JP2719088B2 - 抗ウィルスフィルタおよびウィルス除去装置および熱交素子および加湿機 - Google Patents

抗ウィルスフィルタおよびウィルス除去装置および熱交素子および加湿機

Info

Publication number
JP2719088B2
JP2719088B2 JP5069698A JP6969893A JP2719088B2 JP 2719088 B2 JP2719088 B2 JP 2719088B2 JP 5069698 A JP5069698 A JP 5069698A JP 6969893 A JP6969893 A JP 6969893A JP 2719088 B2 JP2719088 B2 JP 2719088B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
virus
filter
tea
inactivating agent
heat exchange
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP5069698A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07148407A (ja
Inventor
義和 田代
良臣 ▲高▼坂
征彦 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Norin Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Norin Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=13410345&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2719088(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Mitsui Norin Co Ltd filed Critical Mitsui Norin Co Ltd
Priority to JP5069698A priority Critical patent/JP2719088B2/ja
Publication of JPH07148407A publication Critical patent/JPH07148407A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2719088B2 publication Critical patent/JP2719088B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Ceased legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気中に浮遊している
ウィルスを捕集し、捕集したウィルスを不活化する抗ウ
ィルスフィルタおよびウィルス除去装置および熱交素子
および加湿機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ウィルスの中でもかぜの病原ウィ
ルスであるインフルエンザウィルスは空気感染あるいは
飛沫感染によって流行をもたらしており、このウィルス
を除去し、不活化する抗ウィルスフィルタおよびウィル
ス除去装置および熱交素子および加湿機が要望されてい
る。
【0003】従来、ウィルスを不活化する方法として
は、紫外線があるが、紫外線は人体に対しても有害であ
るため、人が生活している空間では使用することが困難
である。また、ウィルスの大きさは0.1μm程度と非
常に小さいが、単独で空気中を浮遊しているとは考えに
くく、水分や粉塵などに溶け込んでいたり、付着しなが
ら浮遊していると考えられている。したがって、HEP
Aフィルタはもちろんのこと高性能フィルタ、中性能フ
ィルタ、エレクトレットフィルタでもウィルスを捕集す
ることは可能である。空気中のウィルスは、フィルタで
捕集し、空気中のウィルス濃度を減少させることができ
る。
【0004】また、茶ポリフェノールを主成分とした抗
ウィルス剤は、従来からインフルエンザウィルス感染予
防剤として知られている。(特開平3−101623号
公報)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の方法
では、紫外線のように人体に対して有害であるため、通
常の居住空間では用いることが困難であるという課題が
あった。また、フィルタによる捕集は可能であるが、フ
ィルタ上に捕集されたウィルスは特に大きな熱的変化な
どがないかぎり、活性力を持っており、生きた細胞など
がある場合には増殖する可能性があり、フィルタへの送
風のON時にウィルスが再飛散する可能性があるという
課題があった。さらに、フィルタに捕集されたウィルス
を紫外線で不活化することも可能であるが、紫外線はフ
ィルタの素材や機器の劣化を引き起こしやすいという課
題もあった。
【0006】さらに、茶の有効成分がウィルス、特にイ
ンフルエンザウィルスに不活化効果があり(特開平3−
101623号公報)、しかも、化学合成品ではなく、
天然物からの抽出成分であるため(特開平2−2275
5号公報)非常に安全性が高い。しかし、この感染予防
剤は、飴などの食品やうがい薬で用いるために空気中の
ウィルスを不活化するのは適していないという課題があ
った。
【0007】本発明は、上記課題を解決するもので、製
造が簡単な抗ウィルスフィルタを提供することを第1の
目的とする。
【0008】第2の目的は、集塵性能の劣化を防止し、
安価な抗ウィルスフィルタを提供することである。
【0009】第3の目的は、茶の抽出成分から茶ポリフ
ェノールを分離精製し、より効果的なウィルス不活化剤
によりフィルタに捕集されたウィルスを不活化する抗ウ
ィルスフィルタを提供することである。
【0010】第4の目的は、茶ポリフェノールから分離
精製し、少量でも効果的なウィルス不活化剤により、フ
ィルタに捕集されたウィルスを不活化する抗ウィルスフ
ィルタを提供することである。
【0011】第5の目的は、捕集性能を向上させ、不活
化性能も向上したウィルス除去装置を提供することであ
る。
【0012】第6の目的は、熱交換をする際に外気から
のウィルスの移入を防止する熱交素子を提供することで
ある。
【0013】第7の目的は、空間全体に浮遊するウィル
スを不活化する加湿機を提供するこである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の目的を達
成するための第1の手段は、茶の水溶性抽出成分を有効
成分とするウィルス不活化剤をフィルタに含浸したもの
である。
【0015】また、第2の目的を達成するための第2の
手段は、茶の抽出成分を有効成分とするウィルス不活化
剤をフィルタ素材に練り込んだものである。
【0016】また、第3の目的を達成するための第3の
手段は、茶の抽出成分である茶ポリフェノールをウィル
ス不活化剤としたものである。
【0017】また、第4の目的を達成するための第4の
手段は、茶ポリフェノールがエピガロカテキンガレー
ト、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカ
テキン、(+)カテキンおよびこれらの性体、遊離型
テアフラビン、テアフラビンモノガレートA、テアフラ
ビンモノガレートB並びにテアフラビンジガレートの中
から選ばれた少なくとも1種の物質をウィルス不活化剤
としたものである。
【0018】また、第5の目的を達成するための第5の
手段は、抗ウィルスフィルタの上流側に荷電部を設けた
ものである。
【0019】また、第6の目的を達成するための第6の
手段は、熱交素子にウィルス不活化剤を含浸または練り
込んだものである。
【0020】さらに、第7の目的を達成するための第7
の手段は、加湿水にウィルス不活化剤を混入したもので
ある。
【0021】
【作用】本発明は上記した第1の手段の構成により、集
塵性能を有するフィルタを、茶の水溶性抽出成分の有効
成分を水などの溶媒で溶かした溶液に浸し、乾燥するこ
とによって、ウィルス不活化剤をフィルタに付着させ、
抗ウィルスフィルタを簡単に製造することができる。
【0022】また、第2の手段の構成により、フィルタ
素材に茶の有効成分を練り込むため、集塵性能を損なわ
ずに、フィルタにウィルス不活化機能を持たせ、安価な
抗ウィルスフィルタを製造できるものである。
【0023】また、第3の手段の構成により、茶の有効
成分である茶ポリフェノールをウィルス不活化剤として
用い、ウィルスを不活化するものである。
【0024】また、第4の手段の構成により、茶ポリフ
ェノールであるカテキン類をウィルス不活化剤として用
い、ウィルスを不活化するものである。
【0025】また、第5の手段の構成により、荷電部を
設けることにより、ウィルス捕集性能、ウィルス不活化
性能を向上させるものである。
【0026】また、第6の手段の構成により、熱交素子
にウィルス不活化剤を付着させ、外気に含まれるウィル
スを不活化させるものである。
【0027】さらに、第7の手段の構成により、ウィル
ス不活化剤を加湿水といっしょに噴霧し、空間に浮遊す
るウィルスを不活化するものである。
【0028】
【実施例】以下、本発明の第1実施例について説明す
る。
【0029】緑茶あるいは紅茶抽出成分から分離精製し
た抽出成分を純水に溶かし、10000ppm、100
0ppmの水溶液を調製した。この水溶液にエレクトレ
ットフィルタを浸し、軽く脱水後乾燥して、エレクトレ
ットフィルタにウィルス不活化剤を付着させた。このウ
ィルス不活化剤が付着したエレクトレットフィルタをエ
レクトレットF−Gと称す。Polioウィルスおよび
Coxsackieウィルスを蒸留水で10000PF
U/mlに調製したウィルス懸濁液をエレクトレットF
−Gでろ紙のように使用してろ過する。ろ過した液をウ
ィルスろ液とする。ウィルスを捕捉したエレクトレット
F−Gを6時間室温で放置後、フィルタ上に捕捉したウ
ィルスを0.1モル炭酸緩衝液で誘出する。このウィル
スが誘出された液を誘出液とする。ウィルスろ液および
ウィルス誘出液を1ml採取し、処方の2倍濃度に調製
したMEM培地を等量混合し、細胞への接種原液とす
る。これをリン酸緩衝液で10倍段階希釈して細胞に接
種する。所定の時間ウィルスを細胞に吸着させた後、接
種したウィルス液を除去する。Plaque法によって
ウィルス量を定量し、ウィルス不活化効果を確認した。
【0030】供試ウィルスと検出に用いた細胞 (1)Polio virus type Lsc2a
b 弱毒化ワクチン株(HEL−R66 ヒト胎児肺細
胞由来) (2)Coxsakie virus type B6
標準株(HEL−R66 ヒト胎児肺細胞由来) 対象として、0ppm(水のみ)の溶液に浸したエレク
トレットフィルタも作成し比較した。その結果をPol
ioウィルスの時の結果を表1、Coxsakieウィ
ルスの時の結果を表2に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】以上のように、0ppm(水のみ)のフィ
ルタから誘出されたウィルスを100とすると、100
00ppmの茶の抽出成分の水溶液をフィルタに浸積さ
せることにより、フィルタで捕捉したウィルスを90%
以上不活化することができる。なお、実施例ではエレク
トレットフィルタでおこなったが、HEPAフィルタ、
高性能フィルタ、中性能フィルタなどでも同様の効果を
得ることができる。また、茶の抽出成分の水溶液をフィ
ルタに含浸したが、スプレーなどによる塗布についても
同様の効果を得ることができる。
【0034】一般的に有機系の化学合成品のものは人体
にも有害であるため取扱いが難しく、無機物の場合は粉
体が多いためフィルタへの付着が難しい。しかるに、
発明の茶の抽出成分は、天然物であるため安全性が高
く、しかも、水溶性であるため上記の方法で示すように
フィルタへの付着が容易であり、製造が簡単で優れたウ
ィルス不活化性能を有する抗ウィルスフィルタを提供す
ることができる。
【0035】次に本発明の第2実施例について説明す
る。エレクトレットフィルタの素材であるポリプロピレ
ンに茶の抽出成分を0.1%以上を混合し、200〜2
50℃で溶融する。その後、フィルム状に成形し、カッ
ティングし不織布化をおこなう。この不織布をフィルタ
に成形しエレクトレットフィルタとなる。練り込んだ茶
の抽出成分が繊維の表面に出てきて、フィルタで捕集し
たウィルスを不活化する。ウィルス不活化性能は実施例
1と同様の効果を示す。なお、実施例ではエレクトレッ
トフィルタでおこなったが、HEPAフィルタ、高性能
フィルタ、中性能フィルタなどでも同様の効果を得るこ
とができる。
【0036】素材に茶の抽出成分を練り込んだ場合、フ
ィルタの基本性能である集塵性能を損なうことがなく、
また、繊維の表面に徐々に茶の抽出成分がででくるた
め、ウィルス不活化性能の持続時間が長くなる。このよ
うに、集塵性能の劣化を防止し、安価な抗ウィルスフィ
ルタを提供することができる。
【0037】次に本発明の第3実施例について説明す
る。本発明の茶の抽出成分から分離精製した茶ポリフェ
ノールは、下記の化1のI式で表わされる茶カテキン類
と化2のII式で表わされる茶テアフラビン類である。こ
の茶ポリフェノールは茶葉を原料として製造することが
でき、その製造や組成の1例は特開昭59−21938
4号、同60−13780号、同61−130285号
公報などに記載されている。この茶ポリフェノールはウ
ィルス不活化剤として有効であり、第1実施例、第2実
施例で示すようにフィルタに付着させることによってフ
ィルタにウィルス不活化能力を付加することができる。
【0038】
【化1】
【0039】
【化2】
【0040】次に本発明の第4実施例について説明す
る。本発明の茶の抽出成分の茶ポリフェノールは、上記
の化1のI式で表わされる茶カテキン類と化2のII式で
表わされる茶テアフラビン類である。茶ポリフェノール
から分離精製したI式およびII式で具体的に示した、エ
ピガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、エピ
ガロカテキン、エピカテキン、(+)カテキンおよびこ
れらの性体、遊離型テアフラビン、テアフラビンモノ
ガレートA、テアフラビンモノガレートB並びにテアフ
ラビンジガレートの中から選ばれた少なくとも1種の物
質はウィルス不活化剤として有効であり、第1実施例、
第2実施例で示すようにフィルタに付着させることによ
って少量でより効果的にフィルタにウィルス不活化能力
を付加することができる。
【0041】次に本発明の第5実施例について図1を参
照しながら説明する。図1に示すように、実施例1また
は実施例2で示した方法で茶の抽出成分または茶ポリフ
ェノールを付着させたエレクトレットフィルタ1の上流
側に、放電線2と平行電極板3とからなる荷電部4を設
け、荷電部4は高圧電源装置5によって、放電線2に
+、平行電極板3に−を接続し、電圧を印加し、荷電部
4にコロナ放電を生じさせている。
【0042】上記構成により、以下その動作について説
明する。図示はしていないが、ファンなどによって送風
されたウィルスを含む空気が荷電部4に流入する。ウィ
ルスは単独で浮遊していることはなく、水分や粉塵など
に付着している。したがって、ウィルスは水分や粉塵と
同様に荷電部4を通過する際にコロナ放電によって+に
荷電させ、その後下流にあるエレクトレットフィルタ1
に捕集される。捕集されたウィルスはエレクトレットフ
ィルタ1に付着している茶の抽出成分または茶ポリフェ
ノールによって不活化される。
【0043】上流側に荷電部を設けることにより、エレ
クトレットフィルタの集塵性能は向上する。したがっ
て、ウィルスの捕集性能も向上する。また、荷電部では
コロナ放電が生じているためオゾンや電界が発生してい
る。ウィルスはオゾンや電界によっても不活化される。
荷電部によって捕集性能が向上するだけでなく、オゾン
や電界によるウィルスの不活化力も加わって、相乗効果
でウィルスを不活化する能力が向上する。
【0044】0.2m3ボックスの中に上記荷電部と茶の
抽出成分または茶ポリフェノールを付着させたエレクト
レットフィルタを設置し、1m3/分の空気を送風するた
めのファンを設置する。まず、高濃度のCoxsaki
eウィルス溶液をボックス内に噴霧し、ボックス内の初
期ウィルス濃度を測定した。トリプチケースソイブロス
を100mlいれたインピンジャーによってボックス内
の空気中のウィルスを捕集し(26リットル/分、10
分間吸引)、実施例1に示すPlaque法によってウ
ィルス量を定量した。次にボックス内を洗浄後、再度ウ
ィルス溶液を上記と同一条件で噴霧し、ファンを運転し
送風した。10分間運転後ボックス内の空気中のウィル
ス濃度を上記同様にインピンジャーによって捕集し、P
laque法によってウィルス量を定量した。その結果
を表3に示す。対象として、荷電部やフィルタがなくフ
ァンのみ運転した場合の結果を示す。
【0045】
【表3】
【0046】ファンのみで運転しただけではウィルス濃
度はあまり減少しないが、荷電部+茶の抽出成分または
茶ポリフェノールを付着させたエレクトレットフィルタ
を設置した場合、10分間運転後にはウィルス濃度が0
になった。また、このウィルスを捕集したエレクトレッ
トフィルタからウィルスを誘出しウィルスを測定したが
検出されず、フィルタ上のウィルスはほとんど不活化さ
れた。
【0047】なお、実施例では放電線に+、平行電極に
−を接続して電圧を印加したが、逆に放電線に−、平行
電極に+を接続しても同様の効果が得られる。また、放
電線の代りに放電針など、コロナ放電が生じてウィル
ス、水分、粉塵などを荷電させるものであれば同様の効
果が得られる。
【0048】次に本発明の第6実施例について図2を参
照しながら説明する。図2に熱交換型換気扇などに使用
されている直交流型の熱交素子6を示す。室内からの送
風をA、室外からの送風をBとすると、AとBとは直角
に送風され、仕切板7によって仕切られており、仕切板
7を介して顕熱が交換される。また、一般に熱交素子6
は紙などの透湿性を有した材料が用いられており、仕切
板7を水分が通過するため潜熱も交換される。したがっ
て、室外からの空気Bは直接室内に流入することはない
が、室外の水分は室内へ流入する。ウィルスは単独で浮
遊していることはなく、水分や粉塵に付着しているた
め、室外の空気中に含まれるウィルスが室内に流入す
る。実施例1または実施例2で示した方法で茶の抽出成
分または茶ポリフェノールを熱交素子6に付着させるこ
とにより、ウィルスを不活化し室外のウィルスが室内へ
流入することを防止することができる。
【0049】なお、実施例では直交流型の熱交素子を示
したが、対交流型あるいは回転型の熱交素子でも同様の
効果が得られる。
【0050】次に本発明の第7実施例について図3を参
照しながら説明する。図3に超音波加湿機8の断面図を
示す。加湿水に茶の抽出成分または茶ポリフェノールな
どのウィルス不活化剤を混入することによって、加湿機
で加湿する際に、ウィルス不活化剤が空間に浮遊し、空
気中のウィルスと作用し、ウィルスを不活化することが
でき、このようにウィルス不活化性能を有した加湿機を
提供することができる。茶の抽出成分または茶ポリフェ
ノールはウィルスと作用すると、ウィルスを包み込み人
への感染する能力が失われる。また、茶の抽出成分また
は茶ポリフェノールを吸込んだ場合には、人の細胞を保
護してウィルスの感染を防止する。したがって、加湿機
だけではなく、吸入器でも人へのウィルスの感染を防止
することができる。なお、実施例では超音波加湿機で説
明したが、ヒータ式加湿機、スプレー式加湿機など、加
湿水といっしょに茶の抽出成分または茶ポリフェノール
を噴霧するものであれば同様の効果が得られる。
【0051】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、安全
で取扱いが容易であり、製造が簡単で優れたウィルス不
活化性能を有する抗ウィルスフィルタを提供することが
できるという実用上大きな効果が得られる。
【0052】また、素材に茶の抽出成分または茶ポリフ
ェノールを練り込むため、フィルタの基本性能である集
塵性能を損なうことがなく、また、繊維の表面に徐々に
茶の抽出成分がででくるため、ウィルス不活化性能の持
続時間が長くなり、集塵性能の劣化を防止し、安価な抗
ウィルスフィルタを提供することができる。
【0053】また、荷電部によって捕集性能が向上する
だけでなく、オゾンや電界によるウィルスの不活化力も
加わって、相乗効果でウィルスを不活化する能力を向上
させるウィルス除去装置を提供することができる。
【0054】また、茶の抽出成分または茶ポリフェノー
ルを熱交素子に付着させることにより、ウィルスを不活
化し室外のウィルスが室内へ流入することを防止するこ
とができる熱交素子を提供することができる。
【0055】さらに、加湿水といっしょに茶の抽出成分
または茶ポリフェノールを噴霧することにより、空気中
のウィルスを不活化し、人への感染を防止できる加湿機
を提供できるという実用上大きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第3実施例の上流側に荷電部を設けた
ウィルス除去装置の断面図
【図2】同第4実施例の熱交素子の斜視図
【図3】同第5実施例の加湿機の断面図
【符号の説明】
1 茶の抽出成分または茶ポリフェノールを付着させた
エレクトレットフィルタ 4 荷電部 6 熱交素子 8 超音波加湿機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 征彦 東京都中央区日本橋室町3−1−20 三 井農林株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−41166(JP,A) 特開 平3−101623(JP,A) 特開 平3−77817(JP,A) 特開 平2−25413(JP,A) 特開 平1−249145(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 茶の水溶性抽出成分を有効成分とするウ
    ィルス不活化剤をフィルタに含浸した抗ウィルスフィル
    タ。
  2. 【請求項2】 茶の抽出成分を有効成分とするウィルス
    不活化剤をフィルタ素材に練り込んだ抗ウィルスフィル
    タ。
  3. 【請求項3】 茶の抽出成分である茶ポリフェノールを
    ウィルス不活化剤とする請求項1または請求項2記載の
    抗ウィルスフィルタ。
  4. 【請求項4】 茶ポリフェノールがエピガロカテキンガ
    レート、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エ
    ピカテキン、(+)カテキンおよびこれらの属性体、遊
    離型テアフラビン、テアフラビンモノガレートA、テア
    フラビンモノガレートB並びにテアフラビンガレートの
    中から選ばれた少なくとも1種の物質をウィルス不活化
    剤とする請求項1または請求項2記載の抗ウィルスフィ
    ルタ。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2または請求項3
    または請求項4記載の抗ウィルス不活化剤を含浸または
    練り込んだ前記抗ウィルスフィルタの上流側に荷電部を
    設けたウィルス除去装置。
  6. 【請求項6】 熱交素子に請求項1または請求項2また
    は請求項3または請求項4記載のウィルス不活化剤を含
    浸または練り込んだ熱交素子。
  7. 【請求項7】 加湿水に請求項1または請求項2または
    請求項3または請求項4記載のウィルス不活化剤を混入
    した加湿機。
JP5069698A 1993-03-29 1993-03-29 抗ウィルスフィルタおよびウィルス除去装置および熱交素子および加湿機 Ceased JP2719088B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5069698A JP2719088B2 (ja) 1993-03-29 1993-03-29 抗ウィルスフィルタおよびウィルス除去装置および熱交素子および加湿機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5069698A JP2719088B2 (ja) 1993-03-29 1993-03-29 抗ウィルスフィルタおよびウィルス除去装置および熱交素子および加湿機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07148407A JPH07148407A (ja) 1995-06-13
JP2719088B2 true JP2719088B2 (ja) 1998-02-25

Family

ID=13410345

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5069698A Ceased JP2719088B2 (ja) 1993-03-29 1993-03-29 抗ウィルスフィルタおよびウィルス除去装置および熱交素子および加湿機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2719088B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006021095A (ja) * 2004-07-07 2006-01-26 Matsushita Ecology Systems Co Ltd フィルターおよび多孔質剤および空気清浄機および不織布およびマスクおよび熱交素子および加湿器およびウイルス不活化処理方法

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5888527A (en) * 1995-05-11 1999-03-30 Matsushita Seiko Co., Ltd. Gargling cup, antiviral mask, antiviral filter, antifungal, antibacterial, and antiviral filter air cleaner and air-cleaner humidifier
GB2300578B (en) * 1995-05-11 1998-01-14 Matsushita Seiko Kk Gargling cup,antiviral mask,antiviral filter,antifungal,antibacterial,and antiviral filter air cleaner and air-cleaner-humidifier
US20030086986A1 (en) * 1998-08-06 2003-05-08 Bruijn Chris De Ophthalmic, pharmaceutical and other healthcare preparations with naturally occurring plant compounds, extracts and derivatives
TW506838B (en) * 1998-11-12 2002-10-21 Erubu Kk Functional form and process for the production of the same
US6420026B1 (en) 1999-09-21 2002-07-16 Kabushiki Kaisha Erubu Composite filament, process for the production of the same, and heat fused article
KR100665980B1 (ko) 1999-11-30 2007-01-10 가부시키가이샤 에루부 복합성형물 및 그 제조방법
JP2007147278A (ja) * 2001-07-19 2007-06-14 Mitsubishi Electric Corp 空気調和機
JP4591458B2 (ja) * 2001-07-19 2010-12-01 三菱電機株式会社 空気調和機
JP2003097826A (ja) * 2001-07-19 2003-04-03 Mitsubishi Electric Corp 空気調和機、空気調和機の運転方法
KR100455923B1 (ko) * 2002-06-11 2004-11-06 삼성전자주식회사 다기능 폴리프로필렌 필터
JP3649241B1 (ja) * 2003-03-04 2005-05-18 ダイキン工業株式会社 空気清浄部材および空気調和装置
JP4667978B2 (ja) * 2005-06-29 2011-04-13 古河スカイ株式会社 アルミニウム塗装板及びプレコートアルミニウムフィン材
JP4967126B2 (ja) * 2006-12-22 2012-07-04 国立大学法人宇都宮大学 殺菌方法
JP2010030951A (ja) * 2008-07-29 2010-02-12 Fujifilm Corp 有害物質除去材及び有害物質除去方法
KR101176305B1 (ko) * 2009-10-14 2012-08-23 웅진코웨이주식회사 붉나무 추출물을 포함하는 인플루엔자 바이러스 감염의 예방용 조성물, 상기 조성물을 포함하는 기상필터 및 상기 필터를 포함하는 공기청정기
CN102188855A (zh) * 2011-04-30 2011-09-21 佛山市顺德区阿波罗环保器材有限公司 一种茶氨酸过滤网的制作方法
WO2017110767A1 (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 焼津水産化学工業株式会社 抗ノロウイルス組成物及びその利用

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01249145A (ja) * 1988-03-31 1989-10-04 Akira Mizuno エアフィルタ
JP2979514B2 (ja) * 1988-07-14 1999-11-15 株式会社伊藤園 う蝕予防剤の製造方法
JPH0241166A (ja) * 1988-07-29 1990-02-09 New Japan Radio Co Ltd 除菌用フィルタ
JP2588031B2 (ja) * 1989-08-21 1997-03-05 太陽化学株式会社 茶ポリフェノール化合物含有口腔洗浄剤
JP2727471B2 (ja) * 1989-09-14 1998-03-11 三井農林株式会社 インフルエンザウィルス感染予防剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006021095A (ja) * 2004-07-07 2006-01-26 Matsushita Ecology Systems Co Ltd フィルターおよび多孔質剤および空気清浄機および不織布およびマスクおよび熱交素子および加湿器およびウイルス不活化処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07148407A (ja) 1995-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2719088B2 (ja) 抗ウィルスフィルタおよびウィルス除去装置および熱交素子および加湿機
US5888527A (en) Gargling cup, antiviral mask, antiviral filter, antifungal, antibacterial, and antiviral filter air cleaner and air-cleaner humidifier
US5747053A (en) Antiviral filter air cleaner impregnated with tea extract
CN109833667B (zh) 一种含NaCl微粒的滤材及其制备方法与应用
US20060021302A1 (en) Anti-microbial air filter
US20060278086A1 (en) Air cleaner, functional filter and method of manufacturing the filter, air cleaning filter, and air cleaner device
CN101041084B (zh) 一种抗过敏防霉材料的制造方法
JP2005152793A (ja) 機能性フィルターと装置および製造方法
JP2000005531A (ja) 抗アレルゲンフィルターと該フィルターを設けた空気清浄機および換気装置およびマスク
JP3250940B2 (ja) 抗ウイルスフィルタおよび空気清浄装置および空気清浄加湿装置
JPH11188214A (ja) 空気清浄装置、空気調和装置および熱交換換気装置
CN111578405A (zh) 空气净化器及空气净化方法
JP3712790B2 (ja) 防カビ抗菌抗ウイルスフィルター
JP3633883B2 (ja) 抗ウイルスマスク
JP2008132405A (ja) 空気清浄用濾材及び車室内浄化用空気清浄フィルタ
JP2004044840A (ja) 空気清浄機
CN103673108A (zh) 远程防爆pm2.5净化工艺及其装置
US20230157297A1 (en) Antiviral and antibacterial composition
JP4776896B2 (ja) フィルターおよび不織布およびマスク
JPH1045505A (ja) インフルエンザウイルス不活化剤
JPH08333271A (ja) 抗ウイルスマスク
CN2391121Y (zh) 静电灭菌空气净化机
CN212157473U (zh) 空气净化装置及空气净化器
JP2000327512A (ja) 抗菌消臭剤とそれを用いたフィルタ
KR20130114016A (ko) 알레르기 물질 또는 독감 바이러스 제거 필터

Legal Events

Date Code Title Description
RVOP Cancellation by post-grant opposition
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370