JP7097634B2 - シールドセグメントのグラウトホール用止水構造 - Google Patents

シールドセグメントのグラウトホール用止水構造 Download PDF

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Description

本発明は、トンネルのシールド工法時に形成されるグラウトホールを閉塞することによってトンネル内への漏水を抑制するグラウトホール用止水構造に関する。
トンネルのシールド工法では、シールドマシンによって掘削して掘り進みながら孔を形成し、その孔に壁面となるシールドセグメントを配置していく。シールドセグメントの裏込め部には、グラウト材と呼ばれる流動性を持った裏込め材を注入する。すなわち、グラウド材を裏込め部に注入する際には、シールドセグメントにグラウトホールと呼ばれる注入用の貫通孔を形成し、このグラウトホールを利用して、グラウド材をトンネル内側から外側へ向けて注入する。
ところが、施工後、長期間経過すると、グラウト材の劣化や、グラウトホールそのものが劣化し、これに伴ってトンネル外部の水がグラウトホールから内部へ漏水する事例が発生している。トンネル内部への漏水は、利用者にとって不都合をもたらす。
そこで、グラウトホールを止水モルタルやエポキシ樹脂等で埋めて対処する止水方法が採用されることがある。
特開2017-115377号公報
しかしながら、上述した止水モルタルやエポキシ樹脂等を用いた止水方法にも課題があった。例えば、トンネルが地震動や通過交通等の変動などの原因によって変位した場合、止水モルタルやエポキシ樹脂系の材料ではその変位への追従性に劣る。また、止水モルタルやエポキシ樹脂系の材料は、トンネル外部からの水圧、酸性水、海水等による劣化の影響を受けやすい。さらに、止水モルタルやエポキシ樹脂系の材料を使用する際には、原料の正確な計量、均一な練り混ぜが必要であり、熟練工の作業が必須である。
また、止水モルタルやエポキシ樹脂系の材料は流動しやすく、固化するまでに所定の時間を要するので、トンネル上部(天井部)への施工が困難であることや、施工時にグラウトホールの内面に密着しているかどうか分からないため止水性を確保できない可能性もあった。
加えて、止水モルタルやエポキシ樹脂系の材料が硬化するまでに損傷したり、汚染することのないように適切な養生が必要になるとともに、養生後に清掃も必要になる。よって、養生期間が長期間化してトンネルを使えない期間が長くなり、工程を圧迫することもある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、グラウトホールをトンネル内側から止水する場合に、変位への追従性を持たせながら、劣化が少なく、かつ、天井部への施工も簡単で確実な止水構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、本開示の第1の側面は、トンネルの支保工となるシールドセグメントに設けられているグラウト材注入用のグラウトホールを止水するシールドセグメントのグラウトホール用止水構造を前提とする。シールドセグメントのグラウトホール用止水構造は、前記シールドセグメントの内面で開口する前記グラウトホールの開口部よりも大きく形成され、当該開口部を閉塞可能な金属製の閉塞板と、前記閉塞板と前記シールドセグメントとの間に配置されるゴム製の中間板と、前記グラウトホールの開口部を閉塞する位置に配置された前記閉塞板を前記中間板と共に前記シールドセグメントに固定する固定部材とを備え、前記中間板は、前記閉塞板における前記シールドセグメント側の面の中央部から周縁部まで連続して延びるとともに当該面に貼り付けられた状態で前記シールドセグメントの内面に接触するように配置されている。
この構成によれば、予め成形された閉塞板及び中間板を固定部材でシールドセグメントに固定するだけで止水できるので、止水モルタルやエポキシ樹脂等を用いた場合のような計量、練り混ぜ等は不要であり、施工がより簡易的となり、熟練者でなくても施工可能である。また、止水モルタルやエポキシ樹脂等を用いた場合のような養生期間も不要となり工期短縮に繋がる。さらに、閉塞板及び中間板は定形物であるため、天井部への施工も簡易である。
施工後は、閉塞板とシールドセグメントの内面との間にゴムが介在することになるので、地震動等によってトンネルが変位してもゴムが変形することで追従可能になる。よって、閉塞板とシールドセグメントとの間からの漏水が起こりにくくなる。
また、ゴム製の中間板を閉塞板とシールドセグメントの内面とに密着させることができるので、止水性がより一層向上する。
本開示の第2の側面では、前記グラウトホールの開口部の周縁部には、シーリング材が配設されているものである。この構成によれば、止水性がより一層向上する。
本開示の第3の側面では、前記シーリング材が水の吸収によって膨張する水膨張シーリング材である。
この構成によれば、水がグラウトホール内に浸入すると、その水を水膨張シーリング材が吸収して膨張する。水膨張シーリング材の膨張圧により高い止水性を保持することが可能となる。また、シールドセグメントの内面に不陸があった場合でも水膨張シーリング材とゴム製の中間板を使用していることでシールドセグメントの内面との馴染みが良く、止水性能に優れる。
本開示の第4の側面では、前記グラウトホールの内周面は、前記シールドセグメントの内面に近づくほど大径となるように傾斜した傾斜面を有しており、前記傾斜面と、前記シールドセグメントの内面との境界部分に、前記水膨張シーリング材が配設されている。
この構成によれば、水膨張シーリング材が膨張する際、傾斜面と中間板との間で膨張することになるので、傾斜面と中間板との間を水膨張シーリング材によって封止することができる。
本開示の第5の側面では、前記固定部材は、前記シールドセグメントに固定されるとともに前記中間板及び前記閉塞板を貫通するアンカーボルトと、前記アンカーボルトにおける前記閉塞板から突出した部分に螺合するナットとを有しているものである。
この構成によれば、シールドセグメントに固定されたアンカーボルトとナットとによって閉塞板及び中間板をシールドセグメントに強固に固定することができる
以上説明したように、グラウトホールの開口部を閉塞する金属製の閉塞板をゴム製の中間板と共にシールドセグメントに固定部材によって固定するようにしたので、グラウトホールをトンネル内側から止水する場合に、変位への追従性を持たせながら、劣化が少なく、かつ、天井部への施工も簡単で確実に行うことができる。
本発明の実施形態に係るシールドセグメントのグラウトホール用止水構造が適用されたトンネルの縦断面図である。 シールドセグメントのグラウトホール用止水構造の断面図である。 シールドセグメントのグラウトホール用止水構造の分解図である。 閉塞板の平面図である。 別の例に係る閉塞板の平面図である。 アンカーボルトを固定し、水膨張シーリング材を配設した状態を示す断面図である。 アンカーボルトを固定し、水膨張シーリング材を配設した状態を示す平面図である。 変形例に係る図2相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るシールドセグメントのグラウトホール用止水構造Aが適用されたトンネル100の縦断面図である。トンネル100は、いわゆるシールド工法によって構築されている。すなわち、図示しないが、周知のシールドマシンによって地山や地下を掘削して掘り進みながら孔を形成し、その孔にトンネル100の壁面となるシールドセグメント101を配置する。このシールドセグメント101をトンネル100の周方向及びシールドマシンの進行方向に並べて配置していくことで、トンネル100を形成することができる。シールドセグメント101は、例えばコンクリート製の円弧状部材であり、トンネル100の支保工となる。隣合うシールドセグメント101の目地部は止水材等によって止水されている。
シールドセグメント101を設置した後、シールドセグメント101の裏込め部(裏側部、外側の土砂が存在する部分)には、グラウト材と呼ばれる流動性を持った裏込め材を注入して隙間を埋めるとともに、周囲の土砂を固める。グラウド材を裏込め部に注入する際には、シールドセグメント101にグラウトホール102と呼ばれる注入用の貫通孔を形成し、このグラウトホール102を利用して、グラウド材をトンネル内側から外側へ向けて注入する。尚、シールドセグメント101の裏面は、裏込め部側の面であり、シールドセグメント101の内面101aはトンネル100の壁面となる面である。
図2等に示すように、グラウトホール102は、例えば断面が円形の孔であり、シールドセグメント101の裏面に開口するとともに、シールドセグメント101の内面101aでも開口しており、グラウトホール102の内周面と、シールドセグメント101の内面101aとは区別可能になっている。シールドセグメント101の内面101aで開口するグラウトホール102の開口部102a(図3等に示す)は略円形である。グラウトホール102の内周面は、シールドセグメント101の内面101aに近づくほど大径となるように傾斜した傾斜面102bを有している。この傾斜面102bは、グラウトホール102の軸線(シールドセグメント101の厚み方向に延びる線)を基準にしたとき、その軸線に対して所定の角度を持って傾斜している。
グラウド材は、グラウトホール102に注入した後に固化するものであり、従来から周知である。グラウトホール102内には、傾斜面102bの除く部分に固化したグラウド材が存在していてもよい。グラウトホール102内に固化したグラウド材が存在している場合、各図に符号103で示すような固化後のグラウト材が存在することになる。尚、各図では、シールドセグメント101の裏込め部に存在する土砂や、裏込め部に存在するグラウト材を省略している。
また、グラウトホール102には、図示しない閉塞部材が設けられていてもよい。閉塞部材は、止水モルタルやエポキシ樹脂等を挙げることができる。本実施形態では、グラウトホール用止水構造Aを備えていることにより、閉塞部材は不要である。
グラウトホール102は、トンネル100の天井部、側部等に設けられる。グラウトホール102が設けられていることにより、トンネル100の外部の水がグラウトホール102を通ってトンネル100の内側に漏水するおそれがある。仮に、グラウトホール102を止水モルタルやエポキシ樹脂系の材料で閉塞していたとしても、施工後、長期間経過すると、止水モルタルやエポキシ樹脂系の材料が劣化してひび割れを起こしたり、グラウトホール102の内周面との間に水道ができたりし、これによって漏水が引き起こされる。
グラウトホール用止水構造Aは、グラウトホール102を止水することによって漏水を抑制するための構造である。具体的には、グラウトホール用止水構造Aは、閉塞板1と、中間板2と、複数の固定部材3と、水膨張シーリング材4を備えている。
閉塞板1は、シールドセグメント101の内面101aで開口するグラウトホール102の開口部102aよりも大きく形成され、当該開口部102aを閉塞可能な金属製部材で構成されている。閉塞板1の材料としては、耐食性が高く、かつ、高い強度を持った材料が好ましく、例えばステンレス鋼(SS400)、ステンレス鋼の表面に耐食性を向上させるためのメッキや塗装を施したもの等を挙げることができるが、これらに限られるものではなく、各種金属であってもよい。
閉塞板1の大きさは、グラウトホール102の開口部102aに重ねた時に、全周に亘って閉塞板1が開口部102aの外に位置していればよく、さらに固定のための領域が開口部102aの外に位置しているのが好ましい。つまり、閉塞板1の大きさは、グラウトホール102の開口部102aよりも大きければよく、特に限定されるものではないが、例えば、開口部102aの径の1.5倍以上の外形寸法に設定するのが好ましい。実施例としては、開口部102aの径が160mm程度である場合、閉塞板1の外形寸法は最も短い部分を300mmとすることができ、また、開口部102aの径が160mm程度である場合、閉塞板1の外形寸法は最も短い部分を250mm程度とすることもできる。
図4に示すように、閉塞板1は矩形状とすることができ、正方形状であってもよいし、長方形状であってもよい。図4に示す例では、閉塞板1が正方形状であり、一辺の長さは200mm~300mmの間で設定することができる。閉塞板1の角部に近い部分は固定のための領域であり、この部分には、後述するアンカーボルト3aが挿通する挿通孔1aが形成されている。挿通孔1aの数は任意の数に設定することができるが、閉塞板1が有する角部の数と同じにすることができる。
また、図5に示す例のように、閉塞板1は八角形状とすることもできる。図5に示す例では、閉塞板1が八角形状であることから、8つの角部に対応するように8つの挿通孔1aが形成されている。この例では、閉塞板1の左右方向(図5の左右方向)の寸法が、上下方向(図5の上下方向)の寸法よりも長く設定されているが、同じであってもよい。閉塞板1の左右方向の寸法は、300mm~450mmの間で設定することができ、また、閉塞板1の上下方向の寸法は、250mm~400mmの間で設定することができる。
尚、閉塞板1は、例えば五角形状や六角形状であってもよい。また、閉塞板1は、円形状や楕円形状、長円形状であってもよい。また、閉塞板1の厚みは、例えば5mm以上15mm以下の範囲で設定することができる。また、閉塞板1は2枚以上を積層して用いてもよい。
中間板2は、閉塞板1とシールドセグメント101の内面101aとの間に配置されるゴム製の部材である。中間板2の材料としては、シールドセグメント101の内面101aの不陸を吸収可能であるとともに、シールドセグメント101の変位に追従可能な材料であればよく、例えば、天然ゴム(NR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等からなる群の中から選ばれた1種または2種以上を混合した材料であってもよい。中間板2の材料となるゴムの硬度は、例えば30~70の間で設定することができる。中間板2の厚みは、閉塞板1よりも薄く設定されており、例えば3mm~10mmの間で設定することができる。
中間板2は、閉塞板1におけるシールドセグメント101側の面に貼り付けられた状態でシールドセグメント101の内面101aに接触するように配置されている。従って、中間板2は、予め閉塞板1と一体化し、1つの部材としておくことができる。また、中間板2を閉塞板1とシールドセグメント101の内面101aとの間に配置して固定することで、中間板2が厚み方向に圧縮荷重を受けて弾性変形する。
中間板2の外形状は閉塞板1と同じにすることができるが、中間板2の外形状を閉塞板1より小さくしてもよいし、中間板2の外形状を閉塞板1より大きくしてもよい。また、中間板2には、閉塞板1の挿通孔1aと一致する部分に、アンカーボルト3aが挿通する挿通孔2aが形成されている。
固定部材3は、グラウトホール102の開口部102aを閉塞する位置に配置された閉塞板1を中間板2と共にシールドセグメント101に固定するための部材である。この実施形態では、1つの固定部材3が、1本のアンカーボルト3aと、2つのナット3b、3bとを有している。固定部材3の数は、閉塞板1の挿通孔1aと一致しており、図4に示す例では4つの固定部材3を備えており、図5に示す例では8つの固定部材3を備えている。また、アンカーボルト3aは、閉塞板1の挿通孔1aと一致するように配置されている。
アンカーボルト3aの根元部分は、シールドセグメント101に埋め込まれた状態で離脱不能に固定されている。アンカーボルト3aのシールドセグメント101から突出した部分は、中間板2及び閉塞板1を貫通している。具体的には、アンカーボルト3aのシールドセグメント101から突出した部分は、中間板2の挿通孔2a及び閉塞板1の挿通孔1aに挿通されて当該閉塞板1からトンネル100内へ向けて突出している。アンカーボルト3aのシールドセグメント101から突出した部分には、全体にねじ溝が形成されている。アンカーボルト3aにおける閉塞板1から突出した部分にナット3b、3bを螺合させることで、閉塞板1をシールドセグメント101に締結固定することができる。2つのナット3b、3bを設けているので、いわゆるダブルナット効果によって緩みを抑制できる。アンカーボルト3a及びナット3bは、閉塞板1と同様な材料で構成することができ、上記メッキや塗装を施したものであってもよい。ナット3bの数は2つに限定されるものではなく、1つであってもよい。また、固定部材3は、図示しないが緩み止め用のワッシャ等を含んでいてもよい。
アンカーボルト3aの根元部分の形状は、図2等に示すように基端部に向かって拡大する形状とすることができ、この場合、いわゆる拡張式のアンカーボルトである。これにより、耐引き抜き性が向上する。また、アンカーボルト3aの形状は、図8に示す変形例のように、先端部から基端部まで同一形状(全ねじボルト)であってもよく、この場合は、アンカーボルト3aの根元部分をシールドセグメント101に埋め込んだ状態で接着する接着式のアンカーボルトであり、シールドセグメント101に強固に固定することができる。その他、各種アンカーボルトを使用することができる。
水膨張シーリング材4は、グラウトホール102の開口部102aの周縁部に配設されている。水膨張シーリング材4は、水の吸収によって膨張するシーリング材であり、例えばウレタン系シーリング材であってもよいし、ゴム材料に水吸収剤が含まれた材料や、ベントナイト系の粘土鉱物が含まれた材料からなるシーリング材であってもよい。水膨張シーリング材4は、ある形状を持った長尺状の定形物であってもよいし、液状のような不定形性のものであってもよい。
水膨張シーリング材4の配設位置について具体的に説明する。図6及び図7に示すように、水膨張シーリング材4は、傾斜面102bと、シールドセグメント101の内面101aとの境界部分に配設されており、開口部102aの周方向全周に連続している。また、水膨張シーリング材4は、傾斜面102bの周縁部に配設されていてもよい。水膨張シーリング材4が液状の場合には、傾斜面102bに塗布することができ、また、水膨張シーリング材4が定形物である場合には、傾斜面102bに貼り付けることができる。
(施工方法)
次に、グラウトホール用止水構造Aの施工方法について説明する。図6に示すように、グラウト材をグラウトホール102に注入した後、シールドセグメント101におけるグラウトホール102の開口部102aの周囲にアンカーボルト3aの根元部分を埋め込んで固定する。これがアンカーボルト固定工程である。また、水膨張シーリング材4を、傾斜面102bと、シールドセグメント101の内面101aとの境界部分に配設する。水膨張シーリング材4が液状の場合、粘度が高いので天井部に施工しても垂れることは殆ど無く、施工性は良好である。これがシーリング材配設工程である。アンカーボルト固定工程と、シーリング材配設工程とはどちらを先に行ってもよく、並行してもよい。また、閉塞板1と中間板2とを一体化して用意しておく。
アンカーボルト固定工程及びシーリング材配設工程後、閉塞板1と中間板2とを取り付ける取付工程を行う。取付工程では、アンカーボルト3aを閉塞板1の挿通孔1aと中間板2の挿通孔2aとに挿通し、中間板2をシールドセグメント101の内面101aに接触させる。このとき、水膨張シーリング材4が中間板2に接触するので、中間板2とシールドセグメント101の内面101aとの間が閉塞される。
次いで、ナット3b、3bをアンカーボルト3aの先端部から螺合させて締め付ける締結工程を行う。締結工程を行うことで、中間板2がシールドセグメント101の内面101aに押し付けられて弾性変形する。このとき、中間板2が所定の厚みを有していて、シールドセグメント101の内面101aの不陸(凹凸等)に沿うように変形して不陸を吸収することができる。これにより、中間板2と、シールドセグメント101の内面101aとの間に隙間ができにくくなり、漏水が抑制される。
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、この実施形態によれば、予め成形された金属製の閉塞板1と、ゴム製の中間板2を固定部材3でシールドセグメント101に固定するだけで止水できるので、止水モルタルやエポキシ樹脂等を用いた場合のような計量、練り混ぜ等は不要であり、施工がより簡易的となり、熟練者でなくても施工可能である。また、止水モルタルやエポキシ樹脂等を用いた場合のような養生期間も不要となり工期短縮に繋がる。さらに、閉塞板1及び中間板2は定形物であるため、トンネル100の天井部への施工も簡易である。
施工後は、閉塞板1とシールドセグメント101の内面101aとの間にゴム製の中間板2が介在することになるので、地震動等によってトンネル100が変位してもゴムが変形することで追従可能になる。よって、閉塞板1とシールドセグメント101との間からの漏水が起こりにくくなる。
また、水がグラウトホール102内に浸入すると、その水を水膨張シーリング材4が吸収して膨張する。水膨張シーリング材4は、傾斜面102bと中間板2とで挟まれているので、膨張圧が逃げにくく、傾斜面102bと中間板2とに確実に作用する。よって、水膨張シーリング材4の膨張圧により高い止水性を保持することが可能となる。また、シールドセグメント101の内面101aに不陸があった場合でも水膨張シーリング材4とゴム製の中間板2を使用していることでシールドセグメント101の内面101aとの馴染みが良く、止水性能に優れる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係るシールドセグメントのグラウトホール用止水構造は、例えば、グラウト材を注入した後のグラウトホールを閉塞する場合に利用することができる。
1 閉塞板
2 中間板
3 固定部材
3a アンカーボルト
3b ナット
4 水膨張シーリング材
100 トンネル
101 シールドセグメント
102 グラウトホール
102a 開口部
102b 傾斜面
A グラウトホール用止水構造

Claims (5)

  1. トンネルの支保工となるシールドセグメントに設けられているグラウト材注入用のグラウトホールを止水するシールドセグメントのグラウトホール用止水構造において、
    前記シールドセグメントの内面で開口する前記グラウトホールの開口部よりも大きく形成され、当該開口部を閉塞可能な金属製の閉塞板と、
    前記閉塞板と前記シールドセグメントとの間に配置されるゴム製の中間板と、
    前記グラウトホールの開口部を閉塞する位置に配置された前記閉塞板を前記中間板と共に前記シールドセグメントに固定する固定部材とを備え
    前記中間板は、前記閉塞板における前記シールドセグメント側の面の中央部から周縁部まで連続して延びるとともに当該面に貼り付けられた状態で前記シールドセグメントの内面に接触するように配置されていることを特徴とするシールドセグメントのグラウトホール用止水構造。
  2. 請求項1に記載のシールドセグメントのグラウトホール用止水構造において、
    前記グラウトホールの開口部の周縁部には、シーリング材が配設されていることを特徴とするシールドセグメントのグラウトホール用止水構造。
  3. 請求項2に記載のシールドセグメントのグラウトホール用止水構造において、
    前記シーリング材は、水の吸収によって膨張する水膨張シーリング材であることを特徴とするシールドセグメントのグラウトホール用止水構造。
  4. 請求項3に記載のシールドセグメントのグラウトホール用止水構造において、
    前記グラウトホールの内周面は、前記シールドセグメントの内面に近づくほど大径となるように傾斜した傾斜面を有しており、
    前記傾斜面と、前記シールドセグメントの内面との境界部分に、前記水膨張シーリング材が配設されていることを特徴とするシールドセグメントのグラウトホール用止水構造。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載のシールドセグメントのグラウトホール用止水構造において、
    前記固定部材は、前記シールドセグメントに固定されるとともに前記中間板及び前記閉塞板を貫通するアンカーボルトと、前記アンカーボルトにおける前記閉塞板から突出した部分に螺合するナットとを有していることを特徴とするシールドセグメントのグラウトホール用止水構造。
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