JP2706857B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP2706857B2 JP3133251A JP13325191A JP2706857B2 JP 2706857 B2 JP2706857 B2 JP 2706857B2 JP 3133251 A JP3133251 A JP 3133251A JP 13325191 A JP13325191 A JP 13325191A JP 2706857 B2 JP2706857 B2 JP 2706857B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料に関するものであり、詳しくは迅速処理性に優れ高感
度で、露光時間の変化による感度や階調の変動が少な
く、さらに露光から処理までの間の時間の変化による感
度や階調の変動が少ないハロゲン化銀写真感光材料に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】現在市販されているハロゲン化銀写真感
光材料、およびそれを用いた画像形成方法は多種多様に
わたり、あらゆる分野に利用されている。これらの感光
材料のうち、カラー印画紙用感光材料のように、大量の
プリントを短い納期で仕上げる要請の強い市場で用いら
れる製品においては、実質的に沃化銀を含まない臭化銀
もしくは塩臭化銀が用いられてきた。近年、カラー印画
紙に対する迅速処理性能向上の要請は益々強くなり、多
くの研究がなされている。使用するハロゲン化銀乳剤の
塩化銀含有率を高くすると、現像速度の飛躍的な向上が
もたらされることが知られており、現実に市場において
もカラー印画紙に使用されている乳剤の高塩化銀化が進
んでいる。しかしながら、塩化銀含有率の高いハロゲン
化銀乳剤は、通常の化学増感では高感度で硬調な階調が
得られにくく、更に相反則不軌、つまり露光照度の変化
による感度、階調の変化が大きいということが知られて
おり、これらの問題点を克服するために、様々な技術が
開示されている。
【0003】特開昭58−95736号、同58−10
8533号、同60−222844号、同60−222
845号および同64−26837号には、様々な構造
の臭化銀富有領域を有する高塩化銀乳剤によって、高感
度かつ硬調な性能が得られることが開示されている。し
かしながら、これらの技術に従えば確かに高感度な乳剤
が得られるが、相反則不軌の改良効果は僅かであった。
ハロゲン化銀乳剤の相反則不軌改良には、イリジウムを
ハロゲン化銀粒子にドーピングすることが有効であるこ
とが知られている。例えば特公昭43−4935号に
は、ハロゲン化銀乳剤の沈澱または熟成中に微量のIr
化合物を添加したものを用いた感光材料は、広い露光時
間の範囲でほぼ一定の階調をもつ画像が得られることが
開示されている。しかしながら、イリジウムをドープし
た塩化銀含有率の高いハロゲン化銀乳剤においては、露
光後15秒から約2時間の間に潜像補力が起こることが
ツウィッキイ(Zwicky) によって、ジャーナル・オブ・
フォトグラフィック・サイエンス(Journal of Photogr
aphic Science)の33巻、201頁に開示されている。
このようなことが起こると、露光から処理までの間の時
間の変化により感度、階調が変動してしまい、実用上好
ましくない。
【0004】特開平1−105940には、イリジウム
を選択的にドープした臭化銀富有領域を有する高塩化銀
乳剤によって、露光後数時間の潜像安定性を損なう事な
く、相反則特性の優れた乳剤が得られることが開示され
ている。しかしながら、本発明者らが検討したところ、
この技術では、臭化銀富有領域を形成するときの反応条
件によっては潜像増感が生じてしまうことがあり、潜像
安定性と相反則特性を十分に両立させるためには更なる
改良が必要であることが見出された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、迅速処理性に優れ高感度で、露光時間の変化によ
る感度や階調の変動が少なく、さらに露光から処理まで
の間の時間の変化による感度や階調の変動が少ない(潜
像安定性が改良された)ハロゲン化銀写真感光材料を提
供することにある。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明の目的は、支持
体上にハロゲン化銀乳剤を含有する感光性乳剤層を少な
くとも一層有するハロゲン化銀写真感光材料において、
該ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層に塩化銀含有率
80モル%以上の塩臭化銀粒子からなるハロゲン化銀乳
剤を含有し、かつ該粒子イリジウム化合物を含有し、し
かもが臭化銀含有率10%以上の局在相を有し、更に該
粒子がセレン増感されていることを特徴とするハロゲン
化銀写真感光材料によって達成された。
【0007】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
用いるハロゲン化銀乳剤が「塩化銀含有率80モル%以
上の塩臭化銀粒子からなる」とは、本発明の乳剤に含ま
れるハロゲン化銀粒子の平均ハロゲン組成が80モル%
以上が塩化銀であり、実質的に沃化銀を含まない塩臭化
銀であることを意味する。ここで「実質的に沃化銀を含
まない」とは、沃化銀含有率が1.0モル%以下である
ことが好ましい。またハロゲン化銀粒子の平均ハロゲン
組成としては、95モル%以上が塩化銀である実質的に
沃化銀を含まない塩臭化銀であることが好ましい。更に
は99モル%以上が塩化銀である実質的に沃化銀を含ま
ない塩臭化銀であることが最も好ましい。
【0008】本発明のハロゲン化銀粒子は、臭化銀含有
率において少なくとも10モル%を越える局在相を、層
状もしくは非層状にハロゲン化銀粒子内部および/また
は表面に有する必要がある。このような臭化銀含有率の
高い局在相の配置は本発明の効果を発揮するために、更
には圧力性、処理液組成依存性等の観点から、粒子表面
近傍にあることが好ましい。ここで粒子表面近傍とは、
最表面から測って、用いるハロゲン化銀粒子の粒子サイ
ズの1/5以内の位置のことである。最表面から測っ
て、用いるハロゲン化銀粒子の粒子サイズの1/10以
内の位置であることがさらに好ましい。臭化銀含有率の
高い局在相の最も好ましい配置は、立方体または14面
体塩化銀粒子のコーナー部に、臭化銀含有率において少
なくとも10モル%を越える局在相がエピタキシャル成
長したものである。
【0009】臭化銀含有率の高い局在相の臭化銀含有率
は10モル%を越える必要があるが、臭化銀含有率が高
過ぎると感光材料に圧力が加えられたときに減感を引き
起こしたり、処理液の組成の変動によって感度、階調が
大きく変化してしまうなどの写真感光材料にとって好ま
しくない特性が付与されてしまう場合がある。臭化銀含
有率の高い局在相の臭化銀含有率は、これらの点を考慮
に入れて、10から60モル%の範囲が好ましく、20
から50モル%の範囲が最も好ましい。臭化銀含有率の
高い局在相の臭化銀含有率は、X線回折法(例えば、
「日本化学会編、新実験化学講座6、構造解析」丸善、
に記載されている)等を用いて分析することができる。
臭化銀含有率の高い局在相は、本発明のハロゲン化銀粒
子を構成する全銀量の0.1から20%の銀から構成さ
れていることが好ましく、0.2から5%の銀から構成
されていることが更に好ましい。このような臭化銀含有
率の高い局在相とその他の相との界面は、明瞭な相境界
を有していてもよいし、ハロゲン組成が徐々に変化する
転移領域を有していてもよい。
【0010】このような臭化銀含有率の高い局在相を形
成するには様々な方法を用いることができる。例えば、
可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を片側混合法あるいは同
時混合法で反応させて局在相を形成することができる。
更に、既に形成されているハロゲン化銀粒子を、より溶
解度積の低いハロゲン化銀に変換するコンバージョン法
を用いても局在相を形成することができる。あるいは、
立方体または14面体ハロゲン化銀ホスト粒子に前記ハ
ロゲン化銀ホスト粒子よりも平均粒径が小さく、しかも
臭化銀含有率が高いハロゲン化銀微粒子を混合して後、
熟成する事によって臭化銀含有率の高い局在相を形成す
ることも好ましく行われる。
【0011】本発明の乳剤粒子にはイリジウム化合物が
含有されている。本発明に用いられるイリジウム化合物
として、水溶性イリジウム化合物を用いることができ
る。例えば、ハロゲン化イリジウム(III)化合物、
ハロゲン化イリジウム(IV)化合物、またイリジウム
錯塩で配位子としてハロゲン、アミン類、オキザラト等
を持つもの、例えばヘキサクロロイリジウム(III)
あるいは(IV)錯塩、ヘキサアンミンイリジウム(I
II)あるいは(IV)錯塩、トリオキザラトイリジウ
ム(III)あるいは(IV)錯塩などが挙げられる。
本発明においては、これらの化合物の中からIII価の
ものとIV価のものを任意に組合せて用いることができ
る。これらのイリジウム化合物は水あるいは適当な溶媒
に溶解して用いられるが、イリジウム化合物の溶液を安
定化させるために一般によく行われる方法、即ちハロゲ
ン化水素水溶液(例えば塩酸、臭酸、フッ酸等)、ある
いはハロゲン化アルカリ(例えばKCl、NaCl、K
Br、NaBr等)を添加する方法を用いることができ
る。水溶性イリジウム化合物を用いる代わりに、本発明
に係わるハロゲン化銀粒子調製時にあらかじめイリジウ
ムをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶
解させることも可能である。
【0012】本発明に係わるハロゲン化銀粒子調製時に
添加するイリジウム化合物の全添加量は、最終的に形成
されるハロゲン化銀1モル当たり5×10-9〜1×10
-4モルが適当であり、好ましくは1×10-8〜1×10
-5モル、最も好ましくは5×10-8〜5×10-6モルで
ある。
【0013】本発明のハロゲン化銀乳剤粒子にイリジウ
ム化合物が含有される場合、本発明の臭化銀含有率の高
い局在相は、前記のハロゲン化銀粒子調製時に添加する
全イリジウムの少なくとも50%とともに沈積されるこ
とが好ましい。局在相が、添加する全イリジウムの少な
くとも80%とともに沈積されることがさらに好まし
く、添加する全イリジウムとともに沈積されることが最
も好ましい。ここで該局在相をイリジウムと共に沈積す
るとは、局在相を形成するための銀あるいはハロゲンの
供給と同時、供給の直前、または供給の直後にイリジウ
ム化合物を供給することをいう。ハロゲン化銀ホスト粒
子よりも平均粒径が小さく、しかも臭化銀含有率が高い
ハロゲン化銀微粒子を混合して後、熟成する事によって
臭化銀含有率の高い局在相を形成する場合、臭化銀含有
率が高いハロゲン化銀微粒子にあらかじめイリジウム塩
を含有させておくことが好ましい。
【0014】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤に含まれ
るハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズ(粒子の投影面積
と等価な円の直径を以て粒子サイズとし、その数平均を
とったもの)は、0.1μ〜2μが好ましい。また、そ
れらの粒子サイズ分布は変動係数(粒子サイズ分布の標
準偏差を平均粒子サイズで除したもの)20%以下、望
ましくは15%以下の所謂単分散なものが好ましい。こ
のとき、広いラチチュードを得る目的で上記の単分散乳
剤を同一層にブレンドして使用することや、重層塗布す
ることも好ましく行われる。写真乳剤に含まれるハロゲ
ン化銀粒子の形状は、立方体、十四面体あるいは八面体
のような規則的な(regular)結晶形を有するもの、球
状、板状などのような変則的な(irregular)結晶形を有
するもの、あるいはこれらの複合形を有するものを用い
ることができる。また、種々の結晶形を有するものの混
合したものからなっていても良い。本発明においてはこ
れらの中でも上記規則的な結晶形を有する粒子を50%
以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以
上含有するのが良い。
【0015】また、これら以外にも平均アスペクト比
(円換算直径/厚み)が5以上、好ましくは8以上の平
板状粒子が投影面積として全粒子の50%を越えるよう
な乳剤も好ましく用いることができる。本発明に用いる
塩臭化銀乳剤は、P.Glafkides 著 Chimie et Physique
Photographique(Paul Montel社刊、1967年)、G.F.
Duffin著 Photographic Emulsion Chemistry(Focal Pre
ss社刊、1966年)、V.L.Zelikman et al著 Makinga
nd Coating Photographic Emulsion(Focal Press 社
刊、1964年)などに記載された方法を用いて調整す
ることができる。すなわち、酸性法、中性法、アンモニ
ア法等のいずれでもよく、また可溶性銀塩と可溶性ハロ
ゲン塩を反応させる形式としては、片側混合法、同時混
合法、及びそれらの組合せなどのいずれの方法を用いて
も良い。粒子を銀イオン過剰の雰囲気の下において形成
させる方法(いわゆる逆混合法)を用いることもでき
る。同時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成
する液相中のpAgを一定に保つ方法、すなわちいわゆ
るコントロールド・ダブルジェット法を用いることもで
きる。この方法によると、結晶形が規則的な粒子サイズ
が均一に近いハロゲン化銀乳剤を得ることができる。
【0016】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は、その
乳剤粒子形成もしくは物理熟成の過程において前述のイ
リジウム塩以外にも種々の多価金属イオン不純物を導入
することができる。使用する化合物の例としては、カド
ミウム、亜鉛、鉛、銅、タリウムなどの塩、あるいは第
VIII族元素である鉄、ルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、オスミウム、白金などの塩もしくは錯塩を挙げるこ
とができる。特に上記第VIII族元素は好ましく用いるこ
とができる。これらの化合物の添加量は目的に応じて広
範囲にわたるが、ハロゲン化銀に対して10-9〜10-2
モルが好ましい。
【0017】次に本発明のハロゲン化銀乳剤に施される
セレン増感について詳しく説明する。本発明で用いられ
るセレン増感剤としては、従来公知の特許に開示されて
いるセレン化合物を用いることができる。セレン増感は
通常、不安定型セレン化合物および/または非不安定型
セレン化合物をハロゲン化銀乳剤に添加して、高温、好
ましくは40℃以上で乳剤を一定時間攪拌することによ
り行われる。不安定型セレン化合物としては特公昭44
−15748号、特公昭43−13489号、特願平1
−130976号、特願平2−229300号などに記
載の化合物を用いることが好ましい。具体的な不安定セ
レン増感剤としては、イソセレノシアネート類(例えば
アリルイソセレノシアネートの如き脂肪族イソセレノシ
アネート類)、セレノ尿素類、セレノケトン類、セレノ
アミド類、セレノカルボン酸類(例えば、2−セレノプ
ロピオン酸、2−セレノ酪酸)、セレノエステル類、ジ
アシルセレニド類(例えば、ビス(3−クロロ−2,6
−ジメトキシベンゾイル)セレニド)、セレノホスフェ
ート類、ホスフィンセレニド類、コロイド状金属セレン
などがあげられる。
【0018】不安定型セレン化合物の好ましい類型を上
に述べたがこれらは限定的なものではない。当業技術者
には写真乳剤の増感剤としての不安定型セレン化合物と
いえば、セレンが不安定である限りに於いて該化合物の
構造はさして重要なものではなく、セレン増感剤分子の
有機部分はセレンを担持し、それを不安定な形で乳剤中
に存在せしめる以外何らの役割をもたないことが一般に
理解されている。本発明においては、かかる広範な概念
の不安定セレン化合物が有利に用いられる。本発明で用
いられる非不安定型セレン化合物としては特公昭46−
4553号、特公昭52−34492号および特公昭5
2−34491号に記載の化合物が用いられる。非不安
定型セレン化合物としては例えば亜セレン酸、セレノシ
アン化カリウム、セレナゾール類、セレナゾール類の四
級塩、ジアリールセレニド、ジアリールジセレニド、ジ
アルキルセレニド、ジアルキルジセレニド、2−セレナ
ゾリジンジオン、2−セレノオキサゾリジンチオンおよ
びこれらの誘導体等があげられる。これらのセレン化合
物のうち、好ましくは以下の一般式(I)および(II)
があげられる。一般式(I)
【0019】
【化1】
【0020】式中、Z1 およびZ2 はそれぞれ同じでも
異なっていてもよく、アルキル基(例えば、メチル、エ
チル、t−ブチル、アダマンチル、t−オクチル)、ア
ルケニル基(例えば、ビニル、プロペニル)、アラルキ
ル基(例えば、ベンジル、フェネチル)、アリール基
(例えば、フェニル、ペンタフルオロフェニル、4−ク
ロロフェニル、3−ニトロフェニル、4−オクチルスル
ファモイルフェニル、α−ナフチル)、複素環基(例え
ば、ピリジル、チエニル、フリル、イミダゾリル)、−
NR1(R2 )、−OR3 または−SR4 を表す。R1
2 、R3 およびR4 はそれぞれ同じでも異なっていて
もよく、アルキル基、アラルキル基、アリール基または
複素環基を表す。アルキル基、アラルキル基、アリール
基または複素環基としてはZ1 と同様な例があげられ
る。ただし、R1 およびR2 は水素原子またはアシル基
(例えば、アセチル、プロパノイル、ベンゾイル、ヘプ
タフルオロブタノイル、ジフルオロアセチル、4−ニト
ロベンゾイル、α−ナフトイル、4−トリフルオロメチ
ルベンゾイル)であってもよい。
【0021】一般式(I)中、好ましくはZ1 はアルキ
ル基、アリール基または−NR1(R2 )を表し、Z2
−NR5(R6)を表す。R1 、R2 、R5 およびR6 はそ
れぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子、アルキ
ル基、アリール基、またはアシル基を表す。一般式
(I)中、より好ましくはN,N−ジアルキルセレノ尿
素、N,N,N′−トリアルキル−N′−アシルセレノ
尿素、テトラアルキルセレノ尿素、N,N−ジアルキル
−アリールセレノアミド、N−アルキル−N−アリール
−アリールセレノアミドを表す。一般式(II)
【0022】
【化2】
【0023】式中、Z3 、Z4 およびZ5 はそれぞれ同
じでも異なっていてもよく、脂肪族基、芳香族基、複素
環基、−OR7 、−NR8(R9)、−SR10、−Se
11、−Xまたは水素原子を表す。R7 、R10およびR
11は脂肪族基、芳香族基、複素環基、水素原子またはカ
チオンを表し、R8 およびR9 は脂肪族基、芳香族基、
複素環基または水素原子を表し、Xはハロゲン原子を表
す。一般式(II)において、Z3 、Z4 、Z5 、R7
8 、R9 、R10およびR 11で表される脂肪族基は直
鎖、分岐または環状のアルキル基、アルケニル基、アル
キニル基、アラルキル基(例えば、メチル、エチル、n
−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−ブチル、
n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロ
ペンチル、シクロヘキシル、アリル、2−ブテニル、3
−ペンテニル、プロパルギル、3−ペンチニル、ベンジ
ル、フェネチル)を表す。一般式(II)において、
3 、Z4 、Z5 、R7 、R8 、R9 、R10およびR11
で表される芳香族基は単環または縮環のアリール基(例
えば、フェニル、ペンタフルオロフェニル、4−クロロ
フェニル、3−スルホフェニル、α−ナフチル、4−メ
チルフェニル)を表す。
【0024】一般式(II)において、Z3 、Z4
5 、R7 、R8 、R9 、R10およびR11で表される複
素環基は窒素原子、酸素原子または硫黄原子のうち少な
くとも一つを含む3〜10員環の飽和もしくは不飽和の
複素環基(例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チア
ゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル)を表す。
一般式(II)において、R7 、R10およびR11で表され
るカチオンはアルカリ金属原子またはアンモニウムを表
し、Xで表されるハロゲン原子は、例えばフッ素原子、
塩素原子、臭素原子または沃素原子を表す。一般式(I
I)中、好ましくはZ3、Z4 またはZ5 は脂肪族基、芳
香族基または−OR7 を表し、R7 は脂肪族基または芳
香族基を表す。一般式(II)中、より好ましくはトリア
ルキルホスフィンセレニド、トリアリールホスフィンセ
レニド、トリアルキルセレノホスフェートまたはトリア
リールセレノホスフェートを表す。以下に一般式(I)
および(II)で表される化合物の具体例を示すが、本発
明はこれに限定されるものではない。
【0025】
【化3】
【0026】
【化4】
【0027】
【化5】
【0028】
【化6】
【0029】
【化7】
【0030】
【化8】
【0031】
【化9】
【0032】
【化10】
【0033】セレン増感剤の使用量は、使用するセレン
化合物、ハロゲン化銀粒子(ハロゲンの種類と含有率、
粒子サイズや晶形など)、化学熟成条件等により変わる
が一般にハロゲン化銀1モル当たり10-8〜10-4
ル、好ましくは10-7〜10-5モル程度を用いる。本発
明における化学増感の条件としては、特に制限はないが
pAgとしては一般に5〜10、好ましくは5.5〜
8、より好ましくは6〜7.5であり、温度としては一
般に30〜80℃、好ましくは40〜70℃である。p
Hとしては一般に4〜10、好ましくは5〜8である。
また温度は一般に30〜80℃、好ましくは40〜70
℃である。
【0034】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤に適
用される化学増感法については、本発明のセレン化合物
によるセレン増感単独以外に不安定硫黄化合物の添加に
代表される硫黄増感、金増感に代表される貴金属増感、
あるいは還元増感などを併用して用いることができる。
化学増感に用いられる化合物については、特開昭62−
215272号公報の第18頁右下欄〜第22頁右上欄
に記載のものが好ましく用いられる。本発明に用いられ
るハロゲン化銀乳剤に適用される分光増感は、本発明の
感光材料における各層の乳剤に対して所望の光波長域に
分光感度を付与する目的で行われる。本発明においては
目的とする分光感度に対応する波長域の光を吸収する色
素−分光増感色素を添加することで行うことが好まし
い。このとき用いられる分光増感色素としては例えば、
F.M.Harmer著 Heterocyclic compounds-Cyaninedyes an
d related compounds(John Wiley & Sons New York,Lon
don 社刊 1964年)に記載されているものを挙げ
ることができる。具体的な化合物の例ならびに分光増感
法は、前出の特開昭62−215272号公報の第22
頁右上欄〜第38頁に記載のものが好ましく用いられ
る。本発明に用いるハロゲン化銀乳剤には、感光材料の
製造工程、保存中あるいは写真処理中のかぶりを防止す
る、あるいは写真性能を安定化させる目的で種々の化合
物あるいはそれ等の前駆体を添加することができる。こ
れらの化合物の具体例は前出の特開昭62−21527
2号公報明細書の第39頁〜第72頁に記載のものが好
ましく用いられる。本発明に用いる乳剤は、潜像が主と
して粒子表面に形成される所謂表面潜像型乳剤である。
【0035】本発明に係わる感光材料には、画像のシャ
ープネス等を向上させる目的で親水性コロイド層に、欧
州特許EP0,337,490A2号の第27〜76頁
に記載の、処理により脱色可能な染料(なかでもオキソ
ノール系染料)を該感材の680nmに於ける光学反射
濃度が0.70以上になるように添加したり、支持体の
耐水性樹脂層中に2〜4価のアルコール類(例えばトリ
メチロールエタン)等で表面処理された酸化チタンを1
2重量%以上(より好ましくは14重量%以上)含有さ
せるのが好ましい。
【0036】本発明に用いうるシアン、マゼンタ、イエ
ローカプラー等の写真添加剤は高沸点有機溶媒に溶解さ
せて用いるのが好ましく、その高沸点有機溶媒は、融点
が100℃以下、融点が140℃以上の水と非混和性の
化合物で、カプラーの良溶媒であれば使用できる。高沸
点有機溶媒の融点は好ましくは80℃以下である。高沸
点有機溶媒の沸点は、好ましくは160℃以上であり、
より好ましくは170℃以上である。これらの高沸点有
機溶媒の詳細については、特開昭62−215272号
公開明細書の第137頁右下欄〜144頁右上欄に記載
されている。また、シアン、マゼンタまたはイエローカ
プラーは前記の高沸点有機溶媒の存在下でまたは不存在
下でローダブルラテックスポリマー(例えば米国特許第
4,203,716号)に含浸させて、または水不溶性
且つ有機溶媒可溶性のポリマーとともに溶かして親水性
コロイド水溶液に乳化分散させる事ができる。好ましく
は米国特許4,857,449号明細書の第7欄〜15
欄及び国際公開WO88/00723号明細書の第12
頁〜30頁に記載の単独重合体または共重合体が用いら
れ、より好ましくはメタクリレート系あるいはアクリル
アミド系ポリマー、特にアクリルアミド系ポリマーの使
用が色像安定化等の上で好ましい。
【0037】また、本発明に係わる感光材料には、カプ
ラーと共に欧州特許EP0,277,589A2号に記
載のような色像保存性改良化合物を使用するのが好まし
い。特にピラゾロアゾールカプラーとの併用が好まし
い。即ち、発色現像処理後に残存する芳香族アミン系現
像主薬と化学結合して、化学的に不活性でかつ実質的に
無色の化合物を生成する化合物(F)および/または発
色現像処理後に残存する芳香族アミン系発色現像主薬の
酸化体と化学結合して、化学的に不活性でかつ実質的に
無色の化合物を生成する化合物(G)を同時または単独
に用いることが、例えば処理後の保存における膜中残存
発色現像主薬ないしその酸化体とカプラーの反応による
発色色素生成によるステイン発生その他の副作用を防止
する上で好ましい。
【0038】また、本発明に係わる感光材料には、親水
性コロイド層中に繁殖して画像を劣化させる各種の黴や
細菌を防ぐために、特開昭63−271247号に記載
のような防黴剤を添加するのが好ましい。
【0039】また、本発明に係わる感光材料に用いられ
る支持体としては、ディスプレイ用に白色ポリエステル
系支持体または白色顔料を含む層がハロゲン化銀乳剤層
を有する側の支持体上に設けられた支持体を用いてもよ
い。更に鮮鋭性を改良するために、アンチハレーション
層を支持体のハロゲン化銀乳剤層塗布側または裏面に塗
設するのが好ましい。特に反射光でも透過光でもディス
プレイが観賞できるように、支持体の透過濃度を0.3
5〜0.8の範囲に設定するのが好ましい。
【0040】本発明に係わる感光材料は可視光で露光さ
れても赤外光で露光されてもよい。露光方法としては低
照度露光でも高照度短時間露光でもよく、特に後者の場
合には一画素当りの露光時間が10-4秒より短いレーザ
ー走査露光方式が好ましい。
【0041】また、露光に際して、米国特許第4,88
0,726号に記載のバンド・ストップフィルターを用
いるのが好ましい。これによって光混色が取り除かれ、
色再現性が著しく向上する。
【0042】露光済みの感光材料は慣用の白黒またはカ
ラー現像処理が施されうるが、カラー感材の場合には迅
速処理の目的からカラー現像の後、漂白定着処理するの
が好ましい。特に前記高塩化銀乳剤が用いられる場合に
は、漂白定着液のpHは脱銀促進等の目的から約6.5
以下が好ましく、更に約6以下が好ましい。
【0043】本発明に係わる感光材料に適用されるハロ
ゲン化銀乳剤やその他の素材(添加剤など)および写真
構成層(層配置など)、並びにこの感材を処理するため
に適用される処理法や処理用添加剤としては、下記の特
許公報、特に欧州特許EP0,355,660A2号
(特開平2−139544号)に記載されているものが
好ましく用いられる。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】また、シアンカプラーとして、特開平2−
33144号に記載のジフェニルイミダゾール系シアン
カプラーの他に、欧州特許EP0,333,185A2
号に記載の3−ヒドロキシピリジン系シアンカプラー
(なかでも具体例として列挙されたカプラー(42)の
4当量カプラーに塩素離脱基をもたせて2当量化したも
のや、カプラー(6)や(9)が特に好ましい)や特開
昭64−32260号に記載された環状活性メチレン系
シアンカプラー(なかでも具体例として列挙されたカプ
ラー例3、8、34が特に好ましい)の使用も好まし
い。
【0050】また、塩化銀含有率が90モル%以上の高
塩化銀乳剤を使用するハロゲン化銀カラー感光材料の処
理方法としては、特開平2−207250号の第27頁
左上欄〜34頁右上欄に記載の方法が好ましく適用され
る。
【0051】
【実施例】参考例 石灰処理ゼラチン32gを蒸溜水800ccに添加し、
40℃にて溶解後、塩化ナトリウム5.8gおよびN,
N′−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン(1%水溶
液)1.9ccを添加し、温度を72℃に上昇させた。
続いて硝酸銀80gを蒸溜水480ccに溶解した液と
塩化ナトリウム27.6gを蒸溜水480ccに溶解し
た液とを、72℃を保ちながら60分間かけて前記の液
に添加混合した。次に硝酸銀80gを蒸溜水300cc
に溶解した液と塩化ナトリウム24.3gおよびヘキサ
シアノ鉄(II)酸カリウム三水塩4mgを蒸溜水30
0ccに溶解した液とを、72℃を保ちながら20分間
かけて添加混合した。40℃にて脱塩および水洗を施し
た後、石灰処理ゼラチン90gを加え、更に塩化ナトリ
ウムおよび水酸化ナトリウムにてpAgを7.4に、p
Hを6.4に調整した。58℃に昇温した後、トリエチ
ルチオ尿素をハロゲン化銀1モルあたり1×10−5
ル添加して最適に硫黄増感を施した。また下記に示され
る青感光性増感色素をハロゲン化銀1モルあたり3×1
−4モル添加して分光増感を施した。このようにして
得られた塩化銀乳剤を乳剤Aとした。
【0052】乳剤Aとは、トリエチルチオ尿素による硫
黄増感の代わりに、ハロゲン化銀1モルあたり1×10
-5モルのジメチルセレノウレアによるセレン増感を施し
たことだげが異なる乳剤Bを調製した。乳剤Aとは、硫
黄増感前に、臭化カリウム水溶液を塩化銀に対して0.
4モル%の臭化銀含有率になる量添加して臭化銀局在相
を形成したことだけが異なる乳剤Cを調製した。乳剤A
とは、硫黄増感前に、臭化銀超微粒子乳剤(粒子サイズ
0.05μm)を塩化銀に対して0.4モル%の臭化銀
含有率になる量添加して臭化銀局在相を形成したことだ
けが異なる乳剤Dを調製した。乳剤Cとは、トリエチル
チオ尿素による硫黄増感の代わりに、ハロゲン化銀1モ
ルあたり1×10-5モルのジメチルセレノウレアによる
セレン増感を施したことだけが異なる乳剤Eを調製し
た。
【0053】乳剤Dとは、トリエチルチオ尿素による硫
黄増感の代わりに、ハロゲン化銀1モルあたり1×10
-5モルのジメチルセレノウレアによるセレン増感を施し
たことだけが異なる乳剤Fを調製した。このようにして
調製したAからFまでの6種類の乳剤について、電子顕
微鏡写真から粒子の形状、粒子サイズ、および粒子サイ
ズ分布を求めた。粒子サイズは粒子の投影面積と等価な
円の直径の平均値をもって表し、粒子サイズ分布は粒子
径の標準偏差を平均粒子サイズで割った値を用いた。A
からFまでの6種類の乳剤は、いずれも粒子サイズ0.
8μm、粒子サイズ分布0.08の角の尖った立方体粒
子であった。また乳剤C、D、EおよびFのX線回折
は、臭化銀含有率で10モル%から40モル%相当の部
分に弱い回折を示した。したがって乳剤C、D、Eおよ
びFでは、立方体塩化銀粒子のコーナー部に、臭化銀含
有率が10モル%から40モル%の局在相がエピタキシ
ャル成長しているといえる。
【0054】次に、ポリエチレンで両面ラミネートした
紙支持体表面にコロナ放電処理を施した後、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設
け、さらに種々の写真構成層を塗布して以下に示す層構
成の多層カラー印画紙(試料1)を作製した。塗布液は
下記のようにして調製した。 第一層塗布液調製 イエローカプラー(ExY)19.1g、色像安定剤
(Cpd−1)4.4gおよび色像安定剤(Cpd−
7)1.4gに、酢酸エチル27.2ccおよび溶媒(S
olv−3)および溶媒(Solv−7)をそれぞれ
4.2gを加え溶解し、この溶液をドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム8ccを含む10%ゼラチン水溶液1
85ccに添加した後、超音波ホモジナイザーにて乳化分
散した。得られた分散液を、前記の塩化銀乳剤Aと混合
溶解して第1層塗布液を調製した。第二層から第七層用
の塗布液も第一層塗布液と同様の方法で調製した。各層
のゼラチン硬化剤としては、1−オキシ−3,5−ジク
ロロ−s−トリアジンナトリウム塩を用いた。また、各
層にCpd−10とCpd−11をそれぞれ全量が2
5.0mg/m2と50.0mg/m2となるように添加した。
【0055】各感光性乳剤層の塩臭化銀乳剤には下記の
分光増感色素をそれぞれ用いた。
【0056】
【化11】
【0057】
【化12】
【0058】
【化13】
【0059】赤感性乳剤層に対しては、下記の化合物を
ハロゲン化銀1モル当たり2.6×10-3モル添加し
た。
【0060】
【化14】
【0061】また、イラジエーション防止のために乳剤
層に下記の染料(カッコ内は塗布量を表す)を添加し
た。
【0062】
【化15】
【0063】(層構成)以下に各層の組成を示す。数字
は塗布量(g/m2)を表す。ハロゲン化銀乳剤は、銀換
算塗布量を表す。 支持体 ポリエチレンラミネート紙 〔第一層側のポリエチレンに白色顔料(TiO2 )と青
味染料(群青)を含む〕 第一層(青感性イエロー発色層) 前記塩臭化銀乳剤(A) 0.30 ゼラチン 1.22 イエローカプラー(ExY) 0.82 色像安定剤(Cpd−1) 0.19 溶媒(Solv−3) 0.18 溶媒(Solv−7) 0.18 色像安定剤(Cpd−7) 0.06
【0064】 第二層(混色防止層) ゼラチン 0.64 混色防止剤(Cpd−5) 0.10 溶媒(Solv−1) 0.16 溶媒(Solv−4) 0.08 第三層(緑感光性マゼンタ発色層) 塩臭化銀乳剤(立方体、平均粒子サイズ0.55μmの大サイズ乳剤Bと、0 .39μmの小サイズ乳剤Bとの1:3混合物(Agモル比)。粒子サイズ 分布の変動係数はそれぞれ0.10と0.08、各サイズ乳剤ともAgBr 0.8モル%を粒子表面の一部に局在含有させた) 0.12 ゼラチン 1.28 マゼンタカプラー(ExM) 0.23 色像安定剤(Cpd−2) 0.03 色像安定剤(Cpd−3) 0.16 色像安定剤(Cpd−4) 0.02 色像安定剤(Cpd−9) 0.02 溶媒(Solv−2) 0.40 第四層(紫外線吸収層) ゼラチン 1.41 紫外線吸収剤(UV−1) 0.47 混色防止剤(Cpd−5) 0.05 溶媒(Solv−5) 0.24
【0065】 第五層(赤感光性シアン発色層) 塩臭化銀乳剤(立方体、平均粒子サイズ0.58μmの大サイズ乳剤Cと、0 .45μmの小サイズ乳剤Cとの1:4混合物(Agモル比)。粒子サイズ 分布の変動係数は0.09と0.11、各サイズ乳剤ともAgBr0.6モ ル%を粒子表面の一部に局在含有させた) 0.23 ゼラチン 1.04 シアンカプラー(ExC) 0.32 色像安定剤(Cpd−2) 0.03 色像安定剤(Cpd−4) 0.02 色像安定剤(Cpd−6) 0.18 色像安定剤(Cpd−7) 0.40 色像安定剤(Cpd−8) 0.05 溶媒(Solv−6) 0.14 第六層(紫外線吸収層) ゼラチン 0.48 紫外線吸収剤(UV−1) 0.16 混色防止剤(Cpd−5) 0.02 溶媒(Solv−5) 0.08 第七層(保護層) ゼラチン 1.10 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体(変性度17%) 0.17 流動パラフィン 0.03
【0066】
【化16】
【0067】
【化17】
【0068】
【化18】
【0069】
【化19】
【0070】
【化20】
【0071】
【化21】
【0072】
【化22】
【0073】
【化23】
【0074】
【化24】
【0075】以上のようにして得られた感光材料を基本
として、青感層の乳剤を第1表のように入れ替えた感光
材料を作成し、これらを試料2〜6とした。こうして得
た6種類の感光材料の感度および階調を調べるために、
光学ウェッジと青色フィルターを通して10秒あるいは
10-2秒の露光を与え、約1時間後に以下に示す処理工
程と処理液を用いて発色現像処理を行なった。感光材料
の潜像保存性を調べるために、光学ウェッジと青色フィ
ルターを通して10-2秒の露光を与え、10秒後および
10分後に以下に示す処理工程と処理液を用いて発色現
像処理を行なった。こうして作成した処理済み試料の反
射濃度を測定して、特性曲線を得た。感度は、かぶり濃
度よりも0.5高い濃度を与えるに必要な露光量の逆数
で、試料1の10秒露光における感度を100とした相
対値で表した。階調は、感度を求めた露光量からlogEで
0.5増加した露光量に対する濃度と、感度を求めた濃
度との差で表した。潜像保存性の評価として、露光後1
0秒と10分後に処理した試料の濃度差を測定した。濃
度差は、露光10秒後に処理した試料でかぶり濃度より
も0.5高い濃度を与えるのに必要な露光量における、
露光後10分に処理した試料の濃度を求め、前者との濃
度差で表した。正の値は潜像増感を、負の値は潜像退行
を表す。これらの結果をまとめて第2表に示した。
【0076】
【表6】
【0077】(現像処理)露光の終了した試料は、ペー
パー処理機を用いて、次の処理工程でカラー現像のタン
ク容量の2倍補充するまで、連続処理(ランニング)を
実施したのち使用した。 処理工程 温 度 時間 補充液* タンク容量 カラー現像 35℃ 45秒 161ml 17リットル 漂白定着 30〜35℃ 45秒 215ml 17リットル リンス 30〜35℃ 20秒 − 10リットル リンス 30〜35℃ 20秒 − 10リットル リンス 30〜35℃ 20秒 350ml 10リットル 乾 燥 70〜80℃ 60秒 *補充量は感光材料1m2当り。 (リンス→への3タンク向流方式とした。) 各処理液の組成は以下の通りである。 カラー現像液 タンク液 補充液 水 800ml 800ml エチレンジアミン−N,N,N′,N′− テトラメチレンホスホン酸 1.5g 2.0g 臭化カリウム 0.015g − トリエタノールアミン 8.0g 12.0g 塩化ナトリウム 1.4g − 炭酸カリウム 25g 25g N−エチル−N−(β−メタンスルホンア ミドエチル)−3−メチル−4−アミノ アニリン硫酸塩 5.0g 7.0g N,N−ビス(カルボキシメチル)ヒドラ ジン 4.0g 5.0g N,N−ジ(スルホエチル)ヒドロキシル アミン・1Na 4.0g 5.0g 蛍光増白剤(WHITEX 4B、住友化学製) 1.0g 2.0g 水を加えて 1000ml 1000ml pH(25℃) 10.05 10.45
【0078】 漂白定着液(タンク液と補充液は同じ) 水 400ml チオ硫酸アンモニウム(700g/リットル) 100ml 亜硫酸ナトリウム 17g エチレンジアミン四酢酸鉄(III) アンモニウム 55g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 5g 臭化アンモニウム 40g 水を加えて 1000ml pH(25℃) 6.0 リンス液(タンク液と補充液は同じ) イオン交換水(カルシウム、マグネシウムは各々3ppm以下)
【0079】第2表の結果から以下の事柄が明らかであ
る。即ち純塩化銀乳剤A、Bを用いた試料1、2では十
分な感度を得ることが出来ず、実用に供するのに適さな
い。臭化銀局在相を有し硫黄増感されている乳剤Cを用
いた試料3および乳剤Dを用いた試料4では高い感度は
得られるが、高照度短時間露光時の低感化と軟調化が大
きく、また潜像保存性も良くない。臭化銀局在相を有し
セレン増感されている乳剤Eを用いた試料5および乳剤
Fを用いた試料6ではじめて、高感度で、露光時間の変
化による感度階調の変動が比較的少なく、潜像保存性も
比較的良好なハロゲン化銀感光材料を得ることができ
る。
【0080】実施例1 参考例の乳剤Dとは、臭化銀微粒子形成中にヘキサクロ
ロイリジウム(IV)酸カリウムを添加しておくことに
より、臭化銀微粒子添加によって形成される局在相中に
イリジウム塩を含有させ、全ハロゲン化銀1モル当たり
1×10−7モルのイリジウム塩が含有されるようにし
たことだけが異なる乳剤Gを調製した。実施例1の乳剤
Fとは、臭化銀微粒子形成中にヘキサクロロイリジウム
(IV)酸カリウムを添加しておくことにより、臭化銀
微粒子添加によって形成される局在相中にイリジウム塩
を含有させ、全ハロゲン化銀1モル当たり1×10−7
モルのイリジウム塩が含有されるようにしたことだけが
異なる乳剤Hを調製した。乳剤Gとは、イリジウム塩の
含有量が全ハロゲン化銀1モル当たり2×10−5モル
でであることだけが異なる乳剤Iを調製した。乳剤Hと
は、イリジウム塩の含有量が全ハロゲン化銀1モル当た
り2×10−5モルであることだけが異なる乳剤Jを調
製した。以上の乳剤G〜Jを用いて、実施例1と同様に
多層カラー印画紙7〜10を作成し(第3表参照)、実
施例1の試料4、6と合わせて実施例1と同様に露光と
現像処理を施し、写真性の評価をした。結果を第4表に
示す。
【0081】
【表7】
【0082】第4表の結果から本発明の効果は明らかで
ある。即ちイリジウムを含有する局在相を有し硫黄増感
された乳剤Gを含有する試料7(イリジウム含有量は全
ハロゲン化銀1モル当たり1×10-7モル)では、イリ
ジウムを含有しない試料4に比べて高照度短時間露光時
の低感化と軟調化は低減するが十分ではなく、また潜像
保存性も改良されない。イリジウム塩含有量を増やした
試料9では、試料7に比べて高照度短時間露光時の低感
化と軟調化はほとんどなくなるが、潜像保存性が悪化し
実用に供することができない。これに対して、セレン増
感を施し、イリジウムを1×10-7モル/モルAg含有
する試料8では露光時間の変化による感度と階調の変動
の少ないことと良好な潜像保存性を両立させることがで
きる。またイリジウムの添加量を更に増やした本発明の
試料10でも、硫黄増感した試料9に比べて潜像保存性
がよく、露光時間の変化による感度と階調の変動の少な
いことと良好な潜像保存性を両立させることができる。
【0083】
【発明の効果】本発明によって、迅速処理性に優れ高感
度で、しかも露光時間の変化による感度と階調の変動の
少ないことと良好な潜像保存性を両立させたハロゲン化
銀写真感光材料が得られる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にハロゲン化銀乳剤を含有する
    感光性乳剤層を少なくとも一層有するハロゲン化銀写真
    感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも
    一層に塩化銀含有率80モル%以上の塩臭化銀粒子から
    なるハロゲン化銀乳剤を含み、かつ該粒子がイリジウム
    化合物を含有し、しかも臭化銀含有率10%以上の局在
    相を有し、更に該粒子がセレン増感されていることを特
    徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
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