JP2703555B2 - 四輪駆動車のトランスファー切替装置 - Google Patents

四輪駆動車のトランスファー切替装置

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JP2703555B2
JP2703555B2 JP63102281A JP10228188A JP2703555B2 JP 2703555 B2 JP2703555 B2 JP 2703555B2 JP 63102281 A JP63102281 A JP 63102281A JP 10228188 A JP10228188 A JP 10228188A JP 2703555 B2 JP2703555 B2 JP 2703555B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、四輪駆動車において、エンジンから車輪に
伝達される動力の伝達状態を切り替えるトランスファー
切替装置の改良に関するものである。
(従来の技術) 一般に、この種の四輪駆動車においては、そのトラン
スファー装置に対し、エンジンから車輪に伝達される動
力の伝達比を低速状態又は高速状態に切り替えるH/L切
替機構、或いはセンタデフをロック状態又はフリー状態
に切り替えるセンタデフ切替機構、さらには二輪駆動状
態をも採り得るいわゆるパートタイム式の四輪駆動車に
あっては駆動状態を二輪駆動状態又は四輪駆動状態に切
り替える2/4切替機構等、車輪への動力伝達状態を種々
に切り替えるための複数の切替機構が設けられる。その
場合、それら機構を車室内の運転者が選択的に切替操作
する必要がある。
例えば上記の如く動力伝達比を低速状態又は高速状態
に切り替える場合、実公昭61−9791号公報等に示される
ものでは、二輪駆動状態又は四輪駆動状態に切り替える
操作部材を駆動する流体式アクチュエータと、該アクチ
ュエータを制動制御するソレノイドバルブとを設け、上
記ソレノイドバルブに対する電気的な制動制御により、
車速が高いときには二輪駆動状態とする一方、低車速時
には、エンジンの出力回転を低速状態及び高速状態に切
り替える変速機構の切替状態を検出して、その低速状態
では四輪駆動状態に、高速状態では、運転者により操作
される手動選択スイッチの切替状態に応じて二輪駆動状
態又は四輪駆動状態にそれぞれ切替制御するようになさ
れている。
(発明が解決しようとする課題) ところで、このように車輪に至る動力伝達経路中に設
けられる複数の切替機構は、通常、その各々の切替力
(切替トルク)が異なっている。例えば、駆動状態を二
輪駆動状態又は四輪駆動状態に切り替える2/4切替機構
の切替力は、伝達比を高速状態又は低速状態に切り替え
るH/L切替機構の切替力に比べて小さく、運転者は小さ
な操作力で切替操作することができる。
このため、複数の切替機構を全て運転者の手動操作力
によって切替操作するようにした場合には、切替えの際
に上記切替力の差異により操作力の変動が生じ、操作フ
ィーリングが悪くなる点で好ましくない。
尚、複数の切替機構の各々に対応して複数の切替操作
部材を設けると、切替えの都度、その各切替操作部材を
選択して操作する必要があり、切替操作が繁雑となる。
一方、逆に、全ての切替機構を電気的に、つまり電気
により作動するアクチュエータによって切り替えるよう
にした場合、そのアクチュエータの出力が切替力となる
ので、運転者の操作力は一定となり、操作フィーリング
が向上する。しかしながら、反面、各切替機構に対応し
て複数のアクチュエータが必要となり、コストアップす
るのは避けられ得ない。
また、1つのアクチュエータによって全ての切替機構
を切り替えるようにしたときには、上記の如く、切替力
が異なるため、アクチュエータ出力の調整が必要であ
り、小さい切替力で済む切替機構に対する出力のロスや
大きい切替力を有する切替機構に対するダメージ等の点
で問題がある。また、可変式アクチュエータでは制御が
複雑になりコストアップする。
また、上記動力伝達比の高低切替えを行うH/L切替機
構では、切替力が大きいので、その切替力に見合う大き
い出力のアクチュエータが必要であり、その分、コスト
アップする。
特に、このように切替機構の切替えに電気的手段を採
用すると、次の問題が生じる。すなわち、切替機構の切
替えの際に、一旦、停車させてギヤの回転を停止した
後、クラチ操作によりエンジンと車輪との駆動連結を遮
断し、その状態で切替機構を電気的アクチュエータによ
り駆動して切替えを行う場合においては、停車に伴って
ギヤの回転が停止するので、その噛合を行うのに大きな
力を要する。そして、電気的アクチュエータによる駆動
力は一定であり、その一定の駆動力により駆動されて軸
方向に移動するギヤの歯部同士が噛み合うことなく当接
すると、それ以後、アクチュエータが作動し続けること
になる。また、上記の挙動により、実際にはギヤ同士の
噛合が完了していないにも拘らず、ギヤの寸法誤差のば
らつき等によりギヤの噛合いが完了したと判断されて、
アクチュエータの作動が停止する虞れもある。従って、
いずれの場合でもギヤを確実に噛合させるのは困難とな
る問題がある。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、四輪駆動車において、その動力伝達
経路における各種切替機構を運転者の切替操作に応じて
機械的手段又は電気的手段によって切り替える場合、そ
の切替機構に対する切替態様を各手段の特長を活かしつ
つ所定の状態に異ならせることにより、切替操作を簡略
化し、切替操作フィーリングを向上させるとともに、切
替えを低コストでもって確実に行い得るようにすること
にある。
(課題を解決するための手段) この目的を達成するために、本発明の解決手段は、動
力伝達経路中における複数の切替機構をその切替力が略
等しいもの同士で揃えてグループ化し、その一部のグル
ープの切替機構については運転者の手動操作力によって
切り替える一方、他のグループの切替機構についてはア
クチュエータによって電気的に切り替え、これら複数の
切替機構を同一の切替操作部材を用いて切替作動させる
こととする。
すなわち、本発明は、エンジンの動力を4つの四輪に
伝達する動力伝達経路の途中に配設され、車輪に対する
動力伝達状態を異なった切替力で切り替えるH/L切替機
構、センタデフ切替機構、2/4切替機構等の複数の切替
機構と、車両の運転者によって操作され、上記複数の切
替機構を同一の切替操作部材の操作により切り替える切
替操作手段と、上記切替操作部材の切替操作位置を検出
する検出手段と、上記切替操作手段の切替操作により上
記切替力の略等しい一部の切替機構を上記検出手段が検
出した切替操作位置に応じて直接切替作動させる機械的
作動手段と、切替操作手段の切替操作により上記一部の
切替機構と切替力の異なる残りの切替機構を上記検出手
段が検出した切替操作位置に応じて電気的に切替作動さ
せる電気的作動手段とを備えたことを特徴とするもので
ある。
(作用) この構成により、本発明では、車両の運転者により切
替操作手段の同一の切替操作部材が操作されて、この切
替操作部材の切替操作位置を検出手段が検出し、この検
出手段が検出した切替操作位置に応じて複数の切替機構
の各々が切替作動され、エンジンの動力の車輪に対する
動力伝達状態が切り替えられる。その場合、上記切替操
作手段の同一の切替操作部材による切替操作に伴い、一
部の切替機構が機械的作動手段により直接切り替えられ
る一方、その一部の切替機構の切替力とは異なる切替力
の必要な残りの切替機構については電気的作動手段によ
り電気的に切り替えられる。このように複数の切替機構
を切替力に応じて分けてそれぞれ機械的及び電気的に切
替作動させるため、複数の切替機構の切替力が異なって
いても、運転者の同一の切替操作部材に対する切替操作
力については一定とでき、よって切替操作フィーリング
を向上できる。
また、切替機構が直接又は電気的に切替作動されるの
で、上記切替操作部材は少なくとも直接機械的に切り替
える切替機構に対して設ければよく、電気的に作動させ
る切替機構に対してはスイッチ部材で済み、切替操作の
使い分けが簡便となって切替操作を簡略化することがで
きる。
また、切替力の等しい一部の切替機構については、運
転者の切替操作によって直接切り替えるので、全てを電
気的に切り替える場合のように、切替力の大小に応じて
複数のアクチュエータを用意せずとも済み、その数を少
なくしてコストダウンを図ることができる。
しかも、一部の切替機構を運転者の切替操作によって
直接切り替えるので、全てを電気的に切り替える場合に
比べ、電気的アクチュエータを使用するときのギヤの噛
合不良等を半減でき、よって切替えを確実に行わせるこ
とができることとなる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本発明の第1実施例に係るパートタイム式四
輪駆動車の全体構成を示し、1はその車体、2は車体1
の前部にいわゆる縦置状態で搭載されたエンジン、3は
該エンジン2にクラッチ装置(図示せず)を介して駆動
連結された手動式変速機であって、この変速機3の後方
には、エンジン1の動力をフロント及びリヤアクスル軸
(いずれも図示せず)上のデファレンシャル機構4a,5a
を介して前後輪4,5に伝達するためのトランスファー装
置6が配設されている。よって、この変速機3、トラン
スファー装置6及びアクスル軸を介してエンジン1の動
力を4つの車輪4,4,5,5に伝達するようにした動力伝達
経路が構成されている。尚、上記フロントアクスル軸上
には、図示しないが、二輪駆動状態で遊動車輪(非駆動
車輪)となる前輪4,4の回転がトランスファー装置6に
伝達されるのを阻止するフリーホイール機構が設けられ
ている。
上記トランスファー装置6は、第2図に拡大詳示する
ように、変速機3のケース3aに連設されたトランスファ
ーケース7を有し、該トランスファーケース7内には変
速機3の出力軸3bと同一軸線上に配置された入力軸8
と、該入力軸8の側方に入力軸8と平行に配置された前
輪側出力軸9と、入力軸8の公報(図で右方)に入力軸
8と同一軸線上に配置された後輪側出力軸10とが回転自
在に支持されている。上記入力軸8の前端部つまり変速
機3側の端部には、エンジン2から車輪4,5に伝達され
る動力の伝達比を低速状態又は高速状態に切り替えるた
めのH/L切替機構11が配設されている。H/L切替機構11
は、入力軸8上に回転自在に支承されたサンギヤ13と、
該サンギヤ13の後方の入力軸8に回転一体にスプライン
結合され、上記サンギヤ13に噛合する複数のピニオン1
4,14…を担持するピニオンキャリア15と、上記ピニオン
14に噛合するリングギヤ16とを有する遊星歯車機構から
なる減速ギヤ機構12を備え、上記リングギヤ16はその外
周面に形成した歯部16aがトランスファーケース6内面
に形成した歯部7aに噛合されていて、回転不能にトラン
スファーケース7に固定されている。一方、上記サンギ
ヤ13の前端部外周にはサンギヤ用スプライン歯部13a
が、ピニオンキャリア15の前端部内周にはピニオンキャ
リア用スプライン歯部15aがそれぞれ形成されている。
また、入力軸8の前端部回りには前端が変速機3の出力
軸3bに回転一体にスプライン結合された円筒部材17が配
置され、該円筒部材17の後端部外周面には上記サンギヤ
用スプライン歯部13aと同径のスプライン歯部17aが形成
され、該スプライン歯部17aには、後端部でサンギヤ用
スプライン歯部13aに噛合可能な内周スプライン歯部18a
を有するスリーブ18が摺動自在にかつ回転一体にスプラ
イン結合され、該スリーブ18の後端外周面には上記ピニ
オンキャリア用スプライン歯部15aに噛合可能なスプラ
イン歯部18bが形成されている。このスリーブ18を円筒
部材17上で揺動させて、その外周スプライン歯部18bを
ピニオンキャリア用スプライン歯部15aに、又は内周ス
プライン歯部18aをサンギヤ用スプライン歯部13aにそれ
ぞれ選択的に噛合させることにより、動力伝達比を低速
状態又は高速状態に切り替え、スリーブ18を図で実線に
て示すように前側の高速位置(PH)に位置付けて、その
外周スプライン歯部18bをピニオンキャリア用の歯部15a
に噛合させたときには、変速機3の出力軸3bをピニオン
キャリア15を介してトランスファー入力軸8に回転一体
に直結して、出力軸3bの回転を減速せずにそのまま入力
軸8に伝達することにより、動力伝達比を高速状態とす
る一方、スリーブ18を仮想線にて示すように後側の低速
位置(PL)に位置付けて、その内周スプライン歯部18a
をサンギヤ用の歯部13aに噛合させたときには、変速機
出力軸3bをサンギヤ13、各ピニオン14及びピニオンキャ
リア15を介してトランスファー入力軸8に伝達して、そ
の回転を減速することにより、動力伝達比を低速状態と
するように構成されている。
一方、上記トランスファー入力軸8上の後端部には遊
星歯車式のセンタデフ19が配設されている。このセンタ
デフ19のサンギヤ20は入力軸7上に回転自在に支承さ
れ、各ピニオン21を担持するピニオンキャリア22はサン
ギヤ20の後側の入力軸8に回転一体にスプライン結合さ
れ、イングギヤ23は上記後輪側出力軸10に回転一体に結
合されている。
また、上記センタデフ19の前側の入力軸8上には駆動
スプロケット24が回転自在に支承され、該スプロケット
24と、上記前輪側出力軸9上に回転一体に結合した従動
スプロケット25との間にはチェーン26が巻き掛けられて
おり、このチェーン26により入力軸8側の回転を前輪側
出力軸9に伝達するようになされている。
さらに、上記センタデフ19のサンギヤ20及びリングギ
ヤ23はそれぞれ前方に延長され、そのサンギヤ20の延長
部の前端部には外周面にスプライン歯部27aを有するク
ラッチハブ27が回転一体に結合されている。一方、リン
グギヤ23の延長部は上記サンギヤ20の延長部外周に相対
回転自在に支持され、この延長部の外周には上記クラッ
チハブ27外周のスプライン歯部27aと同径のスプライン
歯部23aが形成されている。さらに、上記駆動スプロエ
ット24は後側に延長され、この延長部の外周には上記ク
ラッチハブ27外周のスプライン歯部27aと同径のスプラ
イン歯部24aが形成されている。そして、上記クラッチ
ハブ27、センタデフ19におけるリングギヤ23の延長部23
a及び駆動スプロケット24の各スプライン歯部27a,23a,2
4aにはスリーブ28がその内周スプライン歯部28aにて摺
動自在にスプライン結合されている。そして、このスリ
ープ28の摺動によってセンタデフ19のフリー状態、その
ロック状態、二輪駆動状態又は四輪駆動状態を切り替
え、スリーブ28を図で仮想線にて示すように、前端の四
輪駆動/センタデフフリー位置(P4F)に位置付けたと
きには、クラッチハブ27と駆動スプロケット24とを回転
一体に連結して四輪駆動状態とするとともに、センタデ
フ19のリングギヤ23とサンギヤ20との非連結によって該
センタデフ19をフリー状態とする。また、前後中間の四
輪駆動/センタデフロック位置(P4L)に位置付けたと
きには、上記と同様に、クラッチハブ27と駆動スプロケ
ット24とを回転一体に連結して四輪駆動状態とするとと
もに、センタデフ19のリングギヤ23とサンギヤ20とを連
結して該センタデフ19をロック状態とする。さらに、図
で実線に示すように後端の二輪駆動位置(P2)に位置付
けたときには、センタデフ19のリングギヤ23とサンギヤ
20とを連結して該センタデフ19をロック状態としなが
ら、クラッチハブ27と駆動スプロケット24との連結を解
除して二輪駆動状態とするようにした駆動モード切替機
構29が構成されている。
上記トランスファー入力軸8の側方には上記H/L切替
機構11を切替制御するためのシフトロッド37が入力軸8
と同方向に摺動自在に支持されている。該シフトロッド
37は、第3図に拡大詳示するように、その軸方向への摺
動により図で左側から順に、後述するトランスファー切
替操作装置71において切り替えられる4つの切替モー
ド、つまり二輪駆動/高速モード(2H)、四輪駆動/高
速/センタデフフリーモード(4HFree)、四輪駆動/高
速/センタデフロックモード(4HLock)及び四輪駆動/
低速/センタデフロックモード(4LLock)にそれぞれ対
応する4位置を採り得るように設けられている。このシ
フトロッド37上には上記H/L切替機構11のスリーブ18に
係合して該スリーブ18を摺動させるシフトフォーク38が
そのボス部38aにて摺動自在に支承され、該フォーク38
のボス部38aにはそのトランスファーケース7内面に対
向する部分に摺接面38bが形成されている。また、この
フォーク38のボス部38aには上記摺接面38bから半径方向
内方に軸線と直角方向に延びるピン挿通孔40が貫通形成
され、該ピン挿通孔40内には係止ピン41が摺動自在に挿
通され、該係止ピン41の先端部はシフトロッド37の外周
面にその摺動方向に延びるように形成した係合長溝37a
に係合可能に設けられている。また、トランスファーケ
ース7の内面には上記フォーク38のボス部38a外周の摺
接面38bに摺接する摺接板44がボルト43,43により固定さ
れ、この摺接板44ないしその外側のケース7にはスプリ
ング収容孔45が形成され、該スプリング収容孔45内には
ボール46と、該ボール46をフォーク38側に付勢するスプ
リング47とが嵌装されている。そして、上記スプリング
収容孔45は、後述の規制部材51によりフォーク38の前進
移動が規制されたときにそのボス部38aのピン挿通孔40
に合致する位置に形成されており、スプリング47によ
り、フォーク38の移動に伴ってそのボス部38aのピン挿
通孔4がスプリング収容孔45に合致した際に、該ピン挿
通孔40内の係止ピン41をその先端部がシフトロッド37の
係合長溝37aに係合するようにボール46を介して押圧付
勢するようになされている。
さらに、上記シフトロッド37の外周には上記フォーク
38のボス部38aよりも前側(第3図では左側)の所定部
位に該ボス部38aを軸方向に押圧可能なリング状の連結
部材48がピン49により移動一体に結合されている。ま
た、フォーク38の前進端位置は摺接板44から突出する規
制部材51により規制されており、シフトロッド37が前進
の3つの高速モード位置、つまり二輪駆動/高速モード
位置(2H)、四輪駆動/高速/センタデフフリーモード
位置(4HFree)及び四輪駆動/高速/センタデフロック
モード位置(4HLock)から後端の四輪駆動/低速/セン
タデフロックモード位置(4LLock)にシフトロッド37を
摺動させたときには、シフトロッド37と一体の連結部材
48により、スプリング47により付勢された係止ピン41を
シフトロッド37の係合長溝37a内で摺動自在とし、フォ
ーク38をシフトッド37と一体的に移動させて、H/L切替
機構11を低速位置(PL)に切替作動させる。一方、逆
に、四輪駆動/低速/センタデフロックモード位置(4L
Lock)から前側の3モード位置(2H),(4HFree),
(4HLock)にシフトロッド37を摺動させたときには、係
止ピン41を係合長溝37aの後端(図で右端)に係合さ
せ、その係合によりフォーク38をシフトロッド37と一体
的に前進移動させて、H/L切替機構11を高速位置(PH
に切替作動させる。さらに、シフトロッド37が前側の3
つの高速モード位置(2H),(4HFree),(4HLock)の
各々間で移動するときには、係止ピン41をスプリング47
の付勢力に抗してシフトロッド37の係合長溝37aから押
し出してピン挿通孔40内に没入させ、シフトロッド37が
摺動してもフォーク38は移動停止させて、H/L切替機構1
1の切替作動を禁止させるようにした空振り機構50が構
成されている。
尚、上記係合長溝37aの前端部(図で左端部)は連結
部材48に対応する位置まで延びており、シフトロッド37
がフォーク38に対し相対移動するに際し、その前端部を
フォーク38のボス部38aと連結部材48との間の空間に開
放せしめて、シフトロッド37の相対移動をスムーズに行
わせるようにしている。また、第3図において、52はス
プリング53にて付勢されたボール54をフォーク38のボス
部38a外周の係合凹部38c,38dに係合させて該フォーク38
の停止位置を位置決めする位置決め機構である。
さらに、上記シフトロッド37に一体的に結合された連
結部材48には、第4図に示すように、係合孔部48bを有
する連結部48aが一体的に形成されている。この連結部4
8aの係合孔部48bには連結アーム55の先端ボール状の係
止部55aが嵌挿されて係合され、この連結アーム55は、
上記シフトロッド37側方のトランスファーケース7に平
行に支持したコントロールロッド56に移動一体に固定さ
れている。このコントロールロッド56の後端部(図で右
端部)外周の一側には5つの係合凹部56a〜56eが軸方向
に等間隔でもって形成されている一方、このコントロー
ルロッド56の各係合凹部56a〜56eに対向するトランスフ
ァーケース7にはスプリング収容孔57が形成され、該ス
プリング収容孔57には上記各係合凹部56a〜56eに係合す
るボール58と、該ボール58を係合方向に付勢するスプリ
ング59とが嵌装されており、このボール58の各係合凹部
56a〜56eへの係合により、コントロールロッド56を上記
4つのモードに対応する二輪駆動/高速モード位置(2
H)、四輪駆動/高速/センタデフフリーモード位置(4
HFree)、四輪駆動/高速/センタデフロックモード位
置(4HLock)及び四輪駆動/低速/センタデフロックモ
ード位置(4LLock)の4位置に、上記四輪駆動/高速/
センタデフロックモード位置(4HLock)と四輪駆動/低
速/センタデフロックモード位置(4LLock)との間のニ
ュートラルモード位置(N)を加えた5つの位置に位置
決めするように構成されている。
また、第5図に示すように、上記コントロールロッド
56の後端部外周において係合凹部56a〜56eと円周方向に
略90゜離れた部分には平面状の第1の前側接触面60と、
その後方に同接触面60よりも深く切り欠かれた平面状の
第1の後側接触面61とが段差状に切欠き形成されてい
る。また、これら第1の接触面60,61とロッド直径方向
に対向する部分には平面状の第2の前側接触面62と、そ
の後方に同接触面62よりも深い平面状の第2の後側接触
面63とが段差状に切欠き形成されている。そして、上記
第1及び第2の後側接触面61,63はいずれもコントロー
ルロッド56の後端まで延び、かつ第1の接触面61は第2
の接触面63よりも長く設定されている。
一方、トランスファケース7には上記コントロールロ
ッド56の第1及び第2の接触面60〜63に対向する部位に
それぞれ第1及び第2の検出スイッチ64,65(検出手
段)が取り付けられている。この各スイッチ64,65は、
スイッチ本体64a,65aと、その本体64a,65aに上記コント
ロールロッド56と直交する平面に沿って摺動可能にかつ
スイッチ本体64a,65aから突出方向に付勢されて支持さ
れた作動子64b,65bとを有し、その作動子64b,65bの摺動
位置によって(I)〜(III)の3つの状態を検出する
ものである。そして、上記作動子64b,65bはトランスフ
ァケース7に形成したピン挿通孔66,67の外半部に摺動
可能に嵌挿され、ピン挿通孔66,67の内半部にはピン68,
69がその外端をそれぞれ作動子64b,65bの先端に、内端
をコントロールロッド56の外周面ないし接触面60〜63に
それぞれ接触せしめて摺動可能に嵌挿されており、コン
トロールロッド56の摺動に伴い各検出スイッチ64,65の
作動子64b,65bを摺動させて各スイッチ64,65の検出状態
を変化させ、後述のコントローラ75においてその検出状
態を下記の表1に示す如く組合せることにより、コント
ロールロッド56の移動位置つまりコントロールロッド56
が位置付けられる5つの位置(2H)〜(4LLock)の1つ
を検出するようになされている。
すなわち、各ピン68,69先端のコントロールロッド56
外周面ないし接触面60〜63との接触位置の変化により、
検出スイッチ64,65の作動子64b,65bが移動してスイッチ
64,65の検出状態が(I)〜(III)に変化し、作動子64
b,65bがスイッチ本体64a,65aから最も突出したときを検
出状態(I)で、スイッチ本体64a,65a内に中程度に引
っ込んだ状態を検出状態(II)で、またスイッチ本体64
a,65a内に最も引っ込んだ状態を状態(III)でそれぞれ
示す。このため、例えばコントロールロッド56が後側端
部の四輪駆動/低速/センタデフロックモード位置(4L
Lock)に移動したときには、各ピン68,69の先端がコン
トロールロッド56の外周面に当接して検出スイッチ64,6
5は作動子64b,65bがスイッチ本体64a,65a内に最も引っ
込んだ(III)の状態となる。また、コントロールロッ
ド56がその前側のニュートラルモード位置(N)に移動
したときには、第1の検出スイッチ64に対応するピン68
の先端は第1の前側接触面60に接触して、該スイッチ64
の検出状態は(II)となり、一方、第2の検出スイッチ
65に対応するピン69の先端はそのままコントロールロッ
ド56の外周面に当接して該検出スイッチ65の検出状態は
(III)となる。
一方、上記コントロールロッド56の前端部にはプッシ
ュプル式コントロールケーブル70の一端部が連繋され、
該ケーブル70の他端部は、第1図に示すように上記H/L
切替機構11及び駆動モード切替機構29を切替制御するた
めに車両の運転者によって操作される切替操作手段とし
てのトランスファー切替操作機構71に連繋されている。
このトランスファー切替操作機構71は、第6図に示すよ
うに、ステアリングホイール73を支持するステアリング
シャフト74近傍に回動自在にかつ若干量だけ摺動可能に
支持されステアリングシャフト74と平行に延びる支持軸
(図示せず)と、基端部が該支持軸に回動一体に結合固
定されるとともに、先端が右方に延び、運転者によって
操作されるモード切替レバー72(切替操作部材)とを備
え、このモード切替レバー72は、その支持軸回りの回動
操作により上側から順に二輪駆動/高速モード位置(2
H)、四輪駆動/高速/センタデフフリーモード位置(4
HFree)、四輪駆動/高速/センタデフロックモード位
置(4HLock)、ニュートラルモード位置(N)及び四輪
駆動/低速/センタデフロックモード位置(4LLock)の
5モード位置に切り替えられるように設定され、第7図
に示すように、上側の3モード位置(2H)〜(4HLock)
と下側の2モード位置(N),(4LLock)との間で切り
替えるときには、その途中で同切替レバー72を前後方向
に引き操作又は押し操作して切り替えるようになされて
いる。
さらに、上記トランスファーケース7には、第2図に
示すように、上記シフトロッド37の斜め後方に上記駆動
モード切替機構29を切替制御するためのシフトロッド31
が摺動自在にかつ回転不能に支持され、このシフトロッ
ド31上には、駆動モード切替機構29のスリーブ28に係合
して該スリーブ28を摺動させるシフトフォーク32と、先
端に球状の係止部33aを有する係止部材33とが一体的に
固定されている。また、上記シフトロッド31側方のケー
ス7にはシフトロッド31と平行に延びるコントロールロ
ッド34が回転可能に支持されている。このコントロール
ロッド34の外周には上記係止部材33の係止部33aに係合
する係合溝34aが螺旋状に形成されている。そして、上
記コントロールロッド34はケース7外に取り付けた電動
モータ35に減速機構36を介して駆動連結されており、こ
のモータ35の作動によりコントロールロッド34を回転さ
せて、その螺旋状係合溝34a内で係止部材33先端の係止
部33aを摺動させ、係止部材33と一体のシフトロッド31
を前後方向に摺動させることにより、駆動モード切替機
構29を切替作動させるようになされている。
そして、第1図に示すように、上記モータ35はコント
ローラ75により作動制御されるように構成されている。
該コントローラ75には上記2つの検出スイッチ64,65の
出力信号が入力されており、コントローラ75において、
トランスファー切替操作機構71の切替レバー72を切替操
作したときに、トランスファー切替操作機構71にケーブ
ル70を介して連結されているコントロールロッド56の移
動位置つまりコントロールロッド56が位置付けられる5
つの位置(2H)〜(4LLock)の1つを上記の表1に示す
如く両検出スイッチ64,65の検出状態の組合せにより検
出して、それに基づき切替レバー72の切替操作位置を判
定するとともに、その切替操作位置に駆動モード切替機
構29が切り替えられるよう、モータ35を作動制御するよ
うになされている。よって、上記トランスファー切替操
作機構71の切替レバー72を切り替えることにより、上記
H/L切替機構11及び駆動モード切替機構29をそれぞれ下
記表2の如く切り替えて、動力伝達比、車輪4,5の駆動
状態及びセンタデフ19のロック状態を切替保持するよう
に構成されている。
よって、本実施例では、上記ケーブル70、コントロー
ルロッド56、連結アーム55、シフトロッド37及びシフト
フォーク38により、トランスファー切替操作機構71(切
替操作手段)のモード切替レバー72の切替操作により上
記H/L切替機構11を、検出スイッチ64,65の検出位置に応
じて機械的に直接切替作動させるようにした機械的作動
装置76が構成されている。
また、検出スイッチ64,65、コントローラ75、モータ3
5、コントロールロッド34、係止部材33、シフトロッド3
1及びシフトフォーク32により、上記トランスファー切
替操作機構71の同じモード切替レバー72の切替操作によ
り上記H/L切替機構11と切替力の異なる駆動モード切替
機構29を、検出スイッチ64,65の検出位置に応じて電気
的に切替作動させるようにした電気的作動装置77が構成
されている。
したがって、上記実施例においては、運転者によるト
ランスファー切替操作機構71の同一のモード切替レバー
72の切替操作により、トランスファー装置6のH/L切替
機構11及び駆動モード切替機構29の双方が切替作動され
る。すなわち、車両の駆動モードを二輪駆動/高速モー
ドにするときには、車両が走行中或いは走行停止してい
る状態で、上記切替レバー72を二輪駆動/高速モード位
置(2H)に位置付ける。この位置付けにより、トランス
ファー切替操作機構72にケーブル70を介して連結されて
いるコントロールロッド56が移動して、前端の二輪駆動
/高速モード位置(2H)に位置付けられ、このコントロ
ールロッド56の移動位置が2つの検出スイッチ64,65に
より検出され、この両スイッチ64,65の出力信号を受け
たコントローラ75によりモータ35が作動制御され、駆動
モード切替機構29が後端の二輪駆動位置(P2)に位置付
けられて、二輪駆動状態に保持される。
また、切替レバー72を四輪駆動/高速/センタデフフ
リーモード位置(4HFree)に切り替えると、上記と同様
にして、駆動モード切替機構29が前端の四輪駆動/セン
タデフフリー位置(P4F)に位置付けられて、センタデ
フ19がフリーとされた四輪駆動状態に保持される。
さらに、切替レバー72を四輪駆動/高速/センタデフ
ロックモード位置(4HLock)に位置付けると、駆動モー
ド切替機構29は前後中間の四輪駆動/センタデフロック
位置(P4L)に位置付けられて、センタデフ19がロック
された四輪駆動状態に保持される。
また、以上の3つのモード切替時には、空振り機構50
の作動により、上記H/L切替機構11のフォーク38はコン
トロールロッド56に係止されたシフトロッド37の移動に
追従せず、この移動停止によりH/L切替機構11は高速位
置(PH)に保持され、よって高速状態に切り替えられ
る。
一方、車両の駆動モードを四輪駆動/低速/センタデ
フロックモード(4LLock)にするときには、車両の走行
を停止させ、クラッチペダル(図示せず)の踏み操作に
よってエンジン2と変速機3との動力伝達を遮断した状
態で、上記切替レバー72を四輪駆動/低速/センタデフ
ロックモード位置(4LLock)に切り替える。この切替操
作に伴い、駆動モード切替機構29は、上記と同様にモー
タ35の作動により四輪駆動/センタデフロック位置(P
4L)に位置付けられる。また、上記空振り機構50の作動
により、上記トランスファー切替操作機構71とH/L切替
機構11とが機械的に連結され、そのH/L切替機構11のフ
ォーク38が上記シフトロッド37と一体的に移動し、この
ことによりH/L切替機構11は低速位置(PL)に移動し、
このことによってセンタデフロックの四輪駆動状態で低
速状態に保持される。
この実施例の場合、上記とトランスファー切替操作機
構71における切替レバー72の切替操作に伴い、H/L切替
機構11が機械的に直接切り替えられ、そのH/L切替機構1
1の切替作動に必要な切替力よりも切替力が小さくて済
む駆動モード切替機構29についてはモータ35の駆動力に
より電気的に切り替えられる。すなわち、2つの切替機
構11,29を切替力に応じて分けてそれぞれ機械的及び電
気的に切替作動させるため、両切替機構11,29の切替力
に差異があるにも拘らず、運転者の切替操作力を一定と
でき、よってその切替操作フィーリングを向上できる。
また、駆動モード切替機構29のみをモータ35により切
り替え、H/L切替機構11については、運転者の切替操作
によって直接切り替えるので、両切替機構11,29を電気
的に切り替える場合のように、切替力の大小に応じた2
種類のモータを用意せずとも済み、その数を少なくして
コストダウンを図ることができる。
さらに、上記切替レバー72を低速モード位置(4LLoc
k)と高速モード位置(4HLock)との間で切り替えたと
きには、空振り機構50の作動により、トランスファー切
替操作機構71とH/L切替機構11とがケーブル70、コント
ロールロッド56及びフォーク38を介して機械的に連結さ
れ、切替レバー72の操作に伴って直接H/L切替機構11が
切替制御されため、モータにより電気的に切替作動させ
る場合のように噛み合うギヤ間の噛合不良がなく、H/L
切替機構11の切替作動に大きな切替力が必要であっても
それを確実に切り替えることができ、よって低速及び高
速モードの切替制度を高めることができる。
また、このH/L切替機構11を切替動作させるときに
は、クラッチペダルを踏み操作した状態で、切替レバー
72が低速モード位置(4LLock)に切替操作されるため、
そのH/L切替機構11をモータ等の電気的アクチュエータ
によって切り替える場合のように、クラッチペダルを踏
み操作してスイッチを押し操作する等の違和感がなく、
よって低速モードの切替えをスムーズに行うことができ
る。
しかも、低速及び高速モード以外の切替時、すなわち
駆動モード切替機構29を切替作動させるときには、モー
タ35の駆動により電気的に行うので、使い勝手を高める
ことができる。すなわち、例えば二輪駆動/高速モード
(2H)から四輪駆動/高速/センタデフフリーモード
(4HFree)へ切り替える場合、エンジン2の動力が車輪
4,5に伝達されなくなる状態を避けるために、先ず、二
輪駆動モードでOFF状態(動力非伝達状態)にあるフロ
ントアクスル軸上のフリーホイール機構をON状態(動力
伝達状態)に切り替え、その切替えの完了を待ってセン
ターデフ19を一旦ロックした後にフリー状態にする順序
が必要である。そして、この実施例では、上記の手順を
電気的に素早く行うので、運転者の操作により機械的に
行うのに比べ、切換操作の面倒がなく、その切換時間も
短くて済み、よって操作性を高めることができる。
第8図〜第11図は本発明の第2実施例を示し(尚、第
3図、第4図及び第6図と同じ部分については同じ符号
を付してその詳細な説明は省略する)、上記実施例で
は、トランスファー切換操作機構71′の切換レバー72′
により、高速状態又は低速状態の切換、センタデフ19の
フリー状態又はロック状態の切替え、二輪駆動状態又は
四輪駆動状態の切替えの3種類の切替操作を行うように
したが、そのうち、二輪駆動状態又は四輪駆動状態の切
替操作のみをスイッチ操作によって行うようにしたもの
である。
すなちわ、本実施例では、第10図に示すように、トラ
ンスファー切替操作機構71′における切替レバー72′
は、二輪駆動/高速モード(2H)、四輪駆動/高速/セ
ンタデフロックモード(4HLock)及び四輪駆動/低速/
センタデフロックモード(4LLock)の3つのモード位置
に切り替え得るように設定されている。そして、H/L切
替機構11を切替作動させるシフトロッド37は第8図に示
すように、またケーブル70に連結されたコントロールロ
ッド56は第9図に示すように、それぞれ上記3つのモー
ド位置に対応した3位置間を移動するようになされてい
る。尚、第8図及び第9図に示す構造はそれぞれ上記第
1実施例における第3図及び第4図と同様の構成である
ので、ここでは詳細な説明は省略する。
さらに、第10図に示すように、上記切替レバー72′に
は、運転者によって直接操作される2/4切替スイッチ78
が取り付けられている。この2/4切替スイッチ78は、第1
1図に拡大詳示するように、常時右側の定常位置に付勢
保持されるモメンタリ式のスライドスイッチからなり、
その定常位置から左側の切替位置に最初にスライド操作
したときに二輪駆動状態から四輪駆動状態に切り替える
指令信号を、その後の2回目のスライド操作により上記
切替えを解除する指令信号(四輪駆動状態から二輪駆動
状態に戻す信号)をそれぞれコントローラ75に出力する
ようになされている。
そして、上記切替レバー72′の回動操作及び2/4切替
スイッチ78のスライド操作により、駆動モードを二輪駆
動/高速モード(2H)、四輪駆動/高速/センタデフフ
リーモード(4HF)、四輪駆動/高速/センタデフロッ
クモード(4HL)及び四輪駆動/低速/センタデフロッ
クモード(4LL)の4駆動モードに切り替え、切替レバ
ー72′を中央の四輪駆動/高速/センタデフロックモー
ド位置(4HL)に位置付けたときには、駆動モードを四
輪駆動/高速/センタデフロックモードに、下側の四輪
駆動/低速/センタデフロックモード位置(4LL)に位
置付けたときには四輪駆動/低速/センタデフロックモ
ードにそれぞれ切り替え、一方、切替レバー72′を上側
の二輪駆動/高速モード(2H)(四輪駆動/高速/セン
タデフフリーモード位置(4HF))に位置付けたときに
は、2/4切替スイッチ78の切替操作に応じて二輪駆動モ
ードまたは四輪駆動/高速/センタデフフリーモードに
切り替えるように構成されている。
したがって、この実施例の場合、切替レバー72′を中
央の四輪駆動/高速/センタデフロックモード位置(4H
L)に位置付けたときには、上記実施例と同様に、駆動
モードが四輪駆動/高速/センタデフロックモードに、
また下側の四輪駆動/低速/センタデフロックモード位
置(4LL)に位置付けたときには四輪駆動/低速/セン
タデフロックモードにそれぞれ切り替えられる。
また、駆動モードを二輪駆動モードとするときには、
同一の切替レバー72′を上側の二輪駆動/高速モード
(2H)(四輪駆動/高速/センダデフフリーモード位置
(4HF))に位置付け、その状態で切替レバー72′の2/4
切替スイッチ78を切替操作する。この切替操作に応じて
切替スイッチ78から切替信号がコントローラ75に出力さ
れ、この信号及び各検出スイッチ64,65からの信号に基
づきコントローラ75がモータ35を制動制御して、二輪駆
動モード又は四輪駆動/高速/センタデフフリーモード
に切り替えられる。
このため、上記第1実施例と同様の作用効果を奏する
ことができることに加え、二輪駆動状態又は四輪駆動状
態の切替えと他の切替操作とが別個の態様で行われるの
で、簡便に切替操作を使い分けでき、切替操作の簡略
化、容易化を図ることができる利点がある。
尚、上記のように2/4切替スイッチ78をコラム操作式
の切替レバー72′に設けるのに代え、第12図に示すよう
に、変速機3のギヤチェンジを行うためのフロアシフト
レバー79上端の操作部79aに取り付けてもよい。
第13図は本発明の第3実施例を示し、上記第1実施例
とは逆に、駆動モード切替機構29を運転者の切替操作力
により直接切り替え、H/L切替機構11については電気的
に切り替えるようにしたものである。
この実施例においては、トランスファー装置6におけ
る基本的な構造は上記第1実施例と同じであり、H/L切
替機構11及び駆動モード切替機構29を切替作動させる構
成が異なっている。このため、第2図と同じ部分につい
ては同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
すなわち、H/L切替機構11を切替作動させるシフトフ
ォーク38はシフトロッド31′に固定され、このシフトロ
ッド31′には係止部材33′が取り付けられ、この係止部
材33′の先端係止部33a′にはモータ35′によって駆動
されるコントロールロッド34′外周の螺旋状係合溝34
a′が係合しており、モータ35′のコントローラ75によ
る作動制御によりシフトロッド31′を摺動させてH/L切
替機構11を切替作動させるようになされている。
一方、駆動モード切替機構29を切替作動させるシフト
フォーク32は空振り機構(図示せず)を介してシフトロ
ッド37′に固定され、該シフトロッド37′は連結部材4
8′及び連結アーム55′を介してコントロールロッド5
6′に連結され、このコントロールロッド56′にはプッ
シュプルケーブル70を介して図示しないトランスファー
切替操作機構が連結されており、その切替レバーの切替
操作によりコントロールロッド56′及びシフトロッド3
7′を摺動させて、駆動モード切替機構29を切替作動さ
せるようにした機械的作動装置76′が構成されている。
そして、図示しないが、上記トランスファー切替操作
機構における切替レバーの切替位置に対応する上記コン
トロールロッド56′の移動位置を検出する検出スイッチ
が取り付けられ、そのスイッチの出力信号はコントロー
ラ75に出力されており、検出スイッチによりトランスフ
ァー切替操作機構における切替レバーの切替位置を検出
し、このスイッチからの信号を受けたコントローラ75に
より上記モータ35′を作動制御して、H/L切替機構11を
切替作動させるようにした電気的作動装置77′が構成さ
れている。
したがって、この実施例では、駆動モード切替機構29
が運転者の切替操作力により、H/L切替機構11がモータ3
5′の駆動力によりそれぞれ切替作動される。そして、
上記駆動モード切替機構29の切替力は小さくてよいの
で、大きな切替力を要するH/L切替機構11の切替えのた
めにモータ35′の出力を大きくする必要があるものの、
切替レバーの切替操作力は小さくて済み、その分、運転
者の負担を軽減することができ、切替操作性の向上に寄
与することができる利点がある。
しかも、駆動モード切替機構29を手動により切り替え
るので、その切替作動を確実に行うことができる。
尚、上記各実施例では、センタデフ19のフリー状態又
はロック状態の切替え、二輪駆動状態又は四輪駆動状態
の切替えを行うトランスファー装置6を備えたパートタ
イム式四輪駆動車の場合に本発明を適用して説明した
が、本発明は、上記センタデフ19の切替又は二輪駆動状
態もしくは四輪駆動状態の切替えの少なくとも一方を行
うトランスファー装置を備えた四輪駆動車に対しても適
用することができるのは勿論のことである。
また、本発明は、高速状態又は低速状態の切替え、セ
ンタデフ19のフリー状態又はロック状態の切替え、二輪
駆動状態又は四輪駆動状態の切替え以外に、その他の切
替えを行う場合にも適応が可能である。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明によると、エンジンから
車輪への動力伝達経路中に動力伝達状態を切り替える複
数の切替機構を備えた四輪駆動車において、複数の切替
機構をその切替力が略等しいもの同士で揃えてグループ
化し、その一部のグループの切替機構については、切替
操作部材に対する運転者の手動操作力により切替操作部
材の切替位置に応じて切り替える一方、他のグループの
切替機構については、同一の切替操作部材に対する操作
によるアクチュエータにより切替操作部材の切替位置に
応じて電気的に切り替えるようにしたことにより、動力
伝達状態の切替操作を簡略化し、切替操作フィーリング
を向上させることができるとともに、切替機構の切替作
動を低コストでもって確実に行うことができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第7図は本発明の第1実施例を示し、第1図は
四輪駆動車の模式側面図、第2図はトランスファー装置
の断面図、第3図は空振り機構を示す断面図、第4図は
コントロールロッドの位置決め機構を示す断面図、第5
図は検出スイッチの取付構造を示す断面図、第6図はト
ランスファー切替操作装置の正面図、第7図は切替レバ
ーの操作経路を示す説明図である。第8図〜第12図は第
2実施例を示し、第8図は第3図相当図、第9図は第4
図相当図、第10図は第6図相当図、第11図は2/4切替ス
イッチ取付部を示す正面図、第12図は2/4切替スイッチ
取付部の変形例を示す断面図である。第13図は第3実施
例を示す第2図相当図である。 2……エンジン、4……前輪、5……後輪、6……トラ
ンスファー装置、11……H/L切替機構(切替機構)、19
……センタデフ、29……駆動モード切替機構(切替機
構)、35,35′……モータ、50……空振り機構、64,65…
…検出スイッチ、71,71′……トランスファー切替操作
機構(切替操作手段)、72,72′……モード切替レバ
ー、75……コントローラ、76,76′……機械的作動装
置、77,77′……電気的作動装置、78,78′……2/4切替
スイッチ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの動力を4つの四輪に伝達する動
    力伝達経路の途中に配設され、車輪に対する動力伝達状
    態を異なった切替力で切り替える複数の切替機構と、 車両の運転者によって操作され、上記複数の切替機構を
    同一の切替操作部材の操作により切り替える切替操作手
    段と、 上記切替操作部材の切替操作位置を検出する検出手段
    と、 上記切替操作手段の切替操作により上記切替力の略等し
    い一部の切替機構を上記検出手段が検出した切替操作位
    置に応じて直接切替作動させる機械的作動手段と、 切替操作手段の切替操作により上記一部の切替機構と切
    替力の異なる残りの切替機構を上記検出手段が検出した
    切替操作位置に応じて電気的に切替作動させる電気的作
    動手段とを備えたことを特徴とする四輪駆動車のトラン
    スファー切替装置。
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