JP2719365B2 - 焦電アクチュエータ - Google Patents

焦電アクチュエータ

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JP2719365B2 JP26537588A JP26537588A JP2719365B2 JP 2719365 B2 JP2719365 B2 JP 2719365B2 JP 26537588 A JP26537588 A JP 26537588A JP 26537588 A JP26537588 A JP 26537588A JP 2719365 B2 JP2719365 B2 JP 2719365B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、マイクロメカニズムなどに適用される焦電
アクチュエータに関するものである。
〔従来の技術〕
従来、マイクロメカニズムに組み込まれるアクチュエ
ータとして、静電アクチュエータが好ましいとされてき
た。これは蓄積できるエネルギーが体積に比例する電磁
型アクチュエータや圧電アクチュエータに比べ、静電ア
クチュエータは蓄積できるエネルギーが面積に比例し、
厚さに反比例するということによるものである。つま
り、体積が小さくなるにつれて比表面積が大きくなると
いう一般的な事象に基づくものであり、それ故マイクロ
メカニズムに組み込まれるアクチュエータとして静電ア
クチュエータが有利ということになる。
静電アクチュエータの原理は、一部が重なり合って平
行に対向配置された一対の電極に電圧を印加し、該電極
間に発生する静電エネルギーを利用するもので、電極間
のずれをなくそうとする方向に働く力を利用するもの
と、電極同士を引き寄せる方向に働く力を利用するもの
とがある。
〔発明が解決しようとする課題〕 このような静電エネルギーを利用した静電アクチュエ
ータは比較的大きな出力を得るために対向配置された一
対の電極を可動子の移動方向に沿って多数配列し、これ
らの電極を逐次位相差をつけて多相駆動する方法がとら
れるため、配線が非常に複雑になるという問題があっ
た。また、配線間の浮遊容量もクロストークを生じ易い
大きさとなるため効率が悪くなり、さらに配線部の占有
容積も電極部と同程度かそれ以上の大きさとなってしま
うという問題があった。
ところで、多数の電極を多相駆動する必要のないアク
チュエータとして、光モータが知られている。この光モ
ータは光を熱エネルギーに変換し、その熱エネルギーで
磁極を構成している強磁性体を非強磁性体に相転移させ
てロータを回転させるもので、比較的室温に近い温度で
相転移する強磁性体からなる多数の磁極と、この磁極に
引力を作用させる永久磁石とから構成されている。しか
しながら、このような光モータは磁極間の相互作用を用
いるため、磁界の漏れが効率に影響を及ぼし、磁極を高
密度に配置するとクロストークの影響で効率が悪くな
る。また、体積効果である磁気エネルギーを用いるた
め、大きな出力を得るためには寸法を大きくせざるを得
ず、マイクロメカニズムには適していない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、配
線が複雑になることがなく、かつ配線間の浮遊容量もク
ロストークの生じ難い大きさに低減でき、マイクロメカ
ニズムに適した焦電アクチュエータを提供しようとする
ものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するために本発明は、強誘電体と、こ
の強誘電体の表面に配置され焦電効果によって発生した
電荷を蓄積する陽電極および陰電極と、これら陽電極お
よび陰電極の一方と一部が重なり合って対向配置され且
つ他方の電極と電気的に接続された対向電極と、前記強
誘電体に熱エネルギーを与える手段とを具備してなるこ
とを特徴とするものである。
〔作 用〕
本発明においては、強誘電体の焦電効果によって発生
する電荷の静電エネルギーを利用して移動子を移動させ
るため、多数の電極に電圧を印加して多相駆動する必要
がなくなる。
〔実施例〕
第1図は本発明による焦電アクチュエータの基本的構
成を示す図で、図中1は強誘電体である。この強誘電体
1は第2図に示すような電場−分極特性を持ち、第3図
に示すように温度差ΔTを与えると自発分極PsがΔPs変
化するものである。なお、第2図中Prは残留分極、Ecは
抗電場である。また、2,3は強誘電体1の焦電効果によ
って発生した電荷を蓄積する陽電極と陰電極で、これら
の陽電極2と陰電極3は強誘電体1の相対向する表面に
配置されている。また、4は上記陽電極2および陰電極
3のどちらか一方(この図では陽電極2)と一部が重な
り合って対向配置された対向電極である。この対向電極
4は移動子基板5の下面に取付けられ、前記陰電極3と
電気的に導通している。
このように構成される焦電アクチュエータの回路図を
第4図に示す。同図においてC1は陽電極2と陰電極3で
構成されるコンデンサ部、C2は対向電極4と陽電極2で
構成されるコンデンサ部であり、C1≪C2となっている。
上記のような構成において、強誘電体1の表面にパル
ス光6を照射すると、その光エネルギーは強誘電体1の
表面に形成された黒化膜(図示せず)に吸収され、熱エ
ネルギーに変換される。この熱エネルギーによって強誘
電体1は温度上昇し、焦電効果によって強誘電体1の表
面に+Qと−Qの電荷が現われる。なお、このときの発
生電荷量Qは強誘電体1の焦電係数p([C・cm-2・K
-1]と温度変化量ΔT[K]と電極面積A[cm2]の積
に比例する。
このようにして強誘電体1の表面に発生した電荷は陽
電極2と陰電極3で構成されるコンデンサ部C1に蓄積さ
れるとともに、陽電極2と対向電極4で構成されるコン
デンサ部C2に蓄積される。ここで、コンデンサ部C1,C2
はC1≪C2となっているので、電荷Qによる静電エネルギ
ーの大部分はコンデンサ部C2に蓄積され、そのエネルギ
ー量Wは となる。また、強誘電体1の焦電効果で発生した電荷量
が一定と見なせる時間内において、電極2,4のずれ方向
に作用する力Fxは仮想変位の法則により以下のように計
算できる。
ただし、ε0:強誘電体の真空中の誘電率、εr:強誘電体
の比誘電率、xは電極2と電極4が重なり合った部分の
長さ、y:電極2,4間の距離、l:電極2の長さである。
また、電極2と4の対向する方向に働く力Fyは となる。
(3)式と(4)式の比をとると、 となる。したがって、電極2,4間の距離dと電極幅wと
の比(d/w)が摩擦係数μより大なる条件(d/w>μ)を
満たせば移動子基板5は図中矢印方向に移動することに
なり、x=lになるまで変位する。なお、第1図では電
極4を電極2の上方に配置したが、第5図に示すような
構成でもよい。この場合には第6図に示すような回路構
成となる。
第7図は本発明の第1実施例を示すもので、図中10は
例えばガラス,セラミックス等の絶縁材料またはSi,Ge
等の表面に絶縁膜を形成した円板状の固定子基板であ
る。この固定子基板10はその中心部を貫通する固定シャ
フト11に固定され、片側の基板面には第8図に示すよう
な固定子電極12が放射状に形成されている。そして、こ
の固定子電極12の表面には誘電率の大きな誘電膜(例え
ばジルコンチタン酸鉛(PZT)膜)13が約1μm程度の
厚さで形成されている。また、14は例えばPZT等の強誘
電体からなる回転子基板で、この回転子基板14は軸受15
を介して固定シャフト11に回転可能に取付けられ、両側
の基板面には第9図に示すような回転子電極16,17が互
いに重なり合って放射状に形成されている。そして、こ
れら電極16,17のうち一方の電極たとえば16は前記誘電
体膜13にLB膜等を介して接しており、前記固定子基板10
の電極12と一定間隔に保持されている。また、他方の電
極たとえば17は導体18、固定シャフト11、導体19を介し
て固定子基板10の電極12と電気的に導通しており、その
表面には光を熱エネルギーに変換する黒化膜20が形成さ
れている。
このような構成において、強誘電体からなる回転子基
板14に光21を照射すると、黒化膜20に吸収されることに
よって熱エネルギーに変換され、この熱エネルギーによ
って電荷±Qが回転子基板14の電極16,17に発生する。
なお、このとき回転子基板14と誘電体膜13は第4図に示
したような関係を満たすことが必要である。たとえば、
回転子基板14と誘電体膜13が同じ誘電率εrを持ってい
る場合、誘電膜13の厚さが1μmで回転子基板14の厚さ
が100μmであるとすると、C1≫C2の条件を満たすこと
ができ、発生した電荷はその殆どが電極16と電極12とで
構成されるコンデンサ部に蓄積される。このようにして
蓄積された静電エネルギーは回転子基板14を回転させる
力となり、第10図および第11図に示すようなタイミング
で電荷Qを発生させることにより回転子基板14を回転さ
せることができる。なお、第10図中S1〜S6は固定側の電
極を示し、R1〜R7は回転側の電極を示したものであり、
図中の「+」は電荷が印加されている電極を示してい
る。また、この実施例では照射光21を固定シャフト11を
中心として半径rの円周上を回転させながら回転子基板
14に照射することにより、第11図に示すような電荷の印
加タイミングを得ることができる。
第12図ないし第15図は本発明の第2実施例を示す図
で、この実施例は照射光を定位置に留め、しかも照射光
の点滅も不要な焦電モータであり、第1実施例と異なる
点は照射光の回転を回転子にギヤで結合したチョッパー
で行なうところにある。すなわち、図中31は強誘電体か
らなる固定子、32,33は固定子電極、34は誘電体膜、35
は回転子、36は回転子電極、37は回転シャフト、38,39,
40,41はギヤ、42はチョッパー、43はハウジングであ
る。上記回転子35はギヤ41,40,39,38を介して回転シャ
フト37と結合しており、回転シャフト37に取付けられた
チョッパー42を回転させる構造となっている。
上記のような構成において、例えば回転子35がθ/3だ
け回転すると、チョッパー42は2θ/3だけ回転する。こ
れにより回転子35の電極36には第11図に示したようなタ
イミングで電荷が印加され、回転子35を回転させる。
なお、上述した実施例では回転型の焦電アクチュエー
タについて説明したが、第16図に示すようなリニア型の
焦電アクチュエータも実施可能である。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明は、強誘電体と、この強誘
電体の表面に配置され焦電効果によって発生した電荷を
蓄積する陽電極および陰電極と、これら陽電極および陰
電極の一方と一部が重なり合って対向配置されかつ他方
の電極と電気的に接続された対向電極と、前記強誘電体
に熱エネルギーを与える手段とを具備してなるものであ
る。したがって、従来の静電アクチュエータのように多
数配列した電極を多相駆動する必要がないので、配線が
複雑になるようなことがなく、また配線間の浮遊容量に
よるクロストークも低減でき、マイクロメカニズムに適
した焦電アクチュエータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による焦電アクチュエータの基本的構成
を示す図、第2図は強誘電体の電場−分極特性を示す
図、第3図は強誘電体の自発分極と温度との関係を示す
図、第4図は第1図の回路構成を示す図、第5図は焦電
アクチュエータの変形例を示す図、第6図はその構成
図、第7図は本発明の第1実施例を示す焦電モータの断
面図、第8図はその固定子基板を示す平面図、第9図は
同じく回転子基板の平面図、第10図は第1実施例の作用
を示す図、第11図は電荷の印加タイミングを示す図、第
12図は本発明の第2実施例を示す焦電モータの断面図、
第13図はその固定子を示す平面図、第14図は同じく回転
子の平面図、第15図はチョッパーの平面図、第16図は本
発明の第3実施例を示す焦電アクチュエータの構成図で
ある。 1……強誘電体、2……陽電極、3……陰電極、4……
対向電極、10……固定子基板、11……固定シャフト、1
2,16,17……電極、14……回転子基板(強誘電体)、20
……黒化膜、31……固定子(強誘電体)、32,33,36……
電極、35……回転子、38,39,40,41……ギヤ、42……チ
ョッパー。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強誘電体と、この強誘電体の表面に配置さ
    れ焦電効果によって発生した電荷を蓄積する陽電極およ
    び陰電極と、これら陽電極および陰電極の一方と一部が
    重なり合って対向配置され且つ他方の電極と電気的に接
    続された対向電極と、前記強誘電体に熱エネルギーを与
    える手段とを具備してなることを特徴とする焦電アクチ
    ュエータ。
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US5262695A (en) * 1991-01-24 1993-11-16 Sanyo Electric Co., Ltd. Micromachine
JP4982432B2 (ja) * 2008-06-02 2012-07-25 東海ゴム工業株式会社 誘電膜、およびその製造方法、並びにそれを用いたアクチュエータ、センサ、トランスデューサ
CN102355171B (zh) * 2011-10-21 2014-04-16 宁波大学 一种发电装置
WO2022064952A1 (ja) * 2020-09-28 2022-03-31 正毅 千葉 静電アクチュエータ

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