JP2707372B2 - 自動車用前照灯のエイミングスクリュー支持ナット - Google Patents

自動車用前照灯のエイミングスクリュー支持ナット

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JP2707372B2
JP2707372B2 JP18697991A JP18697991A JP2707372B2 JP 2707372 B2 JP2707372 B2 JP 2707372B2 JP 18697991 A JP18697991 A JP 18697991A JP 18697991 A JP18697991 A JP 18697991A JP 2707372 B2 JP2707372 B2 JP 2707372B2
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screw
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な自動車用前照灯の
エイミングスクリュー支持ナットに関する。詳しくは、
自動車用前照灯の照射方向を調整するエイミング部に設
けられるエイミングスクリューを支持するための支持ナ
ットに関するものであり、車体又は車体に固定された部
材に対するエイミングスクリューの支持状態を極めて安
定に保持することができる新規な自動車用前照灯のエイ
ミングスクリュー支持ナットを提供しようとするもので
ある。
【0002】
【従来の技術】自動車用前照灯は照射方向の調整、即
ち、エイミング調整を行なうことができるようにされる
ことが必要である。
【0003】このため、自動車用前照灯にあっては、一
般に、照射方向を規定する部材、例えば、前照灯ユニッ
トや反射鏡(以下、「傾動部材」と言う。)を車体もし
くはランプハウジング等の車体側部材に又はランプボデ
ィに対して上下方向及び左右方向に傾動することができ
るように支持すると共に当該傾動部材を傾動せしめるエ
イミング調整機構が設けられている。
【0004】例えば、前照灯ユニットを傾動させること
によってエイミング調整を行なうユニット可動タイプの
自動車用前照灯装置においては、通常、前照灯ユニット
を3つの点において車体側部材に支持すると共に該3つ
の点の1つを傾動支点部とし、該傾動支点部から上下方
向に離間した点を上下方向でのエイミング調整を行なう
上下エイミング調整部とし、傾動支点部から左右方向に
離間した点を左右方向でのエイミング調整を行なう左右
エイミング調整部として前照灯ユニットが車体側部材に
対して傾動自在に支持される。
【0005】これらエイミング調整部での前照灯ユニッ
トと車体側部材との連結はエイミングスクリューを介し
て行なわれ、該エイミングスクリューを回転することに
より前照灯ユニットの当該エイミングスクリューが連結
された点を前後方向に変位させて前照灯ユニットを傾動
させる。
【0006】図8はこのような従来の自動車用前照灯装
置の一例aを示すものである。
【0007】尚、この第8図においては、上下エイミン
グ調整を行なうための機構のみを示し、左右エイミング
調整機構については図示を省略する。
【0008】同図において、bは前照灯ユニットであ
り、そのランプボディcの背面の左右方向における一側
縁寄りの部分でその上下両端部には2つのブラケット
d、d´が各別に突設されると共に、これらブラケット
d、d´には球状凹部e、e´を有する球受部材f、f
´が支持されている。
【0009】gは車体に固定されたランプハウジングで
あり、該ランプハウジングgの上記前照灯ユニットbの
2つのブラケットd、d´のうち下側のブラケットdに
対応した位置に先端部に一体に形成された球体hを有す
る支点軸iが前方に向って突設されている。
【0010】そして、支点軸iの球体hが前照灯ユニッ
トbに支持された下側の球受部材fの球状凹部eに回動
自在に内嵌され、これにより、前照灯ユニットbのラン
プハウジングgに対する傾動支点jが構成される。
【0011】kはランプハウジングgの支点軸iよりも
上方であって上側のブラケットd´に対応した位置に形
成された取付孔であり、該取付孔kには合成樹脂製の支
持ナットlがその螺孔mの軸方向が前後方向へ延びる向
きで係着されている。
【0012】nはエイミングスクリューであり、その軸
部oには螺溝が形成されていると共に前端部には球体p
が一体に形成されている。
【0013】エイミングスクリューnの軸部oは上記支
持ナットlの螺孔mに螺合されると共に球体pが前照灯
ユニットbに支持された上側の球受部材f´の凹部e´
に回動自在に内嵌される。
【0014】そして、上記エイミングスクリューnと、
支持ナットlと、球受部材f´等により上下エイミング
調整部qが構成される。
【0015】しかして、エイミングスクリューnを回転
すると、該エイミングスクリューnがランプハウジング
gに対して前後方向へ移動されて前照灯ユニットbの上
側ブラケットd´が位置した部位が前後方向に変位する
ことになり、これにより、前照灯ユニットbは、前記傾
動支点jを回動中心として略上下方向に傾動されて、前
照灯ユニットbの照射方向が上下方向で調整される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
自動車用前照灯装置aにあっては、エイミングスクリュ
ーnが当該前照灯ユニットbをランプハウジングg等の
車体側部材に支持するための支持部材を兼るので、支持
ナットlによるエイミングスクリューnの支持及び支持
ナットlのランプハウジングg等への支持ができるだけ
安定に行なわれなければならない。
【0017】この点、上記した自動車用前照灯装置aは
前照灯ユニットbの連結点とランプハウジングgの連結
点との間の距離が比較的短いためエイミングスクリュー
nも短くて済み、従って、エイミングスクリューnが撓
むようなことはほとんどなく、また、支持ナットlとラ
ンプハウジングgとが1ヶ所で支持されていても該部分
に加わる荷重が比較的小さいので、支持ナットlがラン
プハウジングgに対して不安定になることは少ない。
【0018】しかしながら、前照灯ユニットbとランプ
ハウジングgとの間の距離が長くなると、エイミングス
クリューnが長くなって撓み易くなると共に支持ナット
lがランプハウジングgに支持された部分にかかる荷重
が大きくなり、1ヶ所で支持した上記支持部に荷重が集
中して当該支持部が不安定になり、これがために走行中
に前照灯ユニットbが振動してしまうという問題があっ
た。
【0019】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明自動車用
前照灯のエイミングスクリュー支持ナットは、上記課題
を解決するために、車体又は車体に固定された部材に少
なくとも離間した2ヶ所又は長い面で接触した状態で1
ヶ所は車体又は車体に固定された部材に形成された挿通
孔に挿通したボルトで固定され、もう1ヶ所は車体又は
車体に固定された部材に形成された係合孔に係合片を係
合させて固定されるベース部と、螺孔を有し軸方向に長
い筒状をすると共に上記ベース部に略直交しベース部に
対して少なくとも一方側に大きく延びるように立設され
たナット部と、該ナット部のベース部に対して大きく延
びている側の外周面とベース部とを連結した補強部とを
一体に形成したものである。
【0020】
【作用】従って、本発明自動車用前照灯のエイミングス
クリュー支持ナットによれば、そのベース部は車体又は
車体に固定された部材(以下、「車体側部材」と言
う。)に離間した2箇所以上、または長い面で接触した
状態で車体側部材を貫通したボルトと係合片によって
定されるので該ベース部を車体側部材に対して安定に支
持することができ、しかも、固定作業が簡単になる。
た、エイミングスクリューを支持するためのナット部は
軸方向に長く形成されているので、エイミングスクリュ
ーの支持を安定にすることができ、しかも、ナット部は
その軸方向に長く形成されている側の外周面とベース部
との間を補強部により連結されているので、軸方向と交
差する方向への撓みを防止することができ、従って、こ
れらによって、車体側部材に対するエイミングスクリュ
ーの支持状態を安定にすることができ、自動車用前照灯
を車体に対して安定に支持することができる。
【0021】
【実施例】以下に、本発明自動車用前照灯のエイミング
スクリュー支持ナットの詳細を添付図面に示した実施例
に従って説明する。
【0022】1は自動車用前照灯装置であり、該自動車
用前照灯装置1は前照灯ユニット2が車体に固定された
ランプハウジング3に対して傾動自在に3点(A点、B
点、C点)で支持され、A点は傾動支点部4として、B
点は前照灯ユニット2を上下方向に傾動させるための上
下エイミング調整部5として、C点は前照灯ユニット2
を左右方向に傾動されるための左右エイミング調整部6
として機能する。
【0023】7は前照灯ユニット2のランプボディであ
り、該ランプボディ7は横長な略矩形をした前面開口8
を有する容器状をしており、その主たる部分9(以下、
「反射鏡部」と言う。)は回転放物面部と上下に位置し
た平坦部とから成り、また、ランプボディ7のその他の
部分10、10´(以下、「側部」と言う。)は上記反
射鏡部9の前端の左右両側縁から左右両側へ向けて各別
に突出している。
【0024】11は前面開口8の周縁に沿って形成され
たレンズ据付溝である。
【0025】9aは反射鏡部9の後端部中央に形成され
たバルブ取付孔(図2参照)である。
【0026】12、13及び14はランプボディ7の後
方を向く面に設けられたブラケットであり、これらブラ
ケット12、13及び14は後述する球受部材を支持す
るためのものである。
【0027】一のブラケット12は右側(前照灯ユニッ
ト7に向って左方を左側とし、右方を右側とする。)の
側部10の下端部の背面から(図3参照)、別のブラケ
ット13は上記右側の側部10の上端部であってブラケ
ット12の略真上の位置から(図2参照)、もう1つの
ブラケット14は左側の側部10´と反射鏡部9に跨る
位置の下端部であってブラケット12の略真横の位置か
ら(図3参照)それぞれ後方へ向って突出されており、
これらブラケット12、13及び14の後端壁には矩形
をした取付孔12a、13a、14aが各別に形成され
ている。
【0028】尚、このようなランプボディ7は上記各部
9、10、10´、11、12、13、14が合成樹脂
により一体に形成され、また、反射鏡部9の内面及び側
部10、10´の前面にはアルミ蒸着が施されて反射面
とされている。
【0029】15は後面が開口した扁平な箱状をしたレ
ンズであり、その側面壁の後端がレンズ据付溝11に内
嵌された状態でランプボディ7に固定される。
【0030】16は電球であり(図2参照)、その図示
しないフィラメントが反射鏡部9の焦点位置に配置され
るようにその口金部16aが上記バルブ取付孔9aに支
持される。
【0031】ランプハウジング3(図面では部分的に示
してある。)はその各部が金属板によって一体に形成さ
れると共に、その主たる部分は上記前照灯ユニット2の
後部がある程度余裕を有して収まる大きさの凹部状に形
成され、車体に固定されている。
【0032】17はランプハウジング3の前照灯ユニッ
ト2の右側部10に対応した位置に固定された支持ブラ
ケットであり、その主部18は前照灯ユニット2の高さ
と略同じ高さを有し、かつ、その下端部が上端部より前
側に位置するように中間部の前面が稍上向きに形成され
ると共に、該主部18の上端部には前後方向へ延びた円
形をしたナット取付孔19が形成され、また、その下端
部には前面に開口する支持穴20が形成されている。
【0033】21、21は主部18の前面のうち上記ナ
ット取付孔19の上下両脇の位置で前面に開口した螺穴
である。
【0034】22、22は主部18の右側面にその上下
両端部に形成されたボルト取付穴である。
【0035】23は主部18の上端部前面の右端側へ偏
倚した位置から前方へ向って突出した突出部であり(図
6参照)、その上面に螺穴23aが形成されている。
【0036】24は主部18の下端部右側部から略右前
方へ向って突出した腕であり、その前端壁には孔24a
が形成され、該孔24aには結合ソケット25が取着さ
れている。
【0037】そして、上記した主部18、突出部23及
び腕24は合成樹脂により一体に形成されている。
【0038】26、26は一端にフランジ部が形成され
た円柱状をしたボルト支持部材であり、該ボルト支持部
材26、26には取付ボルト27、27が上記フランジ
部が形成された端面から突出するように植設されてい
る。
【0039】ボルト支持部材26、26は支持ブラケッ
ト17に形成された上記ボルト取付穴22、22にフラ
ンジ部以外の部分が内嵌された状態で、例えば、高周波
溶着等の手段により固定され、これにより、取付ボルト
27、27が主部18の右側面の上下両端部から右方へ
向って突出するように設けられる。
【0040】そして、上記取付ボルト27、27はラン
プハウジング3に形成されたボルト挿通孔28、28
(図2に1個のみ示してある。)に挿通され、かつ、該
ボルト挿通孔28、28から右方へ突出した部分にナッ
ト29、29(図2に1個のみ示してある。)が螺合さ
れる。
【0041】30は上側の取付ボルト27が挿通された
ランプハウジング3の部位より前側稍斜め上方の位置に
形成されたランプハウジング3の水平取付片であり(図
2参照)、該水平取付片30に形成されたビス挿通孔に
上方からビス31が挿通され、該ビス31が前記突出部
23の螺穴23aに螺合されている。
【0042】32は前照灯ユニット2がランプハウジン
グ7に取り付いた状態において正面から見て前照灯ユニ
ット2の右下角部近傍のランプハウジング7の部位の裏
面に後方に向って突設された結合軸であり、該結合軸3
2は上記腕24に取着された結合ソケット25の孔25
aに圧入される。
【0043】しかして、支持ブラケット17は取付ボル
ト27、27とナット29、29との螺合、突出部23
の螺穴23aに対するビス31の螺合及び結合軸32の
結合ソケット25への圧入によりランプハウジング3の
前照灯ユニット2が取り付くべき位置の右側部稍後方の
ランプハウジング3に固着される。
【0044】傾動支点部4は上記支持ブラケット17に
固定された支点軸33とランプボディ7のブラケット1
3に取着された球受部材34とによって構成される。
【0045】支持軸33の後半部はタッピングネジ状の
ネジ部33aに形成され、前端部は球体33bに形成さ
れており、上記ネジ部33aが支持ブラケット17の主
部18の下端部に形成された支持穴20に前方から螺合
されて支持軸33が支持ブラケット17に固定される。
【0046】球受部材34は合成樹脂製で後方に向って
開口した球状凹部34aが形成されており、ランプボデ
ィ7の前記右下のブラケット12に回転不能に支持され
る。
【0047】しかして、球受部材34の球状凹部34a
に支点軸33の球体33bを回動自在に嵌合することに
より、これら球状凹部34aと球体33bとが嵌合した
点が前述した、傾動支点Aとなる。
【0048】上下エイミング調整部5は支持ブラケット
17に支持されたナットと、該ナットに螺合されたエイ
ミングスクリューと、ランプボディのブラケット13に
支持された球受部材とから成る。
【0049】35は合成樹脂製のナットであり、螺孔3
6aを有する円筒状のナット部36と該ナット部36の
前端部から上下へ各別に突出した取付片37、37とか
ら成り、該取付片37、37には挿通孔37a、37a
が形成されている。
【0050】ナット35はそのナット部36が支持ブラ
ケット17の主部18の上端部に形成されたナット取付
孔19に前方から挿入されると共に、取付片37、37
の挿通孔37a、37aにネジ38、38が前方から挿
通され、該ネジ38、38がナット取付孔19の上下両
脇に形成された螺穴21、21に螺合されることによっ
て支持ブラケット17に固定される。
【0051】39は前記した球受部材34と同様の構造
をした球受部材であり、ランプボディ7の右上のブラケ
ット13に回転不能に支持される。
【0052】40はエイミングスクリューであり、その
軸方向における中間の位置に螺軸部40aが形成され、
また、前端部には球体40bが一体に形成されている。
【0053】しかして、上記エイミングスクリュー40
の螺軸部40aをナット35の螺孔36aに螺合すると
共に、球体40bを球受部材39の球状凹部39aに回
動自在に嵌合することにより、上記球体40bと球状凹
部39aとが嵌合した点が前述した上下エイミング調整
点Bとなる。
【0054】41はエイミングスクリュー40の後端部
に取着された摘子であり、エイミングスクリュー40を
回わす操作はこの摘子41をつかんで行なう。
【0055】左右エイミング調整部6はランプハウジン
グ3に固定された支持ナットと、該支持ナットに螺合さ
れた比較的長いエイミングスクリューと、ランプボディ
7のブラケット14に支持された球受部材とから成る。
【0056】42は支持ナットであり、該支持ナット4
2はベース部43とナット部44と6つの補強壁45、
45、・・・及び係合片46等が合成樹脂により一体に
形成されて成る。
【0057】ベース部43は縦長な平板状であって、上
下両端縁が半円状に形成された背面壁47と該背面壁4
7の外周縁全体から前方へ向って突出した周壁48とに
より前面が開口した略箱形をしており、その上下両端部
には周壁48の上下両端部の半円状の部分と連続して円
環状を為す筒状壁49、49´が形成されている。
【0058】ナット部44は螺孔44aを有する略円筒
状をしており、ベース部43の背面壁47に対して略垂
直で、その上下方向における中央より稍下方の位置に背
面壁47を貫通するように形成されていて、その長さ方
向の大部分は背面壁47より前方に突出されている。
尚、このようなナット部44は後述するエイミングスク
リューの長さの略半分の長さを有している。
【0059】補強壁45、45、・・・はその各壁面に
対して垂直な方向から見て略台形状をしており、ナット
部44の外周面と背面壁47の前面と周壁48又は筒状
壁49、49´とを連結するようにその一辺がナット部
44の軸方向に長く形成されている側の外周面に、ま
た、他の一辺が背面壁47の前面に、更に、別の一辺が
周壁48の内周面又は筒状壁の外周面にそれぞれ連結さ
れている。
【0060】また、各補強壁45はナット部44の軸方
向に長く形成されている側の外周面から正面から見て放
射状に延びるように位置すると共に、ナット部44の
方向に長く形成されている側の外周面においてはその長
さの略全長に亘って、また、背面壁47においては周壁
48又は筒状壁49、49´が形成された部分まで、更
に、周壁48又は筒状壁49、49´においてはその前
後方向の略全長に亘って、それぞれ形成されている。
【0061】従って、ナット部44はベース部43に対
して、前方に長く突出するように形成されているが上記
補強壁45、45、・・・によりナット部44の軸心に
対して直交する方向に対する剛性が高くされ、依って、
その方向への撓みがほとんど生じないようにされてい
る。
【0062】47aは背面壁47のうち下側の筒状壁4
9´の中心部と対応した位置に形成された孔である。
【0063】上記係合片46は左右方向から見て前方に
向って開いた略V字形をしており、その下片46aの前
端が上記孔47aの下側縁部に連続し、その上片46b
の上面の前端部は前下がりに傾斜した係止面46cにな
っている。
【0064】50は背面壁47のうち上側の筒状壁49
の中心部と対応した位置から前方へ向って突出したボス
部であり、該ボス部50には後方に向って突出したスタ
ッドボルト51が植設されている。
【0065】52、52、・・・はボス50の外周面と
筒状壁49の内周面とをこれらの軸方向と直交する方向
で連結したリブである。
【0066】このような支持ナット42はランプハウジ
ング3のうち前照灯ユニット2が配置された状態におけ
るランプボディ7の左側のブラケット14に対向した部
分53に取着され、該部分53は左側ブラケット14か
らなり後方に位置されている。
【0067】即ち、ランプハウジング3の上記部分53
は上下方向に稍長く前後方向を向いた平坦な壁状でその
上記ブラケット14の略後方の位置にスクリュー挿通孔
53aが、該スクリュー挿通孔53aの上方の位置には
ボルト挿通孔53bが、スクリュー挿通孔53aの下方
の位置には矩形をした係止孔53cがそれぞれ形成され
ており、支持ナット42はそのスタッドボルト51を上
記ボルト挿通孔53bに前方から挿通してその後方へ突
出した部分にナット54を螺合すると共に、係合片46
をその上片46b及び下片46aを互いに近づけるよう
に撓めながら上記係止孔53cに挿通してその係止面4
6cを係止孔53cの上側縁に係合することによってラ
ンプハウジング3に固定される(図5参照)。
【0068】このとき、支持ナット42のベース部43
はその背面壁47の上下方向に離間した2ヶ所(係合片
46とボス部50)がランプハウジング3の部分53に
接触した状態で固定される。
【0069】尚、ベース部43をランプハウジング3の
部分53にベース部43の背面壁47の略全体が上記部
分53に面接触する状態で固定するようにしても良い。
【0070】従って、ベース部43はランプハウジング
3に対して極めて安定に保持され、これにより、ナット
部44もランプハウジング3に対してほとんど撓むこと
なくしっかりと固定される。
【0071】55はエイミングスクリューであり、その
両端部以外の部分55aは螺軸に形成され、その前端部
には球体55bが一体に形成されていて、該エイミング
スクリュー55はその55aが前記支持ナット42のナ
ット部44にその前方から螺合され、その後端部がスク
リュー挿通孔53aを通して後方へ突出されている。
【0072】56は前記した球受部材34、39と同様
の構造をした球受部材であり、ランプボディ7の左側の
ブラケット14に回転不能に支持される。
【0073】そして、エイミングスクリュー55の球体
55bを球受部材56の球状凹部56aに回動自在に嵌
合することにより、上記球体55bと球状凹部56aと
が嵌合した点が前述した左右エイミング調整点Cとな
る。
【0074】しかして、前述のように、また、図3及び
図5に示すように、上記左右エイミング調整点Cとラン
プハウジング3の部分53との間の間隔はかなりの距離
を有しておりエイミングスクリュー55の長さはかなり
長くなるが、前述のように該エイミングスクリュー55
を支持する支持ナット42がランプハウジング3に対し
て極めて安定に保持され、かつ、そのナット部44が軸
方向に長く、しかも、ベース部43に対して剛性が高く
形成されているので、エイミングスクリュー55が軸心
方向に対して直交する方向に撓むことはなく、前照灯ユ
ニット2の保持を安定にすることとなる。
【0075】57はエイミングスクリュー55の後端部
に取着された摘子であり、エイミングスクリュー55を
回わす操作はこの摘子57をつかんで行なう。
【0076】以上のような自動車用前照灯装置1におけ
るエイミング調整は次のように行なわれる。
【0077】先ず、前照灯ユニット2の照射方向を上下
方向で調整する場合は、上下エイミング調整部5のエイ
ミングスクリュー40を回わす。すると、エイミングス
クリュー40の回転方向に応じて該エイミングスクリュ
ー40がナット35のナット部36に対して前方又は後
方へ移動されるので、上下エイミング調整点Bが前後方
向に変位され前照灯ユニット2は傾動支点Aと左右エイ
ミング調整点Cとを結ぶ直線を回動軸として略上下方向
へ回動して(図4参照)、照射方向が上下に調整され
る。
【0078】また、前照灯ユニット2の照射方向を左右
方向で調整する場合は、左右エイミング調整部6のエイ
ミングスクリュー55を回わす。すると、エイミングス
クリュー55の回転方向に応じて該エイミングスクリュ
ー55が支持ナット42のナット部44に対して前方又
は後方へ移動されるので、左右エイミング調整点Cが前
後方向に変位され、前照灯ユニット2は傾動支点Aと上
下エイミング調整点Bとを結ぶ直線を回動軸として略左
右方向へ回動して(図3参照)、照射方向が左右に調整
される。
【0079】
【発明の効果】以上に記載したところから明らかなよう
に、本発明自動車用前照灯のエイミングスクリュー支持
ナットは、先端部が自動車用前照灯と連結されたエイミ
ングスクリューを支持するためのエイミングスクリュー
支持ナットであって、車体又は車体に固定された部材に
少なくとも離間した2ヶ所又は長い面で接触した状態で
1ヶ所は車体又は車体に固定された部材に形成された挿
通孔に挿通したボルトで固定され、もう1ヶ所は車体又
は車体に固定された部材に形成された係合孔に係合片を
係合させて固定されるベース部と、螺孔を有し軸方向に
長い筒状をすると共に上記ベース部に略直交しベース部
に対して少なくとも一方側に大きく延びるように立設さ
れたナット部と、該ナット部のベース部に対して大きく
延びている側の外周面とベース部とを連結した補強部と
を一体に形成したことを特徴とする。
【0080】従って、本発明自動車用前照灯のエイミン
グスクリュー支持ナットによれば、そのベース部は車体
又は車体に固定された部材(以下、「車体側部材」と言
う。)に離間した2箇所以上、または長い面で接触した
状態で車体側部材を貫通したボルトと係合片によって
定されるので該ベース部を車体側部材に対して安定に支
持することができ、しかも、固定作業が簡単になる。
た、エイミングスクリューを支持するためのナット部は
軸方向に長く形成されているので、エイミングスクリュ
ーの支持を安定にすることができ、しかも、ナット部は
その軸方向に長く形成されている側の外周面とベース部
との間を補強部により連結されているので、軸方向と交
差する方向への撓みを防止することができ、従って、こ
れらによって、車体側部材に対するエイミングスクリュ
ーの支持状態を安定にすることができ、自動車用前照灯
を車体に対して安定に支持することができる。
【0081】尚、前記実施例においては、本発明支持ナ
ットを左右エイミング調整部におけるエイミングスクリ
ューを支持するための支持ナットにだけ適用したが、こ
れに限らず、上下エイミング調整部におけるエイミング
スクリューを支持するための支持ナットにも適用し得る
ことは勿論である。
【0082】また、前記実施例において、本発明自動車
用前照灯のエイミングスクリュー支持ナットはそのベ−
ス部材を車体側部材に対して上下方向に離間した2ケ所
で固定するようにしたが、これに限らず、例えば、左右
方向に離間した2ヶ所で固定するようにしても良く、ま
た、面接触するように固定しても良い。
【0083】更に、前記実施例において示した具体的な
構成は、本発明自動車用前照灯のエイミングスクリュー
支持ナットの実施に当たってのほんの一例を示したもの
にすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的
に解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1乃至図7は本発明自動車用前照灯のエイミ
ングスクリュー支持ナットの実施の一例を示すものであ
り、図1は自動車用前照灯装置全体の正面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う拡大断面図であ
る。
【図4】図1のIV−IV線に沿う拡大断面図である。
【図5】図1のV−V線に沿う拡大断面図である。
【図6】支持ブラケットを拡大して示す分解斜視図であ
る。
【図7】左右エイミング調整部の要部とランプハウジン
グの一部を拡大して示す分解斜視図である。
【図8】従来の自動車用前照灯装置の一例を一部切り欠
いて示す側面図である。
【符号の説明】
2 自動車用前照灯 3 車体又は車体に固定された部材 42 エイミングスクリュー支持ナット 43 ベース部 44 ナット部 44a 螺孔 45 補強部46 係合片 46、50 離間した2ヶ所51 ボルト 53b 挿通孔 53c 係合孔 55 エイミングスクリュー

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部が自動車用前照灯と連結されたエ
    イミングスクリューを支持するためのエイミングスクリ
    ュー支持ナットであって、車体又は車体に固定された部
    材に少なくとも離間した2ヶ所又は長い面で接触した状
    態で1ヶ所は車体又は車体に固定された部材に形成され
    た挿通孔に挿通したボルトで固定され、もう1ヶ所は車
    体又は車体に固定された部材に形成された係合孔に係合
    片を係合させて固定されるベース部と、螺孔を有し軸方
    向に長い筒状をすると共に上記ベース部に略直交しベー
    ス部に対して少なくとも一方側に大きく延びるように立
    設されたナット部と、該ナット部のベース部に対して大
    きく延びている側の外周面とベース部とを連結した補強
    部とを一体に形成したことを特徴とする自動車用前照灯
    のエイミングスクリュー支持ナット。
  2. 【請求項2】 ボルトによる固定箇所と係合片による固
    定箇所がベース部の上と下になるようにしたことを特徴
    とする請求項1記載の自動車用前照灯のエイミングスク
    リュー支持ナット。
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