JP3551039B2 - トーションビーム式サスペンション - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車輌のサスペンションに係り、更に詳細にはトーションビーム式サスペンションに係る。
【0002】
【従来の技術】
トーションビーム式サスペンションは、一般に、車輌横方向に互いに隔置され前端部にて車体に枢支され後端部にて車輪を回転可能に支持する一対のトレーリングアームと、車輌横方向に延在し両端にて溶接により一対のトレーリングアームに連結されたトーションビームとを有し、左右の車輪が逆相にてバウンド、リバウンドすると、左右のトレーリングアームが前端部の周りに互いに逆方向に上下に枢動し、これによりトーションビームがトレーリングアームにより弾性的に捩られることにより車輪のバウンド、リバウンドを抑制する力を発生する。
【0003】
かかるトーションビーム式サスペンションの一つとして、例えば実開昭58−90814号公報に記載されている如く、トーションビームがU形湾曲部と上側平面部と下側平面部とよりなる実質的に車輌後方に開いたU形断面を有し、下側平面部の車輌前後方向の幅がトーションビームの全長に亘り上側平面部の車輌前後方向の幅よりも大きく設定されたトーションビーム式サスペンションが既に知られている。
【0004】
上記公報に記載されたトーションビーム式サスペンションによれば、車輌に下向きの荷重が作用した場合に引張り応力を受けるトーションビームの下側平面部の強度が向上するので、上側平面部及び下側平面部の車輌前後方向の幅が同一である場合に比して、トーションビームの耐久性を向上させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般的なトーションビーム式サスペンションに於いて、例えば車輪が縁石に衝突した場合の如く車輪に強大な横力が作用する場合に最も変形し易い部位はトーションビームの両端に近接した部位である。しかるに上記公報に記載されたトーションビーム式サスペンションに於いては、トーションビームはその全長に亘り一定の断面形状を有するので、車輪横力に対する強度向上の点で重量効率が悪いという問題があり、またトーションビームの断面の剪断中心が低くなるため、車輌のロールステアがオーバステア傾向になるという問題がある。
【0006】
本発明は、U形断面を有するトーションビームの下側平面部の車輌前後方向の幅がトーションビームの全長に亘り上側平面部の車輌前後方向の幅よりも大きく設定された従来のトーションビーム式サスペンションに於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、トーションビームの必要な部位についてのみ強度の向上を図ることにより、車輪横力に対する強度向上に関する重量効率を向上させると共に車輌のロールステアのオーバステア化を低減することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の主要な課題は、本発明によれば、車輌横方向に互いに隔置され前端部にて車体に枢支され後端部にて車輪を回転可能に支持する一対のトレーリングアームと、車輌横方向に延在し前記トレーリングアームを一体的に連結するトーションビームとを有するトーションビーム式サスペンションに於いて、前記トーションビームはU形湾曲部と上側平面部と下側平面部とよりなる実質的に車輌前後方向に開いたU形断面を有し、前記下側平面部は前記トーションビームの両端近傍の特定の領域に於いて他の領域に比して前記上側平面部よりも大きい車輌前後方向の幅を有することを特徴とするトーションビーム式サスペンション(請求項1の構成)、又は車輌横方向に互いに隔置され前端部にて車体に枢支され後端部にて車輪を回転可能に支持する一対のトレーリングアームと、車輌横方向に延在し前記トレーリングアームを一体的に連結するトーションビームとを有するトーションビーム式サスペンションに於いて、前記トーションビームはU形湾曲部と上側平面部と下側平面部とよりなる実質的に車輌前後方向に開いたU形断面を有し、前記下側平面部は前記トーションビームの断面係数の変化が他の部分よりも大きい特定の領域に於いて他の領域に比して前記上側平面部よりも大きい車輌前後方向の幅を有することを特徴とするトーションビーム式サスペンション(請求項4の構成)によって達成される。
【0008】
上記請求項1の構成によれば、トーションビームはU形湾曲部と上側平面部と下側平面部とよりなる実質的に車輌前後方向に開いたU形断面を有し、下側平面部はトーションビームの両端近傍の特定の領域に於いて他の領域に比して上側平面部よりも大きい車輌前後方向の幅を有するので、車輪に横力が作用する場合に最も変形し易い部位であるトーションビームの両端に近接した特定の領域の強度が効果的に向上される。
【0009】
同様に、上記請求項4の構成によれば、トーションビームはU形湾曲部と上側平面部と下側平面部とよりなる実質的に車輌前後方向に開いたU形断面を有し、下側平面部はトーションビームの断面係数の変化が他の部分よりも大きい特定の領域に於いて他の領域に比して上側平面部よりも大きい車輌前後方向の幅を有するので、車輪に横力が作用する場合に最も変形し易い特定の領域の強度が効果的に向上される。
【0010】
また上記請求項1又は4の構成によれば、トーションビームの特定の領域以外の領域の剪断中心は低くならないので、下側平面部がトーションビームの全長に亘り上側平面部よりも大きい車輌前後方向の幅を有する構造やU形断面の底部より下方の部分がトーションビームの全長に亘り底部より上方の部分よりも大きい延在長さを有する構造の場合に比して、車輌のロールステアのオーバステア化が低減される。
【0011】
また本発明によれば、上記主要な課題を効果的に達成すべく、請求項1の構成に於いて、前記トーションビームの両端部の前記U形断面の深さは前記トーションビームの両端へ向かうにつれて漸次増大しており、前記特定の領域は前記U形断面の深さが一定である部分と前記U形断面の深さが漸次増大する部分との間の境界部を含むよう構成される(請求項2の構成)。
【0012】
請求項2の構成によれば、トーションビームの両端部のU形断面の深さはトーションビームの両端へ向かうにつれて漸次増大しており、前記特定の領域はU形断面の深さが一定である部分とU形断面の深さが漸次増大する部分との間の境界部を含むので、他の領域の剪断中心を低くすることなく、車輪に横力が作用する場合に最も変形し易い部位の一つである境界部が確実に強化される。
【0013】
また本発明によれば、上記主要な課題を効果的に達成すべく、請求項1の構成に於いて、前記トーションビームは両端近傍の前記U形断面の底部に切欠きを有し、前記特定の領域は前記切欠きが設けられた部位を含むよう構成される(請求項3の構成)。
【0014】
請求項3の構成によれば、トーションビームは両端近傍のU形断面の底部に切欠きを有し、前記特定の領域は切欠きが設けられた部位を含むので、他の領域の剪断中心を低くすることなく、車輪に横力が作用する場合に最も変形し易い部位の一つである切欠きの部位が確実に強化される。
【0015】
【課題解決手段の好ましい態様】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、下側平面部の車輌前後方向の幅は前記特定の領域の実質的に中央に於いて最も大きく、前記特定の領域の両端へ向かうにつれて漸次小さくなるよう構成される(好ましい態様1)。
【0016】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項3の構成に於いて、トーションビームの両端部のU形断面の深さはトーションビームの両端へ向かうにつれて漸次増大しており、切欠きはU形断面の深さが一定である部分とU形断面の深さが漸次増大する部分との間の境界部若しくは該境界部に近接した位置に位置するよう構成される(好ましい態様2)。
【0017】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様2の構成に於いて、前記特定の領域は前記境界部及び切欠きが設けられた部位を含むよう構成される(好ましい態様3)。
【0018】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、前記特定の領域は車輪に横力が作用する場合に最も変形し易い部位を含むよう構成される(好ましい態様4)。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0023】
図1の(A)及び(B)はそれぞれ本発明によるトーションビーム式サスペンションの一つの実施形態を示す平面図及び背面図、図2乃至図4はそれぞれ右側のトレーリングアーム及びトーションビームの一部を示す拡大部分平面図、拡大部分背面図、拡大部分側面図である。
【0024】
これらの図に於いて、10L及び10Rはそれぞれ車輌横方向に互いに隔置された左右のトレーリングアームを示し、12は車輌横方向に延在するトーションビームを示している。トレーリングアーム10L及び10Rは実質的にS形をなす鋼製の管状部材にて形成されており、トーションビーム12は実質的に横断面U形をなす鋼板にて形成されている。トレーリングアーム10L及び10Rにはそれらの車輌内側にてトーションビーム12の後方側の位置にスプリングシート部材14L及び14Rが溶接により固定されている。
【0025】
トレーリングアーム10L及び10Rはそれぞれ前端に一体的に固定され軸線16L及び16Rを有するゴムブッシュ装置18L及び18Rにより図には示されていない車体に枢支されている。トレーリングアーム10L及び10Rの後端部には車輪キャリアとしてのブラケット20が固定されており、ブラケット20は回転軸線22の周りに回転可能に図には示されていない車輪を支持するようになっている。
【0026】
図示の実施形態に於いては、トーションビーム12のU形断面はトレーリングアームの前端より後端の方向、即ち後ろ向きに開いた形状に設定されている。またU形断面の深さはトーションビーム12の中央部に於いては一定であり、トーションビーム12の両端部に於いて両端へ向かうにつれて漸次増大しており、これによりトーションビームの湾曲した前縁12Aは両端へ向かうにつれて漸次前方へ変位している。
【0027】
トーションビーム12の両端はその端縁の溶接部24によりトレーリングアーム10L及び10Rに一体的に連結されている。特に図示の実施形態に於いては、図2に示されている如く、トーションビーム12の両端の後方部は車輌後方且つ外方へ突出する部分12Bを有し、トーションビーム12の両端の車輌前後方向中央部は車輌前後方向に延在し、両端の車輌前後方向中央部と部分12Bとの間の外縁は実質的に円弧状をなしている。
【0028】
また図示の実施形態に於いては、トーションビーム12は僅かに上方へ向けて突出する「へ」の字形をなしており、トーションビーム12のU形断面の内側に配置され両端にてトレーリングアーム10L及び10Rに固定されたトーションバー26もトーションビームに対応して僅かに上方へ向けて突出する「へ」の字形をなしている。
【0029】
図5乃至図7はそれぞれトーションビーム12の右半分を拡大して示す部分平面図、部分背面図、部分底面図であり、図8の(A)〜(D)はそれぞれ図5の線A−A、線B−B、線C−C、線D−Dに沿う拡大断面図である。
【0030】
これらの図より解る如く、トーションビーム12のU形断面はU形湾曲部28と上側平面部30と下側平面部32とよりなっている。U形湾曲部28の前縁12Aはトーションビーム12の左右方向の中央部に於いては上下方向の中心平面34よりも上方に位置し、トーションビーム12の両端へ向かうにつれて漸次低下し、トーションビーム12の両端に於いては実質的に上下方向の中心平面34の位置に位置している。
【0031】
また上側平面部30の車輌前後方向の幅Wu はトーションビーム12の全長に亘り一定であり、これによりU形湾曲部28と上側平面部30との間の稜線36は車輌の上方より見て左右方向に直線的に延在している。これに対し下側平面部32の車輌前後方向の幅Wl はトーションビーム12の中央部に於いては一定であり且つ幅Wu と実質的に同一であるが、U形断面の深さが一定である領域12Cの途中の位置12Dとトーションビーム12の両端との間の領域12Eに於いては漸次変化している。
【0032】
特に図示の実施形態に於いては、下側平面部32の車輌前後方向の幅Wl は領域12CとU形断面の深さが漸次増大する領域12Fとの間の境界部12Gよりも両端側の位置12Hに於いて最大であり、位置12Hより位置12D及び両端へ向かうにつれて漸次減少し、位置12Hは位置12Dとトーションビームの両端との中央に位置している。従って車輌の上方及び下方より見た場合のU形湾曲部28と下側平面部32との間の稜線38は、トーションビーム12の中央部に於いては左右方向に直線的に延在しているが、領域12Eに於いては位置12Hに頂点を有する三角形の斜辺の如く延在している。
【0033】
位置12Hに近接した位置にてU形断面の深さが漸次増大する領域12Fの前縁12Aには、切欠きとしての孔40及び長孔42が設けられており、長孔42は前縁12Aに沿って水平方向に対し傾斜して延在している。トーションビーム12のU形断面の深さは上述の如く領域12Fに於いて漸次増大しており、また位置12Hに近接した位置の前縁12Aには孔40及び長孔42が設けられているので、位置12H及びその近傍の部位はトーションビーム12のU形断面の断面係数が他の領域よりも大きく変化する部位、換言すれば車輪に横力が作用する場合に最も変形し易い部位である。
【0034】
トレーリングアーム10L及び10Rの後端部に固定されたブラケット20は車輌前後方向に延在する車輪支持壁部44Aと、該壁部44Aと一体をなし実質的に車輌のインボード方向へ延在する前側壁部44B及び後側壁部44Cとよりなる実質的に「コ」の字形の部材であり、車輪支持壁部44Aと一体をなし下方且つ内方へ延在する傾斜壁部44Dの外縁及び前側壁部44B、後側壁部44Cの下縁にて溶接されることにより対応するトレーリングアームに一体的に固定されている。
【0035】
特に図示の実施形態に於いては、後側壁部44Cはトレーリングアームの後端部の実質的に車輌前後方向に延在する部分に位置するのに対し、前側壁部44Bはトレーリングアームの後端より前端の方向に見て車輌のインボード方向へ湾曲し始める位置に位置している。また前側壁部44Bのアウトボード側の部分は車輌横方向に延在しているが、そのインボード側の部分は車輌の上方より見て車輌後方へ傾斜して延在している。
【0036】
更に図示の実施形態に於いては、各トレーリングアームの後端には図には示されていないショックアブソーバの下端を取り付けるためのピン46が固定されている。図9に示されている如く、ピン46は中央の大径部46Aと大径部46Aよりアウトボード側の段付きの小径部46Bと大径部46Aよりインボード側の小径部46Cとよりなり、小径部46Cの先端には雄ねじ部46Dが設けられている。
【0037】
ピン46はトレーリングアームの後端のインボード側の壁部48及びアウトボード側の壁部50に設けられた孔に挿通され、大径部46Aの外縁が壁部48に溶接され小径部46Bの外端が壁部50に溶接されることによりトレーリングアームの後端に固定されている。特に図示の実施形態に於いては、ピン46の内端はその外端よりも下方に位置し、これによりピン46の軸線52は水平方向に対し傾斜して延在している。尚図3及び図9に於いて、一点鎖線54は軸線52に対し垂直に延在する図には示されていないショックアブソーバの軸線を示している。
【0038】
上述の如く構成された実施形態によれば、トーションビーム12はU形湾曲部28と上側平面部30と下側平面部32とよりなるU形断面を有し、下側平面部32の車輌前後方向の幅Wlが上側平面部30の車輌前後方向の幅Wu よりも大きい領域12Eは、トーションビーム12のU形断面の断面係数が他の領域よりも大きく変化する領域、換言すれば車輪に横力が作用する場合に最も変形し易い部位である位置12H及びその近傍の部位を含んでいるので、幅Wl がトーションビーム12の全長に亘り幅Wu と同一である場合に比して、車輪に横力が作用する場合に最も変形し易い部位の強度を確実に向上させることができる。
【0039】
また図示の実施形態によれば、幅Wl は位置12Hに於いて最大であり、位置12Hより位置12D及び両端へ向かうにつれて漸次減少しているので、幅Wl がトーションビーム12の全長に亘り幅Wu よりも大きい場合に比して、トーションビームのU形断面の剪断中心が低くなる度合を低減し、これにより車輌のロールステアのオーバステア化を低減することができる。
【0040】
また図示の実施形態によれば、トーションビーム12のU形断面の深さは上述の如く領域12Fに於いて漸次増大しており、また位置12Hに近接した位置の前縁12Aには切欠きとしての孔40及び長孔42が設けられており、これにより車輪に横力が作用する場合に最も変形し易い部位が確実に位置12H及びその近傍の部位なるので、幅Wl を上述の如く設定することによって強度を向上させる部位を確実に上記最も変形し易い部位にすることができる。
【0041】
また一般に、トーションビームがU形断面を有するトーションビーム式サスペンションに於いて、左右の車輪が逆相にてバウンド、リバウンドすることによりトーションビームが捩られる場合には、トーションビームの両端のU形断面の開いた側の端部に最も高い応力が作用する。図示の実施形態によれば、トーションビーム12の両端の後方部は車輌後方且つ外方へ突出する部分12Bを有し、溶接部24は部分12Bの外縁にも設けられているので、部分12Bが設けられていない構造の場合に比して、トーションビーム12の両端の後方部に作用する応力を確実に担持し、これによりサスペンションの耐久性を向上させることができる。
【0042】
また図3に示されている如く、車輪キャリアとしてのブラケット20は車輌の走行に伴い車輪より前後力に加えて横力Fy 及びモーメントMを受けるので、前側壁部44B及び後側壁部44Cの下縁の溶接部にはそれらを剥離させようとする力が作用し、その力は溶接部のインボード側の端部に於いて最も大きい。そのためブラケットの耐久性を確保する目的で、前側壁部及び後側壁部の長さを大きくしたりブラケットの剛性を低下させる対策が従来より行われている。しかし前者の対策に於いては溶接部も長くなるためコストアップが避けられず、後者の対策に於いてはサスペンションの剛性の低下が避けられない。
【0043】
図示の実施形態によれば、ブラケット20の前側壁部44Bのアウトボード側の部分は車輌横方向に延在しそのインボード側の部分は車輌の上方より見て車輌後方へ傾斜して延在しているので、ブラケット20に横力Fy 及びモーメントMが作用すると、前側壁部44Bの下縁の溶接部に剥離させようとする力が作用すると共にアウトボード側の部分にそれを車輌横方向に変形させようとする力が作用する。
【0044】
従って前側壁部44Bが従来の構造と同様全体に亘り車輌横方向に延在する従来の構造の場合に比して、前側壁部44Bの下縁の溶接部のインボード側の端部に作用する力が小さくなり、これによりブラケットの耐久性を向上させることができ、また前側壁部及び後側壁部の長さを大きくしたりブラケットの剛性を低下させることは不要であり、これによりコストアップやサスペンションの剛性の低下を回避することができる。
【0045】
尚図示の実施形態に於いては、前側壁部44Bのインボード側の部分のみが車輌後方へ傾斜しているが、後側壁部44Cのインボード側の部分が傾斜されてもよく、前側壁部44B及び後側壁部44Cの両者のインボード側の部分が傾斜されてもよい。特に後者の場合には前側壁部44B及び後側壁部44Cのインボード側の部分は互いに逆方向へ傾斜されることが好ましい。
【0046】
更に図示の実施形態によれば、ショックアブソーバの下端を取り付けるためのピン46は大径部46Aよりアウトボード側に段付きの小径部46Bを有している。小径部が一つのテーパ状をなす図10に示された従来の構造(ピン46′)の場合には、鍛造により形成されたピン素材の小径部を切削加工してテーパ部46Eを形成しなければならないのに対し、図示の実施形態のピン構造によれば、鍛造のみによりピンを形成することができ、ピンを低廉に製造することができる。
【0047】
またピン46の小径部46Bは段差の間に肩部を有するので、治具を用いて行われるトレーリングアームの後端に対するピンの位置決めを肩部を利用して節度よく行うことができ、これによりピンの取り付けを従来に比して能率良く行うことができる。
【0048】
尚図示の実施形態に於けるブラケット20の構造やピン46の構造は、本発明のトーションビーム12の構成を有しないトーションビーム式サスペンションに適用されてもよく、その場合にも上述の作用効果を得ることができる。
【0049】
以上に於ては本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0051】
例えば上述の実施形態に於いては、下側平面部32の車輌前後方向の幅Wl は領域12Eに於いて漸次変化し、U形湾曲部28と下側平面部32との間の稜線38は位置12Hに頂点を有する三角形の斜辺の如く延在しているが、位置12Hに於ける幅Wl が最大である限り、稜線38は例えば図5に対応する図11に示されている如く曲線的に延在していてもよい。尚図11に於いても、図5に示された部分に対応する部分には図5に於いて付された符号と同一の符号が付されている。
【0052】
また上述の実施形態に於いては、トレーリングアーム10L及び10Rは実質的にS形をなしているが、トレーリングアームは任意の形態のものであってよく、また図示の実施形態に於けるトーションビーム12のU形断面は後ろ向きに開いた形状に設定されているが、U形断面の開き方向は後ろ向き以外の方向に設定されてもよい。
【0053】
更に上述の実施形態に於いては、トーションビーム12の両端にガセットは設けられていないが、本発明の構造はトーションビームの両端にガセットが設けられたサスペンションに適用されてもよく、その場合には所定の領域はガセットの内端の位置を含んでいることが好ましい。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明より明らかである如く、本発明の請求項1又は4の構成によれば、車輪に横力が作用する場合に最も変形し易い部位であるトーションビームの両端に近接した部位やトーションビームの断面係数の変化が他の部分よりも大きい特定の領域の強度を効果的に向上させ、トーションビームの強度向上に関する重量効率を従来に比して高くすることができる。
【0055】
また請求項1又は4の構成によれば、トーションビームの特定の領域以外の領域の剪断中心は低くならないので、下側平面部がトーションビームの全長に亘り上側平面部よりも大きい車輌前後方向の幅を有する構造やU形断面の底部より下側の部分がトーションビームの全長に亘り底部より上側の部分よりも大きい車輌前後方向の延在長さを有する構造の場合に比して、車輌のロールステアのオーバステア化を確実に低減することができる。
【0056】
また請求項2又は3の構成によれば、トーションビームの他の領域の剪断中心を低くすることなく、車輪に横力が作用する場合に最も変形し易い部位の一つである境界部又は切欠きの部位を確実に強化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)及び(B)はそれぞれ本発明によるトーションビーム式サスペンションの一つの実施形態を示す平面図及び背面図である。
【図2】右側のトレーリングアーム及びトーションビームの一部を示す拡大部分平面図である。
【図3】右側のトレーリングアーム及びトーションビームの一部を示す拡大部分背面図である。
【図4】右側のトレーリングアーム及びトーションビームの一部を示す拡大部分側面図である。
【図5】トーションビームの右半分を拡大して示す部分平面図である。
【図6】トーションビームの右半分を拡大して示す部分背面図である。
【図7】トーションビームの右半分を拡大して示す部分底面図である。
【図8】(A)〜(D)はそれぞれ図5の線A−A、線B−B、線C−C、線D−Dに沿う拡大断面図である。
【図9】図示の実施形態に於いてショックアブソーバの下端を取り付けるためのピンを示す正面図である。
【図10】従来のピンを示す正面図である。
【図11】修正例のトーションビームの右半分を拡大して示す図5と同様の部分平面図である。
【符号の説明】
10L、10R…トレーリングアーム
12…トーションビーム
20…ブラケット
26…トーションバー26
28…U形湾曲部
30…上側平面部
32…下側平面部
40…孔
42…長孔
Claims (4)
- 車輌横方向に互いに隔置され前端部にて車体に枢支され後端部にて車輪を回転可能に支持する一対のトレーリングアームと、車輌横方向に延在し前記トレーリングアームを一体的に連結するトーションビームとを有するトーションビーム式サスペンションに於いて、前記トーションビームはU形湾曲部と上側平面部と下側平面部とよりなる実質的に車輌前後方向に開いたU形断面を有し、前記下側平面部は前記トーションビームの両端近傍の特定の領域に於いて他の領域に比して前記上側平面部よりも大きい車輌前後方向の幅を有することを特徴とするトーションビーム式サスペンション。
- 前記トーションビームの両端部の前記U形断面の深さは前記トーションビームの両端へ向かうにつれて漸次増大しており、前記特定の領域は前記U形断面の深さが一定である部分と前記U形断面の深さが漸次増大する部分との間の境界部を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のトーションビーム式サスペンション。
- 前記トーションビームは両端近傍の前記U形断面の底部に切欠きを有し、前記特定の領域は前記切欠きが設けられた部位を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のトーションビーム式サスペンション。
- 車輌横方向に互いに隔置され前端部にて車体に枢支され後端部にて車輪を回転可能に支持する一対のトレーリングアームと、車輌横方向に延在し前記トレーリングアームを一体的に連結するトーションビームとを有するトーションビーム式サスペンションに於いて、前記トーションビームはU形湾曲部と上側平面部と下側平面部とよりなる実質的に車輌前後方向に開いたU形断面を有し、前記下側平面部は前記トーションビームの断面係数の変化が他の部分よりも大きい特定の領域に於いて他の領域に比して前記上側平面部よりも大きい車輌前後方向の幅を有することを特徴とするトーションビーム式サスペンション。
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