JP2706236B2 - ポリアミドイミドフイルム - Google Patents

ポリアミドイミドフイルム

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JP2706236B2
JP2706236B2 JP61121273A JP12127386A JP2706236B2 JP 2706236 B2 JP2706236 B2 JP 2706236B2 JP 61121273 A JP61121273 A JP 61121273A JP 12127386 A JP12127386 A JP 12127386A JP 2706236 B2 JP2706236 B2 JP 2706236B2
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は耐熱性を有し、更に機械的特性、特にヤング
率に優れたポリアミドイミドフィルムに関するのであ
る。 〔従来の技術〕 従来、ポリアミドイミドフィルム、ポリイミドフィル
ムとしてピロメリット酸二無水物と、4,4′−ジアミノ
ジフェニルエーテルからのポリイミドやトリメリット酸
無水物と4,4′−ジイソシアネートジフェニルエーテル
からのポリアミドイミドが用いられており、その優れた
耐熱性と電気絶縁性により、電子材料、電絶材料など幅
広い分野に利用されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、従来のポリアミドイミドやポリイミドフィル
ムは機械的特性、特にヤング率が低いために耐熱性があ
り、かつ高ヤング率が要求される薄葉高密度磁気記録テ
ープ用ベースフィルムなどには使用が制限されていた。 本発明は、ポリアミドイミドやポリイミドフィルムの
耐熱性を保持させつつ、上記欠点を解消せしめ、機械特
性、特にヤング率に優れたポリアミドフィルムを提供せ
んとするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、上記目的を達成するため次の如き構成を有
する。 すなわち、繰返し単位の70モル%以上が (式中Rは の中から選ばれた一種であり、又、置換基X、Yは各々
−Cl、−F、−Br、−I、−CH3、−NO2の中から選ばれ
た一種であり、n、mは置換基の数を表し各々0〜4の
整数である。)であるポリアミドイミド共重合体からな
り、密度が1.4300以上1.5200以下であることを特徴とす
るポリアミドイミドフィルムである。 本発明においてRが 以外のものはヤング率の低下をきたし、本発明の目的を
達成することができない。上記繰返し単位が70モル%未
満では上記同様機械的物質、特にヤング率の低下を誘発
し本発明の目的を達成することができない。なお該ポリ
マの構成単位のうち30モル%未満であれば本発明の目的
の範囲において他の共重合成分を含んでも差し支えな
い。本発明のポリアミドイミドを構成する構成単位とな
る酸およびアミン成分としては次のようなものが代表例
として挙げられる。 酸成分としては、ピロメリット酸二無水物、ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物などがある。又ジアミン成分としては などが挙げられる。 先に述べた共重合単位としては、テトラカルボン酸二
無水物として例えば3,4,3′,4′−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェ
ニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)スルホン二無水物などがある。又ジアミンとし
ては、メタフェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフ
ェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、
4,4′−ジアミノジフェニルスルフォン、パラフェニレ
ンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、3,
3′−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4′−ジアミノ
ジフェニルスルフィド、ベンチジン、ヘキサメチレンジ
アミンなどが挙げられる。また本発明におけるフィルム
中にはフィラーや滑剤を含有せしめることもできる。 ポリアミドイミドの合成は下式の如く、まずテトラカ
ルボン酸二無水物とジアミンを極性溶媒中で低温下にポ
リアミドイミドの前駆体であるポリアミドアミド酸とし
て合成される方法や酸無水物とジイソシアネートから脱
CO2を経てポリイミドとする方法があるが前者が好まし
い。(ここでRは の中から選ばれた一種であり、又、置換基X、Yは各々
−Cl、−F、−Br、−I、−CH3、−NO2の中から選ばれ
た一種であり、n、mは置換基の数を表し各々0〜4の
整数である。)ただし上記構造において30モル%未満は
前述の共重合成分が含まれても何ら問題はない。重合方
法として、0〜70℃の温度で、(1)ジアミンを極性溶
媒で溶解またはスラリー化し、撹拌下にテトラカルボン
酸二無水物を溶液、融体または粉末状で添加し2〜15時
間撹拌を続け反応を完結させる方法。(2)テトラカル
ボン酸二無水物を極性溶媒に溶解し、撹拌下にジアミン
を粉末状で添加し反応する方法。(3)極性溶媒中にテ
トラカルボン酸二無水物とジアミンの各々粉末を混合し
たものを添加し反応する方法。(4)極性溶媒中にテト
ラカルボン酸二無水物を溶解させたものとジアミンをス
ラリー状にしたものを混合させて反応する方法などがあ
り、どの方法で合成されても差し支えない。重合が不均
一系で行なわれ重合の進行と共に徐々に反応溶解するよ
うな場合には重合時間は非常に長い。又ここで言う極性
溶媒とはN−メチル2−ピロリドン、ジメチルアセトア
ミド、ヘキサメチルホスホルアミド、ジメチルスルホキ
サイド、N,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン
性の有機溶媒のことである。このようにして得られたポ
リアミドアミド酸の固有粘度は0.5〜7.0の範囲が好まし
い。0.5以下では得られるポリアミドイミドフィルムが
非常に脆く実用性に乏しくなる恐れがある。また高すぎ
ると溶液粘度が極端に上昇する恐れがある。 次に本発明のポリアミドイミドフィルムの製膜方法に
ついて説明する(ポリアミドイミドの前駆体であるポリ
アミドイミド酸中間体を用いる場合。) まず本発明のポリアミドイミドの前駆体であるポリア
ミドアミド酸をベルトあるいはガラス板上に流延し、例
えば50〜200℃、好ましくは80〜180℃で数十秒〜数十分
乾燥させる。50℃以下では乾燥時間の長時間化、200℃
以上ではフィルムの加水分解が激しく起こりフィルム化
することが非常に困難となる。この乾燥時に溶媒の蒸発
とともに、ポリアミドアミド酸は一部閉環が起こり、ポ
リアミドイミド/ポリアミドアミド酸の状態になってい
る。このフィルムは自己支持性がありベルトあるいはガ
ラス板上からの剥離は可能であるが、多量の残存溶媒と
未閉環物すなわちポリアミドアミド酸が存在するため、
機械特性、熱特性などの悪い、又密度も1.300以下で満
足できるフィルムでない。このため更に200〜500℃、好
ましくは250℃〜450℃で10秒〜60分緊張下に熱固定され
る。このようにして熱エネルギーのみを利用して乾燥・
イミド化してベルトあるいはガラス板から剥離してポリ
アミドイミドフィルムを得る方法を以下熱閉環法とい
う。ポリアミドイミドフィルムを製造する別の方法とし
ては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエチ
レンジアミン、β−ピコリン、ピリジン、イソキノリン
のような三級アミンをイミド化触媒とし、又イミド化に
より生成する水と反応する脱水剤、例えば無水酢酸、無
水プロピオン酸などの物質を加えて製造する化学閉環法
があるが、どちらの方法も200〜500℃での緊張下での熱
固定が好ましい。本発明のポリアミドイミドフィルム
は、熱閉環法・化学閉環法のいずれで製造されても問題
ない。このように熱固定して得られたポリアミドイミド
フィルムはイミド化率95%以上が好ましく、密度は1.43
00〜1.5200の範囲が好ましい。この範囲の密度を有する
ものは、耐熱性、機械特性、特にヤング率の優れたフィ
ルムとすることができる。 〔特性の測定法〕 本発明の特性値は次の測定法によるものである。 (1) ヤング率・強伸度:JISZ−1702、ASTMD882−67
に準じて測定した。 (2) イミド化率:赤外分光光度計により1015cm-1
対する、730cm-1の吸光度比で算出した。 (3) 固有粘度: 固有粘度=ln(t/t0)/C〔dl/g〕 ここで、C:溶液1dl中のポリマのグラム数 t0:溶剤のみの流下時間 t:溶液の流下時間 (4) 密度:有機溶媒又は無機塩水溶液を用いて測定
される密度勾配管によるものである。本発明は四塩化炭
素/トルエンからなる有機溶媒系で25℃での密度勾配管
により測定した値で示した。 (5) 溶液粘度:回転式粘度計を用い、温度30℃での
値を示した。 (6) ポリマ濃度: (7) 熱収縮率:無荷重で300℃、10分間のオーブン
中で加熱し下記の計算式により算出した。 〔発明の効果〕 本発明により得られたポリアミドイミドフィルムは、
次の如き優れた効果を得ることができたものである。す
なわち耐熱性に優れている上に、機械特性、特にヤング
率、強度が大きく、磁気テープの薄物化等にきわめて有
効なフィルムを提供することができるものである。 本発明でのフィルム用途は高密度磁気記録テープ用ベ
ースフィルム用途、電線被覆用途、コンデンサー、フレ
キシブル印刷回路基板など種々の応用分野に適用される
が、特に高密度磁気記録テープ用ベースフィルム用途に
優れている。 〔実施例〕 次に実施例に基づいて本発明の実施態様を説明する。 実施例1 4,4′−ジアミノベンツアニリド0.1モルとN−メチル
−2−ピロリドン600mlを1000mlの四ッ口フラスコに仕
込み窒素気流中で均一に撹拌分散させ、永浴により10℃
に冷却する。この系にピロメリット酸二無水物の粉末0.
1モルをフラスコ系内温度が30℃以上にならないように
ゆっくり添加する。ピロメリット酸二無水添加2時間
後、4,4′−ジアミノベンツアニリドが完溶し溶液は若
干の粘性を浴びてくる。更に7時間撹拌を続けると重合
系はきわめて粘調な溶液となった。このポリマ溶液を回
転式粘度計で測定すると3200ポイズであり、固有粘度は
3.6であった。このドープを厚さ3mm、300mm×300mmのガ
ラス板上にアプリケータにより流延し、150℃の熱風オ
ーブン中で15分間加熱してイミド化および溶媒の蒸発を
行なった。このフィルムのポリマ濃度は70%、イミド化
率45%であり密度は1.183であった。このフィルムを更
に350℃で緊張下に3分間熱固定した。得られたフィル
ムはポリマ濃度99.9%、イミド化率99.1%とほぼイミド
化されており、密度も1.4873と熱固定前に比べ大幅に上
昇しておりフィルム厚みは15μmであった。このフィル
ムの物性は、ヤング率1300kg/mm2、強度45kg/mm2と極め
て高い機械特性を有しており、300℃、10分間の熱収は
0.1%と耐熱性にも極めて優れたものであった。 実施例2 実施例1においてピロメリット酸二無水物の代りにビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物、溶媒にN−メチル
−2−ピロリドンの代りにジメチルアセトアミドを用い
て重合した。得られたポリマ溶液は粘度3500ポイズで固
有粘度3.8であった。このポリマ溶液の一部を10℃に冷
却下にポリアミドイミド酸量に対して3倍モルの無水酢
酸と0.5倍モルのピリジンを加え手際よく撹拌混合しガ
ラス板上に流延した。100℃の熱風オーブン中に1分間
乾燥しイミド化した。得られたフィルムはポリマ濃度7.
2%でイミド化率は65.8%であった。更にこのフィルム
を250℃、2分・400℃・1分間緊張下に熱固定した。得
られたフィルムのポリマ濃度は99.7%、イミド化率99.5
%、密度1.503であった。このフィルムもヤング率1200k
g/mm2、強度42kg/mm2であり300℃、10分間の熱収も0.2
%と耐熱性に優れたフィルムであった。 比較例1 4,4′−ジアミノジフェニルエーテル0.15モルとN−
メチル2−ピロリドン250mlを500ml四ッ口フラスコに窒
素気流中で撹拌溶解し永浴で5℃に冷却し、その中にピ
ロメリット酸二無水物0.15モルを系内温度が30℃以上に
上昇しない様にゆっくり添加した。3時間後きわめて粘
調な溶液となり重合を停止した。この溶液の粘度は1800
ポイズ、固有粘度は1.2であった。この溶液を実施例1
と全く同じ方法で製膜した。このフィルムはポリマ濃度
99.9%、イミド化率99.1%であり密度1.4235であり、そ
の物性は300℃、10分間の熱収は0.2%と耐熱性に優れて
いたが、ヤング率は320kg/mm2、強度21kg/mm2と極めて
機械特性に劣るものであった。 比較例2 実施例1と同一のポリマ溶液をガラス板上に流延し、
減圧下で100℃の熱風オーブン中で12時間熱処理して、
フィルムを得た。このフィルムのポリマ濃度は98%、イ
ミド化率は55%であり、密度は1.4288であった。このフ
ィルムの物性は、ヤング率が850kg/mm2、強度が28kg/mm
2と機械特性に劣るものであった。このフィルムの300
℃、10分間の熱収は10%と耐熱性に劣っていた。 実施例3 3−クロル−4,4′−ジアミノベンツアニリド20.02g
(0.0765モル)、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル
2.7g(0.0135モル)とN−メチル−2−ピロリドン181g
を窒素置換された卓上型ニーダに仕込み常温下で撹拌溶
解させ、窒素気流下にニーダジャケットに冷水を循環さ
せ内温を5℃に冷却した。この溶液の中にナフタレンテ
トラカルボン酸二無水物26.30g(0.09モル)を粉末のま
ま内温が30℃以上とならないようにゆっくり加え、最後
に容器を15gのN−メチル−2−ピロリドンで洗浄しニ
ーダ内に加えた。ナフタレンテトラカルボン酸二無水物
添加60分後、溶液粘度は急激に上昇した。更に120分撹
拌後、N−メチル−2−ピロリドン82gをニーダ内に加
え均一に溶解後重合を終了した。このポリマ溶液の特性
は粘度3500ポイズ/30℃、ηinh=2.8であった。このド
ープをステンレス製ベルト上に口金から押し出し、180
℃で10分間乾燥しベルトから剥離した。このフィルムの
ポリマ濃度は76.3%、イミド化率50.8%であり密度は1.
231であった。更にこのフィルムをフレームに固定し360
℃で2分間熱処理した。最後フィルムは厚み13μ、ポリ
マ濃度99.8%、イミド化率は99.2%であり密度も1.502
と高くなっていた。このフィルム物性はヤング率1230kg
/mm2、強度43kg/mm2と優れた機械特性を有していた。30
0℃、10分間の熱収は0.22%と耐熱性にも優れたもので
あった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−59156(JP,A) 特開 昭61−162526(JP,A) 特開 昭62−96561(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.繰返し単位の70モル%以上が (式中Rは の中から選ばれた一種であり、又、置換基X、Yは各々
    −Cl、−F、−Br、−I、−CH3、−NO2の中から選ばれ
    た一種であり、n、mは置換基の数を表し各々0〜4の
    整数である。)であるポリアミドイミド共重合体からな
    り、密度が1.4300以上1.5200以下であることを特徴とす
    るポリアミドイミドフィルム。
JP61121273A 1986-05-28 1986-05-28 ポリアミドイミドフイルム Expired - Lifetime JP2706236B2 (ja)

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