JPH04335346A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JPH04335346A
JPH04335346A JP13320391A JP13320391A JPH04335346A JP H04335346 A JPH04335346 A JP H04335346A JP 13320391 A JP13320391 A JP 13320391A JP 13320391 A JP13320391 A JP 13320391A JP H04335346 A JPH04335346 A JP H04335346A
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silver halide
silver
group
emulsion
selenium
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JP13320391A
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English (en)
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Shigeaki Otani
薫明 大谷
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀カラー写真
感光材料に関し、詳しくは、迅速処理適性に優れ且つ露
光後、現像処理までの時間の変動による感度および階調
の変化(潜像保存性)が改良され、更に感光材料の保存
時におこる感度や階調の変化(生保存性)が改良された
ハロゲン化銀カラー写真感光材料に関するものである。 【0002】 【従来の技術】ハロゲン化銀カラー写真感光材料は、電
子写真等に比較し高密度記録性に優れ、簡易であり、か
つ安価であるという優れた特徴から広く利用されている
。現在このハロゲン化銀カラー写真感光材料にさらに望
まれている性質として処理をより迅速にすること、安定
した画像を供給すること、処理後の画像の保存性に優れ
ていることなどがある。迅速処理適性という目的から塩
化銀の含有率を高くするということは容易に考えつく。 塩化銀含有率の高い乳剤を使用する方法は例えば特開昭
58−95345号、同59−232342号および同
60−19140号など多くの特許に記載があり、また
現実に市場においてもカラー印画紙に使用されている乳
剤の高塩化銀化が進んでいる。しかしながら、これら高
塩化銀乳剤は、露光後、現像処理までの時間が変動した
際におこる感度や階調の変化が大きく、さらに感光材料
の保存時に被り、感度、階調の変化が大きいという問題
を有していた。また銀現像速度を上げるための方法とし
てハロゲン化銀粒子サイズを小さくするという事も考え
られるが、この方法は感度の低下という弊害をもたらす
。安定した品質のプリントを供給するという目的からは
、処理液成分などの処理条件が変動した際にその影響を
受け難くすること、露光時の温度、湿度など露光時の周
囲の雰囲気の変動の影響を受け難くすることなど様々な
要因を解決する必要がある。その中で露光後、現像処理
までの時間が変動した際におこる感度や階調の変化の影
響は大きい。現像所においては処理工程の都合からこの
時間が変動することがあり、その際の感度階調変化はプ
リントの品質の安定という観点から大きな問題であった
。 【0003】セレン増感法は、化学増感技術の一つとし
て知られており、この方法については米国特許第1,5
74,944号、同第1,602,592号、同第1,
623,499号、同第3,297,446号、同第3
,297,447号、同第3,320,069号、同第
3,408,196号、同第3,408,197号、同
第3,442,653号、同第3,420,670号、
同第3,591,385号、フランス特許第20,69
3,038号、同第2,093,209号、特公昭52
−34491号、同52−34492号、同53−29
5号、同57−22090号、特開昭59−18053
6号、同59−185330号、同59−181337
号、同59−187338号、同59−192241号
、同60−150046号、同60−151637号、
同61−246738号、英国特許第255,846号
、同第861,984号およびH.E.Spencer
ら著、「写真科学雑誌」(Journal of Ph
otographic Science) 、31巻、
158〜169ページ(1983年)などに開示されて
いる。本発明者は、より高感度を得るためにセレン増感
を研究し、セレン増感を特に高塩化銀乳剤に適応したと
ころ、条件によっては、露光後現像処理までの間に著し
い増感が起こったり、あるいは感光材料の保存時に感度
や階調が変化してしまうという問題が生じることを見い
出した。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような新
しい知見に基づいてなされたものであり、常に安定した
品質のプリントを速やかにユーザーに供給するという目
的から迅速処理適性に優れ、且つ露光後現像処理までの
時間が変動した際の感度や階調の変化を小さくし、また
感光材料の保存中における感度や階調の変化も小さくす
ることはカラー感光材料を開発していく上で非常に重要
な課題である。先に示した特許を代表とする高塩化銀乳
剤に関する特許にはセレン増感に関する具体的な記載は
まったく無く、高塩化銀乳剤にセレン増感を施したとき
に潜像保存性、生保存性がどのように変化するかを知る
ことは出来ない。またセレン増感方法については先に述
べたように、米国特許第1,574,944号など多く
の特許に記載があるがこれらの中には、高塩化銀乳剤に
関する具体的な記載はない。 【0005】被膜pHを調製することにより、感光材料
の被りの上昇が押さえられることについては、例えば特
開平2−6940号、米国特許第4,917,994号
に記載がある。しかしこの特許には、乳剤の具体的な記
載としてハロゲン組成の記載があるのみで、化学増感法
についてはセレン増感はもちろん、なんらの具体的な記
載もない。さらにこの特許からは被膜pHを変えた際の
潜像保存性の変化、感光材料の保存時における感度階調
変化について、なんら知ることは出来ない。また被膜p
Hに関しては特開平2−135338号にも記載があり
、感光材料の保存時に起こる被り、感度の変化が被膜p
Hを特定の値に保つことにより押さえられることが示さ
れている。しかしながらこの特許に具体的に記載されて
いる乳剤はトリエチルチオ尿素で硫黄増感されたものの
みで、セレン増感乳剤についてはなんらの具体的記載は
ない。さらにこの特許の本文中に引用されている特開昭
62−32462号においても化学増感法の一つとして
セレン増感法が取り上げられているのみでその特異性、
とくに潜像保存性に対するその特異性については知る由
もない。 【0006】その他、特開平3−1133号にも被膜p
Hを特定の値に保つことにより感光材料の保存時の感度
、階調、被りの変化を改良できるという記載がある。 しかしながらこの特許においても乳剤に関する記載は特
開平2−135338号と同様であり、セレン増感に関
してはなんらの具体的な記載はない。これまでに述べて
きた事から明らかなように、本発明の目的は、迅速処理
適性に優れたカラー写真感光材料を提供することにあり
、かつセレン増感に起因する露光後現像処理までの時間
の変動による感度および階調の変化を防止し、さらに感
光材料の保存時におこる感度や階調の変化を抑制すると
いう新しい課題を解決することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意研究を重
ねた結果、上記の課題は支持体上にイエロー発色性ハロ
ゲン化銀乳剤層、マゼンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層お
よびシアン発色性乳剤層をそれぞれ少なくとも一層ずつ
有してなるハロゲン化銀カラー写真感光材料において、
該ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層に含有されるハ
ロゲン化銀粒子が、セレン増感された塩化銀含有率80
モル%以上の塩臭化銀または塩化銀であり、かつ該感光
材料の被膜pHが4.0〜6.5であることを特徴とす
るハロゲン化銀カラー写真感光材料によって効果的に解
決されることを見出した。 【0008】本発明で用いられセレン増感剤としては、
従来公知の特許に開示されているセレン化合物を用いる
ことができる。セレン増感は通常、不安定型セレン化合
物および/または非不安定型セレン化合物をハロゲン化
銀乳剤に添加して、高温、好ましくは40℃以上で乳剤
を一定時間攪拌することにより行われる。不安定型セレ
ン化合物としては特公昭44−15748号、特公昭4
3−13489号、特願平2−130976号、特願平
2−229300号などに記載の化合物を用いることが
好ましい。具体的な不安定セレン増感剤としては、イソ
セレノシアネート類(例えばアリルイソセレノシアネー
トの如き脂肪族イソセレノシアネート類)、セレノ尿素
類、セレノケトン類、セレノアミド類、セレノカルボン
酸類(例えば、2−セレノプロピオン酸、2−セレノ酪
酸)、セレノエステル類、ジアシルセレニド類(例えば
、ビス(3−クロロ−2,6−ジメトキシベンゾイル)
セレニド)、セレノホスフェート類、ホスフィンセレニ
ド類、コロイド状金属セレンなどがあげられる。 【0009】不安定型セレン化合物の好ましい類型を上
に述べたがこれらは限定的なものではない。当業技術者
には写真乳剤の増感剤としての不安定型セレン化合物と
いえば、セレンが不安定である限りに於いて該化合物の
構造はさして重要なものではなく、セレン増感剤分子の
有機部分はセレンを担持し、それを不安定な形で乳剤中
に存在せしめる以外何らの役割をもたないことが一般に
理解されている。本発明においては、かかる広範な概念
の不安定セレン化合物が有利に用いられる。本発明で用
いられる非不安定型セレン化合物としては特公昭46−
4553号、特公昭52−34492号および特公昭5
2−34491号に記載の化合物が用いられる、非不安
定型セレン化合物としては例えば亜セレン酸、セレノシ
アン化カリウム、セレナゾール類、セレナゾール類の四
級塩、ジアリールセレニド、ジアリールジセレニド、ジ
アルキルセレニド、ジアルキルジセレニド、2−セレナ
ゾリジンジオン、2−セレノオキサゾリジンチオンおよ
びこれらの誘導体等があげられる。これらのセレン化合
物のうち、好ましくは以下の一般式(I) および(I
I)があげられる。 一般式(I) 【0010】 【化1】 【0011】式中、Z1 およびZ2 はそれぞれ同じ
でも異なっていてもよく、アルキル基(例えば、メチル
、エチル、t−ブチル、アダマンチル、t−オクチル)
、アルケニル基(例えば、ビニル、プロペニル)、アラ
ルキル基(例えば、ベンジル、フェネチル)、アリール
基(例えば、フェニル、ペンタフルオロフェニル、4−
クロロフェニル、3−ニトロフェニル、4−オクチルス
ルファモイルフェニル、α−ナフチル)、複素環基(例
えば、ピリジル、チエニル、フリル、イミダゾリル)、
−NR1(R2)、−OR3 または−SR4 を表す
。R1 、R2 、R3 およびR4 はそれぞれ同じ
でも異なっていてもよく、アルキル基、アラルキル基、
アリール基または複素環基を表す。アルキル基、アラル
キル基、アリール基または複素環基としてはZ1 と同
様な例が挙げられる。 ただし、R1 およびR2 は水素原子またはアシル基
(例えば、アセチル、プロパノイル、ベンゾイル、ヘプ
タフルオロブタノイル、ジフルオロアセチル、4−ニト
ロベンゾイル、α−ナフトイル、4−トリフルオロメチ
ルベンゾイル)であってもよい。 【0012】一般式(I) 中、好ましくはZ1 はア
ルキル基、アリール基または−NR1(R2)を表し、
Z2 は−NR5(R6)を表す。R1 、R2 、R
5 およびR6 はそれぞれ同じでも異なっていてもよ
く、水素原子、アルキル基、アリール基、またはアシル
基を表す。一般式(I) 中、より好ましくはN,N−
ジアルキルセレノ尿素、N,N,N’−トリアルキル−
N’−アシルセレノ尿素、テトラアルキルセレノ尿素、
N,N−ジアルキル−アリールセレノアミド、N−アル
キル−N−アリール−アリールセレノアミドを表す。 一般式(II) 【0013】 【化2】 【0014】式中、Z3 、Z4 およびZ5 はそれ
ぞれ同じでも異なっていてもよく、脂肪族基、芳香族基
、複素環基、−OR7 、−NR8(R9)、−SR1
0、−SeR11、−Xまたは水素原子を表す。R7 
、R10およびR11は脂肪族基、芳香族基、複素環基
、水素原子またはカチオンを表し、R8 およびR9 
は脂肪族基、芳香族基、複素環基または水素原子を表し
、Xはハロゲン原子を表す。一般式(II)において、
Z3 、Z4 、Z5 、R7 、R8 、R9 、R
10およびR11で表される脂肪族基は直鎖、分岐また
は環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ア
ラルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、
イソプロピル、t−ブチル、n−ブチル、n−オクチル
、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロペンチル、シ
クロヘキシル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル
、プロパルギル、3−ペンチニル、ベンジル、フェネチ
ル)を表す。一般式(II)において、Z3 、Z4 
、Z5 、R7 、R8 、R9 、R10およびR1
1で表される芳香族基は単環または縮環のアリール基(
例えば、フェニル、ペンタフルオロフェニル、4−クロ
ロフェニル、3−スルホフェニル、α−ナフチル、4−
メチルフェニル)を表す。 【0015】一般式(II)において、Z3 、Z4 
、Z5 、R7 、R8 、R9 、R10およびR1
1で表される複素環基は窒素原子、酸素原子または硫黄
原子のうち少なくとも一つを含む3〜10員環の飽和も
しくは不飽和の複素環基(例えば、ピリジル、チエニル
、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾ
リル)を表す。一般式(II)において、R7 、R1
0およびR11で表されるカチオンはアルカリ金属原子
またはアンモニウムを表し、Xで表されるハロゲン原子
は、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子または沃素
原子を表す。 一般式(II)中、好ましくはZ3 、Z4 またはZ
5 は脂肪族基、芳香族基または −OR7 を表し、R7 は脂肪族基または芳香族基を
表す。 一般式(II)中、より好ましくはトリアルキルホスフ
ィンセレニド、トリアリールホスフィンセレニド、トリ
アルキルセレノホスフェートまたはトリアリールセレノ
ホスフェートを表す。 以下に一般式(I) および(II)で表される化合物
の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。 【0016】 【化3】 【0017】 【化4】 【0018】 【化5】 【0019】 【化6】 【0020】 【化7】 【0021】 【化8】 【0022】 【化9】 【0023】 【化10】 【0024】セレン増感剤の使用量は、使用するセレン
化合物、ハロゲン化銀粒子(ハロゲンの種類と含有率、
粒子サイズや晶形など)、化学熟成条件等により変わる
が一般にハロゲン化銀1モル当たり10−8〜10−4
モル、好ましくは10−7〜10−5モル程度を用いる
。本発明における化学増感の条件としては、特に制限は
ないがpAgとしては一般に5〜10、好ましくは5.
5〜8、より好ましくは6〜7.5であり、温度として
は一般に30〜80℃、好ましくは40〜70℃である
。pHとしては一般に4〜10、好ましくは5〜8であ
る。 【0025】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤の少なく
とも一種は塩化銀含有率80モル%以上の塩臭化銀もし
くは塩化銀よりなるものである。これらのハロゲン化銀
には沃化銀も含まれてもよく、含まれる場合には、沃化
銀含有率が1モル%以下、より好ましくは0.2モル%
以下である。乳剤のハロゲン組成は粒子間で異なってい
ても等しくても良いが、粒子間で等しいハロゲン組成を
有する乳剤を用いると、各粒子の性質を均質にすること
が容易である。また、ハロゲン化銀乳剤粒子内部のハロ
ゲン組成分布については、ハロゲン化銀粒子のどの部分
をとっても組成の等しい所謂均一型構造の粒子や、ハロ
ゲン化銀粒子内部のコア(芯)とそれを取り囲むシェル
(殻)〔一層または複数層〕とでハロゲン組成の異なる
所謂積層型構造の粒子あるいは、粒子内部もしくは表面
に非層状にハロゲン組成の異なる部分を有する構造(粒
子表面にある場合は粒子のエッジ、コーナーあるいは面
上に異組成の部分が接合した構造)の粒子などを適宜選
択して用いることができる。高感度を得るには、均一型
構造の粒子よりも後二者のいずれかを用いることが有利
であり、耐圧力性の面からも好ましい。ハロゲン化銀粒
子が上記のような構造を有する場合には、ハロゲン組成
において異なる部分の境界部は、明確な境界であっても
、組成差により混晶を形成して不明確な境界であっても
良く、また積極的に連続的な構造変化を持たせたもので
あっても良い。 【0026】また、迅速処理に適した感光材料には塩化
銀含有率の高い所謂高塩化銀乳剤が好ましく用いられる
。本発明においては高塩化銀乳剤の塩化銀含有率は90
モル%以上が好ましく、95モル%以上が更に好ましい
。こうした高塩化銀乳剤においては臭化銀局在相を先に
述べたような層状もしくは非層状にハロゲン化銀粒子内
部および/または表面に有する構造のものが好ましい。 上記局在相のハロゲン組成は、臭化銀含有率において少
なくとも10モル%のものが好ましく、20モル%を越
えるものがより好ましい。そして、これらの局在相は、
粒子内部、粒子表面のエッジ、コーナーあるいは面上に
あることができるが、一つの好ましい例として、粒子の
コーナー部にエピタキシャル成長したものを挙げること
ができる。一方、感光材料が圧力を受けたときの感度低
下を極力抑える目的で、塩化銀含有率90モル%以上の
高塩化銀乳剤においても、粒子内のハロゲン組成の分布
の小さい均一型構造の粒子を用いることも好ましく行わ
れる。また、現像処理液の補充量を低減する目的でハロ
ゲン化銀乳剤の塩化銀含有率を更に高めることも有効で
ある。この様な場合にはその塩化銀含有率が98モル%
〜100モル%であるような、ほぼ純塩化銀の乳剤も好
ましく用いられる。本発明に用いるハロゲン化銀乳剤に
含まれるハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズ(粒子の投
影面積と等価な円の直径を以て粒子サイズとし、その数
平均をとったもの)は、0.1μ〜2μが好ましい。ま
た、それらの粒子サイズ分布は変動係数(粒子サイズ分
布の標準偏差を平均粒子サイズで除したもの)20%以
下、望ましくは15%以下の所謂単分散なものが好まし
い。このとき、広いラチチュードを得る目的で上記の単
分散乳剤を同一層にブレンドして使用することや、重層
塗布することも好ましく行われる。 【0027】写真乳剤に含まれるハロゲン化銀粒子の形
状は、立方体、十四面体あるいは八面体のような規則的
な(regular) 結晶形を有するもの、球状、板
状などのような変則的な(irregular) 結晶
形を有するもの、あるいはこれらの複合形を有するもの
を用いることができる。 また、種々の結晶形を有するものの混合したものからな
っていても良い。本発明においてはこれらの中でも上記
規則的な結晶形を有する粒子を50%以上、好ましくは
70%以上、より好ましくは90%以上含有するのが良
い。また、これら以外にも平均アスペクト比(円換算直
径/厚み)が5以上、好ましくは8以上の平板状粒子が
投影面積として全粒子の50%を越えるような乳剤も好
ましく用いることができる。本発明に用いる塩臭化銀乳
剤は、P.Glafkides 著「写真の化学および
物理学」(Chimie et Phisique  
Photographique)(Paul Mont
el社刊、1967年)、G.F.Duffin著「写
真乳剤化学」(Photographic Emuls
ion Chemistry)(FocalPress
 社刊、1966年)、V.L.Zelikman e
t al著「写真乳剤の製造と塗布」(Making 
and Coating Photographic 
Emulsion)(Focal Press 社刊、
1964年)などに記載された方法を用いて調整するこ
とができる。すなわち、酸性法、中性法、アンモニア法
等のいずれでもよく、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン
塩を反応させる形式としては、片側混合法、同時混合法
、及びそれらの組合せなどのいずれの方法を用いても良
い。粒子を銀イオン過剰の雰囲気の下において形成させ
る方法(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。同
時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成する液
相中のpAgを一定に保つ方法、すなわちいわゆるコン
トロールド・ダブルジェット法を用いることもできる。 この方法によると、結晶形が規則的で粒子サイズが均一
に近いハロゲン化銀乳剤を得ることができる。 【0028】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は、その
乳剤粒子形成もしくは物理熟成の過程において種々の多
価金属イオン不純物を導入することができる。使用する
化合物の例としては、カドミウム、亜鉛、鉛、銅、タリ
ウムなどの塩、あるいは第VIII族元素である鉄、ル
テニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジ
ウム、白金などの塩もしくは錯塩を挙げることができる
。 特に上記第VIII族元素は好ましく用いることができ
る。 これらの化合物の添加量は目的に応じて広範囲にわたる
が、ハロゲン化銀に対して10−9〜10−2モルが好
ましい。本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤の全ては
、通常化学増感及び分光増感を施される。化学増感法に
ついては、本発明のセレン化合物によるセレン増感単独
以外に不安定硫黄化合物の添加に代表される硫黄増感、
金増感に代表される貴金属増感、あるいは還元増感など
を併用して用いることができる。化学増感に用いられる
化合物については、特開昭62−215272号公報の
第18頁右下欄〜第22頁右上欄に記載のものが好まし
く用いられる。 【0029】分光増感は、本発明の感光材料における各
層の乳剤に対して所望の光波長域に分光感度を付与する
目的で行われる。本発明においては目的とする分光感度
に対応する波長域の光を吸収する色素−分光増感色素を
添加することで行うことが好ましい。このとき用いられ
る分光増感色素としては例えば、F.M.Harmer
著「複素環化合物−シアニン色素と関係化合物」(He
terocyclic compounds−Cyan
inedyes and related compo
unds)(John Wiley & Sons N
ew York ,London 社刊1964年)に
記載されているものを挙げることができる。具体的な化
合物の例ならびに分光増感法は、前出の特開昭62−2
15272号公報の第22頁右上欄〜第38頁に記載の
ものが好ましく用いられる。本発明に用いるハロゲン化
銀乳剤には、感光材料の製造工程、保存中あるいは写真
処理中のかぶりを防止する、あるいは写真性能を安定化
させる目的で種々の化合物あるいはそれ等の前駆体を添
加することができる。これらの化合物の具体例は前出の
特開昭62−215272号公報明細書の第39頁〜第
72頁に記載のものが好ましく用いられる。本発明に用
いる乳剤は、潜像が主として粒子表面に形成される所謂
表面潜像型乳剤である。 【0030】本発明におけるハロゲン化銀カラー写真感
光材料の被膜pHとは、塗布液を支持体上に塗布するこ
とによって得られた全写真構成層のpHであり、塗布液
のpHとは必ずしも一致しない。その被膜pHは特開昭
61−245153号に記載されているような以下の方
法で測定できる。すなわち(1) ハロゲン化銀乳剤が
塗布された側の感光材料表面に純水を0.05cc滴下
する。 次ぎに(2) 3分間放置後、被膜pH測定電極(東亜
電波性GS−165F)にて被膜pHを測定する。本発
明の感光材料は、この様な測定方法で得られた被膜pH
が、4.0〜6.5である。好ましくは、5.0〜6.
5である。pHが4.0未満では露光後現像処理までの
時間が伸びたときの減感が大きくなる。また6.5以上
では露光後現像処理までの時間が伸びたときの増感が大
きくなり、かつ感光材料の生保存性も悪化する。被膜p
Hは、酸(例えば硫酸、クエン酸)またはアルカリ(例
えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)を用いて調整
することができる。これら酸またはアルカリを添加する
方法にとくに限定はないが、塗布液調製時に行うのが容
易な方法である。また酸またはアルカリの添加を行う塗
布液は写真構成層のいずれの、一種または複数の塗布液
で行っても良い。 【0031】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
の写真構成層の少なくとも一層に、メルカプトヘテロ環
化合物、好ましくは下記の一般式(I) で表わされる
メルカプトヘテロ環化合物を添加することによって、本
発明の効果、なかでも感材の生保存性を、よりいっそう
改善できる。 【0032】 【化11】 【0033】式中、Qは5員もしくは6員の複素環、ま
たはベンゼン環が縮合した5員もしくは6員の複素環を
形成するのに必要な原子群を表し、Mはカチオンを表す
。 【0034】以下に一般式(I) の化合物について詳
しく説明する。Qで形成される複素環としては、例えば
イミダゾール環、テトラゾール環、チアゾール環、オキ
サゾール環、セレナゾール環、ベンゾイミダゾール環、
ナフトイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフトチ
アゾール環、ベンゾセレナゾール環、ナフトセレナゾー
ル環、ベンゾオキサゾール環などがあげられる。Mで示
されるカチオンとしては、例えば水素イオン、アルカリ
金属(例えばナトリウム、カリウム等)、アンモニウム
基等が挙げられる。一般式(I) で示される化合物は
、さらに下記一般式(I−1) 、(I−2) 、(I
−3) および(I−4) でそれぞれ示されるメルカ
プト化合物が好ましい。 一般式(I−1) 【0035】 【化12】 【0036】式中、RA は水素原子、アルキル基、ア
ルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子、カルボキシル
基もしくはその塩、スルホ基もしくはその塩、またはア
ミノ基を表し、Zは−NH−、−O−、または−S−を
表し、Mは一般式(I) におけるMと同義である。 一般式(I−2) 【0037】 【化13】 【0038】式中、Arは 【0039】 【化14】 【0040】を表し、RB はアルキル基、アルコキシ
基、カルボキシル基もしくはその塩、スルホ基もしくは
その塩、ヒドロキシル基、アミノ基、アシルアミノ基、
カルバモイル基またはスルホンアミド基を表す。nは0
〜2の整数を表す。Mは一般式(I) におけるMと同
義である。 【0041】一般式(I−1) および(I−2) に
おいて、RA およびRB が表すアルキル基としては
例えばメチル基、エチル基、ブチル基等が挙げられ、ア
ルコキシ基としては例えばメトキシ基、エトキシ基等が
挙げられ、カルボキシル基もしくはスルホ基の塩として
は例えばナトリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる
。 【0042】一般式(I−1) おいて、RA が表す
アリール基としては例えばフェニル基、ナフチル基等が
挙げられ、ハロゲン原子としては例えば塩素原子、臭素
原子等が挙げられる。一般式(I−2) おいてRB 
が表すアシルアミノ基としては例えばメチルカルボニル
アミノ基、ベンゾイルアミノ基等が挙げられ、カルバモ
イル基としては例えばエチルカルバモイル基、フェニル
カルバモイル基等が挙げられ、スルホンアミド基として
は例えばメチルスルホンアミド基、フェニルスルホンア
ミド基等が挙げられる。上記アルキル基、アルコキシ基
、アリール基、アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイ
ル基、スルホンアミド基等はさらに置換基を有するもの
も含む。置換基としては、例えばアミノ基を例にとると
、アルキルカルバモイル基が置換したアミノ基、即ちア
ルキル置換ウレイド基であってもよい。 一般式(I−3) 【0043】 【化15】 【0044】式中、Zは−N(RA1) −、酸素原子
または硫黄原子を表す。Rは水素原子、アルキル基、ア
リール基、アルケニル基、シクロアルキル基、−SRA
1、−N(RA2) RA3、−NHCORA4、−N
HSO2 RA5またはヘテロ環基を表し、RA1は水
素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基
、アリール基、−CORA4、または−SO2 RA5
を表し、RA2およびRA3は水素原子、アルキル基、
またはアリール基を表し、RA4およびRA5はアルキ
ル基またはアリール基を表す。Mは一般式(I) のM
と同義である。 【0045】一般式(I−3) におけるR、RA1、
RA2、RA3、RA4およびRA5のアルキル基とし
ては、例えば、メチル基、ベンジル基、エチル基、プロ
ピル基が、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基
等が挙げられる。またRおよびRA1のアルケニル基と
しては例えばプロペニル基が、シクロアルキル基として
は例えばシクロヘキシル基が挙げられる。またRのヘテ
ロ環基としては例えばフリル基、ピリジニル基が挙げら
れる。上記R、RA1、RA2、RA3、RA4および
RA5で表わされるアルキル基およびアリール基、Rお
よびRA1で表わされるアルケニル基およびシクロアル
キル基、並びにRで表わされるヘテロ環基はさらに置換
基を有するものも含む。 一般式(I−4) 【0046】 【化16】 【0047】式中、RおよびMはそれぞれ一般式(I−
3)におけるRおよびMと同義の基を表す。またRB1
およびRB2は、それぞれ一般式(I−3)におけるR
A1およびRA2と同義の基を表す。以下に一般式(I
) によって表される化合物の具体例を示すが、本発明
はこれらに限定されるものではない。 【0048】 【化17】 【0049】 【化18】 【0050】 【化19】 【0051】 【化20】 【0052】 【化21】 【0053】 【化22】 【0054】 【化23】 【0055】一般式(I) で表わされる化合物の添加
量は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10−5〜5×1
0−2モルが好ましく、さらに1×10−4〜1×10
−2モルが好ましい。また添加場所に特に制限はなく、
感光層中でも非感光層中でもよい。さらに添加方法も特
に制限はなくハロゲン化銀粒子形成中物理熟成中、化学
熟成中、塗布液調整中のいずれでもよい。 【0056】本発明に用いられるハロゲン化銀としては
、特に迅速処理の目的には沃化銀を実質的に含まない塩
化銀含有率が90モル%以上、更には95%以上、特に
98%以上の塩化銀または塩化銀乳剤の使用が好ましい
。 【0057】本発明に係わる感光材料には、画像のシャ
ープネス等を向上させる目的で親水性コロイド層に、欧
州特許EP0,337,490A2号の第27〜76頁
に記載の、処理により脱色可能な染料(なかでもオキソ
ノール系染料)を該感材の680nmに於ける光学反射
濃度が0.70以上になるように添加したり、支持体の
耐水性樹脂層中に2〜4価のアルコール類(例えばトリ
メチロールエタン)等で表面処理された酸化チタンを1
2重量%以上(より好ましくは14重量%以上)含有さ
せるのが好ましい。 【0058】本発明に用いうるシアン、マゼンタ、イエ
ローカプラー等の写真添加剤用高沸点有機溶媒は、融点
が100℃以下、沸点が140℃以上の水と非混和性の
化合物で、カプラーの良溶媒であれば使用できる。高沸
点有機溶媒の融点は好ましくは80℃以下である。高沸
点有機溶媒の融点は、好ましくは160℃以上であり、
より好ましく170℃以上である。これらの高沸点有機
溶媒の詳細については、特開昭62−215272号公
開明細書の第137頁右下欄〜144頁右上欄に記載さ
れている。また、シアン、マゼンタまたはイエローカプ
ラーは前記の高沸点有機溶媒の存在下でまたは不存在下
でローダブルラテックスポリマー(例えば米国特許第4
,203,716号)に含浸させて、または不溶性且つ
有機溶媒可溶性のポリマーに溶かして親水性コロイド水
溶液に乳化分散させる事ができる。好ましくは米国特許
4,857,449号及び国際公開WO88/0072
3号明細書の第12頁〜30頁に記載の単独重合体また
は共重合体が用いられ、より好ましくはメタクリレート
系あるいはアクリルアミド系ポリマー、特にアクリルア
ミド系ポリマーの使用が色像安定化等の上で好ましい。 【0059】また、本発明に係わる感光材料には、カプ
ラーと共に欧州特許EP0,277,589A2号に記
載のような色像保存性改良化合物を使用するのが好まし
い。特にピラゾロアゾールカプラーとの併用が好ましい
。即ち、発色現像処理後に残存する芳香族アミン系現像
主薬と化学結合して、化学的に不活性でかつ実質的に無
色の化合物を生成する化合物(F)および/または発色
現像処理後に残存する芳香族アミン系発色現像主薬の酸
化体と化学結合して、化学的に不活性でかつ実質的に無
色の化合物を生成する化合物(G)を同時または単独に
用いることが、例えば処理後の保存における膜中残存発
色現像主薬ないしその酸化体とカプラーの反応による発
色色素生成によるステイン発生その他の副作用を防止す
る上で好ましい。 【0060】また、本発明に係わる感光材料には、親水
性コロイド層中に繁殖して画像を劣化させる各種の黴や
細菌を防ぐために、特開昭63−271247号に記載
のような防黴剤を添加するのが好ましい。 【0061】また、本発明に係わる感光材料に用いられ
る支持体としては、ディスプレイ用に白色ポリエステル
系支持体または白色顔料を含む層がハロゲン化銀乳剤層
を有する側の支持体上に設けられた支持体を用いてもよ
い。更に鮮鋭性を改良するために、アンチハレーション
層を支持体のハロゲン化銀乳剤層塗布側または裏面に塗
設するのが好ましい。特に反射光でも透過光でもディス
プレイが観賞できるように、支持体の透過濃度を0.3
5〜0.8の範囲に設定するのが好ましい。 【0062】本発明に係わる感光材料は可視光で露光さ
れても赤外光で露光されてもよい。露光方法としては低
照度露光でも高照度短時間露光でもよく、特に後者の場
合には一画素当りの露光時間が10−4秒より短いレー
ザー走査露光方式が好ましい。 【0063】また、露光に際して、米国特許第4,88
0,726号に記載のバンド・ストップフィルターを用
いるのが好ましい。これによって光混色が取り除かれ、
色再現性が著しく向上する。 【0064】露光済みの感光材料は迅速処理の目的から
カラー現像の後、漂白定着処理するのが好ましい。特に
前記高塩化銀乳剤が用いられる場合には、漂白定着液の
pHは脱銀促進等の目的から約6.5以下が好ましく、
更に約6以下が好ましい。 【0065】本発明に係わる感光材料に適用されるハロ
ゲン化銀乳剤やその他の素材(添加剤など)および写真
構成層(層配置など)、並びにこの感材を処理するため
に適用される処理法や処理用添加剤としては、下記の特
許公報、特に欧州特許EP0,355,660A2号(
特開平2−139544号)に記載されているものが好
ましく用いられる。 【0066】 【表1】 【0067】 【表2】 【0068】 【表3】 【0069】 【表4】 【0070】 【表5】 【0071】また、シアンカプラーとして、特開平2−
33144号に記載のジフェニルイミダゾール系シアン
カプラーの他に、欧州特許EP0,333,185A2
号に記載の3−ヒドロキシピリジン系シアンカプラー(
なかでも具体例として列挙されたカプラー(42)の4
等量カプラーに塩素離脱基をもたせて2等量化したもの
や、カプラー(6)や(9)が特に好ましい)や特開昭
64−32260号に記載された環状活性メチレン系シ
アンカプラー(なかでも具体例として列挙されたカプラ
ー例3、8、34が特に好ましい)の使用も好ましい。 本発明のカラー感光材料に適用される処理方法としては
、特開平2−207250号の第27頁左上欄〜34頁
右上欄に記載の方法が特に好ましい。 【0072】 【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されない。 実施例−1 (乳剤Aの調製)石灰処理ゼラチンの3%水溶液に塩化
ナトリウム3.3gを加え、N,N′−ジメチルイミダ
ゾリン2−チオン(1%水溶液)を3.2ml添加した
。 この水溶液に硝酸銀を0.5モル含む水溶液と塩化ナト
リウムを0.5モル含む水溶液とを激しく攪拌しながら
66℃で添加混合した。続いて硝酸銀0.45モルを含
む水溶液と塩化ナトリウムを0.45モル含む水溶液を
激しく攪拌しながら66℃で添加混合した。その後40
℃にてイソブテン−マレイン酸の共重合体を添加して沈
降水洗を行う脱塩を施した。さらに、石灰処理ゼラチン
90.0gを加え、乳剤のpH、pAgをそれぞれ6.
2と6.5に調整した。この乳剤に粒子サイズ0.05
μの臭化銀微粒子乳剤を銀量にして0.005モルを5
0℃にて添加し、30分間熟成して粒子表面に臭化銀富
裕層を形成した後、硫黄増感剤(トリエチルチオ尿素)
1×10−5モル/モルAgと核酸0.2g/モルAg
を加え、50℃にて最適に化学増感した。なお臭化銀微
粒子中にはその粒子形成中にヘキサクロロイリジウム(
IV) 酸カリウムを該微粒子0.005モル当たり0
.8mg含有させておいた。得られた乳剤(A)につい
て電子顕微鏡写真から粒子の形状、粒子サイズおよび粒
子サイズ分布を求めた。得られたハロゲン化銀粒子は立
方体であり、粒子サイズは0.50μ、変動係数は0.
08であった。粒子サイズは粒子の投影面積と等価な円
の直径の平均値をもって表し、粒子サイズ分布は粒子サ
イズの標準偏差を平均粒子サイズで割った値を用いた。 【0073】(乳剤Bの調製)セレン増感剤(ジメチル
セレノウレア)1×10−5モル/モルAgと核酸0.
2g/モルAgを加え、50℃にて最適に化学増感した
以外は乳剤Aと同様にして調製した。 (乳剤Cの調製)硫黄増感剤(トリエチルチオ尿素)1
×10−5モル/モルAgと核酸0.2g/モルAgと
塩化金酸1×10−5モル/モルAgを加え、50℃に
て最適に化学増感した以外は乳剤Aと同様にして調製し
た。 (乳剤Dの調製)セレン増感剤(ジメチルセレノウレア
)1×10−5モル/モルAgと核酸0.2g/モルA
gと塩化金酸1×10−5モル/モルAgを加え、50
℃にて最適に化学増感した以外は乳剤Aと同様にして調
製した。 (乳剤Eの調製)乳剤Aと同様に塩化銀乳剤を調製しp
Ag、pHを調整後、前記の臭化銀微粒子の替りにKB
r水溶液を0.05モル/モルAg添加した。さらに乳
剤Aと同様の化学増感をした。 (乳剤Fの調製)乳剤Eの化学増感工程を変更し、乳剤
Bと同様の化学増感をした。 (乳剤Gの調製)乳剤Eの化学増感工程を変更し、乳剤
Cと同様の化学増感をした。 (乳剤Hの調製)乳剤Eの化学増感工程を変更し、乳剤
Dと同様の化学増感をした。 ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面にコロ
ナ放電処理した後、ドデシルベンゼンスルホン酸を含む
ゼラチン下塗層を設け、さらに種々の写真構成層を塗布
して以下に示す層構成の多層カラー印画紙、試料(0)
を作成した。塗布液は下記のようにして調製した。 【0074】第五層塗布液調製 シアンカプラー(ExC)9.6gおよび色像安定剤(
Cpd−2)0.6g、色像安定剤(Cpd−6)5.
4g、色像安定剤(Cpd−7)12g、色像安定剤(
Cpd−8)1.5g、色像安定剤(Cpd−4)0.
4gに酢酸エチル25.0ccおよび溶媒(Solv−
6)4.2gを加え溶解し、この溶液を10%ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム20.0ccを含む10
%ゼラチン水溶液402ccに乳化分散させ乳化分散物
Cを調製した。一方、先に述べた方法により塩臭化銀乳
剤A(立方体、平均粒子サイズ0.50μm、粒子サイ
ズ分布の変動係数は0.08、臭化銀0.5モル%を粒
子表面に局在含有)が調製された。前記の乳化分散物C
とこの塩臭化銀乳剤Aとを混合溶解し、以下に示す組成
となるように第五層塗布液を調製した。塗布液調製時に
、下記に示す赤感性増感色素を銀1モル当たり0.9×
10−4モル加え、分光増感を行った。第一層から第七
層用の塗布液も第五層と同様の方法で調製した。各層の
ゼラチン硬化剤としては、1−オキシ−3,5−ジクロ
ロ−s−トリアジンナトリウム塩を用い、総塗布量は0
.097g/m2とした。また、各層にCpd−10と
Cpd−11をそれぞれ全量が25.0g/m2と50
.0g/m2となるように添加した。各感光性乳剤層の
塩臭化銀乳剤には下記の分光増感色素をそれぞれ用いた
。 【0075】 【化24】 【0076】 【化25】 【0077】 【化26】 【0078】赤感性乳剤層に対しては、下記の増感剤を
ハロゲン化銀1モル当たり2.6×10−3モル添加し
た。 【0079】 【化27】 【0080】また、イラジェーション防止のために乳剤
層に下記の染料(カッコ内は塗布量を表す)を添加した
。 【0081】 【化28】 【0082】(層構成)以下に各層の組成を示す。数字
は塗布量(g/m2)を表す。ハロゲン化銀乳剤は、銀
換算塗布量を表す。 支持体 ポリエチレンラミネート紙 〔第一層側のポリエチレンに白色顔料(TiO2) と
青味染料(群青) を含む〕 第一層(青感性イエロー発色層)     前記塩臭化銀乳剤(A)          
                         
   0.30    ゼラチン          
                         
                 1.86    
イエローカプラー(ExY)            
                      0.8
2    色像安定剤(Cpd−1)        
                         
   0.19    溶媒(Solv−3)    
                         
           0.18    溶媒(Sol
v−7)                     
                   0.18  
  色像安定剤(Cpd−7)           
                         
0.06【0083】 第二層(混色防止層)     ゼラチン                 
                         
          0.99    混色防止剤(C
pd−5))                   
               0.08    溶媒
(Solv−1)                 
                       0.
16    溶媒(Solv−4)         
                         
      0.08第三層(緑感光性マゼンタ発色層
) 塩臭化銀乳剤(A)                
                         
 0.12ゼラチン                
                         
           1.24マゼンタカプラー(E
xM)                      
            0.23色像安定剤(Cpd
−2)                      
              0.03色像安定剤(C
pd−3)                    
                0.16色像安定剤
(Cpd−4)                  
                  0.02色像安
定剤(Cpd−9)                
                    0.02溶
媒(Solv−2)                
                        0
.40第四層(紫外線吸収層)     ゼラチン                 
                         
          1.58紫外線吸収剤(UV−1
)                        
            0.47混色防止剤(Cpd
−5)                      
              0.05溶媒(Solv
−5)                      
                  0.24【00
84】 第5層(赤感光性シアン発色層) 塩臭化銀乳剤(A)                
                         
 0.23ゼラチン                
                         
           1.34シアンカプラー(Ex
C)                       
             0.32色像安定剤(Cp
d−2)                     
               0.03色像安定剤(
Cpd−4)                   
                 0.02色像安定
剤(Cpd−6)                 
                   0.18色像
安定剤(Cpd−7)               
                     0.40
色像安定剤(Cpd−8)             
                       0.
05溶媒(Solv−6)             
                         
  0.14第六層(紫外線吸収層) ゼラチン                     
                         
      0.53紫外線吸収剤(UV−1)   
                         
        0.16混色防止剤(Cpd−5) 
                         
          0.02溶媒(Solv−5) 
                         
              0.08第七層(保護層
) ゼラチン                     
                         
      1.33ポリビニルアルコールのアクリル
変性共重合体(変性度17%)  0.17流動パラフ
ィン                       
                       0.
03【0085】 【化29】 【0086】 【化30】 【0087】 【化31】 【0088】 【化32】 【0089】 【化33】 【0090】 【化34】 【0091】 【化35】 【0092】 【化36】 【0093】 【化37】 【0094】試料(0)において第5層中の乳剤と被膜
pHを表6に示すように変更し試料(1) 〜(16)
を作成した。被膜pHの調整には第2層および第4層の
塗布液調製時に硫酸、水酸化ナトリウムを添加すること
により行った。表6の試料に感光計(富士写真フイルム
株式会社製FWH型、光源の色温度3200K)を用い
て青、緑、赤の各フィルタを通してセンシトメトリー用
の階調露光を与えた。この時の露光は0.1秒の露光時
間で250CMSの露光量になるように行なった。そし
て露光後10分で以下に示す現像処理を行ったものと1
6時間後に現像処理を行ったものの感度を比較し、潜像
保存性の試験を行った。また感光材料の保存性の試験は
、試料(1) 〜(16)のそれぞれについて塗布後3
日目と25℃湿度55%の条件で一か月保存した後に、
上記の露光と処理を行ない両者の感度差を比較した。結
果を表6に示す。 【0095】(現像処理)露光の終了した試料は、ペー
パー処理機を用いて、次の処理工程でカラー現像のタン
ク容量の2倍補充するまで、連続処理(ランニング)を
実施したのち使用した。       処理工程      温  度    時
  間  補充液* タンク容量(単位リットル)  
  カラー現像      35℃    45秒  
161ml             17     
 漂白定着    30〜35℃    45秒  2
15ml             17      
リンス■    30〜35℃    20秒    
−              10      リン
ス■    30〜35℃    20秒    − 
             10      リンス■
    30〜35℃    20秒  350ml 
            10      乾    
燥    70〜80℃    60秒       
 *補充量は感光材料1m2あたり        (
リンス■→■への3タンク向流方式とした。)各処理液
の組成は以下の通りである。 【0096】 カラー現像液                   
                       タン
ク液    補充液  水             
                         
              800ml      
800ml  エチレンジアミン−N,N,N’,N’
−テトラ    メチレンホスホン酸        
                         
 1.5g       2.0g   臭化カリウム
                         
               0.015g    
    −  トリエタノールアミン        
                         
 8.0g      12.0g   塩化ナトリウ
ム                        
                1.4g     
   −  炭酸カリウム             
                         
     25g        25g   N−エ
チル−N−(β−メタンスルホンアミドエ    チル
)−3−メチル−4−アミノアニリン硫酸塩     
   5.0g       7.0g   N,N−
ビス(カルボキシメチル)ヒドラジン        
    4.0g       5.0g   N,N
−ジ(スルホエチル)ヒドロキシルアミン・1Na  
   4.0g       5.0g   蛍光増白
剤(WHITEX 4B,住友化学製)       
              1.0g       
2.0g   水を加えて             
                         
     1000ml     1000ml  p
H(25℃)                   
                    10.05
      10.45 【0097】 漂白定着液(タンク液と補充液は同じ)  水    
                         
                       40
0ml   チオ硫酸アンモニウム(700g/リット
ル)                100ml  
 亜硫酸ナトリウム                
                       17
g    エチレンジアミン四酢酸鉄(III) アン
モニウム             55g    エ
チレンジアミン四酢酸二ナトリウム         
             5g    臭化アンモニ
ウム                       
                40g    水を
加えて                      
                     1000
ml   pH(25℃)             
                         
  6.0 リンス液(タンク液と補充液は同じ)   イオン交換水(カルシウム、マグネシウムは各々3
ppm 以下) 【0098】 【表6】 【0099】試料(1) 〜(5) と試料(6) 〜
(10)を比較することにより硫黄増感を施した乳剤を
用いた感光材料とセレン増感を施した乳剤を用いた感光
材料の被膜pHを変えた際の潜像保存性、生保存性の変
化が分かる。硫黄増感乳剤では感光材料の被膜pHを変
えても潜像保存性を改良することは出来ない。セレン増
感乳剤では被膜pHを4.0〜6.5にすることにより
潜像保存性が著しく改良される。またこれらの感光材料
は生保存性にも優れている。被膜pHが、6.5以上で
はセレン増感乳剤では露光後現像処理までの時間が伸び
た時の増感が大きくなり、かつ感光材料の保存性が悪化
してしまう。さらに試料(11)と(12)を比較する
ことにより本発明の効果は金増感を併用した乳剤におい
ても変わらないことがわかる。試料(13)〜(16)
から本発明の効果は、臭化銀富裕相の形成方法によらな
いことが分かる。上記の結果から明らかなように、セレ
ン増感乳剤を用い、被膜pHを4.0〜6.5にした本
発明においてのみ高感で潜像保存性に優れかつ生保存性
に優れている試料を得ることができることが分かる。 【0100】実施例−2 実施例−1で用いた試料(3) 、(5) 、(8) 
、(10)〜(12)において第5層塗布液調製時に一
般式(I) で表される化合物を表7に示すように添加
することにより試料(17)〜(28)を作成した。こ
れらサンプルについて実施例−1と同様の試験を行った
。 【0101】 【表7】 【0102】表7から明らかなように一般式(I) で
表される化合物を用いることにより本発明における感光
材料の保存性はさらに改良される。 【0103】 【発明の効果】本発明によれば、高感度で迅速処理適性
に優れ且つ露光後、現像処理までの時間の変動による感
度および階調の変化(潜像保存性)が改良され、さらに
感光材料の保存時におこる感度や階調の変動(生保存性
)が改良されたカラー写真感光材料を得ることができる

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  支持体上にイエロー発色性ハロゲン化
    銀乳剤層、マゼンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層およびシ
    アン発色性乳剤層をそれぞれ少なくとも一層ずつ有して
    なるハロゲン化銀カラー写真感光材料において、該ハロ
    ゲン化銀乳剤層の少なくとも一層に含有されるハロゲン
    化銀粒子が、セレン増感された塩化銀含有率80モル%
    以上の塩臭化銀または塩化銀であり、かつ該感光材料の
    被膜pHが4.0〜6.5であることを特徴とするハロ
    ゲン化銀カラー写真感光材料。
  2. 【請求項2】  上記ハロゲン化銀カラー写真感光材料
    において、該感光材料を構成する層の少なくとも一層が
    メルカプトヘテロ環化合物の少なくとも一種を含有する
    ことを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
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