JP4089489B2 - アクスルビーム - Google Patents

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の車輪を保持するアクスルビームに関するものであり、特にねじり弾性変形が可能なアクスルビームの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ねじり弾性変形が可能なアクスルビームは、例えば、特許文献1,2等によって既に知られている。特許文献1には、中空管体に軸方向に沿った切り目を付け、その切り目において中空管体を開くことにより、横断面形状がU字形を成す状態とされた形状のアクスルビーム(U字形断面アクスルビームと称する)が記載されている。そのアクスルビームの長手方向の両端近傍部には、それぞれほぼ車両の前後方向に延びる2本のトレーリングアームの各後端部が、長手方向に隔たった2個所においてそれぞれゴムブッシュを介して連結されている。アクスルビームの両端に保持された左右後輪の一方が車体に接近し、他方が車体から離間する場合に、2本のトレーリングアームがほぼ鉛直方向に相対回動し、それに伴ってアクスルビームがねじり弾性変形させられる。それによって、アクスルビームを車体に対して平行な状態に戻そうとする弾性的な復元力が発生させられる。アクスルビームがトーションバーの機能をも果たすのである。また、アクスルビームがねじり弾性変形し難いものである場合に比較して、アクスルビームに保持された車輪のキャンバ角の変化や、車幅方向の車輪位置の変化が少なくて済み、車体の車輪を収容するホイールハウスが小さくて済むとともに、ロールステア特性が改善され、走行安定性が向上する。また、上記ゴムブッシュの弾性変形量が小さくて済み、耐久性が向上する。
【0003】
また、特許文献2には、中空管状のアクスルビームの両端に車輪保持部材が固定され、そのアクスルビームの長手方向の少なくとも中央部において、そのアクスルビームの周壁の一部が中空管体の内部に向かって陥没することにより、外周側に向かって開いた溝部を形成しているもの(溝付き中空管状アクスルビームと称する)が記載されている。このように溝部を備えたアクスルビームは、上記特許文献1に記載のU字形の横断面形状を有するアクスルビームに比較すればねじり剛性が高く、薄肉化を達成することができる。また、溝部を備えない中空管状のアクスルビームに比較すれば、ねじり剛性が低く、容易にねじり弾性変形する。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−192614号公報
【特許文献2】
特開平7−186654号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
本発明は、上記特許文献2に記載のアクスルビームのような溝付き中空管状アクスルビームを改良することを課題としてなされたものであり、本発明によって、下記各態様のアクスルビームおよびサスペンション装置が得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではない。一部の事項のみを選択して採用することも可能なのである。
なお、下記の項の中には、補正により特許請求の範囲に記載の発明でも、それの下位概念の発明でもなくなったものも存在するが、特許請求の範囲に記載の発明を理解する上で有用であるので、そのまま残すこととする。
【0006】
なお、以下の各項において、(1)項 (11) 項および (12) 項に記載の事項に段落〔0025〕および図7に記載の事項を合わせたものが請求項1に相当し、その請求項1に(13) 項に記載の要件を加えたものが請求項2に相当し、 (16)項においてアクスルビームを請求項1または2に記載のものに限定したものが請求項3に、その請求項に出願時明細書の段落〔0019〕および〔0020〕に記載の事項を追加したものが請求項にそれぞれ相当する。
【0007】
(1)継ぎ目のない中空管体の両端に車輪保持部材が固定され、その中空管体の全長にわたって、その中空管体の周壁の一部が中空管体の内部に向かって陥没することにより、外周側に向かって開いた溝部を形成している形状のアクスルビーム。
前述のように、アクスルビームをU字形断面アクスルビームとすれば、溝部のない中空管状のアクスルビームに比較してねじり剛性を低くすることができ、アクスルビームにトーションバーの機能を果たさせることができる。また、アクスルビームを溝付き中空管状アクスルビームとすれば、溝部のない中空管状のアクスルビームに比較してねじり剛性を低くすることができるとともに、U字形断面アクスルビームに比較してねじり剛性を高くすることができ、トーションバーの機能を果たすアクスルビームを薄肉化することができる。そして、本項におけるように、溝付き中空管状アクスルビームの溝部をアクスルビームの全長に設ければ、アクスルビーム全体としてねじり変形能力を向上させ、より優れたアクスルビームが得られる。
前記特許文献2には、溝部が全長に形成された溝付き中空管状アクスルビームは記載されておらず、その製造方法も記載されていないが、例えば、ハイドロプレス成形法によれば製造することができる。このハイドロプレス成形法は、実施形態の項で詳述するように、横断面形状が円形の管材(円管と称する)の両端開口を閉塞部材により閉塞するとともに、円管内に水等の液体を充填し、その円管に外周側から開閉可能な金型を作用させて所望の形状に成形するのである。この方法によれば、横断面形状を所望の形状に成形することができるのみならず、外周長(アクスルビームの横断面における外周輪郭線の長さ)を増減させたり、アクスルビーム全体を長手方向に湾曲させたり(長手方向において傾斜角を徐変させたり)することもできる。ただし、円管の両端開口が閉塞部材により閉塞されている部分は、上記のように横断面形状を所望の形状にしたり、外周長を増減させたり、長手方向に傾斜させたりすることが困難であるため、成形後に両端部を切除することが望ましい。
(2)前記溝部の深さの、当該アクスルビームの長手方向における変化率の最大値が1/2以下である (1)項に記載のアクスルビーム。
溝付き中空管状アクスルビームは、上記のように、横断面形状を所望の形状にすることができるため、アクスルビームの長手方向において溝部の深さが漸変するものとすることができる。しかし、深さが急変することは望ましいことではなく、変化率が最大の部分においても、1/2以下とされることが望ましく、1/5以下、1/8以下、1/10以下とされることがさらに望ましい。なお、溝の深さの変化率は、アクスルビームの単位長さ(例えば1mm)当たりの溝部の深さの変化量(単位mm)で表されるものとする。
(3)前記中空管体の全長にわたっての外周長の変化が、最小の外周長の30%以下である (1)項または (2)項に記載のアクスルビーム。
アクスルビームは、本項におけるように、外周長が可及的に小さいものとすることも、次項におけるように、外周長を積極的に変化させたものとすることもできる。「外周長を積極的に変化させる」とは、例えば、円管をハイドロプレス成形する際に、管材の周壁が周方向に伸ばされるようにしたり、縮められるようにしたりすることである。成形を容易にし、あるいは、高張力鋼等、引き延ばしは難しいが軽量化が可能な材料の使用を可能にし、あるいは可及的に安価な材料を使用する観点からは、外周長があまり変化しないようにすること、すなわち、中空管体の全長にわたっての外周長の変化が30%以下であるようにすることが望ましく、20%以下、10%以下であるようにすることが特に望ましい。
一方、アクスルビーム使用時の性能を良くする観点からは、外周長を積極的に変化させることが望ましい場合が多い。例えば、アクスルビームの両端には、車輪保持部材が溶接等によって固定されるのであるが、この固定強度を増すために、両端部の外周長を大きくすることが望ましい。また、アクスルビームにトーションバーの機能を果たさせる場合には、トレーリングアーム等、車両の前後方向に延びる前後方向アームがアクスルビームに溶接により固定されることが多く、その場合、アクスルビームの、前後方向アームが溶接される部分より車輪保持部材側の部分は、片持ち梁として機能するため曲げ剛性が大きいことが望ましく、曲げ剛性を大きくするためには、外周長を大きくして中空部の横断面積を大きくすることが望ましい。中空管体の両端における外周長を最大とし、その両端の外周長が最小の外周長の110%以上となるようにすることが望ましいのであり、120%以上、130%以上、140%以上とすることがさらに望ましい。
(4)前記中空管体の両端における外周長が最大であって、両端の外周長が最小の外周長の110%以上である (1)項または (2)項に記載のアクスルビーム。
(5)前記中空管体の長手方向の中央における外周長が最小である (4)項に記載のアクスルビーム。
(6)前記中空管体の長手方向における外周長の変化率が1以下である (4)項または (5)項に記載のアクスルビーム。
溝付き中空管状アクスルビームは、前述のように、長手方向において外周長が変化するものとすることができるが、外周長をあまり急激に変化させれば、成形が困難になり、高価な材料を使用する必要が生じる上、使用時に内部応力が急激に変化する部分が生じ易いため、望ましくない。外周長の変化率が最大の部分においても、1以下とされることが望ましく、1/2以下、1/3以下、1/5以下、1/10以下とされることがさらに望ましい。なお、外周長の変化率は、アクスルビームの単位長さ(例えば1mm)当たりの外周長の変化量(単位mm)で表されるものとする。
(7)前記溝部が前記中空管体の下部にほぼ鉛直下向きに開いている (1)項ないし (6)項のいずれかに記載のアクスルビーム。
溝部を中空管状アクスルビームの下部に、ほぼ鉛直下向きに開いている状態で形成すれば、アクスルビームがトーションバーとして機能する場合の剪断中心(ねじり中心)の位置を高くすることができる。溝部を最下部に鉛直下向きに開く状態で形成し、横断面形状が溝部の中央面を対称面として面対称の形状となるようにする態様が、本項のアクスルビームの一具体例であるが、例えば、(11)項に記載のように、溝部の中央面に対して非対称の形状を有するものとすることも可能である。後者の態様によれば前者の態様による場合に比較して、上記剪断中心を車両前方側に位置させることができる。その場合、前側に位置する部分の中空部の横断面積を、後ろ側に位置する部分のそれの20%以上大きくすることが望ましく、50%以上、80%以上大きくすることがさらに望ましい。
ただし、横断面形状が溝部の中央面を対称面として面対称の形状となるようにする場合に、溝部の中央面が鉛直面に対して30度以下の角度傾斜するようにすることにより、溝部の開口の中央が最下部に位置しないようにすることができる。例えば、前後方向アームがトレーリングアームであり、そのトレーリングアームの後端部にアクスルビームが溶接される場合に、溝部が最下部より後方に開口するようにすれば、両者の溶接線を長くして、溶接部の強度を高めることができる。また、横断面形状が溝部の中央面に対して非対称の形状を有するものとする場合にも、溝部の中央面が鉛直下向きとされることも、溝部の開口の中央が最下部に位置するようにされることも不可欠ではない。中央面が30度以内の角度傾くようにしたり、溝部の開口の中央が、アクスルビームの横断面形状の最下部から横断面形状の高さの10%以内であれば、最下部から外れた位置にあるようにすることができるのである。
(8)前記溝部が鉛直下向きに開いている (7)項に記載のアクスルビーム。
(9)前記中空管体の前記車輪保持部材への固定端がほぼ鉛直であり、かつ、前記中空管体の端部が前記車輪保持部材から離れるに従って下がる向きに傾斜している (1)項ないし (8)項のいずれかに記載のアクスルビーム。
水平方向に対して傾斜しているアクスルビームを鉛直な切断面で切断すれば、その傾斜部に対して直角な切断平面で切断する場合より横断面形状が大きくなり、車輪保持部材との溶接線を長くすることができ、溶接強度を向上させることができる。また、中空管体の端部を車輪保持部材から離れるに従って下がる向きに傾斜させれば、アクスルビームの車輪保持部材から離れた部分の高さを低くすることができ、サスペンション装置のスプリングやショックアブソーバの配設スペース、あるいはブレーキ配管やワイヤハーネスの通過スペースを確保することが容易となる。
(10)前記中空管体の両端が最も高く、長手方向の中央に向かうに従って一旦下降した後上昇し、中央が最も高い (1)項ないし (9)項のいずれかに記載のアクスルビーム。
(9)項に関連して述べた上記効果を享受しつつ、アクスルビーム全体としての剪断中心を高くすることができる。
(11)前記中空管体の少なくとも一部において、前記溝部の幅方向の中央を通り深さ方向に延びる平面である中央面に対して、その中央面の片側に位置する部分の中空部の横断面積が、他方側に位置する部分のそれより大きくされた (1)項ないし(10)項のいずれかに記載のアクスルビーム。
(12)前記溝部がほぼ鉛直下向きに開いていて、前記溝部の幅方向の中央面がほぼ鉛直面であり、そのほぼ鉛直面より前側に位置する部分の中空部の横断面積が、後ろ側に位置する部分のそれより大きくされた(11)項に記載のアクスルビーム。
剪断中心を下げることなく車両前方側あるいは後方側へ移動させることができる。例えば、アクスルビームに固定される前後方向アームが、前端部が車体に回動可能に連結されるトレーリングアームである場合には、剪断中心が前方へ移動させられることが望ましく、後端部が車体に回動可能に連結されるものである場合には、後方に移動させられることが望ましい。
(13)前記溝部が鉛直下向きに開いていて、前記中央面が鉛直面である(12)項に記載のアクスルビーム。
(14) (1)項ないし(10)項のいずれかに記載のアクスルビームと、
そのアクスルビームの両端近傍部に固定され、そのアクスルビームに対してほぼ直角にかつ互いにほぼ平行に延びる前後方向アームと
を含むサスペンション装置。
(15)(11)項ないし(13)項のいずれかに記載のアクスルビームと、
そのアクスルビームの両端近傍部に一部が溶接され、そのアクスルビームに対してほぼ直角にかつ互いにほぼ平行に延びる前後方向アームと
を含み、前後方向アームの前記一部が、前記中空管体の前記中空部の横断面積が大きい側の部分の外周面に溶接されたサスペンション装置。
中空管体が溝部の中央面に対して非対称な横断面形状を有するものである場合には、中空部の横断面積が大きい側に前後方向アームが溶接により固定されるようにすれば、溶接線を長くして溶接強度を上げることが容易となる。この効果は、前後方向アームの一端部がアクスルビームに溶接される際に特に有効に享受できる。前後方向アームのアクスルビームに溶接される一部は、長手方向の中間部でも、一端部でもよいのであるが、後者の場合の方が中空管体の横断面形状が非対称とされることの効果が大きいのである。なお、溝部がアクスルビームの最下部付近に下向きに開いた状態で形成されていれば、前後方向アームの長手方向の中間部がアクスルビームに溶接される場合でも、溝部の片側において溶接が許容されるのみである(溝部の両側に前後方向アームを溶接してしまえば、アクスルビームのねじり剛性が大きくなって、溝部を形成したことの効果が失われてしまうからである)ため、アクスルビームの横断面形状を非対称とし、中空部の横断面積が大きい側に前後方向アームを溶接することが有効である。
(16)前記前後方向アームが、前端部が車体に少なくとも鉛直面内における回動可能に連結されたトレーリングアームである(14)項または(15)項に記載のサスペンション装置。
(17)前記トレーリングアームの後端部が前記アクスルビームに固定された(16)項に記載のサスペンション装置。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1ないし図4には、本発明の一実施形態であるサスペンション装置が示されている。本実施形態におけるサスペンション装置は、車両の後輪側サスペンション装置として使用されるトーションビーム式サスペンション装置の一例である。なお、図1〜図4には、後輪側サスペンション装置の一方の側(図示の例では右後輪側)が代表的に示されている。本サスペンション装置は、アクスルビーム(トーションビーム)10,トレーリングアーム12,ラテラルコントロールロッド14,コイルスプリング(図示省略)およびショックアブソーバ18等により構成されている。これらトレーリングアーム12,ラテラルコントロールロッド14,コイルスプリングおよびショックアブソーバ18等の構成および機能については公知のものであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0009】
アクスルビーム10は、車両の幅方向に延び、左右後輪(図示省略)を保持している。アクスルビーム10の詳細な構造は後に説明する。アクスルビーム10の長手方向の両端近傍部には、それぞれほぼ車両の前後方向に延びる2本のトレーリングアーム12の各後端部(図1〜図4にはそれらのうちの一方のみを図示)が、長手方向に隔たった2個所においてそれぞれ連結されている。つまり、2本のトレーリングアーム12が、アクスルビーム10に対してほぼ直角でかつ互いにほぼ平行に延びる前後方向アームを構成しているのである。これらトレーリングアーム12の各後端部は、それぞれアクスルビーム10に溶接により接合されている。2本のトレーリングアーム12の各前端部は、図示は省略するが、ブッシュを介して車体にほぼ鉛直面内で回動可能に連結されている。また、ラテラルコントロールロッド14は、その一端がアクスルビーム10に溶接により固定されたピンおよびブッシュを介してアクスルビーム10に連結され、他端がブッシュを介して車体に連結されている。
【0010】
トレーリングアーム12のアクスルビーム10への接合部近傍には、ショックアブソーバ18の下端部が回動可能に連結されている。トレーリングアーム12には貫通穴19が設けられ、ショックアブソーバ18の上端部がこの貫通穴19を貫通して上方に延び出し、車体側に連結されている。さらに、アクスルビーム10の長手方向の両端近傍部の、トレーリングアーム12の連結部にアクスルビーム10の長手方向において隣接する部分には、前記コイルスプリングの下端部を保持するためのスプリングシート20が固定されている。図示は省略するが、コイルスプリングの上端部は車体側に保持される。つまり、これらコイルスプリングおよびショックアブソーバ18は車体とアクスルビーム10との間に介在させられており、各車輪から入力される路面の凹凸等に起因する振動を吸収し、減衰させる機能を有する。
【0011】
アクスルビーム10は、長手形状の本体部材30と、本体部材30の両端にそれぞれ固定された端部材たる車輪保持部材32とを備えている。車輪保持部材32は、図5に示すように、板状を成すエンドプレート(端板)34と軸保持部材36とから成っている。軸保持部材36は、エンドプレート34の本体部材30に固定された側の面(内側面と称する)とは反対側(外側面と称する)に固定され、固定後はエンドプレート34と共同して一体的な車輪保持部材32を構成する。軸保持部材36は概して円筒状を成し、車輪軸40をベアリング42(図示の例では一対の)を介して回転可能に保持している。この車輪軸40に後輪が固定されるのであり、車輪保持部材32(の軸保持部材36)は、左右の後輪と車輪軸40とを回転可能に保持することとなる。
【0012】
本体部材30は、JIS780MPa級高張力鋼製の継ぎ目のない中空管体であり、図3に最も明瞭に示すように、本体部材30の車輪保持部材32の固定端である長手方向の両端が最も高く、両端部は車輪保持部材32から離れるに従って下がる向きに傾斜させられている。本体部材30は、長手方向の中央に向かうに従って一旦下降した後上昇し、中央が再び高くなるようにされ、長手方向に湾曲させられている。本体部材30はさらに、図2に示すように、その全長にわたって、本体部材30の周壁の一部が本体部材30の内部に向かって陥没することにより、外周側に向かって開いた溝部48が形成された二重溝形部50を備えた形状を成している。本実施形態においては、図2に示すように、溝部48は本体部材30の下部に鉛直下向きに開口している。
【0013】
本体部材30の横断面形状は長手方向に変化(徐変)させられ、溝部48の深さがアクスルビーム10の長手方向において漸変させられている。具体的には、図6に示すように、アクスルビーム10の長手方向の中央における溝部48の深さが最も深くされ、アクスルビーム10の長手方向の両端の溝部48の深さが最も浅くされている。本体部材30の成形を容易にする等の点で溝部48の深さが急変させられるのは望ましくないため、溝部48のアクスルビーム10の長手方向における変化率(アクスルビーム10の単位長さ当たりの溝部48の深さの変化量)の最大値がほぼ0.25とされている。また、本体部材30の外周長(アクスルビーム10の横断面における外周輪郭線の長さ)が長手方向にわたって変化させられている。ただし、本実施形態においては、本体部材30の全長にわたっての外周長の変化量、すなわち〔(最大外周長−最小外周長)/最小外周長〕×100はほぼ120%とされている。なお、図6に示すように、本体部材30の長手方向の両端における外周長が最大であって、本体部材30の長手方向の中央における外周長が最小とされている。また、本体部材30の外周長を急激に変化させることは成形性等の点で望ましくないため、本体部材30の長手方向における外周長の変化率(アクスルビーム10の単位長さ当たりの外周長の変化量)が1/3以下となるようにされている。
【0014】
さらに、本体部材30は、図2および図7に示すように、ほぼ全長にわたって、溝部48の幅方向の中央を通り深さ方向に延びる中央面Pに対して非対称の横断面形状を有するものである。具体的には、本体部材30の長手方向において車輪保持部材32が固定される両端部以外の部分(2本のトレーリングアーム12との各結合部および中央部を含む部分)において、図7に示すように、上記中央面Pに対して、その中央面Pの片側に位置する部分の中空部60の横断面積が、他方側に位置する部分の中空部62のそれより大きくされている。上記中央面Pは、本実施形態においては鉛直面Pであり、その鉛直面Pより車両前側に位置する中空部60の横断面積が後ろ側に位置する中空部62のそれより大きくされているのである。図7に示すように、中空部60,62の横断面積が大きい側(中空部60)にトレーリングアーム12の後端部が溶接により固定されており、そのために溶接線を長くして溶接強度を上げることが容易となっている。なお、本体部材30の両端部の横断面形状は、図6に示すように、溝部48の幅方向の中央を通り深さ方向に延びる中央面を対称面として面対称形状となっている。
【0015】
本体部材30を以上のような形状とすることが望ましい理由については後述することとし、本体部材30を上記形状とするための製造方法について説明する。本実施形態においては、本体部材30はハイドロプレス成形法(ハイドロフォーミング法とも称される)によって製造される。このハイドロプレス成形法は公知の方法であるため、図8の概略図に基づいて簡単に説明する。
本ハイドロプレス成形法に使用される成形装置は、開閉可能な一対の金型80,82を含む金型装置84と、本体部材30の成形素材である横断面形状が円形の管材(円管と称する)86の両端開口を閉塞する一対の閉塞部材88(図8にはそれらのうちの一方のみ図示)とを備えている。一対の金型80,82は金型駆動装置によって互いに接近,離間させられる(本実施形態では上下方向に)ことによって開閉可能である。本実施形態では、金型82が位置固定の固定型とされ、金型80が金型駆動装置90によって金型82に対して接近,離間させられる可動型とされている。一対の閉塞部材88は、図示を省略する閉塞部材駆動装置92によって金型80,82の接近,離間方向と交差(本実施形態ではほぼ直交)する方向(本実施形態では水平方向)に互いに接近,離間可能である。金型駆動装置90および閉塞部材駆動装置92は、例えば、流体圧シリンダの一種である液圧シリンダを含むものとすることができる。金型80,82の互いに対向する側の面には、本体部材30の外周面の形状に対応する型面100,102がそれぞれ形成され、金型80,82のパーティング面同士が当接させられて金型80,82が閉じられた状態では、それら型面100,102の共同により内部の空間に本体部材30の外周面を成形するキャビティが形成される。金型80,82の一方(本実施形態の場合金型82)の型面102には、他の部分より内側(金型80の型面100側)に突出し、かつ、長手方向(円管86の延びる方向である水平方向)に延びる突部104が一体的に設けられている。この突部104の外面も型面102の一部を形成し、突部104によって本体部材30の溝部48が設けられた部分の外周面が成形される。したがって、突部104の突出高さは、二重溝形部50の溝の深さに対応してその延出方向に高さが徐々に変化させられている。
【0016】
閉塞部材88は、円管86の両端開口を閉塞するとともに、円管86の両端部を外周側から液密に保持し得るように、円形断面を有する収容穴110を備えている。収容穴110の内周面には、円管86内部の液密を保持するためにシール部材(図示省略)が設けられている。一対の閉塞部材88のうちの一方には、その内部に液通路112が形成され、その液通路112の一端が加圧液供給装置に接続されるとともに、他端が収容穴110の底面に開口し、円管86の内部に加圧された液体(例えば水や、水に防錆剤の加えられたもの)を供給し得るようになっている。
【0017】
以上の構成の成形装置によって本体部材30を成形するにあたってまず、図8(a)に示すように、金型80,82の開状態で円管86が閉塞部材88に長手方向の両側から保持される。閉塞部材88は、金型80,82が閉じられるまでの間、円管86を両側から保持した状態で、一方の閉塞部材88は後退端位置に位置させられ、他方の閉塞部材88が円管86を一方の閉塞部材88側に軽く押している状態となるようにそれぞれの閉塞部材駆動装置92が制御され、円管86が金型80,82に対して相対移動不能に精度良く位置決めされた状態で保持されるとともに、円管86の両端開口が閉塞される。そして、液通路112を経て加圧液が円管86内部に充填される。この状態では、閉塞部材88に保持された円管86の外周面が金型82の型面102において最も高い部分に近接させられている。その後、図8(b)に示すように、金型駆動装置90の駆動によって金型80,82が閉じられれば、金型80,82の型面100,102によって円管86が外周側から成形される。その際、円管86内には加圧液が密封状態で存在するため、円管86内部の液圧が上昇し、円管86の周壁にしわが発生することが良好に防止される。なお、円管86が閉じられた金型80,82によってある程度強固に保持される状態となれば、一対の閉塞部材88が閉塞部材駆動装置92の駆動によって互いに接近する向きに付勢され、円管86を両側から押す。このことにより、円管86が金型80,82によって成形されても、円管86内部の閉塞状態(液密)が常に維持されることとなる。以上のようにして成形された円管86の閉塞部材88により保持されている両端部および金型80,82内部に保持された部分の両端部は、成形後に切除され、本体部材30が得られる。なお、円管86の金型80,82内部に保持された両端部は、成形が終了した状態では閉塞部材88に保持された両端部に向かって上方に傾斜する(水平方向に対して傾斜する)状態で延びており、この両端部を長手方向と直交する鉛直な切断面で切断することにより、図6に示すように、車輪保持部材32と固定されるべき本体部材30の両端がほぼ鉛直に延びる状態とされる。すなわち、両端部がそれら両端部の延びる方向に直角な平面に対して傾斜した切断面で切断されることとなり、それら両端の横断面積が大きくなって、車輪保持部材32との固定強度が増大する効果が得られる。
【0018】
本ハイドロプレス成形法によれば、横断面形状を所望の形状に成形することができるのみならず、外周長を増減させたり(成形素材を膨張収縮させたり)、アクスルビーム全体を長手方向に湾曲させたりすることも容易である。また、本体部材30を薄肉化して軽量化を図ることができる。さらに、複数枚の板材を溶接して製造する方法と比較して、製作工程が少なくて済むとともに、溶接継ぎ目がないため強度,耐久性に優れた本体部材30を得ることができる。
【0019】
本実施形態において、アクスルビームの横断面形状が、中空部の断面積が前側において大きい非対称形状とされているが、このことが望ましい理由を、図9および図10に基づいて説明する。これらの図は、従来のサスペンション装置のアクスルビーム150とトレーリングアーム152とを模型的に示す図である。
まず、アクスルビームの剪断中心をできる限り高くすることが望ましい理由を説明する。
図9において、車両が左に旋回することにより車体が右にロールしたと仮定し、その際、車体が下がると考える代わりに右後輪が車体に向かって上がると考えることとする。すると、トレーリングアーム152は前端部が車体にほぼ鉛直面内で回動可能に連結されているため、アクスルビーム150の右端部は、右側から見て時計方向に回転し、アクスルビーム150の左端部は左側から見て反時計方向に回転するように、アクスルビーム150がねじられることとなる。そして、その場合の右後輪の運動は、ごく概略的に考えれば、三角形ABCが、辺BCを中心に点Aが上方(図9の紙面の裏側から表側へ向かう方向)へ移動する向きに回動するのに伴う運動と考えることができる。なお、点Aはアクスルビーム150と車輪保持部材154との結合面と車輪軸156の軸線との交点、点Bはトレーリングアーム152の車体への連結点、点Cはアクスルビーム150の長手方向の中央における剪断中心とする。アクスルビーム150の剪断中心は、アクスルビーム150の長手方向において一定ではないが、アクスルビーム150全体の等価的な剪断中心(以下、単に剪断中心と称する)が、アクスルビーム150の長手方向の中央において、点Cに位置すると考えることとする。ただし、図9,10においては、単純化のために、剪断中心がアクスルビーム150の軸線上に位置する状態で示されている。
【0020】
もし、上記三角形ABCが図9の紙面に平行である状態から回動すると仮定すると、点Aは辺BCと直交する直線L1上を図9において斜め左上に移動することとなり、車輪軸156は先端が基端に対して相対的に車両前方へ移動することとなる。すなわち、右後輪の姿勢がアンダステア側に変化することとなるのである。それに対して、図10に示すように、車両の後方から水平にアクスルビーム150を見た場合に、点Aが最も高く、次に点Bが高く、点Cが最も低い場合(サスペンション装置の設計上、この関係となることが多い)には、三角形ABCが辺BCを中心に上記のように回動すると、点Aが辺BCに直角な直線L2上を斜め左上方へ移動するとともに、車輪軸156が、点Aを通り、辺BCに平行な直線L3のまわりに回転する。そのため、車輪軸156が図9において(平面視において)先端側が基端側に対して車両後方に相対移動することとなり、その車輪軸156に保持された右後輪の姿勢がオーバステア側に変化する。このオーバステア側への変化と、前記アンダステア側への変化との差が実際の右後輪の姿勢変化となるが、オーバステア側への変化は、図10における辺BCの傾きが大きいほど、すなわち点Cが点Bに対して相対的に低いほど大きくなる。したがって、点Cの点Bに対する相対的な高さを高くするほど、右後輪がアンダステア傾向になることとなる。つまり、車両の走行安定性を向上させるべく、旋回外側の後輪である右後輪の姿勢をアンダステア側に変化させるためには、アクスルビーム150の剪断中心を可及的に高くすることが望ましいのである。
【0021】
次に、アクスルビーム150の剪断中心を車両前方に位置させることが望ましい理由を説明する。図9において、車両左旋回に伴う車体のロールにより、右後輪が三角形ABCの辺BCを回動軸線とする回動に伴う運動をすると考える場合には、右後輪はキャンバ角が減少する向きに回動することとなる。それに対して、もし、アクスルビーム150が点Bを通り、車両の幅方向に平行な直線のまわりに回動するとすれば、キャンバ角の変化はない。車体ロール時における右後輪のキャンバ角の減少量が大きいと、右後輪が車体のホイールハウスと干渉する恐れがあるため、ホイールハウスを大きくする必要が生じ、車体の内部空間が狭くなってしまう。また、右後輪が三角形ABCの辺BCを回動軸線として回動する場合には、点Bを通り、車両の幅方向に平行な直線のまわりに回動する場合に比較して、アクスルビーム150の傾き角度が大きくなり、それによっても、右後輪がホイールハウスと干渉し易くなる。したがって、これらをできる限り抑制するために、辺BCはできるかぎり車両の幅方向に平行に近くなるようにすることが望ましく、アクスルビーム150の剪断中心はできる限り車両前方に位置させることが望ましいこととなる。
【0022】
本実施形態によれば、中空管体である本体部材30に溝部48を全長にわたって形成することにより、アクスルビーム10のねじり剛性を低くしてねじり弾性変形を容易にし得るとともに、ねじり剛性の調整の幅も広がる。本実施形態のように、本体部材30の中央部において溝部48を最も深くし、車輪保持部材32の固定される両端部において最も浅くすることにより、本体部材30の中央部のねじり弾性変形が容易となるとともに、車輪保持部材32と固定される両端部には必要な剛性を確保でき、アクスルビーム10の耐久性が向上する。また、全長にわたって溝部48を形成することにより、アクスルビーム10の剪断中心高さを所望の位置に調整することが容易となり、アクスルビーム10の剪断中心を高くできれば、前述したように車両の走行安定性を向上させることができる。さらに、本体部材30の両端部にも溝部を設けて剪断中心を高くすれば、車輪の回転軸線と剪断中心との距離を小さくすることができ、従来のアクスルビームのように車輪保持部材32への固定端に溝部を設けない場合に比較して、後輪に作用する前後方向力によるアクスルビーム10のねじり変形を抑えることができる。また、剪断中心を高くすれば、本体部材30のエンドプレート34への固定端の高さを低くすることができる。例えば、エンドプレート34を上下方向の寸法の大きいものとし、外側面の上部に車輪軸40を保持させ、内側面の下部に本体部材30の端を固定するのである。本体部材30のエンドプレート34への固定端の位置を低くできれば、本体部材30の両端近傍部の急激な湾曲を回避でき、成形が容易となる。さらに、本体部材30の両端近傍部の高さを低くできる結果、両端近傍部の上側に各種配管やワイヤハーネス等他部材を配設するためのスペースを確保できる。
【0023】
アクスルビーム10の横断面形状を、中空部60,62の断面積が前側において大きい非対称とすることにより、剪断中心を下げることなく車両前方に位置させることができ、車体ロール時における車輪のキャンバ角の減少量が小さくされ、ホイールハウスとのスペースを確保できるため、車体側の設計自由度が増す。また、アクスルビーム10の剪断中心位置を望ましい位置に調整することが容易となる。さらに、トレーリングアーム12のアクスルビーム10との結合部の溶接線を長くできることにより、この二部材の結合部の強度,疲労強度(耐久性)が向上する。
【0024】
溝部48の深さのアクスルビーム10の長手方向における変化率や本体部材30の全長にわたっての外周長の変化率は、本実施形態で説明したものに限らず種々の値とすることができる。
【0025】
ただし、本実施形態のように、アクスルビーム10の両端部以外の部分の横断面形状を非対称とすることは不可欠ではない。例えば、アクスルビーム10の中央部のみを本実施形態で説明したような非対称の横断面形状としてもよい。あるいは、アクスルビームの全長にわたって、横断面形状を溝部の幅方向の中央を通り深さ方向に延びる中央面を対称面として面対称形状となるようにしてもよいのである。それでも、前述したアクスルビームの剪断中心を高くすることの効果を有効に享受できる。
【0026】
アクスルビームの両端に固定される車輪保持部材は、本実施形態におけるように、車輪軸を回転可能に保持するものに限らず、車輪軸を一体的に有し、その車輪軸のまわりに回転可能に車輪を保持するものであってもよい。
【0027】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるサスペンション装置の本発明に関連の深い部分を示す斜視図である。
【図2】上記サスペンション装置の側面断面図である。
【図3】上記サスペンション装置の背面図である。
【図4】上記サスペンション装置の平面図である。
【図5】上記サスペンション装置の構成要素であるアクスルビームおよび車輪軸を示す正面図(一部断面)である。
【図6】上記アクスルビームを複数個所における横断面形状とともに示す背面図である。
【図7】上記サスペンション装置の構成要素であるトレーリングアームとアクスルビームとの結合部を示す側面断面図である。
【図8】上記アクスルビームを製造する製造方法を説明するための概略図である。
【図9】上記アクスルビームの横断面形状を、中空部の断面積が前側において大きい非対称とすることが望ましい理由を説明するために、従来のサスペンション装置のアクスルビームとトレーリングアームとを模型的に示す平面図である。
【図10】上記従来のサスペンション装置のアクスルビームとトレーリングアームとを模型的に示す背面図である。
【符号の説明】
10:アクスルビーム 12:トレーリングアーム 30:本体部材(中空管体) 32:車輪保持部材(端部材) 48:溝部 50:二重溝形部
60,62:中空部

Claims (4)

  1. 継ぎ目のない中空管体の両端に車輪保持部材が固定され、その中空管体の全長にわたって、その中空管体の周壁の一部が中空管体の内部に向かって陥没することにより、ほぼ鉛直下向きに開いた溝部を形成しており、かつ、その中空管体の少なくとも長手方向の中央部において、前記溝部の幅方向の中央を通りほぼ鉛直方向に延びる平面である中央面の前側に位置する部分の中空部の横断面積および前後方向における幅が前記中央面の後ろ側に位置する部分の中空部の横断面積および前後方向における幅より大きくされたアクスルビーム。
  2. 前記溝部が鉛直下向きに開いており、前記中央面が鉛直面である請求項に記載のアクスルビーム。
  3. 請求項1または2に記載のアクスルビームと、
    そのアクスルビームの両端近傍部に一部が固定され、そのアクスルビームに対してほぼ直角にかつ互いにほぼ平行に延びるトレーリングアームと
    を含み、かつ、そのトレーリングアームの前記一部が、前記中空管体の前記溝部より前側の、前記溝部の後ろ側より中空部の横断面積が大きい部分の外周面に溶接されたサスペンション装置。
  4. 前記中空管体と前記車輪保持部材とが互いに結合された面である結合面と車輪保持部材に保持される車輪の回転軸線との交点を点A、前記トレーリングアームの前記中空管体に固定された前記一部とは反対側の車体への連結点を点B、前記アクスルビームの長手方向中央における剪断中心を点Cとした場合に、点Aが最も高く、点Cが最も低く、点Bが中間の高さとされた請求項3に記載のサスペンション装置。
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