JP2718988B2 - 目地の補修工法 - Google Patents

目地の補修工法

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JP2718988B2 JP1074643A JP7464389A JP2718988B2 JP 2718988 B2 JP2718988 B2 JP 2718988B2 JP 1074643 A JP1074643 A JP 1074643A JP 7464389 A JP7464389 A JP 7464389A JP 2718988 B2 JP2718988 B2 JP 2718988B2
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拓夫 福島
安正 林田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は目地の補修工法に関し、詳しくは水膨潤性ゴ
ムを使用した目地の補修工法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
既設セグメントトンネルなどの漏水は、セグメントの
継目からのものがほとんどである。
その漏水の仕方も様々で、小さな間隙であると自然に
目詰まりする場合もあるが、ある程度の間隙巾であると
目詰まりせず、被圧されている場合は漏水量が莫大とな
ると同時しのその勢いも激しく、その排水のための電気
代も増大する。また地下水には種々のイオンが含まれて
いて、地土や海面に放流すると空気酸化を受けて変色す
ることがあるため、その処理も必要となる。また、これ
らの漏水がある場合は、構造物表面が著しく汚染され、
また営業線の場合などでは、架線事故を起こしかねな
い。
このため現在では、これらの漏水箇所から漏水を導水
する補修工法が取られているが、漏水箇所は水に濡れて
いるため、コーキングや接着は困難でしかも耐久性に乏
しい。
現在行われている代表的な補修工法は第7図に示され
るが、これは目地導水と言って、セグメント5の継目か
ら漏水してきた水を導水管10により単にそのまま流すだ
けのものであり、漏水量を減少させる効果はない。ま
た、導水管を取りつける作業が困難であり、場合によっ
てはセグメント本体を破損させる恐れもある。
これに代わる工法として、セグメント目地に早強セメ
ントやエポキシコーキング剤を充填し、漏水そのものを
シャットアウトしようとする補修工法も試みられている
が、漏水箇所は水に濡れているため、このような充填剤
などはセグメントに接着が困難であったり、充填剤など
が硬化する前に水圧により流されてしまったりすること
から、止水が不完全であった。
上記の欠点を解消する手段として、水膨潤性ゴムの成
形品を目地に充填する工法も検討されている。水膨潤性
ゴムは水を吸収膨張することにより、その膨張圧で止水
するため、漏水箇所が水に濡れていても止水することが
可能である。
しかしながら、不揃いな目地巾の目地に挿入しやす
く、水圧で飛び出さないような形状の成形止水材は未だ
真に適当なものが考案されていない。また、水膨潤の方
向は三次元であるため、止水に必要なセグメント壁方向
への膨張が少なく、止水圧が上がらず、止水が不完全で
あった。
本発明の目的は、濡れている目地の漏水そのものを完
全にシャットアウトできるような、水膨潤性ゴム利用の
目地の補修工法を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究の結
果、本発明を完成した。
即ち、本発明の目地の補修工法は、長尺の支持板上
に、目地の形状に合わせた形状の水膨潤性ゴム層を設け
た止水材を、目地に挿入することを特徴とする。
本発明にいう目地にはセグメント目地、通常の目地、
コンクリートのクラックなどが含まれる。
本発明の長尺の支持板は、鉄板、ステンレス板、アル
ミ板などの金属製板材が利用できる。
本発明の水膨潤性ゴムとしては、例えばビニル系、ア
クリル系の単一重合体もしくは共重合体、ポリウレタン
系重合体、セルロース、デンプンまたはその変性物、架
橋物などと、ゴム類との混練物を使用することができる
が、とりわけ以下に述べる水膨潤性ポリウレタン含有可
撓性物質を使用することが好ましい。
上記の水膨潤性ポリウレタン含有可撓性物質は、一般
式 R1〔(OR2 (ここにR1は多価アルコール残基、(OR2はオキシ
エチレン基と炭素数3〜4のアルキレン基を有するオキ
シアレキレン基とからなるポリオキシアルキレン鎖を示
す。ただしオキシエチレン基の割合は分子量の20〜100
重量%を占める。nはオキシアルキレン基の重合度を示
す数で水酸基当量が200〜2500となるに相当する数。p
は2〜8、好ましくは2〜4の数である。) で示されるポリエーテルポリオールの一種または二種以
上の混合物と、ポリイソシアネート基含有ウレタンプレ
ポリマーと、架橋剤とを、天然ゴム、合成ゴム、もしく
は再生ゴム等のゴム類に混練硬化させて得ることができ
る。
上記多価アルコールとしては、例えば二価アルコール
(エチレングリコール、プロピレングリコール等)、三
価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン
等)、四価アルコール(エリトリット、ペンタエリトリ
ット等)、五価アルコール(アラビット、キシリット
等)、六価アルコール(ソルビット、マンニット等)等
がある。
上記ポリエーテルポリオールは、かかる多価アルコー
ルにアルキレンオキサイドを所望の分子量となるように
付加せしめて製造できる。かかる付加はランダムでもブ
ロックでもよい。オキシエチレン基の割合が20重量%以
下では膨潤性が不十分となり、止水材としてあまり好ま
しくない。
上記ポリイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー
としては任意のものが使用できる。末端に存在するイソ
シアネート基は1〜12%が好ましく、より好ましくは2
〜7%である。
上記架橋剤としては、一分子当たり2〜6個の活性水
素を有し、活性水素当たりの平均分子量30〜15000のポ
リオール、ポリアミン(低分子量ポリオール、低分子量
ポリオールとアルキレンオキサイドとの付加重合物、低
分子量ポリアミンと、アルキレンオキサイドとの付加重
合物等)、あるいは上記化合物の混合物を用いることが
できる。
本発明においては、水膨潤率が10%以上の水膨潤性ゴ
ムを使用することが好ましいが、かかる水膨潤率10%以
上の水膨潤性ポリウレタン含有可撓性物質を製造するた
めには、上記ウレタンプレポリマーとゴム類を、ゴム類
100重量部に対しウレタンプレポリマー10〜150重量部を
配合すればよい。
本発明の止水材は、上記支持板の片側に上記水膨潤性
ゴム層を設けて得られる。水膨潤性ゴムは目地の形状に
合わせた形状をとることができる。水膨潤性ゴム層の支
持板への装着は、通常の接着剤による接着、または加硫
接着による接着などの適当な方法で行うことができる。
また、水膨潤性ゴムを直接目地に挿入し、これに支持板
をさらに上から挿入して、目地内で止水材を形成するよ
うにしてもよい。
〔実施例〕
以下、図面により本発明の実施態様を説明する。
第1図(a)は本発明の止水材の一実施例を示す断面
図であり、この止水材1は、支持板2にテープ状の水膨
潤性ゴム3を貼り付けたものである。テープ状の水膨潤
性ゴム3は、貼り付け面と反対側を、目地の形状に合わ
せて山型に成形してある。
第1図(b)は本発明の止水材の別の実施例を示す断
面図、(c)はその斜視図であり、この止水材1は、上
記(a)の止水材に、支持板2と水膨潤性ゴム3を貫通
するボルト穴4を設けたもので、止水材を目地に挿入し
た際、ボルト穴を通してボルトを目地に打ち込み、止水
材とセグメントを一体化するものである。
第1図(d)は本発明の止水材の更に別の実施例を示
す断面図であり、この止水材1は、支持板2の水膨潤性
ゴム3との接着面に凹凸部を設け、支持板2と水膨潤性
ゴム3を強固に接着するものである。
第1図(e)は本発明の止水材の更に別の実施例を示
す断面図であり、この止水材1は、支持板2の水膨潤性
ゴム3との接着面を山型に成形し、水膨潤性ゴム3にも
これに対応する凹部を設けたもので、支持板2が水膨潤
性ゴム3を両サイドに押し込み、良好な止水効果を得る
ことができる。
第2図〜第6図に本発明の目地の補修工法の実施例を
示す。尚、これらの実施例はセグメント目地についての
実施例であるが、本発明はセグメント目地に限定される
ものではない。
本発明の目地の補修工法は、第2図に示すように、上
記の止水材1をセグメント5の目地に挿入して、目地か
らの漏水を効果的に防止するものである。なお場合によ
っては、水膨潤性ゴムと支持板を別々に目地に挿入し、
目地内で止水材を形成するようにしてもよい。
目地は凹凸が激しく、巾が一定でないのが普通である
が、本発明の止水材の水膨潤性ゴムは、漏水との接触に
よって目地側へ膨張し、漏水の隙間を埋めてしまう。
本発明の目地の補修工法は、第3図に示すように、上
記の止水材1をセグメント5の目地に挿入してさらに、
漏水防止を確実にするために、止水材1を固定する固定
金具6を打ち込むことができる。こうすることで、水膨
潤性ゴムの前面への飛び出しが確実に防止される。
固定金具としては、ばね鋼のような弾性のある材料
で、断面V字形またはW字形の押し込みの容易なもの、
または変形が容易である鉛管、鉛棒などが好ましい。
本発明の目地の補修工法は、第4図に示すように、上
記の止水材1をセグメント5の目地に挿入し、セグメン
ト本体と止水材を強固に結合させるために、上記第1図
(b)の止水材を用いてこれにボルト7を打ち込むこと
ができる。
本発明の目地の補修工法は、さらに長期に渡って、目
地からの漏水を防止するため、第5図に示すように、上
記の止水材1をセグメント5の目地に挿入し、セグメン
ト本体を止水材を強固に結合させるために、上記第1図
(b)の止水材を用いてこれにボルト7を打ち込むとと
もに、さらに止水材の末端部から裏込材8を目地に注入
することができる。
かかる本発明の裏込材としては、通常のエアーモルタ
ルとかその他のモルタルは、コンクリートとの付着、お
よびトンネルの振動に対して追随性がないため好ましく
なく、コンクリートや鉄部材との接着性が良い、ポリマ
ーセメント系、アスファルト乳剤系のモルタル、ウレタ
ン系の注入剤が好ましい。
本発明の目地の補修工法は、第6図に示すように、上
記の止水材1をセグメント5の目地に挿入し、止水材を
固定するボルト7を打ち込み、水膨潤性ゴムにより止水
を行い、目地表面が乾燥後、目地に早強セメントやエポ
キシ樹脂などのコーキング剤9を充填することにより、
いっそう確実に漏水を防止することができる。この後さ
らに裏込材8を注入してさらに完全に漏水防止を図るこ
とができる。
〔発明の効果〕
本発明の目地の補修工法は、従来のように目地からの
漏水を導水に依って処理するのではなく、独自の形状を
有する水膨潤性ゴム利用の止水材を使用することによ
り、漏水を完全にシャットアウトできるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に用いられる止水材の各種実施態様を示
すもので、(a),(b),(d)及び(e)は断面
図、(c)は(b)の斜視図である。第2図〜第6図は
それぞれ本発明の目地の補修工法の実施例を示す断面
図、第7図は従来の目地の補修工法を示す断面図であ
る。 1……止水材、2……支持体 3……水膨潤性ゴム、4……ボルト穴 5……セグメント、6……固定金具 7……ボルト、8……裏込剤 9……表面コーキング剤、10……導水管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 拓夫 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭 電化工業株式会社内 (72)発明者 林田 安正 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭 電化工業株式会社内 (72)発明者 市塚 勇 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭 電化工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−261068(JP,A) 特開 昭61−158599(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長尺の支持板上に、目地の形状に合わせた
    形状の水膨潤性ゴム層を設けた止水材を、目地に挿入す
    ることを特徴とする目地の補修工法。
JP1074643A 1989-03-27 1989-03-27 目地の補修工法 Expired - Lifetime JP2718988B2 (ja)

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