JP2705365B2 - 連続酸洗ラインにおける変色防止方法および装置 - Google Patents
連続酸洗ラインにおける変色防止方法および装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、連続酸洗ラインにお
ける鋼板表面の変色を防止する方法ならびに装置に関す
る。
ける鋼板表面の変色を防止する方法ならびに装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】塩酸酸洗、硫酸酸洗等の酸液を使用して
鋼板のスケールを除去する酸洗設備においては、酸残り
による酸洗後の鋼板表面の錆等の着色欠陥が商品価値を
著しく阻害するため、種々の対策が検討されている。鋼
板表面の変色を防止するには、酸洗後の鋼板表面に残る
酸液を早く除去して乾燥させればよいが、操業上のトラ
ブル等により適切な条件から逸脱して着色欠陥を生じる
場合が多い。また、酸洗設備に続くリンス槽で使用する
スプレー水の水質や温度によっても変色の形態が変化す
る。
鋼板のスケールを除去する酸洗設備においては、酸残り
による酸洗後の鋼板表面の錆等の着色欠陥が商品価値を
著しく阻害するため、種々の対策が検討されている。鋼
板表面の変色を防止するには、酸洗後の鋼板表面に残る
酸液を早く除去して乾燥させればよいが、操業上のトラ
ブル等により適切な条件から逸脱して着色欠陥を生じる
場合が多い。また、酸洗設備に続くリンス槽で使用する
スプレー水の水質や温度によっても変色の形態が変化す
る。
【0003】カスケードリンス法のリンス槽において
は、図2に示すとおり、最終No.5リンス槽21で新
水22を給水してストリップ23の流れと逆方向に洗浄
水をカスケードさせ、酸洗槽24に近いNo.1リンス
槽25から順次ストリップ23表面に残る酸液を洗浄し
てゆくため、リンス槽のpH値は、図4に示すとおり、
酸洗槽24に近いNo.1およびNo.2リンス槽2
5、26が酸液を多く含むので低い値となり、洗浄が進
むにつれてpH値が上昇し、先頭No.1リンス槽のp
H1〜2から順次上昇し、最終No.5リンス槽21で
はpH7となる。このリンス槽におけるpHの状態は、
清浄な鋼板表面を得る上で重要である。他方洗浄水は、
ストリップ23の流れと逆方向に順次汚れを多く含む水
となり、最後に酸洗槽24に隣接する先頭No.1リン
ス槽25の廃水口27から廃酸処理設備に送られ処理さ
れている。したがって、ストリップ23の進行方向に沿
って酸を含む水が順次清浄な水となっているのが一般的
で、リンス槽の水質管理は通常pH値に基いて行われて
いる。
は、図2に示すとおり、最終No.5リンス槽21で新
水22を給水してストリップ23の流れと逆方向に洗浄
水をカスケードさせ、酸洗槽24に近いNo.1リンス
槽25から順次ストリップ23表面に残る酸液を洗浄し
てゆくため、リンス槽のpH値は、図4に示すとおり、
酸洗槽24に近いNo.1およびNo.2リンス槽2
5、26が酸液を多く含むので低い値となり、洗浄が進
むにつれてpH値が上昇し、先頭No.1リンス槽のp
H1〜2から順次上昇し、最終No.5リンス槽21で
はpH7となる。このリンス槽におけるpHの状態は、
清浄な鋼板表面を得る上で重要である。他方洗浄水は、
ストリップ23の流れと逆方向に順次汚れを多く含む水
となり、最後に酸洗槽24に隣接する先頭No.1リン
ス槽25の廃水口27から廃酸処理設備に送られ処理さ
れている。したがって、ストリップ23の進行方向に沿
って酸を含む水が順次清浄な水となっているのが一般的
で、リンス槽の水質管理は通常pH値に基いて行われて
いる。
【0004】一方、酸洗槽を出た鋼板表面には、酸液が
残っているが、この酸液中に含まれるFe+が洗浄液中
のOH-と反応して水酸化鉄を生成し、鋼板表面に強固
に付着する。この付着した水酸化鉄は、黒色を呈し変色
となる。この水酸化鉄は、生成後水スプレー等によって
も脱落することはなく、乾燥後も黒色欠陥として鋼板表
面に残留する。上記水酸化鉄生成反応は、pHが高いほ
ど、またFeイオンが多いほど反応し易いため、No.
1およびNo.2リンス槽でのFeイオンが多い段階で
はリンス液のpHを低く保つことが大切である。
残っているが、この酸液中に含まれるFe+が洗浄液中
のOH-と反応して水酸化鉄を生成し、鋼板表面に強固
に付着する。この付着した水酸化鉄は、黒色を呈し変色
となる。この水酸化鉄は、生成後水スプレー等によって
も脱落することはなく、乾燥後も黒色欠陥として鋼板表
面に残留する。上記水酸化鉄生成反応は、pHが高いほ
ど、またFeイオンが多いほど反応し易いため、No.
1およびNo.2リンス槽でのFeイオンが多い段階で
はリンス液のpHを低く保つことが大切である。
【0005】カスケードリンス法のリンス槽でのpH値
は、通常前記したとおり段階的に変化しているが、異常
時にはリンス槽前段でのpH値が異常に高くなることが
ある。例えば、図3に示すスプレー酸洗方式において、
リンス槽31の直前の酸液スプレー32用のポンプが故
障すると、酸洗槽33の最終段でストリップ34の表面
が乾燥し、リンス槽31への酸液の持込みが減少する場
合がある。リンス槽31では、最終リンス槽でpH7を
保持するため、常に新水を補給しているので、酸液の持
込みがない状態では、リンス槽31全体のpHが高くな
ってしまう。一方、乾燥したストリップ表面には、Fe
分が残存しているため、OHイオンとの反応により黒色
変色となる。この変色は、ライン停止による変色と異な
り、連続して発生するため被害も大きい。
は、通常前記したとおり段階的に変化しているが、異常
時にはリンス槽前段でのpH値が異常に高くなることが
ある。例えば、図3に示すスプレー酸洗方式において、
リンス槽31の直前の酸液スプレー32用のポンプが故
障すると、酸洗槽33の最終段でストリップ34の表面
が乾燥し、リンス槽31への酸液の持込みが減少する場
合がある。リンス槽31では、最終リンス槽でpH7を
保持するため、常に新水を補給しているので、酸液の持
込みがない状態では、リンス槽31全体のpHが高くな
ってしまう。一方、乾燥したストリップ表面には、Fe
分が残存しているため、OHイオンとの反応により黒色
変色となる。この変色は、ライン停止による変色と異な
り、連続して発生するため被害も大きい。
【0006】酸洗工程を経た鋼板の着色を防止する方法
としては、最終酸洗槽と、該最終酸洗槽に続くリンス槽
との間に、酸洗鋼板の表裏面に付着した酸液を絞り取る
少なくとも一対の絞りロールを設け、この絞りロールの
出側にスプレーヘッダーを設け、鋼板の搬送速度が所定
値より遅くなったときに鋼板にスプレーヘッダーから冷
水をスプレーする(実開昭50−96618号公報)、
最終酸洗槽の出側に隣接して数対のリンガーロールを供
えたリンガーロールセクションを設け、酸洗槽の液面お
よびリンガーロールセクションを通過する鋼板の表裏面
より酸のヒュームを吸引除去する(特開昭59−159
990号公報)、最終酸洗槽とこれに続くリンス槽との
間において、通板速度に関係なく、鋼板表裏を常に湿潤
状態に保持して乾燥を回避して酸洗変色を防止する(特
開昭61−207588号公報)、最終酸洗工程と、リ
ンス工程との間で、鋼板の表裏面に付着した酸液を、1
組以上のリンガーロールによって絞り取る連続酸洗ライ
ンにて、酸洗工程を出てリンス工程に入るまでの鋼板表
裏面を湿潤状態に保持して変色を防止する方法におい
て、最前のリンガーロールを通過した鋼板表裏面に蒸気
を吹付けて湿潤状態に保持して着色を防止する(特開昭
64−47889号公報)等多くの提案が行われてい
る。
としては、最終酸洗槽と、該最終酸洗槽に続くリンス槽
との間に、酸洗鋼板の表裏面に付着した酸液を絞り取る
少なくとも一対の絞りロールを設け、この絞りロールの
出側にスプレーヘッダーを設け、鋼板の搬送速度が所定
値より遅くなったときに鋼板にスプレーヘッダーから冷
水をスプレーする(実開昭50−96618号公報)、
最終酸洗槽の出側に隣接して数対のリンガーロールを供
えたリンガーロールセクションを設け、酸洗槽の液面お
よびリンガーロールセクションを通過する鋼板の表裏面
より酸のヒュームを吸引除去する(特開昭59−159
990号公報)、最終酸洗槽とこれに続くリンス槽との
間において、通板速度に関係なく、鋼板表裏を常に湿潤
状態に保持して乾燥を回避して酸洗変色を防止する(特
開昭61−207588号公報)、最終酸洗工程と、リ
ンス工程との間で、鋼板の表裏面に付着した酸液を、1
組以上のリンガーロールによって絞り取る連続酸洗ライ
ンにて、酸洗工程を出てリンス工程に入るまでの鋼板表
裏面を湿潤状態に保持して変色を防止する方法におい
て、最前のリンガーロールを通過した鋼板表裏面に蒸気
を吹付けて湿潤状態に保持して着色を防止する(特開昭
64−47889号公報)等多くの提案が行われてい
る。
【0007】
【解決しようとする課題】上記従来技術のうち、実開昭
50−96618号公報および特開昭59−15999
0号公報に開示の技術は、いずれも変色防止効果が十分
でない。また、特開昭61−207588号公報に開示
の技術は、リンガーロールを通過する鋼板の表裏面に水
をスプレーするため、酸洗槽に多量の水が浸入して酸液
の濃度変化が避けられず、また、処理すべき廃酸が増大
して還元回収効率が低下する。さらに、特開昭64−4
7889号公報に開示の技術は、鋼板表裏面に蒸気を吹
付けて湿潤状態に保持して着色を防止するもので、設備
故障等によりリンス槽への酸液の持込み量が減少し、リ
ンス槽前段でのpHが異常上昇して発生する着色を防止
することはできない。
50−96618号公報および特開昭59−15999
0号公報に開示の技術は、いずれも変色防止効果が十分
でない。また、特開昭61−207588号公報に開示
の技術は、リンガーロールを通過する鋼板の表裏面に水
をスプレーするため、酸洗槽に多量の水が浸入して酸液
の濃度変化が避けられず、また、処理すべき廃酸が増大
して還元回収効率が低下する。さらに、特開昭64−4
7889号公報に開示の技術は、鋼板表裏面に蒸気を吹
付けて湿潤状態に保持して着色を防止するもので、設備
故障等によりリンス槽への酸液の持込み量が減少し、リ
ンス槽前段でのpHが異常上昇して発生する着色を防止
することはできない。
【0008】この発明の目的は、設備故障等によりリン
ス槽への酸液の持込み量が減少し、リンス槽前段でのp
Hが異常上昇した場合における黒色欠陥の発生を防止で
きる変色防止方法ならびに装置を提供することにある。
ス槽への酸液の持込み量が減少し、リンス槽前段でのp
Hが異常上昇した場合における黒色欠陥の発生を防止で
きる変色防止方法ならびに装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく種々の実験研究を行った。その結果、設備
故障等によるリンス槽への酸液の持込み量の減少は、リ
ンス槽前段のpH値により確認できること、また、リン
ス槽への酸液の持込み量が減少してリンス槽前段のpH
値が上昇した場合は、リンス槽前段へ酸洗槽で使用して
いる酸液を供給することにより、pH値の上昇を防止で
きることを究明し、この発明に到達した。
を達成すべく種々の実験研究を行った。その結果、設備
故障等によるリンス槽への酸液の持込み量の減少は、リ
ンス槽前段のpH値により確認できること、また、リン
ス槽への酸液の持込み量が減少してリンス槽前段のpH
値が上昇した場合は、リンス槽前段へ酸洗槽で使用して
いる酸液を供給することにより、pH値の上昇を防止で
きることを究明し、この発明に到達した。
【0010】すなわちこの発明は、熱延鋼板のスケール
を除去する酸洗工程で酸洗後の鋼板表面に付着した酸液
を洗浄するカスケードリンス法のリンス工程において、
最終酸洗槽に続くNo.1リンス槽およびNo.2リン
ス槽の実測pH値と予め定めた設定pH値を比較して偏
差を求め、その偏差に基いてNo.1リンス槽およびN
o.2リンス槽が設定pH値となるよう酸液供給量を制
御するのである。
を除去する酸洗工程で酸洗後の鋼板表面に付着した酸液
を洗浄するカスケードリンス法のリンス工程において、
最終酸洗槽に続くNo.1リンス槽およびNo.2リン
ス槽の実測pH値と予め定めた設定pH値を比較して偏
差を求め、その偏差に基いてNo.1リンス槽およびN
o.2リンス槽が設定pH値となるよう酸液供給量を制
御するのである。
【0011】また、熱延鋼板のスケールを除去する酸洗
設備に続くカスケードリンス法のリンス設備において、
最終酸洗槽に続くNo.1リンス槽およびNo.2リン
ス槽に配設したpH計および酸液供給管と、pH計から
入力される実測pH値と設定pH値を比較して酸液供給
管の調節弁を自動開閉し、No.1リンス槽およびN
o.2リンス槽のpHを設定値に制御する制御装置から
なる連続酸洗ラインの変色防止装置である。
設備に続くカスケードリンス法のリンス設備において、
最終酸洗槽に続くNo.1リンス槽およびNo.2リン
ス槽に配設したpH計および酸液供給管と、pH計から
入力される実測pH値と設定pH値を比較して酸液供給
管の調節弁を自動開閉し、No.1リンス槽およびN
o.2リンス槽のpHを設定値に制御する制御装置から
なる連続酸洗ラインの変色防止装置である。
【0012】
【作用】この発明によれば、酸洗槽に続くNo.1リン
ス槽およびNo.2リンス槽のpH値は、酸液の供給に
より所定の値に制御されるから、鋼板表面に残留する酸
液中のFeイオンが多いNo.1リンス槽およびNo.
2リンス槽でのpH値を設定値に保持でき、Feイオン
とOHイオンの反応が抑制され、水酸化鉄生成による黒
色変色を防止することができる。
ス槽およびNo.2リンス槽のpH値は、酸液の供給に
より所定の値に制御されるから、鋼板表面に残留する酸
液中のFeイオンが多いNo.1リンス槽およびNo.
2リンス槽でのpH値を設定値に保持でき、Feイオン
とOHイオンの反応が抑制され、水酸化鉄生成による黒
色変色を防止することができる。
【0013】No.1リンス槽およびNo.2リンス槽
におけるpH値の制御範囲は、No.1リンス槽ではp
H1〜2、No.2リンス槽ではpH2〜4が望まし
く、最大値を超えた場合は、自動的に酸液を供給し、p
H値が所定値に低下すれば、酸液の供給を停止する。酸
液の供給は、酸洗槽で使用している酸液をそれぞれ調節
弁を有する配管によりNo.1リンス槽およびNo.2
リンス槽に供給する。調節弁の制御は、ON、OFF制
御で十分であり、調節弁としては、空気式調節弁、油圧
式調節弁、電磁弁、電動弁等種々の型式の弁を使用でき
る。
におけるpH値の制御範囲は、No.1リンス槽ではp
H1〜2、No.2リンス槽ではpH2〜4が望まし
く、最大値を超えた場合は、自動的に酸液を供給し、p
H値が所定値に低下すれば、酸液の供給を停止する。酸
液の供給は、酸洗槽で使用している酸液をそれぞれ調節
弁を有する配管によりNo.1リンス槽およびNo.2
リンス槽に供給する。調節弁の制御は、ON、OFF制
御で十分であり、調節弁としては、空気式調節弁、油圧
式調節弁、電磁弁、電動弁等種々の型式の弁を使用でき
る。
【0014】
【実施例】実施例1 以下にこの発明の詳細を実施の一例を示す図1に基いて
説明する。図1はこの発明の変色防止装置を設置したカ
スケードリンス法の概略図である。図1において、1は
リンス槽で、酸洗槽2に接続するNo.1リンス槽3、
No.2リンス槽4、No.3リンス槽5、No.4リ
ンス槽6および最終のNo.5リンス槽7からなる。各
No.1〜No.5リンス槽3、4、5、6、7には、
通過するストリップ8の表裏面を洗浄するスプレーノズ
ル9が設けられ、No.5リンス槽7のみしか記載して
いないが、循環ポンプ10により各リンス槽からリンス
液がスプレーノズル9に供給されている。また、No.
5リンス槽7には、新水11が供給されている。
説明する。図1はこの発明の変色防止装置を設置したカ
スケードリンス法の概略図である。図1において、1は
リンス槽で、酸洗槽2に接続するNo.1リンス槽3、
No.2リンス槽4、No.3リンス槽5、No.4リ
ンス槽6および最終のNo.5リンス槽7からなる。各
No.1〜No.5リンス槽3、4、5、6、7には、
通過するストリップ8の表裏面を洗浄するスプレーノズ
ル9が設けられ、No.5リンス槽7のみしか記載して
いないが、循環ポンプ10により各リンス槽からリンス
液がスプレーノズル9に供給されている。また、No.
5リンス槽7には、新水11が供給されている。
【0015】各リンス槽1には、それぞれpH計12が
設置され、No.1リンス槽3およびNo.2リンス槽
4には、酸洗槽2で使用している酸液13の供給配管1
4、15が配設され、供給配管14、15にはそれぞれ
調節弁16、17が設置されている。No.1リンス槽
3およびNo.2リンス槽4に設置されたpH計12の
検出値は、制御部18に入力される。制御部18は、予
め入力されているNo.1リンス槽3およびNo.2リ
ンス槽4の設定pH値と、入力される実測pH値を比較
演算し、実測pH値が設定pH値を超えると調節弁1
6、17を開放して酸液13を供給し、実測pH値が所
定pH値に低下すれば、調節弁16、17を閉止して酸
液13の供給を停止するよう構成する。なお、19はリ
ンガロールである。
設置され、No.1リンス槽3およびNo.2リンス槽
4には、酸洗槽2で使用している酸液13の供給配管1
4、15が配設され、供給配管14、15にはそれぞれ
調節弁16、17が設置されている。No.1リンス槽
3およびNo.2リンス槽4に設置されたpH計12の
検出値は、制御部18に入力される。制御部18は、予
め入力されているNo.1リンス槽3およびNo.2リ
ンス槽4の設定pH値と、入力される実測pH値を比較
演算し、実測pH値が設定pH値を超えると調節弁1
6、17を開放して酸液13を供給し、実測pH値が所
定pH値に低下すれば、調節弁16、17を閉止して酸
液13の供給を停止するよう構成する。なお、19はリ
ンガロールである。
【0016】上記のとおり構成したから、酸洗槽2で酸
液13の供給ポンプの故障等によって、ストリップ8に
よりリンス槽1に持込まれる酸液が減少した場合は、N
o.1リンス槽3およびNo.2リンス槽4のpHが順
次上昇する。このNo.1リンス槽3およびNo.2リ
ンス槽4のpH値の上昇は、pH計12により検出され
制御部18に入力される。制御部18は、入力されるN
o.1リンス槽3およびNo.2リンス槽4の実測pH
値と、予め入力されている設定pH値、例えばNo.1
リンス槽3のpH1〜2、No.2リンス槽4のpH2
〜4を比較演算し、No.1リンス槽3の実測pH値が
pH2を超えると、調節弁16を開放してNo.1リン
ス槽3に供給配管14から酸液13を供給する。また、
No.2リンス槽4の実測pH値がpH4を超えると、
調節弁17を開放してNo.2リンス槽4に供給配管1
5から酸液13を供給する。
液13の供給ポンプの故障等によって、ストリップ8に
よりリンス槽1に持込まれる酸液が減少した場合は、N
o.1リンス槽3およびNo.2リンス槽4のpHが順
次上昇する。このNo.1リンス槽3およびNo.2リ
ンス槽4のpH値の上昇は、pH計12により検出され
制御部18に入力される。制御部18は、入力されるN
o.1リンス槽3およびNo.2リンス槽4の実測pH
値と、予め入力されている設定pH値、例えばNo.1
リンス槽3のpH1〜2、No.2リンス槽4のpH2
〜4を比較演算し、No.1リンス槽3の実測pH値が
pH2を超えると、調節弁16を開放してNo.1リン
ス槽3に供給配管14から酸液13を供給する。また、
No.2リンス槽4の実測pH値がpH4を超えると、
調節弁17を開放してNo.2リンス槽4に供給配管1
5から酸液13を供給する。
【0017】そして、制御部18は、pH計12から入
力されるNo.1リンス槽3の実測pH値がpH1まで
低下すると、調節弁16を閉止して酸液13の供給を停
止し、また、No.2リンス槽4の実測pH値がpH2
まで低下すると、調節弁17を閉止して酸液13の供給
を停止する。したがって、No.1およびNo.2リン
ス槽3、4のpH値は、ストリップ8による酸液の持込
み量が減少しても、常に低位のpH値に制御され、リン
ス槽前段での鋼板が運んできた酸液中の鉄イオンとリン
ス液中のOHイオンとの反応による水酸化鉄の生成が抑
制される。その結果、鋼板表面への水酸化鉄付着による
黒色変色を防止することができる。
力されるNo.1リンス槽3の実測pH値がpH1まで
低下すると、調節弁16を閉止して酸液13の供給を停
止し、また、No.2リンス槽4の実測pH値がpH2
まで低下すると、調節弁17を閉止して酸液13の供給
を停止する。したがって、No.1およびNo.2リン
ス槽3、4のpH値は、ストリップ8による酸液の持込
み量が減少しても、常に低位のpH値に制御され、リン
ス槽前段での鋼板が運んできた酸液中の鉄イオンとリン
ス液中のOHイオンとの反応による水酸化鉄の生成が抑
制される。その結果、鋼板表面への水酸化鉄付着による
黒色変色を防止することができる。
【0018】実施例2 図1の連続酸洗ラインを用い、一般冷延向の鋼板を対象
とした酸洗を実施した。酸洗条件は、ラインスピード1
00m/min、ストリップ幅1000mm、最終酸洗
槽の塩酸濃度13%、液温90℃、リンス槽への新水補
給量20m3/Hr、各リンス槽のリンス液スプレー量
80m3/Hr、No.1〜No.2リンス槽の設定p
H値は、pH1〜2、pH2〜4とした。また、比較の
ため、No.1〜No.2リンス槽への酸液の供給を行
わない以外は同条件で行った。その結果、本願発明法の
場合は、鋼板表面への水酸化鉄の付着による黒色変色が
認められなかったが、従来法の場合は、一部鋼板表面へ
の水酸化鉄の付着による黒色変色が発生した。
とした酸洗を実施した。酸洗条件は、ラインスピード1
00m/min、ストリップ幅1000mm、最終酸洗
槽の塩酸濃度13%、液温90℃、リンス槽への新水補
給量20m3/Hr、各リンス槽のリンス液スプレー量
80m3/Hr、No.1〜No.2リンス槽の設定p
H値は、pH1〜2、pH2〜4とした。また、比較の
ため、No.1〜No.2リンス槽への酸液の供給を行
わない以外は同条件で行った。その結果、本願発明法の
場合は、鋼板表面への水酸化鉄の付着による黒色変色が
認められなかったが、従来法の場合は、一部鋼板表面へ
の水酸化鉄の付着による黒色変色が発生した。
【0019】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明によれば、
酸洗ラインにおいてリンス槽へのストリップによる酸液
の持込みが減少しても、前段リンス槽のpH値を低位に
保持することができ、Feイオンが多い段階での水酸化
鉄の生成反応を抑制して黒色変色の発生を防止すること
ができる。
酸洗ラインにおいてリンス槽へのストリップによる酸液
の持込みが減少しても、前段リンス槽のpH値を低位に
保持することができ、Feイオンが多い段階での水酸化
鉄の生成反応を抑制して黒色変色の発生を防止すること
ができる。
【図1】この発明の変色防止装置を設置したカスケード
リンス法の概略図である。
リンス法の概略図である。
【図2】従来の一般的な酸洗ラインの概略説明図であ
る。
る。
【図3】従来のスプレー式酸洗ラインの概略説明図であ
る。
る。
【図4】各リンス槽のpH値の一例を示すグラフであ
る。
る。
【符号の説明】 1 リンス槽 2、24、33 酸洗槽 3、25 No.1リンス槽 4、26 No.2リンス槽 5 No.3リンス槽 6 No.4リンス槽 7、21 No.5リンス槽 8、23、34 ストリップ 9 スプレーノズル 10 ポンプ 11、22 新水 12 pH計 13 酸液 14、15 供給配管 16、17 調節弁 18 制御部 19 リンガロール
Claims (2)
- 【請求項1】 熱延鋼板のスケールを除去する酸洗工程
で酸洗後の鋼板表面に付着した酸液を洗浄するカスケー
ドリンス法のリンス工程において、最終酸洗槽に続くN
o.1リンス槽およびNo.2リンス槽の実測pH値と
予め定めた設定pH値を比較して偏差を求め、その偏差
に基いてNo.1リンス槽およびNo.2リンス槽が設
定pH値となるよう酸液供給量を制御する連続酸洗ライ
ンにおける変色防止方法。 - 【請求項2】 熱延鋼板のスケールを除去する酸洗設備
に続くカスケードリンス法のリンス設備において、最終
酸洗槽に続くNo.1リンス槽およびNo.2リンス槽
に配設したpH計および酸液供給管と、pH計から入力
される実測pH値と設定pH値を比較演算して酸液供給
管の調節弁を自動開閉し、No.1リンス槽およびN
o.2リンス槽のpHを設定値に制御する制御部からな
る連続酸洗ラインにおける変色防止装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3148000A JP2705365B2 (ja) | 1991-05-22 | 1991-05-22 | 連続酸洗ラインにおける変色防止方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3148000A JP2705365B2 (ja) | 1991-05-22 | 1991-05-22 | 連続酸洗ラインにおける変色防止方法および装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04346684A JPH04346684A (ja) | 1992-12-02 |
JP2705365B2 true JP2705365B2 (ja) | 1998-01-28 |
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ID=15442873
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JP3148000A Expired - Fee Related JP2705365B2 (ja) | 1991-05-22 | 1991-05-22 | 連続酸洗ラインにおける変色防止方法および装置 |
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JP (1) | JP2705365B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113755852B (zh) * | 2021-09-13 | 2022-10-18 | 浙江金洲管道科技股份有限公司 | 一种降低钢材酸洗除锈过程中酸耗和减排红泥的处理系统及方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0320485A (ja) * | 1989-06-16 | 1991-01-29 | Kobe Steel Ltd | 金属材料のリンス方法 |
-
1991
- 1991-05-22 JP JP3148000A patent/JP2705365B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH04346684A (ja) | 1992-12-02 |
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