JP2715235B2 - 冷蔵ショーケースの冷気循環構造 - Google Patents

冷蔵ショーケースの冷気循環構造

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JP2715235B2
JP2715235B2 JP3279493A JP3279493A JP2715235B2 JP 2715235 B2 JP2715235 B2 JP 2715235B2 JP 3279493 A JP3279493 A JP 3279493A JP 3279493 A JP3279493 A JP 3279493A JP 2715235 B2 JP2715235 B2 JP 2715235B2
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雄三 山田
秀夫 宮内
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中野冷機株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二面ないし三面の開口
部を有する冷蔵ショーケース、例えばアラウンドショー
ケースの冷気循環構造に係り、特に天井部角部の冷気吹
き出し構造や床部角部の冷気吸い込み構造を改良するこ
とにより、効率の良い冷気の循環を可能とした冷蔵ショ
ーケースの冷気循環構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スーパーマーケットなどの食品販売店で
は、冷蔵食品や生鮮食品等の陳列に、二面ないし三面の
開口部を有するアラウンドショーケースが多く用いられ
ている。このアラウンドショーケースは、直ショーケー
スと連結して全体を矩形状に形成して用いる場合がほと
んどで、店舗の中よりに設置され、四面のどこからでも
陳列商品を取り出せるようにしている。
【0003】図6は、アラウンドショーケース51を直
ショーケース52と連結して矩形状に形成したオープン
タイプのショーケース構造を示すもので、床部53の吸
込口54から複数の送風ファンにて吸い込んだ空気を、
その上流側にそれぞれ配置した冷却器にて冷却し、背面
ダクトを通して天井部55に送り、天井部55に設けた
ハニカム状の整流部材で整流し前方に傾斜した吹出口5
6から冷気を吹き出してエアカーテンAを形成し、陳列
棚57や床部53上に陳列した商品を冷却するようにし
ている。
【0004】この従来のアラウンドショーケース51の
天井部角部55aに設けられるハニカム状の整流部材5
8は、図7に詳細を示すように、その端部を斜めにカッ
トしてカット面58aを突き合わせることによって、天
井部角部55aの前方に傾斜した冷気吹出口56内に収
納されている。
【0005】また、この従来のアラウンドショーケース
の床部53の内部には、図8に詳細を示すように、冷気
吸込口54の近傍に冷却器59を設けるとともに、その
下流側に送風ファン60を設け、冷気吸込口54から取
り入れた空気を冷却器59で冷却してから送風ファン6
0により背面ダクト61に送るようにしている。送られ
た冷気は、天井部55のハニカム状の整流部材58で整
流されて吹出口56から床部の吸込口54に向けて斜め
前方に吹き出されエアカーテンAを形成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このハニカム状の整流
部材58を斜めにカットして突き合わせ、吹出口56に
収納される従来の天井部角部の冷気吹出口構造では、吹
出口56が前方に傾斜しているために、整流部材58の
突合せ部の整流孔58bが塞がれて、突合せ部から冷気
を吹き出すことができず、陳列棚の角部全体に亘って十
分なエアカーテンAが形成できないという不具合があっ
た。
【0007】また、床内部の送風ファン60の上流側に
冷却器59を設けた従来構造の場合には、冷却器59を
通った空気のみを送風ファン60によって均等に循環す
ることは不可能で、送風ファン60,60同士の干渉な
どもあって、冷却器59,59を通らない比較的温度の
高い空気をも吸い込み易く、その分冷却性能が劣るとい
う欠点があった。
【0008】本発明は、上記実情に鑑みなされたもの
で、第1の目的は、冷蔵ショーケースの陳列棚の角部全
体に十分なエアカーテンを形成することのできる冷蔵シ
ョーケースの冷気循環構造を提供するにある。また、本
発明の第2の目的は、床内部の冷却器を通った空気のみ
を送風ファンによって均一に循環させ、冷却性能の向上
を図った冷蔵ショーケースの冷気循環構造を提供するに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の冷蔵ショーケー
スの冷気循環構造は、上記目的を達成するため、以下の
構成をとるものである。まず、請求項1に記載の発明
は、少なくとも二面の開口部を有し、床部の吸込口から
送風ファンにて吸い込んだ空気を、冷却器にて冷却した
のち背面ダクトを通して天井部に送り、天井部に設けた
ハニカム状の整流部材で整流して前方に傾斜した吹出口
から吹き出してエアカーテンを形成し、陳列棚上の商品
を冷却する冷蔵ショーケースにおいて、前記天井部角部
の冷気吹出口に設けたハニカム状の整流部材の突合せ部
を、上下方向に薄く切欠き形成したことを特徴としてい
る。整流部材の突合せ部を薄く形成することによって整
流孔の閉塞を極力防止することができ、陳列棚の角部全
体にも十分なエアカーテンが形成できる。
【0010】また、請求項2に記載の発明は、床部の冷
却器下流側に配置した複数の送風ファンを、それぞれ仕
切板で仕切って互いに独立させたことを特徴としてい
る。これにより、仕切板が整流効果を果たし、冷却器を
通った空気のみを循環させることができる。
【0011】さらに、請求項3に記載の発明は、前記天
井部角部の前方に傾斜した冷気吹出口に設けたハニカム
状の整流部材の突合せ部を、上下方向に薄く切欠き形成
すると同時に、前記床部の冷却器下流側に配置した複数
の送風ファンを、それぞれ仕切板で仕切って互いに独立
させたことを特徴とし、一層の冷気循環の効率化を図っ
たものである。
【0012】
【作 用】天井部角部の前方に傾斜した冷気吹出口に設
けたハニカム状の整流部材の突合せ部を、上下方向に薄
く切欠き形成したことによって、整流孔の閉塞を極力防
止でき、背面ダクトを通ってきた冷気を天井部の角部か
ら各陳列棚の角部全体に滞りなく行き亘らせることがで
き、角部への適切なエアカーテンの形成が可能となる。
これによって、エアカーテンの切れ目が生じなくなり、
暖かい外気が陳列棚側に侵入することがないため、ケー
スの負荷が小さくなり、冷却性能の向上が図れるととも
に、庫内温度も均一にできる。その結果、冷却器の着霜
も均等になり、除霜時に霜残りもなくなる。しかも、外
気侵入が原因の天井部や背面板等への結露も防止でき、
さらに冷却器の着霜量も減るため、除霜回数も減少でき
る。
【0013】また、床部の冷却器下流側に配置した複数
の送風ファンを、それぞれ仕切板で仕切って互いに独立
させたので、相互に干渉することなく送風ファンの性能
を最大限に発揮させることができる。しかも仕切板が整
流板の役割を果たし、冷却器を通った空気のみを送風フ
ァンで均等に循環させることができ、それ以外の暖かい
空気は冷気の循環中に混入しないので、同じく冷却性能
の向上に寄与できるとともに、冷却器への着霜量も減少
できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1乃至図5に基
づいて説明する。図1はアラウンドショーケースを直シ
ョーケースと連結して矩形状に形成したオープンタイプ
の冷蔵ショーケースの全体構造を示す斜視図、図2は天
井部の冷気吹出口構造を示す側面図、図3は天井部角部
の整流部材の突き合わせ構造を示す説明図、図4はアラ
ウンドショーケースの床内部の構造を示す斜視図、図5
は同じく床内部の冷気循環構造を示す平面図である。
【0015】まず、本実施例のアラウンドショーケース
1は、直ショーケース2の両側に連結して配置され、全
体として矩形状のオープンタイプのショーケースを形成
したもので、店舗の中寄りに設置し、四面のどこからで
も陳列商品を取り出せるようにしている。
【0016】このアラウンドショーケース1は、三面が
開口され、上部の天井部3と背面を覆う背面部4と下部
の床部5とでケーシングが一体に形成され、これら各部
と内部パネル6との間に冷気を循環させるダクト7を形
成するとともに、庫内側に複数段の商品陳列棚8を設け
ている。
【0017】前記天井部3の先端位置には、内部パネル
6の天板に、やや前方に傾斜する冷気吹出口9が形成さ
れており、ここに冷気を床部5の吸込口13に向けて斜
め前方に整流して吹き出すハニカム状の整流部材10が
収納されている。また、床部5の内部には、上流側に複
数の冷却器11が配置され、その下流側に複数の送風フ
ァン12が配置されている。
【0018】そして、床部5の吸込口13から上記送風
ファン12にて吸い込んだ空気を、その上流側の冷却器
11を通して冷却し、背面ダクト7から天井部3に送
り、天井部3に設けたハニカム状の整流部材10で整流
し吹出口9から斜め前方に冷気を吹き出してエアカーテ
ンAを形成し、庫内に設けた陳列棚8や床部5の上面に
載置した商品14を冷却するようにしている。
【0019】このアラウンドショーケース1の天井部角
部3aの吹出口9に設けられるハニカム状の整流部材1
0は、図2および図3に詳細を示すように、その端部を
斜めにカットしてカット面10aを突き合わせ、かつ突
合せ部から一定の範囲で上流側を大きく切り欠いて上下
方向を薄く形成してある。このように天井部角部3aに
収納した整流部材10の厚さを突合せ部から一定の範囲
で薄くしたことにより、突合せ部の重なりが最小限とな
って、前方に傾斜した吹出口9内に収納された場合にも
整流孔10bの閉塞が防止され、冷気の吹き出しがスム
ーズに行えて、各段の陳列棚8の角部へのエアカーテン
Aの形成が可能となる。したがって、エアカーテンAの
切れ目が生じなくなり、暖かい外気が陳列棚8側に侵入
することがないため、冷却性能の向上が図れ、庫内温度
も均一にできる。
【0020】また、このアラウンドショーケース1の床
部5の内部には、図4及び図5に詳細を示すように、吸
込口13の近傍に複数の冷却器11を設けるとともに、
その下流側に複数の送風ファン12を設けており、矢印
で示すように、吸込口13から取り入れた空気を冷却器
11で冷却してから送風ファン12で背面ダクト7に送
り、天井部3のハニカム状の整流部材10で整流して吹
出口9から吸込口13に向けて吹き出すようにして、冷
気の循環を図っている。
【0021】そして、各送風ファン12間には仕切板1
5を設けて、各送風ファン12を独立させ、互いに干渉
できないようにしている。それ故、各送風ファン12の
性能を最大限に発揮させることができるとともに、仕切
板15が整流板の役割を果たし、冷却器11を通った空
気のみを送風ファン12で均等に循環させることがで
き、熱交換効率の向上を図ることができる。しかも、冷
却器11を通らない暖かい空気は冷気の循環中に混入し
ないので、冷却性能の向上に寄与できるとともに、冷却
器11への着霜量も減少できる。
【0022】このように本実施例によれば、アラウンド
ショーケース1の陳列棚8の角部にも全体に亘ってエア
カーテンAを形成できるとともに、冷却器11を通った
空気のみを送風ファン12で循環できるため、暖かい外
気の侵入を極力防止することができ、均一で効率の良い
庫内冷却が可能となる。
【0023】なお、本実施例においては、三面を開口し
たアラウンドショーケースの例を示したが、二面を開口
したアラウンドショーケースその他の冷蔵ショーケース
でも同様に適用できることは勿論である。
【0024】
【発明の効果】本発明の冷蔵ショーケースの冷気循環構
造は、以上のように構成したので、次に示すような格別
の効果を奏するものである。
【0025】まず、請求項1に記載の発明は、天井部角
部の前方に傾斜する冷気吹出口に設けたハニカム状の整
流部材の突合せ部を、上下方向に薄く切欠き形成したの
で、整流孔の閉塞が防止でき、背面ダクトを通ってきた
冷気を天井部の角部から各陳列棚の角部全体に滞りなく
行き亘らせることができ、角部への適切なエアカーテン
の形成が可能となる。これによって、エアカーテンの切
れ目が生じなくなり、暖かい外気が陳列棚側に侵入する
ことがないため、ケースの負荷が小さくなり、冷凍機の
稼働時間も減少でき、消費電力の削減にもつながる。ま
た、暖かい外気の侵入を防ぐことで、冷却性能の向上が
図れ、庫内温度も均一にできる。その結果、冷却器の着
霜も均等になり、除霜時に霜残りもなくなる。しかも、
外気侵入が原因の天井部や背面板等への結露も防止で
き、また冷却器への着霜量自体も減るため、除霜回数が
減少できるというメリットもある。
【0026】また、請求項2に記載の発明は、床部の冷
却器下流側に配置した複数の送風ファンを、それぞれ仕
切板で仕切って互いに独立させたので、相互に干渉する
ことなく送風ファンの性能を最大限に発揮させることが
できる。しかも仕切板が整流板の役割を果たし、冷却器
を通った空気のみを送風ファンで均等に循環させること
ができるので、熱交換効率が向上し冷凍機の必要馬力も
小さくできる。しかも、冷却器を通らない暖かい空気は
冷気の循環中に混入しないので、同じく冷却性能の向上
に寄与できるとともに、冷却器への着霜量も減少でき
る。
【0027】そして、請求項3に記載の発明は、天井部
角部の前方に傾斜した冷気吹出口に設けたハニカム状の
整流部材の突合せ部を、上下方向に薄く切欠き形成する
とともに、前記床部の冷却器下流側に配置した複数の送
風ファンを、それぞれ仕切板で仕切って互いに独立させ
たので、上記請求項1及び2の効果を全て奏し得るとと
もに、より一層効率の良い冷気循環構造とすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアラウンドショーケースを直ショーケ
ースと連結して矩形状に形成したオープンタイプの冷蔵
ショーケースの全体構造を示す斜視図である。
【図2】同じくアラウンドショーケースの天井部の冷気
吹出口構造を示す側面図である。
【図3】同じく天井部角部の整流部材の突き合わせ構造
を示す説明図である。
【図4】同じく床内部の構造を示す斜視図である。
【図5】同じく床内部の冷気循環構造を示す平面図であ
る。
【図6】従来のアラウンドショーケースを直ショーケー
スと連結して矩形状に形成したオープンタイプの冷蔵シ
ョーケースの全体構造を示す斜視図である。
【図7】従来のアラウンドショーケースにおける天井部
角部の整流部材の突き合わせ構造を示す説明図である。
【図8】従来のアラウンドショーケースの床内部の構造
を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 アラウンドショーケース 2 直ショーケース 3 天井部 4 背面部 5 床部 6 内部パネル 7 ダクト 8 陳列棚 9 冷気吹出口 10 ハニカム状の整流部材 11 冷却器 12 送風ファン 13 冷気吸込口 14 商品 15 仕切板 A エアカーテン

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも二面の開口部を有し、床部の
    吸込口から送風ファンにて吸い込んだ空気を、冷却器に
    て冷却したのち背面ダクトを通して天井部に送り、天井
    部に設けたハニカム状の整流部材を介して前方に傾斜し
    た吹出口から吹き出してエアカーテンを形成し、陳列棚
    上の商品を冷却する冷蔵ショーケースにおいて、前記天
    井部角部に設けたハニカム状の整流部材の突合せ部を、
    上下方向に薄く切欠き形成したことを特徴とする冷蔵シ
    ョーケースの冷気循環構造。
  2. 【請求項2】 少なくとも二面の開口部を有し、床部の
    吸込口から複数の送風ファンにて吸い込んだ空気を、そ
    の上流側にそれぞれ配置した冷却器にて冷却し、背面ダ
    クトを通して天井部に送り、天井部に設けたハニカム状
    の整流部材を介して吹出口から吹き出してエアカーテン
    を形成し、陳列棚上の商品を冷却する冷蔵ショーケース
    において、前記床部の冷却器下流側に配置した複数の送
    風ファンを、それぞれ仕切板で仕切って互いに独立させ
    たことを特徴とする冷蔵ショーケースの冷気循環構造。
  3. 【請求項3】 少なくとも二面の開口部を有し、床部の
    吸込口から複数の送風ファンにて吸い込んだ空気を、そ
    の上流側にそれぞれ配置した冷却器にて冷却し、背面ダ
    クトを通して天井部に送り、天井部に設けたハニカム状
    の整流部材を介して前方に傾斜した吹出口から吹き出し
    てエアカーテンを形成し、陳列棚上の商品を冷却する冷
    蔵ショーケースにおいて、前記天井部角部に設けたハニ
    カム状の整流部材の突合せ部を、上下方向に薄く切欠き
    形成するとともに、前記床部の冷却器下流側に配置した
    複数の送風ファンを、それぞれ仕切板で仕切って互いに
    独立させたことを特徴とする冷蔵ショーケースの冷気循
    環構造。
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