JP2704676B2 - ハロゲン化銀写真感光材料およびその製造方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料およびその製造方法

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JP2704676B2 JP3046049A JP4604991A JP2704676B2 JP 2704676 B2 JP2704676 B2 JP 2704676B2 JP 3046049 A JP3046049 A JP 3046049A JP 4604991 A JP4604991 A JP 4604991A JP 2704676 B2 JP2704676 B2 JP 2704676B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料に関するものであり、特に圧力性が良好でかつ分光増
感に対して好ましい高感度のハロゲン化銀写真乳剤を用
いた写真感光材料およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般にハロゲン化銀乳剤を塗布した写真
感光材料には、さまざまな圧力が加えられる。
【0003】例えば、一般写真用ネガフイルムは、パト
ローネに巻き込まれたり、カメラに装てんする際に、折
り曲げられたり、コマ送りのために引っ張られたりす
る。また、印刷用感材や、直接医療用レントゲン感材の
ようなシート状フイルムは、人が手で直接取り扱うた
め、折れたり曲がったりすることがひんぱんにおこる。
さらに、あらゆる感材は裁断、加工の際、大きな圧力を
受ける。
【0004】このように写真感材に様々な圧力が加わる
と、ハロゲン化銀粒子の保持体(バインダー)であるゼ
ラチンや支持体であるプラスチックフイルムを媒体とし
てハロゲン化銀粒子に圧力がかかる。ハロゲン化銀粒子
に圧力がかかると写真感材写真性に変化がおこることが
知られており、例えば、K.B. Mather, J. Opt. Soc.A
m., 38. 1054 (1948)、P. Faelens and P.de Smet, Sc
i. et Ind. Phot., 25.No. 5. 178 (1954) 、P. Faelen
s, J. Phot. Sci. 2. 105 (1954) などに詳細に報告さ
れている。
【0005】このため、これらの圧力に対し写真性に何
ら影響をうけないような、写真感材を提供することは強
く望まれている。
【0006】圧力特性を改良する手段としてはポリマー
や乳化物などの可塑剤を含有させる方法や、ハロゲン化
銀乳剤のハロゲン化銀/ゼラチン比を小さくする等の方
法で、圧力を粒子に到達させないようにするものが知ら
れている。
【0007】例えば英国特許第738618号明細書に
は異節環状化合物を、同738637号明細書にはアル
キルフタレートを、同738639号明細書にはアルキ
ルエステルを、米国特許第2960404号明細書には
多価アルコールを、同3121060号明細書にはカル
ボキシアルキルセルロースを、特開昭49−5017号
公報にはパラフィンとカルボン酸塩を、特公昭53−2
8086号公報にはアルキルアクリレートと有機酸を、
それぞれ可塑剤として用いる方法が開示されている。
【0008】しかし、可塑剤を添加する方法は乳剤層の
機械強度を低下させるのでその使用量には限界があり、
ゼラチンを増やすと現像処理速度が遅くなるなどの欠点
を生じるなどの理由でいずれの方法も、充分な効果を達
成しにくい。
【0009】写真用のハロゲン化銀乳剤に対する要請は
厳しく、高感度、高コントラストおよび優れた粒状性を
保ったままで、圧力特性に優れていることが要求され
る。前者の要求に対しては単分散の乳剤が優れているこ
とは公知であるが、圧力特性については、満足のいく水
準には達しておらず、上記の可塑剤及びハロゲン化銀/
ゼラチン比以外にも種々の方法が開示されている。
【0010】例えば、ヨウ化物イオンを用いた方法とし
て特開昭59−178447号公報には、局所的にヨウ
化物イオンを含有したハロゲン化銀写真乳剤が開示され
ている。米国特許4210450号明細書には粒子形成
途中でヨウ化物イオンによってハロゲン変換されたハロ
ゲン化銀粒子の製法が開示されている。しかしながらこ
のようにヨウ化物を用いる方法は、圧力特性の改良と同
時に現像性等の写真特性にも著しい影響を与えるため、
その使用には制限がある。
【0011】一方、塩化銀を用いた方法として米国特許
4495277号明細書には、ハロゲン化銀粒子の内核
の一層に塩化銀層を有するハロゲン化銀乳剤が開示され
ている。しかしながら、このような塩化銀層を設けた方
法は圧力特性の改良と同時に粒状の悪化を伴うために問
題がある。
【0012】近年、ハロゲン化銀感光材料の高感度化及
び小フォーマット化が進み、より高感度で画質の改良さ
れたカラー感光材料が強く望まれている。また、感度や
粒子性等の画質以外にも、露光照度依存性、保存性、圧
力性などのいわゆるタフネスに対して、一層高水準の要
求がなされている。従来のハロゲン化銀乳剤では、これ
らの要求に応えるには不充分であるため、より一層の性
能向上が望まれる。
【0013】本発明は、正常晶ハロゲン化銀粒子に転位
を導入する技術に関する。ハロゲン化銀平板結晶の転位
に関しては、 C.R.Berry, J.Appl.Phys., 27, 636(1956) C.R.Berry, D.C.Skilman, J.Appl.Phys., 35, 2165
(1964) J.F.Hamilton, Phot.Sci.Eng., 11,57 (1967) T.Shiozawa, J.Soc.Phot.Sci.Jpn., 34, 16 (1971) T.Shiosawa, J.Soc.Phot.Sci.Jpn., 35, 213 (1972) 等の文献があり、X線回折法または低温の透過型電子顕
微鏡法により結晶中の転位を観察することが可能である
こと、および結晶に歪みを与えることにより結晶中に種
々の転位が生じることなどが述べられている。
【0014】一方、転位の写真性能に及ぼす影響として
は、G.C.Famell, R.B.Flint and J.B.Chanter, J.Phot.
Sci., 13, 25 (1965) の文献があり、大きいサイズの高
アスペト比平板状臭化銀粒子において潜像核が形成され
る場所と粒子内の欠陥が密接な関係のあることが示され
ている。
【0015】特開昭63−220238号および特開平
1−201649号各公報には転位を意図的に導入した
平板状ハロゲン化銀粒子について開示されている。転位
を導入した平板状粒子は、転位のない平板粒子と比較し
て感度、相反則などの写真特性に優れ、かつこれらを感
光材料に用いると鮮鋭性、粒状性に優れることが示され
ている。
【0016】しかし、これらの開示例においては、平板
状粒子における転位線の導入であり、正常晶粒子に対し
ての転位導入の技術はこれまで報告されていなかった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、感度
が高く、粒状性、シャープネスが優れた上に、圧力性が
改善された正常晶ハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀
写真感光材料およびその製造方法を提供することにあ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、 (1)支持体上にハロゲン化銀乳剤層を有する写真感光
材料であって、該乳剤層に正常晶ハロゲン化銀粒子が含
まれており、該正常晶ハロゲン化銀粒子の少なくとも3
0%以上の粒子が粒子内部に、微小な塩化銀又は塩臭化
銀のエピタキシーにより形成された転位線をもつことを
特徴とするハロゲン化銀写真感光材料、および (2)粒子内部に転位線をもつ正常晶ハロゲン化銀結晶
を含むハロゲン化銀乳剤を次の三つのプロセスにより調
製し、次いで得られたハロゲン化銀乳剤を支持体上に塗
布することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の製
造方法: 基盤となる正常晶粒子(以下「基盤粒子」または「ホ
スト粒子」ともいう。)の調製; 基盤となる正常晶粒子への微小な塩化銀又は塩臭化銀
のエピタキシーの生成;および 正常晶粒子の微小なエピタキシーの物理熟成及び/又
はハロゲンによるコンバージョン、によって達成され
た。
【0019】なお、基盤粒子の粒子サイズは、0.1μ
m乃至3μmであることが好ましい。
【0020】本明細書において「正常晶粒子」とは、双
晶面を持たない粒子を意味する。さらに、本明細書にお
ける「30%以上の粒子」とは、ハロゲン化銀粒子の個
数における比率を意味する。
【0021】以下、本発明を詳細に説明する。
【0022】本発明の正常晶粒子は転位を有する。
【0023】平板状粒子の転位は、例えば前記J.F. Ham
ilton,Phot.Sci.Eng., 11, 57 (1967) やT. Shiozawa,
J.Soc.Phot.Sci.Jpn., 35, 213 (1972)に記載の低温で
の透過電子顕微鏡を用いて直接的な方法により観察する
ことができる。
【0024】しかしながら、0.3μm以上の厚さをも
つ平板粒子あるいは直径0.3μm以上の正常晶粒子に
おいては、電子線が透過しにくいために、上記のような
透過電子顕微鏡を用いる手法による観察は困難である。
【0025】本発明のような正常晶粒子の転位の観察に
は次のような方法によって行うことができる。
【0026】すなわち乳剤から粒子に転位が発生するほ
どの圧力をかけないよう注意して、安全光下で取り出し
たハロゲン化銀粒子を希薄なハロゲン化銀溶剤に適当な
時間浸して、エッチングしていき、0.3μm以下の厚
さにする。ハロゲン化銀溶剤としては、KBr水溶液、
チオ硫酸ナトリウム水溶液、シアン化カリウム水溶液な
どが用いられる。
【0027】こうしてハロゲン化銀正常晶結晶から得ら
れた薄板状結晶は、電子線による損傷(プリントアウト
等)を防ぐように試料を冷却した状態で透過法による観
察を行なう。このような方法によって得られた粒子の写
真より、各粒子について転位を確認することができる。
【0028】すなわち、転位のない粒子においては、ラ
ンダムな位置に丸みを帯びた黒い斑点が見られるが、こ
れらは観察中に徐々に大きくなることがあり、コンタミ
ネーションによるものかあるいはプリントアウト銀によ
るものと見られる。また、ウエットエッチング法を用い
ているために、粒子の厚さが均一ではないことに起因す
る緩やかなコントラストが生じている。しかし明確な転
位の存在は見られない。
【0029】一方、転位のある粒子においては、上記と
同様な黒い斑点様のものおよび試粒の厚みによる緩やか
なコントラストの他に多数の明瞭な線状のコントラス
ト、すなわち多数の転位線が見られる。
【0030】次に、本発明の正常晶粒子の製法について
述べる。
【0031】本発明の正常晶粒子は、基盤となる正常
晶粒子の調製;基盤となる正常晶粒子への微小な塩化
銀又は塩臭化銀のエピタキシーの生成;および正常晶
粒子の微小なエピタキシーの物理熟成及び/又はハロゲ
ンによるコンバージョンという三つのプロセスにより調
製される。
【0032】また、さらにハロゲン化銀シェル形成を行
なって転位の成長を行なってもよい。転位は微小な塩化
銀又は塩臭化銀エピタキシーが付着した場所に生成する
ため、転位の存在場所は微小エピタキシーの生成場所を
制御することにより決定される。
【0033】ところで、表面ヨード含率が10モル%以
下のヨウ臭化銀の正常晶粒子においては、微小エピタキ
シーは(111)表面に優先的に付着する。したがっ
て、正常晶粒子の(111)表面に選択的に転位導入す
ることができる。特公昭58−24772号公報には、
十四面体結晶の(111)表面に優先的に第二のハロゲ
ン化銀を付加した混成ハロゲ化銀結晶の製造法が述べ
られている。しかし、これは十四面体結晶の(111)
表面に優先的に第二のハロゲン化銀を付加することによ
り、最終的に立方体結晶を作り出すという点で、転位線
の導入の意図は見られない。
【0034】また、塩化銀又は塩臭化銀エピタキシーに
ついては、C.R. Berry and D.C. Skillman, J.Appl. Ph
ys 35 :2165 (1964) やJ.E. Maskasky による特開昭5
9−133540号公報に、臭化銀粒子面上に塩化銀を
エピタキシャル成長させた粒子が示されている。しか
し、これらのいずれの粒子でも、微小エピタキシー成長
をさせた後、物理熟成及び/又はハロゲンによるコンバ
ージョンによる転位導入という意図は見られない。
【0035】さらに、塩化銀又は、塩臭化銀エピタキシ
ーは、部位指示剤によっても付着部位を制御することが
可能である。部位指示剤としては、メチン色素、その他
の色素が用いられる。用いられる色素としては、例えば
ジアニン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、
複合メロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘ
ミシアニン色素、スチリル色素及びヘミオキソノール色
素等が挙げられる。
【0036】これらの色素を部位指示剤として用いるこ
とにより、塩化銀又は塩臭化銀エピタキシーを正常晶粒
子の頂及び/又は稜に選択的に付着させることが可能で
あり、したがって、その後に続く物理熟成及び/又はハ
ロゲンによるコンバージョンによって選択的に正常晶粒
子の頂及び/又は稜に転位線を導入することができる。
【0037】塩化銀エピタキシーの部位指示剤について
は、J.E. Maskasky, J.Imag. Sci. 32 160-177 (1988)
に述べられているが、上記のような物理熟成及び/又は
ハロゲンによるコンバージョンによる選択的な転位導入
という意図は見られない。また、表面ヨード含率が10
モル%以上のヨウ臭化銀の正常晶粒子では、部位指示剤
がなくても塩化銀、塩臭化銀エピタキシーが粒子の頂及
び/又は稜に付着する。
【0038】本発明のハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化
銀写真感光材料の分野で知られた種々の方法の中から選
び組み合わせることにより調製することができる。
【0039】基盤粒子は正常晶粒子であればよく、立方
体、八面体、十四面体粒子、又それ以外の多面体粒子等
が用いられる。
【0040】立方体、八面体、十四面体粒子は、テー・
エッチ・ジエームス著「写真過程の理論」第4版マクミ
ラン社(T.H.James “The Theory of the Photographic
Process”4th ed. Macmillan)の第3章(p.p. 88-104)
などの記載を参考にして簡単に調製することができる。
【0041】また、それ以外の多面体粒子については、
J.E. Maskasky. J. Img. Sci 30 247-254 (1986)などに
詳細に報告された方法を参考にして調製することができ
る。
【0042】基盤粒子の形成において、保護コロイド水
溶液を保持する反応容器に銀塩水溶液とハライド水溶液
を添加する代わりに、ハロゲン化銀微粒子を添加して正
常晶粒子の形成を行なってもよい。この方法について
は、特開平1−183645号公報および米国特許第4
879208号明細書にその技術が開示されている。
【0043】基盤粒子が十四面体の場合、(111)面
の面比率はハロゲン化銀乳剤粒子のカーボンレプリカ法
による電子顕微鏡写真から直接、観察することができ
る。より正確には、日本化学会誌1984、No.6、
942頁に記載された方法を用いることができる。すな
わち種々の量の色素(アンヒドロ−3,3’−ビス−
(スルホブチル)−9−メチルチアカルボジアニンヒド
ロキシドピリジニウム塩)を添加した厚い液体乳剤層の
反射スペクトルを測定し、上記色素が(100)面上と
(111)面上で著しく異るスペクトルを与えることに
着目してクベルカームンクの式で取り扱うことによって
(100)面と(111)面の割合を求めることができ
る。
【0044】基盤粒子の粒子サイズは、0.1μm〜3
μmであることが好ましい。
【0045】基盤粒子のサイズ分布は狭くても広くてよ
いが、一つの好ましい基盤粒子はサイズ分布の狭い(変
動係数20%以下)単分散乳剤である。
【0046】本発明では基盤粒子形成の過程において、
カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジウム
塩又はその錯塩、ロジウム塩又はその錯塩、鉄塩または
鉄錯塩などを共存させてもよい。
【0047】本発明の基盤粒子のハロゲン組成として
は、臭化銀、ヨウ臭化銀(ヨウド含量40モル%以下)
である。
【0048】塩化銀又は、塩臭化銀エピタキシーを基盤
粒子の面内に選択的に形成させる場合には、基盤粒子の
表面近傍のヨウ化銀含量は少ない方が良い。表面近傍の
ヨウ化銀含量は、20モル%以下、好ましくは15モル
%以下、より好ましくは10モル%以下である。
【0049】表面近傍のヨウ化銀含量は、ESCAで測
定可能である。基盤粒子のヨウ化銀含量の総量を高めた
い場合には、二重構造あるいは多重構造粒子を用いて、
表面近傍のヨウ化銀含量を小さくすることが可能であ
る。
【0050】二重構造粒子に関しては、特開昭60−1
43331号公報に開示されている。また多重構造粒子
に関しては、特開昭62−131247号公報に開示さ
ている。
【0051】エピタキシーを頂及び/又は稜に沈着させ
る場合、部位指示剤を用いたならば表面近傍のヨウ化銀
含量は任意である。部位指示剤を用いない場合、頂及び
/又は稜にエピタキシーを沈着させるためには、基盤粒
子の表面近傍のヨウ化銀含量は多い方が良い。表面近傍
のヨウ化銀含量は5モル%以上、好ましくは7モル%以
上、より好ましくは10モル%以上である。
【0052】これらを基盤粒子として塩化銀または塩臭
化銀を基盤粒子の面内、あるいは、頂及び/又は稜に多
数の微小なエピタキシーを沈着させる。
【0053】本発明の塩化銀又は塩臭化銀エピタキシー
の調製にあたって基盤粒子となる粒子形成後、そのまま
エピタキシーの調製を行なうことができる。また、基盤
粒子を脱塩のために水洗したのちにエピタキシーを調製
することもできる。
【0054】本発明のエピタキシーのハロゲン組成は、
基盤粒子の表面近傍のハロゲン組成とは異っていて塩化
銀又は塩臭化銀であり、好ましくは塩化銀含有率が30
モル%以上の塩臭化銀であり、特に好ましくは塩化銀で
ある。
【0055】エピタキシー中のヨウドは写真性(特に現
像性)に実質的に影響を及ばさない程度の微量であれば
含まれていてもよい。
【0056】エピタキシーを沈着させる場合、基盤粒子
とエピタキシーが互に混入しないようにエピタキシーを
沈着させるこが好ましい。
【0057】その沈着の具体例な方法は、ハロゲン化銀
エピタキシー組成に対応する水溶性銀塩と水溶性ハロゲ
ン塩を添加して行なうことが好ましい。この時の水溶性
銀塩の添加速度は再核発生をしない範囲で速いことが好
ましい。
【0058】ハロゲン化銀エピタキシーを沈着させるた
めには、一般的に沈着時の銀電位は高銀電位で調製する
ことが望ましいことが多い。ただし、そのエピタキシー
のハロゲン組成、温度または調製中に共存する添加剤等
によって異る。銀電位(対照電極を飽和カロメル電極と
して)は+30mV〜+300mV、好ましくは+50
mV〜+250mVである。またエピタキシーの調製中
の温度は低い方が好ましい。反応容器の温度は70℃〜
30℃、好ましくは60℃〜35℃、より好ましくは5
0℃〜35℃である。添加する銀塩(主に硝酸銀)及び
ハライドの量は基盤粒子の0.1〜30 mol%、好まし
くは0.5〜20mol%、より好ましくは1〜10 mol
%である。生成したエピタキシーの大きさと数はエピタ
キシー生成条件及び基盤粒子のハロゲン組成に依存す
る。エピタキシーの大きさはレプリカ法電子顕微鏡写真
によって確認することができ、エピタキシーの平均投影
面積径は0.5μm以下であり、個数にして1〜100
000個/μm2 が基盤粒子の面内に存在する。エピタ
キシーを頂及び/又は稜に沈着させた場合は、頂には1
〜10個/μm、稜には1〜100個/μmが存する。
【0059】次に、基盤粒子の面内のエピタキシーある
いは頂及び/又は稜のエピタキシーの物理熟成及び/又
はハロゲンによるコンバージョンを行なう。物理熟成を
行なうと、微小エピタキシーはつぶれ、より大きな丘状
になってゆく。この時に転位線が導入されると考えられ
ている。
【0060】物理熟成を行なう温度は40℃〜90℃、
好ましくは50℃〜90℃、より好ましくは60℃〜8
0℃である。物理熟成の後、ひきつづいてハロゲンによ
るコンバーションを行なっていてもよいが、その前に粒
子を脱塩するために水洗してもよい。
【0061】ハロゲンコンバージョンとは、ハロゲン化
銀結晶を形成しているハロゲンを異なるハロゲンにより
置換することであり、結晶として存在しているハロゲン
化銀より溶解度積の小さいハロゲ化銀を形成するよう
なハロゲンを添加することにより引き起され、またハロ
ゲン化銀の溶解度のより大きい部分からコンバージョン
は開始される。従って、ハロゲンコンバージョンを行な
うためのハロゲンは、エピタキシャル成長しているハロ
ゲン化銀よりも小さい溶解度を持つようなハロゲン化銀
となるような組成のハロゲンであれば任意である。
【0062】ハロゲンの添加量はエピタキシャル成長さ
せた銀量に対して、好ましくは50〜500 mol%、よ
り好ましくは100〜400 mol%である。
【0063】用いるハロゲンは、ヨウ化物、ヨウ化物と
臭化物の併用あるいは臭化物であり、その水溶液として
添加する。またこれらのハロゲンの添加法として、ヨウ
化銀、ヨウ臭化銀、臭化銀の微粒子として添加してもよ
い。微粒子のサイズは0.1μm以下、好ましくは0.
06μm以下である。これらの微粒子はあらかじめ微粒
子乳剤を調製することも可能であるが、米国特許第48
79208号明細書に開示されている方法に従って混合
器からこれらのハロゲン化銀微粒子を供給することが好
ましい。
【0064】さらにシェル形成による転位の成長を行な
ってもよい。基盤粒子の面内あるいは頂及び/又は稜に
生成した微小エピタキシーの物理熟成及び/又はハロゲ
ンコンバージョンによって転位が導入され、その後、さ
らに銀塩水溶液とハライド水溶液を添加してシェルを形
成するとシェル形成にともなって転位が成長してゆく。
【0065】シェルのハロゲン組成は任意であり、塩化
銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、塩ヨウ臭化銀、塩臭化銀のい
ずれでもよい。
【0066】またシェルの形成において、保護コロイド
水溶液を保持する反応容器に銀塩水溶液とハライド水溶
液を添加するかわりに、ハロゲン化銀微粒子を添加して
シェルの形成を行なってもよい。この方法については、
米国特許第4879208号明細書にその技術が開示さ
れている。
【0067】またヨウ臭化銀シェルを形成する際、ヨウ
素イオンの供給法として、予め調製した微粒子AgI
(粒径0.1μm以下、好ましくは0.06μm以下)
乳剤を用いてもよいし、ハロゲン化アルカリ水溶液で供
給する方法と併用してもよい。この際、AgI微粒子の
供給法として米国特許第4879208号明細書に開示
されている製造法を用いることが好ましい。
【0068】添加するシェルの銀塩(主に硝酸銀)及び
ハライドの量は特に制限はないが、コア粒子(基盤粒子
に塩化銀又は塩臭化銀のエピタキシーを沈着させた後、
物理熟成及び/又はハロゲンコンバージョンを施した粒
子)の1〜300モル%、好ましくは5〜200モル%
である。
【0069】ハロゲン化銀粒子に転位を導入することに
より、感度の上昇、相反則不軌の良化、分光増感感度の
上昇がもたらされる。さらに元来圧力によって黒化する
傾向がある粒子の圧力性が転位の導入によって顕著に改
良される。このような好ましい転位の効果を最大限に発
現させる為には、転位の導入場所(トポグラフィー)と
その密度を自由に制御することが必須となってくる訳で
あるが、本発明はそれを完全に可能ならしめる点におい
て画期的である。
【0070】本発明におけるハロゲン化銀粒子のサイズ
は特に制限はないが、平均粒子直径が0.3μm〜4μ
m、好ましくは0.6μm〜3μmである。
【0071】本発明の乳剤は通常、分光増感される。
【0072】本発明に用いられる分光増感色素としては
通常メチン色素が用いられるが、これにはシアニン色
素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メロシ
アニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン
色素、スチリル色素およびヘミオキソノール色素が包含
される。これらの色素類には、塩基性異節環核としてシ
アニン色素類に通常利用される核のいずれをも適用でき
る。すなわち、ピロリン核、オキサゾリン核、チアゾリ
ン核、ピロール核、オキサゾール核、チアゾール核、セ
レナゾール核、イミダゾール核、テトラゾール核、ピリ
ジン核など;これらの核に脂環式炭化水素環が融合した
核;及びこれらの核に芳香族炭化水素環が融合した核、
即ち、インドレニン核、ベンズインドレニン核、インド
ール核、ベンズオキサゾール核、ナフトオキサゾール
核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール核、ベンゾ
セレナゾール核、ベンズイミダゾール核、キノリン核な
どが適用できる。これらの核は炭素原子上に置換されて
いてもよい。
【0073】メロシアニン色素または複合メロシアニン
色素にはケトメチレン構造を有する核として、ピラゾリ
ン−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサ
ゾリジン−2,4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−
ジオン核、ローダニン核、チオバルビツール酸核などの
5〜6員異節環核を適用することができる。
【0074】増感色素は、化学熟成後または化学熟成前
に添加される。本発明のハロゲン化銀粒子に対しては最
も好ましくは増感色素は化学熟成中又は化学熟成以前
(後えば粒子形成時、物理熟成時)に添加される。
【0075】ハロゲン化銀乳剤は、通常は化学増感され
る。
【0076】すなわち、活性ゼラチンや銀と反応し得る
硫黄を含む化合物(例えば、チオ硫酸塩、チオ尿素類、
メルカプト化合物類、ローダニン類)を用いる硫黄増感
法;還元性物質(例えば、第一すず塩、アミン類、ヒド
ラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化
合物を)を用いる還元増感法;貴金属化合物(例えば、
金錯塩のほか、Pt、Ir、Pdなどの周期律表VII
I属の金属錯塩)を用いる貴金属増感法などを単独また
は組み合わせて用いることができる。
【0077】本発明に用いられる写真乳剤には、感光材
料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防
止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の
化合物を含有させることができる。すなわち、アゾール
類たとえばベンゾチアゾリウム塩、ニトロインダゾール
類、トリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ベンズイ
ミダゾール類(特にニトロまたはハロゲン置換体);ヘ
テロ環メルカプト化合物類、例えばメルカプトチアゾー
ル類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプトベン
ズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール類、メル
カプトテトラゾール類(特に1−フェニル−5−メルカ
プトテトラゾール)、メルカプトピリミジン類;カルボ
キシル基やスルホン基などの水溶性基を有する上記のへ
テロ環メルカプト化合物類;チオケト化合物、例えばオ
キサゾリンチオン;アザインデン類、例えばテトラアザ
インデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,
7)テトラアザインデン類);ベンゼンチオスルホン酸
類;ベンゼンスルフィン酸;などのようなカブリ防止剤
または安定剤として知られた多くの化合物を加えること
ができる。
【0078】これらカブリ防止剤または安定剤の添加時
期は、通常、化学増感を施した後に行なわれるが、より
好ましくは化学熟成の途中又は化学熟成の開始以前の時
期の中から選ぶことができる。
【0079】本発明の乳剤は乳剤層が1層または2層以
上を問わず任意の層構成の写真感光材料に用いることが
できる。
【0080】本発明の乳剤を用いたハロゲン化銀多層カ
ラー写真感光材料は青色、緑色、および赤色光を別々に
記録するためのバインダー及びハロゲン化銀粒子を含有
する乳剤層を重ね合せた多層構造を有し、各乳剤層は少
なくとも高感度及び低感度層の二層から成る。
【0081】本発明のハロゲン化銀乳剤はカラー感光材
料に適用することができるが、乳剤層が1層および多層
を問わずそれ以外の感光材料、たとえば、X線用感光材
料、黒白撮影用感光材料、製版用感光材料、印画紙等に
も同様に適用することが出来る。
【0082】本発明のハロゲン化銀乳剤の種々の添加
剤、たとえばバインンダー、化学増感剤、分光増感剤、
安定剤、ゼラチン硬化剤、界面活性剤、帯電防止剤、ポ
リマーラテックス、マット剤、カラーカプラー、紫外線
吸収剤、退色防止剤、染料及びこれらの乳剤を用いた感
光材料の支持体、塗布方法、露光方法、現像処理方法等
については特に制限はなく、たとえばリサーチ・ディス
クロージャー176巻、アイテム17643(RD−1
7643)、同187巻、アイテム18716(RD−
18716)及び同225巻、アイテム22534(R
D−22534)の記載を参考にすることができる。
【0083】これらリサーチ・ディスクロージャーの記
載を以下に示した。
【0084】 ──────────────────────────────────── 添加剤種類 RD17643 RD18716 RD22534 ──────────────────────────────────── 1 化学増感剤 23頁 648頁右欄 24頁 2 感度上昇剤 648頁右欄 3 分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄〜 24〜28頁 強色増感剤 649頁右欄 4 増 白 剤 24頁 5 かぶり防止剤 24〜25頁 649頁右欄〜 24頁、31頁 および安定剤 6 光吸収剤、 25〜26頁 649頁右欄〜 フィルター染料 650頁左欄 紫外線吸収剤 7 ステイン防止剤 25頁右欄 650頁左〜右欄 8 色素画像安定剤 25頁 32頁 9 硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 28頁 10バインダー 26頁 651頁左欄 11可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 12塗布助剤、 26〜27頁 650頁右欄 表面活性剤 13スタチック防止剤 27頁 650頁右欄 14カラーカプラー 25頁 649頁 31頁 ────────────────────────────────────
【0085】本発明に用いられるカラーカプラーは、バ
ラスト基を有するかまたはポリマー化されることにより
耐拡散性であることが好ましい。カップリング活性位が
水素原子の四当量カプラーよりもカップリング離脱基で
置換された二当量カプラーの方が、塗布銀量が低減でき
る点で好ましい。さらに発色色素が適度の拡散性を有す
るようなカプラー、無呈色カプラーまたはカップリング
反応に伴って現像抑制剤を放出するDIRカプラーもし
くは現像促進剤を放出するカプラーもまた使用できる。
【0086】本発明に使用できるイエローカプラーとし
ては、オイルプロテクト型のアシルアセトアミド系カプ
ラーが代表例として挙げられる。
【0087】酸素原子離脱型のイエローカプラーあるい
は窒素原子離脱型のイエローカプラーがその代表例とし
て挙げられる。α−ピバロイルアセトアニリド系カプラ
ーは発色色素の堅牢性、特に光堅牢性が優れており、一
方α−ベンゾイルアセトアニリド系カプラーは高い発色
濃度が得られる。
【0088】本発明に使用できるマゼンタカプラーとし
ては、オイルプロテクト型の、インダゾロン系もしくは
シアノアセチル系、好ましくは5−ピラゾロン系および
ピラゾロトリアゾール類などピラゾロアゾール系のカプ
ラーが挙げられる。5−ピラゾロン系カプラーは3−位
がアリールアミノ基もしくはアミルアミノ基で置換され
たカプラーが、発色色素の色相や発色濃度の観点で好ま
しい。
【0089】発色色素のイエロー副吸収の少なさおよび
光堅牢性の点で米国特許第4500630号明細書に記
載のイミダゾ[1、2−b]ピラゾール類は好ましく、
米国特許第4540650号明細書に記載のピラゾロ
[1,5−b][1,2,4]トリアゾールは特に好ま
しい。
【0090】本発明に使用できるシアンカプラーとして
は、オイルプロテクト型のナフトール系およびフェノー
ル系のカプラーがある。米国特許第2474293号明
細書に記載のナフトール系カプラー、好ましくは米国特
許第4052212号、同第4146396号、同第4
228233号および同第4296200号各明細書に
記載された酸素原子離脱型の二当量ナフトール系カプラ
ーが代表例として挙げられる。
【0091】特開昭60−237448号、同61−1
53640号および同61−145557号各公報に記
載されたナフトールの5−位にスルホンアミド基、アミ
ド基などが置換したシアンカプラーもまた発色画像の堅
牢性に優れており、本発明で好ましく使用できる。
【0092】発色色素が適度に拡散性を有するカプラー
を併用して粒状性を改良することができる。このような
カプラーは、米国特許第4366237号明細書および
英国特許第2125570号明細書にマゼンタカプラー
の具体例が、また欧州特許第96570号明細書および
西独出願公開第3234533号明細書には、イエロ
ー、マゼンタおよびシアンカプラーの具体例が記載され
ている。
【0093】本発明には、現像に伴なって現像抑制剤を
放出するカプラー、いわゆるDIRカプラーを含んでも
よい。
【0094】DIRカプラーの中で本発明との組み合わ
せでより好ましいものは、特開昭57−151944号
公報記載のカプラーに代表される現像液失活型;米国特
許第4248962号明細書および特開昭57−154
234号公報記載のカプラーに代表されるタイミング
型;特開昭60−184248号公報記載のカプラーに
代表される反応型等がある。特に好ましいものとして、
特開昭57−151944号、同58−217932
号、同60−218644号、同60−225156
号、および同60−233650号各公報に記載される
現像液失活型DIRカプラーおよび特開昭60−184
248号公報に記載される反応型DIRカプラーを挙げ
ることができる。
【0095】本発明の感光材料には、現像時に画像状に
造核剤もしくは現像促進剤またはそれらの前駆体(以
下、「現像促進剤など」という)を放出する化合物を使
用することができる。このような化合物の典型例は、英
国特許第2097140号および同第2131188号
各明細書に記載されており、芳香族第一級アミン現像薬
の酸化体とのカップリング反応によって現像促進剤など
を放出するカプラー、すなわちDARカプラーである。
【0096】カラーカプラーを分散するのに用いる高沸
点有機溶剤の具体例としては、フタル酸エステル類(ジ
ブチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジ−
2−エチルヘキシルフタレート、デシルフタレートな
ど)、リン酸またはホスホン酸のエステル類(トリフェ
ニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、2−エ
チルヘキシルジフェニルホスフェート、トリシクロヘキ
シルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェ
ート、トリドデシルホスフェート、トルブトキシエチル
ホスフェート、トリクロロプロピルホスフェート、ジ−
2−エチルヘキシルフェニルホスホネートなど)、安息
香酸エステル類(2−エチルヘキシルベンゾエート、ド
デシルベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ヒドロ
キシベンゾエートなど)、アミド類(ジエチルドデカン
アミド、N−テトラデシルピロリドン等)、アルコール
類またはフェノール類(イソステアリルアルコール、
2,4−ジ−tert−アミルフェノールなど)、脂肪
族カルボン酸エステル類(ジオクチルアゼレート、グリ
セロールトリブチレート、イソステアリルラクテート、
トリオクチルシトレートなど)、アニリン誘導体(N,
N−ジブチル−2−ブトキシ−5−tert−オクチル
アニリンなど)、炭化水素類(パラフィン、ドデシルベ
ンゼン、ジイソプロピルナフタレンなど)などが挙げら
れる。また補助溶剤としては、沸点が約30℃以上、好
ましくは50℃以上約160℃以下の有機溶剤などが使
用でき、典型例としては酢酸エチル、酢酸ブチル、プロ
ピオン酸エチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン、2−エトキシエチルアセテート、ジメチルホルムア
ミドなどが挙げられる。
【0097】ゼラチン硬化剤としては例えば、活性ハロ
ゲン化合物(2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ−1,
3,5−トリアジン及びそのナトリウム塩など)および
活性ビニル化合物(1,3−ビスビニルスルホニル−2
−プロパノール、1,2−ビス(ビニルスルホニルアセ
トアミド)エタンあるいはビニルスルホニル基を側鎖に
有するビニル系ポリマーなど)は、ゼラチンなど親水性
コロイドを早く硬化させ安定な写真特性を与えるので好
ましい。N−カルバモイルピリジニウム塩類(1−モル
ホリノカルボニル−3−ピリジニオ)メタンスルホナー
トなど)やハロアミジニウム塩類(1−(1−クロロ−
ピリジノメチレン)ピロリジニウム−2−ナフタレンス
ルホナートなど)も硬化速度が早く優れている。
【0098】本発明のハロゲン化銀写真乳剤を用いたカ
ラー写真感光材料は、現像、漂白定着もしくは定着処理
の後に通常水洗処理又は安定化処理を施す。
【0099】水洗工程は2槽以上の槽を向流水洗にし、
節水することが一般的である。安定化処理としては水洗
工程のかわりに特開昭57−8543号公報記載のよう
な多段向流安定化処理が代表例として挙げられる。
【0100】本発明の感光材料の現像処理に用いる発色
現像液は、好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主
薬を主成分とするアルカリ性水溶液である。この発色現
像主薬としては、アミノフェノール系化合物も有用であ
るが、p−フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用
され、その代表例としては3−メチル−4−アミノ−
N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−
N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−
メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メタンスル
ホンアミドエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−
N−エチル−N−β−メトキシエチルアニリン及びこれ
らの硫酸塩、塩酸塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩
が挙げられる。これらの化合物は目的に応じ2種以上併
用することができる。
【0101】また反転処理を実施する場合は通常黒白現
像を行なってから発色現像する。この黒白現像液には、
ハイドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1−フ
ェニル−3−ピラゾリドンなどの3−ピラゾリドン類ま
たはN−メチル−p−アミノフェノールなどのアミノフ
ェノール類など公知の黒白現像主薬を単独あるいは組み
合わせて用いることができる。
【0102】これらの発色現像液及び黒白現像液のpH
は9〜12であることが一般的である。またこれらの現
像液の補充量は、処理するカラー写真感光材料にもよる
が、一般に感光材料1平方メートル当り3l以下であ
り、補充液中の臭化物イオン濃度を低減させておくこと
により500ml以下にすることもできる。
【0103】発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理さ
れる。漂白処理は定着処理と同時に行なわれてもよいし
(漂白定着処理)、個別に行なわれてもよい。更に処理
の迅速化を図るため、漂白処理後漂白定着処理する処理
方法でもよい。さらにアミノポリカルボン酸鉄(II
I)錯塩は漂白液においても、漂白定着液においても特
に有用である。これらのアミノポリカルボン酸鉄(II
I)錯塩を用いた漂白液又は漂白定着液のpHは通常
5.5〜8であるが、処理の迅速化のために、さらに低
いpHで処理することもできる。
【0104】漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤としては、メルカプト基またはジスル
フィド基を有する化合物が促進効果が大きい観点で好ま
しく、特に米国特許第3893858号明細書、西独特
許1290812号明細書および特開昭53−9563
0号公報に記載の化合物が好ましい。さらに米国特許第
4552834号明細書に記載の化合物も好ましい。こ
れらの漂白促進剤は感材中に添加してもよい。
【0105】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一
般的である。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性
(例えばカプラー等使用素材による)、用途、更には水
洗水温、水洗タンクの数(段数)、向流、順流等の補充
方式、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。
このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の
関係はJournal of theSociety of Motion Picture and
Television Engineers 第64巻、248〜253頁
(1955年5月号)に記載の方法で、求めることがで
きる。
【0106】以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明
する。
【0107】
【実施例】
[実施例1] 「乳剤1−A 八面体臭化銀基盤粒子」水に臭化カリウ
ム、ゼラチンおよびアンモニアを加えて溶解し、60℃
に保った溶液中に攪拌しながら硝酸銀溶液と臭化カリウ
ム溶液をダブルジェット法により、銀電位−40mVvs
SCEに保って添加した。添加終了後35℃まで降温
し、沈降法により可溶性塩類を除去した後、再び40℃
にしてゼラチンを追添して溶解しpH6.3に調整し
た。得られた基盤粒子は投影面積径0.7μmの単分散
八面体粒子(変動係数12%)であった。
【0108】「乳剤1−B 転位を有する八面体臭化銀
粒子(本発明)」乳剤1−A625g(硝酸銀換算で7
6gに相当する)に水1110mlを加え50℃におい
て+190mVの電位(対飽和カロメル電極)に保ちな
がら、0.34M(モル)の硝酸銀溶液を160ml
と、0.84Mの塩化ナトリウム水溶液を8分間でコン
トロールダブルジェット法により添加した。ここにおい
て図1に示されるような微小な塩化銀エピタキシーが八
面体基盤上に多数生成した。
【0109】図1は、臭化銀八面体基盤粒子の表面上に
微小な塩化銀エピタキシーが生成した結晶の構造を示す
レプリカ電子顕微鏡写真である。
【0110】次に、75℃に昇温し、12分間物理熟成
した後、0.84M・KBr水溶液を195cc添加し
て15分間でコンバージョンを完了した。50℃に降温
し、0.51Mの硝酸銀水溶液340mlと0.51M
・KBr水溶液を−50mVの電位(対飽和カロメル電
極)に保ちながら、17分間でコントロールジェット法
により添加した。
【0111】この後、乳剤を35℃まで冷却し、常法の
フロキュレーション法で洗浄し、骨ゼラチン23gを添
加し40℃においてpH6.3、pAg8.5に調整し
たのち、冷暗所に保存した。得られた粒子は投影面積径
0.83μmの単分散八面体(変動係数12%)であっ
た。
【0112】「乳剤1−C 十四面体臭化銀基盤粒子」
0.004Mの臭化カリウムを含有する0.02重量%
のゼラチン溶液1lを60℃に保ち、それを攪拌しなが
らダブルジェット法で0.50Mの硝酸銀溶液と0.5
0Mの臭化カリウム溶液とをそれぞれ40cc添加し
た。添加終了後、50%濃度の硝酸アンモニウム15c
cと25%濃度のアンモニア水6.4ccを添加した。
その後1.2Mの硝酸銀溶液1lを50分間で添加し
た。この添加の間pAgが8.1に保たれるように1.
3Mの臭化カリウム溶液が同時に添加された。
【0113】この後、乳剤を35℃まで冷却し、常法の
フロキュレーション法で洗浄し、40℃においてpH
6.3、pAg8.7に調整した。得られた粒子は単分
散の十四面体粒子(変動係数13%)からなり、その平
均投影面積径は0.7μmであり、クベルカームンクの
式から求めた{111}面比率は63%であった。
【0114】「乳剤1−D {111}面に転位を有す
る十四面体臭化銀粒子(本発明)」乳剤1−C625g
(硝酸銀換算で76gに相当する)に水1110mlを
加え50℃において+190mVの電位(対飽和カロメ
ル電極)に保ちながら、0.34Mの硝酸銀溶液を16
0mlと、0.84Mの塩化ナトリウム水溶液を8分間
でコントロールダブルジェット法により添加した。ここ
において、微小な塩化銀エピタキシーが十四面体粒子の
{111}面だけに沈着していた。この後、75℃に昇
温し、12分間物理熟成した後、0.84M・KBr水
溶液を195cc添加して15分間でコンバージョンを
完了する。
【0115】50℃に降温し、0.51Mの硝酸銀水溶
液340mlと0.51KBr水溶液を+10mVの電
位(対飽和カロメル電極)に保ちながら17分間でコン
トロールダブルジェット法により添加した。
【0116】この後、乳剤を35℃まで冷却し、常法の
フロキュレーション法で洗浄し、骨ゼラチン23gを添
加し40℃においてpH6.3、pAg8.5に調整し
た後、冷暗所に保存した。得られた粒子は投影面積径
0.83μmの単分散十四面体粒子(変動係数12%)
であった。
【0117】「乳剤1−E 稜および頂に転位を有する
八面体臭化銀粒子(本発明)」50℃において+190
mVの電位で硝酸銀と塩化ナトリウム水溶液を添加する
前に、下記の化合物Iを銀モルあたり1.5mM添加し
て40℃にて30分間攪拌して吸着させたこと以外は、
乳剤1−Bと全く同様に行った。ここにおいて塩化銀エ
ピキタシーは、基盤粒子の頂や稜に多数生成していた。 (化合物I)
【化1】
【0118】得られた粒子は投影面積0.83μmの単
分散八面体粒子(変動係数12%)であった。
【0119】「乳剤1−F 転位を持たない臭化銀八面
体粒子(比較例)」50℃において+190mVの電位
において0.34Mの硝酸銀溶液を160mlと0.8
4MのKBr水溶液を8分間で添加した以外は、乳剤1
−Bと全く同様に行った。得られた粒子は投影面積0.
83μmの単分散八面体粒子(変動係数12%)であっ
た。
【0120】「乳剤1−G 転位を持たない臭化銀十四
面体粒子(比較例)」50℃において+190mVの電
位において0.34Mの硝酸銀溶液を160mlと0.
84MのKBr水溶液を8分間で添加した以外は、乳剤
1−Dと全く同様に行った。得られた粒子は投影面積
0.83μmの単分散十四面体粒子(変動係数12%)
であった。
【0121】「正常晶粒子に導入された転位の確認」乳
剤1−B、1−D、1−E、1−Fおよび1−Gについ
て、前述したような方法を用いて転位線の有無を確認し
た。
【0122】(透過型電子顕微鏡による直接観察)前述
したようなウェットエッチングを施して薄板状にした粒
子について透過型電子顕微鏡を用いて転位の直接観察を
行った。電子顕微鏡は日本電子(株)製JEM2000
FXIIを用い、加速電圧200kV、温度−120℃
にて観察した。透過型電子顕微鏡写真の例を1−Bにつ
いて図2、1−Fについて図3にそれぞれ示す。
【0123】乳剤1−Bは表面全体に転位が存在してい
ることが解る。また、1−Dについては{111}面上
に主に存在し、1−Eについては稜や頂付近にたくさん
の転位が存在していることが確認できた。一方、1−F
および1−Gでは転位は全く見い出されなかった。
【0124】次に、1−B、1−D、1−E、1−F、
1−Gの乳剤に、温度を60℃にして下記の分光増感色
素AとBとを200:1の重量比で合計の量をハロゲン
化銀1モル当たり800mgとして添加し、10分後に
スチレンと無水マレイン酸の共重合体0.6gを添加
し、さらに2分後チオシアン酸アンモニウム塩を銀1モ
ル当たり1.9×10-3モル、及び適当な量の塩化金酸
とハイポを添加し、化学熟成を開始した。4−ヒドロキ
シ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン
3×10-2モルを添加した後、1分後に温度を下げ化学
増感を終了し、写真乳剤塗布液を調製した。
【0125】なお、写真乳剤層は銀換算値で支持体の片
側当たり1.8g/m2 、ゼラチン量2.0g/m2
なるように、保護層はゼラチン付量として1.0g/m
2 となるように、2台のスライドホッパー型コーターで
毎分60mのスピードでポリエチレンテレフタレートフ
ィルムベース上に両面同時塗布し、2分20秒で乾燥
し、試料を得た。
【0126】試料調製に用いた分光増感色素は次のとお
りである。 分光増感色素A
【化2】 分光増感色素B
【化3】
【0127】また、乳剤液(ハロゲン化銀写真乳剤塗布
液)に用いた添加剤は次の通りである。添加量はハロゲ
ン化銀1モル当たりの量で示す。 1,1−ジメチロール−1− ロム−1−ニトロメタン 70mg
【化4】 t−ブチル−カテコール 400mg ポリビニルピロリドン(分子量10000) 1.0g スチレン−無水マレイン酸共重合体 2.5g トリメチロールプロパン 10g ジエチレングリコール 5g ニトロフェニル−トリフェニルホスホニウムクロリド 50mg 1,3−ヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 4g 2−メルカプトベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 1.5g
【化5】
【化6】
【0128】また、保護層液に用いた添加物は次の通り
である。添加量は塗布液1l当たりの量で示す。 石灰処理イナートゼラチン 68g 酸処理ゼラチン 2g
【化7】 (塗布助剤) 1g ポリメチルメタクリレート(面積平均粒径3.5μmのマット剤) 1.1g 二酸化ケイ素粒子(面積平均粒径1.2μmのマット剤) 0.5g ルドックスAM(デュポン社のコロイドシリカ) 3.0g 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5− トリアジンナトリウム塩の水溶液2%(硬膜剤) 10ml ホルマリン35%(硬膜剤) 2ml グリオキサール水溶液40%(硬膜剤) 1.5ml
【化8】 1.0g
【化9】 0.4g
【化10】 0.3g
【化11】 (nは2〜5の混合物) 2.5g
【化12】 0.5g
【化13】 3mg C49 SO3 K 2mg C1021CONH(CH2 CH2 O)6 H 3g
【0129】なお、塗布液には前記添加剤のほか、下記
化合物(1)(2)を、ハロゲン化銀1モル当たり下記
の量になるように添加した。 (1)
【化14】 200mg (2)トリクレジルホスフェート 0.6g
【0130】すなわち、化合物(1)を特開昭61−2
85445号公報における実施例1の(3)に記載の方
法に順じて、化合物(2)から成るオイル中に溶解して
親水性コロイド溶液中に分散したものを、上記添加量と
なる量添加した。
【0131】「自動現像機処理」 現像液及び定着液は次のものを使用した。 (現像液) 亜硫酸カリウム 70g ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸三ナトリウム 8g 1,4−ジヒドロキシベンゼン 28g 硼酸 10g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.04g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.01g メタ重亜硫酸ナトリウム 5g 酢酸(90%) 13g トリエチレングリコール 15g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.2g 5−ニトロインダゾール 0.2g
【化15】 グルタルアルデヒド 4.0g エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム 2.0g 臭化カリウム 4.0g 5−ニトロベンゾイミダゾール 1.0g 1リットルの水溶液にし、水酸化カリウムでpH10.
50の液とした。
【0132】 (定着液) チオ硫酸ナトリウム−5水塩 45g エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム 0.5g チオ硫酸アンモニウム 150g 無水亜硫酸ナトリウム 8g 酢酸カリウム 16g 硫酸アルミニウム10〜18水塩 27g 硫酸(50wt%) 6g クエン酸 1g 硼酸 7g 氷酢酸 5g 1lの水溶液にして氷酢酸を添加しpH4.0の液とし
た。
【0133】上記現像液濃縮液をポリエチレンの容器に
各パート毎に充填した。この容器はパートA、B、Cの
各容器が一つに連結されているものである。
【0134】また、上記定着液濃縮液もポリエチレンの
容器に充填した。
【0135】これらの現像液、定着液を次のような割合
で自現機の現像タンク、定着タンクに、それぞれ自現機
に設置されている定量ポンプを使って満たした。
【0136】 現像液I A剤 55ml B剤 10ml C剤 10ml 水 125ml pH 10.50
【0137】 定着液 濃縮液 80ml 水 120ml pH 4.65
【0138】水洗タンクには水道水を満たしタンクの底
にNa2 O/B25 /SiO2 からなる溶解性ガラス
にAg2 Oを1.0wt%含む銀徐放剤50gを不織布
に包んだ袋4ケを沈めた。
【0139】「自現機の構成」下記の構成の自現機を使
用した。 ──────────────────────────────────── タンク 処理温度 処理パス長 処理工程 液 量 時間 ──────────────────────────────────── 現 像 15l 35℃ 466mm 10.1秒 (液面面積とタンク容量比=35cm2 /l) 定 着 15l 32℃ 328mm 7.1秒 水 洗 13l 17℃流水 268mm 5.0秒 スクイズ 5.0秒 乾 燥 58℃ 299mm 6.5秒 トータル 33.7秒 ────────────────────────────────────
【0140】「写真性の評価」得られた試料を蛍光増感
紙KO−250(コニカ(株)販売)の間に挟み、管電
圧130KVP、20mAで、0.05秒間X線を照射
して、ペネトーロメーターB型(アルミ階段、コニカメ
ディカル(株)販売)を介して露光した後、上記処理を
おこなった。
【0141】感度は表4の1−Fにおいて、カブリ+
1.0の黒化度を与えるX線量の逆数を100とした相
対感度で示した。階調はカブリ+0.25とカブリ+
2.0の濃度点を結ぶ直線の傾きで表した。結果を表1
にまとめた。
【0142】「上記試料の応力特性評価法」得られたフ
ィルム塗布試料を25℃で相対湿度40%に調湿された
条件下で折り曲げる。この折り曲げは、直径6mmの鉄
棒に沿って180°曲げられた。この操作の直後に10
-2secでウェッジ露光を与えた。露光済の試料を前述
した処理液及び自動現像機により現像、定着、水洗、乾
燥した。
【0143】このように処理後にフィルムに残された、
折り曲げによる黒化は、かぶりの変化量の最大濃度に対
する比、△Fog/Dmで表した。結果を表1に示す。
【表1】
【0144】表1に示されるように本発明の乳剤は、感
度が高く、階調も高くかつ圧力かぶりが顕著に改良され
る。
【0145】[実施例2] 「乳剤2−A 八面体ヨウ臭化銀基盤粒子」0.004
Mの臭化カリウムを含有する0.02重量%のゼラチン
溶液1lを60℃に保ち、それを攪拌しながら臭化カリ
ウム、沃化カリウムを溶解した溶液と硝酸銀溶液を適切
な銀電位を保ちながらをダブルジェット法により添加し
た。
【0146】添加終了後35℃まで降温し、沈降法によ
り可溶性塩類を除去した後、再び40℃にしてゼラチン
50gを追添して溶解し、pH6.8に調整して基盤粒
子乳剤を作った。得られた基盤粒子は単分散の八面体粒
子(変動係数14%)で、その平均投影面積径は0.9
5μmであった。また表面近傍のAgI含量は、ESC
Aの測定により、8モル%であった。
【0147】「乳剤2−B 転移を有するヨウ臭化銀八
面体粒子(本発明)」乳剤1−A625g(硝酸銀換算
で76gに相当する)に水1110mlを加え50℃に
おいて+190mVの電位(対飽和カロメル電極)に保
ちながら、0.34Mの硝酸銀溶液を160mlと、
0.84Mの塩化ナトリウム水溶液を8分間でコントロ
ールダブルジェット法により添加した。ここで、塩化銀
エピタキシーが八面体基盤上の面内にいくつか生成し
た。75℃に昇温し、12分間物理熟成した後、0.8
4M・KBr水溶液を195cc添加して15分間でコ
ンバージョンを完了した。50℃に降温し、0.51M
の硝酸銀水溶液340mlと0.51M・KBrと0.
04MのKIを混合して溶解した溶液を−50mVの電
位に保ちながら17分間でコントロールジェット法によ
り添加した。
【0148】この後、乳剤を35℃まで冷却し、常法の
フロキュレーション法で洗浄し、骨ゼラチン23gを添
加し40℃においてpH6.3、pAg8.5に調整し
たのち、冷暗所に保存した。得られた粒子は投影面積径
1.12μmの単分散八面体粒子(変動係数14%)で
あった。
【0149】「乳剤2−C 十四面体ヨウ臭化銀基盤粒
子」0.004Mの臭化カリウムを含有する0.02重
量%のゼラチン溶液1lを60℃に保ち、それを攪拌し
ながら臭化カリウム、沃化カリウムを溶解した溶液と硝
酸銀溶液を適当な銀電位を保ちながらダブルジェット法
により添加した。
【0150】添加終了後、35℃まで降温し、沈降法に
より可溶性塩類を除去したのち、再び40℃にしてゼラ
チン50gを追添して溶解し、pH6.8に調整して基
盤粒子乳剤を作った。得られた基盤粒子は単分散の十四
面体粒子(変動係数14%)で、その平均投影面積径は
0.95μmであり、クベルカームンクの式から求めた
{111}面比率は58%であり、また表面近傍のAg
I含量は、ESCAの測定により、8モル%であった。
【0151】「乳剤2−D{111}面に転位を有する
十四面体ヨウ臭化銀粒子(本発明)」乳剤2−C625
g(硝酸銀換算で76gに相当する)に水1110ml
を加え、50℃において+190mVの電位(対飽和カ
ロメル電極)に保ちながら、0.34Mの硝酸銀溶液を
160mlと、0.84Mの塩化ナトリウム水溶液を8
分間でコントロールダブルジェット法により添加した。
ここにおいて、塩化銀エピタキシーが十四面体粒子の
{111}面だけに沈着していた。この後、75℃に昇
温し、12分間物理熟成した後、0.84M・KBr水
溶液を195cc添加して15分間でコンバージョンを
完了した。
【0152】50℃に降温し、0.51Mの硝酸銀水溶
液340mlと、0.51KBrおよび0.04MのK
Iを混合して溶解した溶液を+10mVの電位に保ちな
がら17分間でコントロールダブルジェット法により添
加した。
【0153】この後、乳剤を35℃まで冷却し、常法の
フロキュレーション法で洗浄し、骨ゼラチン23gを添
加し40℃においてpH6.3、pAg8.5に調整し
た後、冷暗所に保存した。得られた粒子は投影面積径
1.12μmの単分散十四面体粒子(変動係数14%)
であった。
【0154】「乳剤2−E 稜および頂に転位を有する
八面体ヨウ臭化銀粒子(本発明)」50℃において+1
90mVの電位で硝酸銀と塩化ナトリウム水溶液を添加
する前に、前記の化合物Iを銀モルあたり1.5mM添
加して40℃にて30分間攪拌して吸着させたこと以外
は、乳剤2−Bと全く同様に行った。ここにおいて塩化
銀エピキタシーは、基盤粒子の頂きや稜に多数生成して
いた。得られた粒子は投影面積1.12μmの単分散八
面体粒子(変動係数14%)であった。
【0155】「乳剤2−F 転位を持たないヨウ臭化銀
八面体粒子(本発明)」50℃において+190mVの
電位において0.34Mの硝酸銀溶液を160mlと
0.84MのKBrおよび0.04MのKIを混合して
溶解した溶液を8分間で添加した以外は、乳剤2−Bと
全く同様に行った。得られた粒子は投影面積1.12μ
mの単分散八面体粒子(変動係数12%)であった。
【0156】「乳剤2−G 転位を持たないヨウ臭化銀
十四面体粒子(比較例)」50℃において+190mV
の電位において0.34Mの硝酸銀溶液を160mlと
0.84MのKBr及び0.04MのKIを混合して溶
解した溶液を8分間で添加した以外は、乳剤2−Dと全
く同様に行った。得られた粒子は投影面積0.83μm
の単分散十四面体粒子(変動係数12%)であった。
【0157】(正常晶粒子に導入された転位の確認)乳
剤2−B、2−D、2−E、2−F、2−Gについて、
実施例1に述べた方法を用いて転位線の有無を確認し
た。直接透過電子顕微鏡による観察については実施例1
と同様に、乳剤2−B、2−D、2−Eは塩化銀エピタ
キシーが形成した部位に転位線が存在していることが確
認できた。乳剤2−F、2−Gについては転位は全く見
い出されなかった。
【0158】以上のことから、本発明の乳剤は、塩化銀
エピタキシーを形成した部位に転位線が導入されたこと
が明らかである。
【0159】次に、乳剤2−B、2−D、2−E、2−
F、2−Gに、温度60℃においてチオ硫酸ナトリウム
及びチオシアン酸カリウム及び塩化金酸で最適に化学増
感した。
【0160】下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム
支持体上に、下記に示すような組成の各層を重層塗布
し、多層カラー感光材料の第一緑感層に本実施例の乳剤
2−B、2−D、2−E、2−F、2−G(最適に金硫
黄増感を施した)を含む試料201〜205を作製し
た。
【0161】(感光層組成)各成分に対応する数字は、
g/m2 単位で表した塗布量を示し、ハロゲン化銀につ
いては、銀換算の塗布量を示す。ただし増感色素につい
ては、同一層のハロゲン化銀1モルに対する塗布量をモ
ル単位で示す。
【0162】(試料101) 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.18 ゼラチン 1.40
【0163】 第2層(中間層) 2,5−ジ−t−ペンタデシルハイドロキノン 0.18 EX−1 0.070 EX−3 0.020 EX−12 2.0×10-3 U−1 0.060 U−2 0.080 U−3 0.10 HBS−1 0.10 HBS−2 0.020 ゼラチン 1.04
【0164】 第3層(第1赤感乳剤層) 乳剤A 銀 0.25 乳剤B 銀 0.25 増感色素I 6.9×10-5 増感色素II 1.8×10-5 増感色素III 3.1×10-4 EX−2 0.34 EX−10 0.020 U−1 0.070 U−2 0.050 U−3 0.070 HBS−1 0.060 ゼラチン 0.87
【0165】 第4層(第2赤感乳剤層) 乳剤G 銀 1.00 増感色素I 5.1×10-5 増感色素II 1.4×10-5 増感色素III 2.3×10-4 EX−2 0.40 EX−3 0.050 EX−10 0.015 U−1 0.070 U−2 0.050 U−3 0.070 ゼラチン 1.30
【0166】 第5層(第3赤感乳剤層) 乳剤D 銀 1.60 増感色素I 5.4×10-5 増感色素II 1.4×10-5 増感色素III 2.4×10-4 EX−2 0.097 EX−3 0.010 EX−4 0.080 HBS−1 0.22 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.63
【0167】 第6層(中間層) EX−5 0.040 HBS−1 0.020 ゼラチン 0.80
【0168】 第7層(第1緑感乳剤層) 乳剤2−B、2−D、2−E、2−Fまたは2−G 銀 0.15 乳剤B 銀 0.15 増感色素IV 3.0×10-5 増感色素V 1.0×10-4 増感色素VI 3.8×10-4 EX−1 0.021 EX−6 0.26 EX−7 0.030 EX−8 0.025 HBS−1 0.10 HBS−3 0.010 ゼラチン 0.63
【0169】 第8層(第2緑感乳剤層) 乳剤C 銀 0.45 増感色素IV 2.1×10-5 増感色素V 7.0×10-5 増感色素VI 2.6×10-4 EX−6 0.094 EX−7 0.026 EX−8 0.018 HBS−1 0.16 HBS−3 8.0×10-3 ゼラチン 0.50
【0170】 第9層(第3緑感乳剤層) 乳剤E 銀 1.20 増感色素IV 3.5×10-5 増感色素V 8.0×10-5 増感色素VI 3.0×10-4 EX−1 0.025 EX−11 0.10 EX−13 0.015 HBS−1 0.25 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.54
【0171】 第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.050 EX−5 0.080 HBS−1 0.030 ゼラチン 0.95
【0172】 第11層(第1青感乳剤層) 乳剤A 銀 0.015 乳剤F 銀 0.070 増感色素VII 3.5×10-4 EX−8 0.042 EX−9 0.72 HBS−1 0.28 ゼラチン 1.10
【0173】 第12層(第2青感乳剤層) 乳剤G 銀 0.45 増感色素VII 2.1×10-4 EX−9 0.15 EX−10 7.0×10-3 HBS−1 0.050 ゼラチン 0.78
【0174】 第13層(第3青感乳剤層) 乳剤H 銀 0.77 増感色素VII 2.2×10-4 EX−9 0.20 HBS−1 0.070 ゼラチン 0.69
【0175】 第14層(第1保護層) 乳剤I 銀 0.20 U−4 0.11 U−5 0.17 HBS−1 5.0×10-2 ゼラチン 1.00
【0176】 第15層(第2保護層) H−1 0.40 B−1(直径1.7μm) 5.0×10-2 B−2(直径1.7μm) 0.10 B−3 0.10 S−1 0.20 ゼラチン 1.20
【0177】さらに、全層に保存性、処理性、圧力耐
性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性及び塗布性を
よくするために、W−1、W−2、W−3、B−4、B
−5、F−1、F−2、F−3、F−4、F−5、F−
6、F−7、F−8、F−9、F−10、F−11、F
−12、F−13及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、イ
リジウム塩、ロジウム塩が含有されている。
【0178】 ──────────────────────────────────── 平均AgI 平均粒径 粒径に係る 直径/ 銀 量 比 含率 (%) (μm) 変動係数 (%) 厚み比 (AgI 含率%) ──────────────────────────────────── 乳剤A 4.0 0.45 27 1 コア/シェル=1/3(13/1)、 二重構造粒子 乳剤B 8.9 0.70 14 1 コア/シェル=3/7(25/2)、 二重構造粒子 乳剤C 10 0.75 30 2 コア/シェル=1/2(24/3)、 二重構造粒子 乳剤D 16 1.05 35 2 コア/シェル=4/6(40/0)、 二重構造粒子 乳剤E 10 1.05 35 3 コア/シェル=1/2(24/3)、 二重構造粒子 乳剤F 4.0 0.25 28 1 コア/シェル=1/3(13/1)、 二重構造粒子 乳剤G 14.0 0.75 25 2 コア/シェル=1/2(42/0)、 二重構造粒子 乳剤H 14.5 1.30 25 3 コア/シェル=37/63(34/3)、 二重構造粒子 乳剤I 1 0.07 15 1 均一粒子 ────────────────────────────────────
【0179】EX−1
【化16】
【0180】EX−2
【化17】
【0181】EX−3
【化18】
【0182】EX−4
【化19】
【0183】EX−5
【化20】
【0184】EX−6
【化21】 n=50、m=25、m’=25、mol.wt.約20000
【0185】EX−7
【化22】
【0186】EX−8
【化23】
【0187】EX−9
【化24】
【0188】EX−10
【化25】
【0189】EX−11
【化26】
【0190】EX−12
【化27】
【0191】EX−13
【化28】
【0192】U−1
【化29】
【0193】U−2
【化30】
【0194】U−3
【化31】
【0195】U−4
【化32】 x:y=70:30(wt%)
【0196】U−5
【化33】
【0197】 HBS−1 トリクレジルホスフェート HBS−2 ジ−n−ブチルフタレート HBS−3
【化34】
【0198】増感色素I
【化35】
【0199】増感色素II
【化36】
【0200】増感色素III
【化37】
【0201】増感色素IV
【化38】
【0202】増感色素V
【化39】
【0203】増感色素VI
【化40】
【0204】増感色素VII
【化41】
【0205】S−1
【化42】
【0206】H−1
【化43】
【0207】B−1
【化44】 x/y=10/90
【0208】B−2
【化45】 x/y=40/60
【0209】B−3
【化46】
【0210】B−4
【化47】
【0211】B−5
【化48】 x/y=70/30
【0212】W−1
【化49】
【0213】W−2
【化50】 n=2〜4
【0214】W−3
【化51】
【0215】F−1
【化52】
【0216】F−2
【化53】
【0217】F−3
【化54】
【0218】F−4
【化55】
【0219】F−5
【化56】
【0220】F−6
【化57】
【0221】F−7
【化58】
【0222】F−8
【化59】
【0223】F−9
【化60】
【0224】F−10
【化61】
【0225】F−11
【化62】
【0226】F−12
【化63】
【0227】F−13
【化64】
【0228】このようにして得られた試料201〜20
5を520nmよりも長波の光を透過するSC−52富
士フィルターを通して1/10秒で露光を与え自動現像
機を用い以下に記載の処理方法で(漂白液の累積補充量
がその母液タンクの容量の3倍になるまで)処理した。
【0229】 ──────────────────────────────────── 工 程 処理時間 処理温度 補充料* タンク容量 ──────────────────────────────────── 発色現像 3分15秒 38℃ 33ml 20l 漂 白 6分30秒 38℃ 25ml 40l 水 洗 2分10秒 24℃ 1200ml 20l 定 着 4分20秒 38℃ 25ml 30l 水洗(1) 1分05秒 24℃ (2)から(1) への 10l 向流配管方式 水洗(2) 1分00秒 24℃ 1200ml 10l 安 定 1分05秒 38℃ 25ml 10l 乾 燥 4分20秒 55℃ ──────────────────────────────────── *補充量35mm巾1m長さ当たり
【0230】次に、処理液の組成を記す。 (発色現像液) 母液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1.1 1−ヒドロキシエチリデン− 3.0 3.2 1,1−ジホスホン酸 亜硫酸ナトリウム 4.0 4.4 炭酸カリウム 30.0 37.0 臭化カリウム 1.4 0.7 ヨウ化カリウム 1.5mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 2.8 4−(N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアミノ)−2− メチルアニリン硫酸塩(水を加えて1l) 4.5 5.5 pH 10.05 10.10
【0231】 (漂白液) 母液(g) 補充液(g) エチレンジアミン四酢酸 第二鉄ナトリウム三水塩 100.0 120.0 エチレンジアミン四酢酸 二ナトリウム塩 10.0 11.0 臭化アンモニウム 140.0 160.0 硝酸アンモニウム 30.0 35.0 アンモニア水(27%) 6.5ml 4.0ml 水を加えて 1.0l 1.0l pH 6.0 5.7
【0232】 (定着液) 母液(g) 補充液(g) エチレンジアミン四酢酸 二ナトリウム塩 0.5 0.7 亜硫酸ナトリウム 7.0 8.0 重亜硫酸ナトリウム 5.0 5.5 チオ硫酸アンモニウム水溶液(70%) 170.ml 200.0ml 水を加えて 1.0l 1.0l pH 6.7 6.6
【0233】 (安定液) 母液(g) 補充液(g) ホルマリン(37%) 2.0ml 3.0ml ポリオキシエチレン−p−モノノニル フェニルエーテル(平均重合度10) 0.3 0.45 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 0.08 水を加えて 1.0l 1.0l pH 5.0〜8.0 5.0〜8.0
【0234】このようにして処理した試料を緑色フィル
ターで濃度測定した。得られた写真性能の結果を下記表
2に示す。
【0235】さらに実施例1で示したと同様の方法で圧
力特性の評価を行なった。折リ曲げを行なった試料は上
記ど同じ処理を行なった。得られた結果を同じく表2に
示す。
【表2】
【0236】表2の結果から解るように本発明の乳剤を
塗布した試料201〜203は、比較乳剤を塗布した試
料204、205より感度が高く、圧力かぶりが少な
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、臭化銀八面体基盤粒子の表面上に微小な塩
化銀エピキタシーが生成した結晶の構造を示す代表的な
レプリカ電子顕微鏡写真である。
【図2】は、実施例1で調製された乳剤1−Bの代表的
なハロゲン化銀の結晶構造を示す透過型電子顕微鏡写真
である。
【図3】は、それぞれ、実施例1で調製された乳剤1−
Fの代表的なハロゲン化銀の結晶構造を示す透過型電子
顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−127635(JP,A) 特開 昭59−133540(JP,A) 特開 平1−291238(JP,A) 特開 昭55−149933(JP,A) 特開 昭63−220238(JP,A) 特開 平1−201649(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にハロゲン化銀乳剤層を有する
    写真感光材料であって、 該乳剤層に正常晶ハロゲン化銀粒子が含まれており、該
    正常晶ハロゲン化銀粒子の少なくとも30%以上の粒子
    が粒子内部に、微小な塩化銀又は塩臭化銀のエピタキシ
    ーにより形成された転位線をもつことを特徴とするハロ
    ゲン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 粒子内部に転位線をもつ正常晶ハロゲン
    化銀結晶を含むハロゲン化銀乳剤を次の三つのプロセス
    により調製し、次いで得られたハロゲン化銀乳剤を支持
    体上に塗布することを特徴とするハロゲン化銀写真感光
    材料の製造方法:基盤となる正常晶粒子の調製;基
    盤となる正常晶粒子への微小な塩化銀又は塩臭化銀のエ
    ピタキシーの生成;および正常晶粒子の微小なエピタ
    キシーの物理熟成及び/又はハロゲンによるコンバージ
    ョン。
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