JP2702596B2 - プレキャストコンクリート舗装版の連結装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、プレキャストコンクリート舗装版の連結装
置に関するものである。

［従来の技術］ 従来から、コンクリート版或いはプレキャストコンク
リート版を用いて路面の舗装を行う方法が公知である。
この舗装方法において、特開昭61−261502号公報には、
コンクリート板の連結面に孔をあけて孔内に連結用の鉄
筋を挿入し、モルタルを注入して鉄筋を孔内に埋め込む
ことにより板同士を連結する方法が提案されている。

［従来技術の課題］ しかし、上記公報に記載の連結方法の場合、一旦連結
してしまうと施工後の温度変化でコンクリート板が伸縮
した場合に、この応力が連結部分に集中して破損の危険
がある。又、後で路面の補修を行うためにコンクリート
板を剥がす際に、鉄筋がモルタルで強固に固定されてい
るため、コンクリート板を破壊して板同士を離脱させな
ければならないという問題がある。

本発明は、斯る点に鑑みて提案されるものであって、
施工後の舗装版の伸縮に対応し、加えて後で補修を行う
ためにコンクリート舗装版を剥がす必要が生じた際、舗
装版を破壊することなく簡単に剥がして問題のある部分
（版）だけを取り換えることができる点に特徴がある。

［課題を解決するための手段］ 本発明の構成は次のとおりである。

プレキャストコンクリート舗装版の側面に金属管を挿
入し、この金属管の周囲にコイル状の補強筋を配し、プ
レキャストコンクリート舗装版は隣接する舗装版の前記
金属管どうしを対向させ、この金属管内に金属製の連結
ピンを挿入して互いに連結する構成であることを特徴と
するプレキャストコンクリート舗装版の連結装置。

［作用］ 舗装版どうしの連結は、舗装版の伸縮を考慮して、固
定せず、ある程度の伸び縮みを吸収できるように配慮す
ることが必要である。この吸収は、金属管内において連
結ピンがスライドすることにより行う。又、コンクリー
ト版を端から順々にズラすことにより連結ピンは簡単に
抜ける。

［実施例］ 以下、実施例図に基づいて本発明を説明する。

第１図はプレキャストコンクリート舗装版（以下「舗
装版」という）の全体を示すもので、この舗装版１の周
囲には、第２図に示すように金属管２が要所に挿入され
ている。なお、金属管２は周囲に鉄筋３を配した連結穴
４内に後から挿入したものである。

又、舗装版１には、第３図に示すような金属管５で補
強したモルタル圧入孔６が貫通して設けられている。

又、舗装版１の周囲４隅には、下縁にナット係合段部
７が形成されており、この段部７は第５図に示すレベル
調整ボルト９のナット10が係合する。

第６図において、金属管３内に挿入して舗装版１同士
を連結するための金属製の連結ピン11であって、この連
結ピン11の先端には入れ易いようにテーパー12がつけて
ある。

なお、図中舗装版１にはPC線が配筋されているが、こ
の図示は省略してある。

次に、舗装版１の施工例を説明する。

第７図に、基本的な舗装版１の配列順序を示す。先ず
（イ）に示すように、配列側の金属管３に連結ピン11の
頭側を半分挿入し、（ロ）に示すように別の舗装版１の
金属管３内に連結ピン11の先（テーパー12側）側半分を
挿入して連結する。

この（ロ）の状態を１ブロックとなし、（ハ）に示す
ように延長側に連結ピン11を挿入し、（ニ）に示すよう
に順々に延長して行く。そして、路面の巾が広い場合に
は、１ブロックを３枚或いは４枚というように増やし、
同様に延長して行く。

以上の配列を前提としてその施工工程を説明する。

先ず、第８図に示すように、路盤13を整地し、この上
に防水シート14を敷き、更にこの上に一定の厚さのモル
タル15を敷き、このモルタル15の上面を平らにする（レ
ベルを出す）。

次に、前記モルタル15上に舗装版１を配置し、第９図
に示すように連結ピン11を用いて連結すると共に第10図
に示すようにモルタル15上の反力板19に先端を当ててレ
ベル調整ボルト９のナット10を段部７に係合させ、前記
各舗装版１とモルタル15間に間隙16を形成すると共にレ
ベル調整ボルト９を廻してレベルを調整する（レベルを
出す）。

次に、第11図に示すように、モルタル圧入孔６から間
隙16内にジェットセメントを用いたモルタル17を圧入
し、次に第12図に示すように継ぎ目に目地材18を充填し
てすべての作業を終る。なお、目地材18の圧入はモルタ
ル17の圧入前に行ってもよい。

［発明の効果］ 本発明は以上のように、路盤を整地したのち、この上
に防水シートを敷き、この上にモルタルを敷くようにし
たので、このモルタルが安定する。

そして、このモルタル上に間隙をおいて舗装版を配置
し、レベルを出し、このあとで更にモルタル圧入してこ
の間隙を埋めるようにしたので、舗装版のレベル出しが
しやすいと共にモルタルの圧入により舗装版はよく安定
する。

又、舗装版どうしは、配筋で補強した連結穴に組み込
まれた金属管内に連結ピンを挿入して連結するようにし
たので、連結部は強く、又、連結ピンは固定しないの
で、舗装版の伸縮時にこれを吸収し、舗装版の破損を防
ぐ。又、後で補修が必要となった場合には、端から舗装
版をズラすことにより、舗装版同士を簡単に離脱するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は舗装版の平面図、第２図はＡ−Ａ′線断面図、
第３図はＢ−Ｂ′線断面図、第４図はＣ−Ｃ′線断面
図、第５図はレベル調整ボルトの説明図、第６図は連結
ピンの説明図、第７図（イ）（ロ）（ハ）（ニ）は舗装
版の配列例の説明図、第８図〜第12図は施工例の説明図
である。 １……舗装面 ３……金属管 ６……モルタル圧入孔 ９……レベル調整ボルト 11……連結ピン 13……路面 14……防水シート 15……モルタル 16……間隙 17……グラウト 18……目地材 19……反力板

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】プレキャストコンクリート舗装版の側面に
   金属管を挿入し、この金属管の周囲にコイル状の補強筋
   を配し、プレキャストコンクリート舗装版は隣接する舗
   装版の前記金属管どうしを対向させ、この金属管内に金
   属製の連結ピンを挿入して互いに連結する構成であるこ
   とを特徴とするプレキャストコンクリート舗装版の連結
   装置。