JP2705959B2 - 放熱板付半導体装置の製造方法 - Google Patents

放熱板付半導体装置の製造方法

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JP2705959B2 JP324989A JP324989A JP2705959B2 JP 2705959 B2 JP2705959 B2 JP 2705959B2 JP 324989 A JP324989 A JP 324989A JP 324989 A JP324989 A JP 324989A JP 2705959 B2 JP2705959 B2 JP 2705959B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、放熱板をインサートモールドした樹脂封止
型半導体装置の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
樹脂封止型半導体装置の一例としてピングリッドアレ
イ(以下PGAと略記する)について説明する。
ICチップを搭載したPGAは近年それを交換して他の機
能に変換できることにより装置の応用範囲を広げること
が行なわれてきており、この用途のためのPGAの回路基
板としてセラミックが用いられてきた。
このセラミック製の基板は、絶縁性に優れ、従って製
品としての信頼性が大きい反面、配線パターンを印刷、
焼付により行うため収縮を伴ない、配線パターンを多く
したり細密パターン化することが困難であった。またパ
ターンの本数を多くすると可及的に大型化するととも
に、その単体での価格が高いという欠点があった。
このセラミック製の基板に代わるものとして、近年、
細密パターン加工が可能で、かつ廉価な基板として樹脂
基板を用いたPGAの開発が提案されている。例えば特開
昭62−244139号公報にて下面側に複数のコンタクトピン
を有する樹脂基板のICチップを載置した上面と樹脂基板
周囲の破断面とを成形樹脂によって完全に被覆したパッ
ケージング構造が提案されている。
しかし上記樹脂封止型のPGAは、セラミック基板を用
いたPGAに対し、細密パターン加工による小型化と廉価
とが可能であるにもかかわらず、未だに普及し得ない理
由として放熱特性の問題がある。
すなわち、PGAに実装されるICはチップサイズの大き
いLSIであるため動作電流による発熱が多く、この発熱
を素早くパッケージ外へ放熱してやらないと前記LSIの
温度が上昇することにより、その読出し速度が低下した
り、極端な場合はLSIが熱破壊されてしまう問題が発生
する。
上記問題を解決するものとして本出願人はすでに成形
樹脂の上面部に金属製の放熱部材をインサートモールド
した樹脂封止型PGAの構造を特願昭63−25516号及び特願
昭63−72190号等にて提案している。
第7図は放熱板8をインサートモールドした先願のPG
Aの成形状態を示す成形金型の要部断面図であり、上金
型90には位置決め凹部90aと真空穴90bとによって構成さ
れる放熱板保持部が設けられており、前菊放熱板8が真
空穴90bの吸着力によって位置決め保持されている。
又、下金型91には凹部91aとコンタクトピンの逃穴91b
とによって構成される基板保持部が設けられており、凹
部91aには下面側に複数のコンタクトピン20を備え、又
上面側にICチップ1を実装した樹脂基板2が位置決め保
持されている。
又、前記上金型90と下金型91とが密着するパーテング
ライン(PL)の位置には、前記下金型に形成された凸部
91dにより成形樹脂6を注入するための湯口91cが設けら
れている。
従来この湯口91cをパーテングライン(PL)の位置に
設ける理由としては、成形金型の構造を出来るだけ単純
化して製作費を安くするとともに、耐久性を良くするた
めである。
すなわち、成形金型の一般的な構成としては、第7図
のごとく下金型に彫り込み加工によって回路基板等を収
納するための複雑な凹部を形成し、上金型にはあまり複
雑な彫り込み加工は施さない構造となっており前記湯口
91cは下金型91に彫り込み加工によって設けられた凸部9
1dと上金側90の下面とによって構成されるサイドゲート
構成とするのが最も単純化された構造といえる。
しかるに第7図に示す成形金型に於いて湯口91cより
成形樹脂6を注入した場合を考えると、前記特開昭62−
244139号公報のごとく放熱板8が存在しない場合は成形
樹脂6が樹脂基板2の上面側より注入することによって
良好なインサートモールドが行われる。
しかし第7図に示すごとく放熱板8が存在する場合
は、注入される成形樹脂6の流入圧力が矢印Aで示すご
とく放熱板8の側面に加わることにより、前記放熱板8
が位置ずれを生じ、変位した状態でモールドされるとい
う問題が発生する。
上記放熱板8の位置ずれは、前記真空穴90bの吸着力
によって放熱板8に加えられる保持力よりも成形樹脂6
の流入圧力の方が強くなることによって生ずるものであ
る。
しかるに前記放熱板8の位置ズレを防止する方法を本
出願人は特願昭63−208591号にて提案しており、その構
成を第6図に示す。第6図は前記第7図と略同じ構成を
有する成形金型の断面図であり、第7図と異るところ
は、下金型91の凸部91dの高さを下げるとともに、この
凸部91dに対応して前記上金型90にも凸部90dを形成し、
前記凸部90dと凸部91dとを各々適切な高さに設定するこ
とによって前記上金型90に保持された放熱板8と下金型
91に保持された樹脂基板2とによって形成された空隙部
10の位置に湯口91cを設けたことである。上記成形金型
に於いて湯口91cより成形樹脂6を注入した場合を考え
ると、湯口91cより成形樹脂6の流入圧力は矢印Bで示
すごとく放熱板8の下面側に加わることにより放熱板8
は上金型90の放熱板保持部に対して、より強く保持され
る結果となり、位置ズレが減少する。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし第6図に示す放熱板付半導体装置の製造方法で
は、樹脂基板2は下金型91の基板保持部に自重で配設さ
れているのみであり、又放熱板8は上金型90の位置決め
凹部に真空吸着のみによって保持されているので、前記
樹脂基板2及び前記放熱板8と下金型91及び上金型90面
との密着力が弱く、前記樹脂基板2と下金型91の関及び
前記放熱板8と上金型90の間に成形樹脂6が流れ出し
て、放熱板付半導体装置の外観品質及び信頼性を低下さ
せると云う問題があった。
さらに、放熱板8は上金型90の位置決め凹部に真空吸
着のみによって保持されているので、放熱板8の上面へ
の流れ出しを軽減させるためには放熱板8の加工精度を
上げる必要があり、PGAの製造コストをアップさせてい
ると云う問題もあった。
従来一般的技術として前記放熱板8及び樹脂基板2と
上・下金型内面との密着性を高める方法としては、成形
金型にノックピンを設け、このノックピンによって前記
樹脂基板2及び放熱板8を各各下金型及び上金型に強く
保持することが考えられる。
しかし、このノックピンを設ける方式は成形金型の構
造が複雑になるとともに、成形品に対して樹脂基板2の
側面部にノックピンの跡が残る結果となり、信頼性上及
び外観上の問題が残る。
本発明の目的は上記問題を解決し、成形金型の構造を
複雑にして製作費を高くすることなしに、良好な外観品
質及び高い信頼性を得ることが出来る放熱板付半導体装
置の製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するための本発明の要旨は下記の通り
である。
複数のコンタクト端子を有する樹脂基板にICチップを
実装し、該ICチップを成形金型を用いて射出成形により
樹脂封止するとともに、前記射出成形によって形成され
た樹脂封止の上面部には、金属製の放熱板が、インサー
トモールドによって一体化されている放熱板付半導体装
置の製造方法に於いて、前記放熱板付半導体装置には、
下金型側に保持された前記樹脂基板と上金型側に配設さ
れた前記放熱板との間隔を規制するスペーサー手段を設
けて、前記放熱板を前記上金型側に、前記樹脂基板を前
記下金型側に、それぞれ密着させるとともに、前記スペ
ーサー手段は前記封止樹脂にインサートモールドしたこ
とを特徴としている。またスペーサー手段は、放熱板の
下面側に一体形成した複数の突起である。またスペーサ
ー手段は、バネ部材であってもよい。
〔実施例〕
以下図面により本発明の実施例を詳述する。
(第1実施例) 第1図は本発明の第1実施例であるPGAの成形金型を
示す要部断面図、第5図は本発明の完成状態を示すPGA
の斜視図である。
第1図は第6図に示す成形金型と基本的構成に於いて
略同じものであり、同一部材には同一番号を付し、説明
を省略する。
第1図に於いて第6図と異なるところは前記放熱板8
と前記樹脂基板2の間にスペーサー手段として、放熱板
8、樹脂基板2とは別体の絶縁性のスペーサー部材を配
設し、放熱板8と樹脂基板との間隔を規制したことと、
成形金型の真空穴90bをなくしたことと、湯口91cの位置
を前記第7図の構成のごとく、パーテングライン(PL)
の位置に戻したことである。
次に第1図に示す成形金型を使用したPGAの製造方法
について述べると、まず樹脂基板2を下金型91の基板保
持する凹部91aに載置し、該脂樹基板2上面の適切な位
置に複数個のスペーサー部材3を配置してから、放熱板
8を該スペーサー部材3の上に、おおよその位置を合わ
せて設置する。
次に上金型90を締めて行くと、該上金型90に設けられ
た凹部90aの斜面部と放熱板8の肩の部分の斜面8aとが
倣うことによって放熱板8が正確に位置決めされ、スペ
ーサー部材3を介して樹脂基板2及び放熱板8がそれぞ
れ下金型91及び上金型90に強く密着される。
この状態で成形樹脂6を湯口91cから注入すると、樹
脂基板2、スペーサー部材3及び放熱板8が一体となっ
てインサートモールドされて各々の位置が固定されると
ともに、樹脂基板2の周囲破断面を成形樹脂6によって
完全に被覆したパッケージング構造が完成する。
上記構成の成形金型でPGAを製造したところ、樹脂基
板2の下面及び放熱板8の上面への成形樹脂の流れ出し
は全く認められなかった。又完成PGAでの樹脂基板2及
び放熱板8の位置ズレも皆無であった。さらに、樹脂基
板2の周囲破断面が成形樹脂6によって完全に被覆され
たPGAを得ることが出来た。
(第2実施例) 第2図は本発明の第2実施例であるPGAの断面図であ
り、スペーサー部材を放熱板に一体構成したものであ
る。
第2図に於いて、9はスペーサー放熱板であり、複数
のスペーサー部9aが一体形成されている。
スペーサー放熱板9と樹脂基板2とは接合部7で絶縁
されるとともに仮固定されている。本実施例に於いて
は、樹脂基板2及びスペーサー放念板9を接着一体化し
て成形金型に挿入・設置できる様にしたために、成形金
型に挿入・設置する際の量産性を大幅に向上させる効果
を有する。又樹脂基板2上のICチップ1がスペーサー放
熱板9によって仮保護されているため、成形金型への挿
入・設置時に作業者がワイヤー30に触れて発生させるワ
イヤー不良を減少させる効果を有する。さらに、スペー
サー放熱板9に複数のスペーサー部9aが設けられている
ため、成形樹脂6とスペーサー放熱板9の接合面積が増
加してスペーサー放熱板9の固定力を強くさせると云う
効果を有する。
(第3実施例) 第3図は本発明の第3実施例であるPGAの成形金型を
示す要部断面図である。
第3図に於いて、第1図と同一部材には同一番号を付
し、説明を省略する。
第3図に於いて、第1図と異るところは上金型90の放
熱板8に接する部分の上部を分割して分割部92とし、該
分割部92の上部にはバネ部材92aを設置したことであ
る。この結果前記分割部92がバネ部材92aのバネ性によ
り一定の負荷圧力にて上下する様に構成されている。
上記第3図に示す成形金型を用いたPGAの成形方法を
説明すると、第1図の場合と同様に下金型91に樹脂基板
2、スペーサー部材3及び放熱板8を順番に載置し上金
型90を締めて行くと、分割部92はバネ部材92aのバネ性
により前記樹脂基板2、スペーサー部材3及び放熱板8
の厚み寸法のバラツキに従って、一定の負荷圧力のかか
る位置迄降下して停止する。この状態にて成形樹脂6を
注入することによりPGAが完成する。第3図に示す実施
例では樹脂基板2、スペーサー部材3及び放熱板8の厚
さが規定より厚い方向にバラツイているため、上金型90
の分割部92がパーテングライン(PL)より上の位置で停
止した状態を示しており、完成PGAの寸法が少し厚くな
る場合である。尚、前記樹脂基板2等の厚さが薄い方向
にバラツイた場合には、前記分割部92はパーテングライ
ン(PL)より下方の位置に停止し、完成PGAの寸法は少
し薄くなる。
上記構成によれば、樹脂基板2の厚み寸法のバラツキ
が大きい場合や、放熱板8及びスペーサー部材3の厚み
寸法を厳密に管理しない場合でも、PGAの樹脂成形時に
は、分割部92のバネ性によって樹脂基板2等の厚みのバ
ラツキを吸収することが出来る。この結果、放熱板8及
び樹脂基板2は適正な圧力で上・下金型に対して各々正
確な位置に密着する。
(第4実施例) 第4図は本発明の第4実施例であるPGAの断面図であ
り、本実施例に於けるPGAの成形方法は、第1図に示さ
れているのと同一の成形金型を使用するものであり、第
1図の構成と異るところは、スペーサー部材3の代わり
にコイルバネ形状のスペーサー部材4の配設したことで
ある。
上記構成によるPGAの成形方法を説明すると、第1図
の場合と同様に下金型91に樹脂基板2、スペーサー部材
4及び放熱板8を順番に載置し上金型90を締めて行く。
この結果スペーサー部材4のバネ性により、前記樹脂
基板2及び前記放熱板8の厚み寸法のバラツキに従っ
て、スペーサー部材4が変形し、前記バラツキを吸収す
ることが可能となる。
この結果、前記樹脂基板2は下金型91に、前記放熱板
8は上金型90に、それぞれが適正な圧力で、各々の正確
な位置に密着される。
この状態にて成形樹脂6を注入することにより、コイ
ルバネ形状のスペーサー部材4は成形樹脂6によって所
定の厚み寸法で固定されるとともに、前記樹脂基板2及
び前記放熱板8と一体にインサートモールドされること
によりバネ性を失い、PGAが完成する。
上記構成によれば、PGAの樹脂成形時には、成形金型
の構造を複雑にして製作費を高くすることなしに、放熱
板8及び樹脂基板2のそれぞれを適正な圧力で上・下金
型に対して各々の正確な位置に密着させることが出来
る。尚、前記スペーサー部材4はコイルバネに限定され
るものではなく板状バネ、弾性プラスチック等を使用し
ても上記と同様の効果が得られることは明白である。
〔発明の効果〕
上記のごとく本発明によれば、放熱板と樹脂基板の間
にスペーサー手段を配設することにより、ノックピンを
使用しない単純な構造の成形金型でも、樹脂基板及び放
熱板をそれぞれ下金型及び上金型に強く密着させること
が出来るため、樹脂基板の下面及び放熱板の上面への成
形樹脂の流れ出しがなくなるとともに、樹脂基板の周囲
破断面を成形樹脂によって完全に被覆したパッケージン
グ構造を提供することが出来る。
従って、成形樹脂の流れ出しがなくなることによって
良好な外観品質が得られるとともに、樹脂基板の周囲破
断面を成形樹脂で完全に被覆出来ることによって極めて
高い電気的信頼性が得られ、さらに、単純な成形金型を
使用出来ることによりPGAの製造コストを廉価できる等
多くの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例を示すスペーサー部材を介
して放熱板をインサートモールドしたPGAの成形金型を
示す要部断面図、第2図は第2実施例を示すスペーサー
放熱板をインサートモールドしたPGAの断面図、第3図
は第3実施例を示す上金型の一部に分割部を設けたPGA
の成形金型を示す要部断面図、第4図は第4実施例を示
すスペーサー部材としてコイルバネ形状のスペーサー部
材を配設して放熱板をインサートモールドしたPGAの断
面図、第5図は本発明PGAの外観斜視図、第6図及び第
7図はそれぞれ従来技術を示し、放熱板をインサートモ
ールドしたPGAの成形金型を示す要部断面図である。 1……ICチップ、 2……樹脂基板、 6……成形樹脂、 8……放熱板、 90……上金型、 91……下金型。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のコンタクト端子を有する樹脂基板に
    ICチップを実装し、該ICチップを成形金型を用いて射出
    成形により樹脂封止するとともに、前記射出成形によっ
    て形成された樹脂封止の上面部には、金属製の放熱板
    が、インサートモールドによって一体化されている放熱
    板付半導体装置の製造方法に於いて、前記放熱板付半導
    体装置には、下金型側に保持された前記樹脂基板と上金
    型側に配設された前記放熱板との間隔を規制するスペー
    サー手段を設けて、前記放熱板を前記上金型側に、前記
    樹脂基板を前記下金型側に、それぞれ密着させるととも
    に、前記スペーサー手段は前記封止樹脂にインサートモ
    ールドしたことを特徴とする放熱板付半導体装置の製造
    方法。
  2. 【請求項2】スペーサー手段は、放熱板の下面側に一体
    形成した複数の突起であることを特徴とした請求項1記
    載の放熱板付半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】スペーサー手段は、バネ部材であることを
    特徴とする放熱板付半導体装置の製造方法。
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