JP2010174555A - 防食pcストランドを用いたアンカー構造とその構築方法、並びに防食pcストランド組付体、および複合アンカー部材 - Google Patents

防食pcストランドを用いたアンカー構造とその構築方法、並びに防食pcストランド組付体、および複合アンカー部材 Download PDF

Info

Publication number
JP2010174555A
JP2010174555A JP2009020213A JP2009020213A JP2010174555A JP 2010174555 A JP2010174555 A JP 2010174555A JP 2009020213 A JP2009020213 A JP 2009020213A JP 2009020213 A JP2009020213 A JP 2009020213A JP 2010174555 A JP2010174555 A JP 2010174555A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
strand
anticorrosion
corrugated sheath
anticorrosive
anchor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009020213A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5273663B2 (ja
Inventor
Motoyasu Nishino
元庸 西野
Toshiaki Kido
俊朗 木戸
Masashi Oikawa
雅司 及川
Shunsuke Sakazume
俊介 坂詰
Akira Yamamoto
山本  彰
Hiroshi Yamada
浩 山田
Koichi Suga
浩一 菅
Kenji Okazaki
賢治 岡崎
Takashi Tanaka
尚 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Obayashi Corp
Sumitomo SEI Steel Wire Corp
Nittoc Constructions Co Ltd
Original Assignee
Obayashi Corp
Sumitomo SEI Steel Wire Corp
Nittoc Constructions Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Obayashi Corp, Sumitomo SEI Steel Wire Corp, Nittoc Constructions Co Ltd filed Critical Obayashi Corp
Priority to JP2009020213A priority Critical patent/JP5273663B2/ja
Publication of JP2010174555A publication Critical patent/JP2010174555A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5273663B2 publication Critical patent/JP5273663B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Piles And Underground Anchors (AREA)

Abstract

【課題】耐久性が高く、構築の際の作業性に優れる防食PCストランドを用いたアンカー構造、およびこのアンカー構造の構築方法を提供する。
【解決手段】施工面Sに形成される削孔H内に配置される複数の防食PCストランド2を緊張した状態で削孔Hの開口部に定着することで、各ストランド2の緊張力を施工面Sに圧縮力として付与するためのアンカー構造Aである。防食PCストランド2は、コルゲートシース4内に配置されており、防食PCストランド2とコルゲートシース4との間のコルゲートシース内領域は、仕切り部材5で領域R1と領域R2に区画されている。領域R1には1次グラウト10が、領域R2には遅延硬化樹脂20(防食材)が、削孔Hとコルゲートシース4との間の領域R3には2次グラウトが配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、既設のコンクリート構造物の耐久性を向上させるための防食PCストランドを用いたアンカー構造とその構築方法、並びにこのアンカー構造に用いる防食PCストランド組付体と複合アンカー部材に関するものである。特に、本発明は、ダムや防波堤、地下の駅舎など、改築の困難なコンクリート構造物を補強するためのアンカー構造、アンカー構造の構築方法、防食PCストランド組付体、および複合アンカー部材に関するものである。
従来から、擁壁の法面を補強するためのアンカー構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。このアンカー構造は、施工面である擁壁の法面に形成される削孔内に配置される複数の防食PCストランドを緊張した状態で削孔の開口部に定着することで構成される。そして、このアンカー構造は、各防食PCストランドの緊張力を施工面に圧縮力として付与することで擁壁を補強する。
図3は、アンカー構造の一例を示す図である。このようなアンカー構造を形成する方法を以下に説明する。
アンカー構造Bを形成するには、まず、地盤Gの表面を覆うコンクリートの施工面Sから地盤Gに向かって形成した削孔Hに複数の防食PCストランド110を配置する。各ストランド110は、スペーサ120により互いに離隔された状態で1本のシース130に収納される。ストランド110を削孔H内に配置する際は、シース130の一端側を所定の長さだけ剥がして、その部分でストランド110をむき出しの状態にする。剥がしたシース130の端部には、シース130とストランド110との隙間を封止する止水部140を形成する。
次に、削孔Hから外部に露出する防食PCストランド110の端部をアンカーディスクDとアンカープレートPで地盤Gに仮固定し、削孔Hを封止する。ストランド110とアンカーディスクD、アンカープレートPの配置が終了したら、削孔H内にグラウトを注入する。削孔Hへのグラウトの充填から所定時間が経過すると、グラウトが硬化する。ここで、例示したストランド110は、シース13の開口部を封止する止水部140を境にして、むき出しの部分(定着長部)とシース130に覆われた部分(自由長部)とに分けられている。そのため、グラウトが硬化したときに、ストランド110のむき出しの部分のみが削孔Hに固着される。
最後に、アンカーディスクDから突出するストランド110を緊張し、ウェッジWでアンカーディスクDに定着することで、アンカー構造Bを完成する。ストランド110に付与された緊張力は、ウェッジW、アンカーディスクD、アンカープレートPを介して施工面Sに伝達される。
特開平5―125566号公報
近年では、阪神・淡路大震災の教訓から、特に、既設のダムや防波堤、地下の駅舎など、容易に改築することができない環境にあるコンクリート構造物にアンカー構造を適用して、コンクリート構造物を補強することが推奨されている。このようなコンクリート構造物にアンカー構造を適用する場合、求められる特性は、長期にわたる信頼性、即ち耐久力を備えることである。しかし、上述した特許文献1のような従来のアンカー構造をそのままダムなどのコンクリート構造物の補強に適用すると、アンカー構造の耐久性が十分でない虞がある。
図3に示すようにストランド110のむき出しの部分(定着長部)は、その周囲をグラウトが覆うのみであるので、地盤Gから削孔H内に染み出してくる水に対して、万全の防水対策が施されているとは言い難い。ストランド110が錆びると、アンカー構造Bの耐久性は低下するので、むき出しのストランド110に対する防水対策が重要である。特に、大量の水が存在する環境にあるダムや防波堤などのコンクリート構造物に設けられるアンカー構造Bでは、防水対策の重要度が高いことが予想される。
また、コンクリート構造物に削孔Hを形成する場合、削孔Hの内周面が硬いため、この削孔Hの内周面にむき出しのストランド110が接触して損傷する虞がある。そのため、削孔Hへのストランド110の挿入を慎重に行う必要があり、アンカー構造Bを構築する際の作業性が良くなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされてものであり、その目的の一つは耐久性が高く、構築の際の作業性に優れる防食PCストランドを用いたアンカー構造、およびこのアンカー構造の構築方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記アンカー構造の構築に好適な防食PCストランド組付体、および複合アンカー部材を提供することにある。
<アンカー構造>
本発明は、施工面に形成される削孔内に配置される防食PCストランドを緊張した状態で削孔の開口部に定着することで、防食PCストランドの緊張力を施工面に圧縮力として付与するための防食PCストランドを用いたアンカー構造に係る。このアンカー構造に備わる防食PCストランドは、樹脂被覆されたPCストランドである。そして、本発明のアンカー構造は、防食PCストランドを内部に収納するコルゲートシースと、防食PCストランドとコルゲートシースとの間のコルゲートシース内領域を防食PCストランドの長手方向に仕切ることで、防食PCストランドを削孔の開口部側の自由長部と削孔の奥側の定着長部に区画する仕切り部材と、コルゲートシース内領域において仕切り部材を挟んで削孔の奥側に充填された1次グラウトと、削孔とコルゲートシースとの間に充填された2次グラウトと、コルゲートシース内領域において仕切り部材を挟んで施工面側に充填された防食材とを備えることを特徴とする。
本発明の構成とすることにより、削孔内における防食PCストランド全体がコルゲートシースに覆われており、むき出しの状態となっていないため、防食PCストランドのPCストランドが非常に腐食し難い。また、本発明のアンカー構造における防食PCストランドは、アンカー構造の構築作業の際にコルゲートシースで保護された状態にあるので、殆ど損傷のない状態で配置される。従って、本発明のアンカー構造は、非常に高い耐久性を誇り、長期にわたって所定の緊張力を施工面に付与し続けることができる。
また、本発明のアンカー構造によれば、従来のアンカー構造と比べて、同じ本数の防食PCストランドを配置する場合でも削孔の内径を小さくすることができる。従来のアンカー構造では、1本のシース内に配置される各防食PCストランド同士の間隔を所定値以上としなければならないし、全ての防食PCストランドの緊張力をシースが受けるためシースと削孔の内周面との間にも所定の間隔を必要とする。これに対して、本発明のアンカー構造では、1本のコルゲートシースに1本の防食PCストランドが収納される構成であるため、1本のシースが受ける緊張力は従来よりも小さい。従って、削孔内に配置される複数のコルゲートシース同士の間隔を所定値以上としなければならないものの、各シースを比較的密に配置できる。その結果、本発明のアンカー構造と従来のアンカー構造とを相対的に比較すれば、本発明のアンカー構造の方が小さい削孔で形成できる。
<防食PCストランド組付体>
本発明の防食PCストランド組付体は、樹脂被覆されたPCストランドからなる防食PCストランドと、防食PCストランドを内部に収納するコルゲートシースと、防食PCストランドとコルゲートシースとの間のコルゲートシース内領域を防食PCストランドの長手方向に仕切ることで、防食PCストランドを定着長部と自由長部とに区画する仕切り部材とを備える。さらに、本発明の防食PCストランドは、コルゲートシース内領域のうち、仕切り部材を挟んで一方に充填された既硬化の1次グラウトと、コルゲートシース内領域のうち、仕切り部材を挟んで他方に充填された防食材とを備える。
本発明の防食PCストランド組付体によれば、防食PCストランド全体がコルゲートシースに覆われているため、防食PCストランドを削孔内に挿入する際、防食PCストランドが損傷することが殆どない。また、防食PCストランドを削孔内に配置した状態において、樹脂被覆・コルゲートシース・シース内の充填剤(1次グラウトもしくは防食材)の3重の防食構造によりPCストランドが保護されることになる。そのため、本発明の防食PCストランド組付体を使用して形成したアンカー構造は、非常に耐久性が高く、長期にわたって所定の緊張力を施工面に付与し続けることができる。
本発明の防食PCストランド組付体において、コルゲートシースは、透明樹脂で形成されることが好ましい。
この構成によれば、コルゲートシースの外部からシース内部のグラウトと防食材の充填状態を確認することができる。そのため、1次グラウトや防食材の充填が十分でない防食PCストランド組付体を使用してアンカー構造を構築することがなくなる。
本発明の防食PCストランド組付体において、防食材は遅延硬化樹脂としても良い。
上記防食PCストランド組付体を使用してアンカー構造を構築すると、緊張された状態の防食PCストランドがほぼ全長にわたって固定される。そのため、長期にわたって防食PCストランドの緊張が弛み難い。
本発明の防食PCストランド組付体において、防食材は、時間の経過により硬化することがない防錆剤としても良い。
上記防食PCストランド組付体を使用してアンカー構造を構築すると、防錆剤により防食PCストランドが拘束されないので、防食PCストランドを再緊張することができる。そのため、所定期間ごとに防食PCストランドの再緊張を行えば、施工面に対して所定の緊張力を長期にわたって付与することができる。
<複合アンカー部材>
上述した本発明の防食PCストランド組付体は、複数本を一つにまとめた状態とした複合アンカー部材として扱うことができる。即ち、本発明の複合アンカー部材は、複数本の本発明防食PCストランド組付体と、各防食PCストランド組付体を離隔状態に保持するスペーサとを備えることを特徴とする。
複合アンカー部材とすることで、所定本数の防食PCストランド組付体を一括して削孔内に配置することができる。そのため、簡単かつ短時間でアンカー構造を構築することができる。
<アンカー構造の構築方法>
また、本発明の防食PCストランド組付体を使用してコンクリート構造物に圧縮力を付与し、当該構造物を補強するためのアンカー構造を構築することができる。即ち、本発明は、地盤に設置されるコンクリート構造物にプレストレスを付与してコンクリート構造物を補強するためのアンカー構造を構築する方法であって、以下の工程を備えることを特徴とする。
・本発明の防食PCストランド組付体をコンクリート構造物の施工面に形成した削孔に挿入する工程。
・削孔内に2次グラウトを充填する工程。
・2次グラウトの硬化後に、防食PCストランドを緊張して定着する工程。
本発明のアンカー構造の構築方法によれば、所定の耐久性を誇るアンカー構造を構築することができる。特に、この方法で使用する本発明の防食PCストランド組付体は、防食PCストランドがコルゲートシースにより保護されており、防食PCストランドを削孔内に挿入する際、過度の慎重さを要求されない。そのため、本発明のアンカー構造の構築方法は、従来の方法よりも作業性に優れる。
また、本発明のアンカー構造の構築方法において、削孔に挿入する防食PCストランド組付体を複数本とする場合、複合アンカー部材の状態で挿入すると良い。このようにすれば、必要な本数の防食PCストランド組付体を一括して削孔内に挿入することができるので、作業性良くアンカー構造を構築できる。
本発明のアンカー構造は、非常に高い耐久性を誇り、長期にわたって所定の緊張力を施工面に付与し続けることができる。そのため、本発明のアンカー構造によれば、例えば、ダムや、防波堤、地下の駅舎など、改築が困難なコンクリート構造物を補強し、長期にわたってコンクリート構造物を維持することができる。
ダムの堤体(コンクリート構造物)に本発明のアンカー構造を適用した概略図を示す。 アンカー構造の主要な部分を示す概略構成図である。 従来のアンカー構造の概略図である。
以下、本発明アンカー構造をダムの補強に適用する例を図面に基づいて説明する。
図1は、ダムの堤体C(コンクリート構造物)に本発明のアンカー構造を適用した概略図を示す。また、図2は、アンカー構造の主要な部分を示す概略構成図である。
まず、堤体Cに削孔Hを形成する(図1参照)。削孔Hは、堤体Cを貫通し、堤体Cよりも深い位置の地盤Gにまで到達している。
次に、本発明の防食PCストランド組付体1を用意する(図2を参照)。防食PCストランド組付体1は、コルゲートシース4と、コルゲートシース4内に配される1本の防食PCストランド2とを有する。コルゲートシース4は、例えば、コルゲートシース4内に充填される物質(後述する)の充填状態を確認する目的で、例えばポリエチレンなどの透明樹脂で形成しても良いし、強度を確保する目的で、例えばステンレスなどの金属で形成しても良い。また、防食PCストランド2は、腐食対策として、その表面に樹脂被覆3を有している。樹脂被覆3としては、例えばエポキシ樹脂を挙げることができる。
防食PCストランド組付体1のコルゲートシース4内には、防食PCストランド2とコルゲートシース4との間に形成される領域を領域R1と領域R2の2つに区画して、両領域間で液状体の移動を規制する仕切り部材5(例えば、弾性ゴムやスポンジ、硬化樹脂など)を備える。この領域R1には既に硬化しているグラウト10が配置されており、防食PCストランド2がコルゲートシース4に対して固定されている。一方、領域R2には遅延硬化樹脂20が充填されており、アンカー構造を構築後、数年の間に硬化するようになっている。上記仕切り部材5は通常、防食PCストランド組付体1を削孔H内に配置したときに、堤体Cよりも下の地盤Gの位置になるように設けられている。
上記仕切り部材5は、例えば以下のように形成することができる。まず、防食PCストランド2の仕切り部材取り付け位置に予めスポンジや弾性ゴムを取り付けて、当該部分に二液型発泡ウレタンなどの遅延硬化樹脂を塗布する。そして、樹脂の硬化前にストランド2の外周にコルゲートシース4を被せ、樹脂が硬化することによって仕切り部材5が形成される。このような仕切り部材5は、領域R1に充填した1次グラウトが漏れない程度の封止力を有していれば良い。
防食PCストランド組付体1を削孔H内に挿入する際は、複数の防食PCストランド組付体1を1つにまとめた複合アンカー部材を作り、この複合アンカー部材を削孔H内に挿入するようにする。ここで、上述した防食PCストランド組付体1における仕切り部材5の位置により、削孔H内に挿入されたケーブル1における領域R1は完全に地盤Gに囲まれる位置に配置される。このように領域R1を設定することにより、防食PCストランド組付体1の防食PCストランド2を緊張・定着した際、堤体Cにプレストレスを付与することができる。
上記複合アンカー部材は、複数の防食PCストランド組付体1を用意し、スペーサ6により各組付体1を離隔した状態で保持することで形成する。スペーサ6は、例えば、複数の貫通孔を有する板状の部材とすれば良い。この場合、各貫通孔に1本ずつ組付体1を挿通させた後、貫通孔と組付体1との隙間を樹脂などで埋めることで各組付体1とスペーサ6とを一体にすれば良い。なお、複合アンカー部材は、施工現場で組み立てても良いし、工場で組み立てて現場に持ち込んでも良い。
複合アンカー部材を削孔H内に配置した後、施工面Sに当接するようにアンカープレートPを配置し、プレートPの上に順次、ジョイント管J、アンカーディスクDを配置する。
ジョイント管Jは、有底の管部と、管部の開口側で管部の径方向に伸びるフランジ部とを備え、管部の底には防食PCストランド組付体1を1本ずつ挿通できる貫通孔を有する。アンカープレートPは、平板状の部材であり、その中央部にジョイント管Jの管部を挿通することができる貫通孔を有する。アンカーディスクDは、ジョイント管Jの貫通孔に対応する位置に、組付体1を1本ずつ挿通できる貫通孔を有する。
アンカープレートPの上にジョイント管Jを配置すれば、ジョイント管Jの管部がアンカープレートPの貫通孔を貫いて削孔H内に配置されると共に、ジョイント管Jの管部の貫通孔に組付体1が挿通される。そして、ジョイント管Jの貫通孔と組付体1との隙間を封止することで、ジョイント管Jの管部底面により、削孔Hと複合アンカー部材との間の領域R3が形成される。
また、ジョイント管Jのフランジ部にアンカーディスクDを配置すれば、防食PCストランド2がディスクDの貫通孔から突出した状態で配置されると共に、ジョイント管Jの管部内に領域R4が形成される。
次に、上述した部材P、J、Dを配置した状態で、領域R3にセメント系の2次グラウトを注入する。2次グラウトの注入は、外部から領域R3に連通する連通管(例えば、部材D、Jを貫通するホース)により行えば良い。
領域R3に注入した2次グラウトが硬化したら、防食PCストランド組付体1の防食PCストランド2を緊張する。ここで、ストランド2は1次グラウト10によりコルゲートシース4に固定されており、コルゲートシース4は2次グラウトにより削孔Hに固定されている。そのため、ストランド2を緊張しても、領域R1におけるストランド2は、殆ど伸びることなくその位置を保つ定着長部として機能する。一方、領域R2におけるストランド2は、その周囲を遅延硬化樹脂20に囲まれているだけでコルゲートシース4に固定されていないので、伸びることができる自由長部として機能する。このように防食PCストランド2を緊張した状態で、ウェッジWによりストランド2をアンカーディスクDに定着する。定着されたストランド2は、ウェッジW、アンカーディスクD、ジョイント管J、アンカープレートPを介して施工面S(即ち、堤体C)に圧縮力を付与する。
最後に、アンカーディスクDに設けたグラウト充填孔から領域R4に3次グラウトを充填してアンカー構造を完成する。このようにして完成したアンカー構造Aは、削孔H内で防食PCストランド2がむき出しになる箇所がないので、耐腐食性が高い。即ち、長期にわたってストランド2が健全な状態で維持されることになり、所定の緊張力を堤体Cに付与し続けることができる。また、本実施形態のアンカー構造Aでは、構築した数年後に領域R2における遅延硬化樹脂20が硬化することでストランド2を拘束する構成であるので、ストランド2に導入した緊張力が弛み難くなる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。例えば、領域R2に充填する防食材を経年硬化しない防錆剤(例えば、グリースなど)とすると、防食PCストランド2を再緊張することが可能なアンカー構造Aとすることができる。
本発明アンカー構造とその構築方法、並びに防食PCストランド組付体および複合アンカー部材は、ダムや防波堤、地下の駅舎など、改築が容易でないコンクリート構造物の補強に好適に利用することができる。
C 堤体(コンクリート構造物) G 地盤 S 施工面 H 削孔
W ウェッジ D アンカーディスク J ジョイント管 P アンカープレート
A アンカー構造
1 防食PCストランド組付体
2 防食PCストランド 3 樹脂被覆 4 コルゲートシース 5 仕切り部材
6 スペーサ
10 1次グラウト 20 遅延硬化樹脂(防食材)
R1〜R4 領域
B アンカー構造
110 防食PCストランド 120 スペーサ 130 シース
140 止水部

Claims (7)

  1. 施工面に形成される削孔内に配置される防食PCストランドを緊張した状態で削孔の開口部に定着することで、防食PCストランドの緊張力を施工面に圧縮力として付与するための防食PCストランドを用いたアンカー構造であって、
    防食PCストランドは、樹脂被覆されたPCストランドであり、
    防食PCストランドを内部に収納するコルゲートシースと、
    防食PCストランドとコルゲートシースとの間のコルゲートシース内領域を防食PCストランドの長手方向に仕切ることで、防食PCストランドを削孔の開口部側の自由長部と削孔の奥側の定着長部に区画する仕切り部材と、
    コルゲートシース内領域において仕切り部材を挟んで削孔の奥側に充填された1次グラウトと、
    削孔とコルゲートシースとの間に充填された2次グラウトと、
    コルゲートシース内領域において仕切り部材を挟んで施工面側に充填される防食材と、
    を備えることを特徴とする防食PCストランドを用いたアンカー構造。
  2. 樹脂被覆されたPCストランドからなる防食PCストランドと、
    防食PCストランドを内部に収納するコルゲートシースと、
    防食PCストランドとコルゲートシースとの間のコルゲートシース内領域を防食PCストランドの長手方向に仕切ることで、防食PCストランドを定着長部と自由長部とに区画する仕切り部材と、
    コルゲートシース内領域のうち、仕切り部材を挟んで一方に充填された既硬化の1次グラウトと、
    コルゲートシース内領域のうち、仕切り部材を挟んで他方に充填された防食材と、
    を備えることを特徴とする防食PCストランド組付体。
  3. 前記コルゲートシースは、透明樹脂で形成されることを特徴とする請求項2に記載の防食PCストランド組付体。
  4. 前記防食材は、遅延硬化樹脂であることを特徴とする請求項2または3に記載の防食PCストランド組付体。
  5. 前記防食材は、時間の経過により硬化することがない防錆剤であることを特徴とする請求項2または3に記載の防食PCストランド組付体。
  6. 複数本の、請求項2〜5のいずれか一項に記載の防食PCストランド組付体と、
    各防食PCストランド組付体を離隔状態に保持するスペーサとを備えることを特徴とする複合アンカー部材。
  7. 地盤に設置されるコンクリート構造物にプレストレスを付与してコンクリート構造物を補強するためのアンカー構造の構築方法であって、
    請求項2〜5のいずれか一項に記載の防食PCストランド組付体をコンクリート構造物の施工面に形成した削孔に挿入する工程と、
    削孔内に2次グラウトを充填する工程と、
    2次グラウトの硬化後に、防食PCストランドを緊張して定着する工程と、
    を備えることを特徴とするアンカー構造の構築方法。
JP2009020213A 2009-01-30 2009-01-30 防食pcストランドを用いたアンカー構造とその構築方法、および複合アンカー部材 Active JP5273663B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009020213A JP5273663B2 (ja) 2009-01-30 2009-01-30 防食pcストランドを用いたアンカー構造とその構築方法、および複合アンカー部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009020213A JP5273663B2 (ja) 2009-01-30 2009-01-30 防食pcストランドを用いたアンカー構造とその構築方法、および複合アンカー部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010174555A true JP2010174555A (ja) 2010-08-12
JP5273663B2 JP5273663B2 (ja) 2013-08-28

Family

ID=42705781

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009020213A Active JP5273663B2 (ja) 2009-01-30 2009-01-30 防食pcストランドを用いたアンカー構造とその構築方法、および複合アンカー部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5273663B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013023978A (ja) * 2011-07-25 2013-02-04 Nippon Steel & Sumikin Metal Products Co Ltd 小規模建築物用基礎の補強工法
CN104929129A (zh) * 2015-06-25 2015-09-23 中国电建集团华东勘测设计研究院有限公司 无盖重结合异孔引管混凝土盖重固结灌浆方法
CN109778859A (zh) * 2019-03-12 2019-05-21 长江勘测规划设计研究有限责任公司 一种混凝土高坝全坝无仓面固结灌浆方法和结构
KR20200094944A (ko) * 2019-01-31 2020-08-10 신종덕 영구 앵커장치
CN116815830A (zh) * 2023-07-12 2023-09-29 安阳市高新建筑有限责任公司 基于双向力系构建的地下工程基础抗浮方法及系统

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05125566A (ja) * 1991-10-30 1993-05-21 Sumitomo Electric Ind Ltd 重防食pc鋼撚り線
JPH07292667A (ja) * 1994-04-25 1995-11-07 Japan Found Eng Co Ltd 永久アンカー工法
JP2000096562A (ja) * 1998-09-25 2000-04-04 Ground Engineering Kk 全長付着型永久アンカーの施工方法
JP2000297431A (ja) * 1999-04-16 2000-10-24 Daiwa Kogyo Kk 斜面安定装置
JP2007217981A (ja) * 2006-02-17 2007-08-30 Sumitomo Denko Steel Wire Kk グラウンドアンカーテンドン
JP2008045280A (ja) * 2006-08-10 2008-02-28 Sumitomo Denko Steel Wire Kk Pc鋼撚り線の接続構造およびその施工方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05125566A (ja) * 1991-10-30 1993-05-21 Sumitomo Electric Ind Ltd 重防食pc鋼撚り線
JPH07292667A (ja) * 1994-04-25 1995-11-07 Japan Found Eng Co Ltd 永久アンカー工法
JP2000096562A (ja) * 1998-09-25 2000-04-04 Ground Engineering Kk 全長付着型永久アンカーの施工方法
JP2000297431A (ja) * 1999-04-16 2000-10-24 Daiwa Kogyo Kk 斜面安定装置
JP2007217981A (ja) * 2006-02-17 2007-08-30 Sumitomo Denko Steel Wire Kk グラウンドアンカーテンドン
JP2008045280A (ja) * 2006-08-10 2008-02-28 Sumitomo Denko Steel Wire Kk Pc鋼撚り線の接続構造およびその施工方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013023978A (ja) * 2011-07-25 2013-02-04 Nippon Steel & Sumikin Metal Products Co Ltd 小規模建築物用基礎の補強工法
CN104929129A (zh) * 2015-06-25 2015-09-23 中国电建集团华东勘测设计研究院有限公司 无盖重结合异孔引管混凝土盖重固结灌浆方法
KR20200094944A (ko) * 2019-01-31 2020-08-10 신종덕 영구 앵커장치
KR102143635B1 (ko) 2019-01-31 2020-08-11 신종덕 영구 앵커장치
CN109778859A (zh) * 2019-03-12 2019-05-21 长江勘测规划设计研究有限责任公司 一种混凝土高坝全坝无仓面固结灌浆方法和结构
CN109778859B (zh) * 2019-03-12 2023-12-12 长江勘测规划设计研究有限责任公司 一种混凝土高坝全坝无仓面固结灌浆方法和结构
CN116815830A (zh) * 2023-07-12 2023-09-29 安阳市高新建筑有限责任公司 基于双向力系构建的地下工程基础抗浮方法及系统
CN116815830B (zh) * 2023-07-12 2024-03-08 安阳市高新建筑有限责任公司 基于双向力系构建的地下工程基础抗浮方法及系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP5273663B2 (ja) 2013-08-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6684838B2 (ja) プレストレス沈埋函構造及びその施工方法
US3798867A (en) Structural method and apparatus
US8683773B2 (en) System and method for leaking crack repair
JP5273663B2 (ja) 防食pcストランドを用いたアンカー構造とその構築方法、および複合アンカー部材
JP2011006947A (ja) 組積造壁の補強構造、組積造壁、組積造構造物、及び組積造壁の補強工法
JP5266584B2 (ja) 防食pc鋼より線組付体、およびアンカー構造の構築方法
JP3786938B2 (ja) コンクリート構造物の補強工法
KR100971147B1 (ko) 그라우팅 보강유닛 및 이를 이용한 쏘일 네일링 보강방법
JP6531634B2 (ja) 杭式基礎構造物の施工方法
JP5265323B2 (ja) 配管施工部の止水構造および止水配管方法
JP5266585B2 (ja) アンカー構造、アンカーケーブル組付体、およびアンカー構造の構築方法
JP4277038B2 (ja) 漏水補修方法、漏水補修構造
JP2008025251A (ja) アンカー頭部の防食定着構造
KR100310457B1 (ko) 콘크리트 구조물의 방수공법
KR101497228B1 (ko) 조립식 구조물 접합부의 실란트 선 충진 누수 차단 방법
JP2007284960A (ja) グラウンドアンカー構造及びその工法
JP2002004312A (ja) 耐震性を有するコンクリート部材の接合方法及び接合構造
JP5468818B2 (ja) グラウンドアンカーおよびその施工方法
KR100814943B1 (ko) 영구 그라운드 앵커 구조체를 이용한 지하 부력 억제 공법
JP2002242284A (ja) プレキャスト部材のシール構造
KR100396852B1 (ko) 지하밸브실 내부 바닥 모서리부의 균열보수방법
KR0179452B1 (ko) 콘크리트 구조물의 신축 유동이음부 마감공법과 지수용철판
CN217480264U (zh) 一种预应力抗浮锚杆桩头防水结构
JP2001303653A (ja) 函渠構築用弾性継手構造
De Jongh Structural analysis and repair strategy for an ASR damaged dam structure

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20110824

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120718

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130315

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130403

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130422

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130508

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5273663

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250