JP2700955B2 - 電界効果型トランジスタを備えた半導体装置 - Google Patents

電界効果型トランジスタを備えた半導体装置

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JP2700955B2
JP2700955B2 JP3002293A JP229391A JP2700955B2 JP 2700955 B2 JP2700955 B2 JP 2700955B2 JP 3002293 A JP3002293 A JP 3002293A JP 229391 A JP229391 A JP 229391A JP 2700955 B2 JP2700955 B2 JP 2700955B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電界効果型トランジ
スタを備えた半導体装置に関し、特に、絶縁層上に形成
された半導体層内にソース/ドレイン領域およびチャネ
ル領域を有する電界効果型トランジスタを備えた半導体
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、絶縁層上に形成された半導体層
内に形成された半導体装置(以下、SOI−MOS(S
ilicon on Insulator Metal
Oxide Semiconductor)と称す
る)は、半導体基板上に直接形成された電界効果型トラ
ンジスタ(バルクMOS)が接合分離を特徴しているの
に対し、素子間を絶縁物で分離していることを特徴とす
る。
【0003】図25は、従来の一般的なSOI−MOS
を示す断面図である。図25を参照して、SOI−MO
Sは、サファイアなどの絶縁基板2の上に、たとえばそ
の周囲が空気絶縁された、島状でp型の半導体層3を有
する。この半導体層3には、互いに分離されたn+ ソー
ス領域31とn+ ドレイン領域32とが半導体層3と絶
縁基板2の界面まで達するように設けられている。ソー
ス/ドレイン領域31,32間のチャネル領域33の上
には、ゲート酸化膜6を介して多結晶シリコンなどから
なるゲート電極7が設けられている。
【0004】このように、SOI−MOSは、基板をも
含めた素子間の完全分離が可能である。そのため、CM
OS(Complementary MetalOxi
de Semiconductor)構成をとった際に
n型領域とp型領域とを接近させたとしても、ラッチア
ップの発生が抑制されたり、浮遊容量の低減が図られる
ことにより、信頼性の高い半導体装置が提供されること
で注目されてきている。最近、絶縁基板上に形成される
シリコン層の厚みを0.1μm程度にすると、その形状
効果によってSOI−MOS型電界効果トランジスタの
電流駆動能力の向上や、単チャネル効果の低減などの特
性が向上することが原理的に知られている。そのため、
サブミクロンオーダのトランジスタの基本構造として期
待されるに至っている。
【0005】上記のような特徴を実際に得るためには、
各SOI−MOSトランジスタは、LOCOS(Loc
al xidation of ilicon)法
による分離またはメサ型分離によって分離され得る。
【0006】図26は、SOI−MOSトランジスタが
LOCOS法によって分離された構造を示す部分断面図
である。図26を参照して、シリコン基板1の上には絶
縁層2が形成されている。絶縁層2の上には単結晶シリ
コンからなる半導体層3が形成されている。この半導体
層3には、能動領域を互いに間隔を隔てて分離するため
に厚い分離酸化膜40が形成されている。能動領域とし
ての単結晶シリコン層3には、ソース領域31、ドレイ
ン領域32およびチャネル領域33が形成されている。
チャネル領域33の上には、ゲート酸化膜6を介してゲ
ート電極7が形成されている。ソース領域31、ゲート
電極7およびドレイン領域32のそれぞれの表面上に
は、アルミニウム配線層10が形成されている。このL
OCOS法による分離構造によれば、横方向の分離酸化
膜40の半導体層3への食込みが大きいため、微細化さ
れたSOI−MOSの素子分離には適さない。
【0007】一方、図27には、メサ型分離によって素
子分離されたSOI−MOSの部分断面図が示されてい
る。図27を参照して、絶縁層2の上には、島状に形成
された半導体層3が形成されている。これらの半導体層
3の間には、薄い側壁絶縁膜4を介して層間絶縁膜9が
充填されることにより、各半導体層3が分離されてい
る。半導体層3には、ソース領域31,ドレイン領域3
2およびチャネル領域33が形成されている。チャネル
領域33の上には、ゲート酸化膜6を介してゲート電極
7が形成されている。ソース領域31,ドレイン領域3
2およびゲート電極7のそれぞれ表面上には、アルミニ
ウム配線層10が形成されている。このようなメサ型分
離構造は、フォトリソグラフィ技術を用いて、レジスト
パターンに従って精密に加工することが可能である。そ
のため、メサ型分離法は、今後ますます微細化されるS
OI−MOSトランジスタの分離法として適している。
しかしながら、このメサ型分離法を採用すると、半導体
層3の壁面やコーナ分において寄生トランジスタが形成
される。
【0008】図28は、図27に示される断面に直交す
る断面であって、チャネル幅に沿った方向の断面を示す
部分断面図である。半導体層3は、絶縁層2から突出す
るように島状に形成されている。そのため、ゲート電極
7は、ゲート酸化膜6を介して、半導体層3の上表面だ
けでなく、半導体層3の側面上にも延びるように形成さ
れている。このとき、ゲート電極7に電圧を印加する
と、半導体層3のチャネル方向に沿う側面3a,3bに
寄生MOSトランジスタが形成されるという問題があっ
た。
【0009】上記のように寄生トランジスタが形成され
ると、図29に示すように、ドレイン電流−ゲート電圧
特性に、図中にpで示される範囲に異常が認められる。
これは、単結晶シリコンからなる半導体層の側壁面に寄
生トランジスタが形成されるため、比較的低いゲート電
圧においてソース/ドレイン領域間にリーク電流が流れ
ることによるものである。これを解消するためには、チ
ャネル領域の不純物濃度を増加することなどによって、
しきい値電圧Vthを大きくする必要があった。しきい
値電圧Vthを大きくすると、実効電圧が減少するた
め、結果的にSOI−MOSトランジスタの電流駆動能
力を低下させることになる。
【0010】そこで、上記問題点を解消するためのSO
I−MOSトランジスタの構造が、特開昭62−298
162号公報に開示されている。図30は、上記公報に
開示されたSOI−MOSの平面配置を示す部分平面
図、図31は、図30のVIII−VIII線に沿った
断面を示す部分断面図である。図30および図31を参
照して、絶縁基板2の上には単結晶シリコンからなる半
導体層3が形成されている。この半導体層3の上表面に
は、ゲート酸化膜6が形成され、側面には薄い絶縁膜4
が形成されている。半導体層3の周囲には、絶縁膜4を
介して取囲むように、p型の不純物が導入された多結晶
シリコン層52が形成されている。この多結晶シリコン
層52の外側には、絶縁膜61が形成されている。ゲー
ト酸化膜6および絶縁膜61の上にゲート電極7が延び
るように形成されている。
【0011】ゲート電極7は、配線層71に接続されて
いる。半導体層3には、n型の不純物が導入されること
により、ソース領域31およびドレイン領域32が形成
されている。ソース領域31とp型の多結晶シリコン層
52とは、コンタクトホール11を介して配線層10に
接続されている。これにより、ソース領域31と多結晶
シリコン層52とは同一の電位に保持される。ドレイン
領域32は、コンタクトホール12を介して配線層10
に接続されている。この構造によれば、半導体層3の側
壁に形成されたp型の多結晶シリコン層52が、ソース
領域31と同じ電位に保持されるので、半導体層3の側
面は常にほぼフラットバンドの状態にある。そのため、
チャネル長方向に沿う側面に流れるソース/ドレイン領
域間のリーク電流が抑制され得る。
【0012】一方、上記と同様に、側壁のリーク電流を
抑制するためのSOI−MOSトランジスタの構造が特
開昭59−181670号公報に開示されている。図3
2は、この公報に開示されたSOI−MOSトランジス
タの平面配置を示す部分平面図、図33は、図32のX
V−XV線に沿う断面図、図34は、図32のXVI−
XVI線に沿う断面図である。これらの図を参照して、
絶縁層2の上には、半導体層3が形成されている。半導
体層3には、n+ 不純物領域からなるソース領域31お
よびドレイン領域32が形成されている。チャネル領域
33の上には、ゲート酸化膜6を介してゲート電極7が
形成されている。半導体層3の側壁面には、絶縁膜4を
介して、p型不純物領域が導入された多結晶シリコン層
52が形成されている。層間絶縁膜9に開口されたコン
タクトホールを介して、アルミニウム配線層10がソー
ス領域31およびドレイン領域32に接続されている。
この構造においては、ソース領域31と多結晶シリコン
層52とを同じ電位に保持するために、薄い絶縁膜4に
切欠部4aが形成されている。この切欠部4aを介して
ソース領域31と多結晶シリコン層52とが接続されて
いる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
造のトランジスタでは、ソース/ドレイン領域が固定さ
れ、双方向スイッチとしては使用できないことになり、
また、以下の問題についても解決することができない。
【0014】SOI−MOSトランジスタの微細化に伴
い、特に、短チャネルMOSトランジスタにおいては、
ドレイン電圧を増加させると、チャネル方向の電界がド
レイン近傍において著しく大きくなる。そのため、チャ
ネル領域内の電子は、この強い電界により加速され、容
易に高いエネルギー状態となる。この高いエネルギー状
態の電子は、ドレイン領域の端部近傍においてシリコン
の原子と衝突し、雪崩的に多量の電子−正孔対を発生さ
せる。この衝突電離(インパクトイオン化)によって発
生した電子と正孔の内、電子は高いドレイン電界に引寄
せられることにより、ドレイン領域に流入し、ドレイン
電流の一部となる。正孔は、ドレイン電界によって逆に
押戻されることにより、チャネル領域下の空乏層または
ソース領域へ流れ込む。このような現象は、短チャネル
MOSトランジスタだけでなく、比較的チャネル長の長
いMOSトランジスタにおいても観察される。特に、短
チャネルMOSトランジスタにおいては、長チャネルM
OSトランジスタに比べて圧倒的に多数の電子−正孔対
が発生する。
【0015】このように衝突電流によって発生した正孔
は、チャネル領域下の空乏層に流入すると、流入した正
孔によってチャネル領域やソース領域近傍の電位が上昇
し、電位障壁の高さが低下する。ソース領域近傍の電位
障壁が低下すると、ソース領域から基部領域またはチャ
ネル領域へ多くの電子が注入されることになる。これに
より、衝突電離がますます顕著になるため、より多くの
電子−正孔対が発生する。発生した正孔は、さらにソー
ス領域近傍の電位障壁を下げ、ソース領域から注入され
る電子をますます増加させる。このようにして、ついに
は、MOSトランジスタが降伏に至る。
【0016】上記のような現象は、SOI−MOSトラ
ンジスタの基部領域の電位を不安定にさせる。また、上
記の衝突電離は、ソース−ドレイン領域間のごく微小な
リーク電流によっても、ドレイン領域端部近傍において
発生する。
【0017】上記従来の問題点に鑑み、本発明は、寄生
トランジスタによる側壁リーク電流の低減を図るととも
に、基部領域の電位やソース領域近傍の電位障壁を安定
にし、ソース/ドレイン領域間の耐圧の低下を防止し、
さらに双方向性を備えたSOI−MOS電界効果トラン
ジスタを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記従来の問題点を解消
するため、本発明の電界効果型トランジスタを備えた半
導体装置は、絶縁層の主表面上に形成された第1導電型
の島状半導体層と、この島状半導体層の主表面の一部を
チャネル面とするチャネル領域を規定するように、島状
半導体層内に互いに間隔を隔てて形成された第2導電型
のソース/ドレイン領域と、チャネル面の上に絶縁膜を
介して形成されたゲート電極と、島状半導体層の側壁に
形成された側壁絶縁膜と、この側壁絶縁膜を挾んで、島
状半導体層の側壁の外側に形成された第1導電型の半導
体側壁層とを備えている。ソース/ドレイン領域に接す
る位置の側壁絶縁膜には、開口部を有し、島状半導体層
の側面と半導体側壁層がその開口部において接するとと
もに、島状半導体層内部へは第1導電型の不純物領域が
拡散した第1導電型領域が形成され、ソース/ドレイン
領域とは独立に、半導体側壁層とソース/ドレイン領域
内部の第1導電型領域の電位を制御可能にしたものであ
る。
【0019】
【作用】この発明においては、島状半導体層を取囲む半
導体側壁層を、ソース領域と同じかあるいはそれよりも
低い電位に保持されることになって、島状半導体層の側
壁面の電位が半導体側壁層によって固定される。そのた
め、ゲート電極に電圧を印加しても、島状半導体層の側
壁面がしきい値電圧より低い電圧で反転することが防止
される。これにより、島状半導体層の側壁面に形成され
る寄生トランジスタに起因するリーク電流が低減され
る。
【0020】また、耐圧低下の原因となるドレイン領域
端部近傍における衝突電離と、この衝突電離によって生
じた正孔の蓄積に関しても、ソース領域側の開口部から
拡散した第1導電型不純物がつくる領域が、正孔の逃げ
道となり、蓄積を妨げる。その結果、ソース領域端部近
傍の電位が安定化し、耐圧の低下も防止される。
【0021】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて
説明する。
【0022】図1ないし図3は、本発明の一実施例にお
けるSOI−MOSトランジスタを示しており、図1は
図3のI−I線断面、図2は図3のII−II線断面を
示している。これらの図を参照して、本実施例のSOI
−MOSトランジスタは、p型シリコン基板1の上に、
たとえば、シリコン酸化物層からなる絶縁層2が形成さ
れている。絶縁層2の上には、p型の単結晶シリコンか
らなる半導体層3が形成されている。この半導体層3に
は、n+ 不純物領域からなるソース領域31およびドレ
イン領域32が形成されている。ソース領域31とドレ
イン領域32との間には、チャネル領域33が形成され
ている。チャネル領域33の上には、ゲート酸化膜6を
介して、たとえば多結晶シリコン層あるいは多結晶シリ
コン層と高融点金属シリサイド層とからなる二層構造の
ゲート電極7が形成されている。半導体層3の側壁に
は、たとえば、シリコン酸化膜からなる薄い側壁絶縁膜
4が形成されている。この側壁絶縁膜4には、ゲート電
極7の両側で開口部41,42が設けられている。半導
体層3の側壁に形成された側壁絶縁膜4の外側には、p
+ 型に不純物がドープされた、半導体側壁層としてのシ
リコン層5が配置されている。シリコン層5は、開口部
41,42でソース領域31およびドレイン領域32の
側壁面と接しており、シリコン層5からp+ 型不純物が
拡散して、ゲート電極7の下部まで到達している。ゲー
ト電極7の側壁には、シリコン酸化膜からなるサイドウ
ォールスペーサ8が形成されている。半導体層3の上に
は、低温度での化学的気相薄膜成長法(CVD法)によ
って形成されたシリコン酸化膜などからなる層間絶縁膜
9が形成されている。この層間絶縁膜9には、コンタク
トホール11,12および13が、それぞれソース領域
31,ドレイン領域32およびシリコン層5に対して形
成されている。また、それぞれのコンタクトホール1
1,12および13には、アルミニウム配線10が形成
されている。
【0023】上記のような構造においては、半導体層3
の側壁部分には、薄い側壁絶縁膜4をゲート酸化膜、シ
リコン層5をゲート電極とするMOS構造が認められ
る。しかしながら、このMOS構造においては、そのゲ
ート電極となる部分はp型であり、かつこのゲート電極
となる部分の電位はソース領域31と同じ電位かまたは
それよりも低い電位に保つことができる。そのため、こ
の半導体層3の側壁部分においては、側壁絶縁膜4とシ
リコン層3の界面においては導電型の反転が生じない。
したがって、ソース領域31およびドレイン32と上記
のMOS構造とから形成される寄生MOSトランジスタ
は、常にOFF状態にある。その結果、ソース領域31
とドレイン領域32の間を流れる側壁リーク電流は生じ
ないことになる。これにより、図1ないし図3に示され
るSOI−MOSトランジスタにおいて、半導体層3の
主表面をチャネル面とするトランジスタのみが電気的な
特性の発揮に寄与する。
【0024】さらに、この発明のSOI−MOSトラン
ジスタにおいては、各微小なリーク電流の発生による衝
突電離が引起こされたとしても、基部領域やソース領域
端部近傍の電位が不安定になることはない。たとえば、
ごく微小なリーク電流の発生によってドレイン領域32
の端部近傍において衝突電離が生ずるとする。このと
き、正孔がチャネル領域33の下に拡散してくる。この
ようにチャネル領域下に流れ込む正孔は、チャネル領域
33の端部近傍と界面を有するp+ 接合シリコン層5に
引抜かれる。そのため、ソース領域31の端部近傍の電
位も固定されるとともに、ソース/ドレイン領域間耐圧
の低下も防止され得る。
【0025】このとき、ドレイン領域32側にも存在す
るp+ では、ドレイン領域32とのn+ −p+ 接合が逆
方向にバイアスされるため、導通してしまうことはな
い。また、開口部を微小な領域に限定しているので、こ
のn+ −p+ 接合が形成する容量も最小限に抑えられ、
速度性能に影響を与えることは少ない。
【0026】この発明のMOSFETは、ドレイン領域
32とソース領域31とを入換えても、外壁のp+ 領域
を独立した電位に固定できるので、同じ性能を得ること
ができ、また、回路中でソース電位が接地電位より浮い
た形でも使用できるという利点がある。したがって、従
来のようにソース領域を設置するものが単方向性である
のに比べて、使いやすさと性能の面で飛躍的に向上する
ことになる。
【0027】次に、この発明に従ったSOI−MOSト
ランジスタの製造方法の一例について説明する。
【0028】まず、図4に示すように、主方面の面方位
(100)を有するp- 型シリコン基板1(17〜20
Ωcm)表面上に酸素イオンが200KeVに加速され
て注入される。このときの深さ方向に対する酸素濃度分
布は、図4に示すとおりである。酸素イオンの注入量
は、1.8×1018〜2.0×1018/cm2 である。
【0029】その後、温度1350℃において窒素雰囲
気中で60分間アニール処理が施される。これにより、
図5に示すように、シリコン基板1の表面から所定の深
さに埋め込まれた、厚さ5000オングストロームのシ
リコン酸化物層からなる絶縁層2が形成される。表面部
分には、厚さ2500オングストロームの単結晶シリコ
ン層30が形成される。このようにシリコン基板内部に
シリコン酸化物層を直接構成する方法は、SIMOX
eparation by Implanted
Oxygen)法と呼ばれる。
【0030】次に、図6および図7を参照して、表面の
単結晶シリコン層30が、島状の単結晶シリコンからな
る半導体層3と、その外周壁をなすシリコン層5にパタ
ーニングされ、半導体層3とシリコン層5の間に細い溝
4aが形成される。この溝4aの溝幅は、微細加工の最
先端の技術によって可能な限りの微小寸法を用いる。
【0031】その後、図8および図9を参照して、半導
体層3およびシリコン層5が酸化され、その外周面に酸
化膜21が形成されるとともに、溝4aにも同時に側壁
絶縁膜4が形成される。
【0032】次に、図10ないし図12を参照して、レ
ジストを用いたパターニングによって溝4aに4ヶ所の
開口部41,42が加工され、酸化シリコンからなる絶
縁膜のエッチングによって表面および溝4a内の絶縁膜
が除去される。このとき、開口部41,42の幅は、
0.2〜0.3μm、間隔はゲート長より若干短い値に
設定され、開口部41と開口部42は、0.1μm程度
位置をずらして形成されている。また、外周のシリコン
層5には、p+ 層となるように、高濃度の硼素をドープ
している。
【0033】次に、図13ないし図15を参照して、シ
リコン基板1上全面に多結晶シリコン層22が堆積さ
れ、これに硼素などのp型不純物をドーピングして、p
+ 層とする。その後、図16ないし図18を参照して、
エッチバックによってこの多結晶シリコン層22の大部
分が除去され、開口部41,42のみ多結晶シリコンで
満たされた形で残ることになる。すなわち、シリコン層
5と半導体層3は、この4ヶ所の微小領域で接すること
になる。
【0034】次に、図19ないし図21を参照して、ド
ライエッチングおよびウェットエッチングのプロセスに
よって表面の酸化膜を一度除去した後、再度ゲート酸化
を行ない、多結晶シリコンからなるゲート電極7が形成
される。開口部41,42は、ゲート電極7に一部重な
っており、他の部分はゲート電極7の外側にはみ出して
いる。その後、図22に示すように、ゲート電極7の両
側に、シリコン酸化膜からなるサイドウォールスペーサ
8が設けられる。開口部41,42は、サイドウォール
スペーサ8によってすべて隠れてしまうように、サイド
ウォールスペーサ8の厚みが選ばれる。そして、図23
に示すように、シリコン基板1上全面にTi層を形成し
た後、所定の熱処理を施すことにより、チタンシリサイ
ド膜が、シリコン結晶体の表面に選択的に形成される。
【0035】なお、図24には、層間絶縁膜,コンタク
トホール11,12および13と、アルミニウム配線1
0とを形成して完成したMOSFETを示している。
【0036】ソース領域31とドレイン領域32の不純
物の導入は、LDD(Lightly Doped D
rain)構造とするために、低ドーズと高ドーズとを
それぞれサイドウォールスペーサ8の形成前と後に行な
う。
【0037】なお、上記実施例においては、チャネル領
域がn型のnMOSFETについて述べたが、この考え
方は、pMOSFETにも適用できることは言うまでも
ない。この場合は、それぞれドーピングする不純物の導
電型を逆のものに変更すればよい。
【0038】また、このMOSFETは5端子素子とな
るが、シリコン基板1の裏面と、ドレイン領域32およ
びソース領域31の3つの各電位を、同電位で独立に制
御することができるので、回路上の配置の自由度が極め
て高くなる。すなわち、双方向性を有するトランジスタ
であるので、SRAMのアクセストランジスタ,ドライ
ブトランジスタおよびロードトランジスタのすべてに使
用することが可能であり、またDRAMのスイッチング
トランジスタにも使用することが可能である。
【0039】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、寄生
トランジスタによる側壁リーク電流を低減することが可
能なSOI−MOSトランジスタを得ることができる。
また、ソース領域端部近傍の電位障壁を安定させ、かつ
基部領域の電位を安定させることができるので、ソース
/ドレイン領域間の耐圧の低下を防止することが可能な
SOI−MOSトランジスタを備えた半導体装置および
その製造方法を提供することができる。
【0040】また、構造的にソース領域とドレイン領域
とを入換えても、同様の働きをさせることが可能である
ため、回路内において双方向素子として使用できるとい
う利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるSOI−MOSFE
Tを含む半導体装置の正面断面図である。
【図2】図1に示した半導体装置の側面断面図である。
【図3】同じく図1に示した半導体装置の平面図であ
り、図1はこの図のI−I線断面を示し、図2はこの図
のII−II線断面を示している。
【図4】SIMOX法によりシリコン基板1表面にSO
I層を形成するための酸素注入の工程と、深さ方向の酸
素濃度分布を示す図である。
【図5】シリコン基板1表面に絶縁層2を介して単結晶
シリコン層30が形成された後の構造を示す断面図であ
る。
【図6】絶縁層2上に形成された単結晶シリコン層30
をパターニングし、半導体層3とシリコン層5およびそ
れらの境界に溝4aを形成した状態を示す平面図であ
る。
【図7】図6のIII−III線断面を示す図である。
【図8】半導体層3およびシリコン層5の表面に酸化膜
21を堆積させるとともに、溝4aの内部に側壁絶縁膜
4を形成した状態を示す平面図である。
【図9】図8のIV−IV線断面を示す図である。
【図10】酸化膜21および側壁絶縁膜4の所定位置
に、開口部41,42を形成した状態を示す平面図であ
る。
【図11】図10のV−V線断面を示す図である。
【図12】図10のVI−VI線断面を示す図である。
【図13】シリコン基板1上全面に多結晶シリコン層2
2を形成した状態を示す平面図である。
【図14】図13のVII−VII線断面を示す図であ
る。
【図15】図13のVIII−VIII線断面を示す図
である。
【図16】絶縁層2,半導体層3およびシリコン層5の
各表面上の多結晶シリコン層22をエッチバックにより
除去し、開口部41,42の内部にのみ多結晶シリコン
が残留した状態を示す平面図である。
【図17】図16のIX−IX線断面を示す図である。
【図18】図16のX−X線断面を示す図である。
【図19】半導体層3上に、熱酸化膜21aを介してゲ
ート電極7を形成した後の状態を示す平面図である。
【図20】図19のXI−XI線断面を示す図である。
【図21】図19のXII−XII線断面を示す図であ
る。
【図22】ゲート電極7の左右両側壁にサイドウォール
スペーサ8を形成した状態を示す断面図である。
【図23】半導体層3,シリコン層5およびゲート電極
7のそれぞれの表面が露出した領域にチタンシリサイド
層14を形成した状態を示す断面図である。
【図24】層間絶縁膜9、コンタクトホール11,12
および13、およびアルミニウム配線層10を形成した
後の構造を示す断面図である。
【図25】従来のSOI−MOSトランジスタの構造を
示す断面図である。
【図26】従来のLOCOS法を用いて素子分離された
SOI−MOSトランジスタの断面構造を示す図であ
る。
【図27】従来のメサ分離法を用いて素子分離されたS
OI−MOSトランジスタの断面構造を示す図である。
【図28】図27に示されたSOI−MOSトランジス
タの幅方向(四面に垂直な方向)に沿う断面の主要部を
示す図である。
【図29】従来のSOI−MOSトランジスタのドレイ
ン電流−ゲート電圧特性のグラフを示す図である。
【図30】特開昭62−298162号公報に開示され
た従来のSOI−MOSトランジスタの構造を示す平面
図である。
【図31】図30に示されたSOI−MOSFETのX
III−XIII線断面を示す図である。
【図32】特開昭59−181670号公報に開示され
た、従来の完成されたSOI−MOSトランジスタの構
造を示す平面図である。
【図33】図32に示された従来のSOI−MOSトラ
ンジスタのXV−XV線断面を示す図である。
【図34】図32に示された従来のSOI−MOSトラ
ンジスタのXVI−XVI線断面を示す図である。
【符号の説明】
1はシリコン基板、2は絶縁層、3は半導体層 4は側壁絶縁膜、5はシリコン層、6はゲート酸化膜 7はゲート電極、8はサイドウォールスペーサ、9は層
間絶縁膜 10はアルミニウム配線、11,12,13はコンタク
トホール 14はチタンシリサイド層、31はソース領域、32は
ドレイン領域 33はチャネル領域、41,42は開口部である。 なお、図中、同一符号を付した部分は同一または相当の
要素を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁層と、この絶縁層の主表面上に形成
    され、主表面と側壁とを有し、その周囲から分離された
    第1導電型の島状半導体層と、この島状半導体層の主表
    面の一部をチャネル面とするチャネル領域を規定するよ
    うに、前記島状半導体層内に互いに間隔を隔てて形成さ
    れた第2導電型のソース/ドレイン領域と、前記チャネ
    ル面の上に絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、前
    記島状半導体層の側壁に形成された側壁絶縁膜と、この
    側壁絶縁膜を挾んで、前記島状半導体層の側壁の外側に
    形成された第1導電型の半導体側壁層とを備え、前記ソ
    ース/ドレイン領域に接する位置の前記側壁絶縁膜には
    開口部を有し、前記島状半導体層の側面と前記半導体側
    壁層が前記開口部において接するとともに、前記島状半
    導体層内部へは第1導電型の不純物が拡散した第1導電
    型領域が形成され、前記ソース/ドレイン領域とは独立
    に、前記半導体側壁層と前記ソース/ドレイン領域内部
    の前記第1導電型領域の電位を制御可能にしたことを特
    徴とする電界効果型トランジスタを備えた半導体装置。
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