で
あれば、リサイクルが容易で且つ軽量な一体成形品を実
現できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態の電動
パワーステアリング装置(以下、ステアリング装置とも
いう。)を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明
の第1実施形態のステアリング装置の一部断面正面図で
ある。図2は、図1に示すステアリング装置の平面図で
ある。ステアリング装置1は、車輪(図示せず)を操向
するためにステアリングホイール2(図1に簡略化して
図示している。)の動きを伝達するステアリングシャフ
ト3と、このステアリングシャフト3を内部に通して回
転自在に支持するステアリングコラム4とを有してい
る。ステアリングシャフト3の一方の端部83にステア
リングホイール2が連結されている。ステアリングホイ
ール2が回されると、その回転がステアリングシャフト
3、ステアリングシャフト3の他方の端部84に一体回
転可能に連結される図示しない中間軸、ピニオン、ラッ
ク軸等を介して車輪に伝達され、これにより車輪を操向
することができる。
【0018】ステアリング装置1は、例えば、ステアリ
ングホイール2を上側となるようにして、ステアリング
シャフト3の軸方向(以下軸方向という。矢印S参
照。)を斜めにして設置される。なお、以下では、軸方
向を水平にした状態を基に説明する。また、軸方向およ
びチルト中心軸6の軸線方向にともに直交する方向を上
下方向(矢印V参照)としても説明する。ステアリング
コラム4の下方の端部には、コラムブラケット5が設け
られている。このコラムブラケット5は、チルト中心軸
6と第1固定ブラケット7とを介して車体8に取り付け
られている。また、ステアリングコラム4の中間部に設
けられた取付部31は、支軸9と第2固定ブラケット1
0とを介して車体8に取り付けられている。
【0019】ステアリングコラム4は、複数の軸受11
〜14を介してステアリングシャフト3を支持してい
る。また、ステアリングコラム4には、操舵操作に応じ
て操舵補助力を得るためのトルクセンサ15と操舵補助
ユニット16とが設けられている。これらは、車輪側と
なるステアリングコラム4の下部に配置されている。ス
テアリングコラム4は、ステアリングコラム4の大部分
を構成する主体部32と、この主体部32の下端に形成
されるセンサハウジング33と、このセンサハウジング
33に連設されるユニットハウジング34と、このユニ
ットハウジング34の端部に固定される上述のコラムブ
ラケット5とを有している。トルクセンサ15は、セン
サハウジング33に収容されている。操舵補助ユニット
16はユニットハウジング34に収容されている。ま
た、ステアリングシャフト3は、ステアリングコラム4
の主体部32と、センサハウジング33と、ユニットハ
ウジング34と、コラムブラケット5とを貫通してい
る。
【0020】特に、本発明のステアリングコラム4は、
主体部32とセンサハウジング33とを一体に形成した
一体成形品17を有している。このように主体部32と
センサハウジング33とを一体に形成することにより、
部品点数を低減できるので、組立コストを安価にでき
る。特に、センサハウジング33と主体部32とを一体
に形成することにより、この間の従来の高価な圧入構造
を省略できるので、製造コストを低減できる。
【0021】しかも、主体部32とセンサハウジング3
3とを一体に形成したので、その間のつなぎ目を無くし
て、ステアリングコラム4の剛性を高めることができ
る。その結果、例えば、操舵フィーリングの向上を図る
ことができる。一体成形品17は、アルミニウム、マグ
ネシウム等の軽金属を利用して形成できる。例えば、一
体成形品17はアルミニウム合金の鋳物からなる。ここ
で、アルミニウム合金の鋳物とは、鋳造成形品、および
この鋳造成形品に必要に応じた所要の加工を施した加工
品を含む趣旨である。
【0022】特に、アルミニウム合金の鋳物であれば、
一体成形品17を安価に製造できる。しかも、アルミニ
ウム合金であれば、リサイクルが容易で且つ軽量な一体
成形品17を実現でき、地球環境保護の観点からも好ま
しい。主体部32は、ステアリングシャフト3を回転自
在に支持すると共に車体8に取り付けられる。主体部3
2は、ステアリングシャフト3の周囲を取り囲みつつス
テアリングシャフト3の軸方向に延びる長尺の筒状部分
であり、その内部にステアリングシャフト3の大部分、
例えば、軸方向の半分以上の部分を収容する。ステアリ
ングホイール2側となる主体部32の端部近傍で、軸受
11が保持されていて、この軸受11により、ステアリ
ングシャフト3の上端寄り部分を支持している。主体部
32の下端にセンサハウジング33が一体に形成されて
いる。
【0023】トルクセンサ15は、操舵力に応じて、ス
テアリングシャフト3に設けられたトーションバー18
に生じるねじれ角を、磁気特性の変化として検知する。
トルクセンサ15は、所定の位置に軸方向にそれぞれ位
置決めされた一対のコイル19を有している。このコイ
ル19の内周面に近接して配置される磁性体からなる第
1〜第3の環21〜23と、コイル19のホルダ20と
が一対の磁気回路を形成する。ねじれ角に応じて、一対
の磁気回路の磁気特性が変化する。このような変化に基
づき、トルクが例えば温度補償しつつ検知される。
【0024】センサハウジング33は、一対のコイル1
9を収容する環状部36と、この環状部36の軸方向の
両側に延設されて内周で軸受12,13を保持する一対
の延設部37,38と、一方の延設部38から径方向に
延びてユニットハウジング34の端部とつながるフラン
ジ部39とを有している。他方の延設部37は主体部3
2と連続してつながっている。また、フランジ部39と
ユニットハウジング34の端部とは嵌合されて固定され
ている。
【0025】操舵補助ユニット16は、電動モータ24
と、電動モータ24の回転をステアリングシャフト3に
伝達する伝達機構25とを有している。伝達機構25
は、電動モータ24の回転軸と一体回転可能に連結され
たウォーム軸26と、このウォーム軸26と噛み合うウ
ォームホイール27とにより構成されている。ウォーム
ホイール27は、ステアリングシャフト3に一体回転可
能に取り付けられている。
【0026】操舵補助ユニット16では、ステアリング
コラム4に取り付けられて操舵操作を検知するためのト
ルクセンサ15からの信号に応じて、電動モータ24が
操舵補助力を発生させる。操舵補助力は、操舵操作に伴
い生じる操舵抵抗に見合ったものとされ、伝達機構25
を介してステアリングシャフト3に伝達される。ユニッ
トハウジング34は、第1実施形態では一体成形品17
と別体で形成されて、ねじ締めにより互いに固定されて
いる。ユニットハウジング34は、ウォームホイール2
7を収容しこれの外周に近接した略環状の環部40と、
環部40とつながりウォーム軸26を支持しつつ収容す
る筒部41と、筒部41の端部に形成されて電動モータ
24を支持するフランジ部42と、環部40の軸方向の
端部で内部を塞ぎつつ軸受14を保持する円板部43と
を有している。
【0027】また、ステアリングコラム4には、トルク
センサ15からの信号を処理する回路基板28と、この
回路基板28と接続されて電動モータ24を制御する回
路基板29とが、取り付けられている。各回路基板2
8,29は、ケース61,62にそれぞれ収容されてい
る。ケース61は、センサハウジング33と径方向に隣
接してステアリングコラム4の側方部分に設けられてい
る。ケース61は、センサハウジング33の内部と連通
する孔と回路基板28を収容する凹部とを有する容器部
44と、この容器部44と別体で形成されて容器部44
を覆う蓋63とで構成されている。蓋63は容器部44
にねじ止め固定される。容器部44が一体成形品17に
一体に形成されている。
【0028】ケース62は、センサハウジング33と径
方向に隣接してステアリングコラム4の側方部分に設け
られている。ケース62は、内部に回路基板29を収容
する凹部を有する容器64と、この容器64と別体で形
成されて容器64を覆いつつ支持する基台部45とを有
している。基台部45は一体成形品17に一体に形成さ
れ、基台部45に容器64がねじ止め固定されている。
また、ステアリングコラム4の中間部には、衝突時の衝
撃を吸収するための衝撃吸収機構65が設けられてい
る。また、ステアリングホイール2側となる端部近傍
に、盗難防止のためにステアリングシャフト3の回転を
規制するロック装置70が設けられている。ロック装置
70は収容部46に収容されている。また、ステアリン
グコラム4の端部には、車両のランプ等を操作するスイ
ッチ75が取り付けられる。スイッチ75は支持部材4
7により支持されている。
【0029】衝撃吸収機構65は、図4に示すように、
衝撃吸収用の軸66と、この軸66により変形されるこ
とにより衝撃を吸収する衝撃吸収部材48とを有してい
る。軸66は、ステアリングコラム4と車体8との間に
介在してステアリングコラム4を車体8に取り付ける支
軸9と兼用されている。衝撃吸収部材48には、通常時
に軸66が挿通する挿通孔67と、この挿通孔67と連
通して軸66の直径Dよりも小さい幅Wの溝68とが形
成されている。例えば、衝突時には、ステアリングコラ
ム4およびステアリングシャフト3が図1で右から左へ
車体8に対して相対移動する。そして、衝撃吸収時に
は、軸66が挿通孔67から溝68内へ押し込まれて溝
68の周縁部56を変形させることにより衝撃を吸収す
る。
【0030】一体成形品17には、上述の衝撃吸収部材
48がさらに一体に形成されている。これにより、部品
点数をより一層低減できるので、組立コストをより一層
安価にできる。さらに、上述のような衝撃吸収部材48
であれば、一体成形品17に挿通孔67と溝68を形成
すれば実現でき、より安価にできる。また、衝撃吸収機
構65の軸66と、ステアリングコラム4取付用の支軸
9とを兼用しているので、部品点数をより一層低減でき
る結果、組立コストをより一層低減できる。
【0031】ロック装置70は、ステアリングシャフト
3の対応する位置に形成されたロック孔71に嵌め込ま
れるロックピン72と、このロックピン72をロック孔
71内に進退させるカム機構(図示せず)と、このカム
機構を操作するためのキーシリンダ73と、このキーシ
リンダ73にカム機構を介して接続されたイグニッショ
ンキースイッチ74とを有している。キーシリンダ73
に操作キー(図示せず)を装着して、所定のロック位置
にセットすることで、ロックピン72がロック孔71内
に進出し、ステアリングシャフト3の回転が規制され
る。また、操作キーをキーシリンダ73の運転可能位置
にセットすることで、ロックピン72をロック孔71外
へ退かせて、操舵操作可能となる。
【0032】収容部46は、主体部32に設けられてい
る。収容部46は、ロック装置70のほぼ全体を収容し
ていて、キーシリンダ73の操作キーの装着部が露出し
ている。なお、収容部46には、ロック装置70の一部
だけを収容するようにしてもよい。収容部46は、キー
シリンダ73を収容する筒部49と、ロックピン72を
進退自在に支持する筒部50と、イグニッションキース
イッチ74を収容する筒部51とを有している。
【0033】ところで、従来のステアリング装置では、
ロック装置のためにコラムジャケットは開口を形成され
て、コラムジャケットと別体の収容部に収容されたロッ
ク装置が、車両への組付時にステアリングコラムに組み
付けられていた。ステアリングコラムと収容部とが別体
なので、部品点数が多く、さらに、開口によりステアリ
ングコラムが切りかかれているので、剛性が低くなって
いた。これに対して本実施形態では、一体成形品17に
上述の収容部46を一体に形成している。これにより、
部品点数をより一層低減できるので、組立コストをより
一層安価にできる。しかも、収容部46を一体に形成す
ることにより、一体成形品17を補強できるので、一体
成形品17の剛性を高めることができる。さらに、収容
部46は一体成形品17に一体に形成されているので、
もともと分解取り外しができず、その結果、防犯上都合
が良い。
【0034】一体成形品17は、図3の断面図に示すよ
うに、車体8に取り付けるために、車体側部材としての
第2固定ブラケット10の一対の側板76に沿って係合
する取付部31を一体に形成している。これにより、部
品点数をより一層低減できるので、組立コストをより一
層安価にできる。特に、取付部31を一体成形品17に
一体に形成したので、従来の高価な溶接構造を省略でき
る結果、製造コストをより一層低減することができる。
【0035】取付部31は、主体部32に設けられてい
る。取付部31は、第2固定ブラケット10の一対の側
板76と沿いつつ一対の側板76からの挟持力を受ける
一対の受け面52と、一対の受け面52同士を貫通する
テレスコピック調節用の横長の上述の挿通孔67とを有
している。この挿通孔67は、その周縁部54の一部に
より、ステアリングシャフト3が通る主体部32の内部
53と仕切られているが、内部53と連通していても構
わない。
【0036】取付部31は一体成形品17に一体に形成
されているので、支軸9の位置精度を高くできる結果、
パイプ材を用いて形成された従来のステアリングコラム
4を用いる場合に比べて、支軸9を径方向にステアリン
グシャフト3に接近させて配置でき、しかも主体部32
に支軸9との干渉防止のための切欠を設けずにすむ。ま
た、両受け面52間が挿通孔67の周縁部54により連
続的に互いにつながれていて、強度を高くできる結果、
ステアリングコラム4を高い挟持力により強固に固定で
きる。
【0037】なお、第1実施形態では、一体成形品17
に、ケース61、ケース62、取付部31、衝撃吸収部
材48および収容部46を一体に形成していたが、これ
らのうちの少なくとも一つを必要に応じて別体としても
構わない。また、主体部32およびセンサハウジング3
3を少なくとも含む一体成形品17には、以下の各実施
形態で説明する部材34,78,47を一体に形成して
もよい。第2実施形態の一体成形品17には、ユニット
ハウジング34がさらに一体に形成されている。なお、
第2の実施形態および以下の他の実施形態では、第1の
実施形態と異なる点を主に説明し、同様の点については
同じ符号を付して説明を省略する。
【0038】一体成形品17は、図5の断面図に示すよ
うに、ユニットハウジング34の環部40、筒部41お
よびフランジ部42を一体に形成している。これによ
り、部品点数をより低減できるので、組立コストをより
安価にできる。ユニットハウジング34の環部40およ
び筒部41は、センサハウジング33のフランジ部39
と一体につながっていて、その一方で、円板部43と別
体とされて嵌合されている。なお、一体成形品17に一
体に形成されるユニットハウジング34は、上述のよう
に、ユニット16の一部を収容するものでもよいし、ユ
ニット16の全体を収容するようにしても良い。
【0039】また、主体部32と、センサハウジング3
3と、ユニットハウジング34とを一体に形成すること
により、電動モータ24や伝達機構25をステアリング
シャフト3に対して高精度に位置決めできる。第3実施
形態の一体成形品17には、図5に示すように、電動モ
ータ24制御用の回路部品77から熱を放散させるヒー
トシンク78がさらに一体に形成されている。
【0040】回路部品77は、例えば、パワートランジ
スタであり、回路基板29に取り付けられている。回路
部品77は、ケース62の基台部45に熱を伝えること
ができるように、基台部45に沿って配置されている。
基台部45が、回路部品77からの熱を外部に放散させ
て、回路部品77の温度上昇を抑制し、ヒートシンク7
8として機能する。さらに、基台部45は、一体成形品
17に一体に形成されているので、別体の場合と比べ
て、隣接する主体部32等に熱を効率よく伝えることが
でき、さらに、隣接する主体部32等と協働して大きな
表面積で熱を効率良く放散できる。
【0041】このように、ヒートシンク78を一体成形
品17に一体に形成することにより、部品点数をより一
層低減できるので、組立コストをより一層安価にでき
る。しかも、ヒートシンク78を実質的に大型化できる
ので、放熱性能を高めることができる。第4実施形態の
一体成形品17には、図6に示すように、上述の支持部
材47がさらに一体に形成されている。これにより、部
品点数をより一層低減できるので、組立コストをより一
層安価にできる。また、支持部材47は、ステアリング
コラム4の周囲に配置される機能部品としてのランプ用
操作スイッチ75を支持する。ここで、機能部品として
は、車両のランプ等の電装品の操作スイッチ75の他、
車両の変速機等を遠隔操作する操作部材を例示できる。
【0042】このように本発明の各実施形態によれば、
ステアリングコラム4の主体部32とセンサハウジング
33とを含む複数の部分を一体に形成するようにしたの
で、部品点数を低減できて、組立コストを低減でき、安
価なステアリング装置1を実現できる。例えば、従来の
構成であるステアリングコラムの伸縮自在に嵌合された
一対のジャケットと別体のセンサハウジングとの組合せ
よりも、本発明のステアリングシャフト3の大部分を収
容する主体部32とセンサハウジング33とを一体に形
成した一体成形品17のほうが、製造コストを安くでき
る。
【0043】特に、一体成形品17には、主体部32と
センサハウジング33とに加えて、より多くの部材を一
体化するのが製造コストの低減に好ましい。例えば、主
体部32,センサハウジング33,ユニットハウジング
34の一部,取付部31,収容部46,支持部材47,
衝撃吸収部材48,ヒートシンク78,ケース61の一
部,およびケース62の一部を一体化した一体成形品1
7が最も好ましい。また、センサハウジング33やユニ
ットハウジング34が主体部32と軸方向に並ぶ場合に
は、部材同士の接合部の省略により、軸方向に小型化で
きる。従って、車体8への組み付けが容易なステアリン
グ装置1を実現できる。
【0044】また、主体部32とセンサハウジング33
とを一体に形成することにより、ステアリングシャフト
3を支持する部材同士のつなぎ目を少なくできるので、
ステアリングコラム4を高剛性化できる。また、一体成
形品17に収容部46等を一体に形成することにより、
一体成形品17を補強でき、高剛性化できる。さらに、
鋳物からなる一体成形品17であれば、軸方向に延びる
突条からなるリブ55等の補強部を容易に形成でき、こ
れによっても高剛性化できる。これらによる高剛性化に
より、操舵感を高めることができる。
【0045】また、ステアリングコラム4に操舵補助ユ
ニット16を取り付けた電動パワーステアリング装置1
では、ユニット16が車室内に配置されて、ユニット1
6の動作音が乗員にとって耳障りになる傾向にある。本
発明の実施の形態では、上述したステアリングコラム4
の高剛性化とあいまって、単一部材の一体成形品17に
よりステアリングシャフト3を複数の軸受11〜13を
介して高精度に支持できる。さらに、一体成形品17に
ユニットハウジング34を一体に形成することにより、
電動モータ24や伝達機構25をステアリングシャフト
3に対して高精度に位置決めできるので、電動モータ2
4の回転力をスムーズにステアリングシャフト3に伝達
することができる。従って、操舵補助ユニット16の動
作音の静音化を図ることができる。
【0046】また、上述の衝撃吸収機構65は、一体成
形品17の軸方向の長さを維持しつつ、衝撃を吸収で
き、例えば、コルゲート状部分や嵌合部分を有して軸方
向に収縮しつつ衝撃を吸収するタイプのものに比べて、
形状や構造を簡素化できる。従って、コスト低減に好ま
しい。なお、電動パワーステアリング装置1としては、
電動モータ24をステアリングコラム4に取り付けた上
述の各実施形態で説明したものには限定されない。例え
ば、ラックアンドピニオン式ステアリング装置のラック
軸をその軸線方向に変位させることができるように、ラ
ック軸を支持するラックハウジングに電動モータ24を
取り付けたタイプを例示できる。
【0047】その他、本発明の要旨を変更しない範囲で
種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のステアリング装置の一
部断面正面図である。
【図2】図1に示すステアリング装置の平面図である。
【図3】図1に示すステアリング装置のB−B断面を示
す断面図である。
【図4】図1に示すステアリング装置の衝撃吸収機構の
概略構成図である。
【図5】本発明の第2および第3実施形態のステアリン
グ装置の要部拡大正面断面図である。
【図6】本発明の第4実施形態のステアリング装置の要
部拡大正面断面図である。
【符号の説明】
1 電動パワーステアリング装置 3 ステアリングシャフト 4 ステアリングコラム 8 車体 15 トルクセンサ 16 操舵補助ユニット 17 一体成形品 24 電動モータ 25 伝達機構 26 ウォーム軸(操舵補助ユニットの一部) 27 ウォームホイール(操舵補助ユニットの一部) 31 取付部 32 主体部 33 センサハウジング 34 ユニットハウジング 46 収容部 47 支持部材 48 衝撃吸収部材 56 溝の周縁部 65 衝撃吸収機構 66 衝撃吸収機構の軸 67 挿通孔 68 溝 70 ロック装置 75 スイッチ(機能部品) 77 回路部品 78 ヒートシンク D 軸の直径 W 溝の幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱野 賢一 大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋 精工株式会社内 (72)発明者 宗雲 裕昭 大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋 精工株式会社内 Fターム(参考) 2F051 AA01 AB05 BA03 3D030 DC27 3D033 CA02 CA04 CA16 CA28

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステアリングコラムに取り付けられたトル
    クセンサからの信号に応じて電動モータが操舵補助力を
    発生させる電動パワーステアリング装置において、 上記ステアリングコラムは、ステアリングシャフトを回
    転自在に支持すると共に車体に取り付けられる主体部
    と、トルクセンサを収容するセンサハウジングとを一体
    に形成した一体成形品を備えることを特徴とする電動パ
    ワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電動パワーステアリング
    装置において、 上記一体成形品には、電動モータおよび電動モータの回
    転をステアリングシャフトに伝達する伝達機構を含む操
    舵補助ユニットの少なくとも一部を収容するユニットハ
    ウジングがさらに一体に形成されることを特徴とする電
    動パワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の電動パワーステ
    アリング装置において、上記一体成形品には、盗難防止
    のためにステアリングシャフトの回転を規制するロック
    装置の少なくとも一部を収容する収容部が一体に形成さ
    れることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3の何れかに記載の電動パワ
    ーステアリング装置において、 上記ステアリングコラムには、衝突時の衝撃を吸収する
    ための衝撃吸収機構が設けられ、この衝撃吸収機構は、
    車体に支持された軸と、この軸が挿通する挿通孔および
    この挿通孔と連通して軸の直径よりも小さい幅の溝が形
    成された衝撃吸収部材とを有し、軸が挿通孔から溝内へ
    押し込まれて溝の周縁部を変形させることにより衝撃を
    吸収するようにされていて、 一体成形品には、衝撃吸収部材がさらに一体に形成され
    ることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の電動パワーステアリング
    装置において、上記軸は、ステアリングコラムと車体と
    の間に介在して、ステアリングコラムを車体に取り付け
    ることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5の何れかに記載の電動パワ
    ーステアリング装置において、上記一体成形品には、車
    体に取り付けるために、車体側部材と係合する取付部が
    一体に形成されることを特徴とする電動パワーステアリ
    ング装置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6の何れかに記載の電動パワ
    ーステアリング装置において、上記一体成形品には、電
    動モータ制御用の回路部品から熱を放散させるヒートシ
    ンクがさらに一体に形成されることを特徴とする電動パ
    ワーステアリング装置。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7の何れかに記載の電動パワ
    ーステアリング装置において、上記一体成形品には、ス
    テアリングコラムの周囲に配置される機能部品を支持す
    る支持部材がさらに一体に形成されることを特徴とする
    電動パワーステアリング装置。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8の何れかに記載の電動パワ
    ーステアリング装置において、上記一体成形品はアルミ
    ニウム合金の鋳物からなることを特徴とする電動パワー
    ステアリング装置。
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