JPH1045505A - インフルエンザウイルス不活化剤 - Google Patents

インフルエンザウイルス不活化剤

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JPH1045505A
JPH1045505A JP8220777A JP22077796A JPH1045505A JP H1045505 A JPH1045505 A JP H1045505A JP 8220777 A JP8220777 A JP 8220777A JP 22077796 A JP22077796 A JP 22077796A JP H1045505 A JPH1045505 A JP H1045505A
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JP
Japan
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filter
chlorhexidine
influenza virus
salt
synthetic resin
Prior art date
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Pending
Application number
JP8220777A
Other languages
English (en)
Inventor
Masafumi Tsuruoka
理文 鶴岡
Mieko Hasegawa
美恵子 長谷川
Mitsuru Yokota
充 横田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiwa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Daiwa Chemical Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Daiwa Chemical Industries Ltd filed Critical Daiwa Chemical Industries Ltd
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  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気清浄器のフィルターがインフルエンザウ
イルスを不活化するようにしたインフルエンザウイルス
不活化剤を提供する。 【解決手段】 インフルエンザウイルスを不活化する薬
剤としてクロルヘキシジンの有機酸または無機酸の塩類
を水溶液あるいは合成樹脂分散液と併用して、空気清浄
器のフィルター部分に処理してなるインフルエンザウイ
ルス不活化剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気清浄器の運転
時にフィルター部分でインフルエンザウイルスを不活化
する不活化剤に関する。さらに詳しくは、フィルター部
分をインフルエンザウイルス不活化剤としてクロルヘキ
シジン塩類で処理し、インフルエンザウイルスを不活化
するもので、例えば、インフルエンザウイルスなどカゼ
を蔓延させる有害なウイルスに汚染されていない清浄な
空気を送る循環送風器である。
【0002】
【従来の技術】室内の空気を換気することは、人の大勢
集合する建造物には必要で、欠くことができないもので
ある。この換気に使用される換気装置には、一応のフィ
ルターは取り付けられているが、その目的としては、大
きなゴミや塵埃の除去を主としたもので、微生物までを
除去する必要性は課せられていなかった。しかし、フィ
ルターの進歩により、一般の細菌、黴類のような微生物
の除去もある程度有効なミクロフィルターも開発される
ようになり、その応用も空気清浄器にまで検討されるよ
うになった。このインフルエンザウイルスを不活化でき
る薬剤としては、タンニンを応用したフィルターが報告
されているのみである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】空気清浄器を通して換
気を行いながら空気中の異物を除去すると同時に、その
中に浮遊している細菌あるいは黴類も除去できれば、そ
の効果もはかり知れないものがあり、多くの者がそれを
望んでいる。しかし、その効果が充分でなければ、逆に
それらを拡散していることになり、清浄ではなく、汚染
を助長していることになりかねない。特にウイルスの場
合には、非常に危険な状態になる。多くの種類の病原菌
保有者の集まる病院を始めとする医療機関、幼稚園から
大学に至るまでの各種学校、会社関係、交通機関、その
他人の集まる機関は非常に多い。これらの場所で空気清
浄器が使用されているが、特に問題になるような事態に
はなっていない。
【0004】空気清浄器を通じて病原菌汚染の心配され
るのは、空気の乾燥している冬期のインフルエンザ流行
期である。一般の伝染病と異なり、インフルエンザは広
い範囲で爆発的に蔓延するために、小、中学校における
学級閉鎖から全校にまで広がるのは空気伝染に起因して
いる。これを防止する方法は、空気清浄器のフィルター
により、インフルエンザウイルスを不活化せしめること
が最も望ましいと思われる。
【0005】空気清浄器は、この他に黴の胞子、タバコ
の煙、アレルギー性疾患の原因になっているダニの死骸
や糞、あるいはスギ花粉などが対象になっている。これ
らの除去に最も重要な役割を果たしているのがフィルタ
ーで、これの善し悪しによって、除去能率に大きな差が
現れる。本発明は、上記の実情に鑑み、空気清浄器のフ
ィルターがインフルエンザウイルスを不活化するように
したインフルエンザウイルス不活化剤を提供することを
目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を進めた結果、クロルヘキシジ
ンの有機酸または無機酸の塩類で空気清浄器のフィルタ
ーを処理すると、これが強力に作用して、インフルエン
ザウイルスを不活化することができることを見出し、本
発明を完成するに至ったのである。すなわち、本発明
は、インフルエンザウイルスを不活化する薬剤としてク
ロルヘキシジンの有機酸または無機酸の塩類を水溶液あ
るいは合成樹脂分散液と併用して、空気清浄器のフィル
ター部分に処理してなることを特徴とするインフルエン
ザウイルス不活化剤である。
【0007】ウイルスは、黴や細菌のような微生物と異
なり、自分自身では増殖することができない。生きた他
の細胞に感染して増殖する。不活化は、この感染力を失
わせることである。カゼのウイルスは約200種以上発
見されている。冬期のカゼはインフルエンザウイルス、
パラインフルエンザウイルス、RSウイルスなどによる
とされている。一般のインフルエンザは流行性感冒とい
われ、病原体はウイルスで、A,A1 ,A2 ,B,Cの
5型に分けられている。普通、患者の口や鼻から出る飛
沫に付いているウイルスを吸入して感染する。これが世
界的に大流行することもある。スペインかぜやアジアか
ぜなどが有名である。かぜということで簡単に考えるこ
とは非常に危険なことで、肺炎を起こし死に至る可能性
も高い。
【0008】本発明で用いるクロルヘキシジンは、化学
構造式中にグアニジン基が2個結合したビグアニッド基
を有するもので、このクロルヘキシジンの塩類、例え
ば、酢酸、クエン酸、グルコン酸などの有機酸塩、ある
いは塩酸、燐酸などの無機酸による塩類が強力に作用し
て、前記のように危険性を有するインフルエンザウイル
スや夏カゼのコクサッキーウイルスなどを不活化するこ
とが分かった。
【0009】クロルヘキシジンは、毒性、刺激性が低
く、肺炎菌、黄色ブドウ球菌、ジフテリア桿菌のほか化
膿連鎖球菌、変形菌、緑膿菌、コレラ菌、チフス菌、大
腸菌など殆どの有害病原菌に対してppmの単位で有効
に作用する抗菌作用の強い薬剤である。空気清浄器のフ
ィルターの処理に当たっては、クロルヘキシジンと有機
酸または無機酸の反応によって得られる塩類を水溶液、
あるいは合成樹脂分散液と併用して使用する。すなわ
ち、上記クロルヘキシジン塩類の希薄水溶液または合成
樹脂エマルジョンと併用してフィルターを処理し、乾燥
することにより水に難溶性とし、フィルターとして使用
する。
【0010】空気清浄器のフィルターにおいては、比較
的大きなホコリやゴミなどは、一番外側のプリフィルタ
ーで除去し、タバコの煙のように微細なものは、放電線
でプラスに帯電させ吸着させて除去する。この他に脱臭
機構のあるものがあるが、フィルター機構の改良により
0.01ミクロンの大きさのものまで除去が可能になっ
た。このフィルターを前記のようにクロルヘキシジン塩
類で処理し、空気清浄器に取り付けられたこのフィルタ
ーを通すことにより、クロルヘキシジン塩類の作用によ
ってインフルエンザウイルスが不活化され、インフルエ
ンザウイルスによる蔓延が抑制される。
【0011】このクロルヘキシジン塩類をフィルターに
処理する際に、必要に応じて他の添加剤、例えば、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、防虫剤、帯電防止剤、撥水剤、
着色剤、消臭剤、ワックス類、界面活性剤などを併用す
ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施例に使用したインフ
ルエンザウイルス不活化剤を、下記処方例に示す。 (処方例) グルコン酸クロルヘキシジン(40%水溶液) 40% ポリウレタン樹脂 40% 〔エラストロンMF−25、第一工業製薬(株)製品〕 ノニオン系界面活性剤 15% 〔ノイゲンEA130T、第一工業製薬(株)製品〕 水 5%
【0013】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。ただし、これらは例示のためであり、発明の範囲が
これによって制限されるものではない。 (実施例1)処方例に示したウイルス不活化剤を用い
て、空気清浄器用フィルターに処理した後、インフルエ
ンザウイルスに対する不活化試験を行った。試験方法
1,2およびその結果を表1〜4に示す。
【0014】試験方法1 薬剤処理フィルターおよび対照フィルターを直径6cm
の円型に切断し、ガラス濾過装置にセットする。ウイル
ス[A/lbaraki/1/90(H3N2)]液10mlを吸引濾過する。
濾液を10倍段階に希釈し、ウイルス感染価(TCID
50)を測定する。
【0015】
【表1】
【0016】試験方法 薬剤処理フィルター(未処理を含む)5cm2 を2〜3
mm角に細断する。ウイルス〔A/lbarahi/1/90(H3N2)]
液1mlを加え、21℃で振盪を開始する。一定時間振
盪する。液を遠心した後、ウイルス液を10倍段階に希
釈する。各々の希釈系列を細胞に接種する。各希釈段階
の細胞変性効果を確認し、ウイルス感染価(TCI
50)を測定する。
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】
【表4】
【0020】
【発明の効果】本発明のインフルエンザウイルス不活化
剤としてクロルヘキシジン有機酸または無機酸塩類を用
いた時の効果は、空気清浄器のフィルターに1.6g/
2 (純分換算)処理で、70分で90%、24時間で
は99.9%と殆ど完全に近くインフルエンザウイルス
を不活化することが可能である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インフルエンザウイルスを不活化する薬
    剤としてクロルヘキシジンの有機酸または無機酸の塩類
    を水溶液あるいは合成樹脂分散液と併用して、空気清浄
    器のフィルター部分に処理してなることを特徴とするイ
    ンフルエンザウイルス不活化剤。
JP8220777A 1996-08-05 1996-08-05 インフルエンザウイルス不活化剤 Pending JPH1045505A (ja)

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