JP3712790B2 - 防カビ抗菌抗ウイルスフィルター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気中に浮遊しているカビ・細菌・ウイルスを捕集し、捕集したカビ・細菌を死滅させ、ウイルスを不活化し、空気浄化を行う防カビ抗菌抗ウイルスフィルターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、病院・食品工場などでカビ・細菌汚染や、人が多く集まる所でのインフルエンザウイルスの空気感染をもたらしており、カビ・細菌・ウイルスを捕集し、死滅・不活化させ、空気を清浄化させることが望まれている。
【0003】
また、一般にカビ・細菌を中心とする微生物を死滅させることは、行われているが、人体に病気をもたらす微生物としては、ウイルスを中心とするものが多く、病院・学校・老人ホームのような抵抗力の弱い人が多く集まる建物の空気の浄化にウイルスを不活化する機能が要望されている。
【0004】
以下、その構成について図4を参照しながら説明する。図4に示すように、集塵フィルターユニット101には、不織布ろ材102がプリーツ状もしくは、平板状で設けてある。不織布ろ材102には、ガラス繊維・ポリプロピレン等の不織布が用いられ、不織布ろ材102の表面には、防カビ剤・抗菌剤が添着してあるものもあった。集塵フィルターユニット101は、空調機・送風機を用いて通風され、大気粉塵や室内の粉塵が不織布ろ材102で捕集された。
【0005】
捕集された粉塵内には、カビ・細菌・ウイルスも含まれ、不織布ろ材102にカビ・細菌・ウイルスが堆積し、繁殖する恐れがあった。
【0006】
また、不織布102に防カビ剤・抗菌剤が添着してあるものは、カビ・細菌を死滅させるものもあった。
【0007】
また、この様な不織布の防カビ剤には、有機窒素系・硫黄系、有機酸エステル、有機ヨウ素系イミダゾール化合物、ベンザゾール化合物、抗菌剤には、銀系・亜鉛系、アルコール系フェノール系、第4アンモニウム塩、安息香酸類、過酸化水素、クレゾール、クロルヘキシジン、イルガサン、アルデヒド類、ソルビン酸等の薬剤を、一般的には使用していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の集塵フィルターユニットでは、空調機等を長時間運転すると、不織布表面に粉塵が堆積していく。不織布ろ材表面に添着している防カビ性を有する素材・抗菌性を有する素材・抗ウイルス性を有する素材は、堆積した粉塵表面のカビを死滅・不活化する効果が弱く、フィルター表面に堆積したカビの繁殖する恐れがあった。
【0009】
本発明は、このような従来の課題を解決するもので、粉塵に防カビ剤が潮解し、積極的に死滅・不活化させることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
記課題を解決するための本発明の防カビ抗菌抗ウイルスフィルターは、防カビ剤と潮解性を持つ成分と界面活性剤を混合し前記防カビ剤を前記潮解性を持つ成分に分散させその潮解性を与えられた前記防カビ剤を添着した防カビ抗菌抗ウイルスフィルターとしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、防カビ剤に界面活性剤と緑茶あるいは、紅茶成分から分離精製した潮解性を持つ抽出成分を混合し分散し、潮解性を持たせた防カビ性を有する素材とする防カビ抗菌抗ウイルスフィルターとしたものであり、防カビ抗菌抗ウイルスフィルター表面に堆積した粉塵に積極的に溶け込み、防カビ抗菌抗ウイルスフィルター表面のカビの発生を防止し、防カビ抗菌抗ウイルスフィルターの交換、及びメンテナンス時のカビの2次感染を防止するという作用を有する。
【0012】
【実施例】
(参考例1)
図1は、フィルターろ材を示し、図1において防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は不織布102の防カビ剤2と抗菌剤3と抗ウイルス剤4を備え、カビ・細菌・ウイルスは、死滅・不活化される。上記構成により、防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は空気を浄化し、真菌症・細菌感染・インフルエンザ等のウイルス感染を予防するという作用を行うこととなる。
【0013】
詳述すると、図1に示すように、防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1には、防カビ性を有する素材2と抗菌性を有する素材3と抗ウイルス性を有する素材4を添着している。防カビ性を有する素材2としては、ベンゾール化合物、抗菌性を有する素材3としては、銀系の無機物質、抗ウイルス性を有する素材4としては、植物抽出物のフラボノイド類を使用している。
【0014】
防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は、不織布102に銀系無機物0.01〜10g/m2 を添着した後、植物抽出成分を純水に溶かし、0.1〜10wt%の水溶液を調製し、この水溶液に浸し、軽く脱水後乾燥する。その後、ベンゾール化合物を純水に溶かし、0.1〜10wt%の水溶液を調製し、この水溶液に乾燥したものを浸し、軽く脱水後乾燥したものである。
【0015】
上記、銀系無機物は、0.01g/m2 以上の量を添着しないとフィルターからの抗菌性能が現れず、10g/m2以上を添着すると、フィルターの不織布繊維を覆い、不織布の捕集性能を低下させたり、フィルターから脱離するため、この濃度で添着することが望ましい。
【0016】
上記、ベンゾール化合物は、0.1wt%以上の量を添着しないとフィルターからの防カビ性能が低く、耐久性能が弱くなる。また、10wt%以上を添着すると、フィルターの不織布より臭いが発生したり、不織布繊維ろ材を潰し、不織布の捕集性能を低下させたり、フィルターから脱離するため、この濃度で添着することが望ましい。
【0017】
上記、植物抽出成分のフラボノイド類は、0.1wt%以上の量を添着しないとフィルターからの抗ウイルス性能が低く、耐久性能が弱くなる。また、10wt%以上を添着すると、フィルターの不織布繊維を覆い、不織布の捕集性能を低下させたり、フィルターから脱離するため、この濃度で添着することが望ましい。
【0018】
また、有機系物質と無機系物質とフラボノイド類は、各物質を混合したときに反応性が低いものが望ましい。
【0019】
また、カビ・細菌・ウイルスの死滅・不活化を促進させる効果が得られる。例えば、有機物質にも1部のウイルスを不活化させる効果があり、無機物質にも1部のウイルスを不活化する効果が有り、フラボノイド類にも、1部のカビ・細菌を死滅させる効果がある。
【0020】
上記構成において、図示はしていないが、集塵フィルターユニット101は空調機や送風機により送風され、室内もしくは室外のカビ・細菌・ウイルスを含んだ汚れた空気が防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1に通風される。このとき、カビ・細菌・ウイルスは、防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1に捕集され、防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1に付着している防カビ剤・抗菌剤・抗ウイルス剤により死滅・不活化され、清浄な空気だけが、室内に送られる。
【0021】
なお、防カビ剤・抗菌剤・抗ウイルス剤の添着順番は、変わってもよい。なお、防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1の不織布102には、中性能フィルター、高性能フィルター、HEPAフィルター、エレクトレットフィルターなどの捕集性能を有したフィルター素材を用いることができる。
【0022】
なお、各溶剤を樹脂に練りこみ、練り込んだ樹脂を不織布102に添着してもよい。
【0023】
なお、各溶剤を樹脂に練り込み、練り込んだ樹脂で不織布102を作製してもよい。
【0024】
なお、防カビ剤は、有機窒素系・硫黄系、有機酸エステル、有機ヨウ素系イミダゾール化合物、植物精油、チアベンゾール化合物を使用してもよい。
【0025】
なお、抗菌剤は、亜鉛系、アルコール系 フェノール系、第4アンモニウム塩、安息香酸類、過酸化水素、クレゾール、クロルヘキシジン、イルガサン、アルデヒド類、ソルビン酸、植物精油を使用してもよい。
【0026】
なお、抗ウイルス剤は、銀系、アルコール系、アルデヒド類、植物精油を使用してもよい。
【0027】
(参考例2)
図1は、フィルターろ材を示し、図1において防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は不織布102の防カビ剤2と抗菌剤3と抗ウイルス剤4を備え、抗菌剤3と抗ウイルス剤4として茶の抽出成分を用いるもので、カビ・細菌・ウイルスは、死滅・不活化される。上記構成により、防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は空気を浄化し、フィルター作製やフィルター交換時に抗菌・抗ウイルス素材が脱離して飛散し、作業者が吸い込んでも人体影響が少なく、フィルター加工者や防カビ抗菌抗ウイルスフィルターの交換、メンテナンス時の作業者の安全性を向上させるという作用を行うこととなる
【0028】
詳述すると、図には示していないが、防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は、茶(緑茶・紅茶・ウーロン茶等)の抽出成分と防カビ性を有する素材2を添着した不織布で構成されている。
【0029】
防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は、不織布102に茶の抽出成分を純水に溶かし、0.1〜10wt%の水溶液を調製し、この水溶液に浸し、軽く脱水後乾燥する。その後、ベンゾール化合物を純水に溶かし、0.1〜10wt%の水溶液を調製し、この水溶液に乾燥したものを浸し、軽く脱水後乾燥したものである。
【0030】
上記、茶の抽出成分は、0.1wt%以上の量を添着しないとフィルターからの抗菌・抗ウイルス性能が低く、耐久性能が弱くなる。また、10wt%以上を添着すると、フィルターの不織布繊維を覆い、不織布の捕集性能を低下させたり、フィルターから脱離するため、この濃度で添着することが望ましい。
【0031】
上記、ベンゾール化合物は、0.1wt%以上の量を添着しないとフィルターからの防カビ性能が低く、耐久性能が弱くなる。また、10wt%以上を添着すると、フィルターの不織布より臭いが発生したり、不織布繊維ろ材を潰し、不織布の捕集性能を低下させたり、フィルターから脱離するため、この濃度で添着することが望ましい。
【0032】
上記茶の抽出成分は、抗ウイルス性能を有し、また、大腸菌・黄色ブドウ球菌等の一般細菌にも抗菌性能を有したもので、不織布102に添着することで、抗菌・抗ウイルス性を同時に付加する事ができ、銀系無機物を使用せず、工業的に容易に作製でき、天然素材のため、人にやさしく、加工時や添着後に、不織布から抗菌・抗ウイルス剤が脱離しても安全なものが提供できる。
【0033】
(参考例3)
図1は、フィルターろ材を示し、図1において防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は不織布102の防カビ剤2と抗菌剤3と抗ウイルス剤4を備え、抗菌剤3と抗ウイルス剤4として、エピガロカテキンガレード、エピカテキンガレード、エピガロカテキン、エピカテキン(+)カテキンおよびこれらの属性体、遊離型エアフラビン、エアフラビンモノガレードA、エアフラビンモノガレードB並びにエアフラビンジガレードの中から選ばれた少なくとも1種の物質を用いるもので、カビ・細菌・ウイルスは、死滅・不活化される。上記構成により、防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は空気を浄化し、フィルターに堆積した粉塵内の細菌・ウイルスを効率良く死滅・不活化するという作用を行うこととなる。
【0034】
詳述すると、図には示していないが、防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は、抗菌・抗ウイルス剤を緑茶あるいは、紅茶成分から分離精製した抽出成分のエピガロカテキンガレード、エピカテキンガレード、エピガロカテキン、エピカテキン(+)カテキンおよびこれらの属性体、遊離型エアフラビン、エアフラビンモノガレードA、エアフラビンモノガレードB並びにエアフラビンジガレードの中から選ばれた少なくとも1種の物質とし、防カビ性を有する素材2を添着した不織布で構成されている。
【0035】
防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は、不織布102に緑茶あるいは、紅茶成分から分離精製した抽出成分を純水に溶かし、0.05〜5wt%の水溶液を調製し、この水溶液に浸し、軽く脱水後乾燥する。その後、ベンゾール化合物を純水に溶かし、0.1〜10wt%の水溶液を調製し、この水溶液に乾燥したものを浸し、軽く脱水後乾燥したものである
【0036】
上記、緑茶あるいは、紅茶成分から分離精製した抽出成分は、0.05wt%以上の量を添着しないとフィルターからの抗菌・抗ウイルス性能が低く、耐久性能が弱くなる。また、5wt%以上を添着すると、フィルターの不織布繊維を覆い、不織布の捕集性能を低下させたり、フィルターから脱離するため、この濃度で添着することが望ましい。
【0037】
上記抗菌・抗ウイルス剤は、緑茶あるいは、紅茶成分から分離精製した抽出成分では、不純物があるため、精製した茶ポリフェノールにすることで、効率的に細菌・ウイルスを死滅・不活化することができ、茶ポリフェノールは潮解性が高く、堆積した粉塵の細菌・ウイルスの死滅・不活化を促進でき、空調機からのカビ・細菌・ウイルスを取り除いた浄化された空気が提供できる。
【0038】
また、空調機等のメンテナンス時にも、防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1から抗ウイルス・抗菌剤が飛散しても問題ない。
【0039】
(参考例4)
図1は、フィルターろ材を示し、図1において防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は不織布102の防カビ剤2と抗菌剤3と抗ウイルス剤4を備え、防カビ性を有する素材を抗菌剤・抗ウイルス剤と分散性の高い防カビ剤とするもので、カビ・細菌・ウイルスは、死滅・不活化される。上記構成により、防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は空気を浄化し、不織布添着加工作業者に付着した時に、簡単に洗い流すことができ、加工作業者の安全性を向上させ、工業的にも扱いやすくするという作用を行うこととなる。
【0040】
詳述すると、防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は、不織布に防カビ性を有する素材2を抗菌剤・抗ウイルス剤と分散性の高いベンゾール化合物とし、ベンゾール化合物と抗菌・抗ウイルス剤を添着した不織布で構成されている。
【0041】
防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は、不織布102に緑茶あるいは、紅茶成分から分離精製した抽出成分を純水に溶かし、0.05〜5wt%の水溶液を調製し、この水溶液に浸し、軽く脱水後乾燥する。その後、ベンゾール化合物を純水に溶かし、0.1〜10wt%の水溶液を調製し、この水溶液に乾燥したものを浸し、軽く脱水後乾燥したものである。
【0042】
上記分散性の高い防カビ剤とは、抗菌剤・抗ウイルス剤と混合した際に、乳化・凝集が起こらないものである。また、不織布より、いやな臭いの発生を防止し、フィルターの繊維を傷め難いものである。
【0043】
上記反応性の低い防カビ剤を使用することで効率的にカビを死滅することができ、工業的に加工性がよく簡単に作製できるフィルターが提供できる。
【0044】
なお、一般に多く使用されているチアベンゾール溶剤を使用してもよい。なお、この分散性の高い防カビ剤は、抗菌・抗ウイルス剤と反応性が低く、各溶剤の効果を低下させないものが望ましい。
【0045】
(参考例5)
図2は、フィルター構造を示し、図2において防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は不織布102に防カビ性を有する素材を添着した防カビフィルター5と抗菌・抗ウイルス性を有する素材を添着した抗菌抗ウイルスフィルター6を積層し、カビ・細菌・ウイルスは、死滅・不活化される。上記構成により、防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は、カビ・細菌・ウイルスを効率良く捕集し、カビ・細菌の死滅・ウイルスの不活化する性能が増加し、フィルター交換寿命を延ばすという作用を行うこととなる。
【0046】
詳述すると、図2に示すように、防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は、目の粗い不織布(中性能フィルターもしくは、高性能フィルター)に防カビ性を有する素材2を添着し、乾燥した防カビフィルター5と、目の細かい不織布に抗菌性を有する素材3と抗ウイルス性を有する素材4を添着し、乾燥した抗菌・抗ウイルスフィルター6を積層したものである。
【0047】
防カビ性を有する素材2としては、ベンゾール化合物、抗菌性を有する素材3と抗ウイルス性を有する素材4としては、紅茶成分から分離精製した抽出成分を使用している。
【0048】
防カビフィルター5は、ベンゾール化合物を0.1〜10wt%水溶液を添着し、乾燥したフィルターで、抗菌・抗ウイルスフィルター6は、目の細かい不織布(高性能フィルターもしくは、HEPA・ULPA)に抗菌・抗ウイルス剤を添着し、乾燥したものである。
【0049】
防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は、通風される空気に対して、前段に防カビフィルター5、後段に抗菌・抗ウイルスフィルター6とする
【0050】
上記構成において、室内もしくは室外のカビ・細菌・ウイルスを含んだ汚れた空気が防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1に通風される。このとき、カビは、前段の防カビフィルター5で捕集され死滅され、細菌やウイルスは後段の抗菌・抗ウイルスフィルター6により捕集され、死滅・不活化される。
【0051】
また、一般的にカビ直径(粒径)は、0.5μm以上で、細菌・ウイルスは、0.01〜0.8μmと大きさが異なることから、例えば、前段の防カビ剤を添着した不織布を中性能フィルターや高性能フィルターに、後段の抗菌・抗ウイルス剤を添着した不織布を高性能フィルターやHEPAフィルター・ULPAフィルターに用いる。
【0052】
防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1のカビ・細菌・ウイルスの捕集性能が向上し、確実に死滅・不活化でき、防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1の捕集性能を強化し、防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1の交換時期を延長できる。
【0053】
(参考例6)
図1は、フィルターろ材を示し、図1において防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は不織布102の防カビ剤2と抗菌剤3と抗ウイルス剤4を備え、防カビ剤2と抗菌剤3と抗ウイルス剤4を混合し、不織布102に添着して作製されたもので、カビ・細菌・ウイルスは、死滅・不活化される。上記構成により、防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は空気を浄化し、不織布の添着が容易にでき、品質管理を簡単にできるという作用を行うこととする。
【0054】
詳述すると、図には示していないが、防カビ抗菌抗ウイルスフィルターは、ベンゾール化合物を0.1〜10wt%と抗菌・抗ウイルス剤を0.1〜10wt%の水溶液を調製し、この水溶液に不織布を浸し、軽く脱水後乾燥するものである。ベンゾール化合物と抗菌・抗ウイルス剤は、反応性が低く、添着時に混合することができる。
【0055】
上記構成より、カビ・細菌・ウイルスは不織布により捕集され、死滅・不活化され、防カビ・抗菌・抗ウイルス性能を同時に不織布に添着する事ができるため、工業的に容易に作製でき、低コストの防カビ抗菌抗ウイルスフィルターを提供できる。
【0056】
なお、分散剤を混合して防カビ剤・抗菌剤・抗ウイルス剤を混合できるようにしてもよい。
【0057】
(実施例1)
図1は、フィルターろ材を示し、図1において防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は不織布102の防カビ剤2と抗菌剤3と抗ウイルス剤4と図には示していないが界面活性剤を備え、カビ・細菌・ウイルスは、死滅・不活化される。上記構成により、防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は空気を浄化し、堆積した粉塵に積極的に溶け込み、フィルター表面のカビ・細菌・ウイルスの発生を防止し、フィルターの交換、及びメンテナンス時のカビ・細菌・ウイルスの2次感染を防止するという作用を行うこととする。抗菌・抗ウイルス剤は、緑茶あるいは、紅茶成分から分離精製した抽出成分では、不純物があるため、精製した茶ポリフェノールにすることで、効率的に細菌・ウイルスを死滅・不活化することができ、茶ポリフェノールは潮解性が高く、堆積した粉塵の細菌・ウイルスの死滅・不活化を促進でき、空調機からのカビ・細菌・ウイルスを取り除いた浄化された空気が提供できる。
【0058】
詳述すると、ベンゾール化合物と界面活性剤を混合することで緑茶あるいは、紅茶成分から分離精製した抽出成分に分散しやすくなり、抗菌・抗ウイルス剤である緑茶あるいは、紅茶成分から分離精製した抽出成分の持つ潮解性をベンゾール化合物に与え、潮解性の高い防カビ性を有する素材とする。防カビ剤であるベンゾール化合物に、潮解性を持たせることとなる。
【0059】
防カビ抗菌抗ウイルスフィルターは、ベンゾール化合物を0.1〜10wt%と抗菌・抗ウイルス剤である緑茶あるいは、紅茶成分から分離精製した抽出成分を純水に溶かし、0.05〜5wt%と界面活性剤を0.01wt%以上の水溶液を調製し、この水溶液に不織布を浸し、軽く脱水後乾燥するものである。すなわち、ベンゾール化合物と界面活性剤と抗菌・抗ウイルス剤である緑茶あるいは、紅茶成分から分離精製した抽出成分を混合することで、緑茶あるいは、紅茶成分から分離精製した潮解性を持つ抽出成分に分散しやすくなり、緑茶あるいは、紅茶成分から分離精製した抽出成分の持つ潮解性をベンゾール化合物に与え、潮解性の高い防カビ性を有する素材とする。防カビ剤であるベンゾール化合物に、潮解性を持たせることとなる。
【0060】
上記構成より、長時間空調機を運転した時、防カビ抗菌抗ウイルスフィルターより防カビ・抗菌・抗ウイルス剤が溶出し、フィルター表面に堆積した粉塵内のカビ・細菌・ウイルスを死滅・不活化することができ、高い死滅・不活化性能を維持し、フィルター交換時期を延ばした防カビ抗菌抗ウイルスフィルターを提供できる。
【0061】
なお、界面活性剤としては、防カビ剤の分散性を高める溶剤であればよい。なお、抗菌剤・抗ウイルス剤の分散性を高める界面活性剤でもよい。抗菌・抗ウイルス剤として、緑茶あるいは、紅茶成分から分離精製した抽出成分がある。
【0062】
(参考例7)
図3は、フィルターろ材断面を示し、図3において防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は不織布102表面に防カビ剤2を塗布し、防カビ剤の表面に抗菌・抗ウイルス剤7を備え、カビ・細菌・ウイルスは、死滅・不活化される。上記構成により、防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は空気を浄化し、必要最小限の溶剤にすることで生産性を向上させるという作用を行うこととなる。
【0063】
詳述すると、図3に示すように、防カビ抗菌抗ウイルスフィルター1は、不織布ろ材102に防カビ性を有する素材2であるベンゾール化合物を0.1〜10wt%水溶液を塗布した後、抗菌・抗ウイルス性を有する素材7である茶の抽出成分を0.1〜10wt%水溶液に不織布102を浸し、軽く脱水後乾燥するものである。
【0064】
上記構成より、不織布ろ材102に付いた防カビ性を有する素材2の上面に抗菌・抗ウイルス性を有する素材7が付着し、抗菌・抗ウイルス性を有する素材7に付着したカビは、抗菌・抗ウイルス性を有する素材7の下部にある防カビ性を有する素材2により死滅され、細菌・ウイルスは、抗菌・抗ウイルス性を有する素材7により死滅・不活化される。
【0065】
一般的にカビの直径(粒径)は、0.5μm以上で、細菌・ウイルスは、0.01〜0.8μmと大きさが異なることから、カビの方が、不織布ろ材に捕集されやすく、また、不織布に接触する割合も大きくなる。したがって、抗菌・抗ウイルスの接触の割合を大きくする必要があり、不織布に防カビ性を有する素材2を塗布した後に抗菌・抗ウイルス性を有する素材7を塗布すると細菌やウイルスの接触する割合を増加させ、カビとの接触をも確実にできる。
【0066】
不織布に防カビ性を有する素材2を先に塗布することで、抗菌・抗ウイルス性を有する素材7と不織布上で馴染み易く、不織布に添着する量を必要最小限にすることができる。
【0067】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、防カビ剤と潮解性を持つ成分と界面活性剤を混合し前記防カビ剤を前記潮解性を持つ成分に分散させその潮解性を与えられた前記防カビ剤を添着することで、粉塵に堆積したカビに染み込み、フィルター表面での微生物の増殖を防止する効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1および参考例1乃至4、6による防カビ抗菌抗ウイルスフィルターを示す図
【図2】 本発明の参考例5による防カビ抗菌抗ウイルスフィルターを示す構造図
【図3】 本発明の参考例7による防カビ抗菌抗ウイルスフィルターを示す構造図
【図4】 従来の集塵フィルターの構造を示す概要図
【符号の説明】
1 防カビ抗菌抗ウイルスフィルター
2 防カビ剤
3 抗菌剤
4 抗ウイルス剤
5 防カビフィルター
6 抗菌・抗ウイルスフィルター
7 抗菌・抗ウイルス剤
101 集塵フィルターユニット
102 不織布ろ材

Claims (1)

  1. 防カビ剤と潮解性を持つ成分と界面活性剤を混合し前記防カビ剤を前記潮解性を持つ成分に分散させその潮解性を与えられた前記防カビ剤を添着した防カビ抗菌抗ウイルスフィルター。
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