JP2715479B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は半導体装置の製造方法に関し、特に高速動作
特性を有する半導体装置の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
高速動作特性を有する半導体装置を製造するには、寄
生容量を低減することと素子の微細化を実現することが
特に重要であるが、従来法によると、例えば、トランジ
スタおよび抵抗などの回路素子からの引出電極は回路素
子を形成するシリコン基板上の開口部の側壁に自己整合
的に設けた多結晶シリコン膜で形成するなどの方法で製
造される。
第3図は従来の微細回路素子に対する多結晶シリコン
引出電極の形成工程図で、シリコン基板1上のフィール
ド酸化膜2,多結晶シリコン引出配線層3およびシリコン
酸化膜4を選択的に開口した後多結晶シリコン膜の全面
被着を行い、ついで反応性イオン・エッチングを行っ
て、開口部の側壁に多結晶シリコン膜から成る引出電極
5を形成したものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上述した従来の多結晶シリコン引出電
極の形成方法では、開口部のシリコン基板上から多結晶
シリコン膜を除去する際、反応性イオン・エッチングの
エッチング速度は多結晶シリコンとシリコンとの間に材
質上ほとんど差がないので、多結晶シリコン膜のみなら
ずシリコン基板までもが溝6を形成する程エッチングさ
れる欠点がある。この為、開口部内のシリコン基板はこ
のエッチングにより損傷を受けるので、所望の電気的特
性をもつ回路素子を得ることができない。
本発明の目的は、上記の状況に鑑み、回路素子を形成
するシリコン基板上の開口部側壁に開口部内のシリコン
基板に何等の損傷を与えることなく回路素子のための多
結晶シリコン引出電極を形成することのできる微細回路
素子の形成工程を備えた半導体装置の製造方法を提供す
ることである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によれば半導体装置の製造方法は、シリコン基
板の一主面を被覆する電気絶縁体と電極引出配線層の多
層膜を選択的に開孔し前記シリコン基板の一部を露出せ
しめる工程と、前記多層膜を含む基板全面に多結晶シリ
コン膜を被着せしめる工程と、前記多結晶シリコン膜に
酸素イオンを注入し前記シリコン基板の露出面と多結晶
シリコン膜との境界面にシリコン酸化膜を形成する工程
と、前記多層膜の側壁に選択的に導電性材質膜を形成す
る多結晶シリコン膜の異方性エッチング工程とを含む半
導体回路素子の多結晶シリコン引出電極形成工程を備え
て構成される。
〔実施例〕
以下図面を参照して本発明を詳細に説明する。
第1図(a)〜(d)は本発明をバイポーラ・トラン
ジスタの製造に実施した場合の一実施例を示す工程順序
図である。本実施例によれば、まず、N型のシリコン基
板1上にフィールド酸化膜2、多結晶シリコン引出配線
層3及びシリコン酸化膜4をそれぞれ0.1,0.3及び0.3ミ
クロンの厚さに被着し、その一部を選択的にエッチング
し開口する〔第1図(a)参照〕。このエッチング手段
には反応性イオン・エッチング法が適しており、シリコ
ン酸化膜4、多結晶シリコン引出配線層3、フィールド
酸化膜2と順次エッチングすることができる。これによ
ると、フィールド酸化膜2をエッチングする際、エッチ
ング・ガスと条件を選択すれば、シリコン基板1に損傷
を与えることはないが、その恐れを特に問題とする場合
は、弗酸などの湿式エッチング法を用いてもよい。つぎ
に基板全面に多結晶シリコン膜7を被着し、これをP型
不純物を添加した後、酸素イオンを注入する。このイオ
ン注入では酸素イオン濃度のピークが多結晶シリコン膜
7とシリコン基板1の境界面になる条件を選択するのが
最も好ましく、本実施例では90KeVの加速電圧でイオン
注入が行われた。この処理により多結晶シリコン膜7の
表面から一定の深さにシリコン酸化物8が形成される
〔第1図(b)参照〕。ついで反応性イオン・エッチン
グ法で多結晶シリコン膜7を選択的にエッチングし、フ
ィールド酸化膜2、多結晶シリコン引出配線層3及びシ
リコン酸化膜4から成る積層膜の側壁に多結晶シリコン
引出電極5を形成する。このエッチング段階では、シリ
コン酸化膜8が阻止膜となり、多結晶シリコン膜7とは
エッチングに関して同質のシリコン基板1を保護するよ
う機能するので、シリコン基板1は損傷されない。つぎ
に、温度1000℃程度の熱処理を施し、シリコン基板1内
に多結晶シリコン引出電極5から不純物を熱拡散させて
高濃度のP型外部ベース領域9を形成し、ついでp型不
純物をイオン注入して眞性ベース領域10を形成した後、
シリコン酸化膜の成長と反応性イオン・エッチングとを
順次行って、多結晶シリコン引出電極5の側面にシリコ
ン酸化膜11を形成する〔第1図(c)参照〕。あとは多
結晶シリコン膜12を厚さ0.3ミクロン被着しN型不純物
を添加した後、温度950℃の熱処理を施してN型エミッ
タ領域13を形成し、ついで、アルミ・エミッタ電極14お
よびアルミ・ベース領域15を多結晶シリコン膜12および
多結晶シリコン引出配線層3上にシリコン酸化膜16を介
し相互絶縁してそれぞれ形成すれば微細化構造のバイポ
ーラ・トランジスタを容易に形成することができる〔第
1図(d)参照〕。
第2図は本発明をMOS電界効果トランジスタの製造に
実施した場合の一実施例を示す部分工程図である。本実
施例によれば、多結晶シリコン引出電極5は前実施例の
バイボーラ・トランジスタの場合に準じて形成される。
すなわち、第1図(a)〜(b)で説明したと同じくシ
リコン酸化膜8によるエッチング阻止膜を形成し開口部
内のp型シリコン基板1′を保護したうえで、多結晶シ
リコン被着膜に対する反応性イオン・エッチング工程が
行われる。このあとの工程は全て従来手法によればよ
く、ゲート酸化膜17を形成し多結晶シリコン・ゲート電
極18をマスクにN型不純物をイオン注入してソース,ド
レインの各N+拡散層19をそれぞれ形成すれば完成するこ
とができる。ここで、20は多結晶シリコン・ゲート電極
18を被覆するシリコン酸化膜を示す。
以上はトランジスタ能動素子に実施した場合を説明し
たが、拡散抵抗からの引出電極の形成に対してもきわめ
て容易に実施することが可能である。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように、本発明によれば開口部側
壁に多結晶シリコン引出電極を形成するに際し、開口部
内のシリコン基板と多結晶シリコン被着膜との境界面に
酸化物層を酸素イオンのイオン注入で形成し、この膜を
反応性イオン・エッチングに対するエッチング阻止膜と
して機能させることにより、開口部内のシリコン基板を
保護することができるので、シリコン基板を損傷するこ
となく引出電極の形成を行うことができる。すなわち、
トランジスタは勿論拡散抵抗などの回路素子の微細化に
大きな効果をあげることができ、半導体集積回路装置の
高速化、微細化および品質の安定化に顕著な効果を奏し
得る。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(d)は本発明をバイポーラ・トランジ
スタの製造に実施した場合の一実施例を示す工程順序
図、第2図は本発明をMOS電界効果トランジスタの製造
に実施した場合の一実施例を示す部分工程図、第3図は
従来の微細回路素子に対する多結晶シリコン引出電極の
形成工程図である。 1……N型シリコン基板、1′……p型シリコン基板、
2……フィールド酸化膜、3……多結晶シリコン引出配
線層、4,8,11,16,20……シリコン酸化膜、5……多結晶
シリコン引出電極、7,12……多結晶シリコン膜、9……
外部ベース領域、10……眞性ベース領域、13……エミッ
タ領域、14……アルミ・エミッタ電極、15……アルミ・
ベース領域、17……ゲート酸化膜、18……多結晶シリコ
ン・ゲート電極、19……N+拡散層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/78

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコン基板の一主面を被覆する電気絶縁
    体と電極引出配線層の多層膜を選択的に開孔し前記シリ
    コン基板の一部を露出せしめる工程と、前記多層膜を含
    む基板全面に多結晶シリコン膜を被着せしめる工程と、
    前記多結晶シリコン膜に酸素イオンを注入し前記シリコ
    ン基板の露出面と多結晶シリコン膜との境界面にシリコ
    ン酸化膜を形成する工程と、前記多層膜の側壁に選択的
    に導電性材質膜を形成する前記多結晶シリコン膜の異方
    性エッチング工程とを含む半導体回路素子の多結晶シリ
    コン引出電極形成工程を備えることを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
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