JP2711578B2 - 漂白スターターおよびそれを用いたハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法 - Google Patents

漂白スターターおよびそれを用いたハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、漂白スターターおよびそれを用いたハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料の処理方法に関する。
<従来の技術> ハロゲン化銀カラー写真感光材料(以下、カラー感光
材料という。)は、露光後、発色現像、脱銀、水洗、安
定化等の工程により処理される。
発色現像にはカラー現像液、脱銀処理には漂白液、漂
白定着液、定着液、水洗には水道水またはイオン交換
水、安定化処理には安定液がそれぞれ使用される。各処
理液は通常30〜40℃に温度調節され、カラー感光材料は
これらの処理液中に浸漬され処理される。
このような処理工程のなかで、基本となるのは、発色
現像工程と脱銀工程である。
発色現像工程では、露光されたハロゲン化銀が発色現
像主薬により還元されて銀を生じるとともに、酸化され
た発色現像主薬は発色剤(カプラー)と反応して色素画
像を与える。
また、この発色現像工程に引き続く脱銀工程では、酸
化剤である漂白剤の作用により、発色現像工程で生じた
銀が酸化され、その後、銀イオンの錯イオン形成剤であ
る定着剤によって溶解されて色素画像のみが形成され
る。
以上の脱銀工程は、漂白工程と定着工程とを同一浴で
行う方法や別浴で行う方法、あるいは漂白工程と漂白定
着工程とを別浴で行う方法などがある。また、この場
合、それぞれの浴は多槽としてもよい。
そして、上記の基本工程のほか、色素画素の写真的、
物理的品質を保つため、あるいは保存性を良化するため
等の目的で、種々の補助工程が施される。このような工
程は、例えば硬膜浴、停止浴、安定浴、水洗浴等を用い
て行われる。
上記に示すような工程は、通常、自動現像機を用いて
施される。
一般に自動現像機により連続処理を行う場合におい
て、処理液の性能を一定に保つためカラー感光材料の処
理量に応じて補充液を補充する“補充方式”と、カラー
感光材料の処理量が所定量に達したときに、使用剤の処
理液の一部あるいは全部を新液と交換する“バッチ方
式”とがある。
これら2方式のうち、処理作業の簡便さなどから、補
充方式が採用されることが多い。
この補充方式において、連続処理の開始時あるいは処
理液を新液に交換して連続処理を行うとき、すなわち処
理開始時の自動現像機の処理槽には、補充する液(補充
液)そのものを収納して使用する場合もあるが、補充液
そのものでは望ましい写真性能が得られないことが多
く、このようなときには、補充液とは多少その組成が異
なるものを用意し、これをスタート用処理液(母液)と
して用いている。
このスタート用処理液としては、専用の処理剤キット
をそのまま用いる場合と、補充液に“スターター”とよ
ばれる補正用の処理剤を加え、さらに必要に応じて水を
加えて調液したものを用いる場合とがある。
特に、ミニラボとよばれる小型の店頭処理サービスシ
ステムでは、後者の“スターター”を用いる方式を採用
する場合が多い。
このようななかで、脱銀工程に用いられる漂白液にお
いても、上記のスターターを用いる方法が採用されてお
り、この漂白スターターは、通常、水溶液とした場合に
塩基性(アルカリ性)を示す化合物(アルカリ剤)を含
有している。
一般に、漂白液は、低pHの漂白補充液とカラー感光材
料が前浴から持ち込むアルカリ性の発色現像液とが混合
され、スタート時から写真性能上好ましいpHとなるよう
に設計されている。
上記のアルカリ剤としては、従来、アンモニア水、水
酸化カリウムや水酸化ナトリウムなどが用いられてい
る。
<発明が解決しようとする課題> しかし、上記のような従来のアルカリ剤では、取扱い
上あるいは写真性能の点で問題がある。
例えば、アンモニア水を用いた場合は、臭気がひど
く、また蒸発しやすいことからアルカリ剤として作用す
るアンモニアの有効濃度が低下するという問題がある。
また、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムでは、これ
らの化合物が強アルカリであるため、皮膚などに付着し
た場合危険であり、さらには空気中の二酸化炭素を吸収
するため、やはりアンモニア同様、有効濃度が低下する
という問題がある。また、漂白剤として現在汎用されて
いるアミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩を用いた場
合、漂白スターターと漂白補充液との混合時に水酸化鉄
の沈殿が生成しやすい。
このような問題に加えて、あるいはこのような問題に
起因して、上記のアルカリ剤、特に水酸化カリウムや水
酸化ナトリウムを用いた場合は、漂白速度の低下が起こ
り、脱銀性能を損う結果となる。
このような脱銀性能の低下は、迅速処理をしようとす
る場合特に顕著であり、迅速処理ができなくなってしま
う。
本発明の第1の目的は、漂白能を有する処理液による
処理において、臭気や安全性等の取り扱い性の面で問題
がない漂白スターターを提供することにある。また、第
2の目的は、上記の漂白スターターを用いて迅速な処理
を行うことができ、迅速な処理においても脱銀性能が十
分であるハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法を
提供することにある。
<課題を解決するための手段> 上記目的を達成するために、本発明は下記の構成
(1)、(2)を有する。
(1)ハロゲン化銀カラー感光材料用のスタート用漂白
能を有する処理液を調液するために、その後の処理に用
いる補充液と同じ組成の液と混合する漂白スターターで
あって、 前記補充液は下記一般式(I)で表される化合物を実
質的に含有しないものであり、 アルカリ剤として下記一般式(I)で表わされる化合
物を0.5モル/以上溶解度限界までの濃度で含有する
ことを特徴とする漂白スターター。
一般式(I) {上記一般式(I)において、R1は、炭素原子数6以下
のヒドロキシアルキル基を表わし、R2は水素原子、炭素
原子数6以下のアルキル基または炭素原子数6以下のヒ
ドロキシアルキル基を表わす。} (2)像様露光されたハロゲン化銀カラー写真感光材料
を発色現像処理後、漂白能を有する処理液で処理する処
理方法において、 前記漂白能を有する処理液としてスタート用処理液を用
い、これに補充液を補充しながら処理を行い、 漂白スターターと、前記補充液と同じ組成の液とを混
合して、前記スタート用処理液を調液し、 前記漂白スターターは、アルカリ剤として下記一般式
(I)で表わされる化合物を0.5モル/以上溶解度限
界までの濃度で含有し、 前記補充液は、下記一般式(I)で表される化合物を
実質的に含有しないことを特徴とするハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料の処理方法。
一般式(I) {上記一般式(I)において、R1は、炭素原子数6以下
のヒドロキシアルキル基を表わし、R2は水素原子、炭素
原子数6以下のアルキル基または炭素原子数6以下のヒ
ドロキシアルキル基を表わす。} (3)漂白能を有する処理液の処理時間が3分以内であ
る上記(2)のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理
方法。
<作用> 本発明によれば、漂白能を有する処理液によって処理
する際漂白スターターを用いて行うが、この漂白スター
ターが前記一般式(I)で表わされる化合物をアルカリ
剤として含有しているため、迅速な処理が可能となり、
このような迅速処理においても脱銀性能が十分である。
また、上記の漂白スターターは臭気や安全性等の取り
扱い性の面でも全く問題がない。
そして本発明は、発色現像処理後、直ちに漂白処理す
る工程に適用して、特に効果が大きい。
これは、発色現像処理後、直ちに漂白処理する場合、
連続処理時に漂白液中に持ち込まれる発色現像液の濃度
が高くなるため、その連続処理時と処理スタート時とで
pHのバランスをとる関係上、漂白スターター中のアルカ
リ濃度も高濃度にする必要があるからである。
<具体的構成> 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料(以下、感
光材料という場合もある)の処理方法では、像様露光後
の感光材料を発色現像し、その後漂白能を有する処理液
で処理を行う。
この漂白能を有する処理液には、漂白液および漂白定
着液が挙げられ、このような処理液による処理を含めた
代表的な脱銀処理工程は以下のものである。
漂白→定着 漂白→漂白定着 漂白→水洗→定着 リンス→漂白→定着 漂白→漂白定着→定着 水洗→漂白定着 漂白定着 定着→漂白定着 特に、上記の工程のなかでも、工程、、、が
好ましく、工程については、例えば特開昭61−75352
号に開示されている。
また、上記の工程に適用される漂白浴、定着浴等の処
理浴の槽構成は1槽であっても2層以上(例えば2〜4
槽、この場合向流方式が好ましい)であってもよい。
このようななかでも、特に、本発明においては、発色
現像処理の後、直ちに漂白能を有する処理液で脱銀処理
が施されるような工程が好ましく、この場合の漂白能を
有する処理液は漂白液であることが好ましく、このよう
な工程にて著しい効果を奏する。
従って、発色現像処理の後、直ちに漂白処理するよう
な工程が好ましく、以下、このような漂白処理を代表的
に説明する。
本発明における漂白処理は、漂白スターターを用いて
行うものである。
この漂白スターターは、自動現像機により連続処理す
る場合、処理のスタート時あるいは処理液を新液に交換
して処理を再開する時の処理槽に収納されるスタート用
漂白液(母液)を調液する際に用いられるものである。
すなわち、漂白補充液に漂白スターターを加え、必要
に応じて、水を加えてスタート用漂白液を調液するが、
このようなことから漂白液スターターは補正用の処理剤
といえるものである。
漂白スターターは、漂白補充液が前述のように漂白液
のpHに比べて低pHであることから、スタート用漂白液を
適正なpHにする目的で主に用いられており、アルカリ剤
を含有するものである。
本発明の漂白スターターは、アルカリ剤として下記一
般式(I)で表わされる化合物を含有する水溶液であ
る。
一般式(I) 上記一般式(I)において、R1はヒドロキシアルキル
基を表わし、R2は水素原子、アルキル基をまたはヒドロ
キシアルキル基を表わし、これら各置換基におけるアル
キル部分の炭素数1〜6である。
R1で表わされるヒドロキシアルキル基の炭素原子数は
2〜4であることが好ましい。
R1の具体例としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ
エチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒド
ロキシペンチル、ヒドロキシヘキシルが挙げられる。
なかでも、R1としてはヒドロキシエチル、ヒドロキシ
プロピル、ヒドロキシブチルが好ましい。
R2で表わされるアルキル基およびヒドロキシアルキル
基の炭素数は特に1〜3であることが好ましい。
R2がアルキル基であるときの具体例としてはメチル、
エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルが挙げ
られる。
R2がヒドロキシアルキル基であるときの具体例として
は、R1で表わされるヒドロキシアルキル基と同じものが
挙げられる。
なかでも、R2としては水素原子、メチル、エチル、プ
ロピル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル等が好
ましい。
なお、本発明におけるR1およびR2は、上記のようにそ
の炭素数が6以下のものが好ましいが、R1とR2の炭素数
の総計は、2〜5であることが好ましい。
このような炭素数とすると、水に対する溶解度が十分
となる。
以下に、一般式(I)で表わされる化合物の具体例を
挙げるが、これらに限定されるわけではない。
なお、これらの化合物は酸解離定数(pKa)6〜12、
特に好ましくは7〜10のものである。
一般式(I)で表わされる化合物は、市販されている
ものであり、本発明においては、それらのものをそのま
ま使用することができる。また、これらの化合物を合成
して用いる場合は、公知の方法に準じて行えばよい。
これらの化合物は、漂白スターター中に0.5モル/
〜溶解度の限度まで、好ましくは3〜10モル/含有さ
せればよく、漂白スターターのpHは、6〜13、好ましく
は8〜11である。あまり高pHであると二酸化炭素の吸収
が多くなり好ましくない。
本発明の漂白スターターは、従来使用されている水酸
化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア水では得ら
れないpHにすることができ、二酸化炭素による有効成分
の減少を改良することができる。
また、スタート用漂白液を調液する際、上記の漂白ス
ターターとともに用いられる漂白補充液のpHは0.2〜
6、好ましくは2〜4程度であり、スタート用漂白液の
pHは0.4〜9.0、好ましくは2.5〜5.0となる。
スタート用漂白液を調液する際の漂白補充液と漂白ス
ターターとの混合容積比は1/2〜200/1、好ましくは5/1
〜100/1とするのがよい。
なお、一般式(I)で表わされる化合物は単独で用い
ても2種以上併用してもよく、併用する場合は合計で上
記含有量とすればよい。
従来、漂白スターターのアルカリ剤としては、アンモ
ニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いら
れていたが、これらのアルカリ剤では、取り扱い性や脱
銀性能の点で問題があった。
特に、補充方式を採用する場合において低補充量のと
き、あるいは本発明におけるように、漂白補充液が低pH
であるときには、漂白スターターに添加するアルカリを
濃厚なものとする必要があり、上記の問題は特に顕著と
なる。
例えば、アンモニア水においては、臭気がひどく、蒸
発しやすいことから濃度変化しやすいこと、水酸化ナト
リウムや水酸化カリウムにおいては、空気中の二酸化炭
素を吸収して濃度変化しやすく、また漂白剤にアミノポ
リカルボン酸鉄(III)錯塩を用いた場合、特に漂白ス
ターターと漂白補充液との混合時に、水酸化鉄の沈殿が
生成しやすく、さらには強アルカリであることから安全
性に難点があることなどである。
また、上記の濃度変化に起因するためか、特に、水酸
化ナトリムウや水酸化カリウムでは、漂白速度が低下
し、脱銀性能に劣るという問題があった。
上記のような問題は、一般式(I)で表わされる化合
物を用いることによって解決することができる。
すなわち、高濃度としても取り扱い性の面で全く問題
がないばかりでなく、漂白促進効果が得られ、脱銀性能
に優れる。
そして、このような効果は、一般式(I)で表わされ
る化合物を用いることによって特異的に得られるもので
あり、これらにかえ、一般式(I)で表わされる化合物
と類似の他の化合物、例えばトリ(ヒドロキシアルキ
ル)アミン等を用いても得られるものではない。
本発明における漂白スターターは、一般式(I)で表
わされる化合物のみ含有されておればよいが、必要に応
じ、pH微調整用の酸(例えば、塩酸、硫酸、酢酸、硝
酸)や本発明の効果を奏する範囲において他のアルカリ
剤(例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アン
モニア水)等が含有されていてもよい。
その場合の濃度は、一般式(I)で表わされる化合物
の合計濃度に対し1/2以下であり、好ましくは1/10以下
である。
本発明において、漂白補充液およびこれより調液され
たスタート用漂白液(以下、漂白液)に用いられる漂白
剤としては、例えば鉄(III)、コバルト(III)、クロ
ム(VI)、銅(II)などの多価金属の化合物、過酸類、
キノン類、ニトロ化合物等が用いられる。代表的漂白剤
としては鉄(III)塩、例えば塩化第二鉄;フェリシア
ン化物;重クロム酸塩;鉄(III)もしくはコバルト(I
II)の有機錯塩、例えばエチレンジアミン四酢酸、ジエ
チレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢
酸、メチルイミノ二酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢
酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸などのアミノポ
リカルボン酸類もしくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸な
どの錯塩;過硫酸塩;臭素酸塩;過マンガン酸塩;ニト
ロベンゼン類などを用いることができる。
環境保全、取り扱い上の安全性、金属の腐食性等の点
からアミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩を使用するの
が好ましい。
以下に、アミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩の具体
例を挙げるが、これらに限定されるものではない。併せ
て、酸化還元電位を記す。
上記における漂白剤の酸化還元電位は、トランスアク
ションズ・オブ・ザ・ファラデイ・ソサイエティ(Tran
sactions of the Faraday Society)、55巻(1959
年)、1312〜1313頁に記載してある方法によって測定し
て得られる酸化還元電位で定義される。
特に、本発明においては、処理の迅速化を図る上で、
酸化還元電位が150mV、好ましくは180mV以上、より好ま
しくは200mV以上の漂白剤が用いられる。
これらのなかでも、特に好ましいのは、化合物No.7の
1,3−プロピレンジアミン四酢酸鉄(III)錯塩(以下、
1,3−PDTA・Fe(III)と略す)である。
アミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩は、ナトリウ
ム、カリウム、アンモニウム等の塩で使用するが、アン
モニウム塩が最も漂白の速い点で好ましい。
また、本発明において、漂白剤は単独で使用しても2
種以上併用してもよい。
本発明において、酸化還元電位が150mV以上の漂白剤
に加えて、酸化還元電位が150mV未満のものを併用する
場合には、処理の迅速化を図る上で、酸化還元電位が15
0mV以上の漂白剤1モルに対して150mV未満のものを0.5
モル程度以下とすることが好ましい。
特に、酸化還元電位が150mV以上のアミノポリカルボ
ン酸鉄(III)錯塩と併用する場合に好ましく用いるも
のとしては、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリ
アミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸の第二鉄
錯塩等を挙げることができる。
漂白液における漂白剤の使用量は、漂白液1当り好
ましくは0.10モル以上であり、処理の迅速化や漂白カブ
リ、ステインの低減の上で0.20モル以上がより好まし
い。特に好ましいのは0.25モル以上である。ただし、過
度な高濃度液の使用は逆に漂白反応を阻害するので、そ
の上限の濃度は0.7モル程度とするのがよい。
2種以上併用する場合は、合計で上記濃度範囲となる
ようにすればよい。
また、漂白補充液における漂白剤の使用量は、漂白補
充液1当り好ましくは0.1モル以上であり、より好ま
しくは0.2モル以上であり、特に好ましくは0.3モル以上
であり、その上限の濃度はそれぞれの化合物の溶解可能
な限界濃度である。
本発明においては、上記のような酸化還元電位150mV
以上の漂白剤を用い、かつこの漂白剤の漂白液での濃度
を0.2モル/以上とした場合に、特に、迅速な漂白処
理を行うことができ、このような処理において、特に本
発明の効果は顕著となる。
なお、漂白補充液ないし漂白液でアミノポリカルボン
酸鉄(III)錯塩を使用する場合、前述のような錯塩の
形で添加することもできるが、錯形成化合物であるアミ
ノポリカルボン酸と第二鉄塩(例えば、硫酸第二鉄、塩
化第二鉄、硝酸第二鉄、硫酸第二鉄アンモニウム、燐酸
第二鉄、酢酸第二鉄)とを共存させて漂白液中で錯塩を
形成させてもよい。
この錯形成による場合は、アミノポリカルボン酸を、
第二鉄イオンとの錯形成に必要とする量よりもやや過剰
に添加してもよく、過剰に添加するときには通常0.01〜
10%の範囲で過剰にすることが好ましい。
漂白液は、一般的にpH0.4〜9で使用される。処理の
迅速化を図る上では、前述のようにpHを2.5〜6.5、好ま
しくは2.5〜4.0、特に好ましくは2.5〜3.5とするのがよ
い。
また、漂白補充液は、前述のように、通常0.2〜6.0で
あり、漂白スターターを加えることによって上記のpHと
することができる。
本発明において、漂白液の調液に主に用いられる漂白
補充液のpHを前記領域に調節するには、公知の酸を使用
することができる。
このような酸としては、pKa2〜5の酸が好ましい。本
発明におけるpKaは酸解離定数の逆数の対数値を表わ
し、イオン強度0.1モル/、25℃で求められた値を示
す。
本発明においては、pKaが2.0〜5.0の範囲にある酸を
1.2モル/以上含有する漂白液を脱銀工程に使用する
ことが好ましい。漂白液にpKa2.0〜5.0の酸を1.2モル/
以上含有させることによってさらに、漂白カブリをな
くすことができ、処理後の未発色部のステイン増加を改
良することができる。
このpKa2.0〜5.0の酸としては、リン酸などの無機
酸、酢酸、マロン酸、クエン酸等の有機酸のいずれであ
ってもよいが、上記の改良により効果を示すpKa2.0〜5.
0の酸は有機酸である。また、有機酸にあってもカルボ
キシル基を有する有機酸が特に好ましい。
pKaが2.0〜5.0の有機酸は一塩基性酸であっても多塩
基性酸であってもよい。多塩基性酸の場合、そのpKaが
上記2.0〜5.0の範囲にあれば金属塩(例えばナトリウム
やカリウム塩)やアンモニウム塩として使用できる。ま
た、pKa2.0〜5.0の有機酸は2種以上混合使用すること
もできる。ただし、アミノポリカルボン酸およびそのFe
錯塩は除く。
本発明に使用するpKa2.0〜5.0の有機酸の好ましい具
体例を挙げると、ギ酸、酢酸、モノクロル酢酸、モノブ
ロモ酢酸、グリコール酸、プロピオン酸、モノクロルプ
ロピオン酸、乳酸、ピルビン酸、アクリル酸、酪酸、イ
ソ酪酸、ピバル酸、アミノ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸等
の脂肪族系一塩基性酸;アスパラギン、アラニン、アル
ギニン、エチオニン、グリシン、グルタミン、システイ
ン、セリン、メチオニン、ロイシンなどのアミノ酸系化
合物;安息香酸およびクロロ、ヒドロキシ等のモノ置換
安息香酸、ニコチン酸等の芳香族系一塩基性酸;シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、マレイン
酸、フマル酸、オキサロ酢酸、グルタル酸、アジピン酸
等の脂肪族系二塩基性酸;アスパラギン酸、グルタミン
酸、グルタル酸、シスチン、アスコルビン酸等のアミノ
酸系二塩基性酸;フタル酸、テレフタル酸等の芳香族二
塩基性酸;クエン酸などの多塩基性酸など各種有機酸を
列挙することができる。
本発明ではこれらの中でもカルボキシル基を有する一
塩基性酸が好ましく、特に酢酸およびグリコール酸の使
用が最も好ましい。
本発明において、これらの酸の全使用量は、漂白液と
した状態で1当り0.5モル以上である。好ましくは1.2
〜2.5モル/である。さらに好ましくは1.5〜2.0モル
/である。
漂白液を主に調液するのに用いられる漂白補充液のpH
を前記領域に調節する際、前記の酸とアルカリ剤(例え
ば、アンモニア水、KOH、NaOH)を本発明の効果を奏す
る範囲において併用してもよい。なかでも、アンモニア
水が好ましい。
本発明における漂白液(すなわち漂白補充液)または
その前浴には、各種漂白促進剤を添加することができ
る。
このような漂白促進剤については、例えば、米国特許
第3,893,858号明細書、ドイツ特許第1,290,812号明細
書、英国特許第1,138,842号明細書、特開昭53−95630号
公報、リサーチ・ディスクロージャー第17129号(1978
年7月号)に記載のメルカプト基またはジスルフイド基
を有する化合物、特開昭50−140129号公報に記載のチア
ゾリジン誘導体、米国特許第3,706,561号明細書に記載
のチオ尿素誘導体、特開昭58−16235号公報に記載の沃
化物、ドイツ特許第2,748,430号明細書に記載のポリエ
チレンオキサイド類、特公昭45−8836号公報に記載のポ
リアミン化合物などを用いることができる。特に好まし
くは英国特許第1,138,842号明細書に記載のようなメル
カプト化合物が好ましい。
本発明における漂白液には、漂白剤および上記化合物
の他に、臭化物、例えば臭化カリウム、臭化ナトリウ
ム、臭化アンモニウムまたは塩化物、例えば塩化カリウ
ム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウムなどの再ハロゲ
ン化剤を含むことができる。再ハロゲン化剤の濃度は漂
白液とした状態で1あたり0.1〜5モル、好ましくは
0.5〜3モルである。
また、金属腐食防止剤として、硝酸アンモニウムを用
いることが好ましい。
本発明において補充方式を採用する場合の漂白液の補
充量は感光材料1m2当り、200ml以下、好ましくは140〜1
0mlである。
また漂白処理時間は120秒以下、好ましくは60秒以下
であり、より好ましくは50秒以下である。本発明は、こ
のような短縮した処理時間において有効となる。
なお、処理に際し、アミノポリカルボン酸鉄(III)
錯塩を使用した漂白液にはエアレーションを施して、生
成するアミノポリカルボン酸鉄(II)錯塩を酸化するこ
とが好ましい。
本発明の好ましい脱銀処理工程において、上記のよう
な漂白液により漂白処理された後の感光材料を処理する
のに用いられる定着液および漂白定着液には、定着剤が
含有される。
定着剤としてはチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモ
ニウム、チオ硫酸アンモニウムナトリウム、チオ硫酸カ
リウムのようなチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウム、
チオシアン酸アンモニウム、チオシアン酸カリウムのよ
うなチオシアン酸塩(ロダン塩)、チオ尿素、チオエー
テル等を用いることができる。
なかでも、チオ硫酸アンモニウムを用いることが好ま
しい。定着剤の量は定着液または漂白定着液1当り0.
3〜3モル、好ましくは0.5〜2モルである。
また、定着促進の観点から、前記チオシアン酸アンモ
ニウム(ロダンアンモニウム)、チオ尿素、チオエーテ
ル(例えば3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール)を併
用することも好ましく、併用するこれらの化合物の量
は、定着液または漂白定着液1当り0.01〜0.1モル程
度が一般的であるが、場合により、1〜3モル使用する
ことで定着促進効果を大巾に高めることもできる。
また、定着液または漂白定着液中の定着剤としては、
処理の迅速化を図る上で、特に、チオ硫酸塩とチオシア
ン酸塩とを併用することが好ましく、特に、チオ硫酸ア
ンモニウムとチオシアン酸アンモニウムとの併用が好ま
しい。
この場合においては、チオ硫酸塩を上記の0.3〜3モ
ル/とし、チオシアン酸塩を1〜3モル/、好まし
くは1〜2.5モル/として用いればよい。
その他、チオ硫酸塩(特にチオ硫酸アンモニウム)と
併用することができるチオシアン酸塩以外の化合物とし
ては、チオ尿素、チオエーテル(例えば3,6−ジチア−
1,8−オクタンジオール)等を挙げることができる。
併用するこれらの化合物の量は、定着液または漂白定
着液1当り0.01〜0.1モル程度が一般的であるが、場
合により、1〜3モル使用することもある。
定着液または漂白定着液には、保恒剤としての亜硫酸
塩(例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸
アンモニウム)およびヒドロキシルアミン、ヒドラジ
ン、アルデヒド化合物の重亜硫酸塩付加物(例えばアセ
トアルデヒド重亜硫酸ナトリウム)などを含有させるこ
とができる。さらに、各種の蛍光増白剤や消泡剤あるい
は界面活性剤、ポリビニルピロリドン、メタノール等の
有機溶剤を含有させることができるが、特に保恒剤とし
ては特願昭60−283881号明細書に記載のスルフィン酸化
合物を用いることが好ましい。
漂白定着液は、前述した公知の漂白剤を含有してよ
い。好ましくはアミノポリカルボン酸第二鉄錯塩であ
る。
漂白定着液において漂白定着液1当りの漂白剤の量
は0.01〜0.5モルであり、好ましくは0.015〜0.3モルで
あり、特に好ましくは0.02〜0.2モルである。
本発明において、処理開始時の漂白定着液(母液)
は、前記した漂白定着液に用いられる化合物を水に溶解
して調製されるが、別途調製された漂白液と定着液を適
量混合して調製してもよい。定着液のpHとしては、5〜
9が好ましく、さらには7〜8が好ましい。また、漂白
定着液のpHとしては、6〜8.5が好ましく、さらには6.5
〜8.0が好ましい。
補充方式を採用する場合の定着液または漂白定着液の
補充液としては感光材料1m2あたり50〜3000mlが好まし
いが、より好ましくは100〜1000mlである。
さらに定着液、漂白定着液には液の安定化の目的で各
種アミノポリカルボン酸類や、有機ホスホン酸類の添加
が好ましい。
また、本発明において好ましいとされる脱銀処理での
漂白処理の後に行う定着処理あるいは漂白定着処理の合
計処理時間は0.5〜2分、特に1〜1.5分とするのが好ま
しい。
そして、本発明はこのような処理時間の短いものに適
用して有効である。
本発明の脱銀工程の全処理時間の合計は、短い程本発
明の効果が顕著に得られる。好ましい時間は1〜4分、
さらに好ましくは1分30秒〜3分である。また、処理温
度は、25〜50℃、好ましくは35〜45℃である。
好ましい温度範囲においては、脱銀速度が向上し、か
つ、処理後のステイン発生が有効に防止される。
上記においては、本発明で好ましい脱銀処理工程とさ
れる発色現像処理後直ちに漂白処理する工程について説
明してきたが、発色現像処理後に直ちに漂白定着処理す
る工程(例えば前記脱銀処理工程)においても、前記
のスターターを用いるものとすることができる。
このようなときには、漂白液の場合と同様に、漂白定
着液のスターターと漂白定着補充液とを用いてスタート
用漂白定着液(母液)を調液する。
漂白定着液のスターターは、本質的には、漂白スター
ターとその液組成は変わるところがなく、一般式(I)
で表わされる化合物(アルカリ剤)の濃度、pHとも同様
の範囲で用いられる。
また、スタート用漂白定着液を調液する際、上記の漂
白定着液のスターターとともに用いられる漂白定着補充
液のpHは2〜6.5、好ましくは3〜6程度であり、スタ
ート用漂白定着液のpHは3〜7、好ましくは4〜6.5と
なる。
スタート用漂白定着液を調液する際の漂白定着補充液
と漂白定着液のスターターとの混合容積比は1/2〜200/
1、好ましくは5/1〜100/1とするのがよい。
また、漂白定着補充液の液組成は、前記の漂白定着液
と基本的に同じであり、含有される化合物を前記の漂白
定着液におけるものより、通常4〜100%程度増量した
ものを用いればよい。
また、このような漂白定着液のスターターを用いる方
式は、漂白処理の後に行う漂白定着処理や、その他一般
的な漂白定着処理における漂白定着液にも適用すること
ができる。
具体的には、前記の漂白定着液のスターターを同様に
して用いることができる。
さらに、前記の漂白スターターは、前記の好ましい脱
銀処理工程での漂白処理のみならず、漂白処理全般に適
用することができる。
以上のようなことから、漂白定着液のスターターは漂
白スターターと変わるところがなく、本発明において
は、漂白定着液のスターターを含めて、漂白スターター
と総称することができる。
本発明の脱銀処理工程においては、撹拌ができるだけ
強化されていることが、本発明の効果をより有効に発揮
する上で好ましい。
撹拌強化の具体的方法としては特開昭62−183460号、
同62−183461号に記載の感光材料の乳剤面に処理液の噴
流を衝突させる方法や、特開昭62−183461号の回転手段
を用いて撹拌効果を上げる方法、さらには液中に設けた
ワイパーブレードと乳剤面を接触させながら感光材料を
移動させ、乳剤表面を乱流化することにより撹拌効果を
向上させる方法、処理液全体の循環流量を増加させる方
法が挙げられる。このような撹拌向上手段は、漂白液、
漂白定着液、定着液のいずれにおいても有効である。撹
拌の向上は乳剤膜中への漂白液、定着剤の供給を速め、
結果として脱銀速度を高めるものと考えられる。
また、前記撹拌向上手段は、漂白促進剤を使用した場
合により有効であり、漂白促進効果を著しく増加させた
り漂白促進剤による定着阻害作用を解消させることがで
きる。
本発明は、自動現像機を適用した、通常、連続処理に
より実施されるが、本発明に用いられる自動現像機は、
特開昭60−191257号、同60−191258号、同60−191259号
に記載の感光材料搬送手段を有していることが好まし
い。前記特開昭60−191257号に記載のとおり、このよう
な搬送手段は前浴から後浴への処理液の持込みを著しく
削減でき、処理液の性能低下を防止する効果が高い。
このような効果は各工程における処理時間の短縮や、
処理液補充量の低減に特に有効である。
本発明の効果は、全処理時間(ただし、乾燥時間は除
く)が短い場合に顕著であり、具体的には全処理時間が
8分以下である場合に明瞭に発揮され、7分以下ではさ
らに従来の処理方法との差が顕著となる。従って本発明
は全処理時間が8分以下が好ましく、特に7分以下が好
ましい。
本発明に使用される発色現像液中には、公知の芳香族
第一級アミンカラー現像主薬を含有する。好ましい例は
p−フェニレンジアミン誘導体であり、代表例を以下に
示すがこれらに限定されるものではない。
D−1 N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン D−2 2−アミン−5−ジエチルアミノトルエン D−3 2−アミノ−5−(N−エチル−N−ラウリル
アミノ)トルエン D−4 4−[N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチ
ル)アミノ]アニリン D−5 2−メチル−4−[N−エチル−N−(β−ヒ
ドロキシエチル)アミノ]アニリン D−6 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−
[β−(メタンスルホンアミド)エチル]アニリン D−7 N−(2−アミノ−5−ジエチルアミノフェニ
ルエチル)メタンスルホンアミド D−8 N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン D−9 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−メ
トキシエチルアニリン D−10 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−β
−エトキシエチルアニリン D−11 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−β
−ブトキシエチルアニリン 上記p−フェニレンジアミン誘導体のうち特に好まし
くは例示化合物D−5である。
また、これらのp−フェニレンジアミン誘導体は硫酸
塩、塩酸塩、亜硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩など
の塩であってもよい。芳香族第一級アミンカラー現像主
薬の使用量は発色現像液1当り好ましくは約0.1〜約2
0g、より好ましくは約0.5〜約10gの濃度である。
また、発色現像液には保恒剤として、亜硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カ
リウム、メタ亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸カリウム等
の亜硫酸塩や、カルボニル亜硫酸付加物を必要に応じて
添加することができる。
保恒剤の好ましい添加量は、発色現像液1当り0.5
〜10g、さらに好ましくは1〜5gである。
また、前記芳香族第一級アミンカラー現像主薬を直
接、保恒する化合物として、各種ヒドロキシルアミン
類、特願昭61−186559号記載のヒドロキサム酸類、同61
−170756号記載のヒドラジン類やヒドラジド類、同61−
188742号および同61−203253号記載のフェノール類、同
61−188741号記載のα−ヒドロキシケトン類やα−アミ
ノケトン類および/または同61−180616号記載の各種糖
類を添加するのが好ましい。また、上記化合物と併用し
て、特願昭61−147823号、同61−166674号、同61−1656
21号、同61−164515号、同61−170789号および同61−16
8159号等に記載のモノアミン類、同61−173595号、同61
−164515号、同61−186560号等に記載のジアミン類、同
61−165621号、同61−169789号および同61−188619号記
載のポリアミン類、同61−197760号記載のニトロキシラ
ジカル類、同61−186561号および同61−197419号記載の
アルコール類、同61−198987号記載のオキシム類および
同61−265149号記載の3級アミン類を使用するのが好ま
しい。
その他保恒剤として、特開昭57−44148号および同57
−53749号に記載の各種金属類、特開昭59−180588号記
載のサリチル酸類、特開昭54−3582号記載のアルカノー
ルアミン類、特開昭56−−94349号記載のポリエチレン
イミン類、米国特許第3,746,544号記載の芳香族ポリヒ
ドロキシ化合物等を必要に応じて含有してもよい。
特に芳香族ポリヒドロキシ化合物の添加が好ましい。
本発明に使用される発色現像液は、好ましくはpH9〜1
2、より好ましくは9〜11.0であり、その発色現像液に
は、その他に既知の現像液成分の化合物を含ませること
ができる。
上記pHを保持するためには、各種緩衝剤を用いるのが
好ましい。
緩衝剤の具体例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸三ナ
トリウム、リン酸三カリウム、リン酸二ナトリウム、リ
ン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、
四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、四ホウ酸カリウム、o
−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウ
ム)、o−ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−
2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチ
ル酸ナトリウム)、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香
酸カリウム(5−スルホサリチル酸カリウム)などを挙
げることができる。しかしながら本発明は、これらの化
合物に限定されるものではない。
緩衝剤の発色現像液への添加量は、0.1モル/以上
であることが好ましく、特に0.1〜0.4モル/であるこ
とが特に好ましい。
その他、発色現像液中にはカルシウムやマグネシウム
の沈澱防止剤として、あるいは発色現像液の安定性向上
のために、各種キレート剤を用いることができる。
キレート剤としては有機酸化合物が好ましく、例えば
アミノポリカルボン酸類、有機ホスホン酸類、ホスホノ
カルボン酸類をあげることができる。以下に具体例を示
すがこれらに限定されるものではない。
ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチ
レンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン
酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレン
ホスホン酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、
1,2−ジアミノプロパン四酢酸、ヒドロキシエチルイミ
ノジ酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレ
ンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、2−ホスホ
ノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエ
チリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N′−ビス(2−ヒド
ロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N′−ジ酢酸。
これらのキレート剤は必要に応じて2種以上併用して
もよい。
これらのキレート剤の添加量は発色現像液中の金属イ
オンを封鎖するのに充分な量であればよく、例えば1
当り0.1〜10gである。
発色現像液には、必要により任意の現像促進剤を添加
することができる。しかしながら、本発明における発色
現像液は、公害性、調液性および色汚染防止の点で、ベ
ンジルアルコールを実質的に含有しない場合が好まし
い。ここで「実質的に」とは現像液1当り2ml以下、
好ましくは全く含有しないことを意味する。
その他、現像促進剤としては、特公昭37−16088号、
同37−5987号、同38−7826号、同44−12380号、同45−9
019号、米国特許第3,818,247号等に記載のチオエーテル
系化合物、特開昭52−49829号および同50−15554号に記
載のp−フェニレンジアミン系化合物、特開昭50−1377
26号、特公昭44−30074号、特開昭56−156826号、同52
−43429号等に記載の4級アンモニウム塩類、米国特許
第2,494,903号、同第3,128,182号、同第4,230,796号、
同第3,253,919号、特公昭41−11431号、米国特許第2,48
2,546号、同第2,596,926号、同第3,582,346号に記載に
アミン系化合物、特公昭37−16088号、同42−25201号、
米国特許第3,128,183号、特公昭41−11431号、同42−23
883号、米国特許第3,532,501号等に記載のポリアルキレ
ンオキサイド、その他1−フェニル−3−ピラゾリドン
類、イミダゾール類等を必要に応じて添加することがで
きる。
本発明においては、さらに必要に応じて、任意のカブ
リ防止剤を添加できる。カブリ防止剤としては、塩化ナ
トリウム、臭化カリウム、沃化カリウムのようなアルカ
リ金属ハロゲン化物および有機カブリ防止剤が使用でき
る。有機カブリ防止剤としては、例えばベンゾトリアゾ
ール、6−ニトロベンズイミダゾール、5−ニトロイソ
インダゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−ニ
トロベンゾトリアゾール、5−クロロ−ベンゾトリアゾ
ール、2−チアゾリル−ベンズイミダゾール、2−チア
ゾリルメチル−ベンズイミダゾール、インダゾール、ヒ
ドロキシアザインドリジン、アデニンのような含窒素ヘ
テロ環化合物を代表例としてあげることができる。
本発明に使用される発色現像液には、蛍光増白剤を含
有してもよい。蛍光増白剤としては、4,4′−ジアミノ
−2,2′−ジスルホスチルベン系化合物が好ましい。添
加量は0〜5g/好ましくは0.1g/4g/である。
また、必要に応じてアルキルスルホン酸、アリールス
ルホン酸、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等の各
種界面活性剤を添加してもよい。
本発明における発色現像液での処理温度は20〜50℃、
好ましくは30〜45℃である。処理時間は20秒〜5分、好
ましくは30秒〜3分20秒である。補充方式を採用する場
合は、補充量は少ない方が好ましいが、感光材料1m2
り100〜1500ml、好ましくは100〜800mlである。さらに
好ましくは100〜400mlである。
また、発色現像浴は必要に応じて2浴以上に分割し、
最前浴あるいは最後浴から発色現像補充液を補充し、現
像時間の短縮化や補充量の低減を実施してもよい。
本発明の処理方法はカラー反転処理にも用いうる。こ
のときに用いる黒白現像液としては、通常知られている
カラー感光材料の反転処理に用いられる黒白第1現像液
と呼ばれるものである。黒白ハロゲン化銀感光材料の処
理液に用いられている黒白現像液に添加使用されている
よく知られた各種の添加剤をカラー反転感材の黒白第1
現像液に含有させることができる。
代表的な添加剤としては、1−フェニル−3−ピラゾ
リドン、メトールおよびハイドロキノンのような現像主
薬、亜硫酸塩のような保恒剤、水酸化ナトリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリからなる促進
剤、臭化カリウムや2−メチルベンツイミダゾール、メ
チルベンツチアゾール等の無機性もしくは有機性の抑制
剤、ポリリン酸塩のような硬水軟化剤、微量のヨウ化物
やメルカプト化合物からなる現像抑制剤をあげることが
できる。
本発明の処理方法は、前述した発色現像、漂白、漂白
定着、定着などの処理工程からなっている。ここで、漂
白定着または定着工程の後には、水洗および安定化など
の処理工程を行うことが一般的に行われているが、定着
能を有する処理液で処理後、実質的な水洗を行わず安定
化処理を行う簡便な処理方法を用いることもできる。
水洗工程に用いられる水洗水には、必要に応じて公知
の添加剤を含有させることができる。
例えば、無機リン酸、アミノポリカルボン酸、有機リ
ン酸等の硬水軟化剤、各種バクテリアや藻の増殖を防止
する殺菌剤、防ばい剤(例えば、イソチアゾロン、有機
塩素系殺菌剤、ベンゾトリアゾール等)、乾燥負荷、ム
ラを防止するための界面活性剤などを用いることがてき
る。または、L.E.West、“Water Quality Criteria"、P
hot.Sci.and Eng.,vol.9,No.6,p344〜359(1965)等に
記載の化合物を用いることもできる。
安定化工程に用いる安定液としては、色素画像を安定
化させる処理液が用いられる。例えば、pH3〜6の緩衝
能を有する液、アルデヒド(例えば、ホルマリン)を含
有した液などを用いることができる。安定液には、必要
に応じてアンモニウム化合物、Bi、Alなどの金属化合
物、蛍光増白剤、キレート剤(例えば、1−ヒドロキシ
エチリデン−1,1−ジホスホン酸)、殺菌剤、防ばい
剤、硬膜剤、界面活性剤、アルカノールアミンなどを用
いることができる。
また、水洗工程や安定化工程は、多段向流方式が好ま
しく、段数としては2〜4段が好ましい。補充量として
は単位面積当り前浴からの持込量の1〜50倍、好ましく
は2〜30倍、より好ましくは2〜15倍である。
これらの水洗工程もしくは安定化工程に用いられる水
としては、水道水の他、イオン交換樹脂などによってC
a、Mg濃度を5mg/以下に脱イオン処理した水、ハロゲ
ン、紫外線殺菌灯等より殺菌された水を使用するのが好
ましい。
以上のカラー感光材料の各処理工程において、自動現
像機による連続処理を行った場合、蒸発による処理液の
濃縮が起きることがあり、特に処理量が少ない場合や処
理液の開口面積が大きい場合に顕著となる。このような
処理液の濃縮を補正するため、適当量の水または補正液
を補充することが好ましい。
また、水洗工程または安定化工程のオーバーフロー液
は前浴である定着能を有する浴を流入させる方法を用い
ることにより、廃液量を低減させることもできる。
本発明における感光材料は、支持体上に少なくとも青
感色性層、緑感色性層、赤感色性層のハロゲン化銀乳剤
層の少なくとも1層が設けられていればよく、ハロゲン
化銀乳剤層および非感光性層の層数および層順に特に制
限はない。
典型的な例としては、支持体上に、実質的に感色性は
同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層
からなる感光性層を有するハロゲン化銀カラー写真感光
材料であり、感光性層は青色光、緑色光および赤色光の
いずれかに感色性を有する単位感光性層であり、多層ハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料においては、一般に単位
感光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、緑感
色性層、青感色性層の順に設置される。しかし、目的に
応じて上記設置順が逆であっても、また同一感色性層中
に異なる感色性層が挟まれたような設置順をもとり得
る。
上記、ハロゲン化銀感光層の間および最上層、最下層
には各種の中間層等の非感光性層を設けてもよい。
中間層には、特開昭61−43748号、同59−113438号、
同59−113440号、同61−20037号、同61−20038号明細書
に記載されるようなカプラー、DIR化合物等が含まれて
いてもよく、通常用いられるように混色防止剤、紫外線
吸収剤やステイン防止剤などを含んでいてもよい。
各単位感光性層を構成する複数のハロゲン銀乳剤層
は、西独特許第1,121,470号あるいは英国特許第923,045
号に記載されるように高感度乳剤層、低感度乳剤層の2
層構成を好ましく用いることができる。通常は、支持体
に向って順次感光度が低くなるように配列するのが好ま
しく、また各ハロゲン乳剤層の間には非感光性層が設け
られていてもよい。また、特開昭57−112751号、同62−
200350号、同62−206541号、同62−206543号等に記載さ
れているように支持体より離れた側に低感度乳剤層、支
持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよい。
具体例として支持体から最も遠い側から、低感度青感
光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)/高感度緑感光
性層(GH)/低感度緑感光性層(GL)/高感度赤感光性
層(RH)/低感度赤感光性層(RL)の順、またはBH/BL/
GL/GH/RH/RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/RHの順等に設
置することができる。
また特公昭55−34932号公報に記載されているよう
に、支持体から最も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL/RL
の順に配列することもできる。また特開昭56−25738
号、同62−63936号明細書に記載されているように、支
持体から最も遠い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に
配列することもできる。
また特公昭49−15495号公報に記載されているように
上層を最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤層、中層をそ
れよりも低い感光度の高いハロゲン化銀乳剤層、下層を
中層よりもさらに感光度の低いハロゲン化銀乳剤層を配
置し、支持体に向って感光度が順次低められた感光度の
異なる3層から構成される配列が挙げられる。このよう
な感光度の異なる3層から構成される場合でも、特開昭
59−202464号に記載されているように、同一感色性層中
において支持体より離れた側から中感度乳剤層/高感度
乳剤層/低感度乳剤層の順に配置されてもよい。
上記のように、それぞれの感光材料の目的に応じて種
々の層構成・配列を選択することができる。
これらいずれの層配列をとっても本発明におけるカラ
ー感光材料では使用できるが、本発明ではカラー感光材
料の支持体および支持体の下塗り層およびバック層を除
く全構成層の乾燥膜厚が20.0μ以下であることが本発明
の目的を達成する上で好ましい。より好ましくは18.0μ
以下である。
これら膜厚の規定は処理中および処理後にカラー感光
材料のこれら層中に取り込まれるカラー現像主薬による
もので、残存するカラー現像主薬量によって漂白カブリ
や処理後の画像保存中に発生するステインに大きな影響
を与えることによる。特に、これら漂白カブリやステイ
ンの発生は緑感性感色層に因るものと思われるマゼンタ
色の増色が、他のシアンやイエロー色の増色に比べて大
きい。
なお、膜厚規定における下限値は、上記規定から感光
材料の性能を著しく損ねることのない範囲で低減される
ことが望ましい。感光材料の支持体および支持体の下塗
り層を除く構成層の全乾燥膜圧の下限値は12.0μであ
り、最も支持体に近い感光層と支持体の下塗り層との間
に設けられた構成層の全乾燥膜厚の下限値は1.0μであ
る。
また、膜厚の低減は感光層、非感光層のいずれの層で
あってもよい。
本発明における多層カラー感光材料の膜厚は以下の方
法で測定する。
測定する感光材料は25℃、50%RHの条件下に感光材料
作製後7日間保存する。まず初めに、この感光材料の全
厚みを測定し、次いで支持体上の塗布層を除去したのち
再度その厚みを測定し、その差を以って上記感光材料の
支持体を除いた全塗布層の膜厚とする。この厚みの測定
は、例えば接触型の厚電変換素子による膜厚測定器(An
ritus Electric Co.Ltd.,K−402B Stand.)を使用して
測定することができる。なお、支持体上の塗膜層の除去
は次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用して行うことがで
きる。
続いて、走査型電子顕微鏡を使用し、上記感光材料の
断面写真を撮影(倍率は3,000倍以上が好ましい)し、
支持体上の全厚みおよび各層の厚みを実測し、先の膜厚
測定器による全厚みの測定値(実測の厚みの絶対値)と
対比して各層の厚みを算出することができる。
本発明における感光材料の膨潤率[(25℃、H2O中で
の平衡膨潤膜厚−25℃、55%RHでの乾燥全膜厚/25℃、5
5%RHでの乾燥全膜厚)×100]は50〜200℃が好まし
く、70〜150%がより好ましい。
膨潤率が上記数値よりはずれるとカラー現像主薬の残
存量が多くなり、また写真性能、脱銀性などの画質、膜
強度などの膜物性に悪影響を与えることになる。
さらに、本発明における感光材料の膨潤速度は、発色
現像液中(38℃、3分15秒)にて処理した時に到達する
最大膨潤膜厚の90%を飽和膨潤速度とし、この1/2の膜
厚に到達するまでの時間を膨潤速度T1/2と定義したとき
に、T1/2が15秒以下であるのが好ましい。より好ましく
はT1/2は9秒以下である。
本発明に用いられるカラー感光材料が、カラーネガフ
ィルムまたはカラー反転フィルムの場合には、その写真
乳剤層に含有される好ましいハロゲン化銀は約30モル%
以下のヨウ化銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、もし
くはヨウ塩臭化銀である。特に好ましいのは約2モル%
から約25モル%までのヨウ化銀を含むヨウ臭化銀もしく
はヨウ塩臭化銀である。
本発明に用いられるカラー感光材料が、カラー印画紙
の場合には、その写真乳剤層に含有されるハロゲン化銀
としては、実質的にヨウ化銀を含まない塩臭化銀もしく
は塩化銀よりなるものを好ましく用いることができる。
ここで実質的にヨウ化銀を含まないとは、ヨウ化銀含有
率が1モル%以下、好ましくは0.2モル%以下のことを
いう。これらの塩臭化銀乳剤のハロゲン組成については
任意の臭化銀/塩化銀のものを用いることができる。こ
の比率は目的に応じて広い範囲をとりうるが、塩化銀比
率が2モル%以上のものを好ましく用いることができ
る。迅速処理に適したカラー感光材料には塩化銀含有率
の高いいわゆる高塩化銀乳剤が好ましく用いられる。こ
れらの高塩化銀乳剤の塩化銀含有率は、90モル%以上が
好ましく、95モル%以上がさらに好ましい。現像処理液
の補充量を低減する目的で、塩化銀含有率が98〜100モ
ル%であるようなほぼ純塩化銀の乳剤も好ましく用いら
れる。
写真乳剤のハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十
四面体のような規則的な結晶を有するもの、球状、板状
のような変則的な結晶形を有するもの、双晶面などの結
晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの複合形でもよ
い。
ハロゲン化銀の粒径は、約0.2ミクロン以下の微粒子
でも投影面積直径が約10ミクロンに至るまでの大サイズ
粒子でもよく、多分散孔剤でも単分散乳剤でもよい。
本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤は、例えば
リサーチ・ディスクロージャー(RD)No.17643(1978年
12月)、22〜23頁、“I.乳剤製造(Emulsion preparati
on and types)”および同No.18716(1979年11月)、64
8頁、グラフキデ著「写真の物理と化学」、ポールモン
テル社刊(P.Glafkides,Chimie et Physique Photograp
hique Paul Montel,1967)、ダフィン著「写真乳剤化
学」、フォーカスプレス社刊(G.F.Duffin,Photographi
c Emulsion Chemistry(Focal Press,1966)、ゼリクマ
ンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社
刊(V.L.Zelikman et al,Making and Coating Photogra
phic Emulsion,Focal Press,1964)などに記載された方
法を用いて調製することができる。
米国特許第3,574,628号、同第3,655,394号および英国
特許第1,413,748号などに記載された単分散乳剤も好ま
しい。
またアスペクト比が約5以上であるような平板状粒子
も本発明に使用できる。平板状粒子は、ガトフ著、フォ
トグラフィク・サイエンス・アンド・エンジニアリング
(Gutoff,Photographic Science and Engineering)、
第14巻、248〜257頁(1970年);米国特許第4,434,226
号、同第4,414,310号、同第4,430,048号、同第4,439,52
0号および米国特許第2,112,157号などに記載の方法によ
り簡単に調製することができる。
結晶構造は一様なものでも、内部と外部とが異質なハ
ロゲン組成からなるものでもよく、相状構造をなしてい
てもよい。また、エピタキシヤル接合によって組成の異
なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、また例えば
ロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の化合物と接
合されていてもよい。
また、種々の結晶形の粒子の混合物を用いてもよい。
ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化学熟成およ
び分光増感を行ったものを使用する。このような工程で
使用される添加剤はリサーチ・ディスクロージャーNo.1
7643および同No.18716に記載されており、その該当箇所
を後掲の表にまとめた。
本発明の使用できる公知の写真用添加剤も上記の2つ
のリサーチ・ディスクロージャーに記載されており、下
記の表に関連する記載箇所を示した。
本発明には種々のカラーカプラーを使用することがで
き、その具体例は前出のRD No.17643、VII−C〜Gに記
載された特許に記載されている。
イエローカプラーとしては、例えば米国特許第3,933,
501号、第4,022,620号、同第4,326,024号、同第4,401,7
52号、同第4,248,961号、特公昭58−10739号、英国特許
第1,425,020号、同第1,476,760号、米国特許第3,973,96
8号、同第4,314,023号、同第4,511,649号、欧州特許第2
49,473A号等に記載のものが好ましい。
マゼンタカプラーとしては5−ピラゾロン系およびピ
ラゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特許第4,31
0,619号、同第4,351,897号、欧州特許第73,636号、米国
特許第3,061,432号、同第3,725,064号、RD No.24220(1
984年6月)、特開昭60−33552号、RD No.24230(1984
年6月)、特開昭60−43659号、同61−72238号、同60−
35730号、同55−118034号、同60−185961号、米国特許
第4,500,630号、同第4,540,654号、同第4,556,630号、W
O(PCT)88/04795号等に記載のものが特に好ましい。
シアンカプラーとしては、フェノール系およびナフト
ール系カプラーが挙げられ、米国特許第4,052,212号、
同第4,146,396号、同第4,228,233号、同第4,296,200
号、同第2,369,929号、同第2,801,171号、同第2,772,16
2号、同第2,895,826号、同第3,772,002号、同第3,758,3
08号、同第4,334,011号、同第4,327,173号、西独特許公
開第3,329,729号、欧州特許第121,365A号、同第249,453
A号、米国特許第3,446,622号、同第4,333,999号、同第
4,753,871号、同第4,451,559号、同第4,427,767号、同
第4,690,889号、同第4,254,212号、同第4,296,199号、
特開昭61−42658号等に記載のものが好ましい。
発色色素の不要吸収を補正するためのカラードカプラ
ーは、RD No.17643のVII−G項、米国特許第4,163,670
号、特公昭57−39413号、米国特許第4,004,929号、同第
4,138,258号、英国特許第1,146,368号に記載のものが好
ましい。また、米国特許第4,774,181号に記載のカップ
リング時に放出された蛍光色素により発色色素の不要吸
収を補正するカプラーや、米国特許第4,777,120号に記
載の現像主薬と反応して色素を形成しうる色素プレカー
サー基を離脱基として有するカプラーを用いることも好
ましい。
発色色素が適度な拡散性を有するカプラーとしては、
米国特許第4,366,237号、英国特許第2,125,570号、欧州
特許第96,570号、西独特許(公開)第3,234,533号に記
載のものが好ましい。
ポリマー化された色素形成カプラーの典型例は、米国
特許第3,451,820号、同第4,080,211号、同第4,367,282
号、同第4,409,320号、同第4,576,910号、英国特許第2,
102,173号等に記載されている。
カップリングに伴って写真的に有用な残基を放出する
カプラーもまた本発明で好ましく使用できる。現像抑制
剤を放出するDIRカプラーは、前述のRD No.17643、VII
〜F項に記載された特許、特開昭57−151944号、同57−
154234号、同60−184248号、同63−37346号、米国特許
第4,248,962号、同第4,782,012号に記載されたものが好
ましい。
現像時に画像状に造核剤もしくは現像促進剤を放出す
るカプラーとしては、英国特許第2,097,140号、同第2,1
31,188号、特開昭59−157638号、同59−170840号に記載
のものが好ましい。
その他、本発明の感光材料に用いることのできるカプ
ラーとしては、米国特許第4,130,427号等に記載の競争
カプラー、米国特許第4,283,472号、同第4,338,393号、
同第4,310,618号等に記載の多当量カプラー、特開昭60
−185950号、同62−24252号等に記載のDIRレドックス化
合物放出カプラー、DIRカプラー放出カプラー、DIRカプ
ラー放出レドックス化合物もしくはDIRレドックス放出
レドックス化合物、欧州特許第173,302A号に記載の離脱
後復色する色素を放出するカプラー、RD No.11449、同2
4241、特開昭61−201247号等に記載の漂白促進剤放出カ
プラー、米国特許第4,553,477号等に記載のリガンド放
出カプラー、特開昭63−75747号に記載のロイコ色素を
放出するカプラー、米国特許第4,774,181号に記載の蛍
光色素を放出するカプラー等が挙げられる。
本発明に使用するカプラーは、種々の公知分散方法に
より感光材料に導入できる。
水中油滴分散法に用いられる高沸点溶媒の例は米国特
許第2,322,027号などに記載されており、水中油滴分散
法に用いられる常圧での沸点が175℃以上の高沸点有機
溶剤の具体例としては、フタル酸エステル類(ジブチル
フタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジ−2−エ
チルヘキシルフタレート、デシルフタレート、ビス(2,
4−ジ−t−アミルフェニル)フタレート、ビス(2,4−
ジ−t−アミルフェニル)イソフタレート、ビス(1,1
−ジエチルプロピル)フタレートなど)、リン酸または
ホスホン酸のエステル類(トリフェニルホスフェート、
トリクレジルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェ
ニルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、
トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリドデシル
ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリ
クロロプロピルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシル
フェニルホスホネートなど)、安息香酸エステル類(2
−エチルヘキシルベンゾエート、ドデシルベンゾエー
ト、2−エチルヘキシル−p−ヒドロキシベンゾエート
など)、アミド類(N,N−ジエチルドデカンアミド、N,N
−ジエチルラウリルアミド、N−テトラデシルピロリド
ンなど)、アルコール類またはフェノール類(イソステ
アリルアルコール、2,4−ジ−tert−アミルフェノール
など)、脂肪族カルボン酸エステル類(ビス(2−エチ
ルヘキシル)セバケート、ジオクチルアゼレート、グリ
セロールトリブチレート、イソステアリルラクテート、
トリオクチルシトレートなど)、アニリン誘導体(N,N
−ジブチル−2−ブトキシ−5−tert−オクチルアニリ
ンなど)、炭化水素類(パラフィン、ドデシルベンゼ
ン、ジイソプロピルナフタレンなど)などが挙げられ
る。また補助溶剤としては、沸点が約30℃以上、好まし
くは50℃以上約160℃以下の有機溶剤などが使用でき、
典型例としては酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸
エチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−
エトキシエチルアセテート、ジメチルホルムアミドなど
が挙げられる。
ラテックス分散法の工程、効果および含浸用のラテッ
クスの具体例は、米国特許第4,199,363号、西独特許出
願(OLS)第2,541,274号、同第2,541,230号などに記載
されている。
また、これらのカプラーは前記の高沸点有機溶媒の存
在下または不存在下でローダブルラテックスポリマー
(例えば米国特許第4,204,716号)に含浸させて、また
は水不溶性かつ有機溶媒可溶性のポリマーに溶かして親
水性コロイド水溶液に乳化分散させることができる。
好ましくは、国際公開番号WO88/00723号明細書の第12
〜30頁に記載の単独重合体または共重合体が用いられ
る。特にアクリルアミド系ポリマーの使用が色像安定化
等の上で好ましい。
本発明は、種々のカラー感光材料に適用することがで
きる。特に一般用もしくは映画用のカラーネガフィル
ム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反転フィルム
に適用するのが好ましい。
本発明に使用できる適当な支持体は、例えば、前述の
RD No.17643の28頁および同No.18716の647頁右欄から64
8頁左欄に記載されている。
<実施例> 以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
実施例1 下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム支持体上
に、下記に示すような組成の各層を重層塗布し、多層カ
ラー感光材料を作製した。
(感光層組成) 各成分に対する数字は、g/m2単位で表わした塗布量を
示す。ただしハロゲン化銀、コロイド銀については、銀
換算のg/m2単位で表わした塗布量、増感色素について
は、同一層のハロゲン化銀1モルに対する単位で表わし
た塗布量で示す。
(感光材料) 第1層(ハレーション防止層;膜厚1.2μ) 黒色コロイド銀 銀塗布量 0.18 ゼラチン 1.50 第2層:(中間層;膜厚1.7μ) 2,5−ジ−t−ペンタデシルハイドロキノン 0.18 EX−1 0.07 EX−3 0.02 EX−12 0.002 U−1 0.06 U−2 0.08 U−3 0.10 HBS−1 0.10 HBS−2 0.02 ゼラチン 1.40 第3層(第1赤感乳剤層;膜厚1.5μ) 乳剤A 銀 0.25 乳剤B 銀 0.25 増感色素I 6.9×10-5 増感色素II 1.8×10-5 増感色素III 3.1×10-4 EX−2 0.335 EX−10 0.020 HBS−1 0.060 ゼラチン 1.20 第4層(第2赤感乳剤層;膜厚2.0μ) 乳剤G 銀 1.0 増感色素I 5.1×10-5 増感色素II 1.4×10-5 増感色素III 2.3×10-4 EX−2 0.400 EX−3 0.050 EX−10 0.015 HBS−1 0.060 ゼラチン 1.55 第5層(第3赤感乳剤層;膜厚2.4μ) 乳剤D 銀 1.60 増感色素I 5.4×10-5 増感色素II 1.4×10-5 増感色素III 2.4×10-4 EX−3 0.010 EX−4 0.080 EX−2 0.097 HBS−1 0.22 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.85 第6層(中間層;膜層1.0μ) EX−5 0.040 HBS−1 0.020 ゼラチン 1.15 第7層(第1緑感乳剤層;膜厚1.5μ) 乳剤A 銀 0.15 乳剤B 銀 0.15 増感色素V 3.0×10-5 増感色素VI 1.0×10-4 増感色素VII 3.8×10-4 EX−6 0.100 EX−14 0.250 EX−1 0.021 EX−7 0.030 EX−8 0.025 HBS−1 0.300 HBS−3 0.010 ゼラチン 0.90 第8層(第2緑感乳剤層;膜厚1.0μ) 乳剤C 銀 0.45 増感色素V 2.1×10-5 増感色素VI 7.0×10-5 増感色素VII 2.6×10-4 EX−6 0.060 EX−14 0.053 EX−8 0.018 EX−7 0.026 HBS−1 0.160 HBS−3 0.008 ゼラチン 0.70 第9層(第3緑感乳剤層;膜厚2.2μ) 乳剤E 銀 1.2 増感色素V 3.5×10-5 増感色素VI 8.0×10-5 増感色素VII 3.0×10-4 EX−13 0.015 EX−11 0.100 EX−1 0.025 HBS−1 0.25 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.75 第10層(イエローフィルター層;膜厚1.0μ) 黄色コロイド銀 銀 0.05 EX−5 0.08 HBS−1 0.03 ゼラチン 1.10 第11層(第1青感乳剤層;膜厚2.0μ) 乳剤A 銀 0.08 乳剤B 銀 0.07 乳剤F 銀 0.07 増感色素VIII 3.5×10-4 EX−9 0.721 EX−8 0.042 HBS−1 0.28 ゼラチン 1.25 第12層(第2青感乳剤層;膜厚1.1μ) 乳剤G 銀 0.45 増感色素VIII 2.1×10-4 EX−9 0.154 EX−10 0.007 HBS−1 0.05 ゼラチン 0.95 第13層(第3青感乳剤層;膜厚1.2μ) 乳剤H 銀 0.77 増感色素VIII 2.2×10-4 EX−9 0.20 HBS−1 0.07 ゼラチン 0.90 第14層(第1保護層;膜厚1.5μ) 乳剤I 銀 0.5 U−4 0.11 U−5 0.17 HBS−1 0.05 ゼラチン 1.30 第15層(第2保護層;膜厚2.0μ) ポリメチルアクリレート粒子 (直径 約1.5μm) 0.54 S−1 0.20 ゼラチン 1.25 各層には上記の成分の他に、ゼラチン硬化剤H−1や
界面活性剤を添加した。
HBS−1 トリクレジルホスフェート HBS−2 ジ−n−ブチルフタレート 作製した感光材料の支持体および支持体の下塗り層を
除く全構成層の乾燥膜厚は23.3μであった。この感光材
料は35mm巾に裁断・加工し、色温度4800゜K 10CMSの一
様露光を与え、下記の処理工程に従って処理を行った。
処理工程 時 間 温 度 発色現像 2分30秒 38℃ 漂 白 40秒 38℃ 定着(1) 40秒 38℃ 定着(2) 40秒 38℃ 水洗(1) 30秒 38℃ 水洗(2) 30秒 38℃ 安 定 30秒 38℃ 乾 燥 1分 55℃ 以下に処理液の処方を示す。なお、漂白液は、漂白補
充液と漂白スターターから調液した。
(発色現像液) 単位(g) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 3.0 亜硫酸ナトリウム 4.0 炭酸カリウム 30.0 臭化カリウム 1.4 ヨウ化カリウム 1.5mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 2−メチル−4−[N−エチル−N−(β−ヒドロキシ
エチル)アミノ]アニリン硫酸塩 4.5 水を加えて 1.0 pH 10.05 (漂白液) 下記処方の漂白補充液700mlに、下記の漂白スタータ
ー50mlおよび水250mlを加えて撹拌して調液した。pHは
それぞれ3.0に調節した。
漂白補充液 単位(g) 1,3−プロピレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム一
水塩 210 1,3−プロピレンジアミン四酢酸 4.0 臭化アンモニウム 150 硝酸アンモニウム 42 ヒドロキシ酢酸 95 酢酸(98%) 55 水を加えて 1 pH[アンモニア水(27%)で調節] 2.5 漂白スターター 下記化合物(アルカリ剤)が各々下記濃度となるよう
に蒸留水を用いて調液した。併せて各液のpHを示す。
漂白スターター A アンモニア水(27%) 194g/(pH12.0) B 水酸化ナトリウム 122g/(pH14以上) C 水酸化カリウム 172g/(pH14以上) D ジエタノールアミン 330g/(pH10.0) E エタノールアミン 250g/(pH10.0) F エタノールプロパ ノールアミン 370g/(pH10.0) [*硫酸でpHを調節した。] (定着液) 単位(g) エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 5.0 亜硫酸アンモニウム 12.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/) 290.0ml アンモニア水(27%) 6.0 ml 水を加えて 1.0 pH 6.8 (水洗水) 水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンド
ハース社製アンバーライトIR−120B)と、OH型強塩基性
アニオン交換樹脂(アンバーライトIRA−400)を充填し
た混床式カラムに通水してカルシウムおよびマグネシウ
ムイオン濃度を3mg/以下に処理し、続いて二塩化イソ
シアヌール酸ナトリウム20mg/と硫酸ナトリウム150mg
/を添加した。
この液のpH6.5〜7.5の範囲にあった。
(安定液) 単位(g) ホルマリン(37%) 2.0ml ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.3 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 水を加えて 1.0 pH 5.8〜8.0 上記のような処理を、用いた漂白スターターA〜Fに
応じて処理A〜F(表1)とする。
漂白スターターA〜Fについて、臭気の有無を調べ
た。
処理A〜Fによって処理した感光材料の未露光部の残
留銀量(μg/cm2)を蛍光X線で測定し、脱銀不良につ
いて調べた。
これらの結果を表1に示す。
表1より、漂白スターターD、E、Fを適用した本発
明の処理方法(処理D、E、F)では、脱銀性能に優れ
ることがわかる。
一方、アンモニア水を適用した処理Aでは、脱銀性能
に劣るばかりでなく、この漂白スターターAの臭気がひ
どいことがわかる。また、この漂白スターターAは蒸発
しやすく、濃度変化を起こしやすいことも判明してお
り、脱銀性能の悪さの一因と考えられる。
また、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを適用した
処理B、Cでは脱銀性能に劣ることがわかる。これらの
処理における漂白スターターB、Cは、臭気の点では問
題がないものの、強アルカリであるため、安全性に難点
がある。また、空気中の二酸化炭素を吸収して、アンモ
ニア同様、濃度変化を起こしやすいが、これも脱銀性能
の悪さの一因となっていると考えられる。
また、上記のように、漂白剤にアミノポリカルボン酸
鉄(III)錯塩を用いている場合は、特に漂白スタータ
ーと漂白補充液との混合時に水酸化鉄の沈殿が生成しや
すいことも確かめられた。
これに対し、本発明の処理D〜Fでは、処理A〜Cに
おいて生じる弊害は全くみられない。
実施例2 富士写真フイルム(株)製カラー印画紙フジカラース
ーパーHG(巾117mm)を像様露光後、フジカラーペーパ
ー処理機PP600を用いて、下記処理工程にて発色現像タ
ンク容量の2倍補充するまで、連続処理(ランニングテ
スト)を行った。
各処理液の組成は以下の通りである。
漂白定着液 補充液 水 400ml チオ硫酸アンモニウム(70%) 300ml 亜硫酸ナトリウム 10g エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム 120g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 10g 水を加えて 1000ml pH(25℃) 6.30 水洗水(スタート液、補充液とも同じ) 実施例1の水洗水と同じ 上記の連続処理において漂白定着液のスタート液とし
て上記漂白定着補充液750mlと実施例1の漂白スタータ
ーをそれぞれ42mlおよび水を加えて混合し、合計1に
したものをそれぞれ用いて処理を行ったところ実施例1
と同様な結果が得られた。
<発明の効果> 本発明によれば、漂白能を有する処理液を用いた処
理、特に発色現像処理の直後に漂白処理を行う工程にお
いて、漂白スターターを適用して迅速な処理を行うこと
ができる。
そして、このような迅速な処理においても、脱銀性能
に優れており、脱銀不良の発生がない。また、本発明の
漂白スターターは臭気や安全性等の取り扱い性の面でも
全く弊害がない。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン化銀カラー感光材料用のスタート
    用の漂白能を有する処理液を調液するために、その後の
    処理に用いる補充液と同じ組成の液と混合する漂白スタ
    ーターであって、 前記補充液は下記一般式(I)で表される化合物を実質
    的に含有しないものであり、 アルカリ剤として下記一般式(I)で表わされる化合物
    を0.5モル/以上溶解度限界までの濃度で含有するこ
    とを特徴とする漂白スターター。 一般式(I) {上記一般式(I)において、R1は、炭素原子数6以下
    のヒドロキシアルキル基を表わし、R2は水素原子、炭素
    原子数6以下のアルキル基または炭素原子数6以下のヒ
    ドロキシアルキル基を表わす。}
  2. 【請求項2】像様露光されたハロゲン化銀カラー写真感
    光材料を発色現像処理後、漂白能を有する処理液で処理
    する処理方法において、 前記漂白能を有する処理液としてスタート用処理液を用
    い、これに補充液を補充しながら処理を行い、 漂白スターターと、前記補充液と同じ組成の液を混合し
    て、前記スタート用処理液を調液し、 前記漂白スターターは、アルカリ剤として下記一般式
    (I)で表わされる化合物を0.5モル/以上溶解度限
    界までの濃度で含有し、 前記補充液は、下記一般式(I)で表される化合物を実
    質的に含有しないことを特徴とするハロゲン化銀カラー
    写真感光材料の処理方法。 一般式(I) {上記一般式(I)において、R1は、炭素原子数6以下
    のヒドロキシアルキル基を表わし、R2は水素原子、炭素
    原子数6以下のアルキル基または炭素原子数6以下のヒ
    ドロキシアルキル基を表わす。}
  3. 【請求項3】漂白能を有する処理液の処理時間が3分以
    内である請求項2のハロゲン化銀カラー写真感光材料の
    処理方法。
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JPS63138350A (ja) * 1986-12-01 1988-06-10 Konica Corp 迅速処理性に優れたハロゲン化銀カラ−写真感光材料の処理方法

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