JP2707555B2 - 半導体放射線検出器 - Google Patents

半導体放射線検出器

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JP2707555B2
JP2707555B2 JP62256554A JP25655487A JP2707555B2 JP 2707555 B2 JP2707555 B2 JP 2707555B2 JP 62256554 A JP62256554 A JP 62256554A JP 25655487 A JP25655487 A JP 25655487A JP 2707555 B2 JP2707555 B2 JP 2707555B2
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孝 平尾
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は非晶質と単結晶のヘテロ接合で形成された半
導体放射線検出器に関するものである。 従来の技術 半導体放射線検出器を作製する上で重要な点は比抵抗
の高い高純度,低欠陥密度の単結晶半導体基板を用い、
リーク電流の少ない構造で、結晶欠陥の発生や重金属イ
オン等による汚染がなく低温で特性の良い接合を形成す
ることである。 従来の非晶質と単結晶半導体基板のヘテロ接合による
半導体放射線検出器は、例えば特開昭61−137374号公報
に示されているように、第3図のような構造になってい
る。すなわち、P形単結晶Si基板21上に不純物添加のな
い非晶質Si:H膜22を保護膜又はリーク電流対策のために
プラズマCVD法で堆積し、その非晶質Si:H(水素化非晶
質Si)膜22にヘテロ接合形成のための窓を開け、そのヘ
テロ接合部の窓の所に、プラズマCVD法でリン添加非晶
質Si:H膜23をN形の逆電導領域として堆積成形し、その
上に金属電極24と裏面の金属電極25を形成した構造にな
っている。 発明が解決しようとする問題点 従来の構造では保護膜の非晶質Si:H膜22とヘテロ接合
形成のためのリン添加非晶質Si:H膜23が別々に堆積して
形成されるため、金属電極24と単結晶Si基板21の間に機
械的な段差や非晶質Si:H膜22とリン添加非晶質Si:H膜23
との接合部ができ、その部分で電界の集上や不純物のト
ラップ等が生じる。そのため半導体放射線検出器のよう
に接合面積が数mm2で逆バイアス電圧数+Vで使用する
場合は、通常のLSIのコンタクト等よりもリーク電流や
ブレークダウン電圧に対する要求が厳しくなり、前記し
た現象がリーク電流の増加やブレークダウン電圧の低下
と言う問題点となった。本発明はこれらの問題点を解決
し、リーク電流の少ない半導体放射線検出器を提供する
ものである。 問題点を解決するための手段 本発明は、一導電形の単結晶半導体基板上に非晶質半
導体層を形成し、前記非晶質半導体層の一部が逆導電形
領域をなして前記単結晶半導体基板を検出領域とし、前
記逆導電形領域はこの領域以外の前記非晶質半導体層に
よって少なくとも同一平面内で囲まれていることを特徴
とする。 作用 単結晶半導体基板上に堆積した非晶質半導体層の中の
一部領域をヘテロ接合のための逆導電形領域にし、残り
の部分が保護膜として前記逆導電形領域を同一平面内で
囲っている構造なので、逆導電形領域上に形成される金
属電極と単結晶半導体基板間には機械的な段差や逆導電
形領域と保護膜としての残りの非晶質半導体層との機械
的な接合もなくなり電界集中が生じないし、不純物汚染
にも強くなる。そのため、リーク電流が小さくブレーク
ダウン電圧の高い非晶質半導体膜と単結晶半導体とのヘ
テロ接合が得られる。 実 施 例 以下、本発明の第1の実施例について製造工程を半導
体放射線検出器の断面構成図も用いて表わした第1図を
用いて説明する。その製造工程は次の通りである。
(a)単結晶Si基板1にN形で比抵抗1kΩ−cm以上、厚
さ500μm、片面を鏡面研磨した5mm角のものを用いた。
比抵抗が1kΩcm以上であるのは空乏層を広げるための逆
バイアス電圧を50V以下にするためである。単結晶Si基
板1を純水,硫酸ボイル,フッ酸,硝酸等で表面層の洗
浄及び除去を行う。次に、SiH4ガスを用いて、圧力数To
rr,基板温度200〜400℃で高周波励起のプラズマCVDで単
結晶Si基板1の鏡面研磨した側の面上に不純物添加のな
い非晶質Si:H膜2を1000Å堆積する(b)。逆導電形領
域の形成のために、フォトレジストを用いてフォトプロ
セスでドーピングマスク3を形成する。次に水素希釈の
0.5%B2H6ガスを13.56MHzの高周波数Wattと磁場数十Gau
ssによりプラズマにして制御し、そこから質量分離しな
いでイオンを取り出し、6kVに加速してボロンを1015/cm
2導入する。次にフォトレジストを除去後、100℃〜400
℃で約1時間程度N2中で熱処理することにより導入した
ボロンを活性化して3mm角の逆導電形領域4を前記非晶
質Si:H2の一部領域に形成する(c)。 次に裏面にオーミックコンタクトのためのN形の高濃
度層5の形成を前記と同様にH2希釈の0.5%PH3ガスで6k
V,5×1014/cm2,基板温度100〜300℃で導入して行い、Al
電極6,7を4000Å蒸着で堆積し、100〜300℃,30分間N2
で熱処理をして形成する(d)。このようにして、領域
2に周囲を囲まれた領域4を有する検出器を形成した。 前記工程により作製した半導体放射線検出器のリーク
電流は従来の構造のものに対してリーク電流が1/2にな
り、ブレークダウン電圧も50Vから100Vに増加した。
又、非晶質Si:H層2の膜厚を1000Å以下としたのは、そ
の膜厚が放射線に対する不感層の厚さと同等になるため
に不感層を厚くしないためと、10kV以下の損傷を与えな
い低加速電圧で不純物導入を行い非晶質Si:Hを逆導電形
にできる膜厚が1000Å以下であることからである。そし
て、本実施例のような価電子制御のための不純物イオン
と同時に水素もドーピングを行って逆導電形領域を形成
する方法では水素が欠陥やドーピングによるダメージ等
を補償するので非晶質半導体層中に特性の良い逆導電形
の非晶質半導体領域の形成が容易である。 次に第2の実施例について、第1の実施例と同じ所は
同じ番号を用いて第2図に示して説明する。第1の実施
例と違う点はドーピングマスク3にフォトレジストでは
なくPCVD法でSiH4ガスとN2Oガスを用いて堆積した膜厚
1μmのSiO2膜8を用い、それをそのまま残して、Al電
極6を形成したことである。本来、保護膜として考えて
いた非晶質Si:H2の上にそれよりも安定な絶縁体のSiO2
膜が堆積されているため第1の実施例よりも長時間の高
温高湿試験によっても安定な特性のものが得られた。な
お、SiO2のかわりに窒化膜でもよい。さらに、第1,第2
実施例ともに非晶質半導体層に非晶質SiC:Hを用いると
さらにリーク電流は約1/3以下に減少した。 以上のように、本発明により、保護膜のための非晶質
半導体層とヘテロ接合形成のための逆導電形領域との機
械的な接合をなくし、保護膜のための非晶質半導体層が
逆導電形領域を囲む構造になっているのでリーク電流が
少なく耐ブレークダウン電圧の高い半導体放射線検出器
を得た。又、非晶質半導体層の上に絶縁体の保護膜を形
成することにより長期的な信頼性が得られるようになっ
た。又、単結晶半導体基板にSi,非晶質半導体層に非晶
質SiC:Hを用いると非晶質Si:Hを非晶質半導体層に用い
た場合よりもリーク電流が約1/3以下であった。又、そ
の単結晶Si基板の比抵抗を1kΩ−cm以上にしたので、単
結晶Si基板の全体に空乏層を広げるための逆バイアス電
圧が50V以下にすることができた。 発明の効果 本発明により、リーク電流が少なく耐ブレークダウン
電圧が高く、信頼性の高い半導体放射線検出器を得るこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の第1の実施例の検出器の製造工程断面
図、第2図は本発明の第2の実施例の検出器の断面構成
図、第3図は従来の検出器の断面構成図である。 1……N形単結晶Si基板、2……a−Si:H、3……ドー
ピングマスク、4……逆導電形領域、6,7……Al電極、
8……SiO2膜。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.一導電形の単結晶半導体基板上に非晶質半導体層を
    形成し、前記非晶質半導体層の一部が逆導電形領域をな
    して前記単結晶半導体基板を検出領域とし、前記逆導電
    形領域はこの領域以外の前記非晶質半導体層によって少
    なくとも同一平面内で囲まれていることを特徴とする半
    導体放射線検出器。 2.単結晶半導体基板をSiとし、非晶質半導体層が水素
    化非晶質Siまたは非晶質SiCであることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の半導体放射線検出器。 3.非晶質半導体層上に絶縁体酸化膜又は窒化膜を形成
    したことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の半導
    体放射線検出器。 4.単結晶半導体基板が比抵抗1kΩ−cm以上のSiである
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の半導体放
    射線検出器。 5.非晶質半導体層の膜厚が1000オングストローム以下
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の半
    導体放射線検出器。
JP62256554A 1987-10-12 1987-10-12 半導体放射線検出器 Expired - Lifetime JP2707555B2 (ja)

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