JP2701672B2 - トリミング用抵抗器 - Google Patents

トリミング用抵抗器

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JP2701672B2 JP4236792A JP23679292A JP2701672B2 JP 2701672 B2 JP2701672 B2 JP 2701672B2 JP 4236792 A JP4236792 A JP 4236792A JP 23679292 A JP23679292 A JP 23679292A JP 2701672 B2 JP2701672 B2 JP 2701672B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種電子機器に使用す
るチップ型のトリミング用抵抗器、ハイブリットICに
おけるトリミング用印刷抵抗回路等に使用するトリミン
グ用抵抗器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トリミング用抵抗器は、出来上がった膜
状抵抗体について、削り取ったり、調整溝を形成したり
する加工を施しながら抵抗値を調整することにより、高
い精度の抵抗値、あるいは回路の特性を満足する抵抗値
を得ることができるようにしたものである。
【0003】本発明者等は、先に絶縁基板上に4個の外
部電極とその外部電極のすべてに接続した1個の膜状抵
抗体を有するチップ型のトリミング用抵抗器を提案して
いる。この従来のチップ型のトリミング用抵抗器につい
て図面を参照しながら説明する。
【0004】図4(a)、(b)は従来のトリミング用
抵抗器の一例として、厚膜方式チップ型の抵抗器を示
し、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)の4
b−4b線に沿う断面図である(なお、平面図には理解
しやすくするため、その一部に断面図と同方向の斜線等
を付している。)。
【0005】図4(a)、(b)に示すように、アルミ
ナ等から成る直方体状の絶縁基板1の長辺側の両端部上
に第1、第2の計二対の外部電極2−1〜2−4が形成
されている。各外部電極2−1〜2−4はパラジウム−
銀系材料から成り、絶縁基板1の垂直中心軸に対して線
対称、あるいは点対称となる形状および位置関係に配置
されている。絶縁基板1上には外部電極2−1〜2−4
のすべてに接続し、酸化ルテニウム系材料から成り、膜
状抵抗体である厚膜抵抗体3が形成されている。厚膜抵
抗体3は低融点ガラスや樹脂等から成る保護膜4により
被覆されている。
【0006】図5(a)、(b)は、図4(a)、
(b)に示す従来のチップ型のトリミング用抵抗器を配
線基板上にはんだ付けしてトリミング用抵抗回路を構成
した使用例を示し、同図(a)は平面図、同図(b)は
正面図である。図5(a)、(b)に示すように、一般
的な方法や材料によって構成された配線基板6上に第
1、第2の計二対のはんだ付けランド5−1〜5−4が
形成されている。各はんだ付けランド5−1〜5−4に
トリミング用抵抗器5の二対の外部電極2−1〜2−4
がリフロー、ディップ、はんだごて等の一般的な方法で
はんだ8により接合されている。そして、厚膜抵抗体3
に保護膜4上から抵抗器端子9、10に接続されている
第1の対の外部電極2−1、2−2間の端縁11の中央
部から長手方向に沿って、すなわち、第2の対の外部電
極2−3、2−4の間に向かって、レーザ、サンドブラ
スト、カッター等の一般的方法により調整溝12を切り
進むことにより、抵抗器端子9、10間の抵抗値を調整
する。
【0007】図6は上記従来例における調整溝12の切
り込みに伴う抵抗器端子9、10間の抵抗変化比を示す
図である。抵抗値変化率は厚膜抵抗体3の形状、寸法、
外部電極2−1〜2−4の位置、寸法等により変化する
が、一般的に実用上、10倍程度の抵抗値変化率を得る
ことができる。
【0008】図7は図4(a)、(b)に示すチップ型
のトリミング用抵抗器5を配線基板6上にはんだ付けし
てトリミング用抵抗回路を構成した他の使用例を示す平
面図である(なお、理解しやすくするため、その一部に
斜線等を付している。)。
【0009】本例においては、図7に示すように、第1
の対のはんだ付けランド7−1、7−2が抵抗器端子
9、10に接続され、他方の第2の対のはんだ付けラン
ド7−3、7−4がバイパス用の配線パターン14によ
って接続されている。そして、同様に厚膜抵抗体3に抵
抗器端子9、10側の第1の対の外部電極2−1、2−
2間の端縁11の中央部から調整溝12を切り込み、抵
抗器端子9、10間の抵抗値を調整するようにしたもの
であり、その他の構成は上記従来例と同様である。
【0010】図8は図7に示すトリミング用抵抗回路に
おける調整溝12の切り込みに伴う抵抗器端子9、10
間の抵抗変化比を示す図である。本例においては、図7
に鎖線で示すように、調整溝12の切り込み深さが深く
なり、厚膜抵抗体3の切断残部14が少なくなり、この
部分の抵抗値が大きくなっても、電流は切断残部14よ
りも抵抗値の低い配線パターン14の方により多く分流
するため、抵抗値の増加を抑制することができる。した
がって、より大幅な抵抗値変化率が得られる範囲まで調
整溝12を深く切り込むことができる。仮に、厚膜抵抗
体3を誤って完全に切断しても、配線パターン14によ
り接続しているので、抵抗器端子9、10間の抵抗値は
無限大とはならず、ある一定値になり、他の部品を破損
したり、異常動作を起こすことがない。
【0011】また、本発明者等は、同様の働きをするト
リミング用印刷抵抗回路における使用例についても提案
している。すなわち、配線基板に第1、第2の計二対の
外部電極と、その外部電極のすべてに接続した1個の膜
状抵抗体を形成し、上記二対の外部電極のうち、第1の
対の外部電極を抵抗器端子とし、抵抗器端子としなかっ
た第2の対の外部電極は配線基板上において相互に接続
させ、第1の対の外部電極の間に挟まれた部分の膜状抵
抗体の端縁を切断開始点として、第2の対の外部電極に
挟まれた部分の膜状抵抗体の辺に向かって膜状抵抗体に
調整溝を形成し、抵抗器端子間の抵抗値を変化させるよ
うにしたトリミング用印刷抵抗回路である。この従来の
トリミング用印刷抵抗回路における使用例について図面
を参照しながら説明する。図9(a)、(b)は従来の
他の例におけるトリミング用抵抗器を用いてトリミング
用印刷抵抗回路を構成した他の例を示し、同図(a)は
平面図、同図(b)は同図(a)の9b−9b線に沿う
断面図である(なお、平面図には理解しやすくするた
め、断面図と同方向の斜線等を付している。)。
【0012】図9(a)、(b)に示すように、一般的
な方法や材料により構成された配線基板6上に、パラジ
ウム−銀系材料から成る第1、第2の計二対の外部電極
2−1〜2−4が印刷、焼成されて形成されている。こ
れらの外部電極2−1〜2−4は点対称となる形状およ
び位置関係に配置されている。図において、右側の第1
の対の外部電極2−1、2−2はこれと同系の材料から
成る抵抗器端子9、10に接続されて一体化され、左側
の第2の対の外部電極2−3、2−4は、これと同系の
材料から成るバイパス用の配線パターン14によって相
互に接続されて一体化されている。配線基板6上には外
部電極2−1〜2−4のすべてに接続し、酸化ルテニウ
ム系材料から成る膜状抵抗体である厚膜抵抗体3が長方
形に印刷され、焼成されて形成されている。そして、厚
膜抵抗体3に抵抗器端子9、10側の第1の対の外部電
極2−1、2−2間の端縁11の中央部から他方の第2
の対の外部電極2−3、2−4間に向かってレーザ、サ
ンドブラスト、カッター等の一般的な方法により調整溝
12を切り進むことにより、抵抗器端子9、10間の抵
抗値を調整する。
【0013】図10は上記従来例における調整溝12の
切り込みに伴う抵抗器端子9、10間の抵抗変化比を示
す図である。本例においては、図9に鎖線で示すよう
に、調整溝12の切り込み深さが深くなり、厚膜抵抗体
3の切断残部14が少なくなり、この部分の抵抗値が大
きくなっても、電流はより抵抗値の低い配線パターン1
4の方により多く流れるようになるので、抵抗値の増大
を抑制することができ、仮に、厚膜抵抗体3を完全切断
しても、配線パターン14により接続しているので、抵
抗器端子9、10間の抵抗値は無限大とはならず、厚膜
抵抗体3や切り込みの条件で決まる一定値を示す。
【0014】このように、上記従来のトリミング用抵抗
器5においても、膜状抵抗体3を切り込むことによって
抵抗器端子9、10間の抵抗値をトリミング調整するこ
とができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のトリミング用抵抗器においては以下に示す問題があ
った。
【0016】図4に示すトリミング用抵抗器を用いて図
6に示すトリミング用抵抗回路を構成した場合において
は、膜状抵抗体3の切り込み開始当初、抵抗器端子9、
10間の抵抗値はあまり変化せず(図6参照)、調整溝
12が第1の対の外部電極2−1、2−2間を通り過ぎ
た後、抵抗器端子9、10間の抵抗値が増加する。この
ように膜状抵抗体3を抵抗器端子9、10に接続してい
る第1の対の外部電極2−1、2−2間の部分で切り込
んでいる間においてはトリミング用抵抗器としての機能
を果たさない。また、膜状抵抗体3の切り込みが進行
し、抵抗器端子9、10側とは反対側の第2の対の外部
電極2−3、2−4の間で膜状抵抗体3に調整溝12を
形成し、切断残部14が少なくなってくると、抵抗変化
比は大きくできるが、急激な変化となり、抵抗設定精度
が得られない。また、この部分に電流集中を起こして抵
抗値の経時安定性が低下したり、許容電力の低下をもた
らす。更に、膜状抵抗体3を誤って完全に切断してしま
うと抵抗値は無限大となり(図6参照)、回路によって
は他の部品を破壊したり、異常動作を起こすことがあ
る。そのため、実際に、トリミングに使用可能な領域は
二対の外部電極2−1、2−2と2−3、2−4付近を
除いた部分に限定され、更に大きな抵抗変化比を得るこ
とは不可能である。
【0017】また、図7に示す構成では、膜状抵抗体3
の切り込み開始当初においては、上記同様の問題がある
(図8参照)。そして、第2の対の外部電極2−3、2
−4の間付近で膜状抵抗体3に調整溝12を形成すると
きには、抵抗値の低い配線パターン14により電流はバ
イパスされ、膜状抵抗体3の切断残部14が少なくなっ
た場合の電流集中による問題は解消され、膜状抵抗体3
を完全に切断しても抵抗値が無限大になることはなくな
るものの、抵抗値はある値以上には上昇せず(図8参
照)、トリミング用抵抗器としての機能を果たさない。
そのため、この使用例においても、実際にトリミングに
使用可能な領域は二対の外部電極2−1、2−2と2−
3、2−4付近を除いた部分に限定され、更に大きな抵
抗変化比を得ることは不可能である。
【0018】一方、図9に示す配線基板5上に形成する
トリミング用印刷抵抗器においても上記と同様の問題が
ある(図10参照)。
【0019】本発明は、このような従来の問題を解決す
るものであり、実際にトリミングに使用可能な領域を変
えることなく、更に大きな抵抗変化比を容易に得ること
ができる優れたトリミング用抵抗器を提供することを目
的とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、絶縁基板上もしくは配線基板上に形成さ
れた第1の膜状抵抗体とこの第1の膜状抵抗体に接続さ
れた第1及び第2の外部電極対とを有する第1のトリミ
ング用抵抗器と、上記絶縁基板上もしくは配線基板上に
形成された第2の膜状抵抗体とこの第2の膜状抵抗体に
接続された第3及び第4の外部電極対とを有する第2の
トリミング用抵抗器と、上記絶縁基板上もしくは配線基
板上に形成され上記第2の外部電極対と上記第3の外部
電極対とをそれぞれ接続する一対の第1の配線パターン
と、上記絶縁基板上もしくは配線基板上に形成され上記
第4の外部電極対を相互に接続する第2の配線パターン
とを備え、上記第1の膜状抵抗体及び上記第2の膜状抵
抗体にそれぞれ調整溝を形成することにより上記第1の
外部電極対の間の抵抗値を調整するようにしたものであ
る。
【0021】
【作用】したがって、本発明によれば、先ず第1のトリ
ミング用抵抗器の第1の外部電極対より第2の外部電極
対の方向へ膜状抵抗体に調整溝を形成しそれぞれの外部
電極対を切断し、この切断の完了後に、第2のトリミン
グ用抵抗器の膜状抵抗体を第1のトリミング用抵抗器と
同様の方向に調整溝を形成することにより、第1のトリ
ミング用抵抗器の第1の外部電極対の間の抵抗値を上げ
るように調整することが可能となり、抵抗変化比を容易
に大きくすることができる。
【0022】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の第1の実施例について図面
を参照しながら説明する。
【0023】図1は本発明の第1の実施例における厚膜
方式で形成されたチップ型トリミング用抵抗器を配線基
板上に搭載してトリミング用抵抗回路を構成した使用例
を示す平面図である(なお、理解しやすくするため、一
部に方向を変えた斜線等を付してある。)。
【0024】図1において、21は第1のトリミング用
抵抗器であり、22は第2のトリミング用抵抗器であ
る。これら第1及び第2のトリミング用抵抗器21、2
2にはそれぞれ、アルミナ等から成る直方体状の絶縁基
板1の長辺側の両端部上に第1と第2の計二対の外部電
極2−1〜2−4が形成されている。各外部電極2−1
〜2−4はパラジウム−銀系材料から成り、絶縁基板1
の側面と上面の一部と下面の一部を覆うように形成さ
れ、絶縁基板1の垂直中心軸に対して線対称、あるいは
点対称となる形状および位置関係に配置されている。絶
縁基板1の上面には外部電極2−1〜2−4のすべてに
接続し、酸化ルテニウム系材料等から成り、膜状抵抗体
である厚膜抵抗体3が形成されている。厚膜抵抗体3は
低融点ガラスや樹脂等から成る保護膜4により被覆され
ている。
【0025】一方、一般的な方法や材料によって構成さ
れた配線基板6上に第1、第2の計二対のはんだ付けラ
ンド7−1〜7−4が第1及び第2のトリミング用抵抗
器21、22の二対の外部電極2−1〜2−4の位置に
各々対応してそれぞれに設けられている。第1及び第2
のトリミング用抵抗器21、22の第1の対の外部電極
2−1、2−2と第2の対の外部電極2−3、2−4が
第1の対のはんだ付けランド7−1、7−2と第2の対
のはんだ付けランド7−3、7−4にそれぞれリフロ
ー、ディップ、はんだごて等の一般的な方法ではんだ8
により接合されている。そして、第1のトリミング用抵
抗器21の第1の対のはんだ付けランド7−1、7−2
は配線基板6の抵抗器端子9、10に接続され、第1の
トリミング用抵抗器21の第2の対のはんだ付けランド
7−3、7−4は配線基板6のバイパス用の配線パター
ン13に接続されている。また、第2のトリミング用抵
抗器22第1の対のはんだ付けランド7−1、7−2は
上記の配線基板6のバイパス用の配線パターン13に接
続され、第2のトリミング用抵抗器22の第2の対のは
んだ付けランド7−3、7−4は配線基板6のバイパス
用の配線パターン14に接続されている。
【0026】次に、抵抗器端子9、10間の抵抗値を調
整する方法について説明する。先ず、第1のトリミング
用抵抗器21に対して、厚膜抵抗体3に保護膜4上から
抵抗器端子9、10に接続された第1の対の外部電極2
−1、2−2間の端縁11から長手方向に沿って、すな
わち、第2の対の外部電極2−3、2−4の間に挟まれ
た膜状抵抗体3の辺に向かって、レーザ、サンドブラス
ト、カッター等の一般的方法により第1の調整溝12−
1を形成する。第1のトリミング用抵抗器21の厚膜抵
抗体3を完全に切断した後、必要に応じてさらに、第2
のトリミング用抵抗器22の第1の対の外部電極2−
1、2−2間の端縁11から長手方向に沿って、すなわ
ち、第2のトリミング用抵抗器22の第2の対の外部電
極2−3、2−4の間に挟まれた厚膜抵抗体3の辺に向
かって、上記と同様に第2の調整溝12−2を形成す
る。
【0027】図2は、上記実施例における調整溝12−
1、12−2の切り込みに伴う抵抗器端子9、10間の
抵抗変化比を示す図である。図2から明らかなように、
第1の調整溝12−1を切り込んでいるときには、従来
例に従って抵抗値が上昇する。この厚膜抵抗体3の中央
部分の切り込みにおいて、一般的に10倍程度の抵抗変
化比が得られる。特に、第1のトリミング用抵抗器21
の第2の対の外部電極2−3、2−4の間に挟まれた膜
状抵抗体3を切断する時には、この膜状抵抗体3の切断
残部が少なくなり、第1のトリミング用抵抗器21の抵
抗値は急激に上昇する。しかしながら、第1のトリミン
グ用抵抗器21の第2の対の外部電極2−3、2−4は
配線パターン13を介して第2のトリミング用抵抗器2
2に接続されているために、第2のトリミング用抵抗器
22を適宜所定の初期値に設定することにより、抵抗器
端子9、10間を流れる電流は膜状抵抗体3と第2のト
リミング用抵抗器22に分流される。これにより、第1
のトリミング用抵抗器21の第2の対の外部電極2−
3、2−4の間に挟まれた膜状抵抗体3を切断する時に
も、第2のトリミング用抵抗器22に流れる電流が増加
して、膜状抵抗体3と第2のトリミング用抵抗器22と
の合成抵抗値を暫時増加させることができる。
【0028】次に、第1のトリミング用抵抗器21の厚
膜抵抗体3を完全に切断した後に、第2の調整溝12−
2を切り込んでいるときには、図1からも明らかなよう
に、抵抗器端子9、10間の抵抗値は切断後の第1のト
リミング用抵抗器21と第2のトリミング用抵抗器22
との合成抵抗値となる。したがって、図2に示すよう
に、第2の調整溝12−2を切り込みにより、第2のト
リミング用抵抗器22の第1の対の外部電極2−1、2
−2間の抵抗値は増加する。このようにして、第1のト
リミング用抵抗器21の抵抗値に第2のトリミング用抵
抗器22の抵抗値が加算されることにより、抵抗器端子
9、10間の抵抗変化比を大幅に増大させることができ
る。
【0029】また、第2のトリミング用抵抗器22の切
断前の抵抗の初期値を第1のトリミング用抵抗器21の
初期値と同じ値に設定した場合には、図2の初期値中に
示す抵抗変化比特性が得られる。即ち、この場合の抵抗
器端子9、10間の抵抗変化比は、20倍程度となる。
そして、第2のトリミング用抵抗器22の切断前の初期
値を第1のトリミング用抵抗器21の初期値より小さい
値(例えば1/2)に設定した場合には、図2の初期値
小に示す抵抗変化比特性が得られる。この場合は、抵抗
器端子9、10間の抵抗変化比は15倍程度となが、膜
状抵抗体3の切り込み量に対する抵抗変化の度合が緩や
かになるために、抵抗値の設定精度を向上させることが
できる。さらに、第2のトリミング用抵抗器22の切断
前の初期値を第1のトリミング用抵抗器21の初期値よ
り大きい値(例えば5倍)に設定した場合には、図2の
初期値大に示す抵抗変化比特性が得られ、抵抗器端子
9、10間の抵抗変化比は約60倍となり、飛躍的に大
きな抵抗変化比を実現することができる。
【0030】さらに、第2のトリミング用抵抗器22の
第2の対の外部電極2−3、2−4は基板6のバイパス
用の配線パターン14に接続されているので、第2のト
リミング用抵抗器22の膜状抵抗体3の切断残部が少な
くなった場合にも、電流集中等の不具合は発生すること
もなく、また膜状抵抗体3を完全に切断した場合にも抵
抗器端子9、10間の抵抗値は無限大とはならない。
【0031】このように上記第1の実施例によれば、大
きな抵抗変化比を容易に得ることが可能となり、したが
って、抵抗値を設定する精度を確保することができ、し
かも、電流集中を起こして抵抗値の経時安定性が低下し
たり、許容電力の低下を起こすこともなく、更に、第2
のトリミング用抵抗器22の厚膜抵抗体3を誤って完全
切断しても抵抗値は無限大とはならない。
【0032】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例
について図面を参照しながら説明する。
【0033】図3は本発明の第2の実施例におけるトリ
ミング用抵抗器を用いてトリミング用印刷抵抗回路を構
成した使用例を示す平面図である(なお、理解しやすく
するため、一部に斜線等を付してある。)。
【0034】図3において、21は第1のトリミング用
抵抗器であり、22は第2のトリミング用抵抗器であ
る。これら第1及び第2のトリミング用抵抗器21、2
2にはそれぞれ、一般的な方法や材料により構成された
配線基板6上に、パラジウム−銀系材料から成る第1、
第2の計二対の外部電極2−1〜2−4が印刷、焼成さ
れて形成されている。これらの外部電極2−1〜2−4
は点対称となる形状および位置関係に配置されている。
図3において、第1のトリミング用抵抗器21の第1の
対の外部電極2−1、2−2はこれと同系の材料から成
る抵抗器端子9、10に配線基板6上で接続されて一体
化され、第1のトリミング用抵抗器21の第2の対の外
部電極2−3、2−4はこれと同系の材料から成るバイ
パス用の配線パターン13により第2のトリミング用抵
抗器22の第1の対の外部電極2−1、2−2に接続さ
れている。そして、第2のトリミング用抵抗器21の第
2の対の外部電極2−3、2−4は、これと同系の材料
から成るバイパス用の配線パターン14により配線基板
6上で相互に接続されて一体化されている。配線基板6
上にはすべての外部電極2−1〜2−4に接続し、酸化
ルテニウム系材料等から成る膜状抵抗体3が長方形状に
印刷され、焼成されて形成されている。
【0035】次に、抵抗器端子9、10間の抵抗値を調
整する方法について説明する。先ず、第1のトリミング
用抵抗器21に対して、膜状抵抗体3に、抵抗器端子
9、10に接続された第1の対の外部電極2−1、2−
2間の端縁11から長手方向に沿って、すなわち、第2
の対の外部電極2−3、2−4の間に挟まれた膜状抵抗
体3の辺に向かって、上記第1の実施例と同様にして、
第1の調整溝12−1を形成する。第1のトリミング用
抵抗器21の膜状抵抗体3を完全に切断した後、必要に
応じてさらに、第2のトリミング用抵抗器22の第1の
対の外部電極2−1、2−2間の端縁11から長手方向
に沿って、すなわち、第2のトリミング用抵抗器22の
第2の対の外部電極2−3、2−4の間に挟まれた膜状
抵抗体3の辺に向かって、上記第1の実施例と同様にし
て第2の調整溝12−2を形成する。このようにして、
第1及び第2の調整溝12−1、12−2を形成するこ
とにより、抵抗器端子9、10間の抵抗値を変化させ、
上記第1の実施例と同様にして第2の実施例において
も、図2に示す抵抗変化比特性を得ることができる。
【0036】このように第2の実施例においても、大き
な抵抗変化比を容易に得ることが可能となる。このほ
か、上記第1の実施例と同様の効果を得ることができ
る。
【0037】なお、上記各実施例においては、厚膜方式
のトリミング用抵抗器および印刷方式のトリミング用抵
抗器について述べたが、薄膜方式やポリマー方式、ある
いは樹脂基板に構成されたものであっても同様の効果を
得ることができる。
【0038】
【発明の効果】本発明は、上記実施例より明らかなよう
に、先ず第1のトリミング用抵抗器の第1の外部電極対
より第2の外部電極対の方向へ膜状抵抗体に調整溝を形
成しそれぞれの外部電極対を切断し、この切断の完了後
に、第2のトリミング用抵抗器の膜状抵抗体を第1のト
リミング用抵抗器と同様の方向に調整溝を形成すること
により、第1のトリミング用抵抗器の第1の外部電極対
の間の抵抗値を上げるように調整することが可能とな
り、抵抗変化比を容易に大きくすることができるという
効果を有する。
【0039】また、第1のトリミング用抵抗器の第2の
外部電極対に挟まれた膜状抵抗体に調整溝を形成してい
る途中においては、第2のトリミング用抵抗器にも電流
が分流することにより、切断の進行に合わせて第1のト
リミング用抵抗器の第1の外部電極対の間の抵抗値を増
加させることができるという効果を有する。
【0040】さらに、第2のトリミング用抵抗器の切断
前の初期値を適宜選定することにより、第1のトリミン
グ用抵抗器の第1の外部電極対の間の抵抗変化比を任意
に設定できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるトリミング用抵
抗器を配線基板に搭載してトリミング用抵抗回路を構成
した使用例を示す平面図
【図2】同トリミング用抵抗器により得られる抵抗変化
比の特性図
【図3】本発明の第2の実施例におけるトリミング用抵
抗器を用いてトリミング用印刷抵抗回路を構成した使用
例を示す平面図
【図4】(a)は従来の一例におけるトリミング用抵抗
器を示す平面図 (b)は同トリミング用抵抗器を示し、(a)の6b−
6b線に沿う断面図
【図5】(a)は同トリミング用抵抗器を配線基板に搭
載してトリミング用抵抗回路を構成した使用例を示す平
面図 (b)は同トリミング用抵抗回路の正面図
【図6】同トリミング用抵抗器により得られる抵抗変化
比の特性図
【図7】図6(a)、(b)に示す従来例におけるトリ
ミング用抵抗器を配線基板に搭載してトリミング用抵抗
回路を構成した他の使用例を示す平面図
【図8】同トリミング用抵抗器により得られる抵抗変化
比の特性図
【図9】(a)は従来の他の例におけるトリミング用抵
抗器を用いてトリミング用印刷抵抗回路を構成した使用
例を示す平面図 (b)は同トリミング用印刷抵抗回路の正面図
【図10】同トリミング用抵抗器により得られる抵抗変
化比の特性図
【符号の説明】
1 絶縁基板 2 外部電極 3 膜状抵抗体 4 保護膜 6 配線基板 7 はんだ付ランド 9 抵抗器端子 10 抵抗器端子 11 端縁 12 調整溝 13 配線パターン 14 配線パターン 21 第1のトリミング用抵抗器 22 第2のトリミング用抵抗器

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上もしくは配線基板上に形成さ
    れた第1の膜状抵抗体とこの第1の膜状抵抗体に接続さ
    れた第1及び第2の外部電極対とを有する第1のトリミ
    ング用抵抗器と、上記絶縁基板上もしくは配線基板上に
    形成された第2の膜状抵抗体とこの第2の膜状抵抗体に
    接続された第3及び第4の外部電極対とを有する第2の
    トリミング用抵抗器と、上記絶縁基板上もしくは配線基
    板上に形成され上記第2の外部電極対と上記第3の外部
    電極対とをそれぞれ接続する一対の第1の配線パターン
    と、上記絶縁基板上もしくは配線基板上に形成され上記
    第4の外部電極対を相互に接続する第2の配線パターン
    とを備え、上記第1の膜状抵抗体及び上記第2の膜状抵
    抗体にそれぞれ調整溝を形成することにより上記第1の
    外部電極対の間の抵抗値を調整することを特徴としたト
    リミング用抵抗器。
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